(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本実施形態を、図面にもとづいて説明する。
図1は、天井埋込み形空気調和機を見上げた状態での斜視図。
図2は、天井埋込み形空気調和機の下面図である。
【0011】
天井埋込み形空気調和機は、天井板に設けられた取付け用開口部に室内側から挿入され、吊り下げボルト等を介して、いわゆる天井裏に吊下げて固定される空気調和機本体1と、この空気調和機本体1の下面部に取付けられ天井板から室内側に露出する、後述する化粧パネル2とから構成される。
【0012】
前記空気調和機本体1は、下面部が開口し、天板部3aと側面部3bに金属薄板を加工してなる板金製のケーシング3を備えている。このケーシング3の内周面には発泡スチロール材等からなる断熱材が取付けられ、内周面全面に亘って断熱材で覆われている。したがって、空気調和機本体1は断熱構造をなしている。
【0013】
空気調和機本体1
の内部の略中央部には、送風機が配置されている。この送風機は、軸方向から空気を吸込んで周方向へ吹出す、いわゆる遠心ファンを備えている。送風機の上方部位は天板部3aで覆われるので、空気調和機本体1のケーシング3
の下面開口部が送風機の吸込み側となる。
【0014】
前記送風機の吹出し側である送風機周囲を囲むようにして、平面視で略四角枠状の熱交換器が配置されている。前記熱交換器の下部に沿ってドレンパンが設けられ、冷房運転時に熱交換器の熱交換作用にともなって生成されるドレン水を受ける。ドレンパンに集溜するドレン水は、ドレンポンプにより排水処理される。
【0015】
前記ケーシング3の下面開口部は、前記化粧パネル2によって閉成される。化粧パネル2は、たとえば合成樹脂材から成型されて美麗に仕上げられており、天井板から室内に対して露出し、空気調和機本体1
の周面と天井板の取付け用開口部との隙間を遮蔽する。
【0016】
さらに、化粧パネル2は、略中央部に設けられ
、後述するヒンジ部
を介して開閉自在に支持される吸込みグリル4と、吸込みグリル4の全周囲に亘って設けられ
、ケーシング3に一体
に連結されるパネル本体5とからなる。
図2および図3に示すように吸込みグリル4は、
四つの辺を有する正四角形状をなし、パネル本体5は吸込みグリル4を囲う
四つの辺を有する枠状をなしている。
【0017】
吸込みグリル4は、周端部が平板状に形成されていて、この周端部を除く中央部にグリル部4aが設けられる。グリル部4a裏面(上面)には図示しないフィルタが着脱自在に取付けられ、空気調和機本体1の下面部に設けられるベルマウスの開口部である吸込み口6と対向している。
【0018】
メンテナンス時には、ヒンジ部を介して吸込みグリル4を開き、吸込み口6を開放したうえで、吸込みグリル4を垂直状態に吊下げることができる。この状態から、吸込みグリル4からフィルタを取外し、フィルタの掃除が可能である。
【0019】
吸込みグリル4の各辺外側に沿って、換言すれば、パネル本体5の各辺内側に沿って、長手方向寸法に比較して短手(幅)方向寸法が短い細長い吹出し口7が設けられる。これら吹出し口7には、吹出し口7を開閉自在に閉塞する風向案内板であるルーバー8が取付けられている。
【0020】
なおパネル本体5について説明すると、それぞれの吹出し口7の長手方向の両側端部aと、グリル部4aの縦横両側端部bとは対向した位置にある。吹出し口7は吸込みグリル4の外側端縁から所定幅寸法に設けられ、吹出し口7の外側端縁から化粧パネル2の外側端縁までがパネル片部4bとなっている。
【0021】
吹出し口7とパネル片部4bの長手方向の両側端部a
の位置は互いに一致する。このような吹出し口7とパネル片部4bを除くパネル本体5の角部には、平面視で略L字状に形成されるコーナーカバー4cが着脱自在に嵌め込まれている。
パネル本体5が正四角形の枠状であることから、ルーバー8が設けられる吹出し口7と、パネル片部4bおよびコーナーカバー4cともに、4組ずつ備えられる。
【0022】
