(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1または2のように、エンジンに対して離間させてDPFケースとSCRケースを組付ける場合、エンジンからDPFケースまたはSCRケースに供給される排気ガスの温度が低下して、ディーゼルパティキュレートフィルタの再生、または選択触媒還元作用などの化学反応が不完全になりやすいから、SCRケース内の排気ガスの温度を高温に維持する特別の装置が必要になる等の問題がある。
【0005】
一方、特許文献3または特許文献4のように、エンジンにDPFケースとSCRケースを組付ける場合、エンジンからSCRケースに供給される排気ガスの温度低下を低減して、SCRケース内の排気ガスの温度を高温に維持しやすいが、エンジンルーム内にDPFケースとSCRケース用の設置空間を確保する必要があり、エンジンルームをコンパクトに構成しにくいと共に、DPFケースまたはSCRケース等を簡単に支持できない等の問題がある。また、狭少なエンジンルームでは、DPFケースまたはSCRケース等の組付け作業性又はメンテナンス作業性などを向上できない等の問題もある。
【0006】
そこで、本願発明は、これらの現状を検討して改善を施した
コンバインのエンジン装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、
本願発明の
コンバインのエンジン装置は、
脱穀装置に隣接させて穀物タンクを配置し、前記穀物タンクの前方に運転部を配置し、前記運転部の下方にエンジンを内設するエンジンルームを配置するコンバインのエンジン装置において、
エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを備え、前記エンジンルーム
を構成するエンジンフレームに第1ケース支持体を介して前記第1ケース
が固定されて、前記穀物タンク前面と前記運転部背面の間に前記第1ケースを縦型に設ける一方、前記穀物タンクに隣接する前記脱穀装置の機内側上面に前記第2ケースを横型に設けており、前記第1ケースの排気ガス出口に尿素混合管を介して前記第2ケースの排気ガス入口を接続すると共に、前記第2ケースの排気ガス出口にテールパイプを接続する構造であって、前記第1ケースと前記尿素混合管との間に蛇腹状連結パイプを設置
し、前記エンジンルームに隣接した前記脱穀装置の機内側上部より上方に立設させた混合管支持体、第2ケース支持体、及びテールパイプ支持体それぞれにより、前記尿素混合管、前記第2ケース、及び前記テールパイプを支持することで、前記尿素混合管と前記第2ケースと
前記テールパイプを略一直線上に連結したものである。
【0008】
【0009】
【0010】
【発明の効果】
【0011】
本願発明によれば、エンジンの排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケースと、前記エンジンの排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケースを備える
コンバインのエンジン装置において、前記エンジンが内設されるエンジンルームの外側に第1ケース支持体を介して前記第1ケースを設け、前記エンジンルームに隣接した作業部に第2ケース支持体を介して前記第2ケースを設けたものであるから、前記エンジンルームのフレームにて前記第1ケース荷重を負担する一方、作業部のフレームにて前記第2ケース荷重を負担でき、前記エンジンルームまたは前記作業部にて第1ケースと第2ケースの支持荷重を分担して、前記第1ケースと第2ケースを高剛性に固着できる。例えば、コンバインにおいて、穀物タンク前面と運転キャビン背面の間に前記第1ケースを縦型にコンパクトに組付けることができると共に、穀物タンクに隣接する脱穀装置の一側上面に前記第2ケースを簡単な支持構造にて組付けることができる。
【0012】
本願発明に
おいて、前記第1ケースを縦型に支持する一方、前記第2ケースを横型に支持するように構成
すると、前記第1ケースを狭少スペース(例えば穀物タンク前面と運転キャビン背面の間)に簡単に設置できるものでありながら、前記第2ケースと、該第2ケースに接続するテールパイプなどを、前記作業部の上面側(例えば穀物タンクに隣接する脱穀装置の一側上面)に容易に配置でき、前記第1ケースまたは第2ケースの組付け作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。また、縦型の前記第1ケースと横型の前記第2ケースをL形状の接続径路にて連結でき、そのL形状の接続径路を尿素混合管にて簡単に形成でき、第2ケースに至る排気ガス中に尿素水を噴出させるための尿素混合構造を容易に構成できる。
【0013】
本願発明
のように、前記第1ケースの排気ガス出口に尿素混合管を介して前記第2ケースの排気ガス入口を接続すると共に、前記第2ケースの排気ガス出口にテールパイプを接続する構造であって、前記尿素混合管と前記第2ケースとテールパイプを略一直線上に連結
