(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342952
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】防水・防臭用パッキンのセット及び防水・防臭用パッキンの使用方法並びに配管接続構造
(51)【国際特許分類】
F16J 15/10 20060101AFI20180604BHJP
E03C 1/12 20060101ALI20180604BHJP
E03C 1/28 20060101ALI20180604BHJP
F16L 1/00 20060101ALN20180604BHJP
【FI】
F16J15/10 L
E03C1/12 E
E03C1/28 B
!F16L1/00 C
【請求項の数】5
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-120431(P2016-120431)
(22)【出願日】2016年6月17日
(65)【公開番号】特開2017-223315(P2017-223315A)
(43)【公開日】2017年12月21日
【審査請求日】2017年4月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000144072
【氏名又は名称】SANEI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100074273
【弁理士】
【氏名又は名称】藤本 英夫
(72)【発明者】
【氏名】西岡 利明
(72)【発明者】
【氏名】池田 英示
【審査官】
佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−267067(JP,A)
【文献】
実開昭52−149965(JP,U)
【文献】
実開昭60−7386(JP,U)
【文献】
特開平8−60721(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16J 15/00−15/14
E03C 1/12
E03C 1/28
F16L 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
流し台や洗面台などの排水口に連なる排水用の上流側配管と下水に連なる下流側配管との間に用いられる防水・防臭用パッキンのセットであって、
小径又は中径の上流側配管が択一的にシール状態で挿入可能で且つ小径の下流側配管がシール状態で外嵌可能である略筒状の小径パッキンと、
大径の上流側配管がシール状態で挿入可能で且つ大径の下流側配管がシール状態で外嵌可能である略筒状の大径パッキンとよりなり、
さらに、前記小径パッキンを前記大径パッキンの内部に対し嵌脱して合体・分離可能としてある防水・防臭用パッキンのセット。
【請求項2】
前記小径パッキン及び前記大径パッキンの筒部の上端縁には前記各下流側配管の上端に当接する外向きフランジがそれぞれ形成されている一方、
前記小径パッキン及び前記大径パッキンが合体するよう前記小径パッキンの筒部を前記大径パッキンの筒部内に挿入可能に構成されているとともに、
前記小径パッキンに前記小径又は中径の上流側配管の下端部が挿入され、且つ前記小径パッキンが、前記小径の下流側配管の上端部の内部に、前記小径の下流側配管の上端に前記フランジが当接した状態で嵌込まれ、また、
前記大径パッキンに前記大径の上流側配管の下端部が挿入され、且つ前記大径パッキンが、前記大径の下流側配管の上端部の内部に、前記大径の下流側配管の上端に前記フランジが当接した状態で嵌込まれるように構成されている請求項1に記載の防水・防臭用パッキンのセット。
【請求項3】
前記小径パッキンの内周面には前記小径又は中径の上流側配管が密着しうる内側突起が突出形成され、外周面には前記小径の下流側配管が密着しうるとともに合体時における大径パッキンが密着しうる外側突起が突出形成されており、また、前記大径パッキンの内周面には、前記大径の上流側配管が密着しうるとともに合体時における小径パッキンが密着しうる内側突起が突出形成され、外周面には前記大径の下流側配管が密着しうる外側突起が突出形成されている請求項1又は請求項2に記載の防水・防臭用パッキンのセット。
【請求項4】
前記上流側配管及び前記下流側配管の径に合わせて請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の小径パッキン及び/又は大径パッキンを用いることを特徴とする防水・防臭用パッキンの使用方法。
【請求項5】
