(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343283
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】厚い断熱ガラス窓ユニットを収容するように設計された窓枠内に真空断熱ガラス窓ユニットを設置するためのスペーサーシステム
(51)【国際特許分類】
E06B 3/66 20060101AFI20180604BHJP
C03C 27/06 20060101ALI20180604BHJP
E06B 3/64 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
E06B3/66 D
C03C27/06 101E
E06B3/64
【請求項の数】26
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2015-531148(P2015-531148)
(86)(22)【出願日】2013年9月4日
(65)【公表番号】特表2015-533962(P2015-533962A)
(43)【公表日】2015年11月26日
(86)【国際出願番号】US2013057897
(87)【国際公開番号】WO2014039460
(87)【国際公開日】20140313
【審査請求日】2016年8月17日
(31)【優先権主張番号】13/606,212
(32)【優先日】2012年9月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】593005002
【氏名又は名称】ガーディアン・インダストリーズ・コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】100104215
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100117330
【弁理士】
【氏名又は名称】折居 章
(74)【代理人】
【識別番号】100160989
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 正好
(74)【代理人】
【識別番号】100168181
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 哲平
(74)【代理人】
【識別番号】100168745
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 彩子
(74)【代理人】
【識別番号】100170346
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 望
(74)【代理人】
【識別番号】100176131
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 慎太郎
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ ジェフェリー エー.
【審査官】
藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2002−021436(JP,A)
【文献】
実開昭60−174787(JP,U)
【文献】
特開2011−006874(JP,A)
【文献】
実開昭59−098090(JP,U)
【文献】
米国特許出願公開第2006/0156653(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/54 − 3/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットを設置する方法において、
4〜12mmの厚さを有するVIG窓ユニットを、前記VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる窓枠内に配置する配置工程において、前記VIG窓ユニットは、第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含む、配置工程と、
前記VIG窓ユニットを、前記窓枠の第1係止部によって第1面を支持し、前記窓枠の第2係止部によって第2面を支持する支持工程において、前記第1係止部と前記第2係止部との間の間隙は、19〜40mmである、支持工程と、
前記VIG窓ユニットと前記窓枠の前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つとの間に、前記VIG窓ユニットの少なくとも1つの辺に沿ってスペーサ構造体を提供する提供工程において、前記スペーサ構造体は、断面として見ると、固形部分によって囲まれた少なくとも1つの中空領域を含み、前記中空領域は、実質的に空気、発泡体、及び/又は断熱材で充填される、提供工程と、
を含み、
前記スペーサ構造体は、前記配置工程後、実質的に平行な第1拡張部と第2拡張部との間に相互接続されたベース部を含み、前記ベース部から延びる前記第1拡張部及び前記第2拡張部は、各々前記VIG窓ユニットの前記第1ガラス基板及び前記第2ガラス基板に対して実質的に平行な方向に延び、前記VIG窓ユニットの前記第1ガラス基板及び前記第2ガラス基板は、前記第1拡張部と前記第2拡張部との間の少なくとも一部に位置し、
前記スペーサ構造体は、前記第1拡張部を前記ベース部にスナップ接続するための第1スナップロック構造体、及び前記第2拡張部を前記ベース部にスナップ接続するための第2スナップロック構造体を含む、
真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットを設置する方法。
【請求項2】
前記スペーサ構造体は、前記VIG窓ユニットの4つの辺の全てに沿って提供される、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記スペーサ構造体の前記中空領域は、発泡体で充填又は実質的に充填される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記スペーサ構造体の前記中空領域は、空洞又は実質的に空気で充填される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記スペーサ構造体は、複数の中空領域を含み、前記複数の中空領域は、各々固形部分で囲まれていて、実質的に空気及び/又は発泡体で充填される、
請求項1又は2に記載の方法。
【請求項6】
前記第1係止部及び前記第2係止部は、互いに実質的に平行である、
請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つは、断面として見ると、固形部分によって囲まれた中空の空間を含む、