ルーバー8は、外観上、吸込みグリル4およびパネル本体5と同一素材であるとともに、同一色であることが望ましい。ルーバー8は細長い矩形状の平板であり、吹出し口7を開閉するのに支障がないよう、縦横寸法ともに吹出し口7よりも若干小さい。ただし、ルーバー8で吹出し口7を閉塞した状態で、吹出し口7とルーバー8との間に目立った隙間のないように寸法設定し、製作しなければならない。
【0023】
このようにして構成される天井埋込み形空気調和機において、運転停止時には、ルーバー8は吹出し口7を完全閉塞する。このとき、ルーバー8とパネル片部4bおよびコーナーカバー4cとはともに同一平面となるので、パネル本体5はあたかも1枚の板体のように見える。
運転開始の信号が入ると、送風機が駆動され、室内空気が吸込みグリル4を介してベルマウスに形成される吸込み口6に案内され、空気調和機本体1内に吸引される。
【0024】
空気調和機本体1内において、室内空気は熱交換器を流通し、熱交換される。熱交換器で熱交換された熱交換空気は吹出し口7から所定の角度に開かれたルーバー8に案内され、冷風または温風として室内へ吹出されて、室内の空調作用をなす。
【0025】
つぎに、化粧パネル2における吸込みグリル4と、この吸込みグリル4を開閉自在に支持するヒンジ部Hについて詳述する。
図3(A)は、吸込みグリル4を開放し、化粧パネル2を見上げた状態の斜視図、
図3(B)は、ヒンジ11部分を拡大した斜視図である。
図4は、パネル本体5から一部のコーナーカバー4cと、吸込みグリル4を取り外し、かつ吸込みグリル4の上面側を見せた斜視図である。
図5(A)は、
図4のA部を拡大した図、
図5(B)は同じく
図4のB部を拡大した図、
図5(C)は引掛け孔13を拡大した図である。
図6(A)、
図6(B)は、ヒンジ11に対してラッチ部12を互いに異なる位置に設けた吸込みグリル4の平面図である。
【0026】
先に説明したように、化粧パネル2は、中央部の正四角形状の吸込みグリル4と、吸込みグリル4の周辺部に設けられる正四角枠状のパネル本体5とから構成される。
すなわち、パネル本体5の外形寸法等、大きさは従来構造のものと変りがないが、従来、パネル本体5と吸込みグリル4との間に形成されていた内枠を除去して、各吹出し口7まで吸込みグリル4の外形寸法を拡大させたことが異なる。
【0027】
ここでは、パネル本体5の内側部全周に沿って、吸込みグリル4
の周端部を受ける当て板部10が設けられる。これら当て板部10の各辺部外側
に吹出し口7が設けられ、吹出し口7の外側がパネル片部4bとなる。そして、パネル本体5の角部にはコーナーカバー4cが取付けられることは、先に説明したとおりである。
【0028】
吸込みグリル4の一辺部で、裏面側の両側端部には、ヒンジ部Hを構成するヒンジ11が突設される。各ヒンジ11は、吸込みグリル4の裏面側に設けられるところから、組立てられた状態で、吸込みグリル4の化粧面である下面側からヒンジ11を見ることはできない。ヒンジ11は、吸込みグリル4
の裏面から突出するヒンジ本体11aと、このヒンジ本体11aの先端部両側に突出するピン11bとからなる。
【0029】
吸込みグリル4のヒンジ11が設けられる一辺部とは対向する辺部で、吸込みグリル4
の裏面側の両側端部に、吸込みグリル4を閉状態に維持する固定部であるラッチ部12が設けられる。
ラッチ部12は、ヒンジ11が設けられる
吸込みグリル4の一辺部とは直交する方向の辺部に沿って長孔状のガイド孔を備えて立設されるガイド片部12aと、このガイド片部12aのガイド孔にスライド自在に挿入され、ガイド孔から突出するスライド片12bと、このスライド片12bの一端部に一体的に設けられる操作つまみ12cとからなる。
【0030】
操作つまみ12cの一端部はヒンジ11とは反対方向に突出し、さらに、吸込みグリル4
の外周縁とパネル本体5(コーナーカバー4c)
の内周縁との隙間(
図2中S)から化粧パネル2の下方に向けて突出している。この操作つまみ12cを摘まんで、スライド片12bを操作可能である。スライド片12bは操作つまみ12cに対する操作にともない、吸込みグリル4の
外周縁から突没自在となっている。
【0031】
これに対してパネル本体5の当て板部10には、各辺部両側端部に、ヒンジ部Hのヒンジ11およびラッチ部12のスライド片12bを受ける引掛け孔13が設けられる。これら引掛け孔13は、
