(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
光源と、該光源に一面を対向させて配置された光学シートと、前記光源及び光学シートを支持する支持体とを備え、前記光学シートに前記一面から入射された前記光源からの光を前記光学シートの他面から出射する光源装置において、
前記光学シートの前記他面の周縁部に当接し、前記光学シートを前記支持体とで挟持する当接部と、
該当接部を前記光学シートに押圧した状態で前記当接部及び前記支持体を結合する結合体とを備え、
該結合体は、
前記当接部を前記光学シートの前記他面の周縁部に押圧する押圧部材と、
該押圧部材に係止する係止部を有し、前記支持体に取り付けられる取付部材とを備え、
該取付部材は、形状記憶合金で形成され、周辺温度が所定温度以上となった場合、前記係止部による前記押圧部材との係止が解消された形状に変形するように構成してあることを特徴とする光源装置。
前記押圧片は、前記外周面の前記一端から、他端側に傾斜して突設されており、周辺温度が前記所定温度以上となった場合、前記結合体の一端面と同一面となる形状に変形するように構成してあることを特徴とする請求項4に記載の光源装置。
【背景技術】
【0002】
近年、液晶ディスプレイ及び液晶テレビジョン等の表示装置が広く普及している。表示装置は、映像を表示する表示面を表側に有し、矩形板状をなす表示パネルと、表示パネルの裏側に配され、表示パネルに対して光を照射する光源装置とを備える。光源装置には、特許文献1に開示されているような直下型方式がある。特許文献1に開示された光源装置は、皿型の筐体の底に、発光ダイオード(LED)又は冷陰極蛍光ランプ(CCFL)等の光源を配し、筐体の開口部分に光学シートを固定して構成されている。また、特許文献1に開示された表示装置は、光学シートが表示パネルの裏側に対向するように光源装置が表示パネルに取り付けられて構成されている。このような表示装置では、光源からの光が光学シートによって拡散されて表示パネルに入射される。なお、特許文献1に開示された光源装置は、筐体(支持体)と押圧体とで光学シートの周縁部を挟持しており、光学シートを筐体に押圧する押圧体が熱変形材で構成されている。
【0003】
光学シートは一般に合成樹脂製であり、筐体への取り付けが十分でない場合、輸送時の振動によって移動し、表面に傷が付く可能性がある。よって、輸送時に移動しないように光学シートを筐体に強固に固定しておくことが望ましい。
一方、表示装置の使用時には、光源による発光によって発熱し、光源からの熱によって光学シートが膨張することがあるが、光学シートが筐体に強固に固定されていた場合、熱膨張した光学シートにシワが発生する。シワの発生を抑制するためには、光学シートを強固に固定せずに、膨張した光学シートが周囲に広がることができる程度に固定しておくことが望ましい。
特許文献1に開示された光源装置では、光学シートを筐体に押圧する押圧体が熱変形材で構成されているので、光源の非点灯時には押圧体による押圧力が強くなり、光源の点灯時には押圧体による押圧力が弱くなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
近年、表示装置の薄型化に伴って光源装置の薄型化も要望されており、光源装置の筐体内部において、光学シートの周縁近傍も狭い空間となっていることが多い。従って、特許文献1に開示された構成では、膨張した光学シートにおけるシワの発生を防止するために、光学シートを押圧する押圧体が十分変形できる空間を確保することは困難である。押圧体が十分変形できない場合、膨張した光学シートのシワの発生を防ぐことができないという問題がある。
【0006】
本発明は、斯かる事情に鑑みてなされたものである。そして、その目的とするところは、光学シートが膨張した場合に光学シートにシワが発生することを防止できる光源装置及び該光源装置を備えた表示装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る光源装置は、光源と、該光源に一面を対向させて配置された光学シートと、前記光源及び光学シートを支持する支持体とを備え、前記光学シートに前記一面から入射された前記光源からの光を前記光学シートの他面から出射する光源装置において、前記光学シートの前記他面の周縁部に当接し、前記光学シートを前記支持体とで挟持する当接部と、該当接部を前記光学シートに押圧した状態で前記当接部及び前記支持体を結合する結合体とを備え、該結合体は、周辺温度が所定温度以上となった場合に前記当接部を押圧する力が弱くなるように構成してあることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、光源からの光が光学シートの一面に入射して他面から出射する光源装置において、当接部及び支持体にて光学シートの周縁部が挟持される。