請求項1〜6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つの前記中空の空間は、空気及び/又は発泡体で充填又は実質的に充填される、
請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記スペーサ構造体は、前記VIG窓ユニットの4つの辺の各々に沿って提供され、(i)前記VIG窓ユニットと前記第1係止部との間、及び(ii)前記VIG窓ユニットと前記第2係止部との間に位置する、
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記VIG窓ユニットは、少なくとも前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間の前記低圧の間隙内に位置する複数のスペーサを含む、
請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記VIG窓ユニットは、実質的に前記低圧の間隙を大気圧未満の圧力で保持するために、前記VIG窓ユニットの周辺を気密封止するように前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間に提供される端部シールを含む、
請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記スペーサ構造体は、前記ベース部と前記第1拡張部との間の第1リビングヒンジ、及び前記ベース部と前記第2拡張部との間の第2リビングヒンジを含む、
請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記第1拡張部及び前記第2拡張部は、各々複数の中空領域を含み、前記複数の中空領域は、各々固形部分によって囲まれて、実質的に空気及び/又は発泡体で充填される、
請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記VIG窓ユニットと前記スペーサ構造体との間に接着剤が提供される、
請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記スペーサ構造体が前記窓枠の一部ではなく、前記窓枠は、前記VIG窓ユニットより大きな幅を有する前記非真空IG窓ユニットを収容するように設計されたものである、
請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる窓枠内のVIG窓ユニットと、
第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含む前記VIG窓ユニットと、
前記窓枠の第1係止部によって第1面を支持され、前記窓枠の第2係止部によって第2面を支持される前記VIG窓ユニットと、
前記VIG窓ユニットと前記窓枠の前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つとの間に、前記VIG窓ユニットの少なくとも1つの辺に提供されるスペーサ構造体であり、断面として見ると固形部分によって囲まれた少なくとも1つの中空領域を含むスペーサ構造体と、
を含み、
前記スペーサ構造体は、実質的に平行な第1拡張部と第2拡張部との間に相互接続されたベース部を含み、前記ベース部から延びる前記第1拡張部及び前記第2拡張部は、各々前記VIG窓ユニットの前記第1ガラス基板及び前記第2ガラス基板に対して実質的に平行な方向に延び、前記VIG窓ユニットの前記第1ガラス基板及び前記第2ガラス基板は、前記第1拡張部と前記第2拡張部との間の少なくとも一部に位置し、
前記スペーサ構造体は、前記第1拡張部を前記ベース部にスナップ接続するための第1スナップロック構造体、及び前記第2拡張部を前記ベース部にスナップ接続するための第2スナップロック構造体を含む、
窓ユニット。
【請求項17】
前記中空領域は、実質的に空気及び/又は発泡体で充填される、
請求項16に記載の窓ユニット。
【請求項18】
前記スペーサ構造体は、前記VIG窓ユニットの4つの辺の全てに沿って提供される、
請求項16又は17に記載の窓ユニット。
【請求項19】
前記スペーサ構造体は、複数の中空領域を含み、前記複数の中空領域は、断面として見ると、各々固形部分で囲まれていて、実質的に空気及び/又は発泡体で充填される、
請求項16〜18のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項20】
前記第1係止部及び前記第2係止部は、互いに実質的に平行な方向に延びる、
請求項16〜19のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項21】
前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つは、断面として見ると、固形部分によって囲まれた中空の空間を含み、前記第1係止部及び前記第2係止部のうち少なくとも1つの前記中空の空間は、空気及び/又は発泡体で充填又は実質的に充填される、
請求項16〜20のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項22】
前記スペーサ構造体は、前記VIG窓ユニットの4つの辺の各々に沿って提供され、(i)前記VIG窓ユニットと前記第1係止部との間、及び(ii)前記VIG窓ユニットと前記第2係止部との間に位置する、
請求項16〜21のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項23】
前記VIG窓ユニットは、前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間の前記低圧の間隙内に位置する複数のスペーサ、及び実質的に前記低圧の間隙を大気圧未満圧力で保持するために前記VIG窓ユニットの周辺を気密封止するように前記第1ガラス基板と前記第2ガラス基板との間に提供される端部シールを含む、
請求項16〜22のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項24】
前記スペーサ構造体は、前記ベース部と前記第1拡張部との間の第1リビングヒンジ、及び前記ベース部と前記第2拡張部との間の第2リビングヒンジを含む、
請求項16〜23のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項25】
前記第1拡張部及び前記第2拡張部は、各々複数の中空領域を含み、前記複数の中空領域は、各々固形部分によって囲まれて、実質的に空気及び/又は発泡体で充填される、
請求項16〜24のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【請求項26】
