(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定によって2θ=41°〜44°の範囲に現れる最大ピーク強度に対して、2θ=31°〜33°の範囲に現れる最大ピーク強度の比が0.1以下(0を含む)であり、
化学組成が、一般式 R(1−x)MgxNiyAlz (Rは、Yを含む希土類元素からなる群より選択された1種又は2種以上の元素であり、xが0.05≦x≦0.3を満たし、yが2.8≦y≦3.8を満たし、zが0<z≦0.3を満たす)であることを特徴とする、水素吸蔵合金。
【背景技術】
【0002】
ニッケル水素蓄電池等に用いられる水素吸蔵合金は、放電容量や耐久性といった電池の性能に大きな影響を及ぼすものである。従って、水素吸蔵合金のさまざまな結晶相や組成が検討されている。従来、希土類元素及びNiを主体とするAB
5系の水素吸蔵合金が実用化されており、近年では、電池の高放電容量化を目的として、希土類元素とNiとを含む合金にMg等を含有させた水素吸蔵合金の検討がされている。このような水素吸蔵合金としては、例えば、Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定において2θ=31°〜33°の範囲に現れる最大ピーク強度(I
A)と、2θ=40°〜44°の範囲に現れる最大ピーク強度(I
B)との強度比(I
A/I
B)が0.1以上であり、且つ、希土類元素とMgとの合計量に対するMgのモル比が0.3以上であるものなどが提案されている(特許文献1)。
【0003】
しかしながら、上記の水素吸蔵合金は、従来の希土類とNiを主体とするAB
5系の水素吸蔵合金よりも、充放電サイクルによる、合金粒子の微粉化が進行しやすいという問題がある。合金粒子が微粉化すると、粒子の表面積が増大するため、合金の腐食が促進され、電池のサイクル寿命が低下する。すなわち、上記の水素吸蔵合金をもちいた電池においては、サイクル寿命が顕著に短いという問題が生じる。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明に係る水素吸蔵合金の一実施形態について説明する。
【0014】
本実施形態の水素吸蔵合金は、 Cu−Kα線をX線源とするX線回折測定によって2θ=41°〜44°の範囲に現れる最大ピーク強度に対して、2θ=31°〜33°の範囲に現れる最大ピーク強度の比が0.1以下(0を含む)であるものである。
【0015】
前記水素吸蔵合金のX線回折測定における2θ=31°〜33°の範囲のピークは、水素吸蔵合金のポリタイプ積層構造に由来するものである。なお、ポリタイプ積層構造とは、異なる2種以上の結晶相がc軸方向に積層した結晶構造が一つの結晶粒を構成しているものである。また、前記結晶相は、AB
5ユニットとA
2B
4ユニットとが積層して構成されるものである。
A
2B
4ユニットとは、六方晶MgZn
2型結晶構造(C14構造)又は六方晶MgCu
2型結晶構造(C15構造)を持つ構造ユニットである。一方、AB
5ユニットとは、六方晶CaCu
5型結晶構造を持つ構造ユニットである。
【0016】
前記水素吸蔵合金においては、X線回折測定における2θ=40°〜44°の範囲に現れる最大ピーク強度に対する2θ=31°〜33°の範囲に現れる最大ピーク強度の比が0.1以下であるため、AB
5ユニットとA
2B
4ユニットとの積層構造における両者がランダムに配列していると考えられる。これにより、前記水素吸蔵合金においては、充放電反応に伴う膨張収縮による応力が緩和され、微粉化が抑制されていると考えられる。
【0017】
前記水素吸蔵合金は、互いに異なる結晶構造を有する複数種の結晶相を一部に含有していてもよい。
【0018】
