特許第6343070号(P6343070)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343070
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】半導体素子
(51)【国際特許分類】
   H01L 27/146 20060101AFI20180604BHJP
   H01L 21/301 20060101ALN20180604BHJP
【FI】
   H01L27/146 D
   H01L27/146 A
   !H01L21/78 Q
   !H01L21/78 S
【請求項の数】9
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2017-118556(P2017-118556)
(22)【出願日】2017年6月16日
(62)【分割の表示】特願2016-547105(P2016-547105)の分割
【原出願日】2016年1月15日
(65)【公開番号】特開2017-168868(P2017-168868A)
(43)【公開日】2017年9月21日
【審査請求日】2017年8月2日
(31)【優先権主張番号】特願2015-6782(P2015-6782)
(32)【優先日】2015年1月16日
(33)【優先権主張国】JP
(31)【優先権主張番号】特願2015-168489(P2015-168489)
(32)【優先日】2015年8月28日
(33)【優先権主張国】JP
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、権利譲渡・実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】711002269
【氏名又は名称】雫石 誠
(72)【発明者】
【氏名】雫石 誠
【審査官】 田邊 顕人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−205085(JP,A)
【文献】 特開2014−030170(JP,A)
【文献】 特開2013−219319(JP,A)
【文献】 特開平09−275223(JP,A)
【文献】 実開昭56−174262(JP,U)
【文献】 特開2009−212109(JP,A)
【文献】 特開2006−165530(JP,A)
【文献】 特開2010−273757(JP,A)
【文献】 特開昭58−103149(JP,A)
【文献】 特開2002−077524(JP,A)
【文献】 特開2012−004332(JP,A)
【文献】 特開平01−202989(JP,A)
【文献】 特開平06−077459(JP,A)
【文献】 特開2000−133822(JP,A)
【文献】 特開2003−167058(JP,A)
【文献】 特開2005−106644(JP,A)
【文献】 特開2003−139611(JP,A)
【文献】 特開2004−309146(JP,A)
【文献】 特開昭55−144576(JP,A)
【文献】 特表2012−517604(JP,A)
【文献】 特表2015−531162(JP,A)
【文献】 特開平04−144168(JP,A)
【文献】 特表2009−500053(JP,A)
【文献】 欧州特許第01255401(EP,B1)
【文献】 特開2010−182368(JP,A)
【文献】 特開昭60−088532(JP,A)
【文献】 特開2005−136394(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 27/146
H01L 21/301
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体基板面をX−Y平面、半導体基板の厚さ方向をZ軸と定義した場合、前記半導体基板面上に集積回路が形成され、かつX−Y平面視座上において同一形状の半導体素子をn枚(nは2以上の整数)前記Z軸方向に電気的接続手段を介し積層した積層半導体素子であって、前記積層半導体素子の外周部の前記Z軸に平行な一側面部の形状が前記X−Y平面視座上においてのみ凸状又は凹状に湾曲し、さらに前記一側面部を構成する前記半導体素子の前記Z軸に平行な側面部が絶縁体で被覆され、かつ前記絶縁体で被覆された前記側面部に受光窓を有し該受光窓から前記半導体基板の内部に向かって光電変換領域が前記X−Y平面視座上において放射状に形成されている積層半導体素子。
【請求項2】
前記絶縁体がシリコン酸化膜である請求項1に記載の積層半導体素子。
【請求項3】
貫通電極が、前記受光窓を有する側面部以外の前記Z軸に平行な他の三側面部に沿って前記半導体素子の周辺部に形成されている請求項1又は請求項2に記載の積層半導体素子。
【請求項4】
前記積層半導体素子を構成する前記半導体基板の裏面に遮光膜を積層した請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の積層半導体素子。
【請求項5】
前記受光窓の上部にカラーフィルタ又はシンチレータを積層した請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の積層半導体素子。
【請求項6】
半導体基板面をX−Y平面、該半導体基板の厚さ方向をZ軸と定義した場合、半導体基板面上に集積回路が形成され、かつX−Y平面視座上において同一の円形形状の半導体素子をn枚(nは2以上の整数)前記Z軸方向に電気的接続手段を介し積層した積層半導体素子であって、前記積層半導体素子を構成する前記半導体素子の前記Z軸に平行な側面部が絶縁体で被覆され、かつ該絶縁体で被覆された側面部に複数の受光窓を有する光電変換領域が前記X−Y平面視座上において放射状に形成されている積層半導体素子。
【請求項7】
前記絶縁体がシリコン酸化膜である請求項6に記載の積層半導体素子。
【請求項8】
環状の電荷増倍電荷転送路を有する請求項6又は請求項7に記載の積層半導体素子。
【請求項9】
貫通電極が前記X−Y平面視座上、前記半導体素子の中心部に配置されている請求項6乃至請求項8のいずれか一項に記載の積層半導体素子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、高集積化、高速駆動、低消費電力化に加え、小型軽量化と柔軟な形状選択が可能な半導体素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体メモリ、半導体論理回路等の半導体集積回路の高集積化及び高速駆動のため、半導体集積回路を形成するMOSトランジスタ等の微細化に主眼をおいた研究開発が進められてきた。しかし、トランジスタ等の微細化により駆動電圧を低下させる必要があり、その結果ノイズマージンや製造歩留りが低下する等の問題に直面している。他方、複数の半導体素子を積層した三次元(3D)構造を採用することにより、半導体素子の実装面積当たりの集積度を高めた積層半導体素子の開発が進んでいる。これは特に、同一メモリ素子等を多層枚積層する場合に有効な手法である。しかし、例えば、アドレス幅やデータビット長の拡大による入出力端子数や入出力バッファ回路が占める面積が増大し、半導体素子上における有効面積、即ち、内部の集積回路やメモリセルの相対的な占有面積がこれら入出力端子や入出力バッファ回路に圧迫される等の新たな問題が顕著になりつつある。さらに、例えば、半導体撮像素子と半導体画像処理素子等の異種半導体素子を積層する場合、積層する半導体素子間における入出力端子や入出力バッファ回路の配置、或いは半導体素子外形形状等に制約を生ずる。
【0003】
特許文献1には、X線像の撮像を目的とした半導体撮像素子の構造であって、半導体基板の側面部からX線を入射させ、X線が半導体基板内部を半導体基板面に平行な方向に進む間に光電変換を行わせることにより、X線分光解析を可能にする例が開示されている。さらにこの原理をCTスキャナに応用した事例がある(特許文献2)。同様に、赤外線画像の撮像を主な目的とした半導体撮像素子であって、半導体基板の側面部から可視光或いは赤外線を入射させ、赤外線等が半導体基板内部を半導体基板面に平行な方向に進む間に光電変換を行わせることにより、赤外線等による分光解析を可能にする例が開示されている(特許文献3)。いずれの場合も、半導体基板面に平行な方向に光を入射させ半導体基板内における光電変換効率を高めることが狙いある。デジタルカメラ等のように、可視光のみを対象とする場合には、半導体撮像素子を構成する半導体基板面に対し、垂直或いはある入射角度をもって半導体基板表面に入射光を導き入れるのが一般的である。可視光波長の場合は、半導体基板面に垂直な方向、即ち半導体基板深さ方向約5ミクロンメータの範囲内において光電変換が可能だからである。これに対し、赤外線、X線等では、上記基板深さ方向をより深く、例えば、数十ミクロンメータから数百ミクロンメータ程度の深さを必要とするため、駆動電圧を数十ボルト以上に設定しなければならない。これは、上述の高集積化や高速駆動、低消費電力駆動の要請に逆行するものである。そこで考案されたのが、半導体基板の側面部から赤外線やX線等を入射させる構造である。しかし、矩形の半導体基板の一側面をそのまま光電変換部とすることはできない。受光面となるべき半導体素子の側壁部は機械的、熱的に損傷を受けているからである。半導体撮像素子を構成する半導体基板の側端部が最初に露出するのは、製造工程後半(後工程)の半導体ウエーハダイシングの直後である。従って、半導体基板の側端部の結晶状態は、回転ブレードを使用した時は、チッピングやキズを生じ、レーザーソーを使用した時は、さらに溶融物の再付着等の問題があり、またいずれの方法においても半導体基板材料自体の欠損量が大きく精密な加工形状を期待することはできない。さらに、そのような製造方法に基づく受光面は、半導体基板がそのまま外気に暴露された状態で使用することになり、画質のみならず半導体撮像素子としての信頼性や製品寿命を低下させるという深刻な問題を招来する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭55−144576