前記VIG窓ユニットは、厚さが4〜12mmで、前記第1係止部と前記第2係止部との間の間隙は、厚さが19〜40mmである、
請求項16〜25のいずれか一項に記載の窓ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットの設置構成、及び一般的に少なくとも厚いIG(断熱ガラス/一体型ガラス)窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するための方法に関する。特定の実施形態は、少なくとも厚いIG窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するのに用いられる周辺スペーサーシステムに関し、このような周辺スペーサーシステムは、窓枠に隣接したVIGユニットの周辺に提供される。スペーサーシステムを含むこのような技術は、例えば、新しい窓枠を有する新しい構成内で用いてもよく、すでにIGユニットを含む古い窓枠内に既存のIG窓を交換するために用いてもよい。
【背景技術】
【0002】
真空断熱ガラス(VIG)ユニットは、一般的に、離隔された少なくとも2つのガラス基板を備えており、これらガラス基板の間には真空引きした又は低圧の空間/キャビティを含んでいる。基板は、外周端部シールで相互接続されており、一般的に、ガラス基板間の間隔を保持するため及び基板間に既存の低圧環境が原因で生じ得るガラス基板の損傷を回避するためにガラス基板間にスペーサ/支柱が含まれている。いくつかのVIG構造例は、例えば、米国特許第5,657,607号、第5,664,395号、同第5,657,607号、同第5,902,652号、同第6,701,749号、及び同第6,383,580号に開示されており、これらの開示の内容は、本明細書に参照として含まれる。
【0003】
図1及び
図2は、典型的なVIG窓ユニット1及びVIG窓ユニット1の構成要素を表している。例えば、VIGユニット1は、離隔された2つの実質上平行なガラス基板2,3を備えていてよく、これらガラス基板の間には真空引きした低圧の空間/キャビティを含んでいる。ガラスシート又は基板2,3は外周端部シール4で相互接続されており、外周端部シールは例えば、溶融はんだガラス等であってよい。基板2,3の間に既存の低圧の空間/間隙6を考慮して、支柱/スペーサ5の配列をガラス基板2,3の間に備えてVIGユニット1の基板2,3の間隔を維持することもある。
【0004】
排気管8は、例えば、ガラス基板2のうち1つの内表面からガラス基板2の外表面の任意の凹部11の底面、又は、選択的にガラス基板2の外表面に通じる開口部/穴10'にはんだガラス9によって気密封止されてもよい。排気管8に吸引装置を取り付け及び/又は連通して、例えば、連続ポンプダウン操作を利用して内部キャビティ6を大気圧未満の低圧まで真空引きする。キャビティ6の真空引き後、排気管8の一部(例えば、先端)を溶融することで低圧キャビティ/空間6を真空密封する。この任意の凹部11は、封止された排気管8を保持することができる。場合により、一方のガラス基板、例えば、ガラス基板2の内表面に配置された凹部13にはゲッター材12が含まれていてもよい。ゲッター材12は、キャビティ6を真空引きと封止後に残存している可能性のある特定の残留不純物を吸着する、又は特定の残留不純物に結合するために使用され得る。
【0005】
溶融はんだガラス外周端部シール4の付いたVIGユニットは一般的に、ガラスフリット又は他の適切な材料を溶液状態(例えば、フリットペースト)で基板2(又は基板3)の外縁周囲に配置させることによって製造される。このガラスフリットペーストは最終的に端部シール4を形成する。もう一方の基板(例えば、3)を、2つの基板2,3の間にスペーサ/支柱5とガラスフリット溶液が挟持されるように基板2上に下ろす。次に、ガラス基板2,3、スペーサ/支柱5及びシール材(例えば、溶液又はペースト状態のガラスフリット)を備える組立品全体を少なくとも約500℃の温度まで加熱することで、ガラスフリットが溶融してガラス基板2,3の表面を濡らし、そして最終的に気密性の外縁/端部シール4となる。
【0006】
基板間に端部シール4を形成した後、排気管8を介して真空にすることで基板2,3間に低圧の空間/キャビティ6を形成する。空間6内の圧力は、真空引き工程によって大気圧未満、例えば、約10
−2Torr未満の程度にしてよい。空間/キャビティ6内の低圧を保持するために、基板2,3は、端部シール4と排気管の閉鎖によって気密封止する。小さな高強度スペーサ/支柱5を透明ガラス基板の間に配置することで、大気圧下でほぼ平行なガラス基板の分離を維持する。上述の通り、基板2,3間の空間6を真空引き後、排気管8は、例えば、レーザなどを用いてその先端を溶融させることによって封止してよい。
【0007】
二重窓VIG窓ユニットは、一般的に従来の二重窓非真空断熱ガラス窓ユニットよりはるかに効率的な断熱材である。VIG窓ユニットは、良好な性能を有しながらも非真空断熱ガラス窓ユニットよりも著しく薄い。このような厚さの違いのために、従来の窓設置構造体、例えば、窓枠(例えば、サッシ)が元々厚いIGユニットのために設計された場合、VIG窓ユニットを効果的に用いて収容するように再設計する必要が生じ得る。したがって、薄いVIGユニットを収容するために窓枠(例えば、サッシを含んでもよい)の交換を必要とすることがある。VIG窓ユニットは、関連する多くの利益及び利点にもかかわらず、窓構造体の再設計及び窓枠(例えば、サッシ)の交換及び/又は再設計には費用や時間がかかるため、特に小規模の製造業者が従来の建物にVIG窓ユニットを適用するのを遅らせる原因となっている。
【0008】
標準IG窓ユニットは、やや厚く様々な厚さ(例えば、約19〜40mm)を提供することが分かる。上記のように、一般的に事務室、住宅、アパートなどに用いるためには、このような厚いIG窓ユニットを収容する窓枠が設計される。一方、VIG窓ユニットは、一般的なIG窓ユニットよりかなり薄い(例えば、約4〜12mm、好ましくは約4〜10mm、さらに好ましくは約7〜9mm、例えば、厚さ約8.3mm)。また、VIGユニットの熱性能は、IG窓ユニットより顕著に優れている(例えば、VIGユニットのR値は、IGユニットのR値より高い)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
