特許第6343143号(P6343143)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6343143蒸着装置、薄膜形成方法及び有機発光表示装置の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343143
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】蒸着装置、薄膜形成方法及び有機発光表示装置の製造方法
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/04 20060101AFI20180604BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20180604BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20180604BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180604BHJP
   H05B 33/10 20060101ALI20180604BHJP
   H05B 33/04 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   C23C16/04
   C23C16/44 J
   C23C16/509
   H05B33/14 A
   H05B33/10
   H05B33/04
【請求項の数】31
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2013-256988(P2013-256988)
(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公開番号】特開2014-118633(P2014-118633A)
(43)【公開日】2014年6月30日
【審査請求日】2016年12月8日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0144673
(32)【優先日】2012年12月12日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(74)【代理人】
【識別番号】110000981
【氏名又は名称】アイ・ピー・ディー国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】許 明洙
(72)【発明者】
【氏名】鄭 石源
(72)【発明者】
【氏名】李 正浩
(72)【発明者】
【氏名】洪 祥赫
(72)【発明者】
【氏名】李 勇錫
【審査官】 原 和秀
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許出願公開第2009/0258142(US,A1)
【文献】 特開平07−102372(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00−16/56
H05B 33/00−33/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板に対してマスクを利用して蒸着工程を進めるための蒸着装置であって、
チャンバと、
前記チャンバ内に配され、前記基板を上面に配するように形成され、垂直方向に貫通する第1ホールを、周辺部における互いに逆側の箇所にそれぞれ備える支持部と、
前記基板の側へと垂直上方に一つ以上の蒸着原料物質を供給する供給部と、
前記支持部の前記第1ホールをそれぞれ貫通するように配され、上端部により前記マスクを支持したまま運動して、前記マスクを前記基板に整列させる整列部材と、
を備え、
前記各整列部材が前記第1ホール内で3次元運動が可能であるように、
前記各整列部材の断面積は、前記第1ホールのサイズより小さく
前記整列部材は、前記マスクを支持したまま、前記マスクの上面と平行した方向への平面運動及び前記マスクの上面の垂直方向への直線運動を通じて、前記基板に対する前記マスクの整列作業を行う、蒸着装置。
【請求項2】
前記基板及び前記マスクの整列状態を確認する整列確認部材をさらに備え、
前記支持部は、第2ホールをさらに備え、
前記整列確認部材は、前記第2ホールを通じて、前記基板及び前記マスクの整列状態を確認することを特徴とする、請求項1に記載の蒸着装置。
【請求項3】
前記整列確認部材は、前記基板及び前記マスクのそれぞれに備えられた整列マークを確認して、前記基板及び前記マスクの整列状態を確認することを特徴とする、請求項2に記載の蒸着装置。
【請求項4】
前記第2ホールは、前記第1ホールに比べて、前記支持部の中央領域のさらに近くに形成されることを特徴とする、請求項2または3に記載の蒸着装置。
【請求項5】
前記整列確認部材は、前記支持部に比べて、前記供給部からさらに遠く離隔して配されることを特徴とする、請求項2〜4のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項6】
前記整列確認部材は、前記支持部を基準として前記支持部の下部に配され、
前記供給部は、前記支持部の上部に配されることを特徴とする、請求項2〜5のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項7】
前記チャンバは、前記第2ホールに対応する透過窓を備え、
前記整列確認部材は、前記透過窓を通じて、前記基板及び前記マスクの整列状態を確認することを特徴とする、請求項2〜6のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項8】
前記基板を支持するように配され、昇降運動を通じて、前記基板を前記支持部に配するリフトピンをさらに備え、
前記支持部は、第3ホールをさらに備え、
前記リフトピンは、前記第3ホールを貫通するように配されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項9】
前記第3ホールは、前記第1ホールに比べて、前記支持部の中央領域のさらに近くに形成されることを特徴とする、請求項に記載の蒸着装置。
