特許第6342992号(P6342992)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6342992
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】繊維の切断装置及び切断方法
(51)【国際特許分類】
   B26D 1/62 20060101AFI20180604BHJP
   B26D 1/45 20060101ALI20180604BHJP
   D06H 7/02 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   B26D1/62 Z
   B26D1/45
   D06H7/02
【請求項の数】15
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-512952(P2016-512952)
(86)(22)【出願日】2014年5月1日
(65)【公表番号】特表2016-523720(P2016-523720A)
(43)【公表日】2016年8月12日
(86)【国際出願番号】US2014036288
(87)【国際公開番号】WO2014179522
(87)【国際公開日】20141106
【審査請求日】2015年11月4日
(31)【優先権主張番号】61/818,935
(32)【優先日】2013年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/818,936
(32)【優先日】2013年5月3日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】590005058
【氏名又は名称】ザ プロクター アンド ギャンブル カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ギャヴィン ジョン ブロード
(72)【発明者】
【氏名】マーク メイスン ハーゲット
【審査官】 塩治 雅也
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04593589(US,A)
【文献】 特公昭50−005291(JP,B1)
【文献】 特開2002−086388(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0196564(US,A1)
【文献】 実開平01−149286(JP,U)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0297945(US,A1)
【文献】 特開2009−298500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26D 1/00−1/62
D06H 7/00−7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長手軸のまわりを周回するように構成されたドラムと、
前記長手軸と前記ドラムの一部との中間に少なくとも部分的に配置された筒形カムであって、前記長手軸を囲む経路を形成する軌道を備え、前記ドラムは、前記筒形カムに対して回転する、筒形カムと、
前記ドラムに連結されて、前記ドラムと共に前記長手軸のまわりを周回するように構成された切断アセンブリと、を備える切断装置であって、前記切断アセンブリは、
第1端部及び第2端部を備えて、第1端部と第2端部との間で長手軸に実質的に平行な方向に延在する、ラックと、
動作可能に前記ラックと係合された第1歯車を含む少なくとも1つの歯車であって、前記第1歯車は、前記ラックの前記第1端部と前記第2端部との中間を少なくとも部分的に移動するように構成される、少なくとも1つの歯車と、
前記少なくとも1つの歯車によって駆動される切断デバイスと、
少なくとも部分的に前記軌道と係合して、前記軌道の前記経路の中を前記長手軸のまわりに周回するように構成されたカムフォロアと、を備え、前記カムフォロアは、前記切断アセンブリが前記長手軸のまわりに周回しているときに、前記ラックの前記第1端部と前記第2端部との中間で、少なくとも部分的に、前記第1歯車を移動させ、前記切断デバイスを前記長手軸に実質的に平行に移動させるように構成されている、切断装置。
【請求項2】
前記ドラムの一部の上に複数の搬送ヘッドを更に備え、前記搬送ヘッドは、それぞれ、その上に配置された物品に流体圧力を提供するように構成されている、請求項1に記載の切断装置。
【請求項3】
前記切断アセンブリの一部は、第1搬送ヘッドと第2搬送ヘッドとの中間で、少なくとも部分的に配置されている、請求項1に記載の切断装置。
【請求項4】
前記切断アセンブリは、前記切断デバイスの第1端部と接触する切断デバイス−接触部材を更に含み、前記切断デバイス−接触部材の一部と前記切断デバイスの前記第1端部の一部との中間にニップが形成され、前記ニップは、切断装置上で物品を剪断するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項5】
前記切断デバイス−接触部材は、前記切断デバイスの前記第1端部に向けて付勢される、請求項4に記載の切断装置。
【請求項6】
前記第1歯車は第1方向に回転し、前記切断デバイスは、同じ第1方向に回転する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項7】
前記ドラムに連結されて、前記ドラムと共に前記長手軸のまわりを周回する第2切断アセンブリを備える、請求項1〜6のいずれか一項に記載の切断装置であって、前記第2切断アセンブリは、
第1端部及び第2端部を備えて、前記第1端部と前記第2端部との間で前記長手軸に実質的に平行な方向に延在する、第2ラックと、
第2ラック歯車アセンブリと、を備え、前記第2ラック歯車アセンブリは、
動作可能に前記第2ラックと係合された少なくとも1つの歯車であって、前記第2ラック歯車は、前記第2ラックの前記第1端部と前記第2端部との中間を少なくとも部分的に移動するように構成されている、少なくとも1つの歯車と、
前記少なくとも1つの第2ラック歯車によって駆動され、前記第1歯車より速く回転する第2の切断デバイスと、
少なくとも部分的に前記軌道と係合して、前記軌道の前記経路の中を前記長手軸のまわりに周回するように構成された第2カムフォロアと、を備え、前記カムフォロアは、前記第2切断アセンブリが前記長手軸のまわりに周回しているときに、前記第2ラックの前記第1端部と前記第2端部との中間を、少なくとも部分的に、前記少なくとも1つの第2ラック歯車を移動させるように構成されている、請求項1〜6のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項8】
前記切断アセンブリは、前記ドラムに連結された支持部材を更に備え、前記支持部材はガイドを備え、前記第1歯車が、ラックの第1端部と第2端部との中間を少なくとも部分的に、又は、前記ラックの前記第2端部と前記第1端部との中間を少なくとも部分的に移動すると、前記切断デバイスは前記ガイドに対して平行移動する、請求項1〜7のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項9】
前記第1歯車が、前記ラックの前記第1端部と前記第2端部の中間を少なくとも部分的に移動するときに、前記ラックと連動した前記少なくとも1つの歯車が、毎分1,500回転から3,000回転の範囲で、前記切断デバイスを回転させるように構成されている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項10】
前記長手軸まわりの前記ドラムの1回の全回転で、前記第1歯車は、前記ラックの前記第1端部から前記ラックの前記第2端部まで移動し、かつ前記第1端部へ戻る、請求項1〜9のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項11】
