特許第6343424号(P6343424)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343424
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】有機発光表示装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/30 20060101AFI20180604BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20180604BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20180604BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   G09G3/30 H
   G09G3/20 621M
   G09G3/20 670Q
   G09G3/20 624B
   G09G3/20 623R
   G09F9/30 338
   G09F9/30 330
   G09F9/30 365
   H05B33/14 A
【請求項の数】10
【全頁数】17
(21)【出願番号】特願2013-59614(P2013-59614)
(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公開番号】特開2013-257533(P2013-257533A)
(43)【公開日】2013年12月26日
【審査請求日】2016年3月15日
(31)【優先権主張番号】10-2012-0063223
(32)【優先日】2012年6月13日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(74)【代理人】
【識別番号】100089037
【弁理士】
【氏名又は名称】渡邊 隆
(72)【発明者】
【氏名】金 陽完
【審査官】 斎藤 厚志
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−121871(JP,A)
【文献】 特開平10−048663(JP,A)
【文献】 特開2009−276734(JP,A)
【文献】 特開2005−242383(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/30
G09F 9/30
G09G 3/20
H01L 51/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲート線およびデータ線の交差領域に位置する複数の画素を含み、パネルの中央領域に位置する画素部と、
前記ゲート線にゲート信号を供給し、前記パネルの一側に位置するゲート駆動部と、
点灯検査信号が入力される第1入力ラインおよび検査制御信号が入力される第2入力ラインに接続され、前記検査制御信号に応じて前記データ線に前記点灯検査信号を供給し、前記パネルの他側に位置する点灯検査回路と、
前記ゲート駆動部にゲートハイレベル電圧を供給し、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路の外側に位置し、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路を囲む第1電源供給ラインと、
前記ゲート駆動部にゲートローレベル電圧を供給し、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路の外側に位置し、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路を囲む第2電源供給ラインとを含み、
前記点灯検査回路の前記第2入力ラインは、前記ゲート駆動部および前記画素部を囲み、前記点灯検査回路の両端それぞれの近傍の二地点で前記第1電源供給ラインまたは前記第2電源供給ラインと抵抗素子を介して連結されることを特徴とする有機発光表示装置。
【請求項2】
前記点灯検査回路は、
チャネル層と、前記チャネル層に連結され、前記第1入力ラインに接続されるソース電極と、前記チャネル層に連結され、前記データ線に接続されるドレイン電極と、前記第2入力ラインに接続されるゲート電極とを含む複数のトランジスタを含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項3】
前記チャネル層は、pタイプの半導体を含み、
前記第2入力ラインは、前記第1電源供給ラインと前記抵抗素子を介して連結されることを特徴とする請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項4】
前記チャネル層は、nタイプの半導体を含み、
前記第2入力ラインは、前記第2電源供給ラインと前記抵抗素子を介して連結されることを特徴とする請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項5】
前記抵抗素子は、前記チャネル層と同一層に位置することを特徴とする請求項2に記載の有機発光表示装置。
【請求項6】
前記画素部を挟んで前記ゲート駆動部に対向するように前記パネルに位置し、前記ゲート線に並んで配置される発光制御線に発光制御信号を供給する発光制御駆動部をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載の有機発光表示装置。
【請求項7】
前記第1電源供給ラインは、前記発光制御駆動部に前記ゲートハイレベル電圧を供給し、前記第1電源供給ラインは、前記発光制御駆動部、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路を囲み、
前記第2電源供給ラインは、前記発光制御駆動部に前記ゲートローレベル電圧を供給し、前記第2電源供給ラインは、前記発光制御駆動部、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路を囲むことを特徴とする請求項6に記載の有機発光表示装置。