【請求項10】
前記支持部が矩形状であり、前記第1ホール、前記第2ホール及び前記第3ホールが、前記支持部がなす矩形状の隅角部に配置されることを特徴とする請求項8または9に記載の蒸着装置。
【請求項11】
前記第1ホール、前記第2ホール及び前記第3ホールが、前記支持部がなす矩形状の四隅に配置されることを特徴とする請求項10に記載の蒸着装置。
【請求項12】
前記支持部の上面は、屈曲した形態を有することを特徴とする、請求項1〜11のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項13】
前記支持部の上面の領域のうち中央領域は、端部より突出して形成されることを特徴とする、請求項12に記載の蒸着装置。
【請求項14】
前記支持部の下面は、前記上面に対応するように屈曲した形態を有することを特徴とする、請求項12または13に記載の蒸着装置。
【請求項15】
前記支持部の下面は、平坦面を有することを特徴とする、請求項12または13に記載の蒸着装置。
【請求項16】
前記供給部を支持し、前記供給部に比べて、前記支持部からさらに遠く離隔して配されたベースプレートをさらに備えることを特徴とする、請求項1〜15のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項17】
前記供給部と前記支持部との間にプラズマを発生させるように、電圧を印加する電源部をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜16のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項18】
前記チャンバ内を洗浄するようにプラズマを発生させて、チャンバ内に注入する洗浄部をさらに備えることを特徴とする、請求項1〜17のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項19】
前記支持部は、昇降運動を行うように形成されることを特徴とする、請求項1〜18のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項20】
前記チャンバは、側面に前記基板及び前記マスクの出入りのための少なくとも一つの出入口を備えることを特徴とする、請求項1〜19のいずれか1項に記載の蒸着装置。
【請求項21】
蒸着装置を利用して基板に薄膜を形成する方法であって、
チャンバ内に前記基板を投入するステップと、
垂直方向に貫通する第1ホールを、周辺部における互いに逆側の箇所にそれぞれ備える支持部に前記基板を配するステップと、
前記支持部の前記第1ホールをそれぞれ貫通するように配された整列部材により、その上端部でマスクを支持したまま、前記マスクを前記基板に整列させるステップと、
供給部から前記基板方向に薄膜を形成するための一つ以上の蒸着原料物質を供給するステップと、
前記基板に薄膜を形成するステップと、
を含み、
前記各整列部材が前記第1ホール内で3次元運動が可能であるように、
前記各整列部材の断面積は、前記第1ホールのサイズより小さく
前記整列部材は、前記マスクを支持したまま、前記マスクの上面と平行した方向への平面運動及び前記マスクの上面の垂直方向への直線運動を通じて、前記基板に対する前記マスクの整列作業を行う薄膜形成方法。
【請求項22】
前記マスクを前記基板に整列させるステップは、
前記支持部に備えられた第2ホールを通じて、整列確認部材を利用して、前記基板及び前記マスクの整列状態をリアルタイムで確認するステップを含むことを特徴とする、請求項21に記載の薄膜形成方法。
【請求項23】
前記整列確認部材を利用して、前記マスク及び前記基板のそれぞれの整列マークを確認するステップを含むことを特徴とする、請求項22に記載の薄膜形成方法。
【請求項24】
前記支持部に前記基板を配するステップは、
前記支持部の第3ホールを貫通するように配されたリフトピンが、前記基板を支持したまま、前記支持部方向に下降するステップを含むことを特徴とする、請求項21〜23のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【請求項25】
前記マスクを前記基板に整列させるステップの後に、前記支持部が昇降運動して、前記基板と前記供給部との間隔を制御するステップを含むことを特徴とする、請求項21〜24のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【請求項26】
前記薄膜を形成するステップの後に、
前記チャンバに連結された洗浄部からリモートプラズマを発生させ、前記チャンバ内に注入して前記チャンバを洗浄するステップを含むことを特徴とする、請求項21〜25のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【請求項27】
蒸着装置を利用して有機発光表示装置を製造する方法であって、
チャンバ内に前記有機発光表示装置を形成するための基板を投入する工程と、
垂直方向に貫通する第1ホールを、周辺部における互いに逆側の箇所にそれぞれ備える支持部に前記基板を配する工程と、
前記支持部の前記第1ホールをそれぞれ貫通するように配された整列部材により、その上端部でマスクを支持したまま、前記マスクを前記基板に整列させる工程と、
供給部から前記基板方向に薄膜を形成するための一つ以上の蒸着原料物質を供給する工程と、
を含み、
前記各整列部材が前記第1ホール内で3次元運動が可能であるように、
前記各整列部材の断面積は、前記第1ホールのサイズより小さく
前記整列部材は、前記マスクを支持したまま、前記マスクの上面と平行した方向への平面運動及び前記マスクの上面の垂直方向への直線運動を通じて、前記基板に対する前記マスクの整列作業を行う有機発光表示装置の製造方法。
【請求項28】
前記マスクを前記基板に整列させる工程は、
前記支持部に備えられた第2ホールを通じて、整列確認部材を利用して前記基板及び前記マスクの整列状態をリアルタイムで確認する工程を含むことを特徴とする、請求項27に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項29】
前記蒸着原料物質を供給する工程の後に、前記基板に薄膜を形成する工程をさらに含み、