前記上流側配管及び前記下流側配管の径に合わせて請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の小径パッキン及び/又は大径パッキンを上流側配管と下流側配管との間に設置してある配管接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば流し台や洗面台などの衛生設備の排水口に連なる排水用の上流側配管と下水に連なる下流側配管との間に用いられる防水・防臭用パッキンのセット及び防水・防臭用パッキンの使用方法並びに配管接続構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば洗面台の排水口からの排水が略U字形状の水溜部から洗浄管(上流側配管)に流れて、下水に連なる下流側配管へ至るよう構成された簡易トラップが知られている。この簡易トラップには、主として防水(下流側配管からの水の跳ね返り)、防臭(下流側配管からの臭気の逆流)、あるいはゴキブリ等の害虫の侵入等を防止するための防水・防臭用パッキンが上流側の洗浄管と下流側配管との間に設けられており、洗面台の排水に使用されている。そして、前記パッキンに対し洗浄管が上方から挿入され、下流側配管が下方から外嵌されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実公昭63−26465号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、従来の防水・防臭用パッキンとして、管サイズが例えば25mmの径又は32mmの径の上流側配管が択一的に挿入可能なタイプの小径パッキンや、管サイズが例えば38mmの径又は32mmの径の上流側配管が択一的に挿入可能なタイプの大径パッキンが存在するけれども、前者のパッキンでは後者のパッキンに外嵌されている50mmの径の下流側配管に適応できず、また、後者のパッキンでは前者のパッキンに外嵌されている40mmの径の下流側配管に適応できないといった課題がある。すなわち、前記パッキンとして、25mm、32mmの異なる径を持つ上流側配管に兼用可能なaタイプのもの、もしくは、32mm、38mmの異なる径を持つ上流側配管に兼用可能なbタイプのものは存在するが、40mmの径を持つ下流側配管が外嵌可能なパッキンはaタイプのパッキンのみであり、50mmの径を持つ下流側配管が外嵌可能なパッキンはbタイプのパッキンのみであるよう構成されているので、下流側配管の管径(40mmの径、50mmの径)により、どうしても製品を分けなければならない。その結果、流通業者の在庫削減に繋がらず、また、配管施工現場への製品出荷時において配管施工業者の材料選定(選択)ミスがある場合や、配管施工現場での材料選定(選択)ミスがある場合には、材料選定(選択)をし直す必要がありむだな時間及び手間を費やすことになる。
【0005】
さらに、洗面台の排水に使用される従来の防水・防臭用パッキンとして特許文献1に示すものがある。特許文献1に記載されたパッキン40は、
図4に示すように、上流側配管41と下流側配管42とを接続するのに使用されており、別途アダプタ(図示せず)を導入することにより、上流側配管41を、下流側配管42とは径の異なる下流側配管(図示せず)に適応させて接続できるように構成されている。しかしながら、特許文献1においても、1製品で対処できず上流側配管41の管径により、どうしても製品を分けなければならないといった課題がある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなしたもので、例えば流し台や洗面台などの衛生設備まわりでの排水に25mm、32mm、38mmの異なる径を持つ上流側配管、及び40mm、50mmの異なる径を持つ下流側配管を使用する場合に、一つの製品で上流側配管及び下流側配管の5通りの管サイズの組み合わせに対応でき、配管施工業者の材料選定(選択)ミスを防止(削減)できるとともに、流通業者の在庫削減にも貢献できる防水・防臭用パッキンのセット及び防水・防臭用パッキンの使用方法並びに配管接続構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明の防水・防臭用パッキンのセットは、流し台や洗面台などの排水口に連なる排水用の上流側配管と下水に連なる下流側配管との間に用いられる防水・防臭用パッキンのセットであって、
小径又は中径の上流側配管が択一的にシール状態で挿入可能で且つ小径の下流側配管がシール状態で外嵌可能である略筒状の小径パッキンと、
大径の上流側配管がシール状態で挿入可能で且つ大径の下流側配管がシール状態で外嵌可能である略筒状の大径パッキンとよりなり、
さらに、前記小径パッキンを前記大径パッキンの内部に対し嵌脱して合体・分離可能としてある(請求項1)。
【0008】
