(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342839
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】受信端末及び映像視聴システム
(51)【国際特許分類】
H04N 21/6377 20110101AFI20180604BHJP
H04L 12/917 20130101ALI20180604BHJP
H04L 29/08 20060101ALI20180604BHJP
H04N 21/2385 20110101ALI20180604BHJP
H04N 21/442 20110101ALI20180604BHJP
【FI】
H04N21/6377
H04L12/917
H04L13/00 307C
H04N21/2385
H04N21/442
【請求項の数】2
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-85740(P2015-85740)
(22)【出願日】2015年4月20日
(65)【公開番号】特開2016-208176(P2016-208176A)
(43)【公開日】2016年12月8日
【審査請求日】2015年4月20日
【審判番号】不服2017-1929(P2017-1929/J1)
【審判請求日】2017年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】399041158
【氏名又は名称】西日本電信電話株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(72)【発明者】
【氏名】田中 聡
【合議体】
【審判長】
鳥居 稔
【審判官】
清水 正一
【審判官】
小池 正彦
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−198926(JP,A)
【文献】
特開2014−157464(JP,A)
【文献】
特開2009−141926(JP,A)
【文献】
特開2004−135307(JP,A)
【文献】
特開2015−19384(JP,A)
【文献】
特開2008−236685(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 21/00 - 21/858
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像配信サーバから映像視聴の提供を受け、WEBサーバからWEBサービスの提供を受け、映像視聴とWEBサービスを同時利用する受信端末であって、
映像視聴時のアダプティブストリーミングを制御するアダプティブ制御部と、
WEB利用の帯域を制限するための帯域制御情報を算出する帯域制御部と、
同一の映像コンテンツを視聴している間に1回だけ前記帯域制御部により算出された帯域制御情報をWEBサーバに送信する通信部と
を備え、
前記アダプティブ制御部は、次のセグメントの取得時、前記アダプティブストリーミングで保持されるバッファ量を確認し、前記バッファ量が閾値以下になった際に最低ビットレートのセグメントの取得に必要な帯域の情報を前記帯域制御部に通知し、
前記帯域制御部は、前記アダプティブ制御部から前記帯域の情報を通知されると、映像視聴用に少なくとも最低ビットレートの映像コンテンツが取得できるだけの帯域を確保するため、最低ビットレートのセグメントのサイズをs、1セグメントの再生時間をt、ネットワークのスループットをTとした場合、前記帯域制御情報として[T−s/t]を算出し、
前記WEBサーバによって、[T−s/t]未満までWEB利用の帯域が制限される
ことを特徴とする受信端末。
【請求項2】
映像視聴とWEBサービスを同時利用する受信端末と、
前記受信端末に映像を配信する映像配信サーバと、
前記受信端末からの帯域制御情報に基づいてWEB利用の帯域を制限するWEBサーバと
を備え、
前記受信端末は、
映像視聴時のアダプティブストリーミングを制御するアダプティブ制御部と、
WEB利用の帯域を制限するための帯域制御情報を算出する帯域制御部と、
同一の映像コンテンツを視聴している間に1回だけ前記帯域制御部により算出された帯域制御情報をWEBサーバに送信する通信部と
を備え、
前記アダプティブ制御部は、次のセグメントの取得時、前記アダプティブストリーミングで保持されるバッファ量を確認し、前記バッファ量が閾値以下になった際に最低ビットレートのセグメントの取得に必要な帯域の情報を前記帯域制御部に通知し、