IGユニットを収容するように設計された窓枠内にVIGユニットを用いることが好ましい。これは、窓枠の再設計及び/又は窓枠を変更する必要性の回避又は低減を可能にする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の特定の実施形態例は、少なくとも厚いIGユニット窓ユニットを収容するように設計された窓枠(サッシを含める)内にVIG窓ユニットを設置するのに用いる周辺スペーサーシステムに関し、このような周辺スペーサーシステムは、窓枠に隣接して位置し、及び/又はVIGユニットのガラス基板と窓枠との間に位置するようにVIGユニットの周辺に提供される。スペーサーシステムは、VIGユニットのガラス基板の周辺に、好ましくは一枚以上の窓の4つの辺に嵌めることができる。したがって、スペーサーシステムに対して、厚いIG窓ユニットのために設計された窓枠内にさらに薄いVIG窓ユニットを設けることで、窓枠の再設計又は著しく窓枠を変更する必要性を回避又は低減する構造体及び/又は技術が提供される。このような技術は、例えば、新しい窓枠を有する新しい構成内で用いたり、すでにIGユニットを含む古い窓枠内に既存のIG窓を交換するために用いたり、既存の窓をVIG窓に交換することによりIG又はVIG窓ユニットを修理するのに用いてもよい。したがって、本開示は、既存の窓枠内のIG窓をVIG窓に交換することに制限されず、例えば、さらに新しいVIG窓ユニットに対して設計される構造体にも関係することが理解できる。
【0011】
本発明の特定の実施形態例は、(i)改善された熱性能を含む高効率高性能VIG窓ユニットの適用、(ii)窓製造者によってVIG窓ユニットを適用する時間の減少、及び/又はVIGの迅速な適用及び/又は配置、(iii)窓枠(例えば、サッシを含む)構造体をほぼ又は全く変更せずに厚いIGユニットのために設計された窓設計内においてVIG窓ユニットを実現可能とすることの提供、(iv)小規模な窓製造者がVIG窓ユニットを適用可能とすることの提供、(v)窓製造者に必要なツールの減少、(vi)窓の特徴及び/又は美的概観の維持、及び/又は(vii)厚いIGユニットのために設計された窓枠に収まるようにVIGガラス基板周辺に位置するスペーサーシステムの提供、のうち1つ以上に対する利点を有する。このようなスペーサーシステムは、(a)改善された断熱を提供し、(b)製造設備を窓工場及び/又は作業現場に搬送する間にユニットを保護するのを助け、(c)VIGユニットに強度/完全性を付加し、及び/又は(d)その端部でVIGユニットの熱性能を改善する。
【0012】
本発明の特定の実施形態例において、窓ユニットが提供され、窓ユニットは、VIG窓ユニットより大きな幅を有する非真空IG窓ユニットを支持できる窓枠内のVIG窓ユニットであって、第1ガラス基板、第2ガラス基板、及びその間に提供された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含むVIG窓ユニットと、前記窓枠の第1係止部によって第1面上に(直接又は間接的に)支持されて前記窓枠の第2係止部によって第2面上に(直接又は間接的に)支持されるVIG窓ユニットと、VIG窓ユニットと窓枠の第1係止部及び第2係止部のうち少なくとも1つの間に提供されるVIG窓ユニットの少なくとも一側に提供されるスペーサ構造体であり、断面として見ると固形部分によって囲まれた少なくとも1つの中空領域(hollow area)を含むスペーサ構造体とを含む。
【0013】
本発明の特定の実施形態において、真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットを設置する方法が提供され、前記方法は、約4〜12mmの厚さを有するVIG窓ユニットを、VIG窓ユニットより大きな幅を有する非真空IG窓ユニットを支持できる窓枠内に配置する工程において、VIG窓ユニットは、第1ガラス基板及び第2ガラス基板、その間に提供された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含むことと、配置工程後、前記VIG窓ユニットは、前記窓枠の第1係止部によって第1面上に(直接又は間接的に)支持されて前記窓枠の第2係止部によって第2面上に(直接又は間接的に)支持される工程において、第1係止部と第2係止部との間の間隙は、約19〜40mmであることと、スペーサ構造体をVIG窓ユニットと窓枠の第1係止部及び第2係止部のうち少なくとも1つの間に提供されたVIG窓ユニットの少なくとも一側に提供される工程において、前記スペーサ構造体は、断面として見ると、固形部分によって囲まれた少なくとも1つの中空領域を含み、中空領域は、実質的に空気、発泡体、及び/又は断熱材で充填されることとを含む。
【0014】
これら及びその他の実施態様及び利点は、本明細書では特定の実施態様例によって、そして以下の図面を参照しながら説明する。図面中、同様の参照符号は、同様の要素を指すものとする。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図2】
図1の従来のVIGユニットの上部平面図である。
【
図3】例示の窓枠内にIG窓ユニットを含む標準IG窓ユニットのために設計された例示の窓枠の概略部分断面図である。
【
図4】少なくとも厚いIG窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するための本発明の実施形態例に従う、VIGユニットのスペーサーシステムの概略部分断面図である。
【
図5】本発明の実施形態例に従う、VIGユニット周辺に設置された
図4のスペーサーシステムの概略部分断面図である。
【
図6】本発明の実施形態例に従う、窓の4つの辺に沿って延びる
図4〜
図5のスペーサーシステムを示す窓の側面図である。
【
図7】VIGユニット周辺に装着された
図4〜
図6のスペーサーシステムの概略断面展開図である。
【
図8】本発明の追加の実施形態例に従う、少なくとも厚いIG窓ユニットを収容するように設計された窓枠内にVIG窓ユニットを設置するVIGユニットのスペーサーシステムの概略部分断面図である。
【
図9】本発明の実施形態例に従う、VIGユニット周辺に提供された
図8のスペーサーシステムの概略部分断面図である。
【
図10】VIGユニット周辺に提供された
図8〜
図9のスペーサーシステムの概略断面展開図である。
【
図11】標準IG窓ユニットのために設計された
図3の窓枠内に装着された
図4〜
図7のVIGユニット及びスペーサ構造体の概略部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本明細書では以下の図面を参照して特定の実施態様例を詳述する。図面中、複数の図面における同様の参照符号は同様の要素を指すものとする。本明細書に記載の実施態様は、限定ではなく例示を目的とするものであり、また、当業者は、本明細書に添付する特許請求の範囲の真の趣旨及び全範囲を逸脱することなく様々な変更が可能であると考えることができることが分かるであろう。
【0017】