図5(C)に示すように、両端下部に引掛け部13aが設けられたT字形状の孔であり、この引掛け部13aにヒンジ11のピン11bが引っ掛かる。また、ラッチ部12のスライド片12bが引掛け部13aの間に挿入される。
【0032】
空調運転時および空調運転停止時など通常は、吸込みグリル4はパネル本体5と略同一平面をなし、しかも互いに同一素材で、同一色をなしているところから、外観上の向上を得られる。
【0033】
従来用いられた内枠を除去し、その分、吸込みグリル4の形状面積を拡大するとともに、吹出し口7の内側にほぼ沿って吸込みグリル4の外形を定めて、内枠と吸込みグリル4および内枠とパネル本体5との分割線の消滅を図ることができた。したがって、化粧パネル2の美観の向上を得られる。
【0034】
メンテナンス時は、吸込みグリル4の外周縁とパネル本体5の内周縁との隙間から突出するラッチ部12の操作つまみ12cを摘み、これをスライド操作する。操作つまみ12cを内側方向に操作すれば、スライド片12bがパネル本体5の引掛け孔13から抜けて、吸込みグリル4
の一端部の位置規制が解除される。
【0035】
すなわち、
図3(A)(B)に示すように、吸込みグリル4はヒンジ11を中心に回転が可能となる。この状態を保持してから、吸込みグリル4を持ちあげ、ヒンジ11を引掛け孔13から抜け出せば、吸込みグリル4とパネル本体5の引っ掛かりが解除され、吸込みグリル4を取外すことができる。
【0036】
再び吸込みグリル4をパネル本体5に取り付けるときは、吸込みグリル4を持ち上げてヒンジ11を引掛け孔13に掛合し、ヒンジ11を中心に吸込みグリル4を回転してパネル本体5と同一板面に姿勢を変える。この状態を保持して操作つまみ12cを操作し、スライド片12bを引掛け孔13に挿入することで、吸込みグリル4はパネル本体5に固定され、化粧パネル2が得られる。
【0037】
ここでは、
図6(B)に示すように、操作つまみ
12cを矢印d方向に操作するようにしたが、これに限定されるものではなく、
図6(A)に示すように、操作つまみ
12cを矢印dとは直交する矢印e方向に操作することで掛脱可能となるように、吸込みグリル4にラッチ部12を設けてもよい。
【0038】
いずれにしても、ヒンジ部Hを構成するヒンジ11と、このヒンジ11が掛脱自在な引掛け孔13を、吹出し口7の長手方向両側端部の外側に設けるようにしたので、従来の内枠を無くして、その分、吸込みグリル4を吹出し口7のほとんど内側まで拡大することができる。
【0039】
さらに、引掛け孔13を当て板部10のコーナー部に2つずつ設けたことにより、吸込みグリル4は図の位置と、図の位置から右もしくは左に90°変向した状態、もしくは180°変向した状態での取付けが可能となる。
【0040】
つぎに、変形例の化粧パネル2Aを説明する。
図7(A)は、化粧パネル2A
のパネル本体5と吸込みグリル4との位置関係を示す斜視図、
図7(B)は、該化粧パネル2A
の一部の斜視図である。
【0041】
ここでは、化粧パネル2Aを構成する吸込みグリル4およびパネル本体5の外形寸法と、化粧面の素材と、ヒンジ部Hを介して吸込みグリル4がパネル本体5に回動自在に枢支される構成等については何らの変更もない。ただし、パネル本体5に対して吸込みグリル4の板厚を先に説明したものよりも厚くしたことが異なる。
【0042】
したがって、パネル本体5に対して吸込みグリル4はわずかに下面である化粧面側に突出する。意図して、吸込みグリル4を化粧パネル2Aの化粧面から突出させることにより、吸込みグリル4とパネル本体5との一部に生じ易い反り等による、互いの隙間や浮きを目立たなくして、美観の向上を得られる。
【0043】
図8(A)は、さらに異なる変形例の化粧パネル2Bの斜視図、
図8(B)は、該化粧パネル2Bの分解斜視図である。
吸込みグリル4とパネル本体5は、先に説明したものであってよいが、吸込みグリル4の化粧面(下面)を
孔開き化粧板Kで覆ったことを特徴とする化粧パネル2Bである。
【0044】
孔開き化粧板Kは、全面に亘って、互いに所定間隔を存してパンチング孔、もしくは十文字孔、もしくは花びら模様の孔部等の様々なデザインをもって