【特許文献2】特表2012−517604
【特許文献3】特開2011−205085
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
半導体メモリ、半導体論理回路等の半導体集積回路の高集積化に伴い、半導体素子表面の外周周辺部に配置される入出力端子、例えば、コンタクトパッドの数が増大する。入出力端子の大きさは、ワイヤボンディングを行うための面積を必要とするため、トランジスタ素子等の微細化と同時にこれらを微細化することは困難である。また、入出力端子の下部に位置する半導体基板部分にトランジスタ素子等を形成することができない。そのため素子寸法(所謂チップサイズ)が本来素子上に集積すべきメモリ容量或いは論理回路規模に依存せず、入出力端子数とその配置により素子寸法が左右される事態も生じている。例えば、素子寸法を小さくする必要がある内視鏡用途の半導体撮像素子がその典型である。近年、ワイヤボンディングの代わりにマイクロパッドとマイクロバンプによる電気的接続、或いはシリコン貫通電極(TSV)構造等の採用により半導体素子上における入出力端子部が占める面積を減少させることができるが、上述の如く、アドレス幅やデータビット長の拡大による入出力端子や入出力バッファ回路が占める面積の増大がこれを凌ぐ傾向にあり、根本的な解決には至っていない。即ち、入出力端子部が占める面積を減少させることに加え、従来スクライブ(或いはダイシング)マージンとして活用されていない半導体素子表面の外周周辺部の領域についても有効に利用する必要がある。半導体素子は、半導体ウエーハを切断(ダイシング)して個々の半導体素子に分割(個片化)することによって得られる。半導体素子表面の周辺部或いは半導体素子の側壁は、このダイシング工程により機械的、熱的に損傷を受けるため、結晶欠陥が発生し、さらに外部からの重金属や反応性化学物質等の汚染に曝されている。従来、半導体素子表面の周辺部には多数の入出力端子が配置されるため、素子内のトランジスタ等の特性に直接影響を与えるリスクが低く、またダイシング後の半導体素子は樹脂やセラミック等のパッケージング材料により被覆されているため、結晶欠陥や使用環境による不具合を抑制することが可能であった。しかし、半導体素子表面の外周近傍領域の有効活用のため、集積回路やメモリセル等を半導体素子の外周周辺部にも近接配置できるようにする必要がある。このように、半導体素子表面の外周近傍或いは半導体素子表面に対し垂直な半導体基板側壁近傍領域を有効利用出来れば、半導体素子上のメモリ容量、或いは論理回路規模を増大させるだけでなく、半導体素子の側壁部を受光部とした半導体撮像素子を具体化することが可能になる。このような半導体素子表面の外周周辺部或いは半導体素子の側壁部を有効利用することは、単に、半導体素子上に占める回路やメモリ領域の面積拡大に留まらず、今後求められる半導体素子等における技術課題の解決に繋がる。
【0006】
半導体素子等がコンピュータや電子機器内部の実装基板上に他の多数の電子部品と並んで搭載される従来の使用環境から、外部環境に近接した状態に置かれる機会が増加すると考えられる。また、半導体撮像素子を被写体に近接、或いは直接接触し、さらには被写体内に挿入して撮像或いは信号処理等をする場合に好適な外形形状が求められる。このような用途に対しては、従来の矩形の外形形状からなる半導体素子等をそのまま適用すると、装置の小型化や軽量化が困難となるか、或いは半導体素子等の使用環境等が著しく制約される場合がある。しかし、このような半導体素子の外形形状の制約を軽減し、かつ半導体素子の性能や信頼性の低下を伴わない半導体素子等の構造及びその製造方法に関しては有効な解決手段が見出されていない。今後、各種半導体素子を、所謂、ウエラブル端末と呼ばれるような人体に密着させて使用する小型電子機器や、眼球、血管、各種臓器等の生体内に組み込んで使用するニーズ等が飛躍的に増大すると考えられる。これらの用途においては、半導体素子等における高集積化即ち小型化や低消費電力化に加え、生体内に組み込みやすい素子形状にできるか否かが重要な課題となる。腕時計型のウエラブル端末では、例えば、外形が円形に近い筐体内部に半導体素子を効率的に組み込むため、矩形以外の半導体素子形状が求められる。さらに、半導体素子の側壁部を利用できる程度に、該側壁部近傍の半導体基板の平滑度や結晶欠陥のレベルが改善され、かつ外部からの不純物汚染等を防止することができれば、半導体素子の外周部に近接した部分にも論理素子やメモリ素子を配置できる。また、半導体撮像素子と画像処理用半導体素子等を積層する場合について考察すると、これら積層すべき異種の半導体素子の外形は一致していることが望ましい場合が多い。積層した複数の半導体ウエーハを一括してダイシング等により個片化することができるからである。また、各半導体素子間において、入出力端子、即ちTSV構造の配置は隣接する半導体素子間で一致している必要がある。
【0007】
このように、半導体素子上の集積度をさらに増大させることができる新たな構造、或いは半導体素子を様々な応用製品或いは使用環境において利用しやすい素子形態を考案すること、半導体素子の低電圧・低消費電力駆動、或いは耐環境性能を向上させることができる半導体素子構造を見出すこと、半導体基板周辺部、或いは側面部を有効利用する半導体素子であって、界面準位や格子欠陥等に起因するノイズや信頼性低下を防止することができる半導体素子の構造を提供すること、及び半導体基板周辺部、或いは側面部を有効利用できる半導体素子であって、重金属或いは反応性化学物質等の汚染から半導体素子を保護し製品寿命の劣化を防止することができる半導体素子等の構造を提供すること等が本発明の解決すべき課題である。
【0008】
さらに、赤外光やX線等にも感度を有し、かつ低電圧・低消費電力駆動が可能な半導体撮像素子の構造を考案すること、温度・湿度・振動等に対する耐環境性能を向上させた半導体撮像素子を実現すること、様々な被写体、例えば、人体や臓器などの大きさや形状に対しても柔軟に撮像可能な半導体撮像素子を実現すること、特に、被写体に近接、或いは直接接触して、或いは被写体内に挿入して撮像をする場合等に好適な半導体撮像素子を実現すること、CT装置等の大型の撮像装置に適用する場合に好適な半導体撮像素子であって画像信号処理の高速化を実現することである。また、被写体或いは光源に対し等方的な撮像面を有し、或いは隣接する画素間におけるクロストークを軽減し、高画質な半導体撮像素子を実現することである。また、微弱な光に対しても撮像可能な高感度な半導体撮像素子を実現することである。また、放射線損傷に起因する素子の劣化を防止し、信頼性と製品寿命を向上させた半導体撮像素子を実現することである。また、特に半導体撮像素子に使用する半導体基板周辺部の界面準位や格子欠陥等に起因するノイズや画素キズ等の画像劣化を防止できる半導体撮像素子を実現することである。また、重金属、或いは反応性化学物質等の汚染から半導体撮像素子を保護することにより信頼性及び製品寿命を向上できる半導体撮像素子構造を考案することである。また、画素数を増加させることにより撮像可能範囲を拡大し、或いは撮影画像の解像度を向上させることができる半導体撮像素子を実現することである。
【0009】
半導体素子、或いは半導体素子を複数枚積層した積層半導体素子構造においても上記の技術課題の解決が急務である。小型化や実装面積の削減に効果的だからである。しかしながら、積層半導体素子においても解決すべき課題が残されている。例えば、積層半導体素子内部の発熱による積層半導体素子の温度上昇を抑制できる好適な構造を見出す必要がある。積層半導体素子の温度上昇は、論理回路のスイッチングスピードを低下させ、或いは半導体撮像素子の暗電流を増加させ感度低下の一因となるからである。積層半導体素子の温度上昇を抑制することができれば、所謂、金属製のヒートシンクや冷却ファンを小型化或いは不要とすることができるため、一層の小型軽量化に寄与することができる。
【0010】
本発明のさらに他の目的は、半導体基板周辺部、或いは側面部を有効利用する半導体素子であって、界面準位や格子欠陥等に起因するノイズや画素欠陥等の性能劣化を防止することができる半導体素子の製造方法を提供することである。また、半導体基板側端部の形状を湾曲その他任意形状に容易に加工できる製造方法を提供することである。さらに、半導体基板周辺部、或いは側面部を有効利用する半導体素子であって、重金属、或いは反応性化学物質等の汚染から半導体素子、半導体撮像素子等を保護し製品寿命の劣化を防止することができる半導体素子等の製造方法を提供することである。さらに、半導体基板周辺部、或いは側面部を有効利用する半導体素子等を複数枚積層する積層半導体素子の製造に好適な製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
課題解決のため、集積回路等が形成された複数の半導体素子を積層した積層半導体素子であって、半導体基板表面及び半導体基板裏面を除く積層半導体素子の少なくとも一面を絶縁体で被覆し、残りの他の面は半導体基板がそのまま露出した構造とする。また、上記絶縁体で被覆された積層半導体素子側面部が集積回路等が形成された半導体基板面に対し平面視座上湾曲した構造を有する。或いはまた、積層半導体素子側面部の外周形状が前記平面視座上滑らかに連続する閉じた図形で囲まれかつ該積層半導体素子側面部が絶縁体で被覆された構造とする。さらに好適には、前記閉じた図形を円形とする。また、前記積層半導体素子において、集積回路等が形成された半導体素子基板面に対し平面視座上その内部において一部貫通除去された中空領域を有する構造とする。好適には、前記中空領域における積層半導体素子の側面部が絶縁体で被覆された構造とする。さらに、前記中空領域は前記平面視座上曲線で囲まれた図形であり、かつ前記積層半導体素子の外周形状も集積回路等が形成された半導体素子基板面に対し平面視座上曲線で囲まれた図形とする。また、前記絶縁体で被覆された積層半導体基板素子側面部は、前記絶縁体の下部領域に高濃度不純物領域を有する構造とする。積層半導体素子の上面と底面、半導体素子間には、金属層が形成されており、さらに、中空部の側壁には側壁金属層を形成し、好ましくはさらに、金属層と側壁金属層を互いにその一部が接触した構造とする。また、前記半導体基板はシリコン基板でありかつ前記絶縁膜はシリコン酸化膜であることを特徴とする。