【請求項8】
前記ゲート信号および前記発光制御信号のハイレベル電圧は、前記ゲートハイレベル電圧に起因して生成され、前記ゲート信号および前記発光制御信号のローレベル電圧は、前記ゲートローレベル電圧に起因して生成されることを特徴とする請求項7に記載の有機発光表示装置。
【請求項9】
前記画素部を挟んで前記点灯検査回路に対向するように前記パネルに位置し、前記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動部をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の有機発光表示装置。
【請求項10】
前記ゲート駆動部および前記発光制御駆動部は、前記画素部を挟んでそれぞれ前記パネルの左側または右側に位置し、
前記点灯検査回路および前記データ駆動部は、前記画素部を挟んでそれぞれ前記パネルの上側または下側に位置することを特徴とする請求項9に記載の有機発光表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機発光表示装置に関するものであり、より詳細には、点灯検査回路を含む有機発光表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
表示装置は、イメージを表示する装置であって、最近、有機発光表示装置(organic light emitting diode display)が注目されていている。
【0003】
有機発光表示装置は、自発光特性を有し、液晶表示装置(liquid crystal display device)とは異なって別の光源を必要としないため、厚さと重量を減少させることができる。また、有機発光表示装置は、低い消費電力、高い輝度および高い反応速度などの高品位特性を示す。
【0004】
一般的に、有機発光表示装置は、複数の画素を含む画素部と、画素部にゲート信号を供給するゲート駆動部と、画素部にデータ信号を供給するデータ駆動部とを含み、画素の正常点灯の可否を確認するための点灯検査を行う時に用いられる点灯検査回路を含む。ここで、点灯検査回路は、外部から供給される検査制御信号に対応して点灯検査信号をデータ線に供給するための複数の薄膜トランジスタを含む。
【0005】
一方、点灯検査回路に含まれている薄膜トランジスタおよび薄膜トランジスタに検査制御信号および点灯検査信号を供給するラインは、外部から流入する静電気(ESD)に露出しやすく、有機発光表示装置を製造する工程の途中や、有機発光表示装置の製造が完了した後も静電気によって損傷しやすい問題があった。
【0006】
点灯検査回路の薄膜トランジスタおよび薄膜トランジスタに検査制御信号および点灯検査信号を供給するラインが静電気によって損傷すると、点灯検査を効果的に行うことができないと共に、有機発光表示装置の駆動不良が発生する問題があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の一実施形態は、上述した問題を解決するためのものであって、静電気による不良が抑制された有機発光表示装置を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した技術的課題を達成するための本発明の一態様は、ゲート線およびデータ線の交差領域に位置する複数の画素を含み、パネルの中央領域に位置する画素部と、前記ゲート線にゲート信号を供給し、前記パネルの一側に位置するゲート駆動部と、点灯検査信号が入力される第1入力ラインおよび検査制御信号が入力される第2入力ラインに接続され、前記検査制御信号に応じて前記データ線に前記点灯検査信号を供給し、前記パネルの他側に位置する点灯検査回路と、前記ゲート駆動部にゲートハイレベル電圧を供給し、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路を囲む第1電源供給ラインと、前記ゲート駆動部にゲートローレベル電圧を供給し、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路を囲む第2電源供給ラインとを含み、前記点灯検査回路の前記第2入力ラインは、前記ゲート駆動部および前記画素部を囲み、前記点灯検査回路の両端それぞれの近傍の二地点で前記第1電源供給ラインまたは前記第2電源供給ラインと抵抗素子を介して連結される有機発光表示装置を提供する。
【0009】
前記点灯検査回路は、チャネル層と、前記チャネル層に連結され、前記第1入力ラインに接続されるソース電極と、前記チャネル層に連結され、前記データ線に接続されるドレイン電極と、前記第2入力ラインに接続されるゲート電極とを含む複数のトランジスタを含むことができる。
【0010】
前記チャネル層は、pタイプの半導体を含み、前記第2入力ラインは、前記第1電源供給ラインと前記抵抗素子を介して連結できる。
【0011】
前記チャネル層は、nタイプの半導体を含み、前記第2入力ラインは、前記第2電源供給ラインと前記抵抗素子を介して連結できる。
【0012】
前記抵抗素子は、前記チャネル層と同一層に位置することができる。
【0013】
前記画素部を挟んで前記ゲート駆動部に対向するように前記パネルに位置し、前記ゲート線に並んで配置される発光制御線に発光制御信号を供給する発光制御駆動部をさらに含むことができる。
【0014】
前記第1電源供給ラインは、前記発光制御駆動部に前記ゲートハイレベル電圧を供給し、前記第1電源供給ラインは、前記発光制御駆動部、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路を囲み、前記第2電源供給ラインは、前記発光制御駆動部に前記ゲートローレベル電圧を供給し、前記第2電源供給ラインは、前記発光制御駆動部、前記ゲート駆動部および前記点灯検査回路を囲むことができる。
【0015】
