特許第6343497号(P6343497)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6343497-レーザ加工方法及びレーザ加工装置 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343497
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】レーザ加工方法及びレーザ加工装置
(51)【国際特許分類】
   B23K 26/38 20140101AFI20180604BHJP
   B23K 26/142 20140101ALI20180604BHJP
【FI】
   B23K26/38
   B23K26/142
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2014-112683(P2014-112683)
(22)【出願日】2014年5月30日
(65)【公開番号】特開2015-226916(P2015-226916A)
(43)【公開日】2015年12月17日
【審査請求日】2017年2月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014672
【氏名又は名称】株式会社アマダホールディングス
(74)【代理人】
【識別番号】100083806
【弁理士】
【氏名又は名称】三好 秀和
(74)【代理人】
【識別番号】100100712
【弁理士】
【氏名又は名称】岩▲崎▼ 幸邦
(74)【代理人】
【識別番号】100101247
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 俊一
(74)【代理人】
【識別番号】100095500
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100098327
【弁理士】
【氏名又は名称】高松 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】今矢 彰一
【審査官】 岩見 勤
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−314372(JP,A)
【文献】 特開平09−216081(JP,A)
【文献】 特開平10−085975(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 26/38
B23K 26/142
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のワークに穴加工を行うレーザ加工方法であって、前記穴の領域内にピアス加工を行った後、穴の輪郭に沿ってレーザ切断加工を行い、レーザ加工ヘッドにおけるレーザノズルの周囲に備えた複数のサイドノズルからレーザ切断加工位置へ指向して、レーザ切断加工後の切断片を落下するためのサイドガスを噴出するに際して、前記穴の内側に位置するサイドノズルからレーザ切断加工位置方向へ噴出するサイドガスの噴出圧よりも、前記穴の外側に位置するサイドノズルからレーザ切断加工位置方向へ噴出するサイドガスの噴出圧が大きいことを特徴とするレーザ加工方法。
【請求項2】
請求項1に記載のレーザ加工方法において、穴の輪郭に沿ってのレーザ切断加工時に、レーザ切断加工位置が、既に切断加工された穴の輪郭に予め設定された寸法に近接した際に、全サイドノズルからのサイドガスの噴出圧をより大きくすることを特徴とするレーザ加工方法。
【請求項3】
板状のワークに穴加工を行うレーザ加工装置であって、当該レーザ加工装置に備えたレーザ加工ヘッドは、レーザ光を透過自在なレーザノズルの周囲の複数箇所に、レーザ切断加工位置方向へ指向して切断片を落下するためのサイドガスを噴出するサイドノズルを備えた構成であり、前記各サイドノズルからのサイドガスの噴出圧を制御するサイドノズル制御装置は、既に切断加工された穴の輪郭位置とレーザ切断加工位置との間隔寸法を演算する演算手段と、この演算手段の演算値と基準値メモリに予め格納された基準値とを比較する比較手段と、前記演算値≦基準値のときに、前記全サイドノズルからのサイドガスの噴出圧をより大きく制御するためのサイドガス圧制御手段と、を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。
【請求項4】
