【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成26年度、総務省、「ICTを活用した次世代ITSの確立」のうち「歩車間通信技術の開発」の委託事業、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記車載端末通信部は、前記他端末判定部により前記反対車線に複数の他の車載端末装置がいると判定された場合には、前記歩行者位置情報と前記複数の他の車載端末装置の各車両位置情報とに基づいて、前記歩行者端末装置に最も近い前記他の車載端末装置を特定して前記歩行者位置情報及び前記車両待ち情報を含む無線信号を送信することを特徴とする請求項1に記載の車載端末装置。
前記車載端末通信部は、前記他端末判定部により前記歩行者位置情報と前記複数の他の車載端末装置の前記車両位置情報とに基づいて、前記複数の他の車載端末装置のいずれかが前記歩行者端末装置よりも進行方向の先に停車していると判定した場合には、該停車している前記他の車載端末装置の前記車両位置情報を前記歩行者端末装置に送信することを特徴とする請求項1または請求項3に記載の車載端末装置。
前記車載端末通信部は、前記グループ設定部により自己の進行方向となる行き先のグループの前記歩行者端末装置を優先して前記乗車了承情報を送信することを特徴とする請求項6に記載の車載端末装置。
【発明を実施するための形態】
【0011】
前記課題を解決するためになされた第1の発明は、歩行者が携帯する歩行者端末装置との間で歩車間通信を行うために車両に搭載された車載端末装置であって、前記歩行者端末装置
および他の車両に搭載されている他の車載端末装置から送信される無線信号を受信する車載端末通信部と、
前記歩行者端末装置から受信した前記無線信号に、前記歩行者が車両待ちであるとする車両待ち情報が含まれる場合に、前記歩行者が歩車間通信圏内で車両待ちであることを前記車両の乗員に通知する通知部と、
前記他の車載端末装置から受信した前記無線信号に含まれる他の車両位置情報と、前記歩行者端末装置から受信した前記無線信号に含まれる歩行者位置情報とに基づいて、前記他の車載端末装置の位置及び前記歩行者端末装置の位置を判定する他端末判定部と、を有
し、前記車載端末通信部は、前記歩行者端末装置から前記車両待ち情報を受信し、前記他端末判定部により前記歩行者端末装置及び前記他の車載端末装置が共に反対車線側にいると判定された場合には、前記他の車載端末装置に、前記歩行者位置情報及び前記車両待ち情報を含む無線信号を送信する構成とする。
【0012】
これによると、歩行者と車両との待ち合わせに於いて、運転者が歩行者の位置情報を知ることができ、車両が待ち合わせ場所に効率良く到着することができるため、歩行者及び車両同士の待ち合わせに於ける利便性を向上し得る。
特に、待ち合わせ車両がタクシーであり、タクシー待ちの歩行者が反対車線にいる場合に、反対車線を走行する他のタクシーにタクシー待ちの情報を送信することにより、タクシー待ちの歩行者に於ける効率的な利用を促進することができる。
【0013】
また、第2の発明は、前記第1の発明に於いて、前記車両待ち情報を受信した場合に前記歩行者の乗車を了承する乗車了承設定部を有し、前記車載端末通信部は、前記乗車了承設定部により前記歩行者の乗車を了承する設定がされた場合には、乗車了承情報を含む無線信号を前記歩行者端末装置に送信する構成とする。
【0014】
これによると、車両を待つ歩行者側では、乗車を了承した車両が近付いてきたことを知ることができ、待つ間の不安感を払拭し得る。
【0017】
また、第
3の発明は、第
1の発明に於いて、前記車載端末通信部は、前記他端末判定部により前記反対車線に複数の他の車載端末装置がいると判定された場合には、前記歩行者位置情報と前記複数の他の車載端末装置の各車両位置情報とに基づいて、前記歩行者端末装置に最も近い前記他の車載端末装置を特定して前記歩行者位置情報及び前記車両待ち情報を含む無線信号を送信する構成とする。
【0018】
これによると、タクシー待ちの歩行者に対応し得る複数のタクシーがいる場合に、最も近いタクシーのみにタクシー待ち情報を伝えることにより、複数のタクシーが歩行者に向かうというような無駄を防止することができる。
【0019】
また第
4の発明は、前記第
1または第
3の発明に於いて、前記車載端末通信部は、前記他端末判定部により前記歩行者位置情報と前記複数の他の車載端末装置の前記車両位置情報とに基づいて、前記複数の他の車載端末装置のいずれかが前記歩行者端末装置よりも進行方向の先に停車していると判定した場合には、該停車している前記他の車載端末装置の前記車両位置情報を前記歩行者端末装置に送信する構成とする。
【0020】
これによると、タクシー待ちの歩行者が、近付いてくる側のタクシーにのみ注目し、車線の進行方向の先に空車タクシーが停車しているのに気付かない場合に好適に対応でき、タクシー待ちに於ける利便性を向上し得る。
【0021】
また、第
5の発明は、前記第
1乃至第