【0012】
課題解決のため、前記絶縁体で被覆された半導体基板側面部又は前記絶縁体で被覆された中空領域側面部を受光面とし、かつ光電変換領域が該受光面(或いは受光窓)側から該半導体基板内部に向かって半導体基板平面に平行な方向に延在形成する。好適には、前記湾曲した受光面に対し鉛直な方向であって、入射光方向に対応する放射状に形成された光電変換領域を設ける。また、積層半導体素子を構成する複数の半導体撮像素子において、前記半導体撮像素子の積層方向における前記受光窓の配列ピッチとこれと直角方向に並ぶ各半導体撮像素子における前記受光窓の配列ピッチが略等しい構造とする。さらに好適には、前記光電変換領域に隣接した環状の電荷増倍転送部を設けた構造とする。
【0013】
課題解決のため、半導体素子を製造する半導体ウエーハ加工処理工程において、平面視座上半導体素子側面部の一部であって、かつ半導体基板表面から裏面まで完全に露出させる工程を設ける。また、前記半導体素子側面部を露出させる工程の後に、前記半導体ウエーハをダイシングにより切断し前記露出部分を残した状態で前記半導体素子を個片化する。また、半導体ウエーハ上に形成される半導体素子の側面部に絶縁膜を形成し、エッチング工程において該半導体素子を個片化する。また、半導体ウエーハ上に形成される半導体素子の側面部に不純物元素をイオン注入後、不純物領域の一部をトレンチエッチングし、トレンチ部の内壁にシリコン酸化膜を形成し、該トレンチ部をCVD法によるシリコン酸化膜により埋め込み後、該埋め込みシリコン酸化膜表面を平坦化し、前記半導体ウエーハ裏面を研削により薄化した後、前記埋め込みシリコン酸化膜の一部をエッチングすることにより前記半導体素子側面部を露出させる半導体素子の製造方法を開示する。半導体ウエーハ上に形成される半導体素子の側面部にイオン注入法による高濃度不純物領域を形成後、前記半導体ウエーハ裏面を研削により薄化し、その後に前記高濃度不純物領域を反応性イオンエッチング法により除去しつつ半導体素子の側面部に側壁保護のための絶縁性堆積膜を形成する。また、半導体ウエーハ上に形成される半導体素子の側面部の一部を露出させる工程後、二以上の半導体ウエーハを積層し、その後にダイシング工程により前記露出部分を有する積層型の半導体モジュールを切り出して個片化する。
【発明の効果】
【0014】
異種の半導体素子を積層する場合であっても互いの外形形状を同一にすることが容易になる。また、同一素子寸法の複数の半導体素子を積層した積層半導体素子において、メモリ素子容量或いは集積回路規模を増大させることができる。さらに、近年、普及が進むドローンと呼ばれる小型飛行機器等においても、使用する半導体素子の高集積化、低消費電力・低発熱化、特に軽量化により飛行持続時間や物資運搬能力の向上に寄与する。
【0015】
積層半導体素子の側面部を湾曲形状としたので、半導体素子の使用環境或いは実装条件に柔軟に対応できるため、装置の小型・軽量化が可能になる。特に、半導体基板側面部の表面形状を凸状とすれば、例えば、半導体素子を小型撮像装置内に組み込むことが容易になる。また、凹状とすれば、例えば、歯科或いは頭部の撮影装置のように被写体を取り囲むように半導体撮像素子を配置することが容易になる。さらに、積層半導体素子の内部に上部から下部まで貫通する中空部を設け、その側壁に側壁金属層を形成し、好ましくは、半導体素子間に形成した金属層と互いにその一部を接触させた構造としたので、半導体素子において発生した熱を効率的に外部に放熱させることが容易になる。その結果、発熱しやすいCPUや駆動能力の大きい出力バッファ回路を半導体素子間に挿入することも容易になり、冷却のためのヒートシンクや冷却ファンを小型化、或いは不要とすることができる。
【0016】
半導体素子周辺領域にトランジスタや光電変換領域を設けた場合であっても、界面準位や格子欠陥等に起因するノイズや画素欠陥等の特性劣化を軽減することができる。また、半導体基板側面部を、絶縁性材料を用い被覆したので金属或いは化学物質等に起因する汚染から素子を保護し製品寿命の劣化を防止することができる。
【0017】
半導体基板側面部を受光窓として入射する光を半導体基板内に形成した光電変換領域において光電変換するようにしたので、入射光が進行する光電変換領域内における距離を数ミクロンメートルから数ミリメートルの範囲で設定することができるので、赤外線やX線等に対しても高い感度を有する撮像素子が実現する。さらに、前記受光窓が湾曲しているため、非平面的な外形からなる被写体の形状や大きさにも対応可能な撮像素子が実現する。
【0018】
絶縁性材料により被覆された半導体基板側面部を高濃度不純物領域としたので、界面準位や格子欠陥等に起因するノイズや画素欠陥等の画像劣化を軽減することができる。
【0019】
受光窓の配列ピッチを撮像素子の厚さと同等か撮像素子の厚さより大きくしたので、撮像素子を複数枚積層した場合においても画素の配列ピッチが縦方向及び横方向共に等方的かつ規則正しく整列した高解像度の撮像素子を実現することができる。光電変換領域に隣接して環状の電荷増倍転送部を設けたので、微弱な入射信号を撮像可能な高感度撮像素子が実現する。
【0020】
半導体基板周辺部、或いは側面部を有効利用する半導体素子を製造する場合、半導体素子側面部の一部を露出させさらに絶縁体で被覆できる工程を設けたので容易に前記半導体素子を製造することができる。本発明によれば、前記半導体素子側面部の一部を露出させる工程の後に、前記半導体ウエーハ上の前記露出部分を残した状態で前記半導体素子を個片化することができる。本発明によれば、半導体ウエーハ上に形成される半導体素子の側面部に絶縁膜を形成し、エッチング工程において該半導体素子を個片化する工程を有する半導体素子の製造方法により、ウエーハダイシング工程に起因する半導体素子周辺部或いは側面部における不具合を解消することができる。本発明によれば、半導体ウエーハ上の半導体素子側面部にトレンチ部を形成しその内壁にシリコン酸化膜を形成しかつトレンチ部をCVD法によるシリコン酸化膜により埋め込み、その後埋め込みシリコン酸化膜の一部をエッチングすることにより半導体素子側面部を露出させる工程を設けたので、絶縁体で被覆された高い加工精度の半導体素子側面部を得ることができる。本発明によれば、半導体ウエーハ上の半導体素子の側面部に高濃度不純物領域を形成後、半導体ウエーハ裏面を研削により薄化し、その後に高濃度不純物領域を反応性イオンエッチング法により除去しつつ半導体素子の側面部に側壁保護のための絶縁性堆積膜を形成する工程を設けたので、例えば、基板の厚みが厚い半導体ウエーハであっても容易にシリコンウエーハを高速エッチングしかつ半導体素子側面部に絶縁体を形成することが容易になる。本発明によれば、従来のブレードダイシングやレーザーソーによる個片化方法に比べ、切断面の損傷を軽減できかつ高精度の湾曲した切断面形状を容易に得られるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】積層半導体素子100の斜視図(a)、図1(a)のA−A’部で示す部位の断面図(b)、及び積層半導体素子100を構成する半導体素子102の平面ブロック図(c)である。
図2図1(c)の一部102a部の詳細図(a)、及び図2(a)に示すB−B’部断面から見た断面図及び等価回路図(b)である。
図3】積層半導体素子200aのX−Z平面及びY−Z平面から見た側面図(a)、及び積層半導体素子200bのY−Z平面から見た側面図(b)である。
図4】積層半導体素子300の斜視図(a)、積層半導体素子300を構成する半導体素子302の平面回路ブロック図(b)、同じく半導体素子303の平面回路ブロック図(c)である。
図5】積層半導体素子400aの斜視図(a)、X−Y平面上に積層半導体素子400aを4個配置した半導体モジュール400bの平面図(b)、積層半導体素子400aを構成する半導体素子402の平面ブロック図(c)、及び積層半導体素子400aを構成する半導体素子403の平面ブロック図(d)である。
図6】積層半導体素子500の斜視図(a)、図6(a)におけるC−C’部の断面図(b)、及び積層半導体素子500を構成する半導体素子502の平面ブロック図(c)、図6(c)において破線で囲まれた502a部分の拡大図(d)、及び図6(d)におけるポテンシャルプロファイル(e)である。
図7】積層半導体素子600の斜視図(a)、図7(a)のD−D’部で示す部位の断面図(b)、及び積層半導体素子600を構成する半導体素子602の平面ブロック図(c)である。
図8】積層半導体素子700の斜視図(a)、図1(a)におけるE−E’部の断面図(b)、及び積層半導体素子700を構成する半導体素子701の平面ブロック図(c)、及び図8(c)におけるF−F’部の断面図(d)である。
図9】積層半導体素子800の斜視図(a)、図9(a)のG−G’部で示す部位の断面図(b)、積層半導体素子800を構成する半導体素子802の平面ブロック図(c)、及び積層半導体素子800を構成する半導体素子803の平面ブロック図(d)である。
図10】積層半導体素子900の斜視図(a)、積層半導体素子900を構成する半導体素子902の平面ブロック図(b)、積層半導体素子900を構成する半導体素子904の平面ブロック図(c)、図10(b)において破線で囲まれた902a部分の拡大図(d)、及び図10(d)における等価回路図(e)である。
図11】半導体素子302及び402を形成した半導体ウエーハW1のX−Y平面図(a)、及び半導体素子602を形成した半導体ウエーハW2のX−Y平面図(b)である。