孔開け加工された平板体からなり、色や素材も選択できる。
【0045】
孔開き化粧板Kは、吸込みグリル4の縦横寸法と同一の縦横寸法をなす。明白には図示していないが、
孔開き化粧板Kの周縁には吸込みグリル4の周縁に着脱自在な掛止片部が設けられている。
したがって、先に
図7(A)(B)で説明したような、パネル本体5からわずかに突出する吸込みグリル4であれば、
孔開き化粧板Kの着脱が容易となる。
【0046】
ただし、吸込みグリル4
の外周縁とパネル本体5
の内周縁との隙間をある程度確保することにより、先に
図1〜
図6で説明したような吸込みグリル4とパネル本体5とが面一状のものであっても、
孔開き化粧板Kを取付けることができる。
いずれにしても、この天井埋込み形空気調和機を備えた部屋の室内の雰囲気に応じた様々なデザイン・色・素材の
孔開き化粧板Kを選択でき、美観の向上を図り得る。
【0047】
つぎに、コーナーカバー4cについて詳述する。
図9は、コーナーカバー4cの斜視図および、コーナーカバー4cの互いに異なる部分を拡大した斜視図である。
図10(A)は、コーナーカバー4cのパネル本体5に対する取付けを説明する断面図、
図10(B)は、
図10(A)とは異なる部位のコーナーカバー4cの取付けを説明する断面図である。
【0048】
図11(A)は、パネル本体5からコーナーカバー4cを取外した状態、もしくはパネル本体5にコーナーカバー4cを取付ける前の状態を示す斜視図、
図11(B)は同状態のコーナーカバー4cを拡大した図である。
【0049】
コーナーカバー4cは、上述したように平面視で略L字状に形成される板体からなり、この全周縁に沿い、化粧面の裏面側(図の上面側)に壁部40cが一体に形成される。
図9に示すように壁部40cの高さ寸法は、パネル本体5の外周縁側である外周縁gが最も高く、それ以外の、吹出し口7およびパネル片部4bの両側端部と接する両側端縁hが低く、パネル本体5の内周縁側である内周縁iがさらに低く形成される。もっとも低い内周縁i一部と所定の間隙を存して平行にコーナーリブ40dが設けられていて、コーナーカバー4cの補強をなす。
コーナーカバー4cの内周縁iと両側端縁hとが接する角部に、壁部40cと一体に、外方に突出する三角形状の2つの引っ掛け爪15が設けられる。
【0050】
先に説明したコーナーリブ40dのさらに内側のコーナーカバー裏面に、後述する落下防止紐の一端部を取付けるための1つの紐取付け爪16が設けられる。
さらに、壁部40cの内側面で、外周縁gの両側端縁hと近接する部位には、第1の固定爪部17が一体に突設され、壁部40cの角部には第2の固定爪部18が設けられる。第1の固定爪部17および第2の固定爪部18は、それぞれ3本の爪を備えている。
【0051】
第1の固定爪部17においては、コーナーカバー4cの両側端縁h側に1本の面当て爪19が設けられ、壁部40cの角部側に2本の線当て爪20が設けられる。第2の固定爪部18では、3本の線当て爪20が設けられる。
【0052】
以上説明した引っ掛け爪15と第1、第2の固定爪部17,18は、いずれもコーナーカバー4cの側部を構成する壁部40cと一体に設けている。すなわち、引っ掛け爪15と第1、第2の固定爪部17,18のいずれも、コーナーカバー4cの化粧面と反対側の上面には直接設けていない。
【0053】
コーナーカバー4cを合成樹脂材で成形するにあたって、コーナーカバー4cの上面に引っ掛け爪15と第1、第2の固定爪部17,18に
限らず、ある程度の大きさをもった突出部を設けると、その突出部が設けられた部分の化粧面側に、いわゆる肉引けと呼ばれる凹陥部が生じてしまう。そのコーナーカバーをパネル本体に取付けると、凹陥部分が目立って美観を損なうものである。
【0054】
ここでは、引っ掛け爪15と第1、第2の固定爪部17,18をコーナーカバー4cの裏面に設けず、側面部を形成する壁部40cに一体に設けたから、化粧面に肉引きが生じることはなく、美観を損なわないですむ。
なお、後述する落下防止紐の一端部を取付けるための紐取付け爪16をコーナーカバー4cの裏面に設けているが、これは極く小さいので、コーナーカバー4cの化粧面に肉引きが生じないですむ。