4のいずれかの発明に於いて、前記車両待ち情報に行き先の情報が含まれ、前記車載端末装置は、複数の前記歩行者端末装置から送信された複数の前記車両待ち情報を受信した場合に、前記行き先が同一方向となるグループ毎に分けるグループ設定部を有し、前記車載端末通信部は、自己の進行方向に位置するグループの前記歩行者端末装置に対して乗車了承情報を含む無線信号を送信する構成とする。
【0022】
これによると、タクシーの通行量が少ない場面に於いて、同方向に行きたいタクシー待ちの歩行者が複数いる場合に、グループ分けを自動的に行うことにより、複数のタクシー待ちの歩行者に対して効率的に対応することができる。
【0023】
また、第
6の発明は、前記第
5の発明に於いて、前記車載端末通信部は、異なる行き先のグループの前記歩行者位置情報及び前記車両待ち情報を含む無線信号を、他の車載端末装置に送信する構成とする。
【0024】
これによると、異なる行き先のグループを他のタクシーに乗車させることができ、タクシー待ちに於ける効率的なタクシーの利用形態を実現することができる。
【0025】
また、第
7の発明は、前記第
6の発明に於いて、前記車載端末通信部は、前記グループ設定部により自己の進行方向となる行き先のグループの前記歩行者端末装置を優先して前記乗車了承情報を送信する構成とする。
【0026】
これによると、タクシーに近い歩行者から乗車することができ、タクシー待ちに於ける効率的なタクシーの利用形態を実現することができる。
【0027】
また、第8の発明は、前記第1の発明において、前記他端末判定部は、反対車線に交差し、交差点で右左折することにより反対車線に進入し得る各車線に、前記他の車載端末装置がいる場合にも、前記他の車載端末装置が前記反対車線側にいると判定する構成とする。
これによると、反対車線に進入し得る各車線を走行する他のタクシーにタクシー待ちの情報を送信することにより、タクシー待ちの歩行者に於ける効率的な利用を促進することができる。
また、第9の発明は、前記第1乃至第8のいずれかの発明に於いて、前記車載端末装置と、この車載端末装置と歩車間通信を行う歩行者端末装置とを用いて構成された歩車間通信システムとする。
【0028】
また、第10の発明は、前記第9の発明に於いて、前記歩行者端末装置が、自己の歩車間通信圏内に於いて前記車載端末通信部と通信可能な歩行者端末通信部と、前記歩行者に携帯される発光体の動作を制御する発光制御部と、を有し、前記発光制御部は、前記歩行者端末通信部から車両待ち情報を送信した場合、または前記車載端末装置からの乗車了承情報を含む前記無線信号を前記歩行者端末通信部により受信した場合、前記発光体を発光させる構成とする。
【0029】
これにより、運転者は、特に夜間に於いて車両待ちの歩行者を容易に見つけることができる。
【0030】
また、第11の発明は、歩行者が携帯する歩行者端末装置との間で歩車間通信を行うために車両に搭載された車載端末装置の車両待ち合わせ方法であって、前記歩行者端末装置から送信される無線信号を受信し、
他の車両に搭載されている他の車載端末装置から送信される無線信号を受信し、前記歩行者端末装置から受信した前記無線信号に、前記歩行者が車両待ちであるとする車両待ち情報が含まれる場合に、前記歩行者が歩車間通信圏内で車両待ちであることを前記車両の乗員に通知
し、前記他の車載端末装置から受信した前記無線信号に含まれる他の車両位置情報と、前記歩行者端末装置から受信した前記無線信号に含まれる歩行者位置情報とに基づいて、前記他の車載端末装置の位置及び前記歩行者端末装置の位置を判定し、前記歩行者端末装置から前記車両待ち情報を受信し、前記歩行者端末装置及び前記他の車載端末装置が共に反対車線側にいると判定された場合には、前記他の車載端末装置に、前記歩行者位置情報及び前記車両待ち情報を含む無線信号を送信する構成とする。
【0031】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。
【0032】
図1は、本発明による歩車間通信システムの一例を示す模式図である。図に示されるように、歩行者1は携帯可能な歩行者端末装置2を所持し、車両3には車載端末装置4が搭載されている。歩行者端末装置2は、スマートフォンや携帯電話等の携帯情報端末5と一体的に接続されているが、携帯情報端末5に予め内蔵されていてもよい。車載端末装置4は、カーナビゲーション6と一体的に接続されているが、カーナビゲーション6に予め内蔵されていてもよい。歩行者端末装置2及び車載端末装置4は、GPS(全地球測位網)やQZSS(準天頂衛星システム)を構成する複数の衛星7からの信号を受信し、自身の位置情報を生成することができる公知の衛星測位構造をそれぞれ有する。
【0033】
また、歩行者端末装置2には、外部から視認可能な発光体としてのLED発光体11が設けられている。なお、LED発光体11は、歩行者端末装置2とは別体からなるものであってもよく、例えば、常時外部から視認可能なように、歩行者1の持ち物に取り付けられるキーホルダーやストラップ、あるいは歩行者1が身につける装身具と一体化されていてもよい。
【0034】