前記結晶相としては、菱面体晶La
5MgNi
24型結晶構造からなる結晶相(以下、単にLa
5MgNi
24相ともいう)、六方晶Pr
5Co
19型結晶構造からなる結晶相(以下、単にPr
5Co
19相ともいう)、菱面体晶Ce
5Co
19型結晶構造からなる結晶相(以下、単にCe
5Co
19相ともいう)、六方晶Ce
2Ni
7型の結晶構造からなる結晶相(以下、単にCe
2Ni
7相ともいう)、菱面体晶Gd2Co7型の結晶構造からなる結晶相(以下、単にGd
2Co
7相ともいう)、六方晶CaCu
5型結晶構造からなる結晶相(以下、単にCaCu
5相ともいう)、立方晶AuBe
5型結晶構造からなる結晶相(以下、単にAuBe
5相ともいう)などが挙げられる。
【0019】
La
5MgNi
24型結晶構造とは、A
2B
4ユニット間にAB
5ユニットが4ユニット分、挿入された結晶構造である。Pr
5Co
19型結晶構造とは、A
2B
4ユニット間にAB
5ユニットが3ユニット分、挿入された結晶構造である。Ce
5Co
19型結晶構造とは、A
2B
4ユニット間にAB
5ユニットが3ユニット分、挿入された結晶構造である。Ce
2Ni
7型の結晶構造とは、A
2B
4ユニット間にAB
5ユニットが2ユニット分、挿入された結晶構造である。Gd
2Co
7型の結晶構造とは、A
2B
4ユニット間にAB
5ユニットが2ユニット分、挿入された結晶構造である。CaCu
5型結晶構造とは、AB
5ユニットのみで構成された結晶構造である。AuBe
5型結晶構造とは、A
2B
4ユニットのみで構成された結晶構造である。
【0020】
前記結晶相の結晶構造は、粉砕した合金粉末についてX線回折測定をおこない、得られたX線回折パターンをリートベルト法により解析することによって特定される。
【0021】
前記水素吸蔵合金は、上述した2種以上の結晶相が、該結晶構造のc軸方向に積層している水素吸蔵合金であることがより好ましい。
互いに異なる結晶構造を有する2種以上の結晶相が該結晶構造のc軸方向に積層した水素吸蔵合金においては、充電池における充電によって水素を吸蔵した際の結晶相の歪みが、隣接する他の結晶相によって緩和されることとなる。従って、斯かる水素吸蔵合金は、充放電によって水素の吸蔵及び放出を繰り返しても合金の微粉化がより生じにくいという利点がある。
【0022】
複数種の結晶相が結晶構造のc軸方向に積層している水素吸蔵合金においては、各結晶相の積層順が特に限定されない。例えば、複数種の結晶相がc軸方向に積層している水素吸蔵合金は、複数種の結晶相が組み合わされて周期性を有して繰り返して積層しているものであってもよく、複数種の結晶相が無秩序に周期性なく積層しているものであってもよい。
【0023】
前記水素吸蔵合金は、上述したPr
5Co
19相(A
2B
4ユニット間にAB
5ユニットが3ユニット分挿入された結晶構造)、Ce
5Co
19相(A
2B
4ユニット間にAB
5ユニットが3ユニット分挿入された結晶構造)、及び、Ce
2Ni
7相(A
2B
4ユニット間にAB
5ユニットが2ユニット分挿入された結晶構造)からなる群より選択される2種以上を有し、且つ、AB
5ユニット及びA
2B
4ユニットが結晶構造のc軸方向に積層した構造を有するものがさらに好ましい。これらの結晶相を有することにより、前記水素吸蔵合金は、水素の吸蔵放出を繰り返すことによる微粉化がさらに起こりにくいという利点を有する。
【0024】
前記結晶相の積層構造は、TEMを用いて合金の格子像を観察することにより、確認される。具体的には、TEMを用いた合金の格子像の観察をおこなうことにより、互いに異なる結晶構造を有する2種以上の結晶相が、例えば、該結晶構造のc軸方向に積層していることを確認することができる。