すれば、前記作業部の上面側で一側角隅部に沿わせて前記尿素混合管と前記第2ケースとテールパイプをコンパクトに配置できるものでありながら、前記尿素混合管と前記第2ケースとテールパイプの組付け作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。
【0014】
本願発明
のように、脱穀装置に隣接させて穀物タンクを配置し、前記穀物タンクの前方に運転キャビンを配置し、前記運転キャビンの下方に前記エンジンを配置する構造であって、前記穀物タンク前面と運転キャビン背面の間に前記第1ケースを縦型に設ける一方、前記穀物タンクに隣接する前記脱穀装置の一側上面に前記第2ケースを横型に設け
ると、前記穀物タンク前面と前記運転キャビン背面間の狭少スペースに前記第1ケースを簡単に設置できるものでありながら、前記第2ケースと、該第2ケースに接続するテールパイプなどを、前記穀物タンクに隣接する前記脱穀装置の一側上面に沿わせてコンパクトに配置でき、前記第1ケースまたは第2ケースの組付け作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明を具体化した第1実施形態を
図1〜
図16に基づいて説明する。
図1〜
図3を参照して、ディーゼルエンジンが搭載された第1実施形態のコンバインの全体構造について説明する。なお、以下の説明では、走行機体1の前進方向に向かって左側を単に左側と称し、同じく前進方向に向かって右側を単に右側と称する。
図1〜
図3に示す如く、走行部としての左右一対の走行クローラ2にて支持された走行機体1を備える。走行機体1の前部には、穀稈を刈取りながら取込む6条刈り用の刈取装置3が、単動式の昇降用油圧シリンダ4によって刈取回動支点軸4a回りに昇降調節可能に装着される。走行機体1には、フィードチェン6を有する脱穀装置5と、該脱穀装置5から取出された穀粒を貯留する穀物タンク7とが横並び状に搭載される。なお、脱穀装置5が走行機体1の左側に、穀物タンク7が走行機体1の右側に配置される。
【0017】
また、走行機体1の後部に縦取出しコンベヤ8aを介して旋回可能な穀物排出コンベヤ8が設けられ、穀物タンク7の内部の穀粒が、穀物排出コンベヤ8の籾投げ口9からトラックの荷台またはコンテナ等に排出されるように構成している。刈取装置3の右側方で、穀物タンク7の前側方には、運転キャビン10が設けられている。運転キャビン10の前面下部にキャビン回動支点軸10aを設け、キャビン回動支点軸10aを介して走行機体1に運転キャビン10の前面下部を回動可能に軸支し、機外前側方に向けて運転キャビン10を移動可能に設置し、キャビン回動支点軸10a回りに運転キャビン10を前方側に回動させるように構成している。
【0018】
運転キャビン10内には、操縦ハンドル11と、運転座席12と、主変速レバー15と、副変速レバー16と、脱穀クラッチを入り切り操作する脱穀クラッチレバー17と、刈取クラッチを入り切り操作する刈取クラッチレバー18とを配置している。運転座席12の下方の走行機体1には、動力源としてのディーゼルエンジン14が配置されている。なお、運転キャビン10には、オペレータが搭乗するステップと、操縦ハンドル11を設けたハンドルコラムと、前記各レバー15,16,17,18を設けたレバーコラム等が配置されている。
【0019】
図1に示す如く、走行機体1の下面側に左右のトラックフレーム21を配置している。トラックフレーム21には、走行クローラ2にエンジン14の動力を伝える駆動スプロケット22と、走行クローラ2のテンションを維持するテンションローラ23と、走行クローラ2の接地側を接地状態に保持する複数のトラックローラ24と、走行クローラ2の非接地側を保持する中間ローラ25とを設けている。駆動スプロケット22によって走行クローラ2の前側を支持し、テンションローラ23によって走行クローラ2の後側を支持し、トラックローラ24によって走行クローラ2の接地側を支持し、中間ローラ25によって走行クローラ2の非接地側を支持する。
【0020】
図1、
図2に示す如く、刈取装置3の刈取回動支点軸4aに連結した刈取フレーム51には、圃場に植立した未刈り穀稈の株元を切断するバリカン式の刈刃装置52が設けられている。刈取フレーム51の前方には、圃場に植立した未刈り穀稈を引起す6条分の穀稈引起装置53が配置されている。穀稈引起装置53とフィードチェン6の前端部(送り始端側)との間には、刈刃装置52によって刈取られた刈取り穀稈を搬送する穀稈搬送装置54が配置される。なお、穀稈引起装置53の下部前方には、未刈り穀稈を分草する6条分の分草体55が突設されている。圃場内を移動しながら、刈取装置3によって圃場に植立した未刈り穀稈を連続的に刈取るように構成している。
【0021】
次に、
図1及び
図2を参照して、脱穀装置5の構造を説明する。
図1及び
図2に示す如く、脱穀装置5には、穀稈脱穀用の扱胴56と、扱胴56の下方に落下する脱粒物を選別する揺動選別盤57及び唐箕ファン58と、扱胴56の後部から取出される脱穀排出物を再処理する処理胴59と、揺動選別盤57の後部の排塵を排出する排塵ファン60を備えている。なお、刈取装置3から穀稈搬送装置54によって搬送された穀稈は、フィードチェン6に受継がれて、脱穀装置5に搬入されて扱胴56にて脱穀される。
【0022】
