特許第6342950号(P6342950)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342950
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】挿抜構造およびこれを用いた電子機器
(51)【国際特許分類】
   H05K 5/02 20060101AFI20180604BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   H05K5/02 G
   G06K7/00 021
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-103151(P2016-103151)
(22)【出願日】2016年5月24日
(65)【公開番号】特開2017-212280(P2017-212280A)
(43)【公開日】2017年11月30日
【審査請求日】2017年9月15日
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100109313
【弁理士】
【氏名又は名称】机 昌彦
(74)【代理人】
【識別番号】100124154
【弁理士】
【氏名又は名称】下坂 直樹
(72)【発明者】
【氏名】大杉 洸平
【審査官】 石坂 博明
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−155004(JP,A)
【文献】 特開2000−215952(JP,A)
【文献】 実開昭59−121873(JP,U)
【文献】 特開平07−321890(JP,A)
【文献】 国際公開第02/37703(WO,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2010/0084310(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 5/02
G06K 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平板部品を挿抜自在に保持する保持部材と、
前記保持された状態での前記平板部品の底面と略同一面上に存し、前記保持部材から引き抜かれた前記平板部品を載置し、前記平板部品の外周よりも外側に外周を有して露出している載置面を有する載置部材と、を備え、
前記載置面に凹部を有し、前記凹部は、前記凹部の開口部の縁に沿う回転軸での前記平板部品の回転を前記載置面から1/4回転未満に規制する係止部を有する、挿抜構造。
【請求項2】
前記係止部は、斜面である、請求項1記載の挿抜構造。
【請求項3】
前記凹部は、前記平板部品の挿抜方向または前記挿抜方向の垂直方向に、前記平板部品の前記挿抜方向の幅または前記挿抜方向に垂直方向の幅よりも大きい幅を有し、前記挿抜方向の垂直方向または前記挿抜方向に前記斜面を有する、請求項2記載の挿抜構造。
【請求項4】
前記凹部は、前記凹部の前記保持部材の側に第1の斜面を有し、前記凹部の前記保持部材の反対側に第2の斜面を有する、請求項2または3記載の挿抜構造。
【請求項5】
前記係止部は、前記凹部の底面と側面の少なくとも一つに設けられている凸部を有する、請求項1記載の挿抜構造。
【請求項6】
前記凹部は、前記平板部品と前記凹部とが前記回転の回転軸に沿う線分を共有することとなるような深さを有する、請求項1から5の内の1項記載の挿抜構造。
【請求項7】
前記載置面は、前記平板部品と接する凸部を有する、請求項1から6の内の1項記載の挿抜構造。
【請求項8】
前記平板部品は、メモリカードを含む、請求項1から7の内の1項記載の挿抜構造。
【請求項9】
前記保持部材は、コネクタを含む、請求項1から8の内の1項記載の挿抜構造。
【請求項10】
請求項1から9の内の1項記載の挿抜構造を備えている電子機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリカードなどの平板部品を挿抜する構造とこれを備えた電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話機やスマートフォンなどの電子機器は、U−SIM(Universal Subscriber Identity Module)カードやSDカード(Secure Digital Memory Card)など、ユーザにより挿抜されるカード状の電子部品(以下、カード部品という)を収容するコネクタ(スロットともいう)を有している。これらの電子機器では、小さいカード部品を狭いスペースで挿抜する必要がある。
【0003】
図13は、コネクタにカバーを設けてカード部品を挿抜する電子機器を、図14は、トレーを設けてカード部品を挿抜する電子機器を、各々示す。これらの場合は、カバーやトレー等の部品が追加されるため、コストが増大する。
【0004】
図15は、コネクタから引き抜かれたカード部品が位置する挿抜面を有する電子機器を示す。図15では、電子機器の上面図と、H−H断面から矢印H’の方向を見た図とを示す。挿抜面は、機器のカバーより一段下がった面に露出して設けられている。この場合、カード部品をコネクタから挿抜面に引き出しても、カード部品は引き出される方向に存在するカバーに当たってしまう。さらに、挿抜面にはカード部品を指先で摘むだけのスペースがない。そのため、カード部品を取り出すことができない。カード部品を取り出すためには、機器を逆さまにして取り出すことになり、操作性が悪い。