図12】半導体素子の製造方法の一例を説明するための製造工程フロー図である。
図13】複数の半導体素子502を形成した半導体ウエーハW3のX−Y平面図(a)、及び複数の半導体素子902−1、902−2、902−3、902−4を形成した半導体ウエーハW4のX−Y平面図(b)である。
図14】半導体素子の製造方法の他の一例を説明するための製造工程フロー図である。
図15】半導体素子の製造方法を説明するための主要工程を示す断面図(a)、(b)、(c)、(d)、(e)である。
図16】半導体素子の他の製造方法を説明するための主要工程を示す断面図(a)、(b)、(c)、(d)である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
積層半導体素子100の斜視図を図1(a)に示す。積層半導体素子100は、半導体素子101、102、及び103を使用する半導体基板の厚さ方向に電気的接続手段を挟んで積層したものである。同図の右側の座標軸に示すように、半導体基板面をX−Y平面とすると、半導体基板の厚さ方向はZ軸と定義される。図1(a)に示す半導体素子101、102、及び103は、そのX−Y平面視座上の平面形状はいずれも同じ形状(四角形)である。以下に詳細に説明するように、本図面の手前に見えている積層半導体素子100の側面、即ち、X−Z平面上にある各半導体素子101、102、及び103の側面部は、シリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。半導体素子101と103に挟まれた半導体素子102は、例えば、前記側面部に複数の受光窓6を有する半導体撮像素子である。受光窓6は、慣用的に用いられているピクセルや画素と同様の概念であり、後述する光電変換領域の端部の位置を示すものである。半導体素子101は、例えば、半導体撮像素子102をコントロールするための各種制御回路、デジタル信号処理回路、不揮発メモリ等を内部に有している。半導体素子103は、例えば、データバッファメモリ、デジタル信号処理回路、外部通信インターフェース回路等を内部に有している。同図中の破線A−A’部Z軸方向における積層半導体素子100のY−Z面の断面図を図1(b)に示す。上述の如く、半導体素子101、102、及び103のX−Z平面における側面部は、シリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。従って、この部分が使用時に外部に露出するような状況に置かれても素子の信頼性低下を防止する効果が期待できる。半導体素子101、102、及び103それぞれにおける他の三側面部は半導体基板が露出した側面2で囲まれている。半導体素子101と102の間、及び102と103に間には、電気的接続手段としてマイクロバンプ67と図示していないマイクロパッドが形成され、半導体素子101と102の間、及び102と103に間の電気的接続を可能にしている。なお、半導体素子102と103には、所謂シリコン貫通電極(TSV)10が形成され、半導体素子102及び103における表面と裏面の電気的接続を容易にしている。半導体素子101と102の間、及び102と103に間には、絶縁性の接着層71を挟んで、積層半導体素子100が一体的に形成されている。半導体素子103の裏面、即ち積層半導体素子100の底部には、外部との電気的接続を可能にする入出力パッド69が形成されている。半導体撮像素子102のX−Y平面における回路ブロック図を図1(c)に示す。半導体撮像素子102の一側面は、シリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。他の三側面部は半導体基板が露出した側面2で囲まれている。シリコン酸化膜等の絶縁体3の下部の半導体基板中に光電変換領域7、例えば、pn接合型フォトダイオードが形成されている。赤外光、可視光、或いはX線等の入射光1がY軸方向から入射し、光電変換領域7において電気信号に変換される。光電変換領域7の延在距離を入射光1の入射方向沿って、例えば、10ミクロンメータから5ミリメータ程度まで容易に延長することができるため、特に、赤外光やX線の検出に有効である。なお、変換された電気信号は、信号読み出し走査回路9を経て信号処理回路11等に送られる。他の回路ブロック、例えば回路ブロック13、15、17は、それぞれ駆動タイミング発生回路、インターフェース回路、及び入出力バッファ回路である。複数のTSV10が、上記シリコン基板が露出した三側面に沿って半導体撮像素子102の周辺部に配置されている。絶縁体で被覆された平面3に近い半導体撮像素子102の周辺部には、TSV10が配置されていないので、光電変換領域7を、半導体撮像素子102を構成する半導体基板側壁部に近接して配置することができる。他方、半導体基板が露出した側面部2に近接した素子周辺部には、TSV10が配置されているので、従来の半導体素子と同様、半導体撮像素子102の信頼性が設計仕様を逸脱するほど低下するリスクはない。なお、破線で囲まれた領域102aの構造については以下に詳述する。
【0023】
図2(a)は、図1(c)の一部(102a)の拡大図であり、CCD型撮像素子の場合を例にその構造を説明する。図2(b)は、図2(a)における入射光1の光路方向におけるB−B’部の断面構造と一部等価回路図である。光電変換領域7は電荷転送路でもあり、例えば、4相駆動の転送電極群25により電荷転送が行われる。なお、図2(a)においては、説明の都合上、転送電極群25の一部を省略し、光電変換領域7が見えるように図示している。転送された信号電荷は、信号読み出し走査回路9に送られる。信号読み出し走査回路9の構造を、図2(a)を用いて説明する。即ち、転送された信号電荷は信号読み出し走査回路9の中の信号電荷検出回路19、例えばフローティングディフュージョンアンプ(FDA)により読みだされ、AD変換回路21によりデジタル信号に変換される。デジタルデータは、走査回路23により順次外部に読みだされる。これら回路の駆動信号等は配線群27により供給される。次に拡大図102aのB−B’部の断面構造について説明する。例えば、p型の半導体基板29内にn型の不純物が導入された光電変換領域7が入射光1の進行方向に沿って延在して形成されている。また、光電変換領域7は、素子分離領域、例えば、図示していない高濃度p型不純物領域により周辺回路ブロックから電気的に分離されている。このようにp型n型の半導体領域がフォトダイオードを構成し光電変換を行う。実際には、転送電極群に印加する駆動パルスによりフォトダイオードが完全に空乏化した状態において露光を開始する。本構造においては、光電変換領域7が半導体基板面に平行に延在し、その延在方向に沿って転送電極群25が敷設されているので、光電変換領域7を完全に空乏化するための空乏化電圧を低く設定することができる。そのため、撮像素子の駆動電圧を従来の二次元CCD撮像素子と同等にすることができる。また、入射光が転送電極群を透過し光電変換領域に入射しないので、転送電極群25が入射光を減衰させることが無い。さらに、転送路に沿って形成される電荷パケットの位置情報がそのまま保持された状態で電荷読み出しを行えるので、入射光のエネルギー分光解析に適する。転送電極群25により転送された電荷は、出力ゲート端子35によりフローティングディフュージョン部41に転送され、信号電荷検出回路19により読みだされる。端子37、及び39は、それぞれリセット端子、及びリセットドレインである。このように、入射光は半導体基板内を進みながら減衰する。例えば光電変換領域7の延在距離が数百ミクロンメータから数ミリメータであって入射X線エネルギーが50Kev以下の場合、シリコンフォトダイオードにより効率よく光電変換が行える。他方、50Kev〜5MevのX線やガンマ(γ)線の検出ではコンプトン散乱が支配的になり、X線やγ線のエネルギーの一部が電子エネルギーに変換され、さらに減衰したX線やγ線がシリコンと相互作用し変換効率に影響を与える。そのためシリコン基板が厚いほど、即ち本実施例においては、光電変換領域7のシリコン基板面と平行な方向における延在距離が長いほど、高い検出効率が得られる。この点に着目し、光電変換領域において発生した光電荷を外部に読みだすための信号読み出し走査回路9等を、前記光電変換領域を挟んで受光窓側とは反対側の半導体基板上に形成している。本構造により、放射線損傷に起因するMOS素子等の劣化を防止し信頼性と製品寿命を向上させた半導体撮像素子が得られる。
【0024】
一般的に、半導体基板の側端部が露出或いは形成されるのは、半導体ウエーハを個別の半導体素子に割断するウエーハダイシング工程によるものである。そのため、半導体基板の側端部は、例えば、単結晶のシリコン部分が露出しかつダイシングに伴うカケやキズを多く生じている。通常の半導体素子は、周囲にボンディングパッドやプロセステストパターン等が配置されており、実際の回路部はダイシング部から100ミクロンメータ以上離れた素子内部にあること、パッケージにより外気から遮断されているため汚染その他素子が劣化するリスクが極めて低いこと、そもそも半導体側端部を、例えば受光面とすること等を前提としていないため、なんら問題は生じなかった。しかし、本実施例のように半導体基板側端部を受光面とする場合は、上記前提が当てはまらないことになる。即ち、ダイシング部近傍から光電変換領域が存在し、受光面は通常、被写体方向に向かって露出させなければならず、さらに減衰を抑えつつ入射光を光電変換領域7の内部へ導き入れる必要があるからである。そこで、本実施例では、入射光側の半導体基板側端部、即ち受光面をシリコン酸化膜(SiO2)等の絶縁膜により被覆し、その直下には高濃度p型不純物領域43を設けることにした。より好ましくは、半導体基板の底面部にシリコン酸化膜(SiO2)等の絶縁膜47、高濃度p型不純物領域33を設けることにより、半導体基板裏面側の界面状態の影響を最小限に抑えることができる。本構造により、界面準位や格子欠陥等に起因するノイズや画素欠陥等の画像劣化を防止することが可能になり、併せて金属、或いは化学物質等に起因する汚染から半導体素子を保護し製品寿命の劣化を防止することができる。さらに本実施例では、半導体基板の裏面に遮光膜49を積層していている。遮光膜としては、アルミニウム薄膜等が一般的であるが、タングステン等の元素番号の大きい金属を含む材料を使用することにより、受光窓以外から侵入する入射光、特にX線等による影響を軽減することができる。これにより、画素間のクロストークやノイズの少ない高画質の半導体撮像素子を実現することができる。また、遮光膜としてタングステンやアルミニウム等の金属元素を含む場合には、その放熱効果により半導体素子自体の温度上昇を抑制する効果も期待できるので、半導体素子の暗電流を低減し、信号対ノイズ(S/N)比を改善することができる。
