特許第6343493号(P6343493)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343493
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】格子体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B22D 19/00 20060101AFI20180604BHJP
   B22D 19/04 20060101ALI20180604BHJP
   B22C 9/02 20060101ALI20180604BHJP
   B22C 9/22 20060101ALI20180604BHJP
   E04C 2/42 20060101ALI20180604BHJP
【FI】
   B22D19/00 Z
   B22D19/04
   B22C9/02 103F
   B22C9/22 Z
   E04C2/42 Z
【請求項の数】1
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-104374(P2014-104374)
(22)【出願日】2014年5月20日
(65)【公開番号】特開2015-217426(P2015-217426A)
(43)【公開日】2015年12月7日
【審査請求日】2017年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000175560
【氏名又は名称】三協立山株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】598113645
【氏名又は名称】サンクリエイト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100102141
【弁理士】
【氏名又は名称】的場 基憲
(72)【発明者】
【氏名】井上 泰平
(72)【発明者】
【氏名】松浦 和範
【審査官】 川崎 良平
(56)【参考文献】
【文献】 特開2004−098083(JP,A)
【文献】 特開平11−222152(JP,A)
【文献】 特表平11−507609(JP,A)
【文献】 特開昭50−161640(JP,A)
【文献】 特開昭47−017235(JP,A)
【文献】 特開平10−263779(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B22C 9/02
B22D 17/24,19/00
B29C 45/14
E04C 2/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用状態で垂直に起立して一面を形成する格子本体部と、使用状態で格子本体部から見込み方向に突出すると共に水平になる立体部とを有する格子体を製造するに際し、
格子本体部との接続部を有する立体部を形成する工程と、
接続部を露出状態にして立体部を入子で被覆する工程と、
格子本体部の鋳造空間を有する主鋳型において、鋳造空間に接続部を入り込ませた状態にして入子及び立体部を配置する工程と、
主鋳型の鋳造空間に溶湯を充填して凝固させることにより格子本体部を形成するとともに格子本体部と立体部を接合する工程と、
格子本体部及び立体部から成る格子体を主鋳型から取り出す工程と、を備えたことを特徴とする格子体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、格子本体部とその見込み方向に突出した立体部とを有する格子体を、鋳造により製造するのに用いられる格子体の製造方法、及びその製造方法により製造した格子体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の格子体としては、例えば図1に示すようなものがある。図示の格子体Aは、一面を形成する格子本体部Bと、その見込み方向に突出した立体部Cとを有している。格子本体部Bは、等間隔に配置した三本の縦桟D1〜D3を上下の横桟E1,E2で連結した構成である。立体部Cは、水平に配置されるリングであり、隣接する縦桟D1〜D3の間において、高さの異なる複数箇所に設けてある。