【0005】
図16は、挿抜面のカード部品が引き出される方向の延長上に存在するカバーの側面に切り欠きを設けることで、カード部品の抜去の際の操作性を改善した電子機器を示す。しかしながら、この切り欠きを設けることで、カバーのデザインに制約をかけてしまっている。
【0006】
また、図17図18とは、電池の収納スペースの端面や底面にコネクタを設けた電子機器を示す。しかしながら、これらの場合は、カード部品を挿抜する際には電池を外す必要があり、挿抜までの手順が増えてしまう。
【0007】
特許文献1と特許文献2には、部品を着脱する面に段差を設け、この段差で部品を傾けることによって部品を着脱する機器が開示されている。これにより、機器を逆さまにしたり手順を増やしたりすることなく、また、カバーの側面に切り欠けを設けることなく、部品を着脱することを可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】実開平4−46350号公報
【特許文献2】特開2006−59600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、特許文献1および2に開示された技術は、以下の課題を有している。すなわち、特許文献1および2の技術では、カード部品を着脱する面に設けられた段差にカード部品の端部が急速に落ち込むことで、カード部品が弾かれて飛び出し、カード部品を紛失したり壊したりする危険があることである。また、特許文献1および2の技術は、バネの弾性力を利用して抜去する機構である。そのため、特許文献1および2の機構では、追加の部品としてバネを必要として部品点数が増えるため、コストが増大する。
【0010】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、デザインの制約を抑制しつつ、容易かつ安全にカード部品を挿抜する挿抜構造を、部品点数を少なく実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の挿抜構造は、平板部品を挿抜自在に保持する保持部材と、前記保持された状態での前記平板部品の底面と略同一面上に存し、前記保持部材から引き抜かれた前記平板部品を載置し、前記平板部品の外周よりも外側に外周を有して露出している載置面を有する載置部材と、を備え、前記載置面に凹部を有し、前記凹部は、前記凹部の開口部の縁に沿う回転軸での前記平板部品の回転を前記載置面から1/4回転未満に規制する係止部を有する。
【0012】
本発明の電子機器は、平板部品を挿抜自在に保持する保持部材と、前記保持された状態での前記平板部品の底面と略同一面上に存し、前記保持部材から引き抜かれた前記平板部品を載置し、前記平板部品の外周よりも外側に外周を有して露出している載置面を有する載置部材と、を備え、前記載置面に凹部を有し、前記凹部は、前記凹部の開口部の縁に沿う回転軸での前記平板部品の回転を前記載置面から1/4回転未満に規制する係止部を有する挿抜構造を備えている。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、デザインの制約を抑制しつつ、容易かつ安全にカード部品を挿抜する挿抜構造を、部品点数を少なく実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の第1の実施形態の挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図2】本発明の第2の実施形態の挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図3】本発明の第2の実施形態の挿抜構造の載置面を示す上面図である。
図4】本発明の第2の実施形態の挿抜構造の凹部の斜面と平板部品との関係を示す図である。
図5】本発明の第3の実施形態の挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図6】本発明の第4の実施形態のカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図7】本発明の第4の実施形態のカード部品挿抜構造の変形例の構造を示す図である。
図8】本発明の第4の実施形態のカード部品挿抜構造の動作を説明するための図である。
図9】本発明の第5の実施形態のカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図10】本発明の第5の実施形態のカード部品挿抜構造の動作を説明するための図である。
図11】本発明の第6の実施形態のカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図12】本発明の第6の実施形態のカード部品挿抜構造の動作を説明するための図である。