前記ゲート信号および前記発光制御信号のハイレベル電圧は、前記ゲートハイレベル電圧に起因して生成され、前記ゲート信号および前記発光制御信号のローレベル電圧は、前記ゲートローレベル電圧に起因して生成できる。
【0016】
前記画素部を挟んで前記点灯検査回路に対向するように前記パネルに位置し、前記データ線にデータ信号を供給するデータ駆動部をさらに含むことができる。
【0017】
前記ゲート駆動部および前記発光制御駆動部は、前記画素部を挟んでそれぞれ前記パネルの左側または右側に位置し、前記点灯検査回路および前記データ駆動部は、前記画素部を挟んでそれぞれ前記パネルの上側または下側に位置することができる。
【発明の効果】
【0018】
上述した本発明の課題を解決するための手段の一部の実施形態のうちの一つによれば、静電気による不良が抑制された有機発光表示装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】有機発光表示装置の一例を示すブロック図である。
図2図1に示された画素の一例を示す回路図である。
図3図2に示された画素の駆動方法を示す波形図である。
図4図1に示されたゲート駆動部に具備されたシフトレジスタの一例を示す回路図である。
図5図1に示された発光制御駆動部に具備されたシフトレジスタの一例を示す回路図である。
図6】本発明の第1実施形態にかかる有機発光表示装置を示す平面図である。
図7図6のA部分を示す図である。
図8】本発明の第2実施形態にかかる有機発光表示装置を示す平面図である。
図9図8のB部分を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、添付した図面を参考にして、本発明の様々な実施形態について、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳細に説明する。本発明は、種々の異なる形態で実現可能であり、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0021】
本発明を明確に説明するために説明上不必要な部分は省略し、明細書全体にわたり、同一または類似の構成要素については同一の参照符号を付す。
【0022】
また、様々な実施形態において、同一の構成を有する構成要素については、同一の符号を使って代表的に第1実施形態で説明し、その他の実施形態では第1実施形態とは異なる構成についてのみ説明する。
【0023】
さらに、図面に示された各構成の大きさおよび厚さは説明の便宜のために任意に示したので、本発明が必ずしも示されたものに限定されない。
【0024】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」とする時、これは、特に反対となる記載がない限り、他の構成要素を除外するのではなく、他の構成要素をさらに包含できることを意味する。
【0025】
さらに、画素は、画像を表示する最小単位のことであり、有機発光表示装置は、複数の画素を介して画像を表示する。
【0026】
以下、図1ないし図7を参照して、本発明の第1実施形態にかかる有機発光表示装置を説明する。
【0027】
図1は、有機発光表示装置の一例を示すブロック図である。
【0028】
図1に示されるように、有機発光表示装置は、ゲート駆動部10と、発光制御駆動部20と、データ駆動部30と、画素部40とを含む。
【0029】
ゲート駆動部10は、外部から供給される駆動電源および制御信号に対応してゲート信号を生成し、これをゲート線S1〜Snに順次に供給する。すると、画素50は、ゲート信号によって選択され、順次にデータ信号が供給される。
【0030】
発光制御駆動部20は、外部から供給される駆動電源および制御信号に対応してゲート線S1〜Snに並んで配置される発光制御線E1〜Enに発光制御信号を順次に供給する。すると、画素50は、発光制御信号によって発光が制御される。
【0031】
このようなゲート駆動部10および発光制御駆動部20は、チップの形態でパネル上に別途に実装されてもよいが、画素部40に含まれる駆動素子と共にパネル上に内蔵されるように形成され得る。
【0032】
一方、図1では、ゲート駆動部10および発光制御駆動部20が画素部40を挟んで互いに対向するように位置することを示したが、これは単に一例を示したものであり、本発明がこれに限定されるものではない。例えば、これらは、画素部40の同一の側面に共に形成されるか、あるいは画素部40の両側共にゲート駆動部10および発光制御駆動部20がそれぞれ形成されてもよい。
【0033】
また、画素部40に具備される画素50の構造によっては発光制御駆動部20が省略されてもよい。
【0034】
データ駆動部30は、外部から供給されるデータおよび制御信号に対応してデータ信号を生成し、これをデータ線D1〜Dmに供給する。データ線D1〜Dmに供給されたデータ信号は、ゲート信号が供給される度にゲート信号によって選択された画素50に供給される。すると、画素50は、データ信号に対応する電圧を充電する。
【0035】
画素部40は、ゲート線S1〜Sn、発光制御線E1〜Enおよびデータ線D1〜Dmの交差部に位置する複数の画素50を含む。
【0036】
このような画素部40は、外部から高電位画素電源の第1電源ELVDDと低電位画素電源の第2電源ELVSSが供給され、第1電源ELVDDおよび第2電源ELVSSはそれぞれの画素50に伝達される。また、画素部40は、画素50の構造によっては初期化電源Vinitや参照電圧Vrefなどを追加的に供給されてもよい。
【0037】
すると、画素50は、データ信号に対応して第1電源ELVDDから第2電源ELVSSに流れる駆動電流に相応する輝度で発光し、映像を表示する。
【0038】
図2は、図1に示された画素の一例を示す回路図である。便宜上、図2において、i(iは自然数)番目の行およびj(jは自然数)番目の列に位置し、初期化およびしきい電圧の補償が行われる画素を示す。しかし、本発明がこれに限定されるものではなく、本発明は現在開発された多様な構造の画素に適用可能である。