前記有機発光表示装置は、前記基板上に、第1電極、有機発光層を備える中間層、第2電極及び封止層を備え、
前記薄膜を形成する工程は、前記封止層を形成することを特徴とする、請求項27または28に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項30】
前記蒸着原料物質を供給する工程の後に、前記基板に薄膜を形成する工程をさらに含み、
前記薄膜を形成する工程は、絶縁膜を形成することを特徴とする、請求項27〜29のいずれか1項に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【請求項31】
前記蒸着原料物質を供給する工程の後に、前記基板に薄膜を形成する工程をさらに含み、
前記薄膜を形成する工程は、導電膜を形成することを特徴とする、請求項27〜30のいずれか1項に記載の有機発光表示装置の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸着装置、薄膜形成方法及び有機発光表示装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体素子、表示装置及びその他の電子素子は、複数の薄膜を備える。このような複数の薄膜を形成する方法は多様であるが、その中で蒸着法は一つの方法である。
【0003】
蒸着法は、薄膜を形成する多様な原料を使用するが、例えば、一つ以上の気体を使用する。このような蒸着方法は、化学気相蒸着(CVD:Chemical Vapor Deposition)、原子層蒸着(ALD:Atomic Layer Deposition)、その他の多様な方法がある。
【0004】
一方、表示装置のうち、有機発光表示装置は、視野角が広く、コントラストに優れるだけでなく、応答速度が速いという長所があって、次世代ディスプレイ装置として注目されている。
【0005】
有機発光表示装置は、互いに対向する第1電極と第2電極との間に、有機発光層を備える中間層を備え、それ以外に、一つ以上の多様な薄膜を備える。この時、有機発光表示装置の薄膜を形成するために、蒸着工程を利用してもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、有機発光表示装置が大型化され、高解像度を要求するにつれて、大面積の薄膜を所望する特性によって、蒸着が容易でない。また、このような薄膜を形成する工程の効率性の向上には限界がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、蒸着工程を効率的に進め、蒸着膜特性を容易に向上させることが可能な、新規かつ改良された蒸着装置、薄膜形成方法及び有機発光表示装置の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、基板に対してマスクを利用して蒸着工程を進めるための蒸着装置であって、チャンバと、前記チャンバ内に配され、前記基板を配するように形成され、第1ホールを備える支持部と、前記基板方向に一つ以上の蒸着原料物質を供給する供給部と、前記支持部の前記第1ホールを貫通するように配され、前記マスクを支持したまま運動して、前記マスクを前記基板に整列させる整列部材と、を備える蒸着装置が提供される。
【0009】
前記基板及び前記マスクの整列状態を確認する整列確認部材をさらに備え、前記支持部は、第2ホールをさらに備え、前記整列確認部材は、前記第2ホールを通じて、前記基板及び前記マスクの整列状態を確認してもよい。
【0010】
前記整列確認部材は、前記基板及び前記マスクのそれぞれに備えられた整列マークを確認して、前記基板及び前記マスクの整列状態を確認してもよい。
【0011】
前記第2ホールは、前記第1ホールに比べて、前記支持部の中央領域のさらに近くに形成されてもよい。
【0012】
前記整列確認部材は、前記支持部に比べて、前記供給部からさらに遠く離隔して配されてもよい。
【0013】
前記整列確認部材は、前記支持部を基準として前記支持部の下部に配され、前記供給部は、前記支持部の上部に配されてもよい。
【0014】
前記チャンバは、前記第2ホールに対応する透過窓(ウィンドウ)を備え、前記整列確認部材は、前記透過窓(ウィンドウ)を通じて、前記基板及び前記マスクの整列状態を確認してもよい。
【0015】
前記整列部材が前記第1ホール内で3次元運動が可能であるように、前記整列部材の断面積は、前記第1ホールのサイズより小さくてもよい。
【0016】
前記整列部材は、前記マスクを支持したまま、前記マスクの上面と平行した方向への平面運動及び前記マスクの上面の垂直方向への直線運動を通じて、前記基板に対する前記マスクの整列作業を行ってもよい。
【0017】
前記支持部の上面は、屈曲した形態を有してもよい。
【0018】
前記支持部の上面の領域のうち中央領域は、端部より突出して形成されてもよい。
【0019】
前記支持部の下面は、前記上面に対応するように屈曲した形態を有してもよい。
【0020】
前記支持部の下面は、平坦面を有してもよい。
【0021】
前記基板を支持するように配され、昇降運動を通じて、前記基板を前記支持部に配するリフトピンをさらに備え、前記支持部は、第3ホールをさらに備え、前記リフトピンは、前記第3ホールを貫通するように配されてもよい。
【0022】
前記第3ホールは、前記第1ホールに比べて、前記支持部の中央領域のさらに近くに形成されてもよい。
【0023】
前記供給部を支持し、前記供給部に比べて、前記支持部からさらに遠く離隔して配されたベースプレートをさらに備えてもよい。
【0024】
前記供給部と前記支持部との間にプラズマを発生させるように、電圧を印加する電源部をさらに備えてもよい。
【0025】
前記チャンバ内を洗浄するようにプラズマを発生させて、チャンバ内に注入する洗浄部をさらに備えてもよい。
【0026】
前記支持部は、昇降運動を行うように形成されてもよい。
【0027】
前記チャンバは、側面に前記基板及び前記マスクの出入りのための少なくとも一つの出入口を備えてもよい。