第2アクチュエータは、物品の切断の間、少なくとも毎分1,500回転で、前記切断デバイスを回転させるように構成され、第1アクチュエータは、前記切断アセンブリの一部と動作可能に係合し、かつ前記切断アセンブリが前記長手軸のまわりを周回しながら、前記長手軸と実質的に平行な方向に、前記切断デバイスを往復運動させるように構成されている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項12】
前記第2アクチュエータは、前記物品の切断の間、毎分2,000回転〜3,000回転の範囲で、前記切断デバイスを回転させるように構成されている、請求項11に記載の切断装置。
【請求項13】
前記切断アセンブリは、切断デバイス−係合部材を備え、前記切断デバイス−係合部材は、前記切断デバイスの端部に向けて付勢されて、前記切断デバイスの端部と前記切断デバイス−係合部材の一部との中間にニップを形成する、請求項12に記載の切断装置。
【請求項14】
前記切断アセンブリは、
前記ドラムと係合した支持部材と、
前記支持部材の上に配置されたラックと、
前記支持部材の上に配置されたガイドと、
複合歯車アセンブリと、を備え、かつ前記複合歯車アセンブリは、
第1歯車を含む複数の歯車を備え、前記第1歯車は、前記ラックと動作可能に係合し、並びに前記複合歯車アセンブリが、前記切断デバイスを前記第1歯車の回転より少なくとも5倍速く回転させることが設定されるように、前記複数の歯車の残りは前記切断デバイスと動作可能に係合されている、請求項1〜13のいずれか一項に記載の切断装置。
【請求項15】
請求項1〜14のいずれか一項に記載の切断装置を用いて、トウ繊維を切断する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、切断装置に関し、より具体的には、トウ繊維又はその束、及び他の材料を切断するように構成された切断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
切断装置及び切断装置は、消費者製品などの多数の製品の製造に使用されている。消費者製品で用いられる異なる材料は、さまざまな切断装置及び切断方法を必要とする。切断装置及び方法は、時によって、さまざまな材料の固有の切断動作向けに調整されることがある。
【0003】
さまざまな清掃物品又はその一部は、製造の間に、1つ以上の切断動作を必要とする可能性がある消費者製品のうちの1種類である。例えば、これらの清掃物品は、除塵及び軽度の清掃、又は他の目的に用いることができる。使い捨てダスタなどの、再利用を制限した清掃物品が開発されている。これらの使い捨てダスタは、トウ繊維と呼ばれる合成ファイバーの束から製造されたブラシの部分を備えており、このトウ繊維は、1つ以上の材料の層(不織布材料の1つ以上の層など)に取り付けられている場合がある。他の例では、トウ繊維は硬質の材料又は板に取り付けることができる。使い捨ての清掃物品は、1つの仕事(例えば、数平方メートルの表面)に用い、そして廃棄されるか、又は、修復してより多くの仕事に再利用された後、廃棄してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
使い捨ての清掃物品では、けばだっていて、末端の繊維端部又は自由な繊維端部で、いくぶんお互いに分かれている、トウ繊維を有することが望ましい。しかし、現在の切断技術は、トウ繊維の自由な繊維端部を、「溶着する」か又は、全体として結合する傾向がある。したがって、見た目に不愉快な外観と感じをもたらし、更に、清掃能力をいくぶん制限することになる。更に、トウ繊維の自由な繊維端部のかかる溶着により、ピックアップのトウ繊維がほこりと汚れを拾う効果が、いくぶん減少する恐れがある。必要なものは、より清潔でより鋭利なカットを生成して、自由な繊維端部における繊維の溶着を低減する消費者製品(例えば使い捨てのダスタ及び他の製品)用の切断機器である。更に必要なものは、自由な繊維端部において繊維の溶着を低減する材料(トウ繊維など)の切断方法である。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの形態では、本発明の開示は、一部次の切断装置を対象にする。この切断装置は、長手軸を有する駆動シャフト、駆動シャフトによって駆動されると長手軸のまわりを周回するように構成されたドラム、第1アクチュエータ、及び、ドラムに連結され、かつドラムと共に長手軸のまわりを周回するように構成された切断アセンブリ、を備えることができる。切断アセンブリは、それの一部と動作可能に係合された第2アクチュエータ、及び、第2アクチュエータによって駆動される切断デバイスを備えることができる。第2アクチュエータは、物品の切断の間、少なくとも毎分1,500回転(又は、本明細書に開示される他の速度)で、切断デバイスを回転させるように構成することができる。第1のアクチュエータは、切断アセンブリの一部と動作可能に係合することができ、切断アセンブリが長手軸のまわりを周回しながら、長手軸と実質的に平行な方向に、切断デバイスを往復運動させるように構成することができる。
【0006】
本発明の開示は、一部次の切断装置を対象にする。この切断装置は、長手軸を有する駆動シャフト、駆動シャフトによって駆動されると長手軸のまわりを周回するように構成されたドラム、及び、駆動シャフトとドラムの一部との中間に少なくとも部分的に位置付けられた筒形カム、を備えることができる。筒形カムは、長手軸を囲む経路を形成する軌道を備えることができる。ドラム及び駆動シャフトは、筒形カムに対して回転することができる。筒形カムは固定し、非回転とすることができる。切断装置は、ドラムに連結されて、ドラムと共に長手軸のまわりを周回するように構成された切断アセンブリを更に備えることができる。切断アセンブリは、第1端部及び第2端部を含むラックを備えることができる。このラックは、第1端部及び第2端部との間で、長手軸に平行な、実質的に平行な、又は長手軸を横断する方向に、延在することができる。切断アセンブリは、複数の歯車(動作可能にラックと係合された第1歯車を含む)を含むことがあり得る複合歯車アセンブリを更に備えることができる。第1歯車は、ラックの第1の端部及び第2の端部の中間を少なくとも部分的に移動するように構成することができる。複合歯車アセンブリは、複数の歯車によって駆動される切断デバイスを更に備えることができる。切断デバイスは、第1歯車の各回転につき、少なくとも8〜15回、回転することができる。切断アセンブリは、少なくとも部分的に軌道と係合して、軌道の経路の中を、長手軸のまわりに周回するように構成されたカムフォロアを更に備えることができる。カムフォロアは、切断アセンブリが長手軸のまわりに周回しているときに、ラックの第1と第2端部との中間を少なくとも部分的に第1歯車を移動させることにより、切断デバイスを長手軸に実質的に平行に移動させるように構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
添付図面と関連してなされる本開示の非限定的な実施形態の以下の説明を参照すれば、本開示の上記の及び他の特徴と利点、並びにそれらを達成する方法がより明らかとなり、また本開示自体がより理解されよう。
図1】本開示の非限定的な一実施形態に係る、複数の切断アセンブリを備えて2つの架台の上に装着される切断装置の正面斜視図である。
図2】本開示の非限定的な一実施形態に係る、複数の切断アセンブリを備える切断装置の背面斜視図である。
図3】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図1の切断装置の正面図である。
図4】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図1の切断装置の側面図である。
図5】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図1の切断装置の平面図である。
