(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
樹脂本体の内部に、複数のターミナルと、前記ターミナルに接続する電子部品と、前記ターミナルに接続し、被駆動体に電力を供給するとともに前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスとが埋設され、外部機器から延びるコネクタが嵌着可能なコネクタ部が一体成形されたコントローラであって、
前記樹脂本体は、
樹脂によって前記ターミナルと一体化され、前記ターミナルの一端を前記コネクタ部内に突出するコネクタ端子として機能させるとともに、前記電子部品および前記パワーデバイスの配置部を形成する1次成形部と、
前記配置部に前記電子部品と前記パワーデバイスとを配置した状態で、前記電子部品と前記パワーデバイスと前記1次成形部と一体化された2次成形部と、
を有することを特徴とするコントローラ。
前記1次成形部には、前記電子部品と前記ターミナルとの接続部を露出させる窓部が形成されていることを特徴とする請求項1から8のいずれか1項に記載のコントローラ。
樹脂本体の内部に、複数のターミナルと、前記ターミナルに接続する電子部品と、前記ターミナルに接続し、被駆動体に電力を供給するとともに前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスとが埋設され、外部機器から延びるコネクタが嵌着可能なコネクタ部が一体成形されたコントローラの製造方法であって、
樹脂によって前記ターミナルと一体化され、前記ターミナルの一端を前記コネクタ部内に突出するコネクタ端子として機能させるとともに、前記電子部品および前記パワーデバイスの配置部を形成する1次成形部を形成する1次成形工程と、
前記配置部に前記電子部品と前記パワーデバイスとを配置した状態で、前記電子部品と前記パワーデバイスと前記1次成形部と一体化された2次成形部を形成する2次成形工程と、
を有することを特徴とするコントローラの製造方法。
前記1次成形工程と前記2次成形工程との間に、前記配置部に配置された前記電子部品および前記パワーデバイスを前記ターミナルに電気的に接続する接続工程を有することを特徴とする請求項10に記載のコントローラの製造方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献2に記載のコントローラでは、電子部品が積層回路に構成されているため、このモータ駆動装置を適用できる被電動駆動体のバリエーションが限定されてしまう。また、この課題に対しては、電子部品を積層回路の外部に配置することが考えられるが、これら電子部品および積層回路を一体成形することは、金型の構成上困難である。したがって、防水性、耐久性に優れ、且つ汎用性が高いコントローラを提供することが困難である。
【0006】
そこで本発明は、防水性、耐久性に優れ、且つ汎用性を高めることができるコントローラおよびコントローラの製造方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のコントローラは、樹脂本体の内部に、複数のターミナルと、前記ターミナルに接続する電子部品と、前記ターミナルに接続し、被駆動体に電力を供給するとともに前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスとが埋設され、外部機器から延びるコネクタが嵌着可能なコネクタ部が一体成形されたコントローラであって、前記樹脂本体は、樹脂によって前記ターミナルと一体化され、前記ターミナルの一端を前記コネクタ部内に突出するコネクタ端子として機能させるとともに、前記電子部品および前記パワーデバイスの配置部を形成する1次成形部と、前記配置部に前記電子部品と前記パワーデバイスとを配置した状態で、前記電子部品と前記パワーデバイスと前記1次成形部と一体化された2次成形部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、樹脂とターミナルによって形成された1次成形部に電子部品とパワーデバイスを配置した後、2次成形部により、1次成形部、電子部品、パワーデバイスをまとめて樹脂で一体化できる。このため、コントローラの内部の気密性を向上させることができる。また、樹脂によって気密性を向上させることで空気より樹脂の方が熱伝導率が高いため、放熱性を向上させることができる。また、電子部品およびパワーデバイスの固定構造、および電子部品およびパワーデバイスの各端子の応力緩和構造が不要となり、別途振動対策を行う必要がなくなる。さらに、電子部品がパワーデバイスと別体で設けられ、1次成形部に電子部品をセットする形になるので、仕様に応じて電子部品を適宜変更することができる。したがって、防水性、耐久性に優れ、且つ汎用性を高めることができるコントローラが得られる。
【0008】
上記のコントローラにおいて、前記2次成形部には、該2次成形部を被取付部材に固定するための取付部が一体成形されていることを特徴とする。
本発明によれば、別途取付構造を設けることなく、被取付部材への取付を容易に行うことができる。
【0009】