図13】関連するカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図14】関連するカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図15】関連するカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図16】関連するカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図17】関連するカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
図18】関連するカード部品挿抜構造およびこれを用いた電子機器を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態を詳細に説明する。但し、以下に述べる実施形態には、本発明を実施するために技術的に好ましい限定がされているが、発明の範囲を以下に限定するものではない。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態の挿抜構造10およびこれを用いた電子機器1を示す図である。図1では、電子機器1の上面図と挿抜構造10のA−A断面図とを示す。
【0016】
本実施形態の挿抜構造10は、平板部品12を挿抜自在に保持する保持部材11を備えている。さらに、前記保持された状態での前記平板部品12の底面と略同一面上に在し、前記保持部材11から引き抜かれた前記平板部品12を載置し、前記平板部品12の外周よりも外側に外周を有して露出している載置面14を有する載置部材13を備えている。さらに、前記載置面14に凹部15を有する。さらに、前記凹部15は、前記凹部15の開口部151の縁152に沿う回転軸17での前記平板部品12の回転を前記載置面14から1/4回転未満に規制する係止部16を有する。
【0017】
本実施形態によれば、指先で、平板部品12を凹部15により傾けて摘み出すことができる。よって、平板部品12を保持部材11から引き抜く方向の延長上に存在する電子機器1の側面18に、切り欠きを設ける必要がないため、デザインへの制約を抑制できる。また、平板部品12は係止部16に接して傾くことができる。これにより、段差がある場合に生じ易い、平板部品12が段差で急速に大きく傾くことで弾かれて飛び出すことが抑制され、平板部品12を紛失したり壊したりする危険が抑制される。
【0018】
また、載置面14は露出しているので、平板部品12を抜去する前に電池を取り外すなどの手間が要らず、抜去の際の作業工数が抑制される。さらに、バネなどの追加の部品を必要としないため、部品点数が抑制されコストが抑制される。
【0019】
以上のように、本実施形態によれば、デザインの制約を抑制しつつ、容易かつ安全にカード部品を挿抜する挿抜構造を、部品点数を少なく実現することができる。
(第2の実施形態)
図2は、本発明の第2の実施形態の挿抜構造20およびこれを用いた電子機器2を示す図である。図2では、電子機器2の上面図と挿抜構造20のB−B断面図とを示す。
【0020】
本実施形態の挿抜構造20は、平板部品22を挿抜自在に保持する保持部材21を備えている。さらに、前記保持された状態での前記平板部品22の底面と略同一面上に在し、前記保持部材21から引き抜かれた前記平板部品22を載置し、前記平板部品22の外周よりも外側に外周を有して露出している載置面24を有する載置部材23を備えている。さらに、前記載置面24に凹部25を有する。さらに、前記凹部25は、前記凹部25の開口部251の縁252に沿う回転軸27での前記平板部品22の回転を前記載置面24から1/4回転未満に規制する斜面26を有する。
【0021】
図3は、載置面24に設けられる凹部25の、平面視の形状の例を示す上面図である。(a)の凹部25aは、長方形の形状を有する。凹部25aは、斜面26aと底27aを有し、回転軸27aを中心として斜面26aに沿って平板部品22を傾けることができる。ここで回転軸27aとは、平板部品22を凹部25の開口部251の縁252に沿って回転させる際の回転軸である。(a)の場合の回転軸27aは、挿抜方向に対して垂直である。
【0022】
これに対して(b)の凹部25bは、台形の形状を有する。凹部25bは、斜面26bと底27bを有し、回転軸27bを中心として斜面26bに沿って平板部品22を傾けることができる。また、(c)の凹部25cは、三角形の形状を有する。凹部25cは、斜面26cと底27cを有し、回転軸27cを中心として斜面26cに沿って平板部品22を傾けることができる。(b)や(c)の回転軸27b、27cは、挿抜方向に対して垂直から傾いている。
【0023】
図4は、回転軸27に垂直方向の斜面26の長さxと、回転軸27に垂直方向の平板部品の長さyとの関係を示す。凹部25の斜面26に沿って平板部品22を傾ける際の回転軸27は、挿抜方向に対して垂直の場合も、挿抜方向に対して垂直から傾いている場合も可能である。図4では、挿抜方向に対して垂直から傾いている場合を示している。
【0024】