図2(A)は歩行者端末装置2の概略ブロック図である。歩行者端末装置2は、衛星7からの信号を受信し、自身の位置情報を取得する位置情報取得部21と、自身の位置情報(歩行者端末位置情報)及び車両待ち情報を含む歩行者情報をブロードキャストとして無線信号により送信すると共に車載端末装置4から送信される無線信号を受信するための歩行者端末通信部としての通信部22と、携帯情報端末5との間での情報の処理を行う携帯端末処理部23と、LED発光体11の駆動制御を行う発光制御部24と、全体の制御を例えばCPUを用いたプログラム処理で行う制御部25とにより構成されている。通信部22には、送受信を行うためのアンテナ22aが接続されている。なお、制御部25には、後述する歩車間通信圏42内に於ける車両3(車載端末装置4)の有無を判定する他端末判定部25aと、地図情報を取得する地図情報取得部25bと、待ち合わせの車両3を設定する車両待ち設定部25cとが、それぞれプログラムにより構成されている。
【0035】
図3(A)は、歩行者1及び車両3の位置関係を示す図であり、
図3(B)は、車両内から歩行者を見た図である。
図3(A)に於いて、車道8の脇に車両待ちの歩行者1が位置し、歩行者1に向かう車両3が車道8を走行している。また、図には、車載端末装置4から送信された電波の到達範囲である歩車間通信圏41と、歩行者端末装置2から送信された電波の到達範囲である歩車間通信圏42とが示されている。これら歩車間通信圏41、42の各半径Rc、Rwは、それぞれの通信部22、32から発せられる出力の大きさによるが、見通しの良い場所で例えばそれぞれ100m程度であってよい。
【0036】
図2(B)は車載端末装置4の概略ブロック図である。車載端末装置4は、衛星7からの信号を受信し、自身の位置情報を取得する位置情報取得部31と、自身の位置情報(車載端末位置情報)を含む所定の車両情報をブロードキャストとして無線信号により送信すると共に歩行者端末装置2から送信される無線信号を受信するための車載端末通信部としての通信部32と、カーナビゲーション6との間での情報の処理を行うカーナビゲーション処理部33と、全体の制御を例えばCPUを用いたプログラム処理で行う制御部36と、歩行者端末位置情報に基づいてカーナビゲーション6の画面6aに表示された地図上に歩行者1の位置を表示して、運転手に歩行者1の位置を知らせるための通知部37と、により構成されている。通信部32には、送受信を行うためのアンテナ32aが接続されている。なお、制御部36には、歩車間通信圏41内に於ける他の歩車間通信装置の有無を判定する他端末判定部36aと、地図情報を取得する地図情報取得部36bと、歩行者端末装置2からの歩行者情報に基づいて待ち合わせに関する処理を行う待ち合わせ情報処理部36cとが、それぞれプログラムにより構成されている。
【0037】
各アンテナ22a、32aから送信される無線信号に用いられる周波数には、安全運転支援無線システムであるITS(Intelligent Transport System)用周波数の1つとして割り当てられる700MHz帯を用いるものとする。この周波数帯を用いることにより、ITSとして使用される他の周波数である5.8GHz帯に比べて、電波の回折量が多く、電波が障害物(建物や大型車両等)の裏に回り込んで到達し得るため、歩行者端末装置2及び車載端末装置4が互いに見通せない位置関係にある場合でも確実な情報伝達が可能となる。
【0038】
このように構成された歩車間通信システムに於いて、本発明による第1実施例を
図4及び
図5のフロー図及び
図6の表示例を示す図を参照して説明する。
図4は歩行者端末装置2に於ける制御フローであり、
図5は車載端末装置4に於ける制御フローである。
図6(A)、
図6(B)は歩行者側でのメニューの表示例を示す図であり、
図6(C)は車両側での対応する表示例を示す図である。
図4及び
図5の制御フローは、例えば公知のCPUに於けるプログラム処理であってよく、以下の説明に於ける種々の処理も、特に断らない限り各制御部25、36によるプログラム処理で実行されるものであってよい。なお、以下の実施例では、特に断らない限りタクシー待ちの例として、歩行者端末装置2を所持する歩行者1が、車載端末装置4を搭載する車両3であるタクシーを待つ場合について説明する。
【0039】
歩行者端末装置2では、
図4に示されるように、先ずステップST1では、車両待ち情報としてのタクシー待ちの設定を行うか否かを判定する。タクシー待ちの設定は、車両待ち設定部25cにより、歩行者端末装置2に接続された携帯情報端末5との間での制御を行うことにより、例えば
図6(A)に示されるように携帯情報端末5の画面5aに表示されたメニューにより行うものであってよい。この場合には、携帯情報端末5に、対応するアプリケーションが組み込まれているものとする。
図6(A)のメニューでは、待ち合わせ対象の車両として「タクシー」及び「登録車両」を設けており、いずれかを選択する。この選択は、公知のタッチパネルに対する操作であってよい(以下、同様)。
【0040】
「タクシー」が選択された場合には、例えば