上記のコントローラにおいて、前記2次成形部は、熱伝導性樹脂により形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、2次成形部が熱伝導性樹脂により形成されているため、2次成形部と一体化された電子部品およびパワーデバイスにおいて生じた熱を、2次成形部を通じて外部へ効率よく放熱することができる。
【0010】
上記のコントローラにおいて、前記2次成形部には、ヒートシンクが一体的に設けられ、前記パワーデバイスと前記ヒートシンクとが離間して配置され、前記パワーデバイスと前記ヒートシンクとが前記熱伝導性樹脂を介して接していることを特徴とする。
本発明によれば、2次成形部にはヒートシンクが設けられているため、別途放熱機構を設けることなく、放熱性を向上させることができる。しかもパワーデバイスとヒートシンクとが熱伝導性樹脂を介して接しているため、パワーデバイスとヒートシンクとの間に放熱シートを介在させることなく、パワーデバイスにおいて生じた熱をヒートシンクに伝熱することができる。したがって、簡素な構成で放熱性を向上させることができる。
【0011】
上記のコントローラにおいて、前記ヒートシンクは、前記ターミナルと電気的に接続されていることを特徴とする。
本発明によれば、ヒートシンクの露出部を介してターミナルを容易に接地させることができる。
【0012】
上記のコントローラにおいて、前記電子部品は、雑防素子および平滑コンデンサの少なくともいずれか一方を含んでいることを特徴とする。
本発明によれば、雑防回路や平滑回路を防水性の優れた樹脂本体の内部に形成でき、コントローラの防水性、耐久性をより向上させることができる。
【0013】
上記のコントローラにおいて、前記電子部品は、前記パワーデバイスと同一平面内に配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、コントローラの厚さの増加を抑制できる。
【0014】
上記のコントローラにおいて、前記配置部は、前記電子部品の少なくとも一部を収容するように形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、2次成形部を形成する際に、配置部に配置される電子部品の位置ずれが生じることを防止できる。
【0015】
上記のコントローラにおいて、前記1次成形部には、前記電子部品と前記ターミナルとの接続部を露出させる窓部が形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、窓部により接続部の周囲に空間が設けられるため、1次成形部に対し、窓部を介して電子部品とターミナルとを容易に接続できる。また、接続方法として例えば、抵抗溶接等を用いる場合、溶接時における作業性が向上するとともに、1次成形部への溶接の熱影響を十分に抑制することができる。
【0016】
本発明のコントローラの製造方法は、樹脂本体の内部に、複数のターミナルと、前記ターミナルに接続する電子部品と、前記ターミナルに接続し、被駆動体に電力を供給するとともに前記被駆動体の駆動を制御するパワーデバイスとが埋設され、外部機器から延びるコネクタが嵌着可能なコネクタ部が一体成形されたコントローラの製造方法であって、樹脂によって前記ターミナルと一体化され、前記ターミナルの一端を前記コネクタ部内に突出するコネクタ端子として機能させるとともに、前記電子部品および前記パワーデバイスの配置部を形成する1次成形部を形成する1次成形工程と、前記配置部に前記電子部品と前記パワーデバイスとを配置した状態で、前記電子部品と前記パワーデバイスと前記1次成形部と一体化された2次成形部を形成する2次成形工程と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、樹脂とターミナルによって形成された1次成形部に電子部品とパワーデバイスを配置した後、2次成形部により、1次成形部、電子部品、パワーデバイスをまとめて樹脂で一体化できる。このため、コントローラの内部の気密性を向上させることができる。また、樹脂によって気密性を向上させることで空気より樹脂の方が熱伝導率が高いため、放熱性を向上させることができる。また、電子部品およびパワーデバイスの固定構造、および電子部品およびパワーデバイスの各端子の応力緩和構造が不要となり、別途振動対策を行う必要がなくなる。さらに、電子部品がパワーデバイスと別体で設けられ、1次成形部に電子部品をセットする形になるので、仕様に応じて電子部品を適宜変更することができるコントローラを、複雑な金型を用いることなく製造できる。したがって、防水性、耐久性に優れ、且つ汎用性を高めることができるコントローラを容易に製造できる。
【0017】
上記のコントローラの製造方法において、前記1次成形工程と前記2次成形工程との間に、前記配置部に配置された前記電子部品および前記パワーデバイスを前記ターミナルに電気的に接続する接続工程を有することを特徴とする。