【0039】
図2に示されるように、本実施形態にかかる画素50は、複数のトランジスタT1〜T6およびストレージキャパシタCstを含む画素回路部52と、画素回路部52から駆動電流が供給される有機発光素子OLEDとを含む。
【0040】
画素回路部52は、前のゲート線Si−1から前のゲート信号SSi−1が供給される時、ストレージキャパシタCstに格納された電圧を初期化し、現在のゲート線Siから現在のゲート信号SSiが供給される時、データ信号Vdataと第1トランジスタT1のしきい電圧に対応する電圧を充電した後、第1トランジスタT1のしきい電圧に関係なくデータ信号Vdataに対応する駆動電流を有機発光素子OLEDに供給する。
【0041】
この場合、図1には示されていないが、それぞれの画素50は、現在のゲート線Siだけでなく、前のゲート線Si−1に連結され得、第1ゲート線S1の前の行には、第1行の画素50を初期化するためのゲート線がさらに配列され得る。そして、画素部50内には、それぞれの画素50に初期化電源Vinitを供給するための初期化電源線がさらに設計できる。
【0042】
画素回路部52は、現在のゲート線Si、前のゲート線Si−1、発光制御線Ei、データ線Dj、第1電源ELVDD、初期化電源Vinitおよび有機発光素子OLEDに連結され、第1ないし第6トランジスタT1〜T6と、ストレージキャパシタCstとを含む。
【0043】
第1トランジスタT1は、第1電源ELVDDと有機発光素子OLEDとの間に接続され、自身のゲート電極に印加される電圧に対応して駆動電流を調整する。
【0044】
具体的には、第1トランジスタT1の第1電極(例えば、ソース電極)は第6トランジスタT6を経由して第1電源ELVDDに接続され、第2電極(例えば、ドレイン電極)は第5トランジスタT5を経由して有機発光素子OLEDに接続される。そして、第1トランジスタT1のゲート電極は第1ノードN1に接続される。このような第1トランジスタT1は、第1ノードN1の電圧、つまり、ストレージキャパシタCstに充電された電圧に対応して有機発光素子OLEDに供給される駆動電流を調整する。
【0045】
第2トランジスタT2は、データ線DjとストレージキャパシタCstとの間に接続され、現在のゲート線Siから現在のゲート信号SSiが供給される時にターンオンされ、データ信号を画素50の内部に伝達する。
【0046】
具体的には、第2トランジスタT2の第1電極はデータ線Djに接続され、第2電極は第1および第3トランジスタT1、T3を経由してストレージキャパシタCstに接続される。そして、第2トランジスタT2のゲート電極は現在のゲート線Siに接続される。このような第2トランジスタT2は、現在のゲート線Siから現在のゲート信号SSiが供給される時にターンオンされ、データ線Djから供給されるデータ信号Vdataを第1および第3トランジスタT1、T3を経由してストレージキャパシタCstに伝達する。
【0047】
第3トランジスタT3は、第1トランジスタT1のゲート電極と第2電極(ドレイン電極)との間に接続され、自身のゲート電極に印加される電圧に対応して第1トランジスタT1をダイオード接続する。
【0048】
具体的には、第3トランジスタT3の第1電極は第1トランジスタT1の第2電極に接続され、第2電極は第1トランジスタT1のゲート電極に接続される。そして、第3トランジスタT3のゲート電極は現在のゲート線Siに接続される。このような第3トランジスタT3は現在のゲート線Siから現在のゲート信号SSiが供給される時にターンオンされ、第1トランジスタT1をダイオード接続する。
【0049】
第4トランジスタT4は、ストレージキャパシタCstと初期化電源Vinitとの間に接続され、前のゲート信号SSi−1によってターンオンされ、ストレージキャパシタCstに初期化電源Vinitの電圧を伝達する。
【0050】
ここで、初期化電源Vinitは、第1電源ELVDDおよび第2電源ELVDDとは異なって電流パスを形成しない電源であり、現在のゲート線Siに現在のゲート信号SSiが供給される前の期間(例えば、前のゲート線Si−1に前のゲート信号SSi−1が供給される期間)に画素回路部52に定電圧を供給する電源である。このような初期化電源Vinitは、データ信号Vdataの電圧より低い電圧、つまり、データ信号Vdataの最低電圧より低い電圧を有するように設定される。
【0051】
つまり、第4トランジスタT4がターンオンされると、第1ノードN1の電圧がデータ信号Vdataの電圧より低い電圧に初期化され、後続するデータ信号Vdataの書き込み期間の間、第1トランジスタT1が順方向にダイオード接続されながら、データ信号Vdataが第1ノードN1に円滑に供給される。
【0052】
具体的には、第4トランジスタT4の第1電極は第1ノードN1に接続され、第2電極は初期化電源Vinitに接続される。そして、第4トランジスタT4のゲート電極は前のゲート線Si−1に接続される。このような第4トランジスタT4は、前のゲート線Si−1から前のゲート信号SSi−1が供給される時にターンオンされ、初期化電源Vinitと第1ノードN1とを接続させる。すると、初期化電源Vinitの電圧が第1ノードN1に印加されながら、第1ノードN1の電圧が初期化される。
【0053】
第5トランジスタT5は、第1トランジスタT1と有機発光素子OLEDとの間に接続され、発光制御線Eiから供給される発光制御信号EMIiによってオンオフ制御される。
【0054】
具体的には、第5トランジスタT5の第1電極は第1トランジスタT1の第2電極に接続され、第2電極は有機発光素子OLEDのアノード電極に接続される。そして、第5トランジスタT5のゲート電極は発光制御線Eiに接続される。このような第5トランジスタT5は、発光制御線Eiから供給される発光制御信号EMIiの電圧レベルがハイレベルの時にターンオフされ、画素回路部52と有機発光素子OLEDとを絶縁させ、発光制御信号EMIiの電圧レベルがローレベルに遷移するとターンオンされ、第1トランジスタT1から供給される駆動電流を有機発光ダイオードOLEDに伝達する。