請求項3に記載のレーザ加工装置において、前記サイドノズル制御装置は、穴の輪郭に沿ってレーザ切断加工を行うとき、前記穴の領域内に位置するサイドノズルと前記穴の領域外に位置するサイドノズルとを判別するノズル領域判別手段と、前記穴の領域外に位置するサイドノズルから噴出するサイドガスの噴出圧を、前記領域内に位置するサイドノズルから噴出するサイドガスの噴出圧よりも大きく制御するためのサイドガス圧制御手段と、を備えていることを特徴とするレーザ加工装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状のワークに穴加工を行うレーザ加工方法及びレーザ加工ヘッド並びに装置に係り、さらに詳細には、レーザ加工によって穴加工を行ったときに生じた切断片(切抜片)が穴内に引っ掛かった状態になることを防止することのできるレーザ加工方法及びレーザ加工ヘッド並びに装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザ加工によって板状のワークに、例えば直径が30mm程度以下の丸形状や一辺の長さが30mm程度以下の四角形状などの種々の形状の穴加工が行われている。上述のように、レーザ加工によってワークに穴加工を行うと、カーフ幅が狭いので、穴の内側に切断された切断片が引っ掛かることがある。ましてファイバーレーザによるレーザ加工においてはCO2レーザの場合よりも前記カーフ幅はさらに狭くなり、前記引っ掛かりを生じ易いものである。
【0003】
上述のように、ワークに切断片が引っ掛かった状態になると、ワークテーブルに対するワークの相対的な移動時に、ワークテーブルとワークとの間に切断片が入り込み、ワークに裏傷を生じることがある。そこで、ワークに穴加工を行った後に、切断片を穴内から強制的に落下するための切断分離装置を備えることが提案されている(例えば特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平4−367391号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1に記載の構成は、レーザ加工機におけるレーザ加工ヘッドを上下動自在に備え、かつレーザ加工ヘッドとは別個に切断分離装置を備えた構成である。そして、ワークに穴加工を行った後に、レーザ加工ヘッドを上昇し、この上昇したレーザ加工ヘッドの下側に前記切断分離装置を位置決めして、切断片を強制的に落下する構成である。したがって、全体的構成が複雑であると共に、例えば複数箇所に穴加工を連続的に行う場合、非能率的である、という問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前述のごとき問題に鑑みてなされたもので、板状のワークに穴加工を行うレーザ加工方法であって、前記穴の領域内にピアス加工を行った後、穴の輪郭に沿ってレーザ切断加工を行い、レーザ加工ヘッドにおけるレーザノズルの周囲に備えた複数のサイドノズルからレーザ切断加工位置へ指向して、レーザ切断加工後の切断片を落下するためのサイドガスを噴出するに際して、前記穴の内側に位置するサイドノズルからレーザ切断加工位置方向へ噴出するサイドガスの噴出圧よりも、前記穴の外側に位置するサイドノズルからレーザ切断加工位置方向へ噴出するサイドガスの噴出圧が大きいことを特徴とするものである。
【0008】
また、前記レーザ加工方法において、穴の輪郭に沿ってのレーザ切断加工時に、レーザ切断加工位置が、既に切断加工された穴の輪郭に予め設定された寸法に近接した際に、全サイドノズルからのサイドガスの噴出圧をより大きくすることを特徴とするものである。
【0010】
また、板状のワークに穴加工を行うレーザ加工装置であって、当該レーザ加工装置に備えたレーザ加工ヘッドは、レーザ光を透過自在なレーザノズルの周囲の複数箇所に、レーザ切断加工位置方向へ指向して切断片を落下するためのサイドガスを噴出するサイドノズルを備えた構成であり、前記各サイドノズルからのサイドガスの噴出圧を制御するサイドノズル制御装置は、既に切断加工された穴の輪郭位置とレーザ切断加工位置との間隔寸法を演算する演算手段と、この演算手段の演算値と基準値メモリに予め格納された基準値とを比較する比較手段と、前記演算値≦基準値のときに、前記全サイドノズルからのサイドガスの噴出圧をより大きく制御するためのサイドガス圧制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【0011】