本発明によれば、電子部品およびパワーデバイスを1次成形部の配置部に配置した状態で、ターミナルに対して電気的に接続させることができる。これにより、電子部品およびパワーデバイスの位置ずれを抑制することができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明のコントローラによれば、樹脂とターミナルによって形成された1次成形部に電子部品とパワーデバイスを配置した後、2次成形部により、1次成形部、電子部品、パワーデバイスをまとめて樹脂で一体化できる。このため、コントローラの内部の気密性を向上させることができる。また、樹脂によって気密性を向上させることで空気より樹脂の方が熱伝導率が高いため、放熱性を向上させることができる。また、電子部品およびパワーデバイスの固定構造、および電子部品およびパワーデバイスの各端子の応力緩和構造が不要となり、別途振動対策を行う必要がなくなる。さらに、電子部品がパワーデバイスと別体で設けられ、1次成形部に電子部品をセットする形になるので、仕様に応じて電子部品を適宜変更することができる。したがって、防水性、耐久性に優れ、且つ汎用性を高めることができるコントローラが得られる。
【0019】
本発明のコントローラの製造方法によれば、樹脂とターミナルによって形成された1次成形部に電子部品とパワーデバイスを配置した後、2次成形部により、1次成形部、電子部品、パワーデバイスをまとめて樹脂で一体化できる。このため、コントローラの内部の気密性を向上させることができる。また、樹脂によって気密性を向上させることで空気より樹脂の方が熱伝導率が高いため、放熱性を向上させることができる。また、電子部品およびパワーデバイスの固定構造、および電子部品およびパワーデバイスの各端子の応力緩和構造が不要となり、別途振動対策を行う必要がなくなる。さらに、電子部品がパワーデバイスと別体で設けられ、1次成形部に電子部品をセットする形になるので、仕様に応じて電子部品を適宜変更することができるコントローラを、複雑な金型を用いることなく製造できる。したがって、防水性、耐久性に優れ、且つ汎用性を高めることができるコントローラを容易に製造できる。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の説明では、コントローラ1により駆動制御される被電動駆動体として、モータを例に挙げて説明する。
【0022】
[第1実施形態]
(コントローラ)
図1は、第1実施形態のコントローラの斜視図である。
図2は、第1実施形態のコントローラの2次成形部を透過した斜視図である。
図1および
図2に示すように、コントローラ1は、モータを駆動制御するためのものであって、例えばモータのモータケース(請求項の「被取付部材」に相当。)に取り付けられている。コントローラ1は、主に本体部分を構成する樹脂モールド体10(請求項の「樹脂本体」に相当。)を有している。この樹脂モールド体10の内部に、複数のバスバー100(請求項の「ターミナル」に相当。)と、バスバー100に接続する電子部品40と、バスバー100に接続し、モータに電力を供給するとともにモータの駆動を制御するパワーデバイス50と、が埋設されている。また、樹脂モールド体10には、外部機器から延びるコネクタ(いずれも不図示)が嵌着可能なコネクタ部13〜15(第1コネクタ部13、第2コネクタ部14、第3コネクタ部15)が一体成形されている。
【0023】
樹脂モールド体10は、1次成形部11と2次成形部21とを有する。
図2に示すように、1次成形部11は、ベース部12と、ベース部12から突出するコネクタ部13〜15と、が一体成形されたものである。1次成形部11は、複数のバスバー100と一体化され、バスバー100の一端をコネクタ部13〜15内に突出するコネクタ端子として機能させている。また、1次成形部11には、電子部品40を配置する電子部品配置部16a〜16dおよびパワーデバイス50を配置するパワーデバイス配置部17が形成されている。
【0024】
ベース部12は、モータの軸方向から見た平面視が略矩形板状に形成され、端辺12bと、端辺12bに対向する端辺12cと、端辺12b,12cに直交する一対の端辺12d,12eと、を有する。ベース部12には、電子部品40およびパワーデバイス50とバスバー100との接続部を露出させる複数の窓部12aと、電子部品40が配置される4つの電子部品配置部16a〜16d(第1配置部16a、第2配置部16b、第3配置部16c、第4配置部16d)と、パワーデバイス50が配置されるパワーデバイス配置部17と、が形成されている。
【0025】
窓部12aは、ベース部12の略半分の大部分に形成され、且つベース部12の厚さ方向(以下、単に「厚さ方向」という。)に貫通するように形成されている。
ベース部12における窓部12aが形成されている側には、端辺12d側から順に、端辺12bに沿って第1配置部16a、第2配置部16b、第3配置部16cおよび第4配置部16dが並設されている。電子部品配置部16a〜16dは、それぞれ電子部品40を収容するように、厚さ方向の一方側に開口した凹状に形成されている。
【0026】
パワーデバイス配置部17は、矩形板状に形成され、窓部12aとは反対側のベース部12の略半分に、端辺12cの全体に沿って配置されている(
図7参照)。また、パワーデバイス配置部17における、一対の端辺12d,12e上に対応する位置には、パワーデバイスを位置決めするための一対の位置決め突起17aが、それぞれ厚さ方向一方側に向かって立設されている。
【0027】
ベース部12の外周縁には、コネクタ部13〜15が、それぞれベース部12の面方向に沿って突出している。具体的には、第1コネクタ部13は、端辺12e上における端辺12cとの連接部寄りの部分に形成されている。第2コネクタ部14は、端辺12e上における端辺12bとの連接部寄りの部分に形成されている。第3コネクタ部15は、端辺12d上における端辺12cとの連接部寄りの部分に形成されている。