【0003】
従来、上記したような格子体Aを製造するには、例えば、格子本体部B及び立体部Cを鋳造等によって別々に製造し、ねじ止めなどの手段によって格子本体部Bに立体部Cを連結するようにしていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記したような従来の格子体にあっては、格子本体部と立体部との継ぎ目やねじ頭が露出しており、これらの部分が目立ったり、隙間やがたつき等の経年変化を生じ易いことから、外観体裁の向上を図るための改善が要望されていた。
【0005】
本発明は、上記従来の課題の状況に鑑みて成されたものであって、格子本体部とその見込み方向に突出した立体部とを一体化して、継ぎ目の無い外観体裁の良好な格子体を得ることができる格子体の製造方法、及びその製造方法により製造した格子体を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係わる格子体の製造方法は、使用状態で垂直に起立して一面を形成する格子本体部と、使用状態で格子本体部から見込み方向に突出すると共に水平になる立体部とを有する格子体を製造するに際し、格子本体部との接続部を有する立体部を形成する工程と、接続部を露出状態にして立体部を入子で被覆する工程とを備えている。そして、格子体の製造方法は、格子本体部の鋳造空間を有する主鋳型において、鋳造空間に接続部を入り込ませた状態にして入子及び立体部を配置する工程と、主鋳型の鋳造空間に溶湯を充填して凝固させることにより格子本体部を形成するとともに格子本体部と立体部を接合する工程と、格子本体部及び立体部から成る格子体を主鋳型から取り出す工程と、を備えた構成としており、上記構成をもって従来の課題を解決するための手段としている。なお、上記構成における入子や主鋳型は、鋳型砂及びバインダーを混合して成る砂型であることが望ましい。
【0007】
また、本発明に係わる格子体は、上記格子体の製造方法により製造したものであって、格子本体部とその見込み方向に突出した立体部とを一体化したことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係わる格子体の製造方法によれば、格子本体部とその見込み方向に突出した立体部とが一体化され、継ぎ目の無い外観体裁の良好な格子体を得ることができる。また、上記の製造方法によれば、立体部の厚さを均一にすることができ、簡単な構造の主鋳型を用いて高品質の格子体を製造することができる。
【0009】
例えば、全体を一度に鋳造する場合には、格子本体部から立体部が突出しているので、鋳型作製用の模型には、立体部の形成部位に抜き勾配を設ける必要がある。このような模型を用いて鋳型を作製し、その鋳型を用いて鋳造を行えば、立体部が抜き勾配を有するものになる。これに対して、本発明の製造方法では、立体部を予め形成し、この立体部を入子で被覆した状態で主鋳型により格子本体部を鋳造するので、抜き勾配の無い、厚さの均一な立体部が得られることとなる。
【0010】
本発明に係わる格子体は、格子本体部とその見込み方向に突出した立体部とが一体化され、継ぎ目の無い良好な外観体裁を得ることができると共に、厚さの均一な立体部を有するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本願発明に係わる格子体の製造方法により製造される格子体の一実施形態を説明する平面図(A)、正面図(B)、及び側面図(C)である。
図2図1に示す格子体における立体部の部分の断面図である。
図3】格子体の製造方法における立体部の形成工程を説明する斜視図である。
図4図3に続いて入子を説明する斜視図である。
図5図4に続いて立体部を入子で被覆する工程を説明する斜視図である。
図6図5に続いて模型による主鋳型の形成を説明する斜視図である。
図7図6に続いて入子及び立体部の配置を説明する斜視図である。
図8図7に続いて鋳造後の格子体を説明する斜視図である。
図9図8に続いて仕上げ後の格子体を説明する斜視図である。
図10】本発明に係わる格子体の他の実施形態を説明する平面図(A)及び正面図(B)である。
図11】本発明に係わる格子体における立体部の他の四例を説明する平面及び正面の説明図(A)〜(D)である。