当接部は、結合体にて光学シートに押圧されて支持体と結合され、支持部との間で光学シートを挟持する。結合体は、周辺温度の上昇によって、当接部を押圧する力が弱くなる。よって、光源が発光していないときは、結合体によって当接部及び支持体が強固に結合されるので、当接部及び支持体によって光学シートが強固に保持される。また、光源が発光しているときは、結合体による当接部及び支持体の結合が緩まるので、膨張した光学シートが周囲に広がることができ、光学シートの熱膨張によるシワの発生を抑制できる。
【0009】
本発明に係る光源装置は、前記結合体は、前記当接部を前記光学シートの前記他面の周縁部に押圧する押圧部材と、該押圧部材に係止する係止部を有し、前記支持体に取り付けられる取付部材とを備え、該取付部材は、形状記憶合金で形成され、周辺温度が前記所定温度以上となった場合、前記係止部による前記押圧部材との係止が解消された形状に変形するように構成してあることを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、結合体は、当接部を光学シートに押圧する押圧部材と、押圧部材に係止すると共に支持体に取り付けられる取付部材とで構成される。取付部材は、形状記憶合金で形成されており、周辺温度が所定温度以上となった場合、押圧部材との係止が解消された形状に変形する。よって、光源が発光しているときは、押圧部材及び取付部材の係止が解消されるので、当接部及び支持体の結合が緩まる。これにより、膨張した光学シートが周囲に適切に広がることができ、光学シートの熱膨張によるシワの発生を抑制できる。
【0011】
本発明に係る光源装置は、前記押圧部材は、柱状をなしており、外周面の両端からそれぞれ突設された係止片と、前記外周面の適宜位置に設けられた凹部とを有し、前記取付部材は、筒状をなしており、外周面に形成されたネジ部と、一端面から軸方向に突設され、突設端が内向きに屈曲する爪部とを有し、前記結合体は、前記押圧部材が前記取付部材に挿嵌され、前記係止片が前記取付部材の両端に係合し、前記爪部が前記凹部に係合して構成されており、前記支持体は、前記光学シートを前記一面側から支持する板状をなし、厚み方向に貫通するネジ孔を有し、前記当接部は、枠板状をなし、厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記結合体は、前記貫通孔を通して前記ネジ孔に前記ネジ部を螺嵌して、前記当接部及び支持体を結合するようにしてあることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、押圧部材は、柱状をなし、外周面の両端に係止片を有し、外周面の適宜位置に凹部を有する。取付部材は、筒状をなし、外周面にネジ部を有し、一端面に爪部を有する。結合体は、押圧部材が取付部材に挿嵌され、係止片が取付部材の両端に係合し、爪部が凹部に係合して構成されている。よって、取付部材の爪部が押圧部材の凹部に係合するので、取付部材と取付部材に挿嵌された押圧部材とにおける軸方向及び周方向の位置が固定される。また、光源が発光しているときは、取付部材の爪部及び押圧部材の凹部の係合が解消されて、当接部及び支持体の結合が緩まる。よって、狭い空間においても、当接部及び支持体の結合を緩めることができるので、光学シートの熱膨張によるシワの発生を抑制できる。更に、押圧部材の両端の係止片が取付部材の両端に係止するので、押圧部材が取付部材から抜け落ちることを防止できる。
【0013】
本発明に係る光源装置は、前記凹部は、前記押圧部材の一端側の外周面に設けてあり、前記押圧部材の他端には、前記押圧部材の中心を通る割り溝が設けてあることを特徴とする。
【0014】
本発明によれば、押圧部材の他端に割り溝が設けてあり、押圧部材を他端側から取付部材に挿嵌する際に、割り溝の分だけ押圧部材の外径が小さくなる。よって、押圧部材の取付部材への挿嵌が容易となる。また、押圧部材の他端が取付部材を通り抜けた後は、割り溝が元の形状に戻り、押圧部材の他端側の係止片が取付部材の端面に係合する。