このように形成された1次成形部11には、複数のバスバー100が埋設されている。
【0028】
図3は、第1実施形態のコントローラの1次成形部および2次成形部を透過した下面図である。
同図に示すように、複数のバスバー100は、信号系ターミナルバスバー101〜106と、パワー用ターミナルバスバー111,112(第1パワー用ターミナルバスバー111、第2パワー用ターミナルバスバー112)と、3相バスバー121〜123と、パワー用バスバー131と、を備えている。複数のバスバー100は、それぞれ例えば銅等の金属板材をプレス加工等により所望の形状に形成されている。複数のバスバー100は、全て交差することなく、同一平面上において横並びに配置された状態になっている。このため、クロストークによるノイズの発生を抑制するように構成されている。
【0029】
図2および
図3に示すように、信号系ターミナルバスバー101〜106は、第1コネクタ部13近傍に配置されている。信号系ターミナルバスバー101〜106は、それぞれベース部12の窓部12a内に突出するパワーデバイス側端部107と、第1コネクタ部13内に突出するコネクタ側端部108と、を有している。
【0030】
信号系ターミナルバスバー101〜106は、ECU(Engine Control Unit)等の外部機器との通信ラインとして設けられている。信号系ターミナルバスバー101〜106は、主にモータの目標回転数の入力や、モータの回転数の出力、パワーデバイス50の機能設定、エラー状態の情報出力に用いられる。信号系ターミナルバスバー101〜106がパワーデバイス50の機能設定用として設けられることで、コントローラ1の機能の設定変更を製品状態でも行うことが可能となり、開発生産性を向上させることができる。また、信号系ターミナルバスバー101〜106がエラー状態の情報出力用として設けられることで、エラー発生時にエラー種別の判定が可能となり、故障解析の効率を向上させることができる。さらに、この信号系ターミナルバスバー101〜106からモータの回転数を上位ECUに出力(フィードバック)することで、上位ECUは、モータの回転数を必要に応じて調整することができるため、無駄な電力消費(電費)を抑える効果もある。
【0031】
第1パワー用ターミナルバスバー111は、ベース部12の端辺12bから端辺12dに沿う領域において第1配置部16aおよび第2配置部16bを迂回するように配置されている。第1パワー用ターミナルバスバー111は、ベース部12の窓部12a内に突出するパワーデバイス側端部111aと、第2コネクタ部14内に突出するコネクタ側端部111bと、一対の端部111a,111bとを連結する渡り部から、ベース部12の窓部12a内に突出する3個の舌片部111cと、を有している。
【0032】
第2パワー用ターミナルバスバー112は、ベース部12において、信号系ターミナルバスバー101〜106と第1パワー用ターミナルバスバー111との間に配置されている。第2パワー用ターミナルバスバー112は、ベース部12の窓部12a内に突出するパワーデバイス側端部112aと、第2コネクタ部14内に突出するコネクタ側端部112bと、一対の端部112a,112bとを連結する渡り部から、ベース部12の窓部12a内に突出する2個の舌片部112cと、を有している。
【0033】
3相バスバー121〜123は、第3コネクタ部15近傍に配置されている。3相バスバー121〜123は、それぞれベース部12の窓部12a内に突出するパワーデバイス側端部124と、第3コネクタ部15内に突出するコネクタ側端部125と、を有している。
【0034】
パワー用バスバー131は、ベース部12において、第1パワー用ターミナルバスバー111と3相バスバー121〜123との間に配置されている。パワー用バスバー131は、ベース部12の窓部12a内に突出するパワーデバイス側端部132および3個の舌片部133を有している。
【0035】
このように複数のバスバー100が埋設された1次成形部11(ベース部12)の厚さ方向一方側の主面上には、電子部品40およびパワーデバイス50が同一平面内に配置されている。電子部品40は、雑防素子41と一対の平滑コンデンサ45とを含んでいる。
【0036】
雑防素子41は、Xコンデンサ42およびチョークコイル43を含んでいる。
Xコンデンサ42は、主にラジオノイズを抑制するために設けられている。Xコンデンサ42は、例えば略円筒状の電解コンデンサであり、ベース部12の第4配置部16dに配置されている。Xコンデンサ42は、その中心軸線がベース部12の端辺12d,12eの延在方向に沿うように配置されている。
【0037】
なお、Xコンデンサ42としては、例えばアルミ電解コンデンサや導電性高分子コンデンサ、ニオブコンデンサ等の電解コンデンサの他に、セラミックコンデンサ等を用いることができる。
ここで、アルミ電解コンデンサは、発熱等の異常が生じて内圧が上昇した際に、圧力弁を作動させて電解液を含む高温のガスを逃すように設計されている。このため、アルミ電解コンデンサの圧力弁の周囲には、高温のガスを逃すための空間を設ける必要がある。これに対して、導電性高分子コンデンサやニオブコンデンサ、セラミックコンデンサ等の固体コンデンサは圧力弁を備えていないので、周囲に空間を設ける必要がない。このため、後述する2次成形部21の成形が容易となる。