【0055】
第6トランジスタT6は、第1電源ELVDDと第1トランジスタT1との間に接続され、発光制御線Eiから供給される発光制御信号EMIiによってオンオフ制御される。
【0056】
具体的には、第6トランジスタT6の第1電極は第1電源ELVDDに接続され、第2電極は第1トランジスタT1の第1電極に接続される。そして、第6トランジスタT6のゲート電極は発光制御線Eiに接続される。このような第6トランジスタT6は、発光制御線Eiから供給される発光制御信号EMIiの電圧レベルがハイレベルの時にターンオフされ、第1トランジスタT1と第1電源ELVDDとを絶縁させ、発光制御信号EMIiの電圧レベルがローレベルに遷移するとターンオンされ、第1トランジスタT1と第1電源ELVDDとを連結する。
【0057】
ストレージキャパシタCstは、第1トランジスタT1のゲート電極と第1電源ELVDDとの間に接続される。このようなストレージキャパシタCstは、前のゲート信号SSi−1が供給される期間に初期化電源Vinitによって初期化され、現在のゲート信号SSiが供給される期間にデータ信号Vdataと第1トランジスタT1のしきい電圧に対応する電圧を充電した後、画素50が発光する期間に充電された電圧を維持する。
【0058】
有機発光素子OLEDは、画素回路部52と第2電源ELVSSとの間に接続され、第1電源ELVDDから画素回路部52および自身を経由して第2電源ELVSSに流れる駆動電流に対応する輝度で発光する。このような有機発光素子OLEDは、赤色、緑色または青色の光を発光する有機発光層を含み、これに対応する色の光を生成する。
【0059】
図3は、図2に示された画素の駆動方法を示す波形図である。
【0060】
図3に示されるように、画素50は、前のゲート線Si−1および現在のゲート線Siからローレベルの前のゲート信号SSi−1および現在のゲート信号SSiを順次に供給され、発光制御線Eiから前のゲート信号SSi−1および現在のゲート信号SSiと重畳するハイレベルの発光制御信号EMIiが供給される。
【0061】
ここで、発光制御信号EMIiは、前のゲート信号SSi−1と現在のゲート信号SSiが供給される期間の間、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6がターンオフされるハイレベルの電圧を維持し、現在のゲート信号SSiの供給が完了した後、第5トランジスタT5および第6トランジスタT6がターンオンされるローレベルの電圧に遷移する。
【0062】
一方、画素50は、外部から第1電源ELVDD、第2電源ELVSSおよび初期化電源Vinitが供給され、データ線Djからデータ信号Vdataが供給される。
【0063】
このような画素50の動作を具体的に説明すると、まず、前のゲート線Si−1にローレベルの前のゲート信号SSi−1が供給される第1期間T1に第4トランジスタT4がターンオンされる。すると、初期化電源Vinitの電圧が第1ノードN1に伝達され、第1ノードN1の電圧が初期化され、これにより、ストレージキャパシタCstに格納された電圧も初期化される。つまり、第1期間T1は、第1ノードN1の電圧を初期化する期間に設定される。
【0064】
以降、現在のゲート線Siにローレベルの現在のゲート信号SSiが供給される第2期間T2に第2トランジスタT2および第3トランジスタT3がターンオンされる。第2トランジスタT2および第3トランジスタT3がターンオンされると、データ線Djから供給されるデータ信号Vdataが、第2トランジスタT2、第1トランジスタT1および第3トランジスタT3を経由して第1ノードN1に伝達される。この時、第1トランジスタT1は第3トランジスタT3によってダイオード接続されるため、第1ノードN1には、データ信号Vdataと共に第1トランジスタT1のしきい電圧が反映された電圧が伝達される。
【0065】
この時、ストレージキャパシタCstには、データ信号Vdataと第1トランジスタT1のしきい電圧に対応する電圧が充電される。
【0066】
以降、発光制御線Eiに供給される発光制御信号EMIiの電圧レベルがローレベルに遷移する第3期間T3に第5トランジスタT5および第6トランジスタT5、T6がターンオンされる。
【0067】
すると、ストレージキャパシタCstに充電された電圧に対応する駆動電流が第1トランジスタT1によって有機発光素子OLEDに供給される。
【0068】
この時、第1トランジスタT1のしきい電圧が相殺されながら、有機発光素子OLEDには、第1トランジスタT1のしきい電圧に関係なくデータ信号Vdataに対応する駆動電流が供給される。したがって、有機発光素子OLEDは、第1トランジスタT1のしきい電圧に関係なくデータ信号Vdataに対応する均一な輝度で発光する。
【0069】
ここで、画素50を駆動する前のゲート信号SSi−1および現在のゲート信号SSiは、図1に示されたゲート駆動部10によって生成され、発光制御信号EMIiは、発光制御駆動部20によって生成される。
【0070】
図4は、図1に示されたゲート駆動部に具備されたシフトレジスタの一例を示す回路図である。そして、図5は、図1に示された発光制御駆動部に具備されたシフトレジスタの一例を示す回路図である。特に、図4および図5は、それぞれゲート駆動部および発光制御駆動部のシフトレジスタに具備された複数のステージのうちの第i番目のステージの構成を示す回路図である。
【0071】
図4は、韓国登録特許第0759686号に開示されたシフトレジスタのステージ回路を示すもので、前記ステージの出力信号、つまり、ゲート信号のハイレベル電圧は、シフトレジスタの第1電源VDDに起因し、ゲート信号のローレベル電圧は、シフトレジスタの第2電源VSSに起因する。
【0072】