また、前記レーザ加工装置において、前記サイドノズル制御装置は、穴の輪郭に沿ってレーザ切断加工を行うとき、前記穴の領域内に位置するサイドノズルと前記穴の領域外に位置するサイドノズルとを判別するノズル領域判別手段と、前記穴の領域外に位置するサイドノズルから噴出するサイドガスの噴出圧を、前記領域内に位置するサイドノズルから噴出するサイドガスの噴出圧よりも大きく制御するためのサイドガス圧制御手段と、を備えていることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、レーザ加工ヘッドに備えた複数のサイドノズルからレーザ切断加工位置へ指向して、レーザ切断加工後の切断片を落下するためのサイドガスを噴出するものであるから、レーザ切断加工位置へサイドガスが周囲から集中されることになる。したがって、穴加工時の終了と同時に切断片を強制的に落下することができ、穴加工の能率向上を図ることができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態に係るレーザ加工ヘッドの構成を概念的、概略的に示した説明図である。
図2】穴のレーザ加工を行う際の輪郭線と、レーザ加工ヘッドに備えたサイドノズルとの位置関係を示す説明図である。
図3】機能ブロック図の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1を参照するに、本発明の実施形態に係るレーザ加工装置は、板状のワークWに対して互に直交するX,Y,Z軸方向へ相対的に移動自在のレーザ加工ヘッド1を備えている。このレーザ加工ヘッド1は、レーザ光LBを透過自在なレーザノズル3を備えている。したがって、ワークWに対してレーザ加工ヘッド1をX,Y,Z軸方向へ相対的に移動すると共に、レーザノズル3を透過したレーザ光LBをワークWへ照射することにより、ワークWにレーザ切断加工を行うことができるものである。
【0015】
ところで、レーザ切断加工を行ってワークWに穴を形成すると、当該穴内には切断片(切抜片、抜きカス)が生じることになる。そして、ファイバーレーザ加工装置によるレーザ切断加工時には、カーフ幅がCO2レーザの場合に比較して小さいので、前記切断片が僅かに傾斜して穴内に引っ掛かることがある。
【0016】
そこで、本実施形態においては、穴形状の切断加工を行うレーザ切断加工終了直後に、すなわちレーザ切断加工の終了とほぼ同時に、穴内から前記切断片を落下するために、前記レーザ加工ヘッド1には複数のサイドノズル5が備えられている。上記複数のサイドノズル5は、例えば空気や窒素ガスなどのごとき適宜のサイドガスを噴出するもので、前記レーザノズル3の周囲にほぼ等間隔に備えられている。前記各サイドノズル5は、前記レーザ切断加工位置を指向してサイドガスを斜め下方向へ噴出すべく、前記レーザ光LBの光軸に対して傾斜してある。すなわち、複数の各サイドノズル5は、下側が小径になるテーパ面上に配置してある。
【0017】
したがって、前記各サイドノズル5から噴出(噴射)されたサイドガスは、レーザ切断加工位置付近に周囲から集合されるものである。よって、レーザ切断加工位置付近には、各サイドノズル5から大きな噴出圧で噴射されたサイドガスの流れの集合に起因して、穴加工時に生じた切断片を下方向へ吹き飛ばす作用が生じ、切断片の落下を確実に行い得るものである。
【0018】
ところで、図2に示すように、ピアス位置Pにおいてピアス加工を行った後、例えば矢印A方向(反時計回り方向)にレーザ切断加工を行うと、レーザ加工される穴H内に切断片Sが生じることになる。上述のように、穴Hの輪郭に沿ってレーザ切断加工を行うとき、前記レーザ加工ヘッド1に備えた複数のサイドノズル5A〜5Hは、前記レーザ加工ヘッド1のレーザ切断進行方向(矢印A方向)の変化によって、前記穴Hの輪郭線に対応した位置、輪郭線の外側に対応した位置及び輪郭線の内側(穴Hの領域内)に対応した位置に位置することになる。
【0019】
そして、切断片Sを落下するために、例えばレーザ切断加工終了直前には、前記輪郭線の外側の領域に位置する各サイドノズル(図2においては符号5B,5C,5Dのサイドノズル)から噴出するサイドガスの噴出圧は、前記輪郭線の内側の領域(穴Hの領域)内に位置する各サイドノズル(5F,5G,5H)におけるサイドガスの噴出圧よりも大きく設定してある。なお、輪郭線に対応した各サイドノズル(5A,5E)から噴出するサイドガスの噴出圧は、外側の領域に位置するサイドノズルのサイドガスの噴出圧に等しいことが望ましいものである。
【0020】