【0025】
前記水素吸蔵合金における化学組成は,一般式 R
(1-x)Mg
zNi
y (Rは、Yを含む希土類元素からなる群より選択された1種又は2種以上の元素であり、xが0.05≦x≦0.3を満たし、yが2.8≦y≦3.8を満たす)であることが好ましく、さらに、一般式 R
(1−x)Mg
xNi
yM
zの化学組成で表され、Mが、Mn、Co、及びAlからなる群より選ばれた少なくとも1種の元素であり、0<z≦0.3を満たすことがより好ましい。また、MがAlであることが特に好ましい。斯かる化学組成におけるx、y、及びzを用いて表される数値は、水素吸蔵合金における各元素の個数比を表す。
前記水素吸蔵合金は、この化学組成であることにより、微粉化がより抑制されるという利点がある。
【0026】
前記水素吸蔵合金は、La
(1−a−b)Y
aMg
bNi
cAl
d(aが0.12≦a≦0.15を満たし、bが0.14≦b≦0.16を満たし、cが3.39≦c≦3.53を満たし、dが0.13≦d≦0.17を満たす)であることが特に好ましい。斯かる化学組成におけるa、b、c、及びdを用いて表される数値は、水素吸蔵合金における各元素の個数比を表す。
前記水素吸蔵合金は、この組成範囲であることにより、微粉化がより抑制されるという利点がある。
【0027】
前記水素吸蔵合金においては、B/A比が3.3以上3.6以下であることが好ましい。前記水素吸蔵合金のB/A比が3.3以上3.6以下であることにより、結晶相が、膨張収縮によってもより微粉化されにくくなり、結晶相の構造がより安定化されると考えられる。従って、前記水素吸蔵合金を用いたアルカリ蓄電池のサイクル特性がより優れたものとなり得る。
なお、B/A比におけるAは、Yを含む希土類元素、Mg、及びCaからなる群より選択される元素を表す。
また、B/A比におけるBは、6A族元素、7A族元素、8族元素(Pdを除く)、1B族元素、2B族元素などの遷移金属元素及びAlからなる群より選択される元素を表す。
【0028】
なお、化学組成が上述した一般式で表される水素吸蔵合金は、該一般式で規定されていない元素を不純物として含み得る。
【0029】
次に、本実施形態の水素吸蔵合金の製造方法について説明する。
【0030】
本実施形態の水素吸蔵合金の製造方法は、原料を鋳込み量300〜700kgとして溶融する溶融工程と、
溶融工程にて溶融した溶融物を急冷する冷却工程と、
冷却工程にて冷却された冷却物を950℃以上1000℃未満の温度で焼鈍する焼鈍工程とを備える。
【0031】
具体的には、本実施形態の水素吸蔵合金の製造方法においては、例えば、上記のごとき所定の化学組成となるように配合された合金原料を溶融する溶融工程と、溶融した合金原料の溶融物を冷却する冷却工程と、冷却工程を経た冷却物を不活性ガス雰囲気下にて焼鈍する焼鈍工程と、焼鈍工程を経た合金を粉砕する粉砕工程とを実施する。そして、水素吸蔵合金を得る。
【0032】
前記溶融工程においては、まず、水素吸蔵合金の化学組成が目的とする組成となるように、原料インゴッド(合金原料)を所定量に秤量する。
【0033】
前記溶融工程においては、次に、秤量した合金原料をルツボに入れる。本発明における鋳込み量は300〜700kgである。本発明における鋳込み量とは,原料インゴッドを秤量した際の重量であり、一回の溶融工程で溶融する合金の重量である。なお,鋳込み量は300kg以下であると本発明の効果を奏する合金は得ることができず,700kg以上では均一な合金を得ることが難しくなる。また,安定的に合金を得る観点から,鋳込み量は400〜650kgであることが好ましく,500〜600kgであることがより好ましい。そして、不活性ガス雰囲気において又は真空下において、例えば、1200℃以上1650℃以下といった合金の融点を超える温度で合金原料を加熱することにより、合金原料を溶融させる。