図3を参照すると、少なくとも標準及び/又は厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠(例えば、サッシの外形を有する)の概略部分断面図が示されている。VIGユニット及びスペーサーシステムが、本発明の実施形態例によって
図3に示した窓枠及び/又は少なくともIG窓ユニットを収容するように設計された任意のその他の適切な窓枠内に位置するようにする。したがって、本発明の特定の実施形態例において、
図4〜
図10に示したスペーサーシステム及びVIGユニット1は、
図3に示した窓枠又はIG窓ユニットを収容するように設計された任意のその他の適切な窓枠内に収容される。もちろん、
図3を参照すると、VIGユニット1及びスペーサーシステムが窓枠内に装着されると、IGユニット30は存在しない。
【0018】
図3は、IGユニット30を示し、例えば2つの板ガラス36の間に空気又は気体を充填した間隙38を規定する2つの板ガラス36を含んでいるが、それらに制限されることはない。IG窓ユニット30は、窓サッシ32内/上に配置される。ガラス基板36の間の間隙38は、一般的に空気及び/又は気体で充填され(VIG窓ユニットと異なる)、ほぼ大気圧である。窓サッシ32は、主要サッシ部32の一部に一体型で製造された第1係止部35、及びサッシ部32に第2係止部34を接続するためのクリップ又はその他の拡張部37を含んでもよく、場合によって着脱可能な第2係止部34を含んでもよい。係止部34,35は、窓ユニットの外部端部の下及び/又は隣接して提供される主要サッシ部32と一体に製造されても一体に製造されなくてもよい。特定の実施形態例において、係止部34,35は、例えば、
図3に示すように、互いに実質的に平行であってもよい。
図3の係止部34,35の形状は、例示目的で示されたものであり、その他の形状の係止部が提供されてもよい。例えば、1つ又は2つの係止部34,35は、固形部分33で囲まれた、(例えば、空気又は他の何かで充填された)中空の部分31を有していても、有していなくてもよい(例えば、
図3参照)。その他の例示的な実施形態において、1つ又は2つの係止部34,35は、窓ユニットのガラス基板に平行な方向に突出した実質的に平面又は平面部を含む、あるいは本質的に平面又は平面部で構成された固形トリムピース(例えば、プラスチック、木材、又は、金属)であってもよい。窓ユニットは、係止部34,35の間に間接又は直接的に保持及び/又は位置する。
【0019】
図3を再び参照すると、IGユニット30は、サッシ部32によって支持され、その両側の係止部34,35によって適所に保持される。係止部34,35の間の距離は、好ましくはIGユニット30の厚さに対応する。IG窓ユニット30は、やや厚く様々な厚さで提供される(例えば、約19〜40mm、場合によって
図3に示した2つのガラス基板の代りに、3枚のガラス基板を用いた場合には、さらに厚くなる)。IGユニット30は、サッシ部32内/上に配置されて第1係止部35と係合する場合、第2係止部34は、例えば、クリップ又は拡張部37を介してサッシ32に接続される。係止部34,35は、IG窓ユニット30に対して横方向の支持を提供する。サッシ32及び係止部34,35は、任意の好適な物質で製造してもよく、例えば、PVC、繊維ガラス、木材、ゴム、アルミニウム、様々な複合材などを含むことができるが、それらに限定されることはない。上記のように、一般的なIGユニット30の幅は、IG窓ユニットのタイプによって約20mm以上の範囲にある。したがって、窓枠の係止部34,35の間の間隙は、一般的に少なくとも19mm、さらに好ましくは19〜40mm、及び最も好ましくは20〜35mm又は20〜30mmなどの同様の範囲内であってもよい。
【0020】
図4〜
図7は、
図11に示すように、少なくとも厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠内に(例えば、IG窓ユニット30を含まない
図3の窓枠内)VIG窓ユニット1を設置するために、本発明の実施形態例によりVIG窓ユニット1に接続されるスペーサーシステム/構造体40の概略部分断面図である。スペーサ構造体40は、VIG窓ユニット1の対向側及び底面に取付ける第1部分及び第2部分(41,42)を含む。第1部分及び第2部分(41,42)は、各々、
図4〜
図7に示すように、実質的にL字状であってもよく、その他の形状であってもよい。部分41,42は、各々プラスチック(例えば、PVC)又は任意のその他の適切な物質で製造してもよく、複数の中空領域43を含み、得られた窓ユニット構造体の耐熱性を改善するために、複数の中空領域は、各々、
図4〜
図7に示すように、断面として見ると固形部分44に囲まれている。特定の実施形態例において、スペーサ構造体の部分41,42は、各々押出ビニル(例えば、1つの押出ビニルストリップ)で製造されてもよい。中空領域43は、特定の例において、空気通路/チャネルであってもよく、中空領域の端部が開放されていてもよく、開放されていなくてもよい。特定の好ましい実施形態において、中空領域43は、断面として見ると固形部分44によって囲まれ、中空領域43の端部が開放される(すなわち、中空領域43は、窓ユニットの4つのコーナーで開放されて大気圧の状態である)。スペーサ構造体40は、好ましくは窓ユニットの4つの辺の周りに提供され(例えば、
図6参照)、4つの対応するストリップ(窓の各辺に1つのストリップ)内に提供されてもよく、ストリップは、窓の各端部で約45度の角度である。したがって、スペーサ構造体40の各ストリップの端部は、窓ユニットの各コーナーで互いに組み合わさる。接着ストリップ(例えば、VHBストリップ)45は、スペーサ構造体40をVIG窓ユニット1に取付けるために、部分41,42の内側上に提供されてもよい。VIGユニット1は、部分41,42の間に規定されたチャネル46内に収容される。例えば、
図5は、スペーサ構造体の対向する部分41,42の間のチャネル46内に装着されたVIG窓ユニット1を示し、部分41,42が
図7に示した矢印の方向の対向側上のVIG窓ユニット1に装着される方法を示す。
【0021】
図4〜
図7に示した構造体は、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体40を含み、IG窓ユニット30の代わりに、
図3に示した窓枠のような窓枠内に提供される。この点で、
図11は、標準IG窓ユニットのために設計された
図3の窓枠内に装着された
図4〜
図7のVIG窓ユニット1及びスペーサ構造体40を示す。したがって、
図4〜
図7に示した構造体は、
図3の窓枠内のIG窓ユニット30を交換するために用いてもよく、
図4〜
図7に示した構造体は、IG窓ユニット30の代わりに
図3に示した例示の窓枠のような窓枠内に提供されてもよい(例えば、
図11参照)。特に、
図4〜