【0015】
本発明に係る光源装置は、前記結合体は、柱状をなしており、外周面の一端から突設され、前記当接部を前記光学シートに押圧する押圧片と、前記外周面の他端側に形成されたネジ部とを有し、前記支持体は、前記光学シートを前記一面側から支持する板状をなし、厚み方向に貫通するネジ孔を有し、前記当接部は、枠板状をなし、厚み方向に貫通する貫通孔を有し、前記結合体は、前記貫通孔を通して前記ネジ孔に前記ネジ部を螺嵌して、前記当接部及び支持体を結合するようにしてあり、前記押圧片は、形状記憶合金で形成され、周辺温度が前記所定温度以上となった場合、前記当接部を押圧する力が弱くなる形状に変形するように構成してあることを特徴とする。
【0016】
本発明によれば、結合体は、柱状をなし、外周面の一端に押圧片を有し、外周面の他端側にネジ部を有する。結合体は、当接部に設けられた貫通孔を通して、支持体に設けられたネジ孔にネジ部を螺嵌して、当接部及び支持体を結合する。結合体の押圧片は、形状記憶合金で形成され、周辺温度が所定温度以上となった場合、当接部を押圧する力が弱くなる形状に変形する。よって、光源が発光しているときは、押圧片が当接部を光学シートに押圧する力が弱くなるので、当接部及び支持体の結合が緩まる。これにより、膨張した光学シートが周囲に適切に広がることができ、光学シートの熱膨張によるシワの発生を抑制できる。
【0017】
本発明に係る光源装置は、前記押圧片は、前記外周面の前記一端から、他端側に傾斜して突設されており、周辺温度が前記所定温度以上となった場合、前記結合体の一端面と同一面となる形状に変形するように構成してあることを特徴とする。
【0018】
本発明によれば、押圧片は、結合体の外周面の一端から、他端側に傾斜して突設されており、周辺温度が所定温度以上となった場合、結合体の一端面と同一面となる形状に変形する。これにより、光源が発光しているときは、押圧片の変形によって、当接部及び支持体の結合が緩まる。よって、狭い空間においても、当接部及び支持体の結合を緩めることができるので、光学シートの熱膨張によるシワの発生を抑制できる。
【0019】
本発明に係る表示装置は、上述したいずれかの光源装置と、該光源装置から出射される光を用いて映像を表示する表示パネルとを備えることを特徴とする。
本発明においては、光源の発光時に、光学シートが膨張した場合であっても光学シートに生じるシワを抑制できるので、光学シートにシワが発生した場合に生じる表示品質の劣化を回避できる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、光源からの光が光学シートの一面に入射して他面から出射する光源装置において、当接部及び支持体にて光学シートの周縁部が挟持され、結合体にて当接部及び支持体が結合される。結合体は、周辺温度の上昇によって、当接部を光学シートに押圧する力が弱くなるように構成してある。よって、光源が発光していないときは、結合体によって当接部及び支持体が強固に結合され、光源が発光しているときは、結合体による当接部及び支持体の結合が緩まる。これにより、輸送時は、当接部及び支持体によって光学シートが強固に保持され、光源の発光時は、膨張した光学シートが周囲に広がり、光学シートの熱膨張によるシワの発生を抑制できる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下に、本発明に係る光源装置及び該光源装置を備えた表示装置について、その実施形態を示す図面を用いて具体的に説明する。
【0023】
(実施形態1)
図1は、実施形態1に係る表示装置の正面図、
図2は、実施形態1に係る表示装置の要部構成を示す分解斜視図である。本実施形態1の表示装置は、矩形板状の液晶パネル(表示パネル)4と、液晶パネル4に光を照射する直下型方式の光源装置とを備えた液晶表示装置である。
【0024】
図2に示すように、本実施形態1の表示装置は、ベゼル3、液晶パネル4、パネルシャーシ5、光学シート6、光源部7、バックライトシャーシ(以下、BLシャーシという)8をこの順に重ね、複数の結合部材1で後述するように結合して構成されている。
ベゼル3は、矩形枠体であり、外周縁から垂直に突設された板部32を有する。またベゼル3は、板部32の突設側の面に開口部に沿って、後述するように液晶パネル4に当接するパネル抑え部31が設けてあり、パネル抑え部31の外側に複数の貫通孔30が設けてある。