【0034】
前記冷却工程においては、合金原料を溶融させた溶融物を急冷することによって固化させる。
急冷とは、合金原料を溶融させた溶融物を1000K/秒以上の冷却速度で冷却することである。1000K/秒以上で冷却することにより、合金組成がより均質化する。また、急冷における冷却速度は、1000000K/秒以下に設定することができる。
【0035】
前記冷却工程における冷却方法は、メルトスピニング法であり、冷却装置は、金属ロールを備える。金属ロールをもちいることは、冷却効率に優れるため、好ましい。
【0036】
前記焼鈍工程においては、950℃以上1000℃未満の温度で焼鈍する。
前記焼鈍工程において、950℃未満の温度で焼鈍をおこなうと、合金の結晶相および化学組成に変化が生じて、水素の吸蔵放出特性に極端な悪影響を及ぼすおそれがある。また、1000℃以上で焼鈍をおこなうと、合金が溶融するため、焼鈍の目的を達成できないおそれがある。
前記焼鈍工程における雰囲気は、特に限定されない。即ち、焼鈍工程は、不活性ガス雰囲気でおこなってもよく、真空状態でおこなってもよい。
前記焼鈍工程における圧力条件は、特に限定されない。該圧力条件としては、例えば、標準大気圧を超える加圧条件を採用することができる。また、圧力条件としては、標準大気圧未満の減圧条件を採用することができる。
前記焼鈍工程における焼鈍の時間は、通常、3時間以上50時間以下である。
【0037】
前記粉砕工程においては、一般的な粉砕方法を採用することができる。具体的には、粉砕工程においては、例えば、機械粉砕、水素化粉砕などの粉砕方法を採用することができる。
前記粉砕工程における粉砕は、粉砕によって新たに生じる粒子状合金の表面における酸化を防止するために、不活性雰囲気中でおこなうことが好ましい。
前記粉砕工程は、粉砕後の水素吸蔵合金粒子の平均粒子径が、20〜70μmとなるように実施することが好ましい。
【0038】
なお、本実施形態の水素吸蔵合金は、上述のごとき化学組成の一般式で表されるものである場合であっても、該一般式を満たしている限り、本発明の効果を損ねない範囲において、該一般式で規定されていない元素を含み得る。
【実施例】
【0039】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0040】
(実施例1)
以下に示す方法により、水素吸蔵合金を製造した。
まず、溶融工程においては、化学組成がLa
0.72Y
0.13Mg
0.15Ni
3.48Al
0.15となるように、原料インゴットを所定量秤量して、ルツボに入れた。次に、秤量した原料インゴットを、減圧アルゴンガス雰囲気下で、高周波溶解炉を用いて1500℃に加熱し、溶融させた。溶融工程における鋳込み量は、550kgとした。
溶融工程の後に冷却工程をおこなった。冷却工程においては、冷却ロールをもちいたメルトスピニング法を採用し、合金原料の溶融物を急冷し、固化させた。
続く焼鈍工程においては、冷却された合金に対して、0.05MPa(絶対圧力値 以下同様)の減圧状態において、950℃の熱処理を7時間おこなうことにより、焼鈍をおこなった。
続く粉砕工程においては、焼鈍工程によって得られた合金塊を、平均粒子径(D50)が50μmとなるように粉砕した。
【0041】
(実施例2,3および比較例1〜6)
溶融工程後の化学組成、溶融工程における鋳込み量および焼鈍工程における熱処理温度を表1に示すように変更したこと以外は、実施例1と同様にして、実施例2,3および比較例1〜6の合金を製造した。
【0042】
各実施例、各比較例で製造した水素吸蔵合金の化学組成について分析した結果を表1に示す。表1の化学組成における数値は、水素吸蔵合金における各元素の個数比を示している。