図7に示した構造体は、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体40を含み、
図11に示した係止部34,35の間、及びサッシ部32上の
図3の窓枠内に提供される。すなわち、少なくとも
図11を参照すると、
図3内のIG窓ユニット30は、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体40によって交換され、スペーサ部分42,41の外部壁47は、各々係止部34,35の内表面に接触又は接着される(IGユニット30の外壁は、
図3内の係止部34,35の内表面に接触又は接着されるものと同一)。VIG窓ユニット1は、IG窓ユニット30よりはるかに薄いため、
図4〜
図7に示したスペーサ構造体40の厚さによって、少なくとも厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠(例えば、
図3の窓枠)内にVIG窓ユニット1を設けることができる。
【0022】
図8〜
図10は、本発明の追加の実施形態例に係るVIG窓ユニット1に接続されるスペーサーシステム/構造体50の概略部分断面図である。スペーサーシステム/構造体50は、少なくとも厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠(IG窓ユニット30が含まれない
図3の窓枠)内にVIGユニット1を設置するために用いられる(
図11に示したような
図3窓枠内に
図4〜
図7の構造体が装着されるのと同一)。スペーサ構造体50は、VIG窓ユニット1の対向側に取付ける第1部分及び第2部分(51,52)を含む。部分51,52は、ベース部59によって相互接続される。スペーサ構造体50の部分51,52,59は、
図8の下図に示すように、保管中は平坦にすることができ、
図8の上図及び
図9〜
図10に示すように、VIG窓ユニット1にスペーサ構造体50を装着する場合、部分59に対して上方に折り畳むことができる。部分51,52,59は、プラスチック(例えば、PVC)又は任意のその他の適切な物質で製造してもよく、各々は、複数の中空領域43を含み、窓ユニットの耐熱性を改善するために、複数の中空区域は、各
図8から10と共に断面として見ると固形部分44で囲まれている。特定の好ましい実施形態において、中空領域43は、断面として見ると固形部分44によって囲まれ、中空領域43の端部が開放されている(すなわち、中空領域43は、窓ユニットの4つのコーナーで開放されており、大気圧の状態である)。特定の実施形態例において、スペーサ構造体の部分51,52,59は、押出ビニルストリップで製造されてもよい。中空領域43は、特定の例において、空気通路/チャネルであってもよく、その端部が開放されてもよく、開放されなくてもよい。スペーサ構造体50は、好ましくは窓ユニット(例えば、
図6に示すように)の4つの辺の周りに提供され、4つの辺に対応するストリップ(窓の各側に対する1つのストリップ)は、
図4〜
図7で上述したように、端部で約45度の角度である。接着ストリップ(例えば、VHBストリップ)55は、スペーサ構造体50をVIG窓ユニット1に取付けるために、各部51,52の内側上に提供されてもよい。VIGユニット1は、各部51,52の間に規定されたチャネル56内に収容される。例えば、
図9は、スペーサ構造体の対向する部分51,52の間にチャネル56内に装着されたVIG窓ユニット1を示し、
図10は、各部51,52がその対向側上のVIG窓ユニット1に装着される場合、リビングヒンジ60,61によってベース部59が折り畳まれる方法を示す。
図8〜
図10に示した構造体は、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体50を含み、IG窓ユニット30の代わりに、
図3に示した窓枠のような窓枠内に提供される。
図8〜
図10に示した構造体は、
図3の窓枠内にIG窓ユニット30を交換するために用いてもよく、
図8〜
図10に示した構造体は、IG窓ユニット30の代わりに
図3に示した例示の窓枠のような窓枠内に提供されてもよい。特に、
図8〜
図10に示した構造体は、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体50を含み、係止部34,35の間、及びサッシ部32上の
図3の窓枠内に提供される。すなわち、
図3内のIG窓ユニット30は、VIG窓ユニット1及びスペーサ構造体50によって交換され、スペーサ部分52,51の外部壁57は、各々係止部34,35の内表面に(直接又は間接的に)接触又は接着される(IGユニット30の外壁は、
図3内の係止部34,35の内表面に接触又は接着されるものと同一)。VIG窓ユニット1は、IG窓ユニット30よりはるかに薄いため、
図8〜
図10に示したスペーサ構造体50の厚さによって、VIG窓ユニット1が少なくとも厚いIG窓ユニット30を収容するように設計された窓枠(例えば、
図3の窓枠)内に設けられることができる。
【0023】
したがって、
図3〜
図11を参照すると、大きいIG窓ユニット30を含むように設計された窓枠内にVIG窓1を設置する方法が提供され、前記方法は、約4〜12mm(好ましくは約4〜10mm、さらに好ましくは約7〜9mm、例えば、厚さ約8.3mm)の厚さを有するVIG窓ユニット1をVIG窓ユニット1より大きい厚さを有する厚いIG窓ユニット30を支持することのできる窓枠(例えば、
図3の窓枠)内に配置する工程を含む。VIG窓ユニット1は、第1ガラス基板2、第2ガラス基板3、及びその間に配置された実質的に大気圧未満の圧力の低圧の間隙6を含む。前記VIG窓ユニット1は、第1ガラス基板2と第2ガラス基板3との間の低圧の間隙6内に位置する複数のスペーサ(例えば、支柱)5、及び実質的に低圧の間隙6を大気圧未満圧力で保持するためにVIGユニット1の周辺を気密封止するように第1ガラス基板2と第2ガラス基板3との間に提供された端部シール4を含む。
【0024】
VIG窓ユニットが窓枠内に配置されると、VIGユニット1は、前記窓枠の第1係止部35(又は34)によって第1面上に支持されて前記窓枠の第2係止部34(又は35)によって第2面上に支持される。第1係止部35と第2係止部34との間の間隙は、約19〜40mm(さらに好ましくは19〜40mm、最も好ましくは20〜35mm又は20〜30mm)である。スペーサ構造体40,50は、VIG窓ユニット1と窓枠の第1係止部35及び第2係止部34のうち少なくとも1つの間に提供されたVIG窓ユニット1の少なくとも一側に提供され、前記スペーサ構造体は、断面として見ると、固形部分44によって囲まれた少なくとも1つの中空領域43を含み、中空領域43は、実質的に空気(例えば、気体、例えば、アルゴン)、発泡体、及び/又は断熱材で充填される。スペーサ構造体40,50は、例えば、窓ユニットのコーナーで互いに嵌合される傾斜した端部を有する4つのストリップにおいて、VIG窓ユニットの4つの辺の全てに沿って提供されてもよい(例えば、