図6】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図3の6−6線について見た断面図である。
図7】本開示の非限定的な一実施形態に係る、切断装置用の軌道を備える筒形カムの斜視図である。
図8】非限定的な一実施形態に係る、軌道を備えた図7の筒形カムの正面図である。
図9】非限定的な一実施形態に係る、軌道を備えた図7の筒形カムの側面図である。
図10】非限定的な一実施形態に係る、軌道を備えた図7の筒形カムの背面図である。
図11】本開示の非限定的な一実施形態に係る、切断アセンブリの平面斜視図である。
図12】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図11の切断アセンブリの底面斜視図である。
図13】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図11の切断アセンブリの左側面図である。
図14】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図11の切断アセンブリの右側面図である。
図15】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図11の切断アセンブリの平面図である。
図16】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図11の切断アセンブリの後端面図である。
図17】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図11の切断アセンブリの前端面図である。
図18】本開示の非限定的な一実施形態に係る、ラックと係合された切断アセンブリのキャリジの一部の斜視図である。
図19】本開示の非限定的な一実施形態に係る、ラックと係合された切断アセンブリのキャリジの一部の側面図である。
図20】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図19の詳細20の部分を取り出した詳細図である。
図21】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図19の21−21線から見た断面図である。
図22】本開示の非限定的な一実施形態に係る、図21の詳細22の部分を取り出した詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本明細書に開示されたトウ繊維、その束、及び/又は他の材料又はその束を切断する切断装置及び方法の、構造、機能、製造、及び使用の原理について、総合的な理解を提供するために、本開示の非限定的なさまざまな実施形態がここで説明される。これらの非限定的実施形態の1つ又は複数の実施例を添付の図面に示す。本明細書で説明され、添付図面に示されるトウ繊維、その束、及び/又は他の材料又はその束を切断する切断装置及び方法が非限定的な例の実施形態であること、及び本開示の非限定的なさまざまな実施形態の範囲が特許請求の範囲によってのみ定められることを、当業者は理解するであろう。1つの非限定的実施形態に関して例示又は記載する特徴は、他の非限定的実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は本開示の範囲に含まれるものとする。
【0009】
用語の定義
用語「接合された」、「取り付けられた(attached)」、「装着された(mounted)」、「係合された」、又は「〜と係合された」は、ある要素を他の要素に直接固着することにより、その要素が別の要素に直接固定された構成と、ある要素を中間部材(1つ又は複数)に固着し、それを次に他の要素に固着することにより、その要素が別の要素に間接的に固定された構成とを包含する。
【0010】
「不織布」又は「不織布材料」という用語は、本明細書において、スパンボンド法、メルトブロー法、カーディング法などのプロセスによって、連続的な(長い)フィラメント(繊維)及び/又は非連続的な(短い)フィラメント(繊維)から作製された材料を指す。不織布は、織られた又は編まれたフィラメントパターンを有しない。
【0011】
「機械方向」(MD)という用語は、本明細書において、材料、帯状基材(strip of substrate)、又はプロセスを通しての物品の流れ、の主要な方向を指すために使用される。
【0012】
用語「横断方向」(CD)は、本明細書において、機械方向に対して概ね垂直な方向を指すために使用される。
【0013】
本発明の開示は、切断及び/又は剪断装置、及び、切断及び/又は剪断の方法を対象にする。切断及び剪断の用語は、本明細書で特に明記しない限り、互換的に用いる。切断装置は、例えば任意の好適な材料又は材料群(例えば、不織布材、織物材料、天然繊維、合成繊維、綿繊維、パルプ繊維、トウ繊維、他の繊維、繊維材料、ラミネート及び/又は他の材料など)を切断するために用いることができる。切断の方法は、例えば任意の好適な材料(例えば、不織布材、織物材料、トウ繊維、さまざまな種類の繊維の束及び/又は他の材料など)を切断するのに用いることができる。本発明開示の装置及び方法は、一度に1つ又は複数の材料又は一度に単一の材料を切断するために用いることができる。1つを超える材料が一度に切断される場合には、その1つを超える材料は同じであるか又は異なってもよい。
【0014】
本明細書で言及するトウ繊維は、当業者に知られているような合成繊維又は任意の他のトウ繊維とすることができる。「トウ」は、通常、合成高分子(ポリエステル、ポリプロピレン、ポリエチレンを含む)、及び/又はセルロース材料(酢酸セルロース及びそれらの混合物を含む)を含む繊維のことを指し、個々の繊維は、束で製造された比較的長いストランドである。束繊維は、区別可能な端部を有し、かつ、長さが少なくとも約1cmである、任意の繊維として定義され得る。
【0015】
しばしば、消費者製品の高速の製造において、帯状基材は、機械方向に、又は、概ね機械方向にラインを通して搬送される。部品は、帯状基材が機械方向に移動するにつれて、帯状基材に追加するか、又は、帯状基材から除去することができる。場合によっては、帯状基材は、それらが機械方向に移動するにつれて、部品の付加又は除去による以外の方法で、加工処理することができる。帯状基材は、1つの材料、又は互いに結合した(すなわち、ラミネート)2つ又は3つ以上の材料を含むことができる。帯状基材は、切断される材料に関して、本明細書で述べるいかなる材料をも含むことができ、又は、他の材料、接着剤、ローション、油などを含むことができる。
【0016】
帯状基材を個々の消費者製品、又は、その一部(使い捨てダスタ(duster)など)に切断することは、しばしば必要である。これは、1つ又は複数の切断アセンブリを備えた切断装置(本発明開示の1つ又は複数の切断アセンブリを備えた切断装置など)を用いて実現することができる。切断は、横断方向に、又は、実質的に横断方向に(例えば、横断方向から+/−30度に)生ずることができるか、又は、他の方向に生ずることができる。切断の後、消費者製品又はその一部は、更なる加工処理又は包装のために、コンベヤ又は他のデバイス上を、機械方向又は他の方向に移動することができる。
【0017】
例として、より大きな切断装置の一部であるとして、本開示の切断アセンブリが例示される。しかし、本開示の切断アセンブリが、例示された切断装置から独立した他の切断作業に、他の切断装置と共に、又は、別の切断装置と独立して、のどちらによっても用いることができることは、理解されるであろう。
【0018】