図6(B)のメニュー画面に切り替わり、タクシーを呼び止める場合には「YES」を選択する。ステップST1で「YES」が選択された場合にはステップST2に進み、ステップST2では車両待ち設定部25cによりタクシー待ち情報を設定し、ステップST3に進む。
【0041】
なお、「登録車両」は、例えば家族の車両や友人の車両であってよく、それらの車両との待ち合わせの場合に選択する。その場合には、予め、車両との歩車間通信に用いられる識別ID等を登録するアプリケーションを組み込んでおき、それにより登録しておくことで対応可能である。すなわち、以下の説明では、タクシーを特定する識別IDがタクシーから送信される歩車間通信の車両情報に含まれ、歩行者端末装置2ではその識別IDに基づいてタクシーを判別するものとするが、それに代えて登録車両の識別IDにより待ち合わせ対象の車両を判別することができる。
【0042】
ステップST3では、歩車間通信圏内にタクシーに搭載された車載端末装置4があるか否かを判定する。この場合の判定は、
図3(A)に示されるように、車載端末装置4から送信された電波の到達範囲である歩車間通信圏41内に歩行者端末装置2が位置するか否かであってよく、制御部25に於ける制御プログラムにより構成される他端末判定部25aにより行われる。例えば、通信部22により、ブロードキャストによる車両情報の無線信号を受信し、その車両情報にタクシーであることを特定する識別コードが含まれていることによりタクシーであると判定できる。歩車間通信圏内にタクシーがいると判定されるまでステップST3を繰り返し、タクシーがいると判定された場合にはステップST4に進む。
【0043】
なお、後述する車載端末装置4側での歩車間通信圏内の判定も同様であり、歩行者端末装置2から送信された電波の到達範囲である歩車間通信圏42内に車載端末装置4が位置するか否かであってよく、制御部36に於ける制御プログラムにより構成される他端末判定部36aにより行われる。
【0044】
ステップST4では、ステップST2で設定されたタクシー待ち情報を含む歩行者情報の無線信号を通信部22からブロードキャストで送信する。なお、歩行者情報には、車載端末装置4と歩車間通信を行うための識別IDの他に、歩行者端末位置情報等が含まれる。なお、ステップST3を省略して、タクシーの有無にかかわらずタクシー待ち情報を含む歩行者情報を繰り返し送信するようにしてもよい。次のステップST5では、発光制御部24の制御によりLED発光体11を点滅状態で発光させ、本フローを終了する。
【0045】
LED発光体11の色は特に限定されないが、目立つ色がよい。また、点滅に限られず、点灯でもよいが、他の発光体との区別を容易にするためには点滅させるとよい。LED発光体11の消灯は、アプリケーションの終了により行うものであってよいが、メニュー画面に消灯スイッチを設け、そのスイッチ操作により消灯可能にしてもよい。
【0046】
なお、上記ステップST1〜ST5の処理は、図示例では同一のフローで行うとして説明したが、ステップST1〜ST2とステップST3〜ST5とを並列に処理してよい。その場合には、ステップST1〜ST2とステップST3〜ST5とは互いに常時割り込み可として処理する。
【0047】
タクシーとしての車両3側では、
図5に示されるように、ステップST11で歩行者端末装置2から送信された歩行者情報を受信したか否かを判定する。歩行者情報が受信されないと判定された場合にはステップST11を繰り返し、歩行者情報を受信したと判定された場合にはステップST12に進む。
【0048】
ステップST12では、歩行者情報に上記タクシー待ち情報が含まれているか否かの判定を行う。受信した歩行者情報にタクシー待ち情報が含まれていないと判定された場合にはステップST11に戻り、タクシー待ち情報が含まれていると判定された場合にはステップST13に進む。
【0049】
ステップST13では、例えば、カーナビゲーション6に組み込まれているアプリケーションにより、カーナビゲーション6の画面6aに、
図6(C)に示されるような内容(タクシー待ちの人が近くにいることが分かる内容であってよい)を表示させる。このとき、カーナビゲーション6のオーディオ機能を利用してチャイムを鳴らす等して運転手に通知するとよい。運転手は、チャイムの音を聞いた場合にのみ画面6aで確認するようにすればよいため、通常の運転に支障を来すことがない。
【0050】
画面6aに表示させる内容としては、上述したように歩行者情報には歩行者端末位置情報が含まれており、その位置情報と、車載端末装置4に於いて取得される上述した車載端末位置情報とに基づいて、車両3から歩行者1までの距離を求め、到達距離を表示することができる。また、カーナビゲーション6に於ける地図情報と照合する公知の処理により歩行者端末装置2の現在位置までの距離を高精度に求めることができる。これにより、車両3の運転手は、タクシー待ちの歩行者1までの精確な距離を知ることができ、タクシー待ちの歩行者1を通り過ぎてしまうようなことが防止され、タクシー待ちの歩行者1及び車両(タクシー)3の相互に於ける利便性が向上し得る。