また、本発明では、前記小径パッキン及び前記大径パッキンの筒部の上端縁には前記各下流側配管の上端に当接する外向きフランジが形成されている一方、
前記小径パッキン及び前記大径パッキンが合体するよう前記小径パッキンの筒部を前記大径パッキンの筒部内に挿入可能に構成されているとともに、
前記小径パッキンに前記小径又は中径の上流側配管の下端部が挿入され、且つ前記小径パッキンが、前記小径の下流側配管の上端部の内部に、前記小径の下流側配管の上端に前記フランジが当接した状態で嵌込まれ、また、
前記大径パッキンに前記大径の上流側配管の下端部が挿入され、且つ前記大径パッキンが、前記大径の下流側配管の上端部の内部に、前記大径の下流側配管の上端に前記フランジが当接した状態で嵌込まれるように構成されている請求項1に記載の防水・防臭用パッキンのセットを提供する(請求項2)。
【0009】
また、本発明では、前記小径パッキンの内周面には前記小径又は中径の上流側配管が密着しうる内側突起が突出形成され、外周面には前記小径の下流側配管が密着しうるとともに合体時における大径パッキンが密着しうる外側突起が突出形成されており、また、前記大径パッキンの内周面には、前記大径の上流側配管が密着しうるとともに合体時における小径パッキンが密着しうる内側突起が突出形成され、外周面には前記大径の下流側配管が密着しうる外側突起が突出形成されている請求項1又は請求項2に記載の防水・防臭用パッキンのセットを提供する(請求項3)。
【0010】
本発明は別の観点から、前記上流側配管及び前記下流側配管の径に合わせて請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の小径パッキン及び/又は大径パッキンを用いることを特徴とする防水・防臭用パッキンの使用方法を提供する(請求項4)。
【0011】
また、本発明は更に別の観点から、前記上流側配管及び前記下流側配管の径に合わせて請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の小径パッキン及び/又は大径パッキンを上流側配管と下流側配管との間に設置してある配管接続構造を提供する(請求項5)。
【発明の効果】
【0012】
本発明では、小径パッキンを大径パッキンの内部に対し嵌脱して合体・分離可能に構成することによって、小径又は中径の上流側配管と小径又は大径の下流側配管のそれぞれの径に合った小径パッキン及び/又は大径パッキンを用いることを選択でき、一つの防水・防臭用パッキンのセット(一つの製品)で上流側配管と下流側配管の5通りの管径の組み合わせに対応できる。すなわち、上流側配管及び下流側配管の径に合わせて、小径パッキンでの使用、小径パッキン及び大径パッキンでの使用、大径パッキンでの使用のいずれかを選択することができ、小径パッキンと大径パッキンの二つを組み合わせて製品化することにより、上流側配管と下流側配管との間の設置形態に汎用性を持たせることができる。
【0013】
すなわち、本発明では小径パッキンを大径パッキンの内部に対し嵌合して合体することにより、大径の下流側排水配管を小径又は中径の上流側配管に適応させて接続することができる。
【0014】
また、例えば出荷時において、小径パッキンを大径パッキンの内部に対し嵌合して合体してなる防水・防臭用パッキンの1セット(1製品)をそれぞれ必要数だけ予め作成することによって、配管施工現場に搬入されたこれら製品のそれぞれの、配管施工現場で施工される上流側配管と下流側配管の管サイズに応じた使用を施工者に選択する機会を与えることができる。すなわち、上述したように、小径パッキン単体での使用、小径パッキン及び大径パッキンを合体した状態(組んだ状態)での使用、大径パッキン単体での使用のいずれかを施工者に選択する機会を与えることができる。このように、小径パッキンと大径パッキンを組んだ状態を1製品とし、この1製品を配管施工現場に搬入するので、管施工業者の材料選定(選択)ミスを防止(削減)できる。
【0015】
また、配管施工現場によっては、小径パッキンと大径パッキンの両方(組んだ状態)のものを使用せずに小径パッキンと大径パッキンのうちいずれか一つのみを使用する場合がある。この場合には、使用せずに余ったほうのパッキンは他の配管施工現場に使用するようにすれば、無駄遣の防止にもなり、ひいては、流通業者の在庫削減にも貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】本発明に係る防水・防臭用パッキンのセットの一実施形態における小径パッキン単体での使用状態を示す構成説明図である。
【
図2】上記実施形態における小径パッキン及び大径パッキンを合体した場合の使用状態を示す構成説明図である。
【
図3】上記実施形態における大径パッキン単体での使用状態を示す構成説明図である。
【