消費者製品又は他の繊維様製品用のいくつかの関連技術である切断アセンブリは、切断中に、同時に切断される繊維(例えば、特にトウ繊維又はその束)の自由な繊維端部を溶着するか又は結合する傾向を有する。溶着は、切断刃の遅い回転速度、及び/又は、切断される材料を通してかつ滑らかな台座に対して、切断刃の一部を押しつけるために必要な高圧によって、起こる可能性がある。別の例では、繊維が押切カット方式(例えば、打抜きなど)を用いて切断されるので、溶着が起こる可能性がある。これらの例では、繊維が粉砕されるので、それらは同時に溶着する可能性がある。しかし、本開示の切断装置及び切断アセンブリでは、切断装置及び切断アセンブリ並びに本開示の切断作業に用いる特有の方式のユニークな構成のおかげで、自由な繊維端部(トウ繊維の自由な繊維端部など)の溶着がより少なくなる。更に、本開示の切断デバイス又は切断刃は、従来の切断デバイスよりずっと高い速度を達成し、自由な繊維端部の溶着を低減する、非常にクリーンでより鮮明な切断を可能にする。
【0019】
一実施形態では、図1図6を参照して、切断装置10の例が開示される。切断装置10は、回転デバイス又は他の好適なデバイスの形態をとることができる。切断装置10は、架台12の上に配置するか、又は、別の方法で装着することができ、長手軸16を有する駆動シャフト14を備えることができる。駆動シャフト14は、モータなどのアクチュエータ(図示せず)、アクチュエータと係合された伝動ベルト又はチェーン、又は、当業者に知られている他の作動方式又はデバイスによって、長手軸16のまわりを回転することができる。駆動シャフト14は、ブラケット18又は他の好適なデバイスによって、定位置に保持することができる。駆動シャフト14は、ベアリング又は他のデバイス(駆動シャフト14が定位置に留まることを可能にすると同時に、その回転を可能とする)を用いて、ブラケット18に対して回転できるようにしなければならない。駆動シャフト14は、回転板20が長手軸16のまわりを駆動シャフト14と一体で回転するように、回転板20と強固に係合してもよい。2つの回転板20は共に、ドラム22の一部を形成する。回転板20のほかに、ドラム22は、長手軸16のまわりを回転する任意の部材、及び/又は、それに装着されるか若しくは連結される切断アセンブリの一部を有する任意の部材であると考えられる。ドラム22の一部の例は、流体移動システム24、1つ又は複数の搬送ヘッド26、及び、1つ又は複数の切断アセンブリを支持する任意の構造の部分である。ドラム22は、駆動シャフト14によって駆動されると、長手軸16のまわりを周回するように構成される。あるいは、ドラム22は既知の方法で表面駆動することができる。
【0020】
搬送ヘッド26は、1つ又は複数の流体ポート27がその中に画定される搬送表面を、各々備えることができる。搬送表面は、帯状基材及び物品(切断後)に接触してそれを搬送する搬送ヘッド26の部分である。流体ポート27は、任意の好適なパターンで配置することができる。流体ポート27によって、流体移動システム24により生成された流体圧力(正又は負)は、搬送表面上に位置付けられた帯状基材の部分、又は、1つ又は複数の物品若しくは消費者製品、又は、それらの部分に印加することができる。切断の前に、帯状基材の部分が、搬送ヘッド26の間に延在するため、切断は搬送ヘッド26の中間で生じることができる。図5を参照すると、搬送ヘッド26は各々、切断装置10の入口側で、例えば真空流体圧力を用いて、帯状基材「S」の一部を係合するように構成されている。そして、帯状基材を、切断装置10のまわりに、少なくとも部分的に(例えば、3時から9時に)回転させる。かかる回転の間に、帯状基材は、切断装置10の1つ又は複数の切断アセンブリ28を用いて、個々の部分又は物品に切断される。帯状基材の切断された個々の部分又は物品「A」は、流体管理システム24に提供される真空流体圧力を用いて、再び切断後に搬送ヘッド26上に保持される。切断された物品「A」は、続いて更なる加工処理及び/又は包装のために、切断装置10から、コンベヤ30又は他の移動デバイスの上に排出することができる。搬送ヘッド26の流体ポート27の少なくとも一部は、正の流体圧力を備えるので、それらが切断装置10の排出箇所を過ぎて回転すると、搬送ヘッド26から物品を分離させることができる。
【0021】
上述のように、流体移動システム24は、搬送ヘッド26の流体ポート27の、部分へ、又は全てへ、1つ又は複数へ、流体の流れを提供するために用いることができる。流体移動システム24は、搬送ヘッド26の部分へ、又は全てへ、1つ又は複数へ、流体ポンプ(図示せず)などの、流体移動デバイスを用いて、正の流体圧力及び/又は負の流体圧力を提供することができる。流体ポンプは、当業者に概ね知られており、本明細書では簡潔にするため、説明しない。一実施形態では、流体移動システム24は、その上に配置された切断された物品を「吹き飛ばす」ために、搬送ヘッド26のいくつか又はその部分へ、正の流体圧力を提供することができる。そして、搬送ヘッド26上の物品又は帯状基材を保持するために、他の搬送ヘッド26のいくつか又はその部分へ、負の流体圧力を提供することができる。いくつかの実施形態では、流体移動システム24は、切断装置10の回転の排出箇所で、特定の搬送ヘッド26の特定の流体ポート27へ、正の流体圧力を提供することができる。そして、同じ搬送ヘッド26の他の特定の流体ポート27へ、負の流体圧力を提供することができる。一例として、搬送ヘッド26の後縁部分(搬送ヘッドの回転に関する後縁)は、流体移動システム24から、負の流体圧力を受けることができる。一方、同じ搬送ヘッド26の前縁部分(搬送ヘッドの回転に関する前縁)は、流体移動システム24から、正の流体圧力を受けることができる。これは、搬送ヘッド26上の切断された物品が、切断アセンブリ10から搬送が解放されるか又は排出されるときに、物品の前縁部分が搬送ヘッド26から吹き飛ばされる一方で、物品の後縁部分の制御を維持することができるので、有用となり得る。物品の前縁部分が吹き飛ばされた後で、搬送ヘッド26の後縁部分の流体ポートは、続いて、流体移動システム24から、物品の完全な搬送を補助するために、正の流体圧力を受けることができる。搬送ヘッドと連動したかかる流体移動システムの特性により、より高い速度及びより信頼性の高い物品搬送を提供することができる。搬送ヘッドと連動した流体移動システムの例は、「FLUID SYSTEMS AND METHODS FOR TRANSFERRING DISCRETE ARTICLES」と題する米国特許出願第13/447,568号、P&G Docket No.12412に開示される。
【0022】
一実施形態では、図1図7を参照して、切断装置10は、筒形カム32を備えることができる。筒形カム32は、図7に、切断装置10と別個に例示されている。筒形カム32は、駆動シャフト14、及び搬送ヘッド26を備えたドラム22の一部の中間に、又は、少なくとも部分的に中間に、配置することができる。筒形カム32はまた、回転板20の中間に、少なくとも部分的に配置することができる。筒形カム32は、ドラム22及び駆動シャフト14が、固定された筒形カム32に対して回転することができるように、ドラム22及び駆動シャフト14に対して固定してもよい。換言すると、筒形カム32は、長手軸16のまわりを回転しない。ベアリング36又は他の部材は、ドラム22が、筒形カム32に対して回転することを可能にするように、備えることができる。筒形カム32は、長手軸16を囲む経路を形成する軌道34を備えることができる。軌道34は、1つ又は複数の切断アセンブリ28のと係合している1つ又は複数のカムフォロア48、又はその部分を受け入れるように構成される。軌道34は、ローラ又は摺動可能な部材などの任意の好適なカムフォロアを受け入れるように構成された、任意の好適な断面形状を有することができる。例えば、その断面形状の例としては、概ね正方形、長方形、及び/又は、円弧状が挙げられる。これらの断面形状の全ての例は、軌道34が1つ又は複数のカムフォロア48によって係合されることができるように、開いた上部を有することができる。軌道34は単一のクローズドカム軌道か、又は共役カム軌道を備えることができる。ドラム22及び駆動シャフト14が、長手軸16に対して回転するにつれて、カムフォロア48は、軌道34の経路のまわりを移動するように構成されている。筒形カム32は、切断デバイス50又は切断刃及び他の部分を備える一つ以上の切断アセンブリ28の一部(「キャリジ」(「C」と名称をつけられた)を移動させるように構成されている。そして、切断アセンブリ28のこれら一部は、ドラム22、駆動シャフト14及び1つ又は複数の切断アセンブリ28が長手軸16のまわりを回転する又は周回するにつれて、支持部材42に対して、長手軸16に平行な、実質的に平行な、又は直角な方向に移動する。切断アセンブリの1つ又は複数のキャリジの移動は、少なくとも図1及び図5に例示される。キャリジは、長手軸16と平行な、実質的に平行な(すなわち、長手軸16から+/−40度又は30度で)、又は、直角な方向に、往復移動することができる。切断デバイス50は、ドラム22を概ね横断方向又は横断方向に移動している間に、帯状基材「S」を切断するように構成することができる。切断アセンブリ28の詳細は、以下に、より詳しく記載する。
