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特許6342969窒化モリブデン負極による微生物燃料電池の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342969
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】窒化モリブデン負極による微生物燃料電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
   H01M 8/16 20060101AFI20180604BHJP
   H01M 4/90 20060101ALI20180604BHJP
   H01M 4/88 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   H01M8/16
   H01M4/90 X
   H01M4/88 K
【請求項の数】4
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2016-216937(P2016-216937)
(22)【出願日】2016年11月7日
(65)【公開番号】特開2018-45985(P2018-45985A)
(43)【公開日】2018年3月22日
【審査請求日】2016年11月7日
(31)【優先権主張番号】201610831882.5
(32)【優先日】2016年9月18日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516333551
【氏名又は名称】東莞理工学院
(73)【特許権者】
【識別番号】516333562
【氏名又は名称】東莞理工学院城市学院
(74)【代理人】
【識別番号】100130111
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 斉
(72)【発明者】
【氏名】陳妹瓊
(72)【発明者】
【氏名】郭文顕
(72)【発明者】
【氏名】程発良
(72)【発明者】
【氏名】張敏
(72)【発明者】
【氏名】謝世ライ
(72)【発明者】
【氏名】柳鵬
(72)【発明者】
【氏名】張燕
(72)【発明者】
【氏名】蔡志泉
【審査官】 ▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/045217(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/122125(WO,A1)
【文献】 特開2005−063677(JP,A)
【文献】 特開2016−001538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 8/00 − 8/2495
H01M 4/86 − 4/96
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極と負極を含み、前記正極はカーボン紙であり、前記負極は窒化モリブデンの混合濃度が5wt.%であるナフィオン(登録商標)溶液をカーボン紙に塗布して製造する
ことを特徴とする窒化モリブデン負極による微生物燃料電池の製造方法。
【請求項2】
モリブデン酸アンモニウム、硝酸と水を含む混合溶液を、180℃下で、5時間水熱反応させて、酸化モリブデン粉末を得た後、アンモニアガス雰囲気で300〜900℃下1時間熱処理して、最終の窒化モリブデンを得る方法により、前記窒化モリブデンを製造する
ことを特徴とする請求項1に記載の窒化モリブデン負極による微生物燃料電池の製造方法。
【請求項3】
アンモニアガス雰囲気における前記酸化モリブデン粉末の熱処理温度が700〜800℃である
ことを特徴とする請求項に記載の窒化モリブデン負極による微生物燃料電池の製造方法。
【請求項4】
前記微生物燃料電池は更に正極液を含み、10.0g炭酸水素ナトリウム、11.2gリン酸水素二ナトリウム、10.0g無水ブドウ糖及び5g酵母エキスの混合物をビーカーに溶解し、更に0.8707g 2-ヒドロキシ-1,4-ナフトキノン(HNQ)を添加して均一に攪拌した後、溶液を1000mLの定容びんに入れて定容する方法により、前記正極液を製造する