【0038】
Xコンデンサ42は、その端面から延出する一対のリード部を有している。Xコンデンサ42の一対のリード部は、先端が窓部12a内に配置され、例えば抵抗溶接等により、第1パワー用ターミナルバスバー111の舌片部111cと第2パワー用ターミナルバスバー112の舌片部112cとにそれぞれ電気的に接続されている。
【0039】
チョークコイル43は、主にラジオノイズを抑制するために設けられている。チョークコイル43は、例えばフェライト等の磁性材料からなる円柱状のコアに、導線を巻きつけたものであり、ベース部12の第3配置部16cに配置されている。チョークコイル43は、その中心軸線がベース部12の端辺12b,12cの延在方向に沿うように配置されている。
【0040】
チョークコイル43の導線は、一対の先端部がそれぞれ窓部12a内に配置されている。チョークコイル43の導線における一対の先端部は、例えば抵抗溶接等により、第2パワー用ターミナルバスバー112の舌片部112cとパワー用バスバー131の舌片部133とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0041】
一対の平滑コンデンサ45は、モータの駆動に伴い生じる電圧の変化を抑制するために設けられている。一対の平滑コンデンサ45は、Xコンデンサ42と同様に、例えば円筒状の電解コンデンサであり、ベース部12の第1配置部16aおよび第2配置部16bにそれぞれ配置されている。各平滑コンデンサ45は、Xコンデンサ42と同様に、その中心軸線がベース部12の端辺12d,12eの延在方向に沿うように配置されている。
【0042】
なお、平滑コンデンサ45としては、Xコンデンサ42と同様に、例えばアルミ電解コンデンサや導電性高分子コンデンサ、ニオブコンデンサ等の電解コンデンサの他に、セラミックコンデンサ等を用いることができる。ただし、一般的に導電性高分子コンデンサやニオブコンデンサ、セラミックコンデンサ等は、同等のサイズのアルミ電解コンデンサと比較して静電容量が小さくなる傾向にある。このため、平滑コンデンサとして導電性高分子コンデンサやニオブコンデンサ、セラミックコンデンサ等を用いる場合、モータを正弦波駆動制御や広角通電駆動制御することにより電圧(電流)の変化を緩やかにすることが望ましい。また、平滑コンデンサとして導電性高分子コンデンサやニオブコンデンサ、セラミックコンデンサ等を用いる場合、アルミ電解コンデンサを用いる場合と同等の静電容量となるように複数個用いることで、電圧の変化を抑制することも可能である。
【0043】
各平滑コンデンサ45は、その端面から延出する一対のリード部をそれぞれ有している。各平滑コンデンサ45の一対のリード部は、先端が窓部12a内に配置され、例えば抵抗溶接等により、第1パワー用ターミナルバスバー111の舌片部111cとパワー用バスバー131の舌片部133とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0044】
ベース部12のパワーデバイス配置部17に配置されたパワーデバイス50は、矩形板状に形成されている。パワーデバイス50は、その長手方向がベース部12の端辺12cの延在方向に沿うように、ベース部12のパワーデバイス配置部17上に載置されている。パワーデバイス50は、例えばエポキシ樹脂等のモールド体の内部に、例えばFET(Field effect Transistor:電界効果トランジスタ)やIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)等のスイッチング素子等を含む電子素子が実装された回路基板が内蔵されている。
【0045】
また、パワーデバイス50の一側面には、端子列51が設けられている。端子列51を構成する各端子は、窓部12a内に突出し、バスバー100の各パワーデバイス側端部107,111a,112a,124,132をそれぞれ電気的に接続している。
【0046】
図2に示すように、パワーデバイス50における厚さ方向一方側の主面上には、不図示の放熱シートを介してヒートシンク55が載置されている。ヒートシンク55は、厚さ方向から見て、パワーデバイス50よりやや大きい矩形状に形成されている。ヒートシンク55は、厚さ方向一方側の主面上に、厚さ方向に沿って立設された複数のピン型の放熱フィンを有する。また、ヒートシンク55の一対の短辺には、切欠き部55aがそれぞれ形成されている。これら一対の切欠き部55aがパワーデバイス配置部17の一対の位置決め突起17aにそれぞれ係合した状態で、パワーデバイス50上にヒートシンク55が載置されている。パワーデバイス50およびヒートシンク55は、一対の締結部材53により放熱シートを挟み込んだ状態で互いに固定されている(
図3参照)。放熱シートを挟み込むことにより、放熱シートとパワーデバイス50およびヒートシンク55との密着性が向上し、パワーデバイス50の発熱をヒートシンク55に伝達し易くしている。
【0047】
図4は、
図1のIV−IV線に沿う断面図である。