【0055】
このようなコーナーカバー4cをパネル本体5のコーナー部に取付けるには、コーナーカバー4cを傾けた状態にして、引っ掛け爪15をパネル本体5の図示しない孔部に掛合する。そして、掛合した引っ掛け爪15を中心にしてコーナーカバー4cをパネル本体5と同一面になるよう回転する。
【0056】
すると、第1の固定爪部17および第2の固定爪部18を構成する面当て爪19と線当て爪20がパネル本体5の掛止用突部22に掛合して、コーナーカバー4cの取付けが完了する。
【0057】
具体的には、
図10に示すようになる。
図10(A)は、面当て爪19がパネル本体5の掛止用突部22に掛合した状態を示し、
図10(B)は線当て爪20が掛止用突部22に掛合した状態を示している。
【0058】
面当て爪19は、垂直板面と爪の下面とのなす角度が略90°あり、掛止用突部22の端面と上面とに略密接状態で掛合する。すなわち、面当て爪19の垂直板面が掛止用突部22の端面に密着するとともに、面当て爪19の下面が掛止用突部22の上面に密着する。面当て爪19と掛止用突部22とが面状に掛合することとなり、比較的強固な掛合となる。
【0059】
これに対して線当て爪20は、垂直板面と爪の下面とのなす角度が90°よりもはるかに大である。掛止用突部22は端面と上面とのなす角度は90°であるので、線当て爪20の爪基端部のみが掛止用突部22の端面角部に掛合しているに過ぎない。
換言すれば、線当て爪20は掛止用突部22に対して線状に掛合しているに過ぎず、面当て爪19と比較して掛合力が弱い。
【0060】
このように、第1の固定爪部17の面当て爪19がパネル本体5の掛止用突部22に掛合して、コーナーカバー4cは確実にパネル本体5に取付けられる一方で、線当て爪20は掛止用突部22に接触する程度となる。なお、第2の固定爪部18は、3本すべてが線当て爪20で構成されているが、線当て爪20が面当て爪19と比較して掛止用突部22との掛合力が弱いといっても、3本の線当て爪を備えているので、自重や少しの衝撃で外れることはない。
【0061】
メンテナンス時など、コーナーカバー4cをパネル本体5から取外すには、コーナーカバー4cの一側部を持ち、パネル本体5cから外れる方向に付勢する。
たとえば、
図9に示すコーナーカバー4cの角部を強制的に引き下げると、壁部40cの角部に設けられた第2の固定爪部18における線当て爪20がパネル本体5の掛止用突部22から外れる。この3本の線当て爪20は、面当て爪19と比較して掛止用突部22との掛合状態が弱いので、容易に掛止用突部22から離脱する。
【0062】
コーナーカバー4cの角部がパネル本体5から離脱することとなり、下方への力が入れ易い状態になる。継続してコーナーカバー4cを引き下げれば、第1の固定爪部17の2本の線当て爪20が掛止用突部22から離間する。この線当て爪20の掛止用突部22からの離間にともない、面当て爪19の下面と掛止用突部22の上面の接触が徐々に解除されるので、面当て爪19も容易に掛止用突部22から離脱し、コーナーカバー4cをパネル本体5から完全に取外すことができる。
【0063】
すなわち、コーナーカバー4cの両側端部hに近い部位に第1の固定爪部17を構成する面当て爪19を備え、この角部側に2本の線当て爪20を備えた。角部には、第2の固定爪部18を備えて、3本すべてに線当て爪20を備えた。
【0064】
そのため、コーナーカバー4cのパネル本体5への取付けと、取外しが容易になる。いずれの作業も、天井を向いた無理な姿勢を継続した状態で行わざるを得ないが、作業性の向上を図れる。
【0065】
先に説明した、コーナーカバー4cに落下防止紐23の一端部を取付けるために設けられた紐取付け爪16について説明する。
図11(A)は、パネル本体5からコーナーカバー4cを取外した状態を示す斜視図、
図11(B)はコーナーカバー4cの拡大斜視図である。
【0066】
パネル本体5には落下防止紐23の一端部が取付けられ、コーナーカバー4cの紐取付け爪16には落下防止紐23の他端部が取付けられる。パネル本体5からコーナーカバー4cを取外しても、
図11(A)に示すように、コーナーカバー4cは落下防止紐23を介してパネル本体5に吊下げ状態となる。