【0023】
図8図10は、軌道34を備えた筒形カム32を例示する。図8は筒形カム32の正面図、図9は筒形カム32の側面図、及び、図10は筒形カム32の背面図である。当業者は、カムフォロア48が、どのように軌道34と係合して、キャリジを往復運動させるかについて理解するであろう。
【0024】
別の実施形態では、筒形カム32及びカムフォロア48を備えなくてもよく、その代わりに、キャリジを往復移動させるために、リニアアクチュエータ(図示せず)などのアクチュエータを用いることができる。このアクチュエータのおかげで、帯状基材がドラム22により回転しながら、切断デバイス50が帯状基材を切断することができるように、キャリジがドラム22を概ね横断して往復する(長手軸16と概ね同じ方向に)ことができる。アクチュエータは、ハウジング及びピストンを備えたピストン型のアセンブリとすることができる。このアセンブリは、例えば、空気圧又は水圧を用いて、ピストンがハウジングに対して伸縮すると、長手軸16に概ね沿った方向にキャリジを往復移動させることができるように、キャリジの一部と動作可能に係合されている。
【0025】
一実施形態では、図1図6を参照すると、1つ又は複数の切断アセンブリ28は、ドラム22が長手軸16のまわりを周回すると、切断アセンブリ28がドラム22と共に回転するように、ドラム22の一部の上に設けるか、又はそれに連結することができる。切断アセンブリ28は、切断デバイス50が、第1搬送ヘッド26と第2搬送ヘッド26との少なくとも部分的に中間の位置で、ドラム22を各々横断するように、ドラム22の一部の上に配置する。これによって、帯状基材を第1と第2の搬送ヘッド26(及び、搬送ヘッドの他のペア)の中間で切断することができ、キャリジの一部は、搬送ヘッド26の2者の中間に形成されたニップを通して移動することができる。
【0026】
一実施形態では、切断アセンブリ28は、支持部材42を各々備えることができる。この支持部材は、ドラム22の部分、及び/又は回転プレート20と係合するように構成されて、切断アセンブリ28をドラム22に取り付け、ドラム22と共に回転させる。切断アセンブリ28は、ドラム22が長手軸16のまわりを周回すると、長手軸16に平行な、実質的に平行な、又は直角な方向に移動するように構成される。さまざまな実施形態では、各切断アセンブリ28は、切断装置10の上で、同じであるか又は異なることができる。図1及び図11図17を全般的に参照すると、支持部材42は、切断デバイス50又は切断刃の所望の切断経路によって、線形、非線形とすることができるか、及び/又は、円弧状部分を設けることができる。支持部材42は、その中に画定されるスロット43を設けることができる。複合歯車アセンブリの駆動シャフトの一部は、ラックとの係合を補助するために、スロット43を通して延在することができる。支持部材42は、線形ガイド44などの1つ又は複数のガイド44を備え、形成され、又は、取り付けることができる。ガイド44は、支持部材42の形状(例えば、線形、非線形、及び/又は、円弧状部分若しくは他の形状を有することができる)に従うことができる。ガイド44は、ガイド係合部材46が摺動し、移動し、及び/又は往復する1つ又は複数の軌道38を各々備えることができる。一実施形態では、ガイド係合部材46は、1つ又は複数の突起部40を有することができ、この突起部は、そこから延在し、摺動可能に軌道38と係合するように構成されている。一実施形態では、ガイドは、その代わりに、支持部材42におけるスロットとすることができ、ガイド係合部材は、スロットの中を摺動可能な突起とすることができる。ガイド44をガイド係合部材46と係合する当業者に知られた任意の他の好適な方式は、本開示の範囲内である。ガイドの1つの態様は、1つ又は複数のガイド44と1つ又は複数のガイド係合部材46との間で、相対運動を達成することができるということである。
【0027】
一実施形態では、切断アセンブリ28の各カムフォロア48は、筒形カム32の軌道34に少なくとも部分的に係合するように構成されている。カムフォロア48は、キャリジ上の任意の好適な位置に装着することができる。例えば、カムフォロア48は、軌道34に係合する好適な形状の1つ又は複数のローラ又は低摩擦係数の材料、を各々備えることができる。一実施形態では、カムフォロア48は、低摩擦係数の材料でコーティングされたローラ又は他の部材、を備えることができる。カムフォロア48及び軌道34の係合のおかげで、切断デバイス50(例えば、キャリジ)を備えた切断アセンブリの一部は、少なくとも部分的に支持部材42の付近を往復運動して、帯状基材又は他の材料を切断することができる。
【0028】
切断アセンブリ28は、線形ギア又は概ね線形ギアなどのラック52を備えることができる。この概ね線形ギアは、支持部材42と共に形成されるか、又は、それに取り付けられたいくらか円弧状の部分を有する。ラック52は、切断部材50の所望の切断経路に従い、そして、おそらく1つ又は複数のガイド44及び支持部材42が直線形又は非直線形であるかどうかによって、直線形又は非直線形(例えば、円弧状部分を備える)とすることができる。ラック52は、別の歯車の歯と噛み合って係合するように構成された複数の歯を備えることができる。ラック52は、2つのガイド44のの中間に、又は支持部材42上の別の位置に装着することができる。ラック52は、第1端部54及び第2端部56を備えてもよい。ラック52、支持部材42及び/又はガイド44は、長手軸16と平行に、長手軸16に実質的に平行に(例えば、長手軸16から+/−30度、20度、10度、5度、3度、2度又は1度)、又は、長手軸16と直角な方向に、配置することができる。
【0029】
一実施形態では、ラック52は、例えば、単一の歯車又は複合歯車アセンブリ57などの回転変速アセンブリの一部と、動作可能に係合することができる。複合歯車アセンブリ57は、動作可能にラック52と係合された第1歯車58を含む複数の歯車を備えることができる。ここで、第1歯車は、ラック52の第1端部54及び第2端部56の中間を少なくとも部分的に移動するように構成されている。図18を参照すると、複合歯車アセンブリ57は、1つの形態例において、第1歯車58、第2歯車60、第3歯車62、第4歯車64及び第5歯車66を備えることができる。切断デバイス50の回転速度が、第1歯車58の回転速度より、少なくとも3倍速い、少なくとも5倍速い、又は少なくとも10倍速くなるように、少なくとも1つの歯車及び任意の好適な数の歯車を、複合歯車アセンブリ57に備えることができる。当業者に知られた他の好適な増速又は変速アセンブリもまた、本開示の範囲内であり、本明細書で説明され例示された複合歯車アセンブリ57の例の代わりに用いることができる。一実施形態では、カムフォロアが筒形カム32の軌道34に係合することによって、キャリジが少なくとも部分的に支持部材42に沿って、往復運動させられると、第1歯車58は、ラック52の第1端部54及び第2端部56の中間を、少なくとも部分的にラック52に沿って、移動させられることがあり得る。他の例では、上述したアクチュエータ又は線形アクチュエータが、少なくとも部分的に支持部材42の長さ方向に沿って、キャリジを往復運動させると、第1歯車58は、第1端部54と第2端部56との中間を、少なくとも部分的にラック52に沿って、移動することができる。