ことを特徴とする請求項3に記載の窒化モリブデン負極による微生物燃料電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は微生物燃料電池の技術分野に関し、具体的に、窒化モリブデン負極による高性能微生物燃料電池に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物燃料電池(MFCs)技術は、微生物を触媒として、その代謝作用により水中の有機物を分解して、プロトンと電子を生成し、該電子は外電路を通じて負極に入り、プロトンはイオン交換膜を通じて負極に達する。負極で、酸化剤(電子受容体)は到達した電子とプロトンと反応して還元生成物を生成する。外電路が負極に接触すると、MFCsにより生成する電気エネルギーが十分である場合、MFCsは負極の作動を支持できる。MFCsは汚染水の浄化とエネルギー回収の二重効果を有する新規なシステムである。
【0003】
現在、報告されたMFCs系の負極に選択される酸化剤(電子受容体)は、フェロシアン化物、過マンガン酸塩及び酸素などがあり、その中で酸素は空気から直接に得られるため、別途の製造を必要としていなく、酸化還元反応の基準電位が約0.8vであり、大部分の還元反応電位より高くて、MFCsの電圧の向上に有利である。従って、現在、酸素は非常に通常の負極受容体となる。
【0004】
負極の酸化還元反応は、無触媒の条件下で、極性化現像が酷く、反応速度が遅い。現在、一般的に使用されるのは商業的な白金-炭素(Pt/C)であるが、この触媒の値段が非常に高くて、MFCsの実際応用に不利であるため、高効率、廉価な酸化還元触媒を開発して、高価なPt/Cを取り替えることは、微生物燃料電池分野の研究重点となっている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、窒化モリブデン負極による高性能な微生物燃料電池を提供することであり、酸化還元触媒の効率が高く、電気化学性能が優れており、コストが低いなどの特徴を有する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は下記の技術方案により実現される。
本発明は、負極正極を含む窒化モリブデン負極による高性能な微生物燃料電池であって、前記正極はブランクカーボン紙であり、前記負極は窒化モリブデンの混合濃度が5wt.%であるナフィオン(Nafion)ナフィオン(登録商標)溶液をカーボン紙に塗布して製造する。
【0007】
更に、前記窒化モリブデンは下記の方法により製造される。すなわち、モリブデン酸アンモニウム、硝酸と水を含む混合溶液を、180℃下で、5時間水熱反応させて、酸化モリブデン粉末を得た後、アンモニアガス雰囲気で300〜900℃下1時間熱処理して、最終の窒化モリブデンを得る。
【0008】
更に、アンモニアガス雰囲気における前記酸化モリブデン粉末の熱処理温度は700〜800℃である。
【0009】
更に、前記微生物燃料電池は、サンドイッチ状2室微生物燃料電池構造であり、負極室、正極室及び負極室と正極室の間に設置されたイオン交換膜を含む。
【0010】
更に、前記微生物燃料電池は、更に正極液を含み、前記正極液は下記の方法により製造される。つまり、10.0g炭酸水素ナトリウム、11.2gリン酸水素二ナトリウム、10.0g無水ブドウ糖及び5g酵母エキスの混合物をビーカーに溶解し、更に0.8707gHNQを添加して均一に攪拌した後、溶液を1000mLの定容びんに入れて定容する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の窒化モリブデン負極による微生物燃料電池は下記の有益な効果を有する。
第一に、酸化還元触媒の効率が高い。本発明は、窒化モリブデンを負極酸化還元触媒とする新規な微生物燃料電池を提出した。当該窒化モリブデンの触媒の最大ピーク電流大きさは、商業的なPt/Cに接近し、異なる電位下で平均電子移動度は3.97であり、商業的なPt/Cの4.08に接近する。これは、触媒酸化還元において窒化モリブデンが白金-炭素のように、4電子移動メカニズムに属することが分かり、効率的に酸化還元の促進を行う。