図1に示す如く、揺動選別盤57の下方側には、揺動選別盤57にて選別された穀粒(一番物)を取出す一番コンベヤ61と、枝梗付き穀粒等の二番物を取出す二番コンベヤ62とが設けられている。揺動選別盤57は、扱胴56の下方に張設された受網67から漏下した脱穀物が、フィードパン68及びチャフシーブ69によって揺動選別(比重選別)されるように構成している。揺動選別盤57から落下した穀粒は、その穀粒中の粉塵が唐箕ファン58からの選別風によって除去され、一番コンベヤ61に落下する。一番コンベヤ61から取出された穀粒は、揚穀コンベヤ63を介して穀物タンク7に搬入され、穀物タンク7に収集される。
【0023】
また、
図1に示す如く、揺動選別盤57は、揺動選別によってチャフシーブ69から枝梗付き穀粒等の二番物を二番コンベヤ62に落下させるように構成している。チャフシーブ69の下方に落下する二番物を風選する選別ファン71を備える。チャフシーブ69から落下した二番物は、その穀粒中の粉塵及び藁屑が選別ファン71からの選別風によって除去され、二番コンベヤ62に落下する。二番コンベヤ62の終端部は、還元コンベヤ66を介して、フィードパン68の上面側に連通接続され、二番物を揺動選別盤67の上面側に戻して再選別するように構成している。
【0024】
一方、
図1及び
図2に示す如く、フィードチェン6の後端側(送り終端側)には、排藁チェン64と排藁カッタ65が配置されている。フィードチェン6の後端側から排藁チェン64に受継がれた排藁(穀粒が脱粒された稈)は、長い状態で走行機体1の後方に排出されるか、又は脱穀装置5の後部に設けられた排藁カッタ65にて適宜長さに短く切断されたのち、走行機体1の後方下方に排出されるように構成している。
【0025】
次に、
図4〜
図12を参照して、連続再生式の排気ガス浄化装置74(ディーゼルパティキュレートフィルタ)としての第1ケース75並びにその取付け構造について説明する。
図4〜
図8に示す如く、排気ガス浄化装置74は、ディーゼルエンジン14の排気ガスを導入する連続再生式の第1ケース75を備えている。排気ガス浄化ケースとしての第1ケース75は、入口側ケース76と、出口側ケース77を有する。入口側ケース76と出口側ケース77の内部に、二酸化窒素(NO2)を生成する白金等のディーゼル酸化触媒79(ガス浄化体)と、捕集した粒子状物質(PM)を比較的低温で連続的に酸化除去するハニカム構造のスートフィルタ80(ガス浄化体)とを、排気ガスの移動方向(
図7の下側から上側)に直列に並べている。入口側ケース76と出口側ケース77内のディーゼル酸化触媒79とスートフィルタ80によって、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質(PM)の除去に加え、排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)を低減するように構成している。
【0026】
また、
図4〜
図8に示す如く、入口側ケース76に排気ガス入口管としての浄化入口管81を溶接固定すると共に、出口側ケース77に排気ガス出口管としての浄化出口管82の一端側をボルト締結する。浄化出口管82の他端側に後述する尿素混合管239(排気管)の一端側を被嵌させ、浄化出口管82に尿素混合管239を接続している。ディーゼルエンジン14の排気ガスが浄化入口管81から第1ケース75内に導入され、第1ケース75内の排気ガスが、浄化出口管82から尿素混合管239に排出されるように構成している。なお、入口側ケース76と出口側ケース77は、複数組の厚板状中間フランジ体84と複数本のボルト85にて着脱可能に締結されている。
【0027】
上記の構成により、ディーゼル酸化触媒79の酸化作用によって生成された二酸化窒素(NO2)が、スートフィルタ80内に一側端面(取入れ側端面)から供給される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中に含まれた粒子状物質(PM)は、スートフィルタ80に捕集されて、二酸化窒素(NO2)によって連続的に酸化除去される。ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒状物質(PM)の除去に加え、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や炭化水素(HC)の含有量が低減される。
【0028】
次いで、
図4〜
図11に示す如く、走行機体1上にエンジンルームフレーム91を立設し、走行機体1上面側に載置したディーゼルエンジン14の後面側をエンジンルームフレーム91にて囲む。エンジンルームフレーム91は、左の角パイプ状支柱体92と、右の角パイプ状支柱体93と、左右の支柱体92,93に両端側を一体的に溶接固着する角パイプ状横フレーム94を有する。また、運転キャビン10の底面後部にゴム製の圧接脚体95を設け、横フレーム94の左右の受け台96上面に上方側から運転キャビン10底部の圧接脚体95を当接し、横フレーム94の各受け台96に運転キャビン10の後部を上下方向に接離可能に支持している。運転キャビン10底面側とエンジンルームフレーム91にて形成されるエンジンルーム97の内部にディーゼルエンジン14を設置している。