回転軸27に対して垂直方向の斜面の長さxは、回転軸に対して垂直方向の平板部品22の長さyよりも短く設定される。この設定は、凹部25の深さ253と斜面26の傾斜角度とを設定することで可能である。これにより、傾斜させた平板部品22が滑るなどして凹部25の底の方向にずれたとしても、ずれた後の傾斜させた平板部品22と、斜面26と載置面24との縁252(図2を参照)とは、回転軸27に沿う線分を共有することができる。これにより、平板部品22を回転軸27を中心にして傾けたときには、載置面24よりも上側に位置する平板部品22の部分が生じ、この部分を指先で摘むことによって、平板部品22を取り出すことができる。
【0025】
このとき、凹部25の回転軸27に沿う線分aは平板部品22の回転軸27に沿う線分bよりも長い。さらに、凹部25の平面視の外周は、平板部品22の斜面26に沿う部分が載置面24に面しているときの平板部品22の斜面26に沿う部分の外周よりも、外側に位置する。
【0026】
一方で、凹部25の平面視の外周(開口部251)は、平板部品22が挿抜方向に移動する際に、平板部品22の全体が凹部25に落ち込むことが無いように設定される。すなわち、例えば、挿抜方向に対して垂直な平板部品22の幅よりも、挿抜方向に対して垂直な凹部25の開口部251の幅を広く設定する場合、挿抜方向の平板部品22の幅よりも、挿抜方向の開口部251の幅を狭く設定する。また、挿抜方向の平板部品22の幅よりも、挿抜方向の開口部251の幅を広く設定する場合、挿抜方向に対して垂直な平板部品22の幅よりも、挿抜方向に対して垂直な凹部25の開口部251の幅を狭く設定する。以上のように設定することで、平板部品22が挿抜方向に移動する際に、平板部品22の全体が凹部25に落ち込むことは無くなる。
【0027】
なお、凹部25の平面視の外周の各辺は、直線には限定されず、曲線を有していても、凹凸を有していてもよい。斜面26と載置面24との縁252は、平板部品22が回転するときの回転軸が形成されていれば、直線には限定されず、曲線を有していても、凹凸を有していてもよい。
【0028】
なお、平板部品22の平面視での形状は、長方形には限定されない。平板部品22は各種多角形や円形や楕円形、また、平面視の外周に凹凸を有する形状とすることができる。
【0029】
本実施形態によれば、指先で、平板部品22を凹部25により傾けて摘み出すことができる。よって、平板部品22を保持部材21から引き抜く方向の延長上に存在する電子機器2の側面28に、切り欠きを設ける必要がないため、デザインへの制約を抑制できる。また、凹部25は斜面26を有して載置面24と繋がっているため、平板部品22は斜面26に沿って傾くことができる。これにより、段差がある場合に生じ易い、平板部品22が段差で急速に大きく傾くことで弾かれて飛び出すことが抑制され、平板部品22を紛失したり壊したりする危険が抑制される。
【0030】
また、載置面24は露出しているので、平板部品22を抜去する前に電池を取り外すなどの手間が要らず、抜去の際の作業工数が抑制される。さらに、バネなどの追加の部品を必要としないため、部品点数が抑制されコストが抑制される。
【0031】
以上のように、本実施形態によれば、デザインの制約を抑制しつつ、容易かつ安全にカード部品を挿抜する挿抜構造を、部品点数を少なく実現することができる。
(第3の実施形態)
図5は、本発明の第3の実施形態の挿抜構造30およびこれを用いた電子機器3を示す図である。図5では、電子機器3の上面図と挿抜構造30のC−C断面図とを示す。
【0032】
本実施形態の挿抜構造30は、平板部品32を挿抜自在に保持する保持部材31を備えている。さらに、前記保持された状態での前記平板部品32の底面と略同一面上に在し、前記保持部材31から引き抜かれた前記平板部品32を載置し、前記平板部品32の外周よりも外側に外周を有して露出している載置面34を有する載置部材33を備えている。さらに、前記載置面34に凹部35を有する。さらに、前記凹部35は、前記凹部35の開口部351の縁352に沿う回転軸37での前記平板部品32の回転を前記載置面34から1/4回転未満に規制する、前記凹部35の底面と側面の少なくとも一つに設けられている凸部36を有する。
【0033】
凸部36は、図5の(a)〜(d)に示すように、凹部35の底面に設けられている場合(a)、側面に設けられている場合(b)、底面と側面の双方に設けられている場合(c)、C−C断面に対して奥行き方向の側面に設けられている場合(d)が可能である。
【0034】
なお、図5では、凸部36の断面を四角形としているが、これには限定されない。凸部36の断面は、任意の多角形や円形や楕円形とすることができる。また、凸部36の断面は、凹凸を有していてもよい。また、凸部36は複数であってもよい。凸部36は、凹部35の開口部351の縁352に沿って平板部品32を回転させる際に、回転させた平板部品32の底面と接して平板部品32を載置面34に対して90°未満の斜めに係止させることができるものであれば、上記には限定されない。
【0035】
また、凹部35の深さ353は、傾斜させた平板部品32が滑るなどして凹部35の底の方向にずれたとしても、ずれた後の平板部品32と、凹部35の縁352とが、回転軸37に沿う線分を共有することのできる深さに設定することができる。ここで回転軸37とは、平板部品32を凹部35の開口部351の縁352に沿って回転させる際の回転軸である。これにより、傾斜した平板部品32が、その後に凹部35の底の方向にずれたとしても、載置面34よりも上側に位置する平板部品32の部分を生じることができ、この部分を指先で摘むことによって、平板部品32を取り出すことができる。