前記帯域制御部は、前記アダプティブ制御部から前記帯域の情報を通知されると、映像視聴用に少なくとも最低ビットレートの映像コンテンツが取得できるだけの帯域を確保するため、最低ビットレートのセグメントのサイズをs、1セグメントの再生時間をt、ネットワークのスループットをTとした場合、前記帯域制御情報として[T−s/t]を算出し、
前記WEBサーバは、[T−s/t]未満までWEB利用の帯域を制限する
ことを特徴とする映像視聴システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信端末及び映像視聴システムに関し、特に、マルチウィンドウ環境での映像視聴における帯域制御技術に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今、テレビでのインターネットの利用が普及し、今後、マルチウィンドウにより映像視聴やWEBサービスを同時に利用するケースが増えると想定される。そのため、マルチウィンドウ環境においても映像視聴の品質を損なわない技術が必要である(特許文献1〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−348284号公報
【特許文献2】特開2008−311902号公報
【特許文献3】特開2000−253021号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
NW(ネットワーク)の状況に応じて映像品質を調整することで、スループットが低下した場合でも映像再生が途切れないようにする技術(アダプティブストリーミング)は既にあるが、映像視聴とWEBを同時利用する場合は、映像再生が途切れることがある。
【0005】
図8は、従来の課題を説明するためのグラフである。図中の線L1はスループット(NWの状況)を示し、線L2はWEBで使用するNW帯域(WEB使用帯域)を示している。また、「低」「中」「高」は、映像コンテンツ20の品質(ビットレート)を示している。
【0006】
まず、映像視聴のみの場合、
図8(a)に示すように、スループットL1により、取得する映像コンテンツ20のビットレートを調整する。これにより、スループットL1が低下した場合でも映像再生が途切れないようにすることができる。
【0007】
しかし、映像視聴とWEBの同時利用の場合、
図8(b)に示すように、WEB使用帯域L2の影響で映像視聴用に使用できるNW帯域が減少し、映像コンテンツ20の取得に時間がかかる。そのため、映像コンテンツ20のダウンロードが間に合わないことで受信端末内のバッファが枯渇し、映像再生が途切れやすくなる(区間A参照)。
【0008】
本発明は、上述した従来の技術に鑑み、マルチウィンドウ環境で映像視聴とWEB利用を同時利用する場合でも両サービスの品質を大きく損ねることのない受信端末及び映像視聴システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するため、第1の態様に係る発明は、
映像配信サーバから映像視聴の提供を受け、WEBサーバからWEBサービスの提供を受け、映像視聴とWEBサービスを同時利用する受信端末であって、映像視聴時のアダプティブストリーミングを制御するアダプティブ制御部と、
WEB利用の帯域を制限するための帯域制御情報を算出する帯域制御部と、同一の映像コンテンツを視聴している間に1回だけ前記帯域制御部により算出された帯域制御情報をWEBサーバに送信する通信部とを備え、
前記アダプティブ制御部は、次のセグメントの取得時、前記アダプティブストリーミングで保持されるバッファ量を確認し、前記バッファ量が閾値以下になった際に最低ビットレートのセグメントの取得に必要な帯域の情報を前記帯域制御部に通知し、前記帯域制御部は、
前記アダプティブ制御部から前記帯域の情報を通知されると、映像視聴用に少なくとも最低ビットレートの映像コンテンツが取得できるだけの帯域を確保するため、最低ビットレートのセグメントのサイズをs、1セグメントの再生時間をt
、ネットワークのスループットをTとした場合、前記帯域制御情報として
[T−s/t]を算出し、前記WEBサーバ
によって、[T−s/t]未満までWEB利用の帯域
が制限
されることを要旨とする。
【0013】