【0051】
さらに、上述したように歩行者1がLED発光体11を所持し、LED発光体11が点滅することにより、タクシーの運転手は、
図3(B)に示されるように、タクシー待ちの歩行者1をLED発光体11の点滅により容易に発見することができる。特に、タクシー待ちの歩行者1が人混みの中にいる場合に有効である。
【0052】
なお、歩行者1がLED発光体11を所持していない場合でも、カーナビゲーション6の地図画面上で、
図3(B)に示されるようなタクシー待ちを表すマークMを、上記歩行者端末位置情報に基づいて対応する位置に表示させることにより、タクシー待ちの歩行者1のすぐ側に車両3を横付けさせることができる。
【0053】
このように、本発明によれば、待ち合わせ場所に向かう車両3に於いては、待ち合わせ対象の歩行者1の位置を特定し得ることにより、待ち合わせ場所に効率良く到着することができる。特に、タクシー待ちの呼び出しがされたタクシー(車両3)に於いて、待ち合わせ場所周辺が人の多い所でタクシー利用者(歩行者1)が人混みに紛れてしまうような場合には、タクシー(車両3)側がタクシー利用者(歩行者1)の位置を特定できることにより、効率良く近付くことができ、タクシー利用者(歩行者1)及びタクシー(車両3)の双方にとって利便性が向上し得る。
【0054】
次に、
図7〜
図10を参照して第2実施例について説明する。
図7は
図2(B)に対応する車載端末装置4のブロック図であり、
図8は歩行者端末装置2に於ける制御フロー図である。また、
図9は車載端末装置4に於ける制御フロー図であり、
図10は車両側でのメニューの表示例を示す図である。なお、上記実施例と同様の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0055】
図7に示されるように、第2実施例に於ける車載端末装置4には、乗車了承設定部36dが例えばプログラムにより構成されている。歩行者端末装置2のブロック図は、上記第1実施例と同じであってよいため図示省略する。
【0056】
図8に示されるように、第2実施例に於ける歩行者端末装置2での制御フローの前半は、第1実施例に於ける
図4のステップST1〜ST4と同じフローであってよい。ステップST4の次のステップST21では、後記する車載端末装置4から送信された車両情報の無線信号を受信したか否かを、他端末判定部25aにより判定する。この場合の車両情報としては、タクシーに於いて空車表示した際に連動して設定されてよい空車タクシー設定情報である。空車タクシー以外の他の車両では空車タクシーの設定がされず、そのような車両から送信される車両情報には空車タクシー設定情報が含まれないため、ステップST21を繰り返す。
【0057】
ステップST21〜ST23は車載端末装置4との信号授受による処理となるため、ここで
図9に示される車載端末装置4での制御フローについて説明する。車載端末装置4での制御フローの前半は、第1実施例に於ける
図5のステップST11〜ST13と同じフローであってよい。
【0058】
第2実施例に於いて車載端末装置4では、ステップST13の次にステップST31が実行される。ステップST31では、乗車了承設定部36dにより、タクシー待ちの歩行者1に対して乗車を了承するか否かを設定する。この設定は、
図6(C)と同様の内容を表示する
図10に示される画面6aで、メニューとして乗車了承か否かの選択項目を設け、運転手が状況に応じて選択するものであってよい。運転手が走行状況等により乗車了承できないと判断して、「否」が選択された場合にはステップST11に戻り、再度タクシー待ちの歩行者1からの情報を受信するようになる。
【0059】
ステップST31で乗車了承が選択されたと判定された場合にはステップST32進む。ステップST32では、乗車了承設定部36dにより、対象となる歩行者端末装置2と歩車間通信するための車載端末装置4の識別IDを含む乗車了承IDの無線信号を通信部32から送信し、本フローを終了する。
【0060】
歩行者端末装置2では、
図8のステップST21に於いて車両情報(空車タクシー設定情報)を受信したと判定された場合にはステップST22に進む。ステップST22では、ステップST21で受信した車両情報の中に乗車了承の情報(上記乗車了承ID)が有るか否かを判定し、無いと判定された場合にはステップST21に戻る。ステップST22で乗車了承IDが含まれると判定された場合には、第1実施例のステップST6と同じくLED発光体11を点滅させ、本フローを終了する。
【0061】
これにより、タクシー待ちの歩行者1は、乗車可能な空車タクシーが確実に接近してくることを確認できる。また、乗車了承の返答が得られることから、タクシー待ちに於いてタクシーが停車するまで乗車できるか否かが不明という不安な状況から解放され、安心してタクシーの到着を待つことができる。
【0062】
次に、
図11〜
図12を参照して第3実施例について説明する。この第3実施例は、