上述のごとく、穴Hの輪郭線に沿ってレーザ切断加工を行うとき、切断片Sを落下する際に、前記輪郭線の外側に位置するサイドノズル5B,5C,5Dから噴出するサイドガスの噴出圧が内側に位置するサイドノズル5F,5G,5Hの噴出圧より大きいことにより、穴H内の切断片Sを穴Hの中心側へ押圧する作用を生じる。したがって、穴Hの輪郭の切断終了と同時に切断片Sを落下することができ、穴Hに対する切断片Sの引っ掛かりを抑制できるものである。また、上記構成により、サイドガスが例えば窒素ガスなどの不活性ガスの場合には、穴Hの内側よりも外側を効果的に冷却することができるものである。
【0021】
さらに、前記穴Hの輪郭線に沿ってレーザ切断加工を行い、輪郭の切断終了直前、すなわちレーザ切断加工位置が、既に切断加工された輪郭線に、予め設定された寸法に近接すると、全サイドノズル5から噴出するサイドガスの噴出圧をより大きくすべく構成してある。すなわち、穴Hのレーザ切断加工を行う際、ワークWから切断片Sが切断分離されるときには、全てのサイドノズル5から噴出されるサイドガスの噴出圧をより大きく制御するものである。したがって、ワークWから切断片Sが切断分離されると同時に切断片Sは下方向へ吹き飛ばされる態様となり、切断片Sの落下を能率よく、かつ確実に行い得るものである。
【0022】
前述したように、前記各サイドノズル5から噴出されるサイドガスの噴出圧を制御するには、各サイドノズル5に圧力制御弁をそれぞれ接続して、各サイドノズル5の噴出力を個別に制御することにより可能なものである。
【0023】
前記レーザ加工ヘッド1を備えたレーザ加工装置(全体的構成は図示省略)には、前述したように、各サイドノズル5から噴出されるサイドガスの噴出力を制御するために、サイドノズル制御装置7(図3参照)が備えられている。このサイドノズル制御装置7は、例えばコンピュータから構成してあって、CPU9、RAM11、ROM13を備えている。さらに、前記サイドノズル制御装置7は、入力手段15から入力された穴Hの位置データ及び穴Hの形状、寸法データを格納した穴位置形状データメモリ17が備えられている。
【0024】
また、前記サイドノズル制御装置7には、前記穴Hのレーザ切断加工を行うための穴加工プログラムを格納した穴加工プログラムメモリ19が備えられている。さらに、前記サイドノズル制御装置7には、前記穴加工プログラムメモリ19に格納されたプログラムの解析を行うプログラム解析手段21が備えられている。また、前記サイドノズル制御装置7には、ノズル領域判別手段23が備えられている。このノズル領域判別手段23は、前記プログラム解析手段21によって解析された穴Hのレーザ切断加工方向に基いて、穴Hの領域内に位置するサイドノズル5と穴Hの領域外に位置するサイドノズル5とを判別するものである。
【0025】
すなわち、穴Hのレーザ切断加工方向が時計回り方向の場合には、レーザ加工ヘッド1の中心が移動する移動方向の右側に位置するサイドノズル5は穴Hの領域内に位置するものと判別する。そして、前記中心が移動する移動線上及び移動方向の左側に位置するサイドノズル5は、穴Hの領域外に位置するものと判別するものである。なお、レーザ切断加工方向が反時計回り方向の場合には、上述とは逆に判別するものである。
【0026】
さらに、前記サイドノズル制御手段7には各種の演算を行う演算手段25が備えられていると共に、この演算手段25の演算結果である演算値と基準値メモリ27に予め格納された基準値とを比較する比較手段29が備えられている。前記演算手段25は、穴Hのレーザ切断加工位置と既にレーザ切断加工された輪郭線との間隔寸法を演算する機能を備えている。すなわち、前記演算手段25は、穴Hのレーザ切断加工の終了直前に、既にレーザ切断加工された輪郭線にレーザ切断加工位置LPが接近した寸法L(図2参照)を演算する。
【0027】
そして、演算手段25による演算値Lは、比較手段29によって、基準値メモリ27に予め格納した基準値と比較されるものである。前記基準値メモリ27には、ワークWの材質、板厚に対応して、前記寸法Lの基準値がパラメータとして格納されているものである。前記比較手段29の比較の結果、演算値≦基準値のときに、前記各サイドノズル5から噴出するサイドガスの噴出圧をより大きく制御するためのサイドガス圧力制御手段31が備えられている。このサイドガス圧力制御手段31は、前記各サイドガスノズル5に接続した各圧力制御弁を制御することによって各サイドガスノズル5から噴出されるサイドガスの噴出圧を制御するものである。
【0028】