上記目的を達成するため、第2の態様に係る発明は、映像視聴システムであって、映像視聴とWEBサービスを同時利用する受信端末と、前記受信端末に映像を配信する映像配信サーバと、前記受信端末からの帯域制御情報に基づいてWEB利用の帯域を制限するWEBサーバとを備え、前記受信端末は、映像視聴時のアダプティブストリーミングを制御するアダプティブ制御部と、
WEB利用の帯域を制限するための帯域制御情報を算出する帯域制御部と、同一の映像コンテンツを視聴している間に1回だけ前記帯域制御部により算出された帯域制御情報をWEBサーバに送信する通信部とを備え、
前記アダプティブ制御部は、次のセグメントの取得時、前記アダプティブストリーミングで保持されるバッファ量を確認し、前記バッファ量が閾値以下になった際に最低ビットレートのセグメントの取得に必要な帯域の情報を前記帯域制御部に通知し、前記帯域制御部は、
前記アダプティブ制御部から前記帯域の情報を通知されると、映像視聴用に少なくとも最低ビットレートの映像コンテンツが取得できるだけの帯域を確保するため、最低ビットレートのセグメントのサイズをs、1セグメントの再生時間をt
、ネットワークのスループットをTとした場合、前記帯域制御情報として
[T−s/t]を算出し、前記WEBサーバは
、[T−s/t]未満までWEB利用の帯域を制限することを要旨とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、マルチウィンドウ環境で映像視聴とWEB利用を同時利用する場合でも両サービスの品質を大きく損ねることのない受信端末及び映像視聴システムを提供することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明の実施の形態における受信端末の利用環境を示す図である。
【
図2】本発明の実施の形態における映像視聴システムの構成図である。
【
図3】本発明の実施の形態における受信端末の機能ブロック図である。
【
図4】本発明の実施の形態における映像視聴システムの説明図である。
【
図5】本発明の実施の形態における映像視聴システムのシーケンス図である。
【
図6】本発明の実施の形態における受信端末の動作を示すフローチャートである。
【
図7】本発明の実施の形態の効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は、この発明の技術的思想を具体化するための映像視聴システムを例示するものであり、装置の構成やデータの構成等は以下の実施の形態に限定されるものではない。
【0017】
図1は、本発明の実施の形態における受信端末1の利用環境を示す図である。ここでは、マルチウィンドウにより映像視聴とWEBサービスを同時に利用する場合を想定している。
【0018】
受信端末1は、STB(セットトップボックス)等の端末である。映像配信サーバ2は、VOD(Video On Demand)等の映像配信サービスを提供する装置である。WEBサーバ3は、WEBサービスを提供する装置である。ディスプレイ4は、テレビ等の表示装置である。
【0019】
受信端末1は、アダプティブストリーミングに対応している。アダプティブストリーミングとは、視聴者の通信環境に応じて自動的にコンテンツの品質・サイズを変更することができる映像配信方式である。アダプティブストリーミングで映像配信する場合の映像コンテンツの最小単位は「セグメント」と呼ばれる。
【0020】
図2は、本発明の実施の形態における映像視聴システムの構成図である。この図に示すように、受信端末1は、ブロードバンドルータ6を介して通信網5に接続されている。受信端末1は、映像配信サーバ2から映像コンテンツを受信してディスプレイ4に出力するとともに、WEBサーバ3からHTML文書等を受信してディスプレイ4に出力する。
【0021】
図3は、本発明の実施の形態における受信端末1の機能ブロック図である。この図に示すように、受信端末1は、通信部11と、帯域制御部12と、アプリケーション実行部13と、アダプティブ制御部14と、レンダリング部15と、映像デコード部16と、ディスプレイ出力部17とを備える。通信部11は、NW(ブロードバンドルータ6)との通信を行う。アプリケーション実行部13は、映像視聴アプリやWEBサービス利用アプリ等のアプリケーションプログラムを実行する。アダプティブ制御部14は、映像視聴時のアダプティブストリーミングを制御する機能部であり、取得したセグメント21から直近のスループットを計算し、次に取得するセグメント21の品質(ビットレート)を決定する。帯域制御部12は、バッファ量が減少した際に、WEB利用の制限帯域を算出する。映像デコード部16は、映像データのデコード処理を行う。レンダリング部15は、画面を生成する。ディスプレイ出力部17は、ディスプレイ4に画面を出力する。