【0036】
本実施形態によれば、指先で、平板部品32を凹部35により傾けて摘み出すことができる。よって、平板部品32を保持部材31から引き抜く方向の延長上に存在する電子機器3の側面38に、切り欠きを設ける必要がないため、デザインへの制約を抑制できる。また、平板部品32は凸部36に接して傾くことができる。これにより、段差がある場合に生じ易い、平板部品32が段差で急速に大きく傾くことで弾かれて飛び出すことが抑制され、平板部品32を紛失したり壊したりする危険が抑制される。
【0037】
また、載置面34は露出しているので、平板部品32を抜去する前に電池を取り外すなどの手間が要らず、抜去の際の作業工数が抑制される。さらに、バネなどの追加の部品を必要としないため、部品点数が抑制されコストが抑制される。
【0038】
以上のように、本実施形態によれば、デザインの制約を抑制しつつ、容易かつ安全にカード部品を挿抜する挿抜構造を、部品点数を少なく実現することができる。
(第4の実施形態)
図6は、本発明の第4の実施形態のカード部品挿抜構造40およびこれを用いた電子機器4を示す図である。図6では、電子機器4の上面図と、カード挿抜構造40のD−D断面から矢印D’の方向を見た図とを示す。
【0039】
本実施形態のカード部品挿抜構造40は、カード部品42を挿抜するコネクタ41と、コネクタ41から引き抜かれたカード部品42を載置するカード挿抜面44とを有する。カード挿抜面44は、コネクタ41に保持された状態でのカード部品42の底面と略同一面上に存し、電子機器4の外枠であるケース43の外表面より内側で露出している。さらに、カード挿抜面44は、カード部品42の挿抜方向の垂直方向に、カード部品42の幅よりも大きい幅の窪み45を有する。さらに、窪み45は、窪み45の挿抜方向に斜面46と斜面46’を有する。
【0040】
ここで、カード部品42の幅とは、カード部品42の挿抜方向に垂直方向のカード部品42の長さをいう。また、カード部品42の挿抜方向のカード部品42の長さを、カード部品42の奥行きと呼ぶ。また、カード部品42の挿抜方向を奥行方向と呼ぶ。カード部品42の平面視での形状は、以上のような幅と奥行とを有する長方形とすることができる。
【0041】
本実施形態のカード部品挿抜構造40は、以下に説明するように、カード部品42を挿入する際には、指先でカード部品42をコネクタ41に挿入することができる。また、カード部品42を抜去する際には、コネクタ41から引き抜かれたカード部品42を窪み45により斜めにし、指先で摘まむことにより取り出すことができる。
【0042】
窪み45は、窪み45のコネクタ41の側に斜面46’を有し、窪み45のコネクタ41の反対側に斜面46を有し、斜面46と斜面46’は、窪み45の底47とカード挿抜面44を繋げている。
【0043】
窪み45は、カード挿抜面44の奥行方向には、カード部品42の奥行きよりも短い奥行きを有する。窪み45は、カード挿抜面44の奥行方向に垂直方向には、カード部品42の幅よりも長い幅を有する。窪み45のカード挿抜面44に面する形状、すなわち平面視の形状は、以上のような奥行きと幅を有する長方形とすることができる。さらに、窪み45は、斜面46の長さをカード部品42の奥行きよりも短くする深さを有する。
【0044】
窪み45は、以上の奥行きと幅と深さとを有することにより、図6のように、コネクタ41から引き抜かれたカード部品42の42aの状態を、42bの状態ように、カード挿抜面44よりも上側に位置する部分42b’を有して傾かせることができる。この部分42b’を指先で摘むことによって、カード部品42を取り出すことができる。窪み45は、カード部品42の全体をカード挿抜面44よりも下側に位置させることはない。窪み45は、カード部品42をカード挿抜面44に対して90°未満の傾きで傾かせることができる。
【0045】
カード部品42を挿入する際には、カード挿抜面44に沿って指先でカード部品42をコネクタ41に押し込むことによって挿入することができる。このとき、カード部品42の先端が窪み45に落ち込むことがあっても、斜面46’により、カード部品42の先端は窪み45に引っ掛かることなく、滑らかにコネクタ41に挿入することができる。
【0046】
また、カード部品42を抜去する際には、まず、コネクタ41の端部から露出しているカード部品42の端部を、爪などで引っ掛けてカード挿抜面44に沿って引き抜く。次に、窪み45の上に位置するカード部品42の端部を、指先で窪み45に押し込むことで、カード部品42を斜面46に沿って傾ける。斜面46に沿って傾いたカード部品42を、指先で摘んで取り出すことができる。
【0047】
なお、窪み45の底47は、底47に達したカード部品42の端部が引っ掛からなければよく、平坦形状や湾曲形状とすることができる。
【0048】
なお、窪み45の斜面46と斜面46’とは、窪み45の底47からカード挿抜面44にかけて、平坦な斜面を有していてもよく、湾曲するなどの曲面を有する斜面を有していてもよく、凹凸を有していてもよい。
【0049】