ここで、シフトレジスタの第1電源VDDおよび第2電源VSSは、前記シフトレジスタを含むゲート駆動部の駆動電源を意味するもので、これは、名称が異なって記載されただけであって、実際には、それぞれゲート駆動部に供給されるゲートハイレベル電圧VGHおよびゲートローレベル電圧VGLに対応する。
【0073】
また、図5は、韓国公開特許第2008−0033630号に開示されたシフトレジスタのステージSTi回路を示すもので、前記ステージSTiの出力信号、つまり、発光制御信号EMIiのハイレベル電圧は、発光制御駆動部の第1電源VDDに起因し、発光制御信号EMIiのローレベル電圧は、発光制御駆動部の第2電源VSSに起因する。
【0074】
ここで、発光制御駆動部は、ゲート駆動部内に内蔵されるか、あるいはゲート駆動部とは別途に生成できるもので、ゲート駆動部と発光制御駆動部は、同一の第1電源VDDおよび第2電源VSS、つまり、同一のゲートハイレベル電圧VGHおよびゲートローレベル電圧VGLによって駆動できる。
【0075】
したがって、ゲート駆動部および発光制御駆動部が正常に画素を駆動するためには、これらにゲートハイレベル電圧VGHおよびゲートローレベル電圧VGLが安定的に供給されなければならない。
【0076】
図6は、本発明の第1実施形態にかかる有機発光表示装置を示す平面図である。
【0077】
図6に示されるように、本発明の第1実施形態にかかる有機発光表示装置1000は、パネル100の中央領域に位置する画素部40と、パネル100の一側に位置し、ゲート線Snにゲート信号を供給するゲート駆動部10と、画素部40を挟んでゲート駆動部10に対向するようにパネル100に位置し、ゲート線Snに並んで位置する発光制御線Enに発光制御信号を供給する発光制御駆動部20と、パネル100の他側に位置する点灯検査回路90と、画素部40を挟んで点灯検査回路90に対向するようにパネル100に位置し、データ線Dmにデータ信号を供給するデータ駆動部30とを含む。
【0078】
図6において、ゲート駆動部10は、画素部40の左側、つまり、パネル100の左側に位置し、発光制御駆動部20は、画素部40の右側、つまり、パネル100の右側に位置するものとして示したが、これに限定されず、ゲート駆動部10は、画素部40の右側、つまり、パネル100の右側に位置し、発光制御駆動部20は、画素部40の左側、つまり、パネル100の左側に位置することができる。つまり、ゲート駆動部10と発光制御駆動部20は、画素部40を挟んでそれぞれパネル100の左側または右側に位置することができる。また、本発明の第1実施形態では、ゲート駆動部10と発光制御駆動部20とを分離し、これらが画素部40を基準として互いに対向するように位置するものとして示したが、これらは一つのゲート駆動部に統合され、画素部40の一側または両側共に形成されてもよく、画素構造によっては発光制御駆動部20が省略されてもよい。
【0079】
また、図6において、点灯検査回路90は、画素部40の上側、つまり、パネル100の上側に位置し、データ駆動部30は、画素部40の下側、つまり、パネル100の下側に位置するものとして示したが、これに限定されず、点灯検査回路90は、画素部40の下側、つまり、パネル100の下側に位置し、データ駆動部30は、画素部40の上側、つまり、パネル100の上側に位置することができる。また、本発明の第1実施形態では、点灯検査回路90とデータ駆動部30とを分離し、これらが画素部40を基準として互いに対向するように位置するものとして示したが、これらは一つのデータ駆動部に統合され、画素部40の一側または両側共に形成できる。
【0080】
一方、パッド部PAは、ゲート駆動部10、発光制御駆動部20、データ駆動部30、および点灯検査回路90が位置しないパネル100の他側周縁、例えば、下側周縁に位置し、パネル100の内部に駆動電源および制御信号を供給するための複数のパッドPを備える。このようなパッドPを介して、画素部40、ゲート駆動部10、発光制御駆動部20、点灯検査回路90およびデータ駆動部30に駆動電源および制御信号が供給される。
【0081】
そして、パネル100上には、パッド部PAからゲートハイレベル電圧が供給され、ゲート駆動部10と発光制御駆動部20のそれぞれにゲートハイレベル電圧を供給し、画素部40、ゲート駆動部10、点灯検査回路90、発光制御駆動部20を囲む形状に設計され、再びパッド部PAに連結される第1電源供給ラインVGHLと、パッド部PAからゲートローレベル電圧が供給され、ゲート駆動部10と発光制御駆動部20のそれぞれにゲートローレベル電圧を供給し、画素部40、ゲート駆動部10、点灯検査回路90、発光制御駆動部20を囲む形状に設計され、再びパッド部PAに連結される第2電源供給ラインVGLLとが形成される。
【0082】
一方、本発明の第1実施形態において、第1電源供給ラインVGHLおよび第2電源供給ラインVGLLのそれぞれがゲート駆動部10および発光制御駆動部20を迂回するように分岐しているが、本発明の他の実施形態にかかる有機発光表示装置において、第1電源供給ラインVGHLおよび第2電源供給ラインVGLLのそれぞれがゲート駆動部10および発光制御駆動部20を経由して点灯検査回路90を囲む形状に設計できる。
【0083】
また、パネル100内での電圧降下を最少化するために、第1電源供給ラインVGHLおよび第2電源供給ラインVGLLは、低抵抗物質から形成できる。例えば、第1電源供給ラインVGHLおよび第2電源供給ラインVGLLは、パネル100上に形成されるトランジスタ(例えば、画素部40、ゲート駆動部10および発光制御駆動部20に具備されたトランジスタ)のソースおよびドレイン電極と同一物質で同一レイヤに形成されるか、前記トランジスタのゲート電極と同一物質で同一レイヤに形成できる。また、第1電源供給ラインVGHLおよび第2電源供給ラインVGLLは、一部の領域では前記トランジスタのソースおよびドレイン電極と同一物質で形成され、他の領域では前記トランジスタのゲート電極と同一物質で形成されるなど、前記トランジスタのソースおよびドレイン電極物質やゲート電極物質すべてを用いて形成されてもよい。つまり、第1電源供給ラインVGHLおよび第2電源供給ラインVGLLは、パネル100を形成するのに用いられる物質のうち低抵抗物質を選択して自由に設計できる。