図4】従来例のパッキン使用状態を示す構成説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、それによって本発明は限定されるものではない。
図1〜
図3は、本発明の一実施形態を示す。
図1は、小径パッキンだけを使用した場合の構成説明図であり、挿入されうる小径又は中径の上流側配管を仮想線で示している。
図2は、小径パッキン、大径パッキンを合体した状態のものを使用した場合の構成説明図であり、小径パッキンに挿入されうる小径又は中径の上流側配管を仮想線で示している。
図3は、大径パッキンだけを使用した場合の構成説明図であり、挿入されうる大径の上流側配管を仮想線で示す一方、外嵌状態の大径の下流側配管を実線で示している。そして、いずれの
図1〜
図3も中心線を通って縦断した場合の縦断面図を示している。
【0018】
図1〜
図3において、防水・防臭用パッキンのセットは、流し台や洗面台などの衛生設備の排水口(図示せず)に連なる排水用の例えば洗浄管として機能する黄銅、PPあるいはPE製の上流側配管1,2,3と下水(図示せず)に連なる硬質ポリ塩化ビニル製の管よりなる下流側配管4,5との間に用いられるものである。すなわち、前記防水・防臭用パッキンのセットは、小径(25mmの径)の上流側配管1又は中径(32mmの径)の上流側配管2が択一的にシール状態で挿入可能で且つ小径(40mmの径)の下流側配管4がシール状態で外嵌可能である略筒状の小径パッキン6と、大径(38mmの径)の上流側配管3がシール状態で挿入可能で且つ大径(50mmの径)の下流側配管5がシール状態で外嵌可能である略筒状の大径パッキン7とよりなり、小径パッキン6を大径パッキン7の内部に対し嵌脱して合体・分離可能としてある。なお、前記径は、上流側配管の場合は外径を、下流側配管の場合は内径を意味する。又、上流側配管1,2及び,3の厚みはほぼ同一であり、又、下流側配管4及び5の管壁の厚みは種々である。又、小径パッキン6及び大径パッキン7は、例えば天然ゴム、合成ゴム、合成樹脂等の材質で成形されている。
【0019】
そして、小径パッキン6及び大径パッキン7の筒部6a及び7aの上端縁には各下流側配管4及び5の上端に当接する外向きフランジ8及び9がそれぞれ形成されている。また、小径パッキン6及び大径パッキン7が合体するよう小径パッキン6の筒部6aを大径パッキン7の筒部7a内に挿入可能に構成されている。また、小径パッキン6に小径(25mmの径)又は中径(32mmの径)の上流側配管1又は2の下端部Lが挿入され、且つ小径パッキン6が、小径(40mmの径)の下流側配管4の上端部Uの内部に、該下流側配管4の上端4aにフランジ8が当接した状態で嵌込まれ、また、大径パッキン7に大径(38mmの径)の上流側配管3の下端部L’が挿入され、且つ大径パッキン7が、大径(50mmの径)の下流側配管5の上端部U’の内部に、該下流側配管5の上端5aにフランジ9が当接した状態で嵌込まれるように構成されている。フランジ8は、
図1に示すように、小径又は中径の上流側配管1又は2が挿入されうる配管挿入側に位置している。フランジ9は、
図3に示すように、大径の上流側配管3が挿入されうる配管挿入側に位置している。
【0020】
また、小径パッキン6の内周面には小径(25mmの径)又は中径(32mmの径)の上流側配管1又は2が密着しうる内側突起A,B,Cが突出形成されている。内側突起Aは断面略角形状をなし、内側突起Bは断面略半円状をなし、内側突起Cは小径パッキン6の下方開口を形成する内側フランジを形成しており断面略矩形形状をなしている。この実施形態では、内側突起Aは筒部6aの上端近傍に設けられ、内側突起Bは内側突起A,C間における上下方向に適宜間隔に設けられている。小径パッキン6の外周面には小径の下流側配管4が密着しうるとともに合体時における大径パッキン7が密着しうる外側突起Dが突出形成されている。外側突起Dは、断面略三角形状をなしている。なお、この実施形態における合体時においては、外側突起Dだけではなくフランジ8も大径パッキン7の内周面に密着している。具体的には、フランジ8は大径パッキン7の少なくともフランジ9の内周面に密着している。また、これら内側突起A,B,C並びに外側突起Dは環状に形成されている。
【0021】
一方、大径パッキン7の内周面には、大径の上流側配管3が密着しうるとともに合体時における小径パッキン6が密着しうる内側突起E,F,Gが突出形成されている。内側突起Eは断面略三角形状をなし、内側突起Fは断面略半円状をなし、内側突起Gは大径パッキン7の下方開口を形成する内側フランジを形成しており断面略矩形形状をなしている。この実施形態では、内側突起Eは筒部7aの上端近傍に設けられ、内側突起Fは内側突起E,G間における上下方向に適宜間隔に設けられている。大径パッキン7の外周面には、大径の下流側配管5が密着しうる外側突起Iが突出形成されている。外側突起Iは断面略三角形状をなしている。なお、この実施形態における合体時においては、内側突起Eだけではなくフランジ9も小径パッキン6の外周面に密着している。具体的には、フランジ9は小径パッキン6の少なくともフランジ8の外周面に密着している。また、これら内側突起E,F,G並びに外側突起Iは環状に形成されている。