【0025】
上記積層半導体素子100は、半導体素子を三層積層した例であるが、これに限定されるものではない。四層以上の積層半導体素子であってもよい。また、半導体撮像素子を二層以上積層することにより、X−Z平面内における二次元的な入射光検出が可能になる。図3(a)は、三層の同一半導体撮像素子201を積層した積層半導体素子200aのX−Z平面から見た側面図、及びY−Z平面からみた平面図である。積層半導体素子200aのX−Z平面から見た側面図には、多数の受光窓6がアレー状に配置されている。ここで注意すべき点は、受光窓6の横方向の配列ピッチ(Dh)と縦方向の配列ピッチ(Dv)である。横方向の配列ピッチ(Dh)は、半導体撮像素子201のホトマスク設計段階において精密に決定することができる。他方、縦方向の配列ピッチ(Dv)は、半導体撮像素子201の厚み(Dt)と半導体撮像素子間の接着層71の厚みに依存する。即ち、同図右手に記載したY−Z面の断面構造に示すように、個別の半導体撮像素子201は、シリコン貫通電極(TSV)10、及びマイクロバンプ67を介し、互いに電気的接続をとり、入出力マイクロパッド69により積層半導体素子200aの外部との接続を可能にしている。このような三次元IC構造を採用するため、設計段階において縦方向の配列ピッチ(Dv)を見積もった後に、横方向の配列ピッチ(Dh)を決定することができる。好適には、横方向の配列ピッチ(Dh)を、個別の半導体撮像素子201の厚さ(Dt)よりも大きく設定する。複数の半導体撮像素子201を積層する場合に、接着層71等に起因する縦方向の配列ピッチ(Dv)の増大に対応するためである。これにより、受光窓6或いは画素の配列ピッチが縦方向及び横方向共に等方的(Dh=Dv)、かつ規則正しく整列した撮像素子を実現できる。その結果、画素数或いは解像度を飛躍的に向上させることができる。他の変形例に係る積層半導体素子200bのY−Z平面から見た側面図を図3(b)に示す。積層半導体素子200bは、例えば、シリコン半導体基板から製造された複数の半導体撮像素子201a、201b、201cを積層した構造からなる。半導体撮像素子201aの受光面上には、シンチレータ73が積層されている。シンチレータ材料には、無機材料、例えばCsI針状結晶等に限らず、アントラセンやスチルベン等の有機材料系のシンチレータであっても良い。シンチレータ層において発光に寄与しなかった透過X線等であっても、半導体基板内で光電変換されるので撮像素子の高感度化が可能になる。また、特定波長の入射X線等に対する発光ピークを検出することにより分光感度、或いは波長分解能をさらに向上させることができる。半導体撮像素子201bは、例えば、可視光や近赤外光の検出に利用される。また、半導体撮像素子201cの受光面上には、カラーフィルタ75が積層されている。カラーフィルタにより特定波長域の入射光を選択的に透過或いは遮断できるので波長分解能が向上する。また、画質を損なう虞のある入射光を減衰又は遮断できる遮光膜を積層することにより、画質低下を防止できる。このように、異なる撮像特性を有する半導体撮像素子を組み合わせて積層することにより、例えば、複数の分光分析機能を有するハイブリッド分光分析診断装置等を実現すること可能になる。
【0026】
積層半導体素子300の斜視図を図4(a)に示す。積層半導体素子300は、半導体素子301、302、及び303を使用する半導体基板の厚さ方向に電気的接続手段を挟んで積層したものである。図4(a)に示す半導体素子301、302、及び303は、そのX−Y平面視座上の平面形状はいずれも同じ形状(一辺が凸形)である。以下に詳細に説明するように、本図面の手前に見えている積層半導体素子300の側面、即ち、各半導体素子301、302、及び303の側面部は、シリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。半導体素子301と303に挟まれた半導体素子302は、例えば、前記凸形側面部に複数の受光窓6を有する半導体撮像素子である。半導体素子301は、例えば、半導体撮像素子302をコントロールするための各種制御回路、デジタル信号処理回路、不揮発メモリ等を内部に有している。半導体素子303は、例えば、データバッファメモリ、デジタル信号処理回路、外部通信インターフェース回路等を内部に有している。図4(b)は、半導体撮像素子302のX−Y平面図である。周辺回路ブロック9、11、13、15、17等は第一の実施例における説明と同様である。図示するように、半導体基板側面部の受光面の表面形状は凸状である。他方、残りの三辺は第一の実施例と同様に半導体基板が露出した側面2から構成されている。その他の構成及び有利な特徴等も、第一の実施例と同様である。本実施例における積層半導体素子300は、その側面部の一部が凸状に湾曲しているため、例えば、内視鏡等の小型撮像装置内に組み込むことが容易になる。また、患者の体内に挿入、或いは人体に密着させるためのプローブ型撮像装置や内視鏡等の小型撮像装置に好適である。また、これを超音波画像計測用のプローブと組み合わせることにより、超音波画像を補完する赤外線或いはX線画像を重ね合せて同時取得可能になる。又、凸状の湾曲形状を組み合わせて円弧状とすることにより、さらに広角度或いは360度の撮像領域をカバーすることも可能になる。図4(b)に示す半導体素子302は、そのX−Y平面形状が矩形ではなく、側壁の一辺がX−Y平面視座上、凸状に湾曲した形状であり、かつその側壁はシリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆された曲面を有している。他方、残りの三辺は図1の場合と同様に半導体基板が露出した平面2から構成されている。その他の構成及び有利な特徴は、図1(c)の場合と同様である。図4(c)に示す半導体素子303は、そのX−Y平面形状が矩形ではなく、側壁の一辺がX−Y平面視座上、凸状に湾曲した形状であり、かつその側壁はシリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆された曲面を有している。半導体素子303には、集積回路ブロック4−1、4−2、4−3、及び4−4が形成されている。これらは、例えば、前述のデータバッファメモリ、デジタル信号処理回路、外部通信インターフェース回路或いは電源回路等である。このように、半導体素子303の外形が半導体素子301、302と同様にその一部が湾曲しているため、半導体素子を実装する空間に制約がある場合や、積層する他の半導体素子の外形形状に一致させることが容易になるという特段の効果を奏する。
【0027】
積層半導体素子400aの斜視図を図5(a)に示す。積層半導体素子400aは、半導体素子401、402、及び403を使用する半導体基板の厚さ方向に電気的接続手段を挟んで積層したものである。半導体素子401、402、及び403は、そのX−Y平面視座上の平面形状はいずれも同じ形状(一辺が凹形)である。図5(b)は、積層半導体素子400aをX−Y平面上において複数配置した積層半導体モジュール400bのX−Y平面図である。本構成により、例えば、CTスキャナのようなファンビーム形状の入射X線の撮像に利用することが可能になる。なお、図5(c)及び(d)と、図4(b)及び(c)において、同一の事項については説明を省略し、異なる部分のみ以下に説明する。図5(c)における光電変換領域7は、図4(b)の場合と異なり、放射状に入射する入射光1に対応するため、光電変換領域7も放射状に形成されていることを特徴としている。同様に、半導体素子403の側面の一部は凹状に湾曲しており、回路ブロック4−1もその形状に沿って形成されている。このような構成とすることにより、例えば、歯科或いは頭部の撮影のように被写体を取り囲むように半導体積層素子を配置する撮像装置等に適用する場合に適する。特に、人体等の大きな被写体を取り囲むように配置する場合に好適である。従来のCT装置では、撮像素子に平板状の(二次元エリア)センサを使用しているため、スライス数を増加すると半導体撮像素子受光面上に入射するX線の入射角度が、半導体撮像素子上の画素位置により異なり、入射角度による入射X線の減衰量が異なるという問題(所謂アーチファクトの一因)があるが、本構造によりその課題を解決することができる。
【0028】