【0022】
図4は、本発明の実施の形態における映像視聴システムの説明図である。
【0023】
まず、
図4(a)を用いて、映像視聴のみの場合について説明する。映像配信サーバ2は、一つの映像コンテンツ20に対して複数のビットレート(高、中、低)のセグメント21を用意している。受信端末1は、ダウンロードする映像コンテンツ20のビットレートをスループットに応じて選択する。具体的には、スループットが高ければ高ビットレートのセグメント21、スループットが低ければ低ビットレートのセグメント21を選択するようになっている。
【0024】
受信端末1は、例えば6個のバッファ(未再生セグメント)を保持し、順次再生する。ここでは、最低ビットレート(低ビットレート)のセグメント21のサイズをs(Mbit)、1つのセグメント21の再生時間をt(秒)として説明する。
【0025】
次に、
図4(b)を用いて、映像視聴とWEBを同時利用する場合について説明する。まず、映像視聴中にWEBサービスの同時利用を開始すると、NWのスループット低下によりセグメント21のダウンロードに時間がかかり、受信端末1内のバッファ量が減少する。そこで、バッファの枯渇による映像停止を防ぐために、1つのセグメント21の再生時間内に低ビットレートのセグメント21を取得完了するのに必要なスループット(s/t)を計算し、そのスループットを確保するために制限をかけるべきWEBの帯域を算出する。具体的には、NWのスループットをT(Mbps)とすると、[T−s/t](Mbps)未満までWEBの利用帯域を制限する。このように算出した帯域制御情報をWEBサーバ3に送信すると、WEBサーバ3側で帯域制御情報に基づいてWEB利用の帯域を制限するようになっている。その後、バッファ量の回復またはWEB利用の終了により帯域制御解除の情報をWEBサーバ3に送信すると、WEBサーバ3側で帯域制御を解除するようになっている。
【0026】
このように、本実施の形態では、NW状況及び映像再生状況(バッファ量)から、映像再生に最低限必要なスループットを計算し、WEB使用帯域を制御する。そのため、マルチウィンドウ環境で映像視聴とWEB利用を同時利用する場合でも両サービスの品質を大きく損ねることがないという効果が得られる。
【0027】
図5は、本発明の実施の形態における映像視聴システムのシーケンス図である。
【0028】
まず、アプリケーション実行部13は、映像視聴アプリとWEBサービス利用アプリの両方が起動されている場合、映像視聴、WEBの同時利用と判断する(S1)。この場合、映像配信サーバ2に映像コンテンツ20を要求し、映像配信サーバ2から映像コンテンツ20を取得すると(S2→S3)、映像データを映像デコード部16に通知し(S4)、取得した映像コンテンツ20のダウンロード情報をアダプティブ制御部14に通知する(S5)。
【0029】
次いで、映像デコード部16は、映像データのデコード処理を行う(S6)。
【0030】
一方、アダプティブ制御部14は、取得したセグメント21から直近のスループットを計算し、次に取得するセグメント21のビットレートを決定する(S7)。また、次のセグメント21の取得時にバッファ量を確認し、バッファ量が減少していた場合、WEBの帯域制御を行う(S8)。具体的には、低ビットレートのセグメント21の取得に必要な帯域の情報を帯域制御部12に通知する(S9)。これにより、帯域制御部12がWEBサーバ3に帯域制御情報を送信すると(S10)、WEBサーバ3が帯域制御を開始する(S11)。
【0031】
次いで、アプリケーション実行部13は、アダプティブ制御部14から次取得セグメント情報を受信すると、映像配信サーバ2に映像コンテンツ20を要求し、映像配信サーバ2から映像コンテンツ20を取得する(S12→S13→S14)。WEBの帯域制御中は、低ビットレートのセグメント21を取得することになる(S14)。
【0032】
その後、アダプティブ制御部14は、スループットが向上し、バッファ量が回復すると(S15〜S19)、バッファ回復情報を帯域制御部12に通知する(S20)。これにより、帯域制御部12がWEBサーバ3に帯域制御解除の情報を送信すると(S21)、WEBサーバ3が帯域制御を解除する(S22)。
【0033】
図6は、本発明の実施の形態における受信端末1の動作を示すフローチャートである。
【0034】