【0029】
さらに、横フレーム94に左右一対の浄化ケース支持体111を一体的に溶接固着している。また、第1ケース75のうち入口側ケース76の外側面に前面支持ブラケット114を一体的に溶接固着している。第1ケース75の上下幅中間部(浄化入口管81の上方側)に前面支持ブラケット114が配置される。左右一対の浄化ケース支持体111の間に前面支持ブラケット114の前部を後側方から嵌着させ、左右一対の浄化ケース支持体111と前面支持ブラケット114の左右側面に左右方向から螺着操作する上ボルト116aと下ボルト116bによって、浄化ケース支持体111に前面支持ブラケット114を着脱可能に締結している。
【0030】
図7、
図9に示す如く、浄化ケース支持体111の係合ノッチ111aに上ボルト116aを係脱可能に係止させると共に、浄化ケース支持体111の位置調節用長孔111bに下ボルト116bを貫通させる。即ち、排気ガス浄化装置74を組付ける場合、前面支持ブラケット114に上ボルト116aを仮止め締結させ、浄化ケース支持体111の取付け位置に排気ガス浄化装置74を近接させ、浄化ケース支持体111の係合ノッチ111aに上ボルト116aを係合させ、浄化ケース支持体111に第1ケース75を仮止め支持させる。その後、浄化ケース支持体111の位置調節用長孔111bに下ボルト116bを貫通させ、前面支持ブラケット114に下ボルト116bを締結すると共に、前面支持ブラケット114に上ボルト116aも締結し、各ボルト116a,116bを介して浄化ケース支持体111に前面支持ブラケット114を着脱可能に固着し、横フレーム94を介してエンジンルーム97背面側に排気ガス浄化装置74を装着するように構成している。なお、
図10に示す如く、平面視U形状の前面支持ブラケット114の上端側と下端側に天板体114aと底板体114bを溶接固定して、前面支持ブラケット114を四角箱状の高剛性構造に形成している。
【0031】
即ち、キャビン10の下方側にエンジンルーム97を形成すると共に、走行機体1の前方上方(機外側方)に向けてキャビン10を移動可能に設置し、キャビン10を支持する受け台96と、第1ケース75を支持する浄化ケース支持体111とを、エンジンルームフレーム91の同一部位(横フレーム94)に配置し、第1ケース75に対してキャビン10を接離可能に構成している。
【0032】
さらに、
図4〜
図8、
図12に示す如く、第1ケース75のうち入口側ケース76の左側外周面に側面支持ブラケット141を一体的に溶接固着している。入口側ケース76の外側面のうち同一円周上に、前面支持ブラケット114と側面支持ブラケット141を放射状(十字方向)に配置する。側面支持ブラケット141に組付け調節板142の一端側を位置調節可能にボルト143締結すると共に、脱穀装置5の機筐フレーム144右側面に組付け調節板142の他端側をボルト145締結する。組付け調節板142を介して位置調節可能に側面支持ブラケット141と機筐フレーム144を連結固定させる。浄化ケース支持体111の側面と脱穀装置5の右側が側面支持ブラケット141を介して着脱可能に連結されている。換言すると、エンジンルーム97側(横フレーム94)に入口側ケース76の前面を締結固定する一方、脱穀装置5側(機筐フレーム144)に入口側ケース76の左側面を締結固定している。
【0033】
即ち、
図4〜
図8に示す如く、エンジンルームフレーム91に入口側ケース76を介して第1ケース75の中間部が縦置き姿勢に固着される。また、第1ケース75下端側の排気ガス供給側のうち、第1ケース75の前側面に浄化入口管81を前向き姿勢に設け、エンジン14上面側(機体前方)に向けて浄化入口管81が延設されている。出力軸112を左右方向に向けて走行機体1に搭載したエンジン14の前面側上部に、排気マニホールド117と過給機118を配置している。浄化入口管81に折曲可能な蛇腹状排気導入管98を介して排気連結管119の一端側を連結する一方、過給機118の排気出口管99に排気連結管119の他端側を連結する。排気マニホールド117に過給機118と排気連結管119を介して第1ケース75が連通接続されるように構成している。
【0034】
また、
図4に示す如く、脱穀装置5の右側方において、穀物タンク7の前面とキャビン10の後面との間に形成されるスペースに、上下方向に長い円筒形状(縦置き姿勢)の第1ケース75を配置し、排気マニホールド117、過給機118、排気連結管119を介して、エンジン14の排気ガスを第1ケース75に導入するように構成している。また、脱穀装置5と穀物タンク7間の上面側で後側方に向けて尿素混合管239と後述する第2ケース229とテールパイプ83から排気ガスを排出させるように構成している。
【0035】
一方、
図4〜
図7、
図10、