第二に、電気化学性能が優れている。2mg/cm2の窒化モリブデン負極触媒を含む微生物燃料電池の最大出力密度と対応する電流密度はそれぞれ9.24W/m3と37.40 A/m3であるが、同じ電池装置の実験条件下0.5mg/ cm2の商業的なPt/C負極触媒を含む微生物燃料電池の最大出力密度と対応する電流密度はそれぞれ12.49W/m3と43.50 A/m3である。
第三に、コストが低い。窒化モリブデン複合負極微生物燃料電池の最大出力密度と対応する電流密度はそれぞれ商業的なPt/C電極の73.97%と85.98%に達するが、コバルト・モリブデン複合窒化物材料の値段が低くて、大量生産が可能であるため、微生物燃料電池の作動コストを大幅に低減させる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】窒化モリブデンのXRD図である。
図2】中性緩衝液において、窒化モリブデン電極の400rpmの回転リングディスク電極装置で測定した直線走査グラフである。
図3】窒化モリブデンと商業的なPt/Cにより修飾されたガラス状カーボン電極の直線走査グラフである。
図4】2mg/cm2の窒化モリブデン(試料3)を含有する負極触媒の微生物燃料電池の出力密度グラフと極性化グラフ(正極室の体積で計算)である。
図5】0.5mg/cm2の商業的なPt/Cを含有する負極触媒の微生物燃料電池の出力密度グラフと極性化グラフ(正極室の体積で計算)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本分野の技術者に本発明の技術方案をよく理解させるために、以下、実施例と図面を結合して、本発明の製品を更に詳しく説明する。
【0014】
本発明は、窒化モリブデン負極による高性能微生物燃料電池を公開し、該電池は負極正極を含み、前記正極はブランクカーボン紙であり、前記負極は窒化モリブデンの混合濃度が5wt.%であるナフィオン(Nafion)溶液をカーボン紙に塗布して製造する。
【0015】
更に、前記窒化モリブデンは下記の方法により製造される。すなわち、モリブデン酸アンモニウム、硝酸と水を含む混合溶液を、180℃下で、5時間水熱反応させて、酸化モリブデン粉末を得た後、アンモニアガス雰囲気で300〜900℃で1時間熱処理して、最終の窒化モリブデンを得る。
【0016】
更に、前記酸化モリブデン粉末がアンモニアガス雰囲気における処理温度は700〜800℃である。
【0017】
更に、前記微生物燃料電池は、サンドイッチ状2室微生物燃料電池構造であり、負極室、正極室及び負極室と正極室の間に設置されたイオン交換膜を含む。
【0018】
更に、前記微生物燃料電池は、更に正極液を含み、前記正極液は下記の方法により製造される。つまり、10.0g炭酸水素ナトリウム、11.2gリン酸水素二ナトリウム、10.0g無水ブドウ糖及び5g酵母エキスの混合物をビカーに溶解し、更に0.8707gHNQを添加して均一に攪拌した後、溶液を1000mLの定容びんに入れて定容する。
【0019】
本発明の微生物燃料電池を更に研究するために、それぞれ実施例1と実施例2で本発明の技術方案を具体的に説明する。
【0020】
実施例1
本発明は窒化モリブデン負極による高性能微生物燃料電池を公開し、前記窒化モリブデン負極の製造、組立、テスト方法は下記のようである。
第一工程、触媒窒化モリブデンの製造及び特性評価。モリブデン酸アンモニウム、硝酸と水を含む混合溶液を、180℃下で、5時間水熱反応させて、酸化モリブデン粉末(対応試料1)を得た。酸化モリブデンに対してXRDにより、構造測定を行って、その結果は図1に示した(対応試料1)ようである。続いて、得られた酸化モリブデン粉末を、アンモニアガス雰囲気で500℃で1時間熱処理して、最終の窒化モリブデンを得た。その構造の測定結果は図1に示した(対応試料2)ようである。その直線走査テスト結果は図2に示した(対応試料2)ようである。
【0021】
第二工程、酸化還元触媒の修飾電極の製造は、具体的に下記の工程を含む。
ガラス状カーボン電極の準備:ガラス状カーボン電極(直経3mm)は使用前に研磨処理を行う。具体的に、まず研磨紙でα-Al2O3粉末を用いて研磨し、脱イオン水できれいに超音波洗浄を行った。
【0022】
窒化モリブデンの作用電極:1.5mg窒化モリブデン、3.5g活性炭素を取って、それぞれ300μL 1%のNafion溶液と100 μLイソプロパノールを滴下した後、氷水浴で30分間超音波分散して、均一な液体を形成した。続いて、5.5μLの当該液体を取って、研磨されたガラス状カーボン電極に塗布して、室温下乾燥させて作用電極を得た。