【0084】
つまり、第1電源供給ラインVGHLと第2電源供給ラインVGLLは、パッド部PAに対向するパネル100の上側領域を介してゲート駆動部10と発光制御駆動部20とを連結する。このパネル100の上側領域には点灯検査回路90が位置している。
【0085】
したがって、ゲート駆動部10で生成されるゲート信号と発光制御駆動部20で生成される発光制御信号のハイレベル電圧は、第1電源供給ラインVGHLから供給される同一のゲートハイレベル電圧VGHに起因して同一レベルに生成され、前記ゲート信号と発光制御信号のローレベル電圧は、第2電源供給ラインVGLLから供給される同一のゲートローレベル電圧VGLに起因して同一レベルに生成される。
【0086】
これにより、第1電源供給ラインVGHLおよび第2電源供給ラインVGLLのそれぞれを介してゲート駆動部10および発光制御駆動部20がすべて連結されるため、ゲート駆動部10および発光制御駆動部20に同一レベルのゲートハイレベル電圧VGHおよび同一レベルのゲートローレベル電圧VGLを供給することができ、有機発光表示装置1000が安定的に駆動される。
【0087】
点灯検査回路90は、第1入力ラインIL1および第2入力ラインIL2に接続されており、点灯検査期間の間、パッド部PAに連結された第1入力ラインIL1から点灯検査信号が供給され、パッド部PAに連結された第2入力ラインIL2から検査制御信号が供給され、検査制御信号に応じてデータ線Dmに点灯検査信号を供給する。
【0088】
このような点灯検査回路90は、点灯検査が完了した後の実際の駆動期間の間には、パッド部PAから供給されるバイアス信号によってオフ状態を維持する。
【0089】
一方、本発明は、データ駆動部30が具備される場合に限定されるものではなく、データ駆動部30が具備されなくてもよい。
【0090】
前述のような本発明によれば、データ駆動部30に代えて点灯検査回路90を用いて点灯検査信号をデータ線Dmに供給することにより、データ駆動部30を形成する前に点灯検査を行うことができる。これにより、データ駆動部30を駆動ICとしてパネル100に実装する場合、データ駆動部30を実装する前に予め不良パネルを検出し、無駄な材料消耗を防止することができる。
【0091】
図7は、図6のA部分を示す図である。
【0092】
図7に示されるように、点灯検査回路90は、チャネル層Cと、チャネル層Cに連結され、点灯検査信号TDが入力される第1入力ラインIL1に接続されるソース電極Sと、チャネル層Cに連結され、データ線Dmに接続されるドレイン電極Dと、点灯制御信号TGが入力される第2入力ラインIL2に接続されるゲート電極Gとを含む複数のトランジスタTRを含む。
【0093】
チャネル層Cは、正孔がキャリアとして機能するpタイプの半導体を含む。
【0094】
トランジスタTRのソース電極Sは点灯検査信号TDが入力される第1入力ラインIL1に共通に接続され、ドレイン電極Dはそれぞれのデータ線Dmに接続される。
【0095】
トランジスタTRのゲート電極Gは検査制御信号TGが入力される第2入力ラインIL2に共通に接続される。
【0096】
このようなトランジスタTRは、点灯検査期間の間、トランジスタTRをターンオンさせるように供給される検査制御信号TGによって同時にターンオンされ、点灯検査信号TDをデータ線Dmに供給する。また、点灯検査回路90は、点灯検査が完了した後の実際の駆動期間の間には、パッド部PAから第2入力ラインIL2を介して供給されるバイアス信号によってオフ状態を維持する。
【0097】
ここで、点灯制御信号TGが入力される第2入力ラインIL2は、ゲートハイレベル電圧VGHが供給される第1電源供給ラインVGHLと抵抗素子Rを介して連結されている。
【0098】
抵抗素子Rは、パネル100上において、チャネル層Cと同一物質および同一層に形成される。つまり、抵抗素子Rは、チャネル層Cと同時に形成される半導体物質である。
【0099】
このような抵抗素子Rは、多結晶シリコン(poly silicon)半導体または酸化物半導体などの半導体物質を含み、トランジスタTRのチャネル層Cと一体に形成できる。
【0100】
抵抗素子Rの抵抗値は、点灯検査や実際の駆動には影響を与えないようにするものの、強い静電気からトランジスタTRを保護できる程度の範囲内で設定されることが好ましい。抵抗素子Rの抵抗値は、パネル100の設計条件に応じて変更できるもので、シミュレーションなどにより最適な抵抗値を算出して適用することができる。この時、抵抗素子Rの抵抗値を容易に調整するために、多結晶シリコン(poly silicon)半導体または酸化物半導体などの半導体物質に従来広く公知された不純物をドーピングする方法が使用できる。例えば、トランジスタTRのチャネル層Cと一体に抵抗素子Rを形成し、抵抗素子Rの半導体にのみ不純物をドーピングするか、あるいはトランジスタTRのチャネル層Cおよび抵抗素子Rに同一の不純物をドーピングするか、または抵抗素子Rの半導体にドーピングされる不純物の濃度をトランジスタTRのチャネル層Cにドーピングされる不純物の濃度と異なって調整することができる。
【0101】
このように、抵抗素子Rを介して第2入力ラインIL2が第1電源供給ラインVGHLに連結されることにより、第2入力ラインIL2が静電気(ESD)によってある一部分がフローティング(floating、断線)されることが抑制されると同時に、第2入力ラインIL2が静電気によってある一部分がフローティングされても、点灯検査が完了した後の実際の駆動期間、トランジスタTRのゲート電極Gは、第1電源供給ラインVGHLから供給されるゲートハイレベル電圧VGHによってオフ状態を維持する。
【0102】