液晶パネル4は例えば、複数の液晶素子を2次元マトリクス状に配列して構成されている。
【0025】
パネルシャーシ5は、樹脂製の矩形枠体であり、厚み方向に貫通する貫通孔50が複数設けてある。パネルシャーシ5は、ベゼル3よりも若干小さい大きさであり、貫通孔50は、ベゼル3の貫通孔30に対向する位置に設けてある。
図1,2に示す例では、貫通孔30,50は、短辺に4つずつ、長辺に5つずつそれぞれ等間隔で設けてあるが、貫通孔30,50の数はこれに限らない。またパネルシャーシ5は、内周面から内向きに張り出すように周設された板部51を有しており、板部51の一面には開口部に沿って、後述するように光学シート6に当接するシート抑え部53が設けてある。なお、板部51のシート抑え部53の裏面側には、
図3に示すように、液晶パネル4に当接するパネル抑え部52が設けてある。
【0026】
光学シート6は、
図3に示すように、例えば拡散シート61、BEF(Brightness Enhance Film )シート62及び拡散板63等が積層された矩形状のシートである。拡散板63は、例えば、PMMA(アクリル)製又はポリカーボネート樹脂製であり、入射された光を面内に均一に分布させる機能を有する。拡散シート61は、例えば、ポリエステル製のシート材の表面を荒らして光を散乱させる機能を有する。BEFシート62は、例えば、透明の高分子シートの表面に微小なプリズム、ないしマイクロレンズ構造を設けて、集光により正面輝度を上昇させる機能を有する。また必要に応じて、蒸着積層した高分子フィルムを使って、入射された光を直線偏光に変換する機能を有するBEFシートを、拡散シート61の上に積層する手段を取り入れてもよい。
このような構成の光学シート6は、拡散板63の一面から入射された光を均一な平面光として液晶パネル4へ向けて出射する。
【0027】
光源部7は、
図3に示すように、矩形板状の基板71と、基板71の一面に実装された光源70とを有する。光源70は、例えば、発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)であり、基板71の一面に2次元マトリクス状に実装されている。光源70は、冷陰極蛍光ランプ(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)、外部電極蛍光ランプ(EEFL:External Electrode Fluorescent Lamp)、熱陰極蛍光ランプ(HCFL:Hot Cathode Fluorescent Lamp)等であってもよい。これらの場合、複数本のランプが並置されて設けられる。
【0028】
BLシャーシ8は、矩形の皿形状を有しており、開口部には、外向きに張り出す鍔部80が周設されている。鍔部80は、BLシャーシ8の底側に突設された複数の凸部81を有しており、それぞれの凸部81には内周にネジを有するネジ孔が設けてある。BLシャーシ8の鍔部81は、パネルシャーシ5と同様の大きさであり、凸部81は、パネルシャーシ5の貫通孔50及びベゼル3の貫通孔30に対向する位置に設けてある。よって、凸部81の数も
図2に示す数に限らない。
【0029】
図3は、
図1中のIII-III線による横断面図である。
図3に示すように、本実施形態1の光源装置は、BLシャーシ8の底面に光源部7を取り付け、BLシャーシ8の鍔部80に光学シート6を載置し、その上にパネルシャーシ5を被せて構成されている。また本実施形態1の表示装置は、パネルシャーシ5の上に液晶パネル4を載置し、その上にベゼル3を被せ、結合部材1にてベゼル3、パネルシャーシ5及びBLシャーシ8を固定して構成されている。これにより、本実施形態1の表示装置では、パネルシャーシ5の板部51及びBLシャーシ8の鍔部80にて光学シート6が挟持され、ベゼル3及びパネルシャーシ5の板部51にて液晶パネル4が挟持される。
本実施形態1の表示装置は、上述した構成のほかに、高反射性を有する合成樹脂製の反射シートを、光源部7の背面側、例えば光源部7とBLシャーシ8との間に設けてもよい。
【0030】
上述した構成の表示装置において、ベゼル3は、パネル抑え部31を液晶パネル4の表示画面の周縁に当接させて、液晶パネル4を表示画面側から覆う。なお、液晶パネル4は、ベゼル3のパネル抑え部31と同程度又は若干大きい大きさを有しており、パネル抑え部31に当接した場合、ベゼル30の貫通孔30には重ならない。