【0067】
ここでは、紐取付け爪16の位置は以下に述べるように定められる。
すなわち、コーナーカバー4cの重心位置nを求め、この重心位置nと引っ掛け爪15との間に紐取付け爪16を設ける。引っ掛け爪15は2か所設けられているので、これらの中間部に紐取付け爪16があればよい。
【0068】
図11(A)、(B)に示すように、落下防止紐23の
他端部を紐取付け爪16に取付けてコーナーカバー4cをパネル本体5から吊下げると、コーナーカバー4cの重心位置nの上部に紐取付け爪16が位置する。結局、コーナーカバー4cは引っ掛け爪15が上部になり、両側端縁が交わるコーナーカバー4cの角部が下部になる。
たとえばメンテナンス時に、コーナーカバー4cを
取外しても、コーナーカバー4cは落下防止紐23を介してパネル本体5に吊下げ状態にあり、落下しないので作業性の向上を図れる。
【0069】
紐取付け爪16の位置の選定から、コーナーカバー4cは引っ掛け爪15を上部にして吊持される。必要な作業を終了してコーナーカバー4cをパネル本体5に取付ける際は、初めにコーナーカバー4cに設けた引っ掛け爪15をパネル本体5に取付ける。コーナーカバー4cを落下防止紐23を介して吊持した状態で、常に引っ掛け爪15が上部にあるので、取付け作業が楽になり、作業性の向上を得られる。
【0070】
つぎに、空気調和機本体1に対する化粧パネル2の取付け構造について説明する。
図12(A)は、化粧パネル2を取外して空気調和機本体1を下から見上げた状態の斜視図、
図12(B)は、空気調和機本体1に取付けられる受け金具部28の斜視図、
図12(C)は、受け金具部28を構成する段付きボルト27の斜視図である。
【0071】
図13は、化粧パネル2の上面斜視図である。
図14(A)は、空気調和機本体1に化粧パネル2を取付けて下から見上げた状態の斜視図、
図14(B)および(C)は化粧パネル2の空気調和機本体1に対する取付け部分を拡大し、取付け順に示す図である。
図15(A)ないし(C)は、化粧パネル2の空気調和機本体1に対する取付け部分を拡大し、取付け順に示す図である。
【0072】
空気調和機本体1は、縦横および高さ寸法のある立方体であるのに比較して、化粧パネル2は、いわば薄い板体であり、互いに形状構造が大きく異なる。このような空気調和機本体1の端部に化粧パネル2を取付けるにあたって、手間がかからず、ワンタッチ的な取付けが可能として、作業性の向上を得られることが望ましい。
【0073】
メンテナンス時など、必要に応じて空気調和機本体1から化粧パネル2を取外す際も、高所で、無理な姿勢を維持した状態で行わなければならず、同様の要望が強い。そこで、以下に述べるように構成することで、作業性の向上を図った。
【0074】
図12(A)に示すように、空気調和機本体1を構成するケーシング3の平面視は、四角形状を基本として、その角部を
削った変形八画形状をなしている。このようなケーシング3
の角部の下面に、
図12(B)に示すような、受け板25および段付きボルト27からなる受け金具部28が取付けられている。
【0075】
受け板25は、ケーシング3から水平に突出する平板体である。受け板25には、ねじ孔が設けられ、
図12(C)に示すような段付きボルト27がねじ込み固定される。段付きボルト27のストレート部mの長さ寸法は、後述するパネル固定部材30の板厚と、パネルシール材32の板厚を足した寸法よりもわずかに短い寸法に形成する。
【0076】
図13に示すように、化粧パネル2は四角形状をなし、各辺に沿って吹出し口7が設けられ、中央部には吸込みグリル4が上述した手段で取付けられることは、先に説明したとおりである。
【0077】
それぞれの吸込み口7は、長手方向寸法に比較し短手方向寸法が極く短い、細長い矩形状をなして開口していることも変わりがない。このような吸込み口7の周囲で、化粧パネル2の上面にパネルシール材32が貼着されている。
【0078】
パネルシール材32は、たとえばEPDM(エチレン−プロピレン−ジエンゴム)等の合成ゴム材の発泡体であり、ある程度肉厚であり、弾性を有する素材である。化粧パネル2をケーシング3の下面に取付けた状態