以上のごとき構成において、穴Hのレーザ加工を行う場合、穴加工プログラムメモリ19に格納されている穴加工プログラムがプログラム解析手段21によって解析され、穴Hのレーザ加工方向が分析される。上述のように、穴Hのレーザ加工方向が分かると、ノズル領域判別手段23によって穴Hの領域内に位置するサイドノズル5と、穴Hの領域外に位置するサイドノズル5とが判別される。すなわち、穴Hのレーザ加工方向が時計回り方向の場合には、レーザ加工ヘッド1の進行方向の右側に位置するサイドノズル5は穴Hの領域内に位置するものと判別される。反時計回りの場合には、左側が穴H内であると判別される。
【0029】
前述のように、穴Hのレーザ加工方向が分かると、ノズル領域判別手段23によって穴H内に位置するサイドノズル5と、穴H外に位置するサイドノズル5とが判別される。なお、穴Hの輪郭線上のサイドノズル5は、前述したように、外側に属するものと判別されるものである。上述のように、穴Hの内外に位置するサイドノズル5が判別されると、穴H内に切断片Sを落下する際に、サイドガス圧制御手段31によって、穴Hの領域内(内側)に位置するサイドノズル5からのサイドガスの噴出圧よりも、穴Hの外側に位置するサイドガスから噴出するサイドガスの噴出圧が大きくなるように制御する。したがって、穴H内に切断片Sを落下する際、切断片Sは穴Hの中央部側へ付勢される傾向にあるものである。
【0030】
そして、穴Hの切断終了直前においては、前述のように、穴Hの外側に位置するサイドノズル5からのサイドガスの噴出圧を内側におけるサイドノズル5のサイドガスの噴出圧よりも大きく保持して、レーザ加工位置LPと穴Hの輪郭線との間隔寸法Lが演算手段25に演算される。この演算手段25の演算値Lと基準値メモリ27に格納されている基準値とが比較手段29によって比較され、基準値≧演算値Lになると、サイドガス圧力制御手段21の制御の下に、全てのサイドノズル5からのサイドガスの噴出圧がより大きく制御される。
【0031】
したがって、穴H内の切断片Sは、穴の中央部側へ付勢された状態においてワークWから切断分離される。この際、各サイドノズル5から噴出されるサイドガスの噴出圧はより大きく制御されているので、切断分離された切断片Sをレーザ切断加工終了と同時に穴H内に確実に落下することができるものである。なお、ワークWから切断片Sを切断分離した後、各サイドノズル5からのサイドガスの噴出圧をより大きくした状態に保持して、レーザノズル3を穴Hの中心位置方向へ相対的に移動することが望ましいものである。このように、レーザノズル3を移動することにより、切断片Sを穴H内により確実に落下することができるものである。
【0032】
以上のごとき説明より理解されるように、本実施形態によれば、穴Hのレーザ切断終了前に各サイドノズル5からサイドガスを噴出し、穴H内の切断片SがワークWから切断分離する際には、各サイドノズル5から噴出されるサイドガスの噴出圧をより大きく制御するので、前記切断片SがワークWから切断分離されると同時に穴H内へ切断片Sを効果的に落下することができる。この際、穴Hの内側に位置するサイドノズル5から噴出されるサイドガスの噴出圧よりも、穴Hの外側に位置するサイドノズル5から噴出されるサイドガスの噴出圧をより大きく制御するものである。したがって、ワークWから切断片Sを分離した際、切断片Sは穴Hの中央部側へ押圧付勢される傾向にあって、穴H内に引っ掛かることが抑制されるものである。よって穴H内からの切断片Sの落下をより確実に行い得るものである。
【0033】
なお、本発明は、前述したごとき実施形態のみに限るものではなく、適宜の変更を行うことにより、その他の形態で実施可能である。すなわち、各サイドノズル5からサイドガスを噴出する時期は、レーザ切断加工開始と同時に行ってもよいものである。この際は、レーザ切断加工時に生じたドロス等を切断溝の下方向に効果的に吹き飛ばすことができるものである。
【0034】
また、前記サイドノズル5からサイドガスを噴出する時期は、レーザ切断加工位置LPが前記間隔寸法Lの位置に達したとき、又は間隔寸法Lよりも予め設定した寸法だけ大きな位置に達したときにサイドガスを噴出する構成としてもよいものである。この場合には、サイドガスの消費量を抑制することができるものである。
【0035】
さらに、前述のごとく、穴H内に切断片Sを落下するために前記各サイドノズル5から噴出するサイドガスは、間欠的に噴出しても、また噴出圧の大小を繰り返して脈動的に噴出してもよいものである。この場合、切断片Sに振動を付与する態様となり、切断片Sの落下をより確実に行い得るものである。
【符号の説明】
【0036】
1 レーザ加工ヘッド
3 レーザノズル
5 サイドノズル
7 サイドノズル制御装置
17 穴位置形状データメモリ
23 ノズル領域判別手段
25 演算手段
27 基準値メモリ
29 比較手段
31 サイドガス圧力制御手段
図1
図2
図3