パネルシャーシ5は、ベゼル30の貫通孔30に自身の貫通孔50が連なる状態でベゼル3の板部32の内側に収納される。パネルシャーシ5がベゼル3に収納された場合、液晶パネル4の、ベゼル3のパネル抑え部31に当接する箇所の裏面側に、パネルシャーシ5のパネル抑え部52が当接する。よって、ベゼル3及びパネルシャーシ5は、パネル抑え部31,52にて液晶パネル4を挟持する。なお、パネルシャーシ5の内周面に対する板部51の突設箇所は、ベゼル3のパネル抑え部31とパネルシャーシ5のパネル抑え部52とで液晶パネル4を適切に挟持できる位置である。具体的には、パネルシャーシ5において、ベゼル3に当接する側の端面から、ベゼル3のパネル抑え部31、液晶パネル4及びパネルシャーシ5のパネル抑え部52を重ねた厚み程度の間隔を隔てた位置に板部51が設けてある。
【0031】
光学シート6は、パネルシャーシ5のパネル抑え部52に当接する液晶パネル4の背面(表示画面の裏面)に拡散シート61を対向させて配置され、拡散シート61の周縁がパネルシャーシ5のシート抑え部(当接部)53に当接する。拡散シート61がパネルシャーシ5のシート抑え部53に当接した場合、光学シート6の裏面(拡散板63側の面)は、パネルシャーシ5の端面(ベゼル4に当接する面の裏面)と同一平面となる。同一平面となったパネルシャーシ5の端面及び光学シート6の拡散板63の周縁にBLシャーシ8の鍔部80が当接する。BLシャーシ8の鍔部80は、凸部81のネジ孔がパネルシャーシ5の貫通孔50に連なる状態でパネルシャーシ5及び光学シート6(拡散板63)に当接する。BLシャーシ8の内部には、光源部7が、光学シート6の拡散板63に光源70を対向させて収納されている。
上述した構成により、本実施形態1の表示装置では、光源部7(光源70)から出射した光は、光学シート6を通過し、均一な平面光として液晶パネル4に照射される。
【0032】
図4A〜
図4C及び
図5は、結合部材1の構成を示す斜視図である。本実施形態1の結合部材1は、円柱状のロッド部材(押圧部材)10と、円筒状のスリーブ部材(取付部材)20とを組み合わせて構成されている。
図4Aにはロッド部材10を示し、
図4Bにはスリーブ部材20を示し、
図4C及び
図5にはロッド部材10及びスリーブ部材20を組み合わせた状態を示している。
ロッド部材10は、十字穴を有するネジ頭部(係止片)11を一端に備える。またロッド部材10の他端には、中心を通る割り溝13が、端部から中央付近まで設けてあり、割り溝13の両側に、それぞれの端部から爪部(係止片)12が外向きに突設されている。更にロッド部材10の前記一端側の外周面には、爪部12と同じ位置に2つの凹部14が設けてある。
【0033】
スリーブ部材20は、一端側の略半分の外周面にネジ部21を備える。またスリーブ部材20の他端側には、中心を通る割り溝22が端部から中央付近まで設けてあり、割り溝22にて分割されて係止部23が設けてある。係止部23は、それぞれの端部に内向きに設けられた爪部23aを有する。スリーブ部材20は、周囲の温度が所定温度以上となった場合に所定形状に変形する形状記憶合金で形成されている。なお、スリーブ部材20は、
図5に示すように、2つの係止部23の端部(爪部23a)が互いに離れる方向に広がった状態を所定形状として形成された後、常温下でのプレス加工によって、
図4Bに示すように、2つの係止部23が平行な状態となるように変形されて構成されている。これにより、スリーブ部材20は、周囲の温度が所定温度に達した場合に、
図5に示す状態に変形する(戻る)。形状記憶合金としては、例えばチタン合金を用いることができ、表示装置の動作中にスリーブ部材20の周囲で到達される温度に応じて適切な組成にて生成された形状記憶合金を用いることが望ましい。
【0034】
上述した構成のロッド部材10は、爪部12がスリーブ部材20の係止部23(爪部23a)側から挿入されることによってスリーブ部材20に装着される。ロッド部材10は、2つの爪部12が互いに近付いた状態でスリーブ部材20に挿入され、スリーブ部材20のネジ部21側の端部に到達した場合、爪部12が元の状態(