図11に示されるように、タクシー(車両)3aが走行する車線8aに対して反対車線8bにいる歩行者1がタクシー待ちをしている場合の例である。
【0063】
図11は、歩行者及び車両の位置関係を示す図であり、
図12は車載端末装置4に於ける制御フロー図である。また、
図13は、車両側でのメニューの表示例を示す図である。なお、この第3実施例に於ける歩行者端末装置2及び車載端末装置4の概略ブロック図はそれぞれ第2実施例と同じであってよいため、図示省略し、歩行者端末装置2に於ける制御フローも第2実施例の
図8と同じであってよく、その図示及び説明を省略する。また、上記実施例と同様の部分には同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
【0064】
図12に示されるように、第3実施例に於ける車載端末装置4での制御フローは、第2実施例に於ける
図9のステップST11〜ST13及びST31〜ST32のフローは同じであってよく、異なる処理となる部分について以下に説明する。
【0065】
ステップST11〜ST12の処理で、歩行者情報に含まれる歩行者端末位置情報と、位置情報取得部31による車載端末位置情報と、カーナビゲーション6の地図情報とに基づき、
図11に示されるように、タクシー3aが走行する車線8aに対して反対車線8bにタクシー待ちの歩行者1がいると判明した場合には、ステップST13に於いて、例えば
図13に示されるような内容を画面6aに表示させる。走行量が多い場合やUターン禁止区域の場合等には反対車線8bに転回できないため、運転手は、乗車了承できないと判断して「否」を選択することになる。
【0066】
図13の画面6aに於けるメニューで「否」が選択された場合には、ステップST31からステップST33に進む。ステップST33では、車車間通信(歩車間通信と同じ通信形態であってよく、以下の説明では総称して歩車間通信と称す)による他の車両からの車両情報が受信された否かを判定する。車両情報が受信されない、すなわち自己の歩車間通信圏41a内に他のタクシー3bがいない場合にはステップST11に戻る。
【0067】
ステップST33で車両情報が受信されたと判定された場合にはステップST34に進む。ステップST34では、反対車線8b側に於ける他のタクシーの有無を判定する。なお、タクシーの場合には、歩車間通信で送信される車両情報の予め決められている領域にタクシー識別IDが含まれているものとし、それにより受信した車両情報の相手がタクシーであるか否かを判定することができる。また、反対車線8b側にいるかいないかの判定は、受信した車両情報に含まれる車載端末位置情報と、自身の位置情報取得部31による車載端末位置情報と、カーナビゲーション6の地図情報とに基づき判定することができる。
【0068】
このようにして、ステップST34に於いて反対車線8b側にタクシー3bがいると判定された場合にはステップST35に進む。なお、反対車線8b側にタクシーがいないと判定された場合にはステップST11に戻る。
【0069】
ステップST35では、反対車線8bにいるタクシー3bの識別IDを受信相手として特定して、ステップST11及びST12で受信した歩行者情報(タクシー待ち情報を含む)を歩車間通信により送信する。これにより、反対車線8bを走行するタクシー3bは、自身の進行方向の先にタクシー待ちの歩行者1がいることを知ることができる。
【0070】
反対車線8bを走行中のタクシー3bに於いては、ステップST11〜ST32の制御フローを第2実施例の
図9の制御フローと同様に実行するものであってよい。すなわち、ステップST11でタクシー3aから送信された歩行者情報を受信したら、以後、第2実施例と同じ処理を行う。ステップST31で乗車了承を選択したら、次のステップST32で乗車了承IDを送信する。
図11の二点鎖線で示されるように、歩行者情報を受信したタクシー3bの歩車間通信圏41b内に歩行者1が入ったら、歩行者1は、自分のいる側の車線(反対車線8b)を走行して来るタクシー3bからの乗車了承の信号を受信することができ、タクシー3bの到着を第2実施例と同様にして待つことができる。
【0071】
なお、他のタクシーに対する反対車線8b側の判定としては、上述した例のように反対車線8bを走行しているタクシー3bに限られない。例えば
図11に示されるように、反対車線8bに交差し、かつ交差点で右左折することにより容易に反対車線8bに進入し得る各車線8c、8dにいる各タクシー3c、3dも対象となり得る。
【0072】
また、タクシー待ちの歩行者1からの歩行者情報を受信したタクシー3aが、ステップST35で他のタクシーに歩行者情報を送信する場合には、歩行者1に接近中であり、最も近いタクシーのみ(例えば
図11の二点鎖線で示されるタクシー3b)に参照されるように送信するとよい。この場合には、それぞれの車両情報に含まれる識別IDで送信先のタクシー3bを受信相手として特定した歩車間通信を行うことで可能である。自身の識別IDが含まれる歩車間通信の信号を受信したタクシー(3b)のみがタクシー待ちの歩行者情報を参照し、他のタクシーは自身あてではないため信号の内容を参照することはない。