図11に示す如く、L形丸パイプ状の尿素混合管239の排気入口側と排気出口側にそれぞれ固着するパイプ入口側支持体151とパイプ出口側支持体152を備える。第1ケース75上面部の厚板状上端フランジ体86の左側端部を脱穀装置5方向に突設させ、上端フランジ体86左側端部に排気支持台153の一端側を締結し、上端フランジ体86左側端部から脱穀装置5に向けて排気支持台153の他端側を突設する。排気支持台153の他端側に入口側ブラケット154下端側をボルト締結し、排気支持台153に入口側ブラケット154を立設し、入口側ブラケット154の上端側にパイプ入口側支持体151の下端側をボルト締結する。
【0036】
また、脱穀装置5上面の右側部に出口側ブラケット155をボルト締結し、脱穀装置5上面(脱穀機筐の右側上部の角隅)に出口側ブラケット155を立設させると共に、出口側ブラケット155の上端側にパイプ出口側支持体152の下端側をボルト締結する。脱穀装置5と第1ケース75の各上面側に立設させるパイプ入口側支持体151とパイプ出口側支持体152とを介して、第1ケース75上面と脱穀装置5上面に亘って、尿素混合管239を延設させる。脱穀装置5と第1ケース75の各上面側に尿素混合管239が支持されるように構成している。
【0037】
また、
図13に示す如く、走行機体1に搭載された尿素水タンク174内の尿素水溶液を圧送する尿素水噴射ポンプ175と、尿素水噴射ポンプ175を駆動する電動モータ176と、尿素水噴射ポンプ175に尿素水噴射管177を介して接続させる尿素水噴射ノズル178を備える。尿素混合管239に噴射台座179を介して尿素水噴射ノズル178を取付け、尿素混合管239の内部に尿素水噴射ノズル178から尿素水溶液を噴霧する。尿素混合管239内に供給される尿素水が、第1ケース75から第2ケース229に至る排気ガス中にアンモニアとして混合されるように構成している。
【0038】
図9〜
図11に示す如く、第1ケース75の上面側を覆う傘形状の上面カバー体156を備える。浄化出口管82の外周面に放射状にカバー支持ブラケット157を溶接固定する。カバー支持ブラケット157に上面カバー体156を着脱可能にボルト158締結している。第1ケース75の上面に塵や藁屑などが堆積するのを、上面カバー体156にて防止するように構成している。なお、第1ケース75のうち出口側ケース77に、複数組の厚板状上端フランジ体86を介して出口側蓋体78を着脱可能に締結固定している。浄化出口管82の下端側に出口管フランジ体87を溶接固定し、出口側蓋体78を介して出口側ケース77に浄化出口管82を支持している。
【0039】
一方、
図6、
図7に示す如く、第1ケース75(排気ガス浄化装置74)の外側面のうちこの上端側に一対の吊下げ係合孔体134を設けている。一対の吊下げ係合孔体134は、厚板状上端フランジ体86の前端縁と後端縁を放射方向に突出させて、上端フランジ体86の前端部と後端部に一体的に形成されている。したがって、前記コンバインの組立工場などにおいて、例えばチェンブロックまたはホイストなどの荷役吊下げ装置のフックを吊下げ係合孔体134に係止させ、前記チェンブロックなどに吊下げ係合孔体134(上端フランジ体86)を介して第1ケース75を吊下げ、重い第1ケース75を運搬移動するように構成している。第1ケース75の組付けまたは取外し等の作業を簡単に実行でき、排気ガス浄化装置74の着脱作業性を向上できる。
【0040】
また、出口側ケース77の右側方向に放射状に突設する厚板状上端フランジ体86にセンサブラケット121をボルト締結して、第1ケース75上端側の右側部にセンサブラケット121を配置させる。電気配線コネクタを一体的に設けた差圧センサ122が、第1ケース75から横向きに突設させたセンサブラケット121の平坦な上面に取付けられる。なお、差圧センサ122には、図示しない上流側センサ配管123と下流側センサ配管124の一端側がそれぞれ接続される。第1ケース75内のスートフィルタ80を挟むように、第1ケース75に配置された上流側と下流側の各センサ配管ボス体125,126に、上流側と下流側の前記各センサ配管123,124の他端側がそれぞれ接続される。
【0041】
上記の構成により、スートフィルタ80の流入側の排気ガス圧力と、スートフィルタ80の流出側の排気ガス圧力の差(排気ガスの差圧)が、差圧センサ122を介して検出される。スートフィルタ80に捕集された排気ガス中の粒子状物質の残留量が排気ガスの差圧に比例するから、スートフィルタ80に残留する粒子状物質の量が所定以上に増加したときに、差圧センサ122の検出結果に基づき、スートフィルタ80の粒子状物質量を減少させる再生制御(例えば排気温度を上昇させる制御)が実行される。また、再生制御可能範囲以上に、粒子状物質の残留量がさらに増加したときには、第1ケース75を着脱分解して、スートフィルタ80を掃除し、粒子状物質を人為的に除去するメンテナンス作業が行われる。
【0042】
また、差圧センサ122の外側ケース部に電気配線コネクタを一体的に設けて電気配線すると共に、ディーゼル酸化触媒79の排気ガス取入れ側の排気温度を検出する上流側ガス温度センサ128と、ディーゼル酸化触媒79の排気ガス排出側の排気温度を検出する下流側ガス温度センサ130を備える。上流側ガス温度センサ128の電気配線コネクタ129と、下流側ガス温度センサ130の電気配線コネクタ131を、センサブラケット121に固着する。
【0043】