図4Aに示す状態)に戻ることによりネジ部21の端面に係合する。なお、ロッド部材10のネジ頭部11の外径は、スリーブ部材20の外径よりも大きい。よって、ネジ頭部11及び爪部12がスリーブ部材20の端面にそれぞれ係合するので、ロッド部材10がスリーブ部材20から抜け落ちることを防止できる。また、ロッド部材10がスリーブ部材20に挿入された場合、スリーブ部材20の爪部23aが、ロッド部材10の凹部14にそれぞれ係合し、ロッド部材10及びスリーブ部材20を軸方向及び周方向に固定するロック機能を果たす。
【0035】
上述した構成の結合部材1は、表示装置の表示画面側からベゼル3の貫通孔30及びパネルシャーシ5の貫通孔50に通され、BLシャーシ8の凸部81のネジ孔に螺嵌され、ベゼル3、パネルシャーシ5及びBLシャーシ8を結合する。結合部材1によって結合された場合、BLシャーシ8は、パネルシャーシ5との間で光学シート6を挟持すると共に光源部7を保持するので、BLシャーシ8及びパネルシャーシ5は、光源部7及び光学シート6を支持する支持体として機能する。また結合部材1がBLシャーシ8の凸部81のネジ孔にしっかり締め付けられた場合、光学シート6は、パネルシャーシ5及びBLシャーシ8にて強固に挟持されるので、例えば表示装置を輸送する際に、光学シート6が移動することを防止できる。よって、光学シート6の表面に傷が付くことを防止できる。
【0036】
次に、本実施形態1の表示装置が動作中である場合の状態について説明する。
図6は、
図1中のIII-III線による横断面図であり、表示装置が動作中である場合の状態を示している。
本実施形態1の表示装置は、例えば購入者宅に設置され、動作を開始した場合、光源部7は、発光を開始すると共に発熱する。よって、表示装置が動作中の場合、表示装置の内部の温度は、光源部7からの熱によって上昇する。
【0037】
本実施形態1の表示装置において、ベゼル3、パネルシャーシ5及びBLシャーシ8を結合する結合部材1のスリーブ部材20は、形状記憶合金で形成されている。表示装置が非動作中である場合、スリーブ部材20は、
図3及び
図4Cに示すように、2つの係止部23が平行で、爪部23aがロッド部材10の凹部14に係合した組み立て時の状態を保っている。そして表示装置が動作を開始し、光源部7からの熱によって周囲の温度が所定温度以上となった場合、スリーブ部材20は、
図5及び
図6に示すように、爪部23aが離れる方向に広がった状態に変形する。スリーブ部材20が変形した場合、ロッド部材10の凹部14に係合していた爪部23aが凹部14から外れる。爪部23a及び凹部14の係合が解消された場合、
図6に示すように、ベゼル3、パネルシャーシ5及びロッド部材10がスリーブ部材20及びBLシャーシ8に対して移動する。なお、ロッド部材10の爪部12がスリーブ部材20の端部に係合するので、ロッド部材10がスリーブ部材20から抜けることはない。
【0038】
ベゼル3、パネルシャーシ5及びロッド部材10がスリーブ部材20及びBLシャーシ8に対して移動した場合、パネルシャーシ5のシート抑え部53が光学シート6を押圧する力が弱くなり、更には、シート抑え部53が光学シート6から離れる。
表示装置の動作中、光学シート6は、光源部7からの熱によって膨張する。このとき、表示装置の内部の温度上昇によってパネルシャーシ5のシート抑え部53は光学シート6から離れた状態となり、シート抑え部53による光学シート6の押圧が緩和されている。従って、光学シート6の周縁部は、強く押圧されていないので、BLシャーシ8の鍔部80上で広がることができ、シワが発生しない。
【0039】
本実施形態1の表示装置では、ロッド部材10がスリーブ部材20に対して移動することによって、パネルシャーシ5(シート抑え部53)が光学シート6から離れる。よって、狭い空間においても、パネルシャーシ5による光学シート6の押圧を解消することができ、膨張した光学シート6にシワが発生することを防止できる。
【0040】
(実施形態2)
以下に、実施形態2に係る表示装置について説明する。本実施形態2の表示装置は、ベゼル3、パネルシャーシ5及びBLシャーシ8を結合する結合部材の構成が、上述の実施形態1の表示装置とは相異する。従って、結合部材についてのみ説明し、その他の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
【0041】
図7及び
図8は、実施形態2の結合部材の構成を示す斜視図、
図9及び
図10は、
図1中のIII-III線による横断面図である。なお、
図7及び