なお、窪み45の平面視の形状は、カード部品42の挿抜方向と挿抜方向に垂直な方向とを有する長方形には限定されない。窪み45のカード挿抜面44に面する形状は、カード部品42を斜面に沿って傾けて、指先で摘んで取り出すことができるものであればよい。例えば、窪み45のカード挿抜面44に面する形状は、図3に示したような形状とすることができる。
【0050】
なお、窪み45の平面視の外周の各辺は、直線には限定されず、曲線を有していても、凹凸を有していてもよい。また、斜面46とカード挿抜面44との縁は、カード部品42が回転するときの回転軸が形成されていれば、直線には限定されず、曲線を有していても、凹凸を有していてもよい。
【0051】
なお、カード部品42の平面視での形状は、長方形には限定されない。カード部品42は各種多角形や円形や楕円形、また、平面視の外周に凹凸を有する形状とすることができる。
【0052】
図7は、本実施形態のカード部品挿抜構造40の変形例を示す図である。図7では、カード部品挿抜構造40のE−E断面とE’−E’断面とを示す。なお、E’−E’断面では、コネクタ41の表記は省略されている。
【0053】
図7に示すように、カード挿抜面44には、カード部品42を挿抜する方向に沿ってレール48となる凸部を設けることができる。レール48は、カード部品42と接することで、カード挿抜面44の全体がカード部品42に接することを防ぐ。これにより、カード部品42の挿抜の際に、カード部品42とカード挿抜面44との摩擦を軽減し、挿抜の操作性を向上させることができる。また、レール48の間隔を広げて指先がレール48に当たりにくくし、指先でカード部品42を真横からコネクタ41に押し込み易くすることで、カード部品42の挿入性を向上させることができる。
【0054】
また、図7に示すように、カード挿抜面44や窪み45を露出させているケース43の外表面の端部49aや角部49bに、丸みもしくは斜面を持たせることができる。これにより、端部49aや角部49bが直角の場合に比べて、狭いスペースでも指先でのカード部品42の挿抜の際の操作性を向上させることができる。図7では、端部49aや角部49bに丸みを持たせた場合を示しているが、斜面としてもよい。
【0055】
本実施形態のカード部品挿抜構造40を用いた電子機器4は、スマートフォンや携帯電話などの通信機器、タブレット端末やノートPC(Personal Computer)などの情報機器などとすることができる。また、カード部品42は、U−SIMカードやSDカードなどの半導体メモリを用いたメモリカードとすることができる。
【0056】
なお、本実施形態のカード部品挿抜構造40は、図17図18に示すような、電池の収納スペースの端面や底面にコネクタを設けている電子機器に使用することもできる。
【0057】
図8は、本実施形態のカード部品挿抜構造40の、カード部品42を抜去する動作を説明するための図である。(a)は、カード部品42がコネクタ41に挿入されている状態である。(b)は、カード部品42が、コネクタ41の端部から露出しているカード部品42の端部が爪などで引っ掛けられてカード挿抜面44に沿って引き抜かれ、カード挿抜面44上にある状態である。(c)は、カード部品42が指先によりさらに引き抜かれて、カード部品42の端部が斜面46に差し掛かり、窪み45の上に位置するカード部品43の部分が、指先で窪み45に押し込まれ始めている状態である。
【0058】
(d)は、指先がカード部品42の端部を窪み45に、さらに押し込んでいる状態である。このとき、カード部品42の端部は、斜面46’に沿って押し込まれてもよい。カード部品42は、斜面46とカード挿抜面44との縁に沿って回転しながら傾いて行く。このとき、前記縁に接するカード部品42の底面の位置は、一定の位置でもよく、また、移動してもよい。
【0059】
(e)は、カード部品42の端部がさらに押し込まれ、窪み45の底47に差し掛かっている状態である。(f)は、カード部品42の端部が窪み45の底47に到達し、カード部品42の裏面が斜面46に接している状態である。この状態で、指先でカード部品42を摘み、取り出すことができる。
【0060】
本実施形態によれば、指先で、カード部品42を窪み45により傾けて摘み出すことができる。よって、カード部品42をコネクタ41から引き抜く方向の延長上に存在する電子機器4のケース43に切り欠きを設ける必要がないため、デザインへの制約を抑制できる。また、窪み45は斜面を有してカード挿抜面44と繋がっているため、カード部品42は斜面に沿って傾くことができる。これにより、段差がある場合に生じ易い、カード部品42が段差で急速に大きく傾くことで弾かれて飛び出すことが抑制され、カード部品42を紛失したり壊したりする危険が抑制される。
【0061】
また、カード挿抜面44は露出しているので、カード部品42を抜去する前に電池を取り外すなどの手間が要らず、抜去の際の作業工数が抑制される。さらに、バネなどの追加の部品を必要としないため、部品点数が抑制されコストが抑制される。
【0062】
以上のように、本実施形態によれば、デザインの制約を抑制しつつ、容易かつ安全にカード部品を挿抜するカード部品挿抜構造を、部品点数を少なく実現することができる。
(第5の実施形態)