具体的には、第2入力ラインIL2は、パネル100の外郭を囲んでいると同時に、点灯検査回路90のトランジスタTRのゲート電極Gとパッド部PAとの間だけを連結していることにより、点灯検査が完了した後の実際の駆動期間の間には、有機発光表示装置1000に意図せずに印加される静電気に脆弱な構造を有している。これにより、第2入力ラインIL2が静電気によってある一部分がフローティングされる場合、点灯検査回路90のトランジスタTRがオフ状態を維持できず、有機発光表示装置に駆動不良が発生する恐れがあった。しかし、本発明の第1実施形態にかかる有機発光表示装置1000は、点灯制御信号TGが入力される第2入力ラインIL2が、ゲートハイレベル電圧VGHが供給される第1電源供給ラインVGHLと抵抗素子Rを介して連結されていることにより、第2入力ラインIL2が静電気(ESD)によってある一部分がフローティングされることが抑制されると同時に、第2入力ラインIL2が静電気(ESD)によってある一部分がフローティングされても、トランジスタTRのゲート電極Gが第1電源供給ラインVGHLから供給されるゲートハイレベル電圧VGHによってオフ状態を維持し、駆動不良が発生することが防止される。つまり、静電気による駆動不良が防止された有機発光表示装置1000が提供される。
【0103】
以下、図8および図9を参照して、本発明の第2実施形態にかかる有機発光表示装置を説明する。
【0104】
以下、第1実施形態と区別される特徴的な部分だけを抜粋して説明し、説明が省略された部分は第1実施形態に従う。そして、本発明の第2実施形態では、説明の便宜のために、同一の構成要素については本発明の第1実施形態と同一の参照番号を使って説明する。
【0105】
図8は、本発明の第2実施形態にかかる有機発光表示装置を示す平面図である。図9は、図8のB部分を示す図である。
【0106】
図8および図9に示されるように、本発明の第2実施形態にかかる有機発光表示装置1002の点灯検査回路90は、チャネル層Cと、チャネル層Cに連結され、点灯検査信号TDが入力される第1入力ラインIL1に接続されるソース電極Sと、チャネル層Cに連結され、データ線Dmに接続されるドレイン電極Dと、点灯制御信号TGが入力される第2入力ラインIL2に接続されるゲート電極Gとを含む複数のトランジスタTRを含む。
【0107】
チャネル層Cは、電子がキャリアとして機能するnタイプの半導体を含む。
【0108】
トランジスタTRのソース電極Sは点灯検査信号TDが入力される第1入力ラインIL1に共通に接続され、ドレイン電極Dはそれぞれのデータ線Dmに接続される。
【0109】
トランジスタTRのゲート電極Gは検査制御信号TGが入力される第2入力ラインIL2に共通に接続される。
【0110】
このようなトランジスタTRは、点灯検査期間の間、トランジスタTRをターンオンさせるように供給される検査制御信号TGによって同時にターンオンされ、点灯検査信号TDをデータ線Dmに供給する。また、点灯検査回路90は、点灯検査が完了した後の実際の駆動期間の間には、パッド部PAから第2入力ラインIL2を介して供給されるバイアス信号によってオフ状態を維持する。
【0111】
ここで、点灯制御信号TGが入力される第2入力ラインIL2は、ゲートローレベル電圧VGLが供給される第2電源供給ラインVGLLと抵抗素子Rを介して連結されている。
【0112】
抵抗素子Rは、パネル100上において、チャネル層Cと同一物質および同一層に形成される。つまり、抵抗素子Rは、チャネル層Cと同時に形成される半導体物質である。
【0113】
このような抵抗素子Rは、多結晶シリコン(poly silicon)半導体または酸化物半導体などの半導体物質を含み、トランジスタTRのチャネル層Cと一体に形成できる。
【0114】
このように、抵抗素子Rを介して第2入力ラインIL2が第2電源供給ラインVGLLに連結されることにより、第2入力ラインIL2が静電気(ESD)によってある一部分がフローティング(floating、断線)されることが抑制されると同時に、第2入力ラインIL2が静電気によってある一部分がフローティングされても、点灯検査が完了した後の実際の駆動期間、トランジスタTRのゲート電極Gは、第2電源供給ラインVGLLから供給されるゲートローレベル電圧VGLによってオフ状態を維持する。
【0115】
具体的には、第2入力ラインIL2は、パネル100の外郭を囲んでいると同時に、点灯検査回路90のトランジスタTRのゲート電極Gとパッド部PAとの間だけを連結していることにより、点灯検査が完了した後の実際の駆動期間の間には、有機発光表示装置1002に意図せずに印加される静電気に脆弱な構造を有している。これにより、第2入力ラインIL2が静電気によってある一部分がフローティングされる場合、点灯検査回路90のトランジスタTRがオフ状態を維持できず、有機発光表示装置に駆動不良が発生する恐れがあった。しかし、本発明の第2実施形態にかかる有機発光表示装置1002は、点灯制御信号TGが入力される第2入力ラインIL2が、ゲートローレベル電圧VGLが供給される第2電源供給ラインVGLLと抵抗素子Rを介して連結されていることにより、第2入力ラインIL2が静電気(ESD)によってある一部分がフローティングされることが抑制されると同時に、第2入力ラインIL2が静電気(ESD)によってある一部分がフローティングされても、トランジスタTRのゲート電極Gが第2電源供給ラインVGLLから供給されるゲートローレベル電圧VGLによってオフ状態を維持し、駆動不良が発生することが防止される。つまり、静電気による駆動不良が防止された有機発光表示装置1002が提供される。
【0116】
本発明を上述したように好ましい実施形態を通じて説明したが、本発明はこれに限定されず、以下に記載する特許請求の範囲の概念と範囲を逸脱しない限り、多様な修正および変形が可能であることを、本発明の属する技術分野に従事する者であれば容易に理解することができる。
【符号の説明】
【0117】
40 画素部
10 ゲート駆動部
90 点灯検査回路
VGHL 第1電源供給ライン
VGLL 第2電源供給ライン
R 抵抗素子
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9