受信端末1は、映像視聴、WEBの同時利用を開始している(S31)。次のセグメント21の取得時にバッファ量を確認し、バッファ量が閾値以下であれば、最低ビットレートのセグメント21の取得に必要な帯域を計算し、WEB利用の帯域制御
情報をWEBサーバ3に送信する(S32→S33→S34→S35)。例えば、最低ビットレートのセグメント21のサイズをs(Mbit)、1セグメントの再生時間をt(秒)とすると、帯域制御
情報は
[T−s/t
](Mbps)である。
【0035】
次いで、受信端末1は、次のセグメント21の取得時にバッファ量を確認し、バッファ量が閾値以下であれば、ステップS34に戻る(S36→S37→S34)。一方、次のセグメント21の取得時にバッファ量を確認し、バッファ量が閾値以下でなければ、帯域制御解除の情報をWEBサーバに送信する(S36→S37→S38)。例えば、6個の未再生セグメントを保持する場合、閾値は6×t(秒)とすればよい。
【0036】
映像視聴、WEBの同時利用中は以上の動作を繰り返す(S32〜S39)。
【0037】
なお、ここでは、次のセグメント21の取得時に帯域制御
情報[T−s/t](Mbps)をWEBサーバ3に送信することとしているが(S32→S33→S34→S35)、本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、同一の映像コンテンツ20を視聴している間は
、s/t(Mbps)が変わらないため、帯域制御
情報[T−s/t](Mbps)をWEBサーバ3に送信するのは1回だけでもよい。
【0038】
図7は、本発明の実施の形態の効果を示すグラフである。この図に示すように、WEBの利用により映像コンテンツ20のバッファが枯渇する場合は、図中の矢印のように、WEB使用帯域L2を絞るように制御し、映像視聴用に少なくとも最低ビットレートの映像コンテンツ20が取得できるだけの帯域を確保する。これにより、映像視聴とWEB利用を同時利用する場合でも安定して両サービスを利用することができる。
【0039】
以上のように、本発明の実施の形態における受信端末1は、映像視聴とWEBサービスを同時利用する受信端末1であって、映像視聴時のアダプティブストリーミングを制御するアダプティブ制御部14と、アダプティブ制御部14によるアダプティブストリーミングで保持されるバッファ量が閾値以下になった際、WEB利用の帯域を制限するための帯域制御情報を算出する帯域制御部12と、帯域制御部12により算出された帯域制御情報をWEBサーバ3に送信する通信部11とを備える。これにより、映像再生状況(映像コンテンツ取得時のスループット及び受信端末1内のバッファ量)をリアルタイムに加味して、WEBサービス利用のNW帯域を制御することができる。そのため、マルチウィンドウ環境で映像視聴とWEB利用を同時利用する場合でも両サービスの品質を大きく損ねることがないという効果が得られる。
【0040】
具体的には、帯域制御部12は、映像視聴用に少なくとも最低ビットレートの映像コンテンツ20が取得できるだけの帯域を確保してもよい。これにより、ネットワークの帯域が変動する環境下においても、少なくとも最低ビットレートのコンテンツは取得できるため、確実に映像再生の途切れが生じないようWEB利用の帯域を制御することが可能である。
【0041】
また、帯域制御部12は、最低ビットレートのセグメントのサイズをs、1セグメントの再生時間をtとした場合、帯域制御情報としてs/tを算出してもよい。これにより、1セグメントの再生時間tに応じて最適な帯域制御値を算出することが可能である。
【0042】
また、帯域制御部12は、バッファ量が回復した際、又はWEB利用が終了した際、WEB利用の帯域制限を解除してもよい。これにより、WEB利用の帯域制限が不要になると、即座にWEB利用の帯域制限を解除することが可能である。
【0043】
なお、本発明は、受信端末1として実現することができるだけでなく、受信端末1が備える特徴的な処理部を各ステップとする映像視聴方法として実現したり、それら各ステップをコンピュータに実行させる映像視聴プログラムとして実現したりすることも可能である。このようなプログラムは、CD−ROM等の記録媒体やインターネット等の伝送媒体を介して配信することができるのはいうまでもない。
【符号の説明】
【0044】
1…受信端末
2…映像配信サーバ
3…WEBサーバ
4…ディスプレイ
5…通信網
6…ブロードバンドルータ
11…通信部
12…帯域制御部
13…アプリケーション実行部
14…アダプティブ制御部
15…レンダリング部
16…映像デコード部
17…ディスプレイ出力部