【0022】
そして、例えば
図1において、小径又は中径の上流側配管1又は2の小径パッキン6への挿入時においては、内側突起A,B,Cのうち少なくとも内側突起A,Cは上流側配管1又は2の挿入に伴い下方へ変形して密着し、シール状態を保持しうる。なお、シール状態を保持するため小径の上流側配管1の外周面は内側突起Bに少なくとも摺動しながら挿入されうる構成が好ましい。また、小径の下流側配管4の小径パッキン6への外嵌時においては、下流側配管4の外嵌に伴い外側突起Dは上方へ変形して密着し、シール状態を保持しうる。なお、シール状態を保持するため下流側配管4の外嵌完了時点において下流側配管4の上端4aは外向きフランジ8の下面8aに当接して密着状態となる。
【0023】
また、例えば
図3において、大径の上流側配管3の大径パッキン7への挿入時においては、内側突起E,F,Gのうち少なくとも内側突起E,Gは上流側配管3の挿入に伴い下方へ変形して密着し、シール状態を保持しうる。なお、シール状態を保持するため上流側配管3の外周面は内側突起Fに少なくとも摺動しながら挿入されうる構成が好ましい。また、大径の下流側配管5の大径パッキン7への外嵌時においては、下流側配管5の外嵌に伴い外側突起Iは上方へ変形して密着し、シール状態を保持しうる。なお、シール状態を保持するため下流側配管5の外嵌完了時点において下流側配管5の上端5aは外向きフランジ9の下面9aに当接して密着状態となる。
【0024】
而して、小径パッキン6と大径パッキン7を組んだ状態(合体状態)の1製品の複数組が配管施工現場に搬入されている。
【0025】
(1)
図1に示すように、小径又は中径の上流側配管1又は2と小径の下流側配管4の組み合わせでは、小径パッキン6を単体で使用できる。すなわち、前記組んだ状態から小径パッキン6と大径パッキン7を分離し、分離された小径パッキン6に、フランジ8が位置する側から上流側配管1又は2を挿入したとき、小径パッキン6の内側にある少なくとも内側環状突起A,Cが例えば下方へ変形して上流側配管1又は2の外周面と小径パッキン6の内側が密着し、シール状態が保持できる。一方、小径の下流側配管4の小径パッキン6への外嵌時においては、下流側配管4の外嵌に伴い小径パッキン6の外側面に設けた外側環状突起Dが例えば上方へ変形して下流側配管4の内周面と小径パッキン6の外側面が密着し、シール状態を保持しうる。この場合、使用せずに余った大径パッキン7は他の配管施工現場に使用しうる。
【0026】
(2)
図2に示すように、小径又は中径の上流側配管1又は2と大径の下流側配管5の組み合わせでは、小径パッキン6と大径パッキン7を組んだ状態で搬入された1製品そのものを使用する。すなわち、小径パッキン6を大径パッキン7内部に挿入して密着(合体)させた状態で使用されうる。この場合は、フランジ8が位置する側から小径パッキン6に上流側配管1又は2を挿入したとき、小径パッキン6の内側にある少なくとも内側環状突起A,Cが例えば下方へ変形して上流側配管1又は2の外周面と小径パッキン6の内側が密着し、シール状態が保持できる。一方、大径の下流側配管5の大径パッキン7への外嵌時においては、下流側配管5の外嵌に伴い大径パッキン7の外側面に設けた外側環状突起Iが例えば上方へ変形して下流側配管5の内周面と大径パッキン7の外側面が密着し、シール状態を保持しうる。
【0027】
(3)
図3に示すように、大径の上流側配管3と大径の下流側配管5の組み合わせでは、大径パッキン7を単体で使用できる。すなわち、前記組んだ状態(合体状態)から小径パッキン6と大径パッキン7を分離し、分離された大径パッキン7に、フランジ9が位置する側から上流側配管3を挿入したとき、大径パッキン7の内側にある少なくとも内側環状突起E,Gが例えば下方へ変形して上流側配管3の外周面と大径パッキン7の内側が密着し、シール状態が保持できる。一方、大径の下流側配管5の大径パッキン7への外嵌時においては、下流側配管5の外嵌に伴い大径パッキン7の外側面に設けた外側環状突起Iが例えば上方へ変形して下流側配管5の内周面と大径パッキン7の外側面が密着し、シール状態を保持しうる。この場合、使用せずに余った小径パッキン6は他の配管施工現場に使用しうる。
【符号の説明】
【0028】
1,2,3 上流側配管
4,5 下流側配管
6 小径パッキン
7 大径パッキン