さらに、第1ケース75の上部に、センサブラケット121を介して、排気ガス用差圧センサ122と、排気温度センサ用コネクタとしての電気配線コネクタ129,131とが配置されている。差圧センサ122の電気配線コネクタと、上流側ガス温度センサ128の電気配線コネクタ129と、下流側ガス温度センサ130の電気配線コネクタ131の各接続方向を同一方向に向けた姿勢で、前記各コネクタ129,131を支持している。また、キャビン10背面に設置された空調用ファン115の空気排出部に対向して第1ケース75の上部が配置されている。したがって、空調用ファン115の排気によって、差圧センサ122または各コネクタ129,131の配線などを冷却できる。
【0044】
一方、
図1、
図7、
図9〜
図11に示す如く、排出オーガ8を支持する縦取出しコンベヤ8aに穀物タンク7の後部を支持し、取出しコンベヤ8a回りに穀物タンク7の前側を水平回動させ、機外側方に向けて穀物タンク7を移動可能に設けている。また、穀物タンク7に対向する第1ケース75の後面側に複数のカバー支持台136を溶接固定し、各カバー支持台136に後面カバー体137を着脱可能にボルト138締結している。即ち、エンジンルーム97(エンジンルームフレーム91)と穀物タンク7の間に第1ケース75を配置し、穀物タンク7と第1ケース75の間に後面カバー体137を配置している。機外側方に向けて穀物タンク7を移動させて、エンジンルーム97後方側を開放してメンテナンス作業などを行うときに、作業者が第1ケース75に接触するのを、後面カバー体137にて防止するように構成している。
【0045】
次いで、
図1〜
図4、
図11、
図13〜
図16に示す如く、前記ディーゼルエンジン1の各気筒から排出された排気ガスを浄化するための排気ガス浄化装置74として、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の粒子状物質を除去するディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)としての第1ケース75と、ディーゼルエンジン1の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する尿素選択触媒還元(SCR)システムとしての第2ケース229を備える。第1ケース75には、酸化触媒79、スートフィルタ80が内設される。第2ケース229には、尿素選択触媒還元用のSCR触媒232、酸化触媒233が内設される。
【0046】
ディーゼルエンジン14の各気筒から排気マニホールド6に排出された排気ガスは、排気ガス浄化装置74等を経由して、外部に放出される。排気ガス浄化装置74によって、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や、炭化水素(HC)や、粒子状物質(PM)や、窒素酸化物質(NOx)を低減するように構成している。
【0047】
第1ケース75は、縦方向に長く延びた縦長の長尺円筒形状に構成する一方、第2ケース229は、前後方向に長く延びた横長の長尺円筒形状に構成し、第2ケース229の両側(排気ガス移動方向一端側と同他端側)には、排気ガスを取入れるSCR入口管236と、排気ガスを排出するSCR出口管237を設けている。
【0048】
上記したように、ディーゼルエンジン14の排気ガスを第1ケース75内に導入する一方、尿素混合管239を介して、浄化出口管82にSCR入口管236を接続させ、第1ケース75の排気ガスを第2ケース229内に導入するように構成している。加えて、浄化出口管82と、尿素混合管239は、折曲げ及び伸縮可能な蛇腹状連結パイプ241に接続されている。なお、尿素混合管239内に供給される尿素水が、第1ケース75から第2ケース229に至る排気ガス中にアンモニアとして混合されるように構成している。
【0049】
図13、
図14に示すように、ディーゼルエンジン14の側面のうち、シリンダヘッド222右側面に吸気マニホールド223を設置する。吸気マニホールド223には、再循環用の排気ガスを取込む排気ガス再循環装置(EGR)215を配置する。図示しないエアクリーナが吸気マニホールド223に接続される。前記エアクリーナにて除塵・浄化された外部空気は、吸気マニホールド223に送られ、ディーゼルエンジン14の各気筒に供給されるように構成している。なお、ディーゼルエンジン14の側面のうち、シリンダヘッド222左側面に排気マニホールド216を設置している。
【0050】
上記の構成により、ディーゼルエンジン14から排気マニホールド216に排出された排気ガスの一部が、排気ガス再循環装置215を介して、吸気マニホールド223からディーゼルエンジン41の各気筒に還流されることによって、ディーゼルエンジン14の燃焼温度が下がり、ディーゼルエンジン14からの窒素酸化物(NOx)の排出量が低減され、かつディーゼルエンジン14の燃費が向上される。
【0051】