【0073】
また、タクシー待ちの歩行者1に対して、歩行者1の位置する側の車線(反対車線8b)上に歩行者1の方向に行く他のタクシーがいない場合であっても、
図11に示されるように、歩行者1の位置よりも車線(反対車線8b)の進行方向の先の位置にタクシー3eが停車している場合がある。そのような場合には、タクシー待ちの歩行者1とは反対側となる車線8aを走行するタクシー3aに於いては、歩行者1の手前で停車中のタクシー3eの存在を知ることができる。その位置情報及び空車タクシーである情報を、事前にタクシー3eとの歩車間通信により車両情報として得ることができる。その後、タクシー待ちの歩行者1からのタクシー待ち情報を受信した場合には、ステップST35で、停車中のタクシー3eを受信相手として特定して歩行者情報を送信すると共に、そのタクシー3eの位置情報を歩行者端末装置2に送信するとよい。
【0074】
この場合には、歩行者端末位置情報と、停車中のタクシー3eからの車載端末位置情報とに基づいて、歩行者1とタクシー3eとの距離を求め、その距離情報を歩行者端末装置2に送信することができる。歩行者端末装置2では、その距離情報に基づいて、例えば携帯情報端末5の画面に「XXm先にタクシー待機中」等の表示を行い、歩行者1に車線(反対車線8b)の先にタクシー3eが停車している情報を通知する。これにより、歩行者1に対して、近付いてくるタクシーにのみ注目していることにより、無理に反対方向のタクシー3aを止めるような手間を省くことができ、タクシー待ちに於ける利便性を向上し得る。
【0075】
また、歩行者1からの距離に関する情報、どちら側の車線にいるかの情報、歩行者1がいる場所より手前か否かの情報に加えて、歩行者1がいる場所に直進するだけでたどり着けるか、あるいは左折及び右折が必要かどうかの情報も利用して、どのタクシー(図示例では3b〜3d)を割り当てるか判定することも可能である。右折や左折が必要な場所にいる場合は、直進するだけでよい場所にいる場合と比較して、普通は歩行者1がいる場所に到着するまでに多くの時間を要する(歩行者1までの距離が近い場合に於いても)。このため、まず直進するだけでよい場所にいるタクシー(3b)、左折が必要なタクシー(3c)、右折が必要なタクシー(3d)の順番に割り当てることにより、更に歩行者1がタクシーを待つ時間を削減することが可能となる。
【0076】
次に、
図14〜
図17を参照して第4実施例について説明する。
図14は歩行者及び車両の位置関係を示す図であり、
図15は車載端末装置4に於ける制御フロー図である。また、
図16(A)は歩行者側でのメニューの表示例を示す図であり、
図16(B)は車両側でのメニューの表示例を示す図である。また、
図17は車両側でのメニューの他の表示例を示す図である。
【0077】
この第4実施例は、
図14に示されるように、タクシー待ちの歩行者1a〜1eが複数いる場合であって、さらに相反する車線8a、8b側にいる場合である。このような場合とは、例えばタクシーの数が少ない郊外や、深夜や急な降雨時等が考えられる。なお、この第4実施例に於ける歩行者端末装置2及び車載端末装置4はそれぞれ第3実施例と同じであってよいため、概略ブロック図は図示省略し、歩行者端末装置2に於ける制御フローも第2実施例の
図8と同じであってよく、その図示及び説明を省略する。
【0078】
図15に示される第4実施例に於ける車載端末装置4での制御フローは、
図14の図示例に於ける車線8aを走行するタクシー3aについて実行されるものとする。
【0079】
図15の制御フローに於いて、上記各実施例と同様にステップST11〜ST12を実行するが、ステップST12でタクシー待ち情報があると判定された場合に進むステップST12aでは、タクシー待ち情報を含む歩行者情報が複数受信される場合の処理を行う。例えば、所定時間の間隔でタクシー待ち情報の受信数(タクシー待ちの人数)をカウントし、受信数が所定の上限に達するまでは、ステップST12aを繰り返し、受信数(タクシー待ちの人数)が上限に達した場合はステップST12bに進む。
【0080】
ステップST12bでは、複数のタクシー待ち情報から方向別にグループ分けを行う。
図14の図示例では、歩行者情報を受信したタクシー3aが走行する車線8aの先に3人の歩行者1a〜1cがタクシー待ちしていると共に、反対車線8bにも2人の歩行者1d〜1eがタクシー待ちしており、それぞれの歩行者端末装置2からタクシー待ち情報を含む歩行者情報が歩車間通信により送信される場合を示す。このような場合には、タクシー3aの進行方向に位置する3人の歩行者1a〜1cを同じ方向に向かうグループとし、反対車線8bの2人の歩行者1d〜1eを別グループとする。郊外で1本道が続くような場面では、このようにグループ分けすることができる。このような場合、タクシー3aにとっては、進行方向の3人の歩行者1a〜1cを乗車させると、反対方向となる2人の歩行者1d〜1eを乗車させることができない。
【0081】
また、歩行者1a〜1eがそれぞれ所持する携帯情報端末5に於いて、