図2〜4に示すように、ヒートシンク55には、接地部56が形成されている。接地部56は、ヒートシンク55におけるベース部12の端辺12b側の側面から突出している。この接地部56は、第1パワー用ターミナルバスバー111に対して導電性を有する締結部材57により固定され、第1パワー用ターミナルバスバー111と電気的に接続されている。
【0048】
図1および
図2に示すように、2次成形部21は、1次成形部11の電子部品配置部16a〜16dに電子部品40を配置し、パワーデバイス配置部17にパワーデバイス50及びヒートシンク55を配置した状態で、電子部品40とパワーデバイス50と1次成形部11と一体化されている。より具体的には、2次成形部21は略矩形板状に形成されており、その厚さ方向は、ベース部12の厚さ方向と同一になっている。2次成形部21は、1次成形部11、電子部品40、パワーデバイス50およびヒートシンク55のうち、コネクタ部13〜15およびヒートシンク55の放熱フィンを有する面を除く部分を覆うように形成されている。
【0049】
また、2次成形部21には、コントローラ1をモータケースに固定するための一対の取付部23が一体成形されている。取付部23は、ベース部12の端辺12b,12cに対応する位置の側面から突設している。この取付部23には、それぞれ金属材料により形成されたパイプ状のカラー部材24がインサート成形されている。
【0050】
(コントローラの製造方法)
次に、
図1および
図5〜8に基づいて、本実施形態のコントローラ1の製造方法について説明する。
図5は、第1実施形態のコントローラの製造方法を示すフローチャートである。
図6〜8は、第1実施形態のコントローラの製造方法を示す工程図である。
【0051】
図5に示すように、コントローラ1の製造方法は、1次成形部11を形成する1次成形工程S10と、1次成形部11の電子部品配置部16a〜16dに配置された電子部品40、およびパワーデバイス配置部17に配置されたパワーデバイス50をバスバー100に電気的に接続する接続工程S20と、2次成形部21を形成する2次成形工程S30と、を有する。
【0052】
まず1次成形工程S10を行う。
図6に示すように、1次成形工程S10では、1次成形部11を成形するための金型(不図示)に、複数のバスバー100をセットする。このとき、複数のバスバー100は、不図示の連結部により互いに連結された状態になっていてもよい。このように複数のバスバー100を互いに連結された状態とすることで、複数のバスバー100を金型に容易にセットすることができる。
次いで、
図7に示すように、バスバー100をセットした金型に樹脂を流し込み、1次成形部11を成形する。この際、上述のように複数のバスバー100が連結部により連結されている場合には、金型のキャビティ型とコア型との型締め時に連結部を切断してもよいし、1次成形部11に連結部を切断するための窓部を形成し、この窓部を介して連結部を切断するようにしてもよい。これにより、複数のバスバー100と一体化された1次成形部11が成形され、1次成形工程S10が完了する。
【0053】
次に接続工程S20を行う。
図8に示すように、接続工程S20では、複数のバスバー100が一体化された1次成形部11に電子部品40およびパワーデバイス50を配置し、それらの端子をバスバー100と電気的に接続する。
具体的には、ベース部12の第1配置部16aおよび第2配置部16bにそれぞれ平滑コンデンサ45を配置する。そして、各平滑コンデンサ45からそれぞれ延出する一対のリード部の先端を、抵抗溶接等により、第1パワー用ターミナルバスバー111の舌片部111cとパワー用バスバー131の舌片部133とにそれぞれ電気的に接続する。
【0054】
また、第3配置部16cにチョークコイル43を配置する。そして、チョークコイル43が有する導線の一対の先端部を、抵抗溶接等により、第2パワー用ターミナルバスバー112の舌片部112cとパワー用バスバー131の舌片部133とにそれぞれ溶接する。
また、第4配置部16dにXコンデンサ42を配置する。そして、Xコンデンサ42から延出する一対のリード部の先端を、抵抗溶接等により、第1パワー用ターミナルバスバー111の舌片部111cと第2パワー用ターミナルバスバー112の舌片部112cとにそれぞれ溶接する。
【0055】
また、パワーデバイス配置部17にパワーデバイス50を配置する。さらに、パワーデバイス50上に、不図示の放熱シートを介してヒートシンク55を配置する。この際、ヒートシンク55の一対の切欠き部55aを、パワーデバイス配置部17の一対の位置決め突起17aにそれぞれ係合させることにより、ヒートシンク55をパワーデバイス50上に正確に載置できる。次いで、パワーデバイス50とヒートシンク55とを、放熱シートを挟み込んだ状態で、一対の締結部材53により固定する。その後、ヒートシンク55の接地部56を、締結部材57(
図3参照)により第1パワー用ターミナルバスバー111に対して締結固定する。そして、パワーデバイス50から延出する端子列51の各端子を、抵抗溶接等により、バスバー100の各パワーデバイス側端部107,111a,112a,124,132にそれぞれ溶接する(
図3参照)。なお、ヒートシンク55は、パワーデバイス50とバスバー100との溶接後に、パワーデバイス50上に配置してもよい。
これにより、接続工程S20が完了する。
【0056】
次に、2次成形工程S30を行う。