【0028】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、蒸着装置を利用して基板に薄膜を形成する方法であって、チャンバ内に前記基板を投入するステップと、第1ホールを備える支持部に前記基板を配するステップと、前記支持部の前記第1ホールを貫通するように配された整列部材でマスクを支持したまま、前記マスクを前記基板に整列させるステップと、供給部から前記基板方向に薄膜を形成するための一つ以上の蒸着原料物質を供給するステップと、前記基板に薄膜を形成するステップと、を含む薄膜形成方法が提供される。
【0029】
前記マスクを前記基板に整列させるステップは、前記支持部に備えられた第2ホールを通じて、整列確認部材を利用して、前記基板及び前記マスクの整列状態をリアルタイムで確認するステップを含んでもよい。
【0030】
前記整列確認部材を利用して、前記マスク及び前記基板のそれぞれの整列マークを確認するステップを含んでもよい。
【0031】
前記支持部に前記基板を配するステップは、前記支持部の第3ホールを貫通するように配されたリフトピンが、前記基板を支持したまま、前記支持部方向に下降するステップを含んでもよい。
【0032】
前記マスクを前記基板に整列させるステップの後に、前記支持部が昇降運動して、前記基板と前記供給部との間隔を制御するステップを含んでもよい。
【0033】
前記薄膜を形成するステップの後に、前記チャンバに連結された洗浄部からリモートプラズマを発生させ、前記チャンバ内に注入して前記チャンバを洗浄するステップを含んでもよい。
【0034】
また、上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、蒸着装置を利用して有機発光表示装置を製造する方法であって、チャンバ内に前記有機発光表示装置を形成するための基板を投入する工程と、第1ホールを備える支持部に前記基板を配する工程と、前記支持部の前記第1ホールを貫通するように配された整列部材でマスクを支持したまま、前記マスクを前記基板に整列させる工程と、供給部から前記基板方向に薄膜を形成するための一つ以上の蒸着原料物質を供給する工程と、を含む有機発光表示装置の製造方法が提供される。
【0035】
前記マスクを前記基板に整列させる工程は、前記支持部に備えられた第2ホールを通じて、整列確認部材を利用して前記基板及び前記マスクの整列状態をリアルタイムで確認する工程を含んでもよい。
【0036】
前記蒸着原料物質を供給する工程の後に、前記基板に薄膜を形成する工程をさらに含み、前記有機発光表示装置は、前記基板上に、第1電極、有機発光層を備える中間層、第2電極及び封止層を備え、前記薄膜を形成する工程は、前記封止層を形成してもよい。
【0037】
前記蒸着原料物質を供給する工程の後に、前記基板に薄膜を形成する工程をさらに含み、前記薄膜を形成する工程は、絶縁膜を形成してもよい。
【0038】
前記蒸着原料物質を供給する工程の後に、前記基板に薄膜を形成する工程をさらに含み、前記薄膜を形成する工程は、導電膜を形成してもよい。
【発明の効果】
【0039】
以上説明したように本発明によれば、蒸着工程を効率的に進められ、蒸着膜特性を容易に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0040】
図1】本発明の一実施形態に関する蒸着装置を概略的に示した図面である。
図2図1の蒸着装置の整列部材を利用して、マスク及び基板の整列状態を示す図面である。
図3図1のRの拡大図である。
図4図1の支持部を具体的に示す平面図である。
図5図4の支持部の第1ホールを具体的に示す平面図である。
図6A図1の支持部を具体的に示す断面図である。
図6B図1の支持部の他の変形例を示す図面である。
図6C図1の支持部の他の変形例を示す図面である。
図7】本発明の他の実施形態に関する蒸着装置を概略的に示す図面である。
図8図7のRの拡大図である。
図9図7の支持部を具体的に示す平面図である。
図10】本発明の蒸着装置を利用して製造された有機発光表示装置を概略的に示す断面図である。
図11図10のFの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0041】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0042】
図1は、本発明の一実施形態に関する蒸着装置を概略的に示した図面であり、図2は、図1の蒸着装置の整列部材を利用して、マスク及び基板の整列状態を示した図面である。
【0043】
図1及び図2を参照して説明すると、蒸着装置100は、チャンバ101、支持部110、供給部120、整列部材140及び整列確認部材150を備える。
【0044】
チャンバ101は、蒸着工程の大気圧を制御するように、ポンプ(図示せず)に連結され、基板S、支持部110及び供給部120を収容及び保護する。また、チャンバ101は、基板Sまたはマスク130の出入りのための一つ以上の出入口101aを備える。
【0045】
支持部110上には、蒸着工程が進められる基板Sが配される。支持部110は、基板Sに対する蒸着工程が進められる間に、基板Sが動いたり揺れたりしないようにする。そのために、支持部110は、クランプ(図示せず)を備える。また、支持部110と基板Sとの吸着のために、支持部110は、一つ以上の吸着ホール(図示せず)を備えてもよい。支持部110は、第1ホール111及び第2ホール112を備えるが、それらについての具体的な内容は、後述する。
【0046】
整列部材140は、支持部110の第1ホール111を貫通するように配される。整列部材140は、マスク130の下面を支持したまま、移動可能に形成される。具体的には、整列部材140は、図2に示したように、Z軸方向に移動可能である。また、図1及び図2のX軸及びそれに垂直方向に移動可能である(具体的な内容は、後述する)。
【0047】
整列部材140は、少なくとも基板Sと重畳されず、基板Sを外れて配される。
【0048】
マスク130は、基板Sに形成される蒸着パターンに対応する開口部(図示せず)を有する。また、マスク130は、オープンマスクでもある。蒸着工程中には、マスク130及び基板Sは、図2に示したように、最大限近接して配されることが望ましい。
【0049】
供給部120は、基板Sと対向して配され、基板Sに蒸着工程を進めるように、一つ以上の原料、すなわち、蒸着原料を基板S方向に供給する。すなわち、供給部120は、支持部110の上部に配される。供給部120の具体的な例として、供給部120は、一つ以上の気体を基板S方向に供給するシャワーヘッド形態を有する。