なお、シリンダブロック225内と図示しないラジエータとに冷却水を循環させる冷却水ポンプ217を備える。ディーゼルエンジン14の冷却ファン218設置側に冷却水ポンプ217を配置する。冷却水ポンプ217及び冷却ファン218を駆動して、冷却水ポンプ217から、排気ガス再循環装置215のEGRクーラ219を介して、シリンダブロック225内に冷却水を送込む一方、冷却ファン218風にてディーゼルエンジン14を冷却するように構成している。なお、ディーゼルエンジン14のエンジン出力軸にVベルトなどを介して冷却水ポンプ217及び冷却ファン218を連結している。
【0052】
図14に示す如く、ディーゼルエンジン14の多気筒分の各インジェクタ(図示省略)に、走行機体1に搭載された燃料タンク(図示省略)を接続する燃料ポンプ242とコモンレール243を備える。ディーゼルエンジン14の側面のうち、シリンダヘッド222右側面の吸気マニホールド223設置側の側面に、コモンレール243と燃料フィルタ244を配置し、吸気マニホールド223下方のシリンダブロック225に燃料ポンプ242を配置している。なお、前記各インジェクタは、電磁開閉制御型の燃料噴射バルブ(図示省略)を有する。
【0053】
燃料タンク内の燃料が燃料フィルタ244を介して燃料ポンプ242に吸込まれる一方、燃料ポンプ242の吐出側にコモンレール243が接続され、円筒状のコモンレール243がディーゼルエンジン14の各インジェクタにそれぞれ接続されている。なお、燃料ポンプ242からコモンレール243に圧送される燃料のうち余剰分は、前記燃料タンクに戻され、高圧の燃料がコモンレール243内に一時貯留され、コモンレール243内の高圧燃料がディーゼルエンジン14の各気筒(シリンダ)内部に供給される。
【0054】
上記の構成により、前記燃料タンクの燃料が燃料ポンプ242によってコモンレール243に圧送され、高圧の燃料がコモンレール243に蓄えられると共に、前記各インジェクタの燃料噴射バルブがそれぞれ開閉制御されることによって、コモンレール243内の高圧の燃料がディーゼルエンジン14の各気筒に噴射される。即ち、前記各インジェクタの燃料噴射バルブを電子制御することによって、燃料の噴射圧力、噴射時期、噴射期間(噴射量)を高精度にコントロールできる。したがって、ディーゼルエンジン14から排出される窒素酸化物(NOx)を低減できる。
【0055】
図4、
図11に示す如く、脱穀装置5の上面側に第2ケース229を支持させている。脱穀装置5上面の右側部に前後のケースブラケット226,227をボルト締結し、脱穀装置5上面(脱穀機筐右側上部の角隅の脱穀上面フレーム5a)に前後のケースブラケット226,227を立設させると共に、各ケースブラケット226,227の上端側に前後の第2ケース支持体230,231の下端側をボルト締結する。前後の第2ケース支持体230,231の上端側に第2ケース229を固着し、脱穀装置5の上面側に立設させるケースブラケット226,227と第2ケース支持体230,231とを介して、脱穀装置5上面に第2ケース229が支持されるように構成している。
【0056】
図4、
図11に示す如く、脱穀装置5の上面側にテールパイプ83を支持させている。脱穀装置5上面の右側部に前後のパイプブラケット246,247をボルト締結し、脱穀装置5上面(脱穀機筐右側上部の角隅の脱穀上面フレーム5a)に前後のパイプブラケット246,247を立設させると共に、各パイプブラケット246,247の上端側に前後のパイプ支持体248,249の下端側をボルト締結する。前後のパイプ支持体248,249の上端側にテールパイプ83の前後端部を固着し、脱穀装置5の上面側に立設させるパイプブラケット246,247とパイプ支持体248,249とを介して、脱穀装置5上面にテールパイプ83が支持されている。
【0057】
上記の構成により、第2ケース229にて淨化された排気ガスがテールパイプ83から脱穀装置5後部の上面側に向けて排出される。なお、小径側のSCR出口管237と大径側のテールパイプ83の接続部に隙間が形成されるもので、前記隙間からテールパイプ83内に外気を吸込ませ、SCR出口管237からの排気ガスに前記外気を混合して、排気温度が低下した排気ガスを、テールパイプ83から排出させるように構成している。
【0058】
上記の構成により、第1ケース75内の酸化触媒79及びスートフィルタ80にて、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の一酸化炭素(CO)や、炭化水素(HC)が低減される。次いで、尿素混合管239の内部で、ディーゼルエンジン14からの排気ガスに、尿素水噴射ノズル178からの尿素水が混合される。そして、第2ケース229内のSCR触媒232、酸化触媒233にて、尿素水がアンモニアとして混合された排気ガス中の窒素酸化物質(NOx)が低減され、テールパイプ83から機外に放出される。
【0059】
次いで、
図16を参照して、尿素混合管239部の構造を説明する。
図16に示す如く、尿素混合管239は、蛇腹状連結パイプ241に接続させるエルボ管部239aと、SCR入口管36に接続させる長尺な円筒状の直管部239bを有する。エルボ管部239aと直管部239bが接合する付近のエルボ管部239aに噴射台座179を溶接固定し、エルボ管部239a側から直管部239bの内孔に向けて尿素水噴射ノズル178を開口させる。
【0060】