図6(B)の画面で「YES」を選択した後に、行き先入力として例えば地図データと連動するアプリケーションにより行き先を入力し(地図画面上でのタッチ操作でよい)、それにより、例えば
図16(A)に示されるようなメニューが表示されるようにしてもよい。
図16(A)の例ではグループ乗車(相乗り)の可否を選択するメニュー画面が表示され、それに対して「YES」を選択することにより、同じ方向に対してグループ乗車可とするタクシー待ち情報を含む歩行者情報が送信される。このように相乗りを了承した歩行者が複数人いる場合には、それぞれの歩行者端末装置2から行き先別の相乗り可の歩行者情報(タクシー待ち情報)が送信され、それら複数の歩行者情報を受信することにより、より正確なグループ分けを行うことができる。
【0082】
ステップST12bの次のステップST13に於けるタクシー待ち情報の表示としては、例えば
図16(B)に示されるようなものであってよい。図に示されるように、
図6(C)と同様の内容で、さらにタクシー待ちの人数が表示され、併せて乗車了承の可否を選択する画面が表示されるとよい。
【0083】
ステップST31で乗車の「了承」が選択された場合にはステップST32に進み、「否」が選択された場合にはステップST11に戻る。ステップST32では、自身の進行方向にいる複数のタクシー待ちの歩行者1a〜1cに乗車了承IDを送信する。これにより各歩行者1a〜1cは、グループ乗車可とするタクシー3aが近付いてくることを知ることができ、タクシーの数が少ない場合に於いて安心して待つことができる。
【0084】
ステップST32の次のステップST32aでは、他方向のタクシー待ちとなる歩行者1d〜1eの歩行者情報を他のタクシー向けに歩車間通信で送信する(
図14の二点鎖線の矢印)。これにより、タクシー3aの歩車間通信圏41a内に反対方向から走行してきた他のタクシー3bが、他グループの歩行者1d〜1eに対応することができる。この場合の他のタクシー3bの車載端末装置4に於ける制御フローは
図9と同様であってよく、他のタクシー3bと他グループの歩行者1d〜1eとの間で歩車間通信を行い(
図14の二点鎖線の両方向矢印)、上述したタクシー待ちに於ける処理を行う。
【0085】
なお、反対車線8bに複数のタクシーが走行している場合には、それらのタクシーから歩車間通信で送信されてくる車両情報に含まれる車載端末位置情報に基づいて、歩行者1dに近付くタクシーで最も近いタクシーに対してのみ(車両情報に含まれる識別IDを指定する)にタクシー待ちの歩行者情報を送信するとよい。これにより、送信対象外となるその他のタクシーは無駄な停止を行わずに済む。
【0086】
また、例えば各歩行者1a〜1cの歩行者端末装置2に於いて、タクシー3aからの乗車了承IDを受信した場合にはタクシー待ちの歩行者情報の送信を停止し、タクシー3aからの車両情報の受信状態とするとよい。これにより、他のタクシー3bが複数の歩行者1a〜1eの歩車間通信圏(42)に入った場合でも、既に乗車待ちとなった歩行者1a〜1cからの不必要なタクシー待ち情報を受信せずに済み、例えば無駄なグループ分けの処理を行わずに済む。
【0087】
他のタクシー3bに於いても、1つのグループ(歩行者1a〜1c)を選択したタクシー3aから送信された別のグループ(歩行者1d〜1e)のタクシー待ち情報を含む歩行者情報を受信した場合には、
図9のステップST13により
図16(B)のような表示を行うとよい。このようにすることにより、異なる方向にグループ分けされたタクシー待ちに於ける利便性を向上し得る。
【0088】
なお、上述の第4実施例では、タクシー3aに於ける処理として、進行方向と同方向の歩行者1a〜1cを優先して乗車させる例について説明したが、タクシー待ちを受信した場所からUターンして通常の営業区域に戻るような場合には、自身が反対車線8bに向けて転回し、戻る方向となる側の歩行者1d〜1eを乗車させることが考えられる。そのような場合には、ステップST13に於ける画面6aの表示を
図17のように行き先別に選択可能とするとよい。選択されなかった各グループのタクシー待ち情報を他のタクシーに向けて送信することにより、上述した処理と同様の作用効果を奏し得る。
【0089】
以上、本発明を、その好適実施形態の実施例について説明したが、当業者であれば容易に理解できるように、本発明はこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。上述した実施例ではタクシー待ちについて説明したが、
図6(A)の「登録車両」の設定により、家族や友人の車両との待ち合わせにも適用でき、同様の作用効果を奏し得る。
【0090】
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りに於いて適宜取捨選択することが可能である。例えば第1実施例で述べたように、歩行者1は必ずしもLED発光体11を所持する必要はなく、車載端末装置4によりカーナビゲーション6の地図画面上に歩行者1の位置を表示させるだけであってもよい。