【0030】
一実施形態では、少なくとも1つの第1歯車58は、ラック52と噛み合って係合し、ラック52の第1及び第2端部54、56の中間を少なくとも部分的に往復運動すると、第2歯車60を回転させ、切断デバイス50を直接的又は間接的に回転させる。第1歯車58及び第2歯車60は共に、回転できないように第1駆動シャフト68に固定される。第1歯車58がラック52の少なくとも一部に沿って往復運動すると、それによって、第1歯車58は回転させられ、第1駆動シャフト68が回転して、それにより、第2歯車60を回転させる。第2歯車60は、第3歯車62と噛み合って係合し、第2歯車60が回転すると、第3歯車62を回転させる。第3歯車62及び第4歯車64は共に、回転できないように第2の駆動シャフト70に固定される。第3歯車62が第2歯車60によって回転して、第4歯車64は、第2の駆動シャフト70へのその固定された関係のために、回転する。第4歯車64は、第5歯車66と噛み合って係合する。結果として、第4歯車64が回転すると、第5歯車66は回転する。第5歯車66は、回転できないように第3の駆動シャフト72に固定される。第3の駆動シャフト72はまた、回転できないように切断デバイス50に(直接的又は間接的のいずれか)固定されている。その結果、第5歯車66が第4歯車64によって回転させられると、切断デバイス50は、図11図12及び図14に矢印によって表示された方向に、回転又は駆動される。一実施形態では、切断デバイス50は第1歯車58と同方向(即ち、時計回りか、又は反時計回りに)に回転する。他の実施形態では、切断デバイス50は、増速/変速アセンブリの構成によって、第1歯車58と異なる方向に回転することができる。任意の歯車又は切断デバイス50は、当業者に知られた任意の方法又は装置を用いて、さまざまな駆動軸に、回転できないように、固定することができる。歯車は、当業者に認識されているように、直接的又は間接的に、駆動軸に回転できないように固定することができる。さまざまな駆動軸68、70及び72は、その上に配置された、さまざまな歯車の適切な位置合わせを提供するスペーサ74を含むことができる。一実施形態では、長手軸16まわりのドラム22の1回の全回転で、第1歯車58は、ラック52の第1端部54からラック52の第2端部56まで移動し、そして、第1端部54へ戻ることができる。別の実施形態では、長手軸16まわりのドラム22の1回の全回転で、第1歯車58は、ラック52の第1端部54とラック52の第2端部56の中間を移動し、そして、第1端部54へ戻ることができる。例示された複合歯車アセンブリ57は、本開示と共に用いることができる回転増速又は変速アセンブリの種類のただの一例である。当業者は、他の回転変速又は増速アセンブリ及び/又は他の複合歯車アセンブリを用いることができることを認識するであろう。
【0031】
切断デバイス50の回転速度は、複合歯車アセンブリ57のおかげにより、第1歯車58の回転速度よりも、以下の倍率だけ速くすることができる。この倍率とは、少なくとも5倍速く、少なくとも10倍速く、少なくとも15倍速く、少なくとも20倍速く、約5倍〜約40倍速く、約8倍〜約25倍速く、約8倍〜約20倍速く、又は、約8倍〜約15倍速く、上述した範囲内及びその中に又はその近くに形成される範囲内の全ての0.1の増分を具体的に列挙した範囲についてである。切断デバイス50の回転速度は、複合歯車アセンブリ57のおかげにより、以下のようにすることができる。その回転速度とは、少なくとも毎分800回転、少なくとも毎分1,000回転、少なくとも毎分1,250回転、少なくとも毎分1,500回転、少なくとも毎分1,750回転、少なくとも毎分2,000回転、又は、毎分約750回転から約3,500回転まで、毎分約1,000回転から約3,000回転まで、毎分約1,500回転から約3,000回転まで、毎分約2,000回転から約3,000回転まで、の範囲について、上述した範囲内及びその中に又はその近くに形成される範囲内の全ての毎分1回転の増分を具体的に列挙した範囲である。切断デバイス50の回転速度は、カムフォロア48の軌道34との係合により、筒形カム32の軌道34の経路に比例することができる。あるいは、切断デバイス50の回転速度は、アクチュエータ又は線形アクチュエータが、支持部材42又はラック52に対して、キャリジをどれくらい速く移動させるかということに、比例することができる。切断デバイス50の回転速度は、筒形カム32の軌道34の経路を変えることによって、変化させることができる。又は、複合歯車アセンブリ57を変えることによって(例えば、1つ又は複数の歯車において、より小さな又はより大きな歯車を用いて)、変化させることができる。あるいは、切断デバイス50の回転速度は、キャリジを移動させるアクチュエータ又は線形アクチュエータの速度を変えることによって、変化させることができる。
【0032】
一実施形態では、切断デバイス50の回転速度は、ラック52に沿って、又はキャリジが往復運動するラック52に沿って、変化する(即ち、キャリジの経路に沿って変化する)可能性がある。切断デバイス50の回転速度は、支持部材42に対して、切断デバイス50が切断される物品を係合する位置まで、増大してもよい。続いて、切断の間に、回転速度は一定で又は実質的に一定で(例えば、毎分+/−20回転)あり続けてもよく、次に、切断後に、回転速度は減少してもよい。別の実施形態では、切断時、及び/又は、切断の前に、及び/又は、切断の後に、切断デバイス50の回転速度は、一定又は変動させることができる。更に別の実施形態では、回転速度は、切断デバイス50の全ストロークを通して、一定又は実質的に一定とすることができる。
【0033】
複合歯車アセンブリ57、及びそれによって切断デバイス50を駆動するために第1歯車58及びラック52を用いる代わりに、例えば、モータなどのアクチュエータを、その代わりに用いることができる。モータは、駆動シャフトと動作可能に係合することができる。駆動シャフトは、直接駆動シャフトの回転が切断デバイス50を回転させる(モータの駆動シャフトと切断デバイス50との間の1:1の回転速度比)ように切断デバイス50と係合することができる。他の実施形態では、アクチュエータは複合歯車アセンブリ57又は他の回転増速又は変速アセンブリの駆動シャフト(駆動シャフト68など)と動作可能に係合することができる。ここで、例えば、駆動シャフト(例えば、68)の1回転が、切断デバイス50を少なくとも5回、少なくとも10回、又は更に少なくとも15回、回転させる。かかる一実施形態では、第1歯車58を備えていなくてもよく、アクチュエータは、駆動シャフト68又は他の駆動シャフトと直接的又は間接的に、動作可能に係合することにより、複合歯車アセンブリ57及びそれによって切断デバイス50を駆動することができる。更に他の実施形態では、第1歯車58は、アクチュエータによって、直接的又は間接的に駆動することができる。
【0034】
切断デバイス50は、焼入鋼刃などの刃を備えることができる。刃としてはまた、当業者に認識されているように、切断のために好適な他の材料を挙げることができる。刃は、円形又は非円形とすることができ、切子面を有するか又は有しないようにすることができる。刃は、約40〜約70、又は、約50〜約60、のロックウェルCスケール硬さを有し、上述した範囲内及びその中に又はその近くに形成される範囲内の全ての整数を具体的に列挙した、ロックウェルCスケール硬さを有することができる。図19を参照すると、キャリジは、支持部材42及び1つ又は複数のガイド44を説明のために取り外した状態で、ラック52の上に例示されている。図20は、図19の詳細20の部分を取り出した詳細図である。図21は、図19の21−21線から見た断面図である。図22は、図21の詳細22の部分を取り出した詳細図である。図19図22を参照すると、切断デバイス50は、端部76及び反対側の端部78を備えることができる。端部76は平坦又は実質的に平坦にすることができ、反対側の端部78は斜角をつけることができる。斜角は、切断デバイス50の平坦な平面80に対して、以下の角度を有することができる。その角度とは、約3度から約70度、約3度から約60度、約5度から約50度、約5度から約40度、約5度から約30度、約5度から約25度、約5度から約20度、約8度から約18度、約10度から約20度、又は約15度、上述した範囲内及びその中に又はその近くに形成される範囲内の全ての0.1度の増分を具体的に列挙した角度、である。斜角を有する端部は、支持部材42から離れるか、又は支持部材42に向かうようにすることができる。他の実施形態では、端部76は斜角をつける一方で、反対側の端部78は、平坦に又は実質的に平坦にすることができる。他の実施形態では、端部76、78は共に、斜めに、平坦に、又は実質的に平坦にすることができる。切断デバイスの他の構成は、当業者にとって既知又は明白であろう。それらの構成もまた、本開示の範囲内である。