積層半導体素子500の斜視図を図6(a)に示す。積層半導体素子500は、半導体素子501、502、及び503を使用する半導体基板の厚さ方向に電気的接続手段を挟んで積層したものである。図6(a)に示す半導体素子501、502、及び503は、後述するように、そのX−Y平面視座上の平面形状はいずれも同じ形状(円形)である。そして、半導体素子501、502、及び503の円形上の側面部はシリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。半導体素子501と503に挟まれた半導体素子502は、例えば、前記側面部に複数の受光窓6を有する半導体撮像素子である。半導体素子501は、例えば、半導体撮像素子502をコントロールするための各種制御回路、デジタル信号処理回路、不揮発メモリ等を内部に有している。半導体素子503は、例えば、データバッファメモリ、デジタル信号処理回路、外部通信インターフェース回路等を内部に有している。同図中の破線CーC'部Z軸方向における積層半導体素子500の断面図を図6(b)に示す。上述の如く、半導体素子501、502、及び503の側面部外周は、全てシリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。従って、この部分が使用時に外部に露出するような状況に置かれても素子の信頼性低下を防止する効果が期待でき、かつ円筒状の空間に挿入して使用する場合等に好適である。半導体素子501と502の間、及び502と503に間には、電気的接続手段としてマイクロバンプ67と図示していないマイクロパッドが形成され、半導体素子501と502の間、及び502と503に間の電気的接続を可能にしている。なお、半導体素子502と503には、TSV10が形成され、半導体素子502及び503における表面と裏面の電気的接続を容易にしている。半導体素子501と502の間、及び502と503に間には、絶縁性の接着層71を挟んで、積層半導体素子500が一体的に形成されている。半導体素子503の裏面、即ち積層半導体素子500の底部には、外部との電気的接続を可能にする入出力パッド69が形成されている。半導体素子502のX−Y平面における回路ブロック図を図6(c)に示す。半導体素子502の外周側面は、シリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。シリコン酸化膜等の絶縁体3の下部の半導体基板中に光電変換領域7が、円周上に、かつ放射状に形成されている。赤外光、可視光、或いはX線等の入射光1が360°方向から入射しても、光電変換領域7において電気信号に変換される。光電変換領域7の延在距離は、例えば、10ミクロンメータから5ミリメータ程度まで設定することができるため、赤外光やX線の検出に有効である。なお、変換された電気信号は、信号読み出し走査回路9を経て信号処理回路11等に送られる。他の回路ブロック、例えば回路ブロック13、15、17は、それぞれ駆動タイミング発生回路、インターフェース回路、及び入出力バッファ回路である。複数のTSV10が上記シリコン基板の中心部分に配置されている。そのため、絶縁体で被覆された平面3に近い半導体素子502の外周周辺部には、TSV10が配置されていないので、光電変換領域7を、半導体素子502を構成する半導体基板側壁部に近接して配置することができる。
【0029】
さらに本実施例では、信号読み出し走査回路9が電荷増倍機能を有する電荷転送路を有している。図6(c)における破線で囲まれた走査回路9の一部502aを説明するための構造を、図6(d)に示す。電荷増倍機能を有する電荷転送路には4相の転送パルスφ1、φ2、φ3、φ4が印加され、短冊状に並んだ電荷転送電極8の直下にある半導体基板内の信号電荷を破線矢印方向に転送しつつ衝突イオン化による電荷増倍を行う。図6(e)は、電荷転送電極直下にある半導体基板内の電位変化を説明するポテンシャルダイアグラムである(例えば、特開平7−176721)。本実施例では、電荷増倍機能を有する電荷転送路を環状とすることができるので、環状転送路内の電荷転送段或いは転送回転数を変更することにより高感度化、或いは任意の感度設定に調整可能になるという特段に有利な効果に加え、電荷転送路を環状に配置したので、電荷転送路と転送電極形状をほぼ同一形状とすることができる。その結果、転送効率のバラツキを抑制し、或いは感度を一様に向上させることが可能になる。
【0030】
積層半導体素子600の斜視図を図7(a)に示す。積層半導体素子600は、半導体素子601、602、及び603を使用する半導体基板の厚さ方向に電気的接続手段を挟んで積層したものである。図7(a)に示す半導体素子601、602、及び603は、後述するように、そのX−Y平面視座上の平面形状はいずれも同じ外形形状(四角形)である。そして、半導体素子601、602、及び603の外周側面部はシリコン基板が露出した面2で囲まれている。さらに、本実施例では、積層半導体素子600の内部に、平面視座上、円筒形の貫通した中空部20が形成されている。半導体素子601と603に挟まれた半導体素子602は、例えば、前記中空部20の側面部に図示していない複数の受光窓6を有する半導体撮像素子である。半導体素子601は、例えば、半導体撮像素子602をコントロールするための各種制御回路、デジタル信号処理回路、不揮発メモリ等を内部に有している。半導体素子603は、例えば、データバッファメモリ、デジタル信号処理回路、外部通信インターフェース回路等を内部に有している。同図中の破線D−D'部Z軸方向における積層半導体素子600の断面図を図7(b)に示す。半導体素子601と602の間、及び602と603に間には、電気的接続手段としてマイクロバンプ67と図示していないマイクロパッドが形成され、半導体素子601と602の間、及び602と603に間の電気的接続を可能にしている。なお、半導体素子602と603には、TSV10が形成され、半導体素子602及び603における表面と裏面の電気的接続を容易にしている。半導体素子601と602の間、及び602と603に間には、絶縁性の接着層71を挟んで、積層半導体素子600が一体的に形成されている。半導体素子603の裏面、即ち積層半導体素子600の底部には、外部との電気的接続を可能にする入出力パッド69が形成されている。半導体素子602のX−Y平面における回路ブロック図を図7(c)に示す。積層半導体素子600の中空部20の側面は、シリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。シリコン酸化膜等の絶縁体3の下部の半導体基板中に光電変換領域7が、中空部20を取り囲むように、かつ放射状に形成されている。赤外光、可視光、或いはX線等の入射光1が放射状に入射しても、光電変換領域7において効率的に電気信号に変換される。光電変換領域7の延在距離は、例えば、10ミクロンメータから5ミリメータ程度まで設定することができるため、赤外光やX線の検出に有効である。なお、変換された電気信号は、信号読み出し走査回路9を経て信号処理回路11等に送られる。他の回路ブロック、例えば回路ブロック13、15、17は、それぞれ駆動タイミング発生回路、インターフェース回路、及び入出力バッファ回路である。複数のTSV10が上記シリコン基板の外周部分に配置されている。そのため、絶縁体で被覆された中空部20近い半導体素子602の中空部20近傍には、TSV10が配置されていないので、光電変換領域7を中空部側壁に近接して配置することができる。このような構成とすることにより、例えば、X線等の入射光1が、中空部20の中心近傍から放射される場合や、各画素、即ち受光窓に対向する方向から入射するX線等を検出する場合に好適である。さらに、積層した半導体ウエーハのダイシング工程において半導体素子600を個片化する製造方法を適用することができる。また、中空部20を有しているので、中空部内にある被写体、例えば血液の近赤外分光分析のためにこの中空部内に血液を通過さて分光分析することができるという特段に有利な効果を奏する。
【0031】
積層半導体素子700の斜視図を図8(a)に示す。積層半導体素子700は、半導体素子701、702、及び703を、使用する半導体基板の厚さ方向に電気的接続手段を挟んで積層したものである。図8(a)に示す半導体素子701、702、及び703は、後述するように、そのX−Y平面視座上の平面形状はいずれも同じ外形形状(四角形)である。そして、半導体素子701、702、及び703の外周側面部はシリコン基板が露出した面2で囲まれている。さらに、本実施例では、積層半導体素子700の内部に、平面視座上、角の丸い四角形の貫通した中空部20が形成されている。半導体素子701は、図8(c)に示すように、例えば、半導体素子702をコントロールするための各種制御回路、デジタル信号処理回路、不揮発メモリ、その他回路ブロック(4−1、4−2、4−3、4−4、4−5、及び4−6)等を内部に有している。これに対し、半導体素子702は、例えば、データバッファメモリ、デジタル信号処理回路、中央演算素子(CPU)等を内部に有している。半導体素子703は、例えば、不揮発メモリ、外部インターフェース回路、電源制御回路等を内蔵している。図8(a)の破線EーE'部Z軸方向における積層半導体素子700の断面図を図8(b)に示す。上記実施例と異なる部分についてのみ説明すると、積層半導体素子700の上面と底面、半導体素子701と702の間、及び702と703に間には、金属層18が形成されており、さらに、中空部20の側壁には側壁金属層16が形成されている。そして、好ましくは、金属層18と側壁金属層16は互いにその一部が接触している。これにより、半導体素子701、702、及び703において発生した熱を効率的に外部に放熱させることが容易になる。従来、特に上下を挟まれた半導体素子においては、熱の放散が困難であったため、例えば発熱しやすいCPUや駆動能力の大きい出力バッファ回路を半導体素子間に挿入することには限界があった。本構造により、積層半導体素子の冷却のためのヒートシンクや冷却ファンを小型化、或いは不要とすることにより、高性能積層半導体素子を搭載した装置、例えば、小型飛行体(ドローン)等の軽量化に寄与する。図8(c)の破線F−F’部における半導体素子701の断面構造を図8(d)に示す。半導体素子701は、例えば、p型シリコン基板29を用いている。回路ブロック4−5は、N−ウエル30−1、P−ウエル30−2、及びN−ウエル30−3に形成されたCMOS回路ブロックであり、表面絶縁膜12、高濃度不純物層43、及び裏面高濃度不純物層33により囲まれている。TSV10は、半導体素子701の外周部近傍に形成され、シリコン基板が露出した側面2と回路ブロック4−5を隔てている。
【0032】