2次成形工程S30では、2次成形部21を成形するための金型(不図示)に、電子部品40とパワーデバイス50と一体化された1次成形部11と、カラー部材24(
図2参照)とをセットする。そして金型に樹脂を流し込み、2次成形部21を成形する。これにより、2次成形工程S30が完了し、
図1に示すコントローラ1が製造される。
【0057】
このように、本実施形態のコントローラ1は、樹脂モールド体10が、樹脂によってバスバー100と一体化され、バスバー100の一端をコネクタ部13〜15内に突出するコネクタ端子として機能させるとともに、電子部品40を配置する電子部品配置部16a〜16dおよびパワーデバイス50を配置するパワーデバイス配置部17を形成する1次成形部11と、電子部品配置部16a〜16dに電子部品40を配置し、パワーデバイス配置部17にパワーデバイス50を配置した状態で、電子部品40とパワーデバイス50と1次成形部11と一体化された2次成形部21と、を有する。
【0058】
この構成によれば、樹脂とターミナルによって形成された1次成形部11に電子部品40とパワーデバイス50を配置した後、2次成形部21により、1次成形部11、電子部品40、パワーデバイス50をまとめて樹脂で一体化できる。このため、コントローラ1の内部の気密性を向上させることができる。
また、樹脂によって気密性を向上させることで空気より樹脂の方が熱伝導率が高いため、放熱性を向上させることができる。また、電子部品40およびパワーデバイス50の固定構造、および電子部品40およびパワーデバイス50の各端子の応力緩和構造が不要となり、別途振動対策を行う必要がなくなる。
【0059】
さらに、電子部品40がパワーデバイス50と別体で設けられ、1次成形部11に電子部品40をセットする形になるので、仕様に応じて電子部品40を適宜変更することができる。したがって、防水性、耐久性に優れ、且つ汎用性を高めることができるコントローラ1が得られる。
また、本実施形態では、パワーデバイス50がエポキシ樹脂等の樹脂モールド体に封止されているため、ハンダ接合部等の接合箇所の露出が抑制されている。これにより、インサート成形による2次成形部21の形成がより容易になっている。
【0060】
また、2次成形部21には、取付部23が一体成形されているため、別途取付構造を設けることなく、モータケースへの取付を容易に行うことができる。
また、2次成形部21からは、ヒートシンク55の放熱フィンを有する面が露出して設けられているため、別途放熱機構を設けることなく、放熱性を向上させることができる。
【0061】
また、ヒートシンク55が、バスバー100(第1パワー用ターミナルバスバー111)に電気的に接続されているため、ヒートシンク55の露出部を介してバスバー100を容易に接地させることができる。
また、電子部品40が、雑防素子41および平滑コンデンサ45を含んでいるため、雑防回路や平滑回路を防水性の優れた樹脂モールド体10の内部に形成でき、コントローラ1の防水性、耐久性をより向上させることができる。
【0062】
また、電子部品40が、パワーデバイス50と同一平面内に配置されているため、コントローラ1の厚さの増加を抑制できる。
また、電子部品配置部16a〜16dが、電子部品40の少なくとも一部を収容するように形成されているため、2次成形部21を形成する際に、電子部品配置部16a〜16dに配置される電子部品40の位置ずれが生じることを防止できる。
【0063】
また、1次成形部11には、電子部品40およびパワーデバイス50とバスバー100との接続部を露出させる窓部12aが形成されているため、1次成形部11に対し、窓部12aを介して電子部品40およびパワーデバイス50とバスバー100とを容易に接続できる。また、接続方法として例えば、抵抗溶接等を用いる場合、溶接時における作業性が向上するとともに、1次成形部11への溶接の熱影響を十分に抑制することができる。
【0064】
本実施形態のコントローラ1の製造方法は、バスバー100と一体化され、バスバー100の一端をコネクタ部13〜15内に突出するコネクタ端子として機能させるとともに、電子部品40を配置する電子部品配置部16a〜16dおよびパワーデバイス50を配置するパワーデバイス配置部17を形成する1次成形部11を形成する1次成形工程S10と、電子部品配置部16a〜16dに電子部品40を配置し、パワーデバイス配置部17にパワーデバイス50を配置した状態で、電子部品40とパワーデバイス50と1次成形部11と一体化された2次成形部21を形成する2次成形工程S30と、を有する。
【0065】
この方法によれば、1次成形部11に電子部品40とパワーデバイス50を配置した後、2次成形部21により、1次成形部11、電子部品40、パワーデバイス50、ヒートシンク55をまとめて樹脂で一体化できる。このため、コントローラ1の内部の気密性を向上させることができる。
また、樹脂によって気密性を向上させることで空気より樹脂の方が熱伝導率が高いため、放熱性を向上させることができる。また、電子部品40およびパワーデバイス50の固定構造、および電子部品40およびパワーデバイス50の各端子の応力緩和構造が不要となり、別途振動対策を行う必要がなくなる。