【0023】
第三工程、酸化還元性能の触媒の直線走査の研究は、下記の工程を含む。
PBS緩衝溶液は、2.45g/Lのリン酸水素二ナトリウム固体、4.576g/Lのリン酸一水素ナトリウム固体を含む。
【0024】
直線走査ボルタンメトリーで測定した。この測定は、伝統的な三電極電気化学池子で行い、Ag/AgCl(飽和塩化カリウム)を基準電極とし、白金電極を対電極とし、作用電極はそれぞれ窒化モリブデン電極を採用した。
【0025】
測定前に、PBS緩衝液の底部に15分間高純度のN2ガスを通過させて、溶液に溶解された一部分の不純物ガスを除去し、サイクリックボルタンメトリー (cyclic voltammetry, CV)で電極を活性化させた後、電解液の底部に高純度のO2ガスを15分間通過して飽和させ、測定する時電解液の液面でずっと高純度のO2ガス状態を保持させた。
【0026】
実施例2
実施例2と実施例1の相違点は、酸化モリブデンがアンモニアガス雰囲気における熱処理温度が700℃であることで、最終の窒化モリブデンが得られた。その構造の測定結果は図1に示した(対応試料3)ようであり、その直線走査測定結果は図2に示した(対応試料3)ようである。
【0027】
実施例3
実施例3と実施例1の相違点は、酸化モリブデンがアンモニアガス雰囲気における熱処理温度が900℃であることで、最終の窒化モリブデンが得られた。その構造の測定結果は図1に示した(対応試料4)ようであり、その直線走査測定結果は図2に示した(対応試料4)ようである。
【0028】
図1のXRD結果から分かるように、熱処理温度の向上により、酸化モリブデンの原子価は+6価から+4、+2価に、ひいては+1価に低下されて、次第にMo3N2とMoNになる。実施例2の主な成分はMo3N2であり、少量のMoO2結晶体のピークもある。
【0029】
図2の直線走査結果から分かるように、実施例2では表現された酸化還元ピークの電流が比較的に大きく、実施例2の酸化還元ピーク電位は、約0.15Vであり、実施例1と実施例3よりはるかに上回っている。これは、実施例2の熱処理条件下で得られたMoO2結晶体が混合されたMo3N2が酸化還元の触媒性能に対して優れていることを説明する。
【0030】
対照例1
本発明の微生物燃料電池の窒化モリブデン負極性能を評価するために、商業的なPt/Cの作用電極で窒化モリブデン電極を取り替えて対照例1として、対照評価を行った。商業的なPt/Cの作用電極の製造方法は下記のようである。すなわち、5 mgの商業的なPt/Cを取って、それぞれ300 μL 1%のNafion溶液と100 μLイソプロパノールを滴下した後、氷水浴で30分間超音波分散して、均一な液体を形成して、5.5μLの当該液体を取って、研磨されたガラス状カーボン電極に塗布し、室温下乾燥させて作用電極を得た。
【0031】
回転リングディスク電極装置を用いて、実施例2と商業的なPt/Cの酸化還元触媒性能について、対照研究を行い、その結果は図3のようである。
【0032】
図3において、aは実施例2の窒化モリブデン電極(対応試料3)であり、bは商業的なPt/C電極であり、a、bは、両者とも中性緩衝液での異なる回転数下の直線走査図である。cとdはそれぞれaとbから得られた異なる電位下のKouteck−Levichグラフである。
【0033】
図3から分かるように、同じ回転数下、窒化モリブデンの最大ピーク電流の大きさは、商業的なPt/Cに接近し、異なる電位下での平均電子移動度は3.97であり、商業的なPt/Cの4.08に接近した。これは、触媒酸化還元において窒化モリブデンが白金-炭素のように、4電子移動メカニズムに属し、効率的に酸化還元の促進を行うことが分かる。
【0034】
更に、電極研究を基礎として、電極を電池に組み立て、対照研究を行った。具体的に実施例4と対照例2に示す。
【0035】
実施例4
本発明は、窒化モリブデン負極の高性能微生物燃料電池を公開し、その製造、組立及びテスト方法は下記のようである。
第一工程、窒化モリブデン負極の製造
処理した2×3cm2のカーボン紙の一側に触媒を塗布し、他の側に防水層を塗布した。
【0036】