また、各実施例、各比較例の水素吸蔵合金の製造における焼鈍工程での加圧条件、及び温度条件を表1に示す。
【0043】
<X線回折による結晶相の構造解析>
各実施例、各比較例の水素吸蔵合金について、X線回折測定による構造解析をおこなった。
具体的には、得られた水素吸蔵合金を乳鉢で粉砕した後、粉末X線回折装置(リガク社製、MiniflexII)を用いて、粉砕した合金を測定した。測定条件は、ゴニオ半径185mm、発散スリット1deg.、散乱スリット1deg.、受光スリット0.15mm、X線源Cu−Kα線、管電圧50kV、 管電流200mAの条件とした。なお、回折角は、2θ=15.0〜85.0°の範囲であり、計数時間は、2秒であり、スキャンステップは、0.020°であった。得られたX線回折結果に基づいてリートベルト法(解析ソフト、RIETAN2000使用)により構造解析をおこなった。
【0044】
各実施例、各比較例の水素吸蔵合金のX線回折測定において、2θ=41°〜44°の範囲に現れる最大ピーク強度に対して、2θ=31°〜33°の範囲に現れる最大ピーク強度の比を表1に示す。
また、実施例2の水素吸蔵合金についてX線回折測定した結果(回折ピーク)を
図1に示す。
【0045】
(水素気吸蔵合金電極の作製)
実施例1〜3および比較例1〜6の合金粉末を、スチレンブタジエンラバー(SBR)の分散液及びメチルセルロース(MC)水溶液と混合して、水素吸蔵合金ペーストとした。厚さ35μmのFe基材に1μm厚のニッケルメッキを施した基材に、このペーストを塗布して乾燥し、原板とした。原板を30mm×33mmのサイズに裁断し、電極容量が500mAh以上の水素吸蔵合金電極(負極)を作製した。
【0046】
(評価セルの作製)
作製した各水素吸蔵合金を,ポリオレフィンセパレータを介した状態で,負極容量の4倍の容量をもつシンター式電極(ニッケル:90質量%、コバルト5重量%および亜鉛5質量%)で挟み込み、さらに1kgf/cm
2の圧力をかけた状態でボルトをもちいて固定した。これにより、正極容量過剰の開放形ニッケル水素蓄電池を組み立てた。電解液としては、6.8mol/LのKOH溶液を使用した。
【0047】
(評価セルの充放電条件および充放電後における合金の磁化率測定)
上記のように作製した評価セルを、20℃の水槽中で、0.1ItA(31mA/g)で150%の充電と、0.2ItAで負極の終止電位が−0.6V(対Hg/HgO)となる放電とを、10サイクル繰り返した。さらに、1ItAで105%の充電と、1ItAで負極の終止電位が−0.6V(対Hg/HgO)となる放電とを、40サイクル繰り返した。これらの条件により、合計50サイクルの充放電をおこなった。
充放電後の評価セルから、水素吸蔵合金電極を取り出し、洗浄後, 磁化率測定計(理研電子製BHV-10H)をもちい,印加磁場5000エルステッドとして,磁化率測定をおこなった。
【0048】
各実施例、各比較例の水素吸蔵合金が用いられたニッケル水素蓄電池において、充放電後における負極活物質(水素吸蔵合金)の磁化率を測定した結果を表1に示す。
【0049】
【表1】
【0050】
表1から把握されるように、X線回折測定によって2θ=41°〜44°の範囲に現れる最大ピーク強度に対して、2θ=31°〜33°の範囲に現れる最大ピーク強度の比が0.1以下である水素吸蔵合金を負極活物質として用いて製造されたニッケル水素蓄電池においては、充放電後の磁化率が5.00emu/g未満を示しており、合金粒子の過度な腐食が抑制されていることがわかった。過度な腐食の発生は、合金の微粉化がされたことを示唆するものであり、実施例1〜3における合金は微粉化が抑制されていることがわかる。