【0050】
また、供給部120から基板S方向に供給された気体状態の原料を、プラズマ状態に変化させるように、供給部120と支持部110との間に電圧を印加する。すなわち、蒸着装置100は、PECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置である。
【0051】
電圧印加方法の具体的な例として、供給部120及び支持部110にそれぞれ電圧を印加する。しかし、本発明は、これに限定されず、供給部120と支持部110との間にプラズマを発生させるように、別途の電極(図示せず)を蒸着装置100に配する。
【0052】
供給部120は、そのサイズが制限されない。すなわち、供給部120は、基板Sより大きい領域を有するように形成される。それにより、基板S全体に均一な蒸着膜の形成が可能である。
【0053】
図3は、図1のRの拡大図であり、図4は、図1の支持部を具体的に示した平面図であり、図5は、図4の支持部の第1ホールを具体的に示した平面図である。
【0054】
図3図5を参照すれば、支持部110は、第1ホール111及び第2ホール112を備える。
【0055】
第1ホール111を貫通するように、整列部材140が配される。すなわち、第1ホール111の個数は、整列部材140の個数に対応する。例えば、図4に示したように、第1ホール111は、支持部110の四つのコーナーに隣接して配され、図示していないが、整列部材140も、四つの第1ホール111を貫通して配される。すなわち、整列部材140の個数と第1ホール111の個数は、同一である。
【0056】
また、第1ホール111は、少なくとも整列部材140の断面より大きく形成される。それにより、整列部材140は、第1ホール111を通じて移動可能である。すなわち、前述した図2のように、整列部材140が第1ホール111を通じて垂直上下(図2のZ軸方向)運動が可能であり、図5に示したように、第1ホール111を通じて整列部材140のXY平面上の運動が可能である。
【0057】
図5に示したように、整列部材140は、X軸方向、すなわち、図5の矢印X1及びX2方向に移動可能であり、Y軸方向、すなわち、図5の矢印Y1及びY2方向に運動可能である。
【0058】
整列部材140は、マスク130の下面と接触しながら、マスク130を支持する。整列部材140は、マスク130を支持したまま、X、Y及びZ軸方向、すなわち、3次元運動が可能である。整列部材140のかような運動を通じて、整列部材140によって支持されるマスク130も、X、Y及びZ軸方向に運動可能である。
【0059】
第2ホール112は、基板Sに対応して配される。第2ホール112は、第1ホール111に比べて、支持部110の中央領域のさらに近くに配される。
【0060】
第2ホール112に対応するように、チャンバ101の下部には、整列確認部材150が配される。また、整列確認部材150は、支持部110から外れないように配される。それにより、整列確認部材150が供給部120から噴射された原料によって汚染されることを防止して、整列確認部材150の精密な確認性能を維持する。
【0061】
整列確認部材150は、支持部110の第2ホール112を通じて、基板S及びマスク130の整列状態を確認する。整列確認部材150は、例えば、カメラ形態である。整列確認部材150の確認が容易であるように、チャンバ101の下部領域のうち、第2ホール112に対応する領域は、透過窓(ウィンドウ)101bが形成される。
【0062】
また、図示していないが、基板S及びマスク130には、それぞれ整列マーク(図示せず)が形成され、整列確認部材150は、このような基板S及びマスク130のそれぞれの整列マークを確認することによって、基板S及びマスク130の整列確認状態を確認する。
【0063】
本実施形態の蒸着装置100の作動について簡略に説明する。
【0064】
蒸着装置100のチャンバ101内に基板Sが投入されて、支持部110に配される。また、マスク130がチャンバ101内に投入されて、整列部材140上に配され、整列部材140によって支持される。
【0065】
整列部材140は、基板Sと平行した平面上の運動を行いながら、マスク130を基板Sに整列する。すなわち、整列部材140は、支持部110の第1ホール111内でX軸方向及びY軸方向に運動しながら、整列作業を行う。この時、整列確認部材150は、リアルタイムでマスク130の整列マーク(図示せず)と基板Sの整列マーク(図示せず)とを確認する。それにより、整列部材140は、容易にマスク130を基板Sに整列する。
【0066】
このようなXY平面上の整列作業を行った後に、整列部材140は、Z軸方向に運動する。すなわち、図2に示したように、整列部材140は、基板S方向に下降して、マスク130と基板Sを最大限近接させる。
【0067】
このような整列作業後、供給部120で所望の原料を供給して、基板Sに所望のパターンの蒸着膜を容易に形成する。
【0068】
図6Aは、図1の支持部を具体的に示した断面図であり、図6B及び図6Cは、図1の支持部の他の変形例を示した図面である。説明の便宜上、他の部材は、省略し、支持部110、110’、110”、基板S及びマスク130だけを示した。
【0069】
図6Aに示したように、支持部110は、平坦な上面を備える。支持部110の平坦な上面に、基板S及びマスク130が配される。
【0070】
また、他の例として、図6Bに示したように、支持部110’は、屈曲した上面を有する。具体的に、支持部110’の上面の領域のうち中央領域は、端部に比べて、突出している。また、支持部110’の下面の領域は、上面に対応して屈曲している。このような支持部110’の屈曲を通じて、基板Sが支持部110’に配される時、基板Sも、支持部110’の上面に対応する屈曲を有し、これを通じて、基板Sと支持部110’が効果的に密着する。基板Sと支持部110’が密着して、基板Sの下面及び支持部110’の上面が、供給部120から噴出した原料によって汚染されることを効果的に防止する。また、基板Sと同様に、基板Sに対応してマスク130も屈曲して、基板Sとマスク130を効果的に密着させて、基板Sに所望のパターンで精密な蒸着膜を形成する。