図6参照)。
図4〜
図11に示すように、スペーサ構造体は、複数の中空領域43を含んでもよく、複数の中空領域は、各々固形部分44によって囲まれ、実質的に空気及び/又は発泡体で充填される。第1係止部35及び第2係止部34は、特定の実施形態例において互いに実質的に平行又は平行であり、特定の実施形態例において係止部のうちの1つ又は2つは、断面として見ると、固形部分33によって囲まれた中空の空間31を含んでもよい。中空の空間31は、実質的に空気及び/又は発泡体で充填してもよい。スペーサ構造体40,50は、VIG窓ユニットの4つの辺の各々に沿って設けられてもよく、(i)VIG窓ユニット1と第1係止部35(又は34)との間、及び(ii)VIG窓ユニット1と第2係止部34(又は35)との間に配置されてもよい。
【0025】
特定の実施形態例において(例えば、
図8〜
図10参照)、スペーサ構造体は、実質的に平行な第1拡張部51と第2拡張部52との間に相互接続されたベース部59を含み、ベース部59から延びる第1拡張部51及び第2拡張部52は、VIGユニットが窓枠内に装着される場合、VIG窓ユニット1のガラス基板2,3に対して実質的に平行な方向に位置する。VIG窓ユニット1の第1ガラス基板2及び第2ガラス基板3は、第1拡張部51と第2拡張部52との間の少なくとも一部に位置する。第1リビングヒンジ61は、ベース部59と第1拡張部51との間に提供され、第2リビングヒンジは、ベース部59と第2拡張部52との間に提供され、VIGユニット1の周辺にスペーサ構造体を容易に取付けられるリビングヒンジによって拡張部を折り曲げ可能にする。第1スナップロック構造体70は、ベース部59に第1拡張部51をスナップ接続するためにベース部59と第1拡張部51との間(場合にってベース部の一部)に提供されてもよく、第2スナップロック構造体70は、ベース部59に第2拡張部52をスナップ接続するためにベース部59と第2拡張部52との間(場合によってその一部)に提供されてもよい(例えば、拡張部51,52が各リビングヒンジ61によって垂直位置まで折り曲げられた後、拡張部をベース59にスナップロックする。
図8のスナップロック構造体70の雄部と雌部を参照)。第1拡張部51及び第2拡張部52は、各々複数の中空領域43を含んでもよく、複数の中空領域は、各々固形部分44によって囲まれ、実質的に空気、発泡体、及び/又はその他の断熱材で充填される。接着剤55は、スペーサ構造体をVIG窓ユニット1に取付けるために、VIG窓ユニットとスペーサ構造体との間に提供されてもよい。
【0026】
本発明の特定の実施形態例は、例えば従来の窓設計(窓サッシを含む)をほぼ変更せずに、複数の非真空断熱ガラス窓ユニットとVIG窓ユニットとの間の厚さの差を埋める窓ユニット向けに設計し直した交換窓係止部を用いてもよく、用いないこともできる。例えば、本発明は、2012年7月5日に出願された第13/541,840号に記載された設計し直した交換窓に用いても用いなくてもよく、本明細書に参照として含まれる。
【0027】
本発明の特定の実施形態において、真空断熱ガラス(VIG)窓ユニットを設置する方法が提供され、前記方法は、約4〜12mmの厚さを有するVIG窓ユニットを、VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる窓枠内に配置する工程において、VIG窓ユニットは、第1ガラス基板及び第2ガラス基板、その間に提供された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含むことと、配置後に、前記VIG窓ユニットは、前記窓枠の第1係止部によって第1面上に(直接又は間接的に)支持されて前記窓枠の第2係止部によって第2面上に(直接又は間接的に)支持される工程において、第1係止部と第2係止部との間の間隙は、約19〜40mmであることと、スペーサ構造体をVIG窓ユニットと窓枠の第1係止部及び第2係止部のうち少なくとも1つの間のVIG窓ユニットの少なくとも一側に提供される工程において、前記スペーサ構造体は、断面として見ると、固形部分によって囲まれた少なくとも1つの中空領域を含み、中空領域は、実質的に空気、発泡体、及び/又は断熱材で充填されることとを含む。
【0028】
直前の段落の方法において、スペーサ構造体は、VIG窓ユニットの4つの辺の各々に沿って提供されてもよい。
【0029】
前記2つの段落のいずれかに記載の方法において、スペーサ構造体の中空領域は、発泡体で実質的に充填又は充填されてもよい。
【0030】
前記3つの段落のいずれかに記載の方法において、スペーサ構造体の中空領域は、空洞又は実質的に空気で充填されてもよい。
【0031】
前記4つの段落のいずれかに記載の方法において、スペーサ構造体は、複数の中空領域を含み、中空領域は、各々固形部分で囲まれていて、実質的に空気及び/又は発泡体で充填してもよい。
【0032】
前記5つの段落のいずれかに記載の方法において、第1係止部及び第2係止部は、互いに実質的に平行又は平行であってもよい。
【0033】
前記6つの段落のいずれかに記載の方法において、第1係止部及び第2係止部の少なくとも1つは、断面として見ると、固形部分によって囲まれた中空の空間を含んでもよい。
【0034】
前記7つの段落のいずれかに記載の方法において、係止部の中空の空間は、空気及び/又は発泡体で実質的に充填又は充填されてもよい。
【0035】
前記8つの段落のいずれかに記載の方法において、第1係止部及び第2係止部は、各々断面として見たとき、固形部分によって囲まれた少なくとも1つの中空の空間を含んでもよい。
【0036】
前記9つの段落のいずれかに記載の方法において、スペーサ構造体は、VIG窓ユニットの4つの辺の各々に沿って設けられてもよく、(i)VIG窓ユニットと第1係止部との間、及び(ii)VIG窓ユニットと第2係止部との間に配置されてもよい。
【0037】
前記10個の段落のいずれかに記載の方法において、VIG窓ユニットは、第1ガラス基板と第2ガラス基板との間の低圧の間隙内に位置する複数のスペーサを含んでもよい。
【0038】
前記11個の段落のいずれかに記載の方法において、VIG窓ユニットは、実質的に低圧の間隙を大気圧未満圧力で保持するために、VIGユニットの周辺を気密封止するように第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に提供される端部シールを含んでもよい。
【0039】