【0035】
一実施形態では、再び図19図22を参照して、切断アセンブリ28は、切断デバイス接触部材82を備えることができる。切断デバイス接触部材82は、切断デバイス50の端部又は切断デバイス50の他の部分に係合することができるように、キャリジの一部に取り付けることができる。切断デバイス接触部材82は、炭化物チップ又はインサートを備えることができる。1つの好適なチップ又はインサートは、Kennametal(登録商標)社から入手可能なKC725M等級炭化物ミリング用インサートである。切断デバイス接触部材82の少なくとも一部、又は、全ては、図20図22に例示するように、例えば、1つ又は複数のばね84などの付勢部材を用いて、切断デバイス50の端部76の一部に向けて付勢することができる。ばね84はまた、図15に例示されている。別の実施形態では、切断デバイス50は、切断デバイス接触部材82に向けて付勢するか、又は、切断デバイス50及び切断デバイス接触部材82は、相互に向けて各々付勢することができる。一実施形態では、付勢力は、約0.3kg〜約2.0kg、又は、約0.5kg〜約1.5kgの範囲内であり、上述した範囲内及びその中に又はその近くに形成される範囲内の全ての0.1の増分を具体的に列挙した範囲とすることができる。端部76又は端部78の一部に向けて付勢される切断デバイス接触部材82の一部は、切断デバイス接触部材82の一部と、端部76又は78の一部、との間のニップ86を生成することができる。使用において、材料片は、実質上、ニップ86に吸い込まれるか又は引き込まれ、切断デバイス50によって、ニップ86の中で切断されるか又は剪断される。切断デバイス50は、端部76が切断デバイス接触部材82に接触する又は交差する箇所で、走行ニップを形成することができる。この走行ニップは、端部76と切断デバイス保持部材82との交差点に、切断される繊維又は他の材料の全てを引き込むので、切断デバイス50は、切断する繊維又は他の材料を剪断することができる。切断デバイス接触部材82は、約70〜約100、又は、約80〜約90のロックウェルCスケール硬さを有し、上述した範囲内及びその中に又はその近くに形成される範囲内の全ての整数を具体的に列挙した範囲に、ロックウェルCスケール硬さを有することができる。したがって、切断デバイス接触部材82は、切断デバイス50より硬質にすることができる。結果として、切断デバイス接触部材82は、切断デバイス50の回転中に、端部76を鋭利にすることができる。切断デバイス接触部材82が、端部78に向けて付勢される場合には、それは、切断デバイス50の回転中に、端部78もまた鋭利にすることができる。この鋭利化により、切断デバイス50又は切断刃の寿命を大幅に増大することができる。一実施形態では、第2の切断デバイス接触部材(図示せず)は、切断デバイス接触部材82に加えて2つのニップを形成するように、端部78に向けて付勢することができる。
【0036】
一実施形態では、図11から図18を参照して、キャリジは第1プレート88及び第2プレート90を備えることができる。第1プレート88は支持部材42に最も近く配置してもよく、第2プレート90は支持部材42から最も遠く配置してもよい。第1及び第2プレート88及び90は、任意の好適な寸法及び形状を有することができ、任意の好適な材料(単数又は複数)から構成することができる。複合歯車アセンブリ57の少なくとも一部は、第1プレート88と第2プレート90との中間に、少なくとも部分的に配置することができる。第1及び第2プレート88及び90は、スペーサ92又は任意の他の好適な部材を用いて、相互に離間配置することができる。切断部材50は支持部材42から最も遠く、第2プレート90の側に配置することができるか、又は別の方法で配置することができる。1つ又は複数のガイド係合部材46は第1プレート88に連結することができるか、又はそれと共に形成することができる。カムフォロア48は、プレート88又は90のいずれかに取り付けることができる。
【0037】
スレッド96は、第2プレート90又は第1プレート88から延在するか、又はそれらに取り付けることができる。スレッド96は、第1支柱98、第2支柱100、及び第1及び第2支柱98と100との中間に少なくとも部分的に配置された第3支柱102を備えることができる。第1及び第2支柱98及び100は、一体的構造又は共に連結する2つ以上の構造とすることができる。第3支柱102は、ばね84又は他の付勢装置を用いて、第2支柱100に向けて付勢することができる。あるいは、切断デバイス50は第3支柱102に向けて付勢することができる。第3支柱102は、切断デバイス接触部材82を備えることができるか、又は、切断デバイス接触部材82は、任意の好適な取り付け技法を用いて、第3支柱102に取り付けることができる。切断デバイス接触部材は、所望の構成、及び、切断デバイス50のどの端部を切断デバイス接触部材の一部が接触しなければならないかということに従って、第1支柱98上に、又は第2支柱100上に配置することができる。
【0038】
一実施形態では、スレッド96は、切断又は剪断の間に、搬送ヘッド26の搬送表面に、帯状基材を保持するように、構成された1つ又は複数の保持部材106を備えることができる。換言すると、保持部材160は、切断が起こる間に帯状基材を実質的に保持するために、ニップ86又は切断箇所と一直線にすることができる。任意の好適な数の保持部材106を設けることができる。2つの保持部材106を備える場合には、第1保持部材106は、第1搬送ヘッド26の第1搬送表面と係合し、それを動かすか又は回転させることができる。そして、第2保持部材106は、第2搬送ヘッド26の第2搬送表面と係合し、それを動かすか又は回転させることができる。それと同時に、切断デバイス50が、第1と第2搬送ヘッド26との中間で、帯状基材を切断する。保持部材106は、プラスチック、ゴム又は他の材料からなるローラを備えることができる。保持部材106は、帯状基材の部分の上を、容易に摺動することができる低摩擦係数の材料を、その代わりに、備えることができる。保持部材106は、支持108に回転可能に装着するか、又は、別の方法で、装着することができる。ここで、支持108は、スレッド96の上部に配置され、スレッド96の表面104に向けて付勢される。支持108は、スレッド96上の突起110に枢動可能に取り付けることができる。突起110は、突起110の第1の側から、突起110の第2の側へ、即ち突起110の第1の側の開口から、突起110の第2の側の開口へ延在するピン112を有してもよい。支持108は、図13の矢印「A」によって表示される方向に、ピン112のまわりを枢動することができる。結果として、保持部材106はさまざまな支柱98、100及び102に対して、枢動可能とすることができる。支持108は、1つ又は複数のばね114又は他の付勢部材を用いて、保持部材106が支柱98、100及び102に向けて付勢されるように、付勢することができる。ばね114は、スレッド96の表面104から支持108の表面へ延在することにより、保持部材106を支柱98、100及び102に向けて付勢することができる。1つ又は複数のばね114は、以下の付勢力を提供することができる。その付勢力とは、約1kg〜約6kg、又は約2kg〜約4kg、上述した範囲内及びその中に又はその近くに形成される範囲内の全ての0.1kgの増分を具体的に列挙した範囲の付勢力である。一実施形態では、第2支柱100は凹部を画定することができ、保持部材106の一部が、ばね114によって付勢される際にその凹部の中に配置することができる。第3支柱102もまた凹部を画定することができ、異なる保持部材106の一部が、ばね114によって付勢され際にその凹部の中に配置することができる。切断デバイス50は、第2支柱100及び第3支柱102の中間に延在するか、又は、支柱の1つのスロットを通して延在するか、又は、スレッド96の上に別の方法で配置することができる。