図9には、表示装置が動作中ではない場合の状態を示し、
図8及び
図10には、表示装置が動作中である場合の状態を示している。
本実施形態2の結合部材9は、1つの部材にて構成されている。本実施形態2の結合部材9は、円柱状をなし、十字穴を有するネジ頭部(押圧片)91を一端に備え、他端側の略半分の外周面にネジ部92を備える。結合部材9は、周囲の温度が所定温度以上となった場合に所定形状に変形する形状記憶合金で形成されている。なお、結合部材9は、
図8に示すように、ネジ頭部91が平板状となる状態を所定形状として形成された後、常温下でのプレス加工によって、
図7に示すように、ネジ頭部91の十字穴の周囲の面がテーパ面となる状態に変形されて構成されている。これにより、結合部材9は、周囲の温度が所定温度に達した場合に、
図8に示す状態に変形する(戻る)。本実施形態2においても、形状記憶合金として、例えばチタン合金を用いることができ、表示装置の動作中に結合部材9の周囲で到達される温度に応じて適切な組成にて生成された形状記憶合金を用いることが望ましい。
【0042】
上述した構成の結合部材9は、表示装置の表示画面側からベゼル3の貫通孔30及びパネルシャーシ5の貫通孔50に通され、BLシャーシ8の凸部81のネジ孔に螺嵌され、ベゼル3、パネルシャーシ5及びBLシャーシ8を結合する。本実施形態2においても、結合部材9がBLシャーシ8の凸部81のネジ孔にしっかり締め付けられた場合、光学シート6は、パネルシャーシ5及びBLシャーシ8にて強固に挟持されるので、例えば表示装置を輸送する際に、光学シート6が移動することを防止できる。よって、光学シート6の表面に傷が付くことを防止できる。
【0043】
本実施形態2の表示装置も、動作を開始した場合、光源部7は、発光を開始すると共に発熱する。よって、表示装置が動作中の場合、表示装置の内部の温度は、光源部7からの熱によって上昇する。
また本実施形態2の表示装置において、ベゼル3、パネルシャーシ5及びBLシャーシ8を結合する結合部材9が形状記憶合金で形成されている。表示装置が非動作中である場合、結合部材9は、
図7及び
図9に示すように、ネジ頭部91の十字穴の周囲の面がテーパ面となる組み立て時の状態を保っている。即ち、ネジ頭部91は、結合部材9の一端から、他端側に傾斜する形状に設けてある。
【0044】
そして表示装置が動作を開始し、光源部7からの熱によって周囲の温度が所定温度以上となった場合、結合部材9は、
図8及び
図10に示すように、ネジ頭部91が平板状となる状態に変形する。結合部材9が変形した場合、
図10に示すように、結合部材9の変形分だけ、ベゼル3及びパネルシャーシ5が、BLシャーシ8に対して移動する。ベゼル3及びパネルシャーシ5がBLシャーシ8に対して移動した場合、パネルシャーシ5のシート抑え部53が光学シート6を押圧する力が弱くなり、更には、シート抑え部53が光学シート6から離れる。このように、シート抑え部53による光学シート6の押圧が緩和されることにより、光源部7からの熱によって膨張した光学シート6は、BLシャーシ8の鍔部80上で広がることができ、シワが発生しない。
【0045】
本実施形態2の表示装置では、結合部材9のネジ頭部91が変形することによって、パネルシャーシ5(シート抑え部53)が光学シート6から離れる。よって、狭い空間においても、パネルシャーシ5による光学シート6の押圧を解消することができ、膨張した光学シート6にシワが発生することを防止できる。
【0046】
上述の実施形態1,2では、本発明に係る光源装置を直下型の光源装置に適用した例を説明したが、本発明は、導光板を備え、導光板の端面から光が入射されるエッジライト方式の光源装置にも適用できる。
また、上述の実施形態1,2では、本発明に係る光源装置について、液晶パネル4及び光源装置を備えた表示装置を例に説明したが、本発明は、液晶パネル4を有していない照明装置(光源装置)単体への適用も可能である。
【0047】
今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。例えば、エッジライト式バックライトにおいても本発明の効果は有効である。本発明の範囲は、上述した意味ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。また、各実施形態で記載されている技術的特徴は、お互いに組み合わせることが可能である。