図12】本発明に係わる格子体のさらに他の三例を説明する各々正面図(A)〜(C)である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面に基づいて、本発明に係わる格子体の製造方法、及びその製造方法により製造した格子体の一実施形態を説明する。
【0013】
図1に示す格子体Aは、先述したように、一面を形成する格子本体部Bと、その見込み方向に突出した立体部Cとを有している。格子本体部Bは、等間隔で配置した三本の縦桟D1〜D3を上下の横桟E1,E2で連結した構成である。立体部Cは、水平に配置されるリングであり、隣接する縦桟D1〜D3の間において、高さの異なる複数箇所に設けてある。この格子体Aは、図中に仮想線で示すように、縦桟D1〜D3の下端部に基板Fを連結して、その基板Fにより起立し、図中に点線で示すように、立体部Cで植木鉢G等を保持するスタンドとして単独で使用することができる。
【0014】
上記格子体Aの製造方法は、格子本体部Bとの接続部Caを有する立体部Cを形成する工程と、接続部Caを露出状態にして立体部Cを入子1で被覆する工程と、格子本体部Bの鋳造空間2を有する主鋳型3において、鋳造空間2に接続部Caを入り込ませた状態にして入子1及び立体部Cを配置する工程とを備えている。また、製造方法は、主鋳型3の鋳造空間2に溶湯を充填して凝固させることにより格子本体部Bを形成するとともに格子本体部Bと立体部Cを接合する工程と、格子本体部B及び立体部Cから成る格子体Aを主鋳型3から取り出す工程とを備えている。
【0015】
なお、本発明に係わる格子体の製造方法では、立体部Cを鋳造で形成することができるので、立体部用の鋳型と、格子体A全体を形成するための鋳型とを区別するために、格子本体部Bの鋳造空間2を有するものを主鋳型3としている。
【0016】
すなわち、格子体Aの製造方法は、図3に示すように、格子本体部Bとの接続部Caを有するリング状の立体部Cを形成する。立体部Cは、外周部の180度異なる位置に、格子本体部Bとの接続部Ca,Caを一体的に有している。図示例の立体部Cは、立体部用の鋳型4を用いた鋳造により形成する。立体部用の鋳型4は、立体部作製用の模型を用いて作製された砂型であって、上型4A及び下型4Bに分割され、リング状の鋳造空間5を水平に形成している。したがって、上記の鋳型4により鋳造された立体部Cは、抜き勾配の無い均一な厚さを有するものになる。
【0017】
次に、格子体Aの製造方法は、図4に示すように、立体部Cの入子1を形成する。入子1は、鋳型砂及び入子作製用の模型を用いて作製され、一対の分割入子1A,1Bから成る扁平な円形容器状を成している。この入子1は、立体部Cを収容する容積を有すると共に、両分割入子1A,1Bの側部に、双方の間で開口部1Cを形成する凹部1D,1Dを有している。また、入子1の両面(上面のみ図示)には、後記する鋳造時の位置決めに用いる二つの凸部1E,1Eが設けてある。
【0018】
上記の入子1は、両分割入子1A,1Bの間に立体部Cを収容し、図5に示すように、両分割入子1A,1Bを閉じた状態において、双方の凹部1D,1Dで形成した開口部1Cから両側の接続部Caを露出させた状態にして立体部Cを被覆する。この入子1は、その両面が、凸部1E,1Eの配列方向の中心線を頂辺とする傾斜面になっている。
【0019】
次に、格子体Aの製造方法は、図6及び図7に示すように、格子本体部Bの鋳造空間2を有する主鋳型3を作製する。この主鋳型3は、図6に示す格子体作製用の模型6を用いて作製された砂型であって、上型3A及び下型3Bに分割してある。格子体作製用の模型6は、格子本体部B及び各入子1の見込み方向の片側半分に相当し、その反転形状として、格子本体部Bの片側半分に相当する溝状空間2Aと、各入子1の片側半分に相当する半円形の取付穴2Bとを有する上型3A及び下型3Bを作製する。
【0020】
ここで、取付穴2Bには、先述した入子1の凸部1Eに対応する位置決め用の凹部2Cが形成してある。なお、模型6は、必ずしも格子本体部Bの片側半分に相当するものではなく、主鋳型3の分割面(上型3Aと下型3Bとの分割面)の位置に応じて異なるものとなる。
【0021】