【0039】
1つの形態では、1つ又は複数のトウ繊維、又は、その層、又は本明細書で言及する他の材料を切断する又は剪断する方法は、以下の工程を備えることができる。その工程とは、切断デバイスを含む切断アセンブリを備えるドラムを駆動シャフトの長手軸まわりに回転させる工程と、切断アセンブリが長手軸のまわりを回転するときに、切断デバイスを有する切断アセンブリの一部を、長手軸に平行な又は直角な方向に往復移動させる工程と、切断デバイスを、少なくとも毎分1,000回、少なくとも毎分1,500回、又は、少なくとも毎分2,000回、(又は、本明細書に開示された他の速度)で回転させる工程と、及び、切断デバイスによってトウ繊維及び/又は他の材料を切断又は剪断する工程と、である。本方法は、切断又は剪断工程の間に、切断デバイスの端部に対して、切断デバイス接触部材を付勢する工程を更に備えることができる。本方法は、切断デバイス接触部材の一部と切断デバイスの端部の一部との間に生成されるニップを用いて、トウ繊維及び/又は他の材料を剪断又は切断する工程を更に備えることができる。本方法は、切断デバイスを回転させる工程の間に、切断デバイス接触部材を用いて、切断デバイスの端部を鋭利にする工程を更に備えることができる。本方法は、切断又は剪断工程の間に、実質的に一定の回転速度で、切断デバイスを回転させる工程を更に備えることができる。ドラムは搬送ヘッドを備えることができ、切断アセンブリは保持部材を備えることができる。本方法は、切断又は剪断工程の間に、保持部材を用いて、トウ繊維及び/又は他の材料を搬送ヘッドに保持する工程を更に備えることができる。本方法は、トウ繊維及び/又は他の材料を切断又は剪断していない間、第1の回転速度で切断デバイスを回転させる工程と、トウ繊維又は他の材料を切断又は剪断している間、第2の異なる回転速度で切断デバイスを回転させる工程とを更に備えることができる。第2の異なる回転速度は、第1の回転速度より大きく、又は、第1の回転速度より小さくすることができる。
【0040】
別の形態では、1つ又は複数の不織布材、及び/又は1つ又は複数のトウ繊維、又はトウ繊維の層、などの材料を剪断又は切断する方法が、提示される。本方法は、以下の工程を備えることができる。この工程とは、切断デバイスを含む切断アセンブリを備えるドラムを駆動シャフトの長手軸のまわりに回転させる工程と、切断アセンブリが長手軸のまわりを回転するときに、切断デバイスを有する切断アセンブリの一部を、長手軸に平行な、概ね平行な、又は直角な方向に往復移動させる工程と、切断デバイスを、少なくとも毎分1,000回転、少なくとも毎分1,500回転、又は、少なくとも毎分2,000回転、(又は、本明細書に開示された他の速度)で回転させる工程と、切断デバイス接触部材を切断デバイスの端部に向けて付勢する工程と、切断デバイス接触部材の一部と切断デバイスの端部の一部との間に生成されるニップで、材料を切断又は剪断する工程と、である。材料を切断又は剪断する工程は、1つ又は複数の不織布材、及び/又は、1つ又は複数のトウ繊維、又はトウ繊維の層を切断又は剪断する工程を含むことができる。切断デバイスの端部は、実質的に平坦な部分を備えることができ、切断デバイスの反対側の端部は、傾斜面部分を備えることができる。本方法は、切断デバイス接触部材を用いて、切断デバイスを鋭利にする工程を備えることができる。本方法は、切断又は剪断工程の間に、一定の、実質的に一定の、可変の、回転速度で、切断デバイスを回転させる工程を備えることができる。ドラムは、搬送ヘッドを備えることができる。切断アセンブリは、保持部材を備えることができる。本方法は、切断又は剪断工程の間に、保持部材を用いて、材料を搬送ヘッドに保持する工程を備えることができる。本方法は、材料を切断又は剪断していない間、第1の回転速度で切断デバイスを回転させる工程と、材料を切断又は剪断している間、第2の異なる回転速度で切断デバイスを回転させる工程と、を備えることができる。
【0041】
別の形態では、1つ又は複数の不織布、及び1つ又は複数のトウ繊維、又はトウ繊維の層、などの材料を切断又は剪断する方法は、以下の工程を備える。その工程とは、切断デバイスを、少なくとも毎分1,000回、少なくとも毎分1,500回、又は、少なくとも毎分2,000回(又は、本明細書に開示された他の速度)で回転させる工程と、切断デバイス接触部材を切断デバイスの端部に対して付勢する工程と、切断デバイスと切断デバイス接触部材との中間に少なくとも部分的に形成されたニップで、材料を剪断又は切断する工程と、である。本方法は、切断デバイスを回転させる工程の間に、切断デバイス接触部材を用いて、切断デバイスの端部を鋭利にする工程と、剪断又は切断する工程の間に、一定の、実質的に一定の、可変の、回転速度で、切断デバイスを回転させる工程と、を更に備えることができる。
【0042】
別の形態では、1つ又は複数の不織布材、及び1つ又は複数のトウ繊維、又はトウ繊維の層、などの材料を切断又は剪断する方法は、以下の工程を備える。その工程とは、切断デバイスを、少なくとも毎分1,000回、少なくとも毎分1,500回、又は、少なくとも毎分2,000回(又は、本明細書に開示された他の速度)で回転させる工程と、材料を切断又は剪断する工程と、である。
【0043】
別の形態では、ダスタ片を切断又は剪断する方法は、少なくとも毎分1,000回、少なくとも毎分1,500回、又は、少なくとも毎分2,000回、(又は、本明細書に開示された他の速度)で切断デバイスを回転させる工程と、材料を切断又は剪断する工程と、を備える。
【0044】
本明細書に開示した大きさ及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような大きさのそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものである。
【0045】
あらゆる相互参照又は関連特許若しくは特許出願を含む、本明細書に引用される文献は全て、明白に除外又は限定されている場合を除いて、本明細書中にその全容を援用するものである。いかなる文献の引用も、それが本明細書において開示されているか若しくは特許請求の範囲に記載されているいずれかの発明に関する先行技術であることを認めるものではなく、あるいはそれが単独で又は他のいかなる参考文献(単数又は複数)とのいかなる組み合わせにおいても、かかる発明を教示する、提案する、又は開示することを認めるものではない。更に、本文書での用語の任意の意味又は定義の範囲が、参照により組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0046】
本開示の特定の実施形態について例示し記載してきたが、当業者であれば、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、他のさまざまな変更及び修正を成し得ることを認識するであろう。したがって、この発明の範囲内にあるこのような変更及び修正は全て、添付クレームにおいてカバーするものとする。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
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