図9は、本発明の第5の実施形態のカード部品挿抜構造50およびこれを用いた電子機器5を示す図である。図9では、電子機器5の上面図と、カード挿抜構造50のF−F断面から矢印F’の方向を見た図とを示す。
【0063】
本実施形態のカード部品挿抜構造50は、カード部品52を挿抜するコネクタ51と、コネクタ51から引き抜かれたカード部品52を載置するカード挿抜面54とを有する。カード挿抜面54は、コネクタ51に保持された状態でのカード部品52の底面と略同一面上に存し、電子機器5の外枠であるケース53の外表面より内側で露出している。
【0064】
さらに、カード挿抜面54は、カード部品52の挿抜方向の垂直方向に、カード部品52の幅よりも大きい幅の窪み55を有する。さらに、窪み55は、斜面56を有して挿抜方向のカード挿抜面54に繋がる。ここで、カード部品52の幅とは、カード部品52の挿抜方向に垂直方向のカード部品52の長さをいう。
【0065】
本実施形態のカード部品挿抜構造50の第4の実施形態のカード部品挿抜構造40との違いは、以下の点である。すなわち、カード部品挿抜構造50は、カード挿抜面54のカード部品52をコネクタ51から引き抜く方向の先端部分に窪み55を有し、窪み55は斜面56でカード挿抜面54に繋がっている点が異なる。その他の構造や電子機器5は、第4の実施形態と同様である。
【0066】
図10は、本実施形態のカード部品挿抜構造50の、カード部品52を抜去する動作を説明するための図である。(a)は、カード部品52がコネクタ51に挿入されている状態である。(b)は、カード部品52が、コネクタ51の端部から露出しているカード部品52の端部が爪などで引っ掛けられてカード挿抜面54に沿って引き抜かれ、カード挿抜面54上にある状態である。さらに(b)では、カード部品52の先端部が窪み55の斜面56に差し掛かった状態にある。
【0067】
(c)は、窪み55の上に位置するカード部品52の先端部分が、指先で窪み55に押し込まれ始めている状態である。このとき、カード部品52は、斜面56とカード挿抜面54の縁に沿って、回転しながら傾いて行く。このとき、前記縁に接するカード部品52の底面の位置は、一定の位置でもよく、また、移動してもよい。(d)は、カード部品52の先端部が窪み55の底に到達し、カード部品52の裏面が斜面56に接している状態である。この状態で、指先でカード部品52を摘み、取り出すことができる。
【0068】
本実施形態によれば、指先で、カード部品52を窪み55により傾けて摘み出すことができる。よって、カード部品52をコネクタ51から引き抜く方向の延長上に存在する電子機器5のケース53に切り欠きを設ける必要がないため、デザインへの制約を抑制できる。また、窪み55は斜面を有してカード挿抜面54と繋がっているため、カード部品52は斜面に沿って傾くことができる。これにより、段差がある場合に生じ易い、カード部品52が段差で急速に大きく傾くことで弾かれて飛び出すことが抑制され、カード部品52を紛失したり壊したりする危険が抑制される。
【0069】
また、カード挿抜面54は露出しているので、カード部品52を抜去する前に電池を取り外すなどの手間が要らず、抜去の際の作業工数が抑制される。さらに、バネなどの追加の部品を必要としないため、部品点数が抑制されコストが抑制される。
【0070】
以上のように、本実施形態によれば、デザインの制約を抑制しつつ、容易かつ安全にカード部品を挿抜するカード部品挿抜構造を、部品点数を少なく実現することができる。
(第6の実施形態)
図11は、本発明の第6の実施形態のカード部品挿抜構造60およびこれを用いた電子機器6を示す図である。図11では、電子機器6の上面図と、カード挿抜構造60のG−G断面から矢印G’の方向を見た図とを示す。
【0071】
本実施形態のカード部品挿抜構造60は、カード部品62を挿抜するコネクタ61と、コネクタ61から引き抜かれたカード部品62が位置するカード挿抜面64とを有する。カード挿抜面64は、コネクタ61に保持された状態でのカード部品62の底面と略同一面上に存し、電子機器6の外枠であるケース63の外表面より内側で露出している。
【0072】
さらに、カード挿抜面64は、カード部品62の挿抜方向に、カード部品62の奥行きよりも大きい幅の窪み65を有する。さらに、窪み65は、前記挿抜方向に垂直方向のカード挿抜面64に繋がる部分に斜面66を有する。ここで、カード部品62の奥行きとは、挿抜方向のカード部品62の長さをいう。
【0073】
なお、図11のカード部品挿抜構造60では、カード挿抜面64に、カード部品62を挿抜する方向に沿ったレール67(凸部)が設けられている場合を示している。レール67は、カード部品62と接することで、カード挿抜面64の全体がカード部品62に接することを防ぐ。これにより、カード部品62の挿抜の際に、カード部品62とカード挿抜面64との摩擦を軽減し、挿抜の操作性を向上させることができる。
【0074】
本実施形態のカード部品挿抜構造60の第4の実施形態のカード部品挿抜構造40との違いは、以下の点である。すなわち、カード部品挿抜構造60は、カード挿抜面64のカード部品62の挿抜方向に、カード部品62の奥行きよりも大きい幅の窪み65を有し、窪み65は斜面66でカード挿抜面64に繋がっている点が異なる。その他の構造や電子機器6は、第4の実施形態と同様である。