次に、格子体Aの製造方法は、図7に示すように、主鋳型3の下型3Bにおいて、各取付穴2Bに各入子1を夫々嵌合し、この際、入子1の凸部1Eと取付穴2Bの凹部2Cとの嵌合により入子1を位置決めする。また、入子1は、先述したように、両面が、凸部1E,1Eの配列方向の中心線を頂辺とする傾斜面になっているので、取付穴2Bに対してくさびのように嵌合し、下型3Bとの馴染み性が良好なものとなる。これにより、入子1は、実質的に下型3Bと一体化する。このように下型3に入子1を配置すると、入子1から露出している接続部Caが、下型3Bの溝状空間2A内に位置決めされる。
【0022】
次に、格子体Aの製造方法は、図7に示す主鋳型3の上型3A及び下型3Bを閉じる。これにより、上下の型3A,3Aの溝状空間2Aが合わさって格子本体部Bの鋳造空間2を形成すると共に、各入子1が主鋳型3と一体化し、鋳造空間2に立体部Cの接続部Caを入り込ませた状態になる。
【0023】
そして、格子体Aの製造方法は、主鋳型3の鋳造空間2に溶湯を充填し、これを冷却して凝固させる一連の鋳造過程を経る。これにより、格子本体部Bを形成すると共に、格子本体部Bに各立体部Cの接続部Caを鋳包んだ状態にして格子本体部Bと立体部Cを接合する。この際、立体部Cは、溶湯の熱により接続部Caの一部が溶けて格子本体部Bと一体化する。なお、本発明に係わる製造方法における格子体Aの材料は、少なくとも格子本体部Bが鋳造可能であれば、とくに限定されるものではなく、例えば、アルミニウムやその合金である。また、格子本体部Bと立体部Cは、同一の材料であることが望ましい。
【0024】
次に、格子体Aの製造方法は、図8に示すように、格子本体部B及び立体部Cから成る格子体Aを主鋳型3から取り出す。このとき、格子体Aには、入子1や、湯口や湯道により形成された非製品部Pが付いたままである。その後、入子1や非製品部Pを除去することにより、図9に示すように、格子本体部Bと立体部Cとを有する格子体Aが得られる。
【0025】
上記実施形態で説明した格子体Aの製造方法によれば、格子本体部Bとその見込み方向に突出した立体部Cとが一体化され、継ぎ目の無い外観体裁の良好な格子体Aを得ることができる。
【0026】
上記格子体Aの製造方法及びこれにより製造した格子体Aでは、図2に示すように、立体部Cの厚さTを均一にすることができる。これは、例えば、全体を一度に鋳造する場合には、格子本体部Bから立体部Cが突出しているので、鋳型作製用の模型には、立体部Cの形成部位に抜き勾配を設ける必要がある。このような模型を用いて鋳型を作製し、その鋳型を用いて鋳造を行えば、図2に仮想線で示すように、立体部Cが抜き勾配θを有するものになる。このような格子体Aでは、図1(B)に示すように立体部Cに植木鉢Gなどを載置すれば、当然がたつくことになり、安定して保持することができない。
【0027】
これに対して、本発明の製造方法では、立体部Cを予め形成し、この立体部Cを入子1で被覆した状態で主鋳型3により格子本体部Bを鋳造することから、抜き勾配θが無く、厚さTが均一で、上下面が水平な立体部Cが得られる。これにより、本発明に係わる格子体Aでは、立体部Cによって植木鉢Gなどを安定して保持することができる。
【0028】
また、本発明の製造方法では、比較的簡単な主鋳型3を用いて、鋳造欠陥の無い高品質の格子体Aを製造することができる。図7に示した主鋳型3は、入子1を配置するものであるが、仮に、予め形成した立体部C及び入子1を用いずに、格子体全体に相当する鋳造空間を有する鋳型で鋳造しようとすると、溶湯を充填する際、立体部の形成空間の上側半分にガスが残留するおそれがある。このため、鋳型には、ガスを排気する構造や、強制的な排気手段が必要である。
【0029】
これに対して、本発明の製造方法では、予め形成した立体部C及び入子1を用いるので、主鋳型3としては、格子本体部Bに相当する溝状空間2Aと、各入子1に相当する取付穴2Bとを有するものであれば良く、溶湯の充填時にガスが残留しにくいので、排気の構造や手段は不要である。このようにして、本発明の製造方法では、簡単な構造の主鋳型3を用いて高品質の格子体Aを製造し得る。
【0030】