さらに、電子部品40がパワーデバイス50と別体で設けられ、1次成形部11に電子部品40をセットする形になるので、仕様に応じて電子部品40を適宜変更することができるコントローラを、複雑な金型を用いることなく製造できる。したがって、防水性、耐久性に優れ、且つ汎用性を高めることができるコントローラ1を容易に製造できる。
【0066】
また、1次成形工程S10と2次成形工程S30との間に、電子部品配置部16a〜16dに配置された電子部品40、およびパワーデバイス配置部17に配置されたパワーデバイス50をバスバー100に電気的に接続する接続工程S20を有する。
この方法によれば、電子部品40を1次成形部11の電子部品配置部16a〜16dに配置し、パワーデバイス50を1次成形部11のパワーデバイス配置部17に配置した状態で、バスバー100に対して電気的に接続させることができる。これにより、電子部品40およびパワーデバイス50の位置ずれを抑制することができる。
【0067】
[第2実施形態]
(コントローラ)
図9は、第2実施形態のコントローラの2次成形部を透過した斜視図である。
図10は、
図9のX−X線に沿う断面図である。なお、
図1〜4に示す第1実施形態と同様の構成については、同一符号を付して詳細な説明を省略する。
図9および
図10に示すように、前述の第1実施形態と第2実施形態との相違点は、第1実施形態では、パワーデバイス50とヒートシンク55とが不図示の放熱シートを介して接していたが、第2実施形態では、パワーデバイス50とヒートシンク55とが2次成形部221を介して接している点にある。
【0068】
より詳しくは、コントローラ201の2次成形部221は、熱伝導性樹脂により形成されている。熱伝導性樹脂は、高い熱伝導率を有するとともに、高い絶縁性および耐熱性を有することが望ましく、例えばポリブチレンテレフタレートやポリフェニレンサルファイド、液晶ポリマー等を用いることができる。
【0069】
パワーデバイス50とヒートシンク55とは、厚さ方向に離間して配置されている。パワーデバイス50とヒートシンク55との隙間部Gには、2次成形部221を形成する熱伝導性樹脂が配置されている。パワーデバイス50とヒートシンク55は、熱伝導性樹脂を介して接している。
【0070】
このような構成のもと、2次成形部221を形成する際、まずパワーデバイス50をパワーデバイス配置部17に配置する。次いで、パワーデバイス50から延出する端子列51の各端子を、抵抗溶接等により、バスバー100の各パワーデバイス側端部107,111a,112a,124,132にそれぞれ溶接する。また、ヒートシンク55の接地部56を締結部材57により第1パワー用ターミナルバスバー111に対して締結固定する。このようにして、パワーデバイス50とヒートシンク55とが厚さ方向に離間した状態で、1次成形部11に一体化される。
【0071】
次いで、電子部品40、パワーデバイス50およびヒートシンク55と一体化された1次成形部11をカラー部材24とともに金型にセットし、金型に熱伝導性樹脂を流し込む。この際、パワーデバイス50とヒートシンク55との間には、溶融された熱伝導性樹脂が流れ込み、この熱伝導性樹脂がパワーデバイス50とヒートシンク55とに密着する。
【0072】
この構成によれば、2次成形部221が熱伝導性樹脂により形成されているため、2次成形部221と一体化された電子部品40およびパワーデバイス50において生じた熱を、2次成形部221を通じて外部へ効率よく放熱することができる。
【0073】
また、パワーデバイス50とヒートシンク55とが熱伝導性樹脂(2次成形部221)を介して接しているため、パワーデバイス50とヒートシンク55との間に放熱シートを介在させることなく、パワーデバイス50において生じた熱をヒートシンク55に伝熱することができる。このため、
図3に示す第1実施形態において、放熱シートをパワーデバイス50とヒートシンク55との間に挟み込むために用いられた締結部材53も不要となる。したがって、簡素な構成で放熱性を向上させることができる。
【0074】
なお、本発明は、図面を参照して説明した上述の実施形態に限定されるものではなく、その技術的範囲において様々な変形例が考えられる。
例えば、上記実施形態においては、第1パワー用ターミナルバスバー111は、ヒートシンク55と接続することで接地しているが、これに限定されるものではない。第1パワー用ターミナルバスバー111は、例えば取付部23において外部に露出するカラー部材24に接続してもよい。そして、カラー部材24をモータケース等に接続させることにより、カラー部材24を介して第1パワー用ターミナルバスバー111を接地させることができる。
【0075】
また、上記の実施形態においては、ヒートシンクが放熱フィンを有しているが、これに限らず、例えば放熱フィンを設けずにその面を平坦な面とし、その面を直接モータ等の筐体に当接させることで、筐体を介して放熱させるようにしてもよい。
【0076】
また、上記実施形態においては、バスバー100と電子部品40およびパワーデバイス50との接続を抵抗溶接により行ったが、これに限らず、例えばTIG溶接等のアーク溶接やレーザ溶接等により行ってもよい。
【0077】
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上記した実施の形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。