積層半導体素子800の斜視図を図9(a)に示す。積層半導体素子800は、半導体素子801、802、及び803を、半導体基板の厚さ方向に電気的接続手段を挟んで積層した構造である。図9(a)に示す半導体素子801、802、及び803は、後述するように、そのX−Y平面視座上の平面形状はいずれも同じ形状(円形)である。そして、半導体素子801、802、及び803の円形状の外周側面部はシリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。半導体素子801と803に挟まれた半導体素子802は、例えば、前記側面部に複数の受光窓6を有する半導体撮像素子である。半導体素子801は、半導体撮像素子802をコントロールするための各種制御回路、デジタル信号処理回路、不揮発メモリ等を内部に有している。半導体素子803は、例えば、データバッファメモリ、デジタル信号処理回路、外部通信インターフェース回路等を内部に有している。なお、本実施例では、積層半導体素子800の内部に、平面視座上、角の丸い四角形の貫通した中空部20が形成されている。同図中の破線G−G'部Z軸方向における積層半導体素子800の断面図を図8(b)に示す。半導体素子801、802、及び803の中空部20における側壁は、全てシリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。従って、積層半導体素子800の外周、及び中空部20の側壁が使用時に外部に露出するような状況に置かれても素子の信頼性低下を防止する効果が期待できる。図8(c)、及び図8(d)は、それぞれ半導体素子802、及び半導体素子803の平面ブロック図である。その詳細は、前述の他の実施例と同様である。本実施例では、積層半導体素子800の外形形状を円筒形としたので、チューブ内に挿入して使用する場合、例えば、試験管やカテーテルに挿入することが極めて容易になる。また、中空部20の内部に外部からの信号線や光ファイバーを通し、或いは積層半導体素子800の内部を冷却するための気体や液体を通すことが可能になる等、これまでにない特段に有利な効果を奏する。
【0033】
積層半導体素子900の斜視図を図10(a)に示す。積層半導体素子900は、半導体素子901、902、903、及び904を、半導体基板の厚さ方向に電気的接続手段を挟んで積層した構造である。図10(a)に示す半導体素子901、902、903及び904は、X−Y平面視座上の平面形状がいずれも同じ形状(ドーナツ形)である。そして、半導体素子901、902、903、及び904の円形状の外周側面部はシリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。半導体素子901と904に挟まれた半導体素子902と903は、例えば、前記側面部に複数の受光窓6を有する半導体撮像素子である。半導体素子901は、半導体撮像素子902、903をコントロールするための各種制御回路、デジタル信号処理回路、不揮発メモリ等を内部に有している。半導体素子904は、例えば、データバッファメモリ、デジタル信号処理回路、外部通信インターフェース回路等を内部に有している。なお、本実施例では、積層半導体素子900の内部に、平面視座上、円形の貫通した中空部20が形成されたリング状である。半導体素子901、902、903、及び904の中空部20における側壁は、全てシリコン酸化膜等の絶縁体3で被覆されている。従って、積層半導体素子900の外周、及び中空部20の側壁が使用時に外部に露出するような状況に置かれても素子の信頼性低下を防止することがでる。図10(b)、及び図10(c)は、それぞれ半導体素子902、及び半導体素子904の平面ブロック図である。その詳細は、前述の他の実施例と同様である。本実施例では、図示するように、X線等の入射光1は、環状の中心近傍から放射される場合や、各画素、即ち受光窓に対向する方向から入射するX線等を検出する場合に好適である。また、単一の半導体基板を積層したウエーハサイズの大型積層半導体素子900を用いることにより、被写体を取り囲むことが容易になる。そのため、例えば、頭部等の身体の一部、或いは小動物等を対象とした小型CT装置等が容易に実現でき、さらにオンチップ信号処理による高速、低消費電力駆動が可能になる。
【0034】
図10(d)は、図10(b)中の一部、902aの拡大図であり、MOS型撮像素子を例にその構造を説明する。図10(e)は、図10(d)における回路ブロック51の等価回路図である。光電変換領域7は、例えば図示するように、3領域(7−1,7−2,7−3)に分割されている。これら3領域で発生した信号電荷は、隣接するMOS型信号転送回路51を経て信号電荷検出回路19、例えばFDAにより個別に或いは加算して読みだされ、AD変換回路21に送られる。MOS型信号転送回路51は、図10(e)に示すように、分割された光電変換領域から信号電荷を信号電荷検出回路19の入力端子、即ちフローティングディフュージョン部(57−1,57−2,57−3,59)に読みだすために、信号転送電極(55−1,55−2,55−3)をオンにする。信号電荷読み出し後、フローティングディフュージョン部はリセット端子63をオンにし、リセットドレイン61の電位レベルにリセットされる。なお、図10(d)に示すように、MOS型信号転送回路51は、開口、即ち遮光膜53の下方に配置している。遮光膜に例えばタングステン等の重金属を含む材料を使用することにより、X線等を遮蔽する効果が期待され、MOS素子等の放射線損傷を軽減することができる。なお、信号電荷検出回路19以降の後段の回路ブロック21,23及び配線群27等については図2(a)の場合と同様である。MOS型の撮像素子構造を用いているので、特に大型の積層半導体素子900における消費電力を、CCD型撮像素子構造の場合に比べ低減することができる。
【0035】
上記実施例において使用する半導体素子の製造方法を図11から図16を用いて説明する。上記の半導体素子或いは積層半導体素子等の構造を実現するための製造方法として重要なウエーハ加工処理工程は、側壁絶縁膜を有する半導体素子或いは積層半導体素子の製造工程、及びこの側壁絶縁膜の一部又は全てを残した状態で個別の半導体素子或いは積層半導体素子に個片化する工程である。図11(a)に示すように、例えば、絶縁膜で被覆された側壁3が凸状の半導体素子302、或いは凹状の半導体素子402がウエーハW1上にパターニング(面付け)されている。それ以外の他の側壁はシリコン基板が露出した面2で良いため、ダイシングによって、即ちスクライブライン22に沿って個片化することができる。図11(b)は、例えば、半導体素子の内部に中空部を有し、その側壁が絶縁膜3で被覆された半導体素子602がウエーハW2上にパターニングされている。それ以外の外周部はシリコン基板が露出した面2で良いため、ダイシングによって、即ちスクライブライン22に沿って個片化することができる。いずれの場合も、従来のダイシング等の後工程をそのまま踏襲することができる。さらに、後述するように、複数の半導体素子等を積層した積層半導体素子の個片化にも適用できるという有利な特徴を有る製造方法である。図12は、本製造方法の要部フローチャートである。まず、ウエーハ上に回路素子を形成する。後述するように、この工程内で側壁絶縁膜3を形成する工程を含んでも良い。次にウエーハの裏面研削により、例えば、10〜100ミクロンメータ程度に薄化する。その後、側壁絶縁膜をプラズマエッチングとうにより完全に貫通させて除去する。この後、積層半導体素子を製造する場合には、複数の同様の薄化後のウエーハを積層する。これら薄化したウエーハ及び積層ウエーハをウエーハダイシング装置により、スクライブライン22に沿って割断し個片化する。さらに、必要に応じてパッケージング工程に進む。
【0036】
図13(a)に示すように、例えば、外周が絶縁膜で被覆された半導体素子502がウエーハW3上にパターニングされている。同様に、図13(b)は、例えば、半導体素子の内部に中空部を有し、その側壁も絶縁膜3で被覆された直径の異なる半導体素子902−1、902−2、902−3、及び902−4がウエーハW4上にパターニングされている。図14は、本製造方法の要部フローチャートである。まず、ウエーハ上に回路素子を形成する。後述するように、この工程内で側壁絶縁膜3を形成する工程を含んでも良い。次にウエーハの裏面研削により、例えば、10〜100ミクロンメータ程度に薄化する。その後、半導体素子外周及び中空部の側壁絶縁膜をプラズマエッチング等により完全に貫通させて除去する。この後、積層半導体素子を製造する場合には、既に個片化された複数の半導体素子502、或いは901−1乃至901−4を積層し、さらに、必要に応じてパッケージング工程に進む。これら半導体素子等の外形が全て側壁絶縁膜により囲まれており、エッチングプロセスにより個片化も同時に実施することができる。また、ダイシング工程を必要としないため、外形が曲面形状の半導体素子形状をパターニングにより実現可能となる。さらに、回転ブレードによるダイシング装置或いはレーザーソーを使用しないので、チッピングやキズを生ずることは無く、またレーザ加熱による溶融物の再付着等の問題も生じない。ブレードダイシング或いはレーザーソーのいずれの装置においても半導体基板材料自体の欠損量が大きく精密な加工形状を期待することはできない。これに対して、本方法によれば、精密な加工形状が得られ、かつ半導体ウエーハ材料の欠損量が極めて少ないため、より多くの半導体素子等を個片化できるという特段の効果を奏する。
【0037】
図15図16を用いて、半導体素子の製造方法についてさらに詳しく説明する。これら製造方法は、図12、及び図14に示した側壁絶縁膜形成、及び側壁絶縁膜エッチング工程の詳細に係るものである。なお、本発明に特徴的な箇所、即ち、半導体基板の側壁、特に側壁絶縁膜を有する部分或いは個片化係る領域近傍の断面構造のみを図示し、その他の内部回路、入出回路部或いは貫通電極部等の構造は省略している。
【0038】