(1)防水層の製造:5 mL 60%のPTFE溶液を取って、100 mLのビーカーに溶解させ、55 mLの蒸留水を入れて均一に混合して、5%の PTFE溶液を得た。次に、画筆でPTEF分散液をカーボン紙の表面に均一に塗布し、室温下10分間乾燥させた後、370℃のマッフル炉で10分間乾燥させた。同じ方法で、上記の操作を繰り返してカーボン紙に3層のPTEF防水層を形成した。
【0037】
(2)触媒層の製造:
窒化モリブデン(防水層面積に基づいて、2mg/cm2取る)を取って十分に研磨させ、88μL 5%のNafion溶液と0.5mLの無水エタノールを入れて、超音波で30分間均一に分散させた。均一に分散した触媒を、防水層が形成されたカーボン紙に均一に塗布して、室温下24時間自然に乾燥させた。
【0038】
第二工程、正極の製造
正極はブランクの2×2 cm2規格のカーボン紙であり、カーボン紙を銅線で連結した。主に金属銅が電池作動過程で溶解することを防止して、微生物に有毒な作用を有する重金属イオンの生成を防止する。カーボン紙と銅線の接続箇所は、エポキシ樹脂で密封する(エポキシ樹脂と固化剤は1:1で調製する)。
【0039】
第三工程、微生物燃料電池の組立作動及びテスト
正極液:10.0g炭酸水素ナトリウム、11.2gリン酸水素二ナトリウム、10.0g無水ブドウ糖及び5g酵母エキスの混合物をビーカーに溶解し、更に0.8707gHNQを添加して均一に攪拌した後、溶液を1000mLの定容びんに入れて定容して、準備した。
【0040】
空気負極の微生物燃料電池は、サンドイッチ構造であり、正極の最大液体体積20mLの負極テイルゲートの中心は、透かし彫り窓口2cm×3cmであり、負極が空気中に露出されている。
【0041】
電池の始動と出力密度極性化グラフの測定:18mLの正極液を反応器に入れ、高純度の窒素ガスを15分間通過させた。ガスの通過が完了した後2mLの大腸菌培養液を取って反応器に入れ、ゴム栓で反応器の上端の入口を密封して、反応器の密封状態を維持した。電池の開路電圧が安定された後、電池に順序に異なる電気抵抗を負荷させ、システムは異なる負荷抵抗の出力の電圧値、出力密度及び電流密度などを自動に記録した。具体的な測定結果は、図4に示したようである。
【0042】
対照例2
Pt/C負極正極とした微生物燃料電池の負極であって、前記微生物燃料電池の製造、テスト方法は下記のようである。
第一工程、Pt/C負極の製造の操作は実施例4と同じであり、触媒の負荷量は0.5mg/cm2である。
【0043】
第二工程、正極の製造、操作は実施例4と同じである。
【0044】
第三工程、微生物燃料電池の組立作動及びテストの操作は、実施例4と同じであり、具体的な測定結果は図5に示したようである。
【0045】
図4と5から分かるように、2mg/cm2の窒化モリブデン負極触媒を含有する微生物燃料電池の開路電位は0.481Vであって、0.5mg/ cm2の商業的なPt/C負極触媒の開路電位0.56Vより少々低い。
【0046】
2mg/cm2の窒化モリブデン負極触媒を含む微生物燃料電池の最大出力密度と対応する電流密度はそれぞれ9.24W/m3と37.40 A/m3であるが、同じ電池装置の実験条件下0.5mg/ cm2の商業的なPt/Cを含む負極触媒の微生物燃料電池の最大出力密度と対応する電流密度はそれぞれ12.49W/m3と43.50 A/m3であって。
【0047】
従って、窒化モリブデン複合負極微生物燃料電池の最大出力密度と対応する電流密度はそれぞれ商業的なPt/C電極の73.97%と85.98%に達するが、コバルト・モリブデン複合窒化物材料の値段が低くて、大量生産が可能であるため、微生物燃料電池の作動コストを大きく低減させる。
【0048】
上述は本発明の比較的に好ましい実施例のみであり、本発明に対して形式的に制限することではない。本分野の普通の技術者は、明細書の図と上記の記述に基づいて、順調に本発明を実施することができる。しかしながら、本技術分野を熟知している技術者が本発明の技術方案を脱離していない範囲で、上記の技術内容を利用して少々の変動、修飾及び変遷などの変化を行うことは、いずれも本発明の等価実施例である。同時に、本発明の実質的な技術に基づいて、上記の実施例に対して行った如何なる等価変化の変更、修飾及び変遷などは、いずれも本発明の技術方案の保護範囲内に属する。
図1
図2
図3
図4
図5