【0071】
屈曲の程度は、多様に定められるが、支持部110’の上面の中央領域の最も突出した領域の延長線と支持部110’の上面の端領域との間隔は、1mm以下とする。すなわち、支持部110’の上面が過度に屈曲すれば、基板Sも、それに対応して過度に屈曲し、それにより、蒸着工程の進行時、基板Sに形成される蒸着膜の特性が低下する。特に、基板Sに無機蒸着膜を形成する場合、蒸着膜にクラックなどの不良が発生する恐れがあるので、前記のように、屈曲の程度を制御する。
【0072】
また、図6Bに示したように、支持部110’全体が屈曲するように形成せず、図6Cに示したように、支持部110”の上面は、屈曲するように形成され、下面は、平坦面を有する。それにより、支持部110”のチャンバ内での安定した配置が容易に具現できる。
【0073】
本実施形態の蒸着装置100は、基板Sが支持部110の上面に配され、基板Sと対向するように、支持部110の上部には、供給部120が配される。また、所望のパターンで蒸着膜を形成するように、基板Sの上部には、マスク130を配するが、この時、整列部材140を利用して、マスク130を容易に基板Sと整列する。特に、支持部110の第1ホール111を貫通するように、整列部材140を配置して、供給部120の影響を受けずにマスク130及び基板Sを整列する。特に、支持部110の下部に整列確認部材150を配し、整列確認部材150が、支持部110の第2ホール112を通じて基板S及びマスク130の整列状態をリアルタイムで確認しながら整列作業を進めるので、基板S及びマスク130の整列作業が効率的に行われる。
【0074】
特に、整列確認部材150を、支持部110を基準として、供給部120と逆方向に配する。すなわち、供給部120は、支持部110の上部に、整列確認部材150は、支持部110の下部に配して、整列確認部材150が供給部120から噴出される蒸着原料からの汚染を防止する。
【0075】
また、選択的な実施形態として、上面が屈曲した支持部110’,110”を有する場合、基板Sとマスク130の密着を容易にさせて、基板Sに形成される蒸着膜の精密なパターン形成が可能である。
【0076】
図7は、本発明の他の実施形態に関する蒸着装置を概略的に示した図面であり、図8は、図7のRの拡大図であり、図9は、図7の支持部を具体的に示した平面図である。
【0077】
図7図9を参照すれば、蒸着装置200は、チャンバ201、支持部210、供給部220、整列部材240、整列確認部材250、電源部275、リフトピン260、ベースプレート225及び洗浄部290を備える。
【0078】
チャンバ201は、蒸着工程の大気圧を制御するように、ポンプ(図示せず)に連結され、基板S、支持部210及び供給部220を収容及び保護する。また、チャンバ201は、基板Sまたはマスク230の出入りのための一つ以上の出入口201aを備える。
【0079】
支持部210上には、蒸着工程が進められる基板Sが配される。具体的に、基板Sがチャンバ201の出入口201aを通じてチャンバ201内に流入すれば、リフトピン260に配される。リフトピン260は、上下動、すなわち、図7のZ軸方向への運動が可能であるので、基板Sが配されたまま支持部210の方向に下降して、基板Sを支持部210に配する。リフトピン260は、支持部210の第3ホール213を貫通するように配される。リフトピン260は、第3ホール213を貫通しながら垂直上下動を行う。
【0080】
支持部210は、基板Sに対する蒸着工程が進められる間、基板Sが動いたり揺れたりしないようにする。そのために、支持部210は、クランプ(図示せず)を備える。また、支持部210と基板Sとの吸着のために、支持部210は、吸着ホール(図示せず)を備えてもよい。支持部210は、第1ホール211、第2ホール212及び第3ホール213を備える。また、支持部210は、垂直上下動をするように形成される。すなわち、支持部210は、図7に示したように、Z1及びZ2方向に運動する。それにより、基板Sが支持部210に配された後、基板Sと供給部220との空間を調節して、蒸着条件、特にプラズマ発生条件を多様に設定する。
【0081】
整列部材240は、支持部210の第1ホール211を貫通するように配される。整列部材240は、マスク230の下面を支持したまま移動自在に形成される。具体的に、整列部材240は、前述した実施形態と同様に、マスク230を支持したまま、X、Y及びZ軸方向に運動が可能である。整列部材240は、少なくとも基板Sと重畳されず、基板Sを外れるように配される。
【0082】
マスク230は、マスク本体231及びマスクフレーム232を備える。マスク本体231は、基板Sに形成される蒸着パターンに対応する開口部(図示せず)を有する。この時、マスク本体231は、複数のパターニングされた開口部を有する。さらに他の例として、マスク230は、オープンマスクタイプであるが、具体的には、マスク本体231が別途のパターンなしに延びた形態の一つの開口部を有する。蒸着工程中には、マスク230と基板Sは、最大限近接して配されることが望ましい。
【0083】
供給部220は、基板Sと対向して配されて、基板Sに蒸着工程を進めるように、一つ以上の原料を基板S方向に供給する。すなわち、供給部220は、支持部210の上部に配される。供給部220の具体的な例として、供給部220は、一つ以上の気体を基板S方向に供給するシャワーヘッド形態を有する。また、供給部220は、基板Sの全体面に均等に原料を供給するように形成されるが、ディフューザー形態を有する。
【0084】
ベースプレート225は、供給部220の上部に配される。すなわち、ベースプレート225は、供給部220に比べて、基板Sからさらに遠くに配される。ベースプレート225は、供給部220を支持する。
【0085】
また、供給部220から基板S方向に供給された気体状態の原料をプラズマ状態に変化させるように、供給部220と支持部210との間に電圧を印加する。具体的な例として、供給部220及び支持部210にそれぞれ電圧を印加する。他の選択的な例として、ベースプレート225に電圧を印加する。また、電圧印加時、片側には、グラウンド電圧を印加する。
【0086】