前記12個の段落のいずれかに記載の方法において、スペーサ構造体は、実質的に平行な第1拡張部と第2拡張部との間に相互接続されたベース部を含み、ベース部から延びる第1拡張部及び第2拡張部は、各々VIG窓ユニットのガラス基板に対して実質的に平行な方向に位置して、VIG窓ユニットの第1ガラス基板及び第2ガラス基板は、少なくとも第1拡張部と第2拡張部との間に位置する。第1リビングヒンジは、ベース部と第1拡張部との間に提供されてもよく、第2リビングヒンジは、ベース部と第2拡張部との間に提供されてもよい。スペーサ構造体は、第1拡張部をベース部にスナップ接続するために、ベース部と第1拡張部との間に提供された第1スナップロック構造体、及び第2拡張部をベース部にスナップ接続するためにベース部と第2拡張部との間に提供された第2スナップロック構造体を含む。第1拡張部及び第2拡張部は、各々複数の中空領域を含んでもよく複数の中空領域は、各々固形部分によって囲まれ、実質的に空気、発泡体、及び/又はその他の断熱材で充填される。
【0040】
前記13個の段落のいずれかに記載の方法において、接着剤は、VIG窓ユニットとスペーサ構造体との間に提供されてもよい。
【0041】
前記14個の段落のいずれかに記載の方法において、前記窓枠から従来の係止部を除去する工程、及びVIG窓ユニットより大きな幅を有するすでに設置された非真空IG窓ユニットを支持する従来の係止部をVIG係止部に交換する工程をさらに含んでもよい。従来の係止部を除去した後、前記方法は、IG窓ユニットを除去した後VIG窓ユニットを配置する工程、及び従来の係止部を交換するためにVIG係止部を設置する工程を含んでもよい。
【0042】
前記15個の段落のいずれかに記載の方法において、スペーサ構造体は、VIG窓ユニットより大きな幅を有する非真空IG窓ユニットを含むように設計された窓枠の一部ではないことが好ましい。
【0043】
本発明の特定の実施形態例で窓ユニットが提供され、窓ユニットは、VIG窓ユニットより大きい厚さを有する非真空IG窓ユニットを支持できる窓枠内のVIG窓ユニットであって、第1ガラス基板及び第2ガラス基板、その間に配置された大気圧未満の圧力の低圧の間隙を含むVIG窓ユニットと、前記窓枠の第1係止部によって第1面上に(直接又は間接的に)支持されて前記窓枠の第2係止部によって第2面上に(直接又は間接的に)支持されるVIG窓ユニットと、VIG窓ユニットと窓枠の第1係止部及び第2係止部のうち少なくとも1つの間に提供されたVIG窓ユニットの少なくとも一側に提供されるスペーサ構造体であり、断面として見ると固形部分によって囲まれた少なくとも1つの中空領域を含むスペーサ構造体とを含む。
【0044】
直前の段落の窓ユニットにおいて、中空領域は、実質的に空気、発泡体、及び/又は断熱材(例えば、気体、例えばアルゴン、又は、プラスチック)で充填してもよい。
【0045】
前記2つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、スペーサ構造体は、VIG窓ユニットの4つの辺の各々に沿って提供されてもよい。
【0046】
前記3つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、スペーサ構造体の中空領域は、空気及び/又は発泡体で実質的に充填又は充填されてもよい。
【0047】
前記4つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、スペーサ構造体は、複数の中空領域を含み、複数の中空領域は、各々固形部分で囲まれていて、実質的に空気及び/又は発泡体で充填されてもよい。
【0048】
前記5つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、第1係止部及び第2係止部は、互いに実質的に平行な方向に延びてもよい。
【0049】
前記6つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、第1係止部及び第2係止部のうち少なくとも1つは、断面として見ると、固形部分によって囲まれた中空の空間を含み、係止部の中空の空間は、空気、発泡体、又は、その他の断熱材によって実質的に充填又は充填してもよい。
【0050】
前記7つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、スペーサ構造体は、VIG窓ユニットの4つの辺の各々に沿って設けられてもよく、(i)VIG窓ユニットと第1係止部との間、及び(ii)VIG窓ユニットと第2係止部との間に配置されてもよい。
【0051】
前記8つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニットは、第1ガラス基板と第2ガラス基板との間の低圧の間隙内に位置する複数のスペーサ、及び実質的に大気圧未満の圧力の低圧の間隙を保持するためにVIGユニットの周辺を気密封止するように第1ガラス基板と第2ガラス基板との間に提供される端部シールを含んでもよい。
【0052】
前記9つの段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、スペーサ構造体は、実質的に平行な第1拡張部と第2拡張部との間に相互接続されたベース部を含み、ベース部から拡張された第1拡張部及び第2拡張部は、各々VIG窓ユニットのガラス基板に対して実質的に平行な方向にあり、VIG窓ユニットの第1ガラス基板及び第2ガラス基板は、少なくとも第1拡張部と第2拡張部との間に位置する。スペーサ構造体は、ベース部と第1拡張部との間の第1リビングヒンジ、及びベース部と第2拡張部との間の第2リビングヒンジを含んでもよい。スペーサ構造体は、第1拡張部をベース部にスナップ接続するために、ベース部と第1拡張部との間に提供された第1スナップロック構造体、及び第2拡張部をベース部にスナップ接続するためにベース部と第2拡張部との間に提供された第2スナップロック構造体を含んでもよい。第1拡張部及び第2拡張部は、各々複数の中空領域を含んでもよく複数の中空領域は、各々固形部分によって囲まれ、実質的に空気、発泡体、及び/又はその他の断熱材で充填される。
【0053】
前記10個の段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、スペーサ構造体は、窓枠の一部である必要はない。
【0054】
前記11個の段落のいずれかに記載の窓ユニットにおいて、VIG窓ユニットは、厚さが約4〜12mmで、第1係止部と第2係止部との間の間隙は、厚さが約19〜40mmであってもよい。
【0055】
本明細書では特定の実施形態について説明及び開示してきたが、本明細書に記載の実施態様は、限定ではなく例示を目的とするものであり、また、当業者は、本明細書に添付する特許請求の範囲の真の趣旨及び全範囲を逸脱することなく様々な変更が可能であると考えることができることが分かるであろう。