【0075】
図12は、本実施形態のカード部品挿抜構造60の、カード部品62を抜去する動作を説明するための図である。(a)は、カード部品62が、コネクタ61の端部から露出しているカード部品62の端部が爪などで引っ掛けられてカード挿抜面64に沿って引き抜かれ、カード挿抜面64上にある状態である。このとき、カード部品62の幅方向の一方の側端部は、窪み65の斜面66に差し掛かっている。
【0076】
(b)は、指先がカード部品62の側端部を窪み65に押し込んで、カード部品62の側端部が斜面66に沿って窪み65の底に到達している状態である。(c)は、(b)の状態から、指先でカード部品62を摘んで抜去している状態である。(c)のとき、カード部品62は、(d)のように、カード挿抜面64を露出させている外表面の端部に接してもよい。この端部は、角が落とされていたり、丸みを帯びていたりすることができる。
【0077】
本実施形態によれば、指先で、カード部品62を窪み65により傾けて摘み出すことができる。よって、カード部品62をコネクタ61から引き抜く方向の延長上に存在する電子機器6のケース63に切り欠きを設ける必要がないため、デザインへの制約を抑制できる。また、窪み65は斜面を有してカード挿抜面64と繋がっているため、カード部品62は斜面に沿って傾くことができる。これにより、段差がある場合に生じ易い、カード部品62が段差で急速に大きく傾くことで弾かれて飛び出すことが抑制され、カード部品62を紛失したり壊したりする危険が抑制される。
【0078】
また、カード挿抜面64は露出しているので、カード部品62を抜去する前に電池を取り外すなどの手間が要らず、抜去の際の作業工数が抑制される。さらに、バネなどの追加の部品を必要としないため、部品点数が抑制されコストが抑制される。
【0079】
以上のように、本実施形態によれば、デザインの制約を抑制しつつ、容易かつ安全にカード部品を挿抜するカード部品挿抜構造を、部品点数を少なく実現することができる。
【0080】
本発明は上記実施形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載した発明の範囲内で種々の変形が可能であり、それらも本発明の範囲内に含まれるものである。
【0081】
また、上記の実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
(付記1)
平板部品を挿抜自在に保持する保持部材と、
前記保持された状態での前記平板部品の底面と略同一面上に存し、前記保持部材から引き抜かれた前記平板部品を載置し、前記平板部品の外周よりも外側に外周を有して露出している載置面を有する載置部材と、を備え、
前記載置面に凹部を有し、前記凹部は、前記凹部の開口部の縁に沿う回転軸での前記平板部品の回転を前記載置面から1/4回転未満に規制する係止部を有する、挿抜構造。
(付記2)
前記係止部は、斜面である、付記1記載の挿抜構造。
(付記3)
前記凹部は、前記平板部品の挿抜方向または前記挿抜方向の垂直方向に、前記平板部品の前記挿抜方向の幅または前記挿抜方向に垂直方向の幅よりも大きい幅を有し、前記挿抜方向の垂直方向または前記挿抜方向に前記斜面を有する、付記2記載の挿抜構造。
(付記4)
前記凹部は、前記凹部の前記保持部材の側に第1の斜面を有し、前記凹部の前記保持部材の反対側に第2の斜面を有する、付記2または3記載の挿抜構造。
(付記5)
前記係止部は、前記凹部の底面と側面の少なくとも一つに設けられている凸部を有する、付記1記載の挿抜構造。
(付記6)
前記凹部は、前記平板部品と前記凹部とが前記回転の回転軸に沿う線分を共有することとなるような深さを有する、付記1から5の内の1項記載の挿抜構造。
(付記7)
前記載置面は、前記平板部品と接する凸部を有する、付記1から6の内の1項記載の挿抜構造。
(付記8)
前記平板部品は、メモリカードを含む、付記1から7の内の1項記載の挿抜構造。
(付記9)
前記保持部材は、コネクタを含む、付記1から8の内の1項記載の挿抜構造。
(付記10)
付記1から9の内の1項記載の挿抜構造を備えている電子機器。
(付記11)
外枠を有し、前記載置面が前記外枠よりも内側で露出している、付記10記載の電子機器。
(付記12)
前記外枠の前記載置面を露出させている端部が丸みもしくは斜面を有する、付記10または11記載の電子機器。
【符号の説明】
【0082】
1、2、3、4、5、6 電子機器
10、20、30 挿抜構造
11、21、31 保持部材
12、22、32 平板部品
13、23、33 載置部材
14、24、34 載置面
15、25、35 凹部
151、251、351 開口部
152、252、352 縁
253、353 深さ
16 係止部
26 斜面
36 凸部
17、27、37 回転軸
18、28、38 側面
40、50、60 カード部品挿抜構造
41、51、61 コネクタ
42、52、62 カード部品
43、53、63 ケース
44、44、44 カード挿抜面
45、55、65 窪み
46、46’、56、66 斜面
47 底
48、67 レール
49a 端部
49b 角部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18