このように、供給部220から基板S方向に供給された気体状態の原料を、プラズマ状態に変化させるように、電圧を提供する電源部275が配される。電源部275は、多様な形態の電圧を提供するが、RF電圧を提供する。電源部275は、チャンバ201の外部に配される。
【0087】
しかし、本発明は、これに限定されず、供給部220と支持部210との間にプラズマを発生させるように、別途の電極(図示せず)を蒸着装置200に配する。
【0088】
供給部220は、そのサイズが制限されない。すなわち、供給部220は、基板Sより大きい領域を有するように形成される。それにより、基板S全体に均一な蒸着膜の形成が可能である。
【0089】
洗浄部290は、チャンバ201と連結されるように配される。洗浄部290は、蒸着工程を行うにつれて、チャンバ201が汚染される場合、チャンバ201を洗浄する。洗浄部290は、チャンバ201を洗浄するように、リモートプラズマを発生させて、チャンバ201内に供給する。例えば、洗浄部290は、NF気体を供給されて、これをプラズマ状態に変化させて、チャンバ201内に注入して、チャンバ201の内壁に形成された層と接触させて、チャンバ201の内壁を洗浄する。
【0090】
整列部材240、支持部210について、さらに具体的に説明する。
【0091】
支持部210の第1ホール211を貫通するように、整列部材240が配される。すなわち、第1ホール211の個数は、整列部材240の個数に対応する。例えば、第1ホール211は、図9に示したように、支持部210の四つのコーナーに隣接するように配されるが、図示していないが、整列部材240も、四つの第1ホール211を貫通するように配される。
【0092】
また、第1ホール211は、少なくとも整列部材240の断面より大きく形成される。それにより、整列部材240は、第1ホール211を通じて移動可能である。
【0093】
整列部材240は、マスク230の下面と接触しながら、マスク230を支持する。整列部材240は、マスク230を支持したまま、X、Y及びZ軸方向、すなわち、3次元運動が可能である。整列部材240のこのような運動を通じて、整列部材240によって支持されるマスク230も、X、Y及びZ軸方向に運動が可能である。
【0094】
第2ホール212は、基板Sと対応するように配される。第2ホール212は、第1ホール211に比べて、支持部210の中央領域のさらに近くに配される。
【0095】
第2ホール212に対応するように、チャンバ201の下部には、整列確認部材250が配される。また、整列確認部材250は、支持部210から外れないように配される。それにより、整列確認部材250が供給部220から噴射された原料によって汚染されることを防止して、整列確認部材250の精密な確認性能を維持する。
【0096】
整列確認部材250は、支持部210の第2ホール212を通じて、基板S及びマスク230の整列状態を確認する。整列確認部材250は、例えば、カメラ形態である。整列確認部材250の確認が容易であるように、チャンバ201の下部領域のうち、第2ホール212に対応する領域は、透過窓(ウィンドウ)(図示せず)が形成される。
【0097】
また、図示していないが、基板S及びマスク230には、それぞれ整列マーク(図示せず)が形成され、整列確認部材250は、このような基板S及びマスク230の整列マークを確認することによって、基板S及びマスク230の整列確認状態を確認する。
【0098】
第3ホール213は、第1ホール211及び第2ホール212に比べて、支持部210の中央領域のさらに近くに形成される。リフトピン260は、第3ホール213を貫通するように配される。第3ホール213のサイズは、リフトピン260の断面より大きく形成され、リフトピン260は、第3ホール213を通じて容易に垂直上下動する。
【0099】
本実施形態の蒸着装置200の作動について、簡略に説明する。
【0100】
蒸着装置200のチャンバ201内に基板Sが投入されれば、支持部210の第3ホール213を貫通するように配されたリフトピン260によって支持される。リフトピン260は、基板Sを支持したまま、垂直運動、すなわち支持部210方向に下降して、基板Sを支持部210の上面に配する。このようなリフトピン260の運動のために、リフトピン260は、チャンバ201内に配され、図7及び図8に示したように、リフトピン260の所定領域が、チャンバ201を貫通するように配される。
【0101】
基板Sと同様に、マスク230がチャンバ201内に投入されて、整列部材240上に置かれ、整列部材240によって支持される。
【0102】
整列部材240は、基板Sと平行した平面上の運動を行いながら、マスク230を基板Sに整列する。すなわち、整列部材240は、支持部210の第1ホール211内で、X軸方向及びY軸方向に運動しながら、整列作業を行う。この時、整列確認部材250は、リアルタイムでマスク230の整列マーク(図示せず)と基板Sの整列マーク(図示せず)とを確認する。それにより、整列部材240は、容易にマスク230を基板Sに整列する。
【0103】
このようなXY平面上の整列作業を行った後に、整列部材240は、Z軸方向に、すなわち、支持部210方向に運動する。すなわち、整列部材240は、支持部210方向に下降して、マスク230と基板Sを最大限近接させる。
【0104】
このような整列作業後、供給部220で所望の原料を供給して、基板Sに所望のパターンの蒸着膜を容易に形成する。この時、原料供給の効率性の向上のために、支持部210の上下動を通じて、供給部220と基板Sとの間隔を調節する。
【0105】
前述したように、原料をプラズマに発生させて、蒸着工程を進めるが、図示していないが、本実施形態の支持部210も、前述した図6A図6Cに示したように、平坦な面を有し、逆に、屈曲した面を備える。
【0106】
本実施形態の蒸着装置200は、基板Sが支持部210の上面に配され、基板Sと対向するように、支持部210の上部には、供給部220が配される。また、所望のパターンで蒸着膜を形成するように、基板Sの上部には、マスク230を配するが、この時、整列部材240を利用して、マスク230を容易に基板Sと整列させる。特に、支持部210の第1ホール211を貫通するように、整列部材240を配して、供給部220の影響を受けずに、マスク230及び基板Sを整列する。特に、支持部210の下部に整列確認部材250を配し、整列確認部材250が、支持部210の第2ホール212を通じて、基板S及びマスク230の整列状態をリアルタイムで確認しながら整列作業を進めるので、基板S及びマスク230の整列作業が効率的に行われる。