本発明に係わる格子体の製造方法及び格子体は、その構成が上記実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で構成を適宜変更することが可能である。例えば、格子体の格子本体部は、縦横の桟や、斜めの桟を選択的に組み合わせたり、これらの間隔を適宜異なるものにしたりすることができる。格子体の立体部は、円形のリングに限らず、多角形状のリングやプレートでも良いし、格子本体部の桟同士を連結しないものや、格子本体部の見込み方向の一方側のみに突出したものでも良い。
【0031】
すなわち、格子体は、格子本体部及び立体部において、その細部の形状、大きさ、数及び配置等々を自由に選択し得るものであり、図1に示すように単独で使用可能なもの以外に、建物躯体やその他の構造物に組み込まれるものでも良い。また、上記実施形態では、立体部を鋳造により製造した場合を例示したが、本発明に係わる格子体の製造方法では、鋳造以外の方法によって接続部を有する立体部を製造し、この立体部を後の鋳造工程により格子本体部に一体化して格子体を完成させることも可能である。
【0032】
図10図12は、格子体や、格子体を構成する立体部の他の実施形態を説明する図である。
図10に示す格子体A1において、格子本体部B1は、所定間隔で配置した6本の縦桟D1〜D6を上下の横桟E1,E2で連結した構成である。各縦桟D1〜D6は、任意の間隔で配置されている。そして、各縦桟D1〜D6の間において、高さの異なる位置にリング状の立体部C1〜C3が一体化してある。立体部C1〜C3は、各縦桟D1〜D6の間隔に対応して直径が異なるものとなっている。なお、図示の格子体A1は、縦桟D1〜D6の間に設けるものの全てを立体部C1〜C3にする必要はなく、立体部に代わる中間桟を選択的に配置した構成であってもよい。
【0033】
図11(A)に示す立体部C4は、矩形状の平板であって、その対角線と横桟E1とが一致するように配置してある。図11(B)に示す立体部C5は、円形の皿状を成すものである。勿論、円形以外の皿状にすることもできる。図11(C)に示す立体部C6は、矩形状の平板であって、一組の辺と横桟E1とが平行になるように配置してある。図11(D)に示す立体部C7は、円形の平板である。
【0034】
図12(A)に示す格子体A2において、格子本体部B2は、左右の縦桟D1,D2を上下の横桟E1,E2で連結すると共に、その枠組の内側に、複数の傾斜桟Hを配置した構成である。そして、各傾斜桟Hの間に、複数の立体部C8が一体化してある。なお、傾斜桟Hは、図示の如く等間隔に配置するほか、任意の間隔で配置してもよく、また、大きさや形状の異なる立体部を配置してもよい。
【0035】
図12(B)に示す格子体A3において、格子本体部B3は、左右の縦桟D1,D2を上下の横桟E1,E2で連結すると共に、その枠組の内側に、中間を適宜屈曲させた縦桟D7〜D10を配置した構成である。そして、各縦桟D7〜D10の間に、立体部C9が一体化してある。立体部C9は、隣接する縦桟D7〜D10の間隔に応じて大きさが異なるものとなっている。
【0036】
図12(C)に示す格子体A4は、傾斜地若しくは建物の傾斜部分に設置するものである。この格子体A4において、格子本体部B4は、左右の縦桟D1,D2を傾斜した上下の横桟E1,E2で連結すると共に、その枠組みの内側に、複数の縦桟D3〜D6を任意の間隔で配置した構造である。そして、各縦桟D1〜D6の間に、その間隔に応じた大きさの複数の立体部C10が一体化してある。
【0037】
このように、格子体には、様々なバリエーションがある。なお、図12(A)〜(C)に示す各格子体A2〜A4にあっても、図10に示す格子体A1と同様に、縦桟D1〜D6や傾斜桟Hの間に設けるものの全てを立体部C8〜C10にする必要はなく、立体部に代わる中間桟を選択的に配置してもよい。また、本発明に係わる格子体の製造方法では、様々な形態の立体部に対して入子を共通化し、共通の入子と同じ主鋳型を用いることで、格子本体部に対する立体部の選択性をさらに高めることもできる。
【符号の説明】
【0038】
A 格子体
A1〜A4 格子体
B 格子本体部
B1〜B4 格子本体部
C 立体部
C1〜C10 立体部
Ca 接続部
1 入子
2 鋳造空間
3 主鋳型
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12