また、
図16に示す如く、円筒状の直管部239bの円筒軸心線311(直管部239b内の排気ガス流れ方向)に対して、尿素水噴射ノズル178の尿素水噴射方向312を、エルボ管部239aの排気ガス下手側に所定傾斜角度313(約4度)だけ傾斜させる。即ち、直管部239bの内壁面314のうち、エルボ管部239aの湾曲内径側の内壁面314a側に向けて、尿素水噴射ノズル178から尿素水が噴射される。尿素水噴射ノズル178から噴射された尿素水は、エルボ管部239aから直管部239bに移動する排気ガスの排出圧力により、直管部239bの内壁面314のうち、エルボ管部239aの湾曲外径側の内壁面314b側に向けて拡散されて、排気ガス中にアンモニアとして混合される。
【0061】
なお、直管部39bの円筒軸心線311に対する尿素水噴射ノズル178の傾斜角度313(尿素水噴射方向312)は、エルボ管部239a及び直管部239bの内径、または標準作業(ディーゼルエンジン14の定格回転における運転)での排気ガスの流速などに基づき決定される。例えば、傾斜角度313が過大のときには、エルボ管部239aの湾曲内径側の内壁面314aに尿素水が付着して、湾曲内径側の内壁面314a部において尿素が結晶化し易い不具合がある。また、傾斜角度313が過小のときには、エルボ管部239aの湾曲外径側の内壁面314bに尿素水が付着して、湾曲外径側の内壁面314b部において尿素が結晶化し易い不具合がある。
【0062】
図4、
図6、
図11、
図13に示す如く、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の粒子状物質を除去する第1ケース75と、ディーゼルエンジン14の排気ガス中の窒素酸化物質を除去する第2ケース229を備える作業車両のエンジン装置において、ディーゼルエンジン14が内設されるエンジンルーム97の外側に第1ケース支持体を介して第1ケースを設け、エンジンルーム7に隣接した作業部としての脱穀装置5に第2ケース支持体230,231を介して第2ケース229を設けている。したがって、エンジンルーム97のフレームにて第1ケース75荷重を負担する一方、脱穀装置5の脱穀上面フレーム5aにて第2ケース229荷重を負担でき、エンジンルーム97または脱穀装置5にて第1ケース75と第2ケース229の支持荷重を分担して、第1ケース75と第2ケース229を高剛性に固着できる。上記のコンバインにおいて、穀物タンク7前面と運転キャビン10背面の間に第1ケース75を縦型にコンパクトに組付けることができると共に、穀物タンク7に隣接する脱穀装置5の一側上面に第2ケース229を簡単な支持構造にて組付けることができる。
【0063】
図4、
図6、
図11、
図13に示す如く、第1ケース75を縦型に支持する一方、第2ケース229を横型に支持するように構成している。したがって、第1ケース75を狭少スペース(例えば穀物タンク7前面と運転キャビン10背面の間)に簡単に設置できるものでありながら、第2ケース229と、該第2ケース229に接続するテールパイプ83などを、脱穀装置5の上面側(例えば穀物タンク7に隣接する脱穀装置5の一側上面)に容易に配置でき、第1ケース75または第2ケース229の組付け作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。また、縦型の第1ケース75と横型の第2ケース229をL形状の接続径路にて連結でき、そのL形状の接続径路を尿素混合管239にて簡単に形成でき、第2ケース229に至る排気ガス中に尿素水を噴出させるための尿素混合構造を容易に構成できる。
【0064】
図4、
図6、
図11、
図13に示す如く、第1ケース75の排気ガス出口に尿素混合管239を介して第2ケース229の排気ガス入口を接続すると共に、第2ケース229の排気ガス出口にテールパイプ83を接続する構造であって、尿素混合管239と第2ケース229とテールパイプ83を略一直線上に連結している。したがって、脱穀装置5の上面側で一側角隅部に沿わせて尿素混合管239と第2ケース229とテールパイプ83をコンパクトに配置できるものでありながら、尿素混合管239と第2ケース229とテールパイプ83の組付け作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。
【0065】
図4、
図6、
図11、
図13に示す如く、脱穀装置5に隣接させて穀物タンク7を配置し、穀物タンク7の前方に運転キャビン10を配置し、運転キャビン10の下方にディーゼルエンジン14を配置する構造であって、穀物タンク7前面と運転キャビン10背面の間に第1ケース75を縦型に設ける一方、穀物タンク7に隣接する脱穀装置5の一側上面に第2ケース229を横型に設けている。したがって、穀物タンク7前面と運転キャビン10背面間の狭少スペースに前記第1ケース75を簡単に設置できるものでありながら、第2ケース229と、該第2ケース229に接続するテールパイプ83などを、穀物タンク7に隣接する脱穀装置5の一側上面に沿わせてコンパクトに配置でき、第1ケース75または第2ケース229の組付け作業性またはメンテナンス作業性などを向上できる。