【0107】
特に、整列確認部材250を、支持部210を基準として供給部220と逆方向に配する。すなわち、供給部220は、支持部210の上部に、整列確認部材250は、支持部210の下部に配して、整列確認部材250が供給部220から噴出される蒸着原料から汚染されることを防止する。
【0108】
また、基板Sを支持部210に配する時、支持部210の第3ホール213を貫通するように配したリフトピン260を利用して配するので、基板Sを支持部210上に、動いたり揺れたりせずに、所望の位置に配する。特に、第3ホール213を第1ホール211及び第2ホール212より支持部210の中央領域にさらに近く配して、マスク230の整列作業に影響を与えない。
【0109】
また、選択的な実施形態として、支持部210の上面が屈曲した形態を有する場合、基板Sとマスク230の密着を容易にして、基板Sに形成される蒸着膜の精密なパターン形成が可能である。
【0110】
図10は、本発明の蒸着装置を利用して製造された有機発光表示装置を概略的に示した断面図であり、図11は、図10のFの拡大図である。
【0111】
図10及び図11を参照すれば、有機発光表示装置(Organic Light Emitting Display Apparatus)10は、基板30上に形成される。基板30は、ガラス材、プラスチック材、または、金属材で形成される。
【0112】
基板30上には、基板30の上部に平坦面を提供し、基板30方向に水分及び異物が浸透することを防止するように、絶縁物を含むバッファ層31が形成されている。
【0113】
バッファ層31上には、薄膜トランジスタ(TFT:Thin Film Transistor)40、キャパシタ50、有機発光素子60が形成される。薄膜トランジスタ40は、大きく見て、活性層41、ゲート電極42、ソース/ドレイン電極43を備える。有機発光素子60は、第1電極61、第2電極62、及び中間層63を備える。キャパシタ50は、第1キャパシタ電極51及び第2キャパシタ電極52を備える。
【0114】
具体的に、バッファ層31の上面には、所定パターンで形成された活性層41が配される。活性層41は、シリコンのような無機半導体物質、有機半導体物質または、酸化物半導体物質を含み、選択的にp型またはn型のドーパントを注入して形成されてもよい。
【0115】
活性層41の上部には、ゲート絶縁膜32が形成される。ゲート絶縁膜32の上部には、活性層41と対応するようにゲート電極42が形成される。ゲート絶縁膜32の上部には、第1キャパシタ電極51が形成され、ゲート電極42と同じ材質で形成される。
【0116】
ゲート電極42を覆うように層間絶縁膜33が形成され、層間絶縁膜33上に、ソース/ドレイン電極43が形成されるが、活性層41の所定領域と接触するように形成される。絶縁膜33上には、第2キャパシタ電極52が形成され、ソース/ドレイン電極43と同じ材質で形成される。
【0117】
ソース/ドレイン電極43を覆うように、パッシベーション層34が形成され、パッシベーション層34の上部には、薄膜トランジスタ40の平坦化のために、別途の絶縁膜をさらに形成してもよい。
【0118】
パッシベーション層34上に、第1電極61を形成する。第1電極61は、ソース/ドレイン電極43のうちいずれか一つと電気的に連結されるように形成する。そして、第1電極61を覆うように、画素定義膜35が形成される。この画素定義膜35に所定の開口64を形成した後、その開口64で限定された領域内に有機発光層を備える中間層63を形成する。中間層63上に第2電極62を形成する。
【0119】
第2電極62上に封止層70を形成する。封止層70は、有機物または無機物を含み、有機物と無機物を交互に積層した構造である。
【0120】
具体的な例として、封止層70は、前述した蒸着装置100、200を利用して形成する。すなわち、第2電極62が形成された基板30をチャンバ101、201内に投入した後、蒸着装置100、200を利用して所望の層を形成する。
【0121】
特に、封止層70は、無機層71及び有機層72を備え、無機層71は、複数の層71a、71b、71cを備え、有機層72は、複数の層72a、72b、72cを備える。この時、蒸着装置100、200を利用して、無機層71の複数の層71a、71b、71cを形成する。
【0122】
しかし、本発明は、これに限定されない。すなわち、有機発光表示装置10のバッファ層31、ゲート絶縁膜32、層間絶縁膜33、パッシベーション層34及び画素定義膜35など、その他の絶縁膜を本発明の蒸着装置100、200で形成してもよい。
【0123】
また、活性層41、ゲート電極42、ソース/ドレイン電極43、第1電極61、中間層63及び第2電極62など、その他の多様な薄膜を本発明の蒸着装置100、200で形成してもよい。
【0124】
前述したように、本実施形態の蒸着装置100、200を利用する場合、有機発光表示装置10に形成される蒸着膜特性を向上して、結果的に、有機発光表示装置10の電気的特性及び画質特性を向上させる。
【0125】
また、本実施形態の蒸着装置100、200を利用して、有機発光表示装置10以外に、液晶表示装置に備えられた薄膜またはその他の多様な表示装置に備えられた薄膜を形成する。もちろん、本発明は、これに限定されず、蒸着装置100、200を利用して多様な用途の薄膜を形成する。
【0126】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0127】
本発明は、薄膜形成関連の技術分野に好適に適用可能である。
【符号の説明】
【0128】
S 基板
100 蒸着装置
101 チャンバ
110 支持部
120 供給部
130 マスク
140 整列部材
150 整列確認部材
200 蒸着装置
201 チャンバ
210 支持部
220 供給部
230 マスク
240 整列部材
250 整列確認部材
30 基板
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図6C
図7
図8
図9
図10
図11