図15(a)は、製造工程の初期段階、例えばpウエル形成工程における側壁近傍の断面構造である。フォトレジスト77をマスクにして、加速エネルギーが数メガエレクトロンボルト(MeV)以上の高エネルギーイオン注入装置により二価のボロンイオン(B++)をイオン注入する。なお、本イオン注入により、他の部位、例えば素子分離領域近傍の不純物導入領域を形成してもよい。イオン注入直後の不純物分布79aをさらに基板深くまで拡散させるため、レジスト除去後に、pウエル形成と同時に高温熱拡散(ドライブイン)を行う。
【0039】
次に、図15(b)に示すように、シリコン酸化膜81及びシリコン窒化膜83をマスクにして、側壁近傍にあるシリコン基板の一部をトレンチ状にエッチングするため、例えば、六フッ化硫黄(SF6)を含むガスを用いてドライエッチングする。トレンチ部85の深さは、例えば、図3(a)で説明したDtであり、横方向の画素ピッチDhより小さく設定される。また、トレンチ部85の周囲は、前記ボロンイオン注入とその後の熱拡散により、側壁がp型の不純物分布79bにより囲まれている。
【0040】
次に、図15(c)に示すように、トレンチ部85の側壁を酸化し、シリコン酸化膜(SiO2)45を形成する。さらに、CVD法によりトレンチ部85を二酸化シリコン(SiO2)87により埋め戻す。
【0041】
次に、図15(d)に示すように、シリコン基板の表面のシリコン酸化膜をCMP法により除去し平坦化する。さらに、裏面研削によりシリコン基板裏面を所定の厚さ(例えば、Dv1=Dt)になるまで薄化した後、シリコン酸化膜(SiO2)47を形成する。続いて、イオン注入装置を用い、シリコン基板裏面から一価のボロンイオン(B+)を注入し、浅い高濃度不純物層33を形成する。
【0042】
図15(e)に示すように、フォトレジスト89をマスクとして側壁近傍にあるCVD法によるシリコン酸化膜87を、例えば四フッ化炭素(CF4)と酸素(O2)を含むガスを用いた異方性プラズマエッチングにより除去し、個別の撮像素子1001に個片化される。なお、図12に示したダイシング工程を有する製造方法では、側壁絶縁膜を有する部分のみ上記異方性プラズマエッチング法によりエッチングされる。本製造方法により、シリコンウエーハの切断工程前に半導体基板側端部の受光面となるべき部分にシリコン酸化膜(SiO2)を形成しさらにその直下に高濃度不純物領域を形成できる。そのため、シリコンウエーハの切断と同時に半導体基板側面部を受光面とする撮像素子を製造する方法であっても、界面準位や格子欠陥等に起因するノイズや画素欠陥等の画像劣化を軽減することができる。また、ウエーハダイシングに回転ブレードを使用せず、パターニング及びエッチングにより多数の小型撮像素子を高スループットで個片化できる。さらに、容易に半導体基板側端部の受光面を湾曲その他任意形状に精密加工することができる。
【0043】
なお、半導体基板側端部の受光面を平坦化又は清浄化するため、上記CVD法によるシリコン酸化膜87のプラズマエッチング後に、シリコン酸化膜45の表面をエッチング又は研磨等により平坦化、或いはシリコン酸化膜45を一旦除去した後に、新たなシリコン酸化膜45を形成しても良い。
【0044】
半導体素子の他の製造方法を、図16を用いて説明する。本製造方法は、図12及び図14に示した側壁絶縁膜形成、及び側壁絶縁膜エッチング工程の詳細に係るものである。なお、本発明に特徴的な箇所、即ち、絶縁膜を有する側壁部分或いは個片化係る領域近傍の断面構造のみを図示し、その他の内部回路、入出回路部或いは貫通電極部等の構造は省略している。
【0045】
図16(a)は、製造工程の初期段階、例えばpウエル形成工程における側壁近傍の断面構造である。フォトレジスト93をマスクにして、加速エネルギーが数メガエレクトロンボルト(MeV)以上の高エネルギーイオン注入装置により二価のボロンイオン(B++)をイオン注入する。なお、本イオン注入により、他の部位、例えば素子分離領域近傍の不純物導入領域を形成してもよい。
【0046】
図16(b)に示すようには、上記イオン注入及びレジスト除去後、pウエル形成と同時に高温熱拡散(ドライブイン)を行い、不純物分布91aを基板深く拡散させ、不純物分布91bを得る。次に、裏面研削によりシリコン基板裏面を所定の厚さ(例えば、Dv2=Dt)になるまで薄化する。次に、シリコン基板裏面にシリコン酸化膜層47を形成し、さらにイオン注入装置を用い一価のボロンイオン(B+)を注入し裏面に浅い高濃度不純物層33を形成する(図16(c))
【0047】
図16(d)に示すように、シリコン酸化膜95又はレジストをマスクとして、例えば六フッ化硫黄(SF6)を含むガスとフッ化炭素(C4F8)を含むガスを交互に用いた反応性イオンエッチング(RIE)により除去することにより、個別の撮像素子1002を個片化する。なお、図12に示したダイシング工程を有する製造方法では、側壁絶縁膜を有する部分のみが上記反応性イオンエッチング法によりエッチングされる。本エッチング方法により、特に半導体基板の厚さが、例えば数十ミクロンメータ以上であっても、高速エッチングによる半導体基板の切断が容易になる。なお、フッ化炭素(C4F8)を六フッ化硫黄(SF6)と交互に用いるのは、側壁保護膜堆積のためである。これにより、高アスペクト比が得られる。なお、側壁に凹凸ができる場合があるので、そのような場合には、減圧水素中における熱処理(例えば、10Torr、1100℃)により、表面を平滑化することができる。或いは、シリコン基板側壁の保護膜堆積97をエッチング等により除去し、新たなシリコン酸化膜45(図示せず)を形成しても良い。
【0048】
本製造方法により、シリコンウエーハの切断工程前に半導体基板側端部の受光面となるべき部分に高濃度不純物領域を形成し、さらにその上部にシリコン酸化膜(SiO2)を形成することができるので、界面準位や格子欠陥等に起因するノイズや画素欠陥等の画像劣化を軽減することができる。また、パターニング及びエッチングにより個別の撮像素子に個片化できるので、容易に半導体基板側端部の受光面を湾曲その他任意形状に高速かつ精密に加工することができる。本製造方法は、特に画素サイズ或いは画素ピッチ(Dh)が大きい場合、即ちシリコン基板の厚さ(Dv2)が大きい場合、例えばX線等に対する大型の撮像素子の製造に好適である。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明により、様々な被写体形状に対応できる小型半導体撮像素子、或いはウエーハサイズの大型半導体素子が実現する。また、多様なニーズに対応可能な異種半導体素子、各種センサを積層したハイブリッド撮像装置が可能になる。例えば、複合画像診断機能を具備した内視鏡、腹腔鏡、PET−CT,RIを用いた画像診断装置、近赤外光干渉断層計、近赤外脳計測装置、超音波画像計測装置等が実現する。これにより、診断精度の向上、X線等の被曝その他患者の苦痛と負担の軽減、医療費の抑制等にも貢献する。さらに撮像分野以外のウエアラブル機器、携帯通信端末、ロボット、軽量化が求められる小型飛行機や車載用途等様々な分野に幅広く利用可能である。
【符号の説明】
【0050】
1・・・入射光、2・・・半導体基板が露出した側壁、3・・・絶縁膜に被覆された半導体基板の側壁、4−1、4−2、4−3、4−4、4−5、4−6、4−7・・・集積回路ブロック、6・・・受光窓、7、7−1、7−2、7−3・・・光電変換部、8・・・ポリシリコン電極、9・・・信号読み出し走査回路、10・・・貫通電極(TSV)、11・・・デジタル信号処理回路、12・・・表面絶縁膜、13・・・駆動タイミング発生回路、14・・・ゲート酸化膜、15・・・インターフェース回路、16・・・側壁金属層、17・・・入出力バッファ回路及び入出力端子、18・・・金属層、19・・・信号電荷検出回路、20・・・中空部、21・・・AD変換回路、22・・・スクライブライン、23・・・走査回路、25・・・4相電荷転送電極、27・・・配線群、29・・・半導体基板、30−1・・・N−ウエル、30−2・・・P−ウエル、30−3・・・N−ウエル、31・・・素子分離領域、33・・・裏面高濃度不純物層、35・・・出力ゲート端子、37・・・リセット端子、39・・・リセットドレイン、41・・・フローティングディフュージョン、43・・・絶縁膜で被覆された側壁部直下の高濃度不純物層、45・・・側壁に形成されたシリコン酸化膜層、47・・・裏面シリコン酸化膜層、49・・・裏面遮光膜、51・・・MOS型信号転送回路、53・・・受光面上の遮光膜、55−1、55−2、55−3・・・信号転送電極、57−1、57−2、57−3、59・・・フローティングディフュージョン、61・・・リセットドレイン、63・・・リセット端子、67・・・マイクロバンプ、69・・・入出力パッド、71・・・接着層、73・・・シンチレータ、75・・・カラーフィルタ、77・・・レジストマスク、79a・・・イオン注入直後の不純物分布、79b・・・熱拡散及びトレンチエッチング後の不純物分布、81・・・シリコン酸化膜、83・・・シリコン窒化膜、85・・・トレンチ、87・・・CVDシリコン酸化膜、89・・・レジストマスク、91a・・・イオン注入直後の不純物分布、91b・・・熱拡散後の不純物分布、93・・・レジストマスク、95・・・シリコン酸化膜、97・・・側壁保護堆積膜、101、102、103、201、201a、201b、201c、301、302、303、401、402、403、501、502、503、601、602、603、701、702、703、801、802、803、901、902、903、904・・・半導体素子、100、200a、200b、300、400a、400b、500、600、700、800、900・・・積層型半導体素子、W1、W2、W3、W4・・・本発明に係る半導体素子の製造工程に使用する半導体ウエーハ、902−1、902−2、902−3、902−4・・・半導体ウエーハW4上に同心円状に形成された半導体素子、1001、1002・・・本発明に係る半導体素子の製造工程において個片化された半導体素子。
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