では、パネルシール材32が化粧パネル2
の上面とケーシング3
の下面との介在に介在し、その弾性反発力をもって化粧パネル2とケーシング3との隙間を無くし、気密を保持する。
【0079】
そして、化粧パネル2にはパネル固定部材30が取付けられている。
図14(A)ないし(C)は、ケーシング3の下面部に化粧パネル2を当てがった状態を示していて、化粧パネル2に設けられるパネル固定部材30とともに、先に説明したケーシング3の下面部に設けられる受け金具部28も示している。
【0080】
パネル固定部材30は、化粧パネル2(パネル本体5)と一体に設けられるガイド部35と、このガイド部35に止めねじ36を介してガイド部35に沿ってスライド自在に取付けられるスライド金具37とからなる。
【0081】
すなわち、ガイド部35とスライド金具37とは、互いに面状に重ね合わさり、スライド金具37の一辺部は下方に折曲され操作片部となっているとともに、ガイド部35との接触面には長孔38が設けられる。
【0082】
この長孔38に止めねじ36が挿入され、止めねじ36はスライド金具37とガイド部35を介して化粧パネル2に取付けられる。止めねじ36の頭部にはワッシャ39が嵌合され、スライド金具37の長孔38をスライド自在に受けている。
【0083】
さらに、スライド金具37には、上述した受け金具部28を構成する段付きボルト27の頭部が挿入可能な大径孔と、段付きボルト27の頭部より小径ではあるけれど、段付きボルト27のストレート部mが挿入可能な小径孔が連設された連設孔部40が設けられる。
【0084】
図14(B)および
図15(A)に示すように、化粧パネル2をケーシング3の下面部にあてがい、化粧パネル2をケーシング3に押し付けた状態にする。スライド金具37の連設孔部40における大径孔に、受け金具部28を構成する段付きボルト27の頭部が挿入され、大径孔に段付きボルト27のストレート部mが対向する。
同時に、化粧パネル2の吹出し口7周囲に沿って貼着されるパネルシール材32がケーシング3との間に介在し、ある程度圧潰して、本来の肉厚よりも薄い状態になっている。
【0085】
つぎに、
図14(C)および
図15(B)に示すように、スライド金具37の操作片部をガイド部35と接する方向に押し付ける。スライド金具37は止めねじ36とワッシャ39とで受けられているだけなので、長孔38に沿ってスライドする。長孔38の端部が止めねじ36に当たって移動を規制された状態で、連設孔部40の小径孔が段付きボルト27のストレート部mに衝止される。
【0086】
そこで、スライド金具37の操作片部に対する付勢力を除去するとともに、化粧パネル2をケーシング3に押し付ける付勢力を除去する。
【0087】
化粧パネル2に取付けられるパネルシール材32に弾性が復帰してほぼ元の厚さに戻る。
図15(C)に示すように、ガイド部35とスライド金具37とともに、化粧パネル2はその分下がる。
【0088】
スライド金具37は段付きボルト27の頭部に密着することとなり、スライド金具37を備えた化粧パネル2は段付きボルト27を備えたケーシング3である空気調和機本体1に固定される。
【0089】
従来、化粧パネルの取付けにあたって、予め、パネル固定ねじを空気調和機本体に組み付ける際に、締め付け高さを決めるための治具が必要であり、製造性に悪影響を与えていた。そして、化粧パネルを空気調和機本体に固定するのに、パネル固定部材をスライドさせ、しかる後に、パネル固定ねじの増し締めが必要であり、作業性が悪かった。
【0090】
これに対して、上述のようにパネル固定ねじを
段付きボルト27とすることで、空気調和機本体1に
段付きボルト27をねじ込み固定したまま、化粧パネル2を空気調和機本体1に取付けられるようになった。そして、スライド金具37をスライド操作するだけで化粧パネル2の取付けが完了するので、作業性の向上を図れる。
【0091】
以上、本実施形態を説明したが、上述の実施形態は、例として提示したものであり、実施形態の範囲を限定することは意図していない。この新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。