(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343679
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】複数のヒューズリンクを有するヒューズ
(51)【国際特許分類】
H01H 85/20 20060101AFI20180604BHJP
H02G 3/16 20060101ALN20180604BHJP
【FI】
H01H85/20 B
!H02G3/16
【請求項の数】8
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-557922(P2016-557922)
(86)(22)【出願日】2015年3月20日
(65)【公表番号】特表2017-510949(P2017-510949A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】CN2015074655
(87)【国際公開番号】WO2015172604
(87)【国際公開日】20151119
【審査請求日】2016年9月14日
(31)【優先権主張番号】201410206784.3
(32)【優先日】2014年5月16日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】516277565
【氏名又は名称】ベイジン・ピープルズ・エレクトリック・プラント・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ナン・イン
【審査官】
山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第04488767(US,A)
【文献】
特開平01−146221(JP,A)
【文献】
特公昭44−026258(JP,B1)
【文献】
特開2010−287558(JP,A)
【文献】
特開2006−179311(JP,A)
【文献】
実開平01−088448(JP,U)
【文献】
特開昭59−230273(JP,A)
【文献】
米国特許第04820195(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 85/20
H02G 3/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒューズベース(101)と、ヒューズベース(101)内に挿入されたヒューズリンク担体(102)と、ヒューズリンク担体(102)に設けられたヒューズ素子とを含むヒューズであって、
ヒューズベース(101)は、片側に少なくとも2組の配線部材が設けられており、他側に少なくとも2組の配線部材が設けられており、前記両側の配線部材の位置は対応しており、ヒューズベース(101)にさらに複数のベース接点(203)が設けられており、各前記配線部材にいずれもその位置に対応するベース接点(203)が接続されており、配線部材の間は互いに絶縁し、両側の対応する配線部材とそれに対応するベース接点(203)とは上下が重ね合せられて設けられており、
ヒューズリンク担体(102)にヒューズ素子を載置するための少なくとも2組のキャビティ(301)が設けられており、キャビティ(301)は上下が重ね合せられて設けられており、ベース接点(203)の位置に対応しており、ヒューズリンク担体(102)がヒューズベース(101)から抜き出されるとき、少なくとも4つの割れ目を同時に形成することができ、
前記ヒューズ素子の数は、少なくとも2つであり、ヒューズリンク担体(102)のキャビティ(301)内に設けられており、ヒューズリンク担体(102)がヒューズベース(101)内に挿入された後、ヒューズ素子はベース接点(203)に電気的に接続され、
前記少なくとも2つのヒューズ素子は、ヒューズリンク(103)、ヒューズリンク(103)と通電部(104)との組合せ、又はヒューズリンク(103)と通電ヒューズリンク部の組合せのいずれかであり、
前記ヒューズリンク(103)は円柱形であり、その両端は導電体であり、中央部は絶縁体であり、内部に電流を通過させ且つ過電流溶断保護可能な可融コアが設けられており、
前記通電部(104)は円柱形であり、その両端は導電体であり、中央部は絶縁体であり、内部に電流を通過させるが溶断機能を備えない導体が設けられていることを特徴とするヒューズ。
【請求項2】
前記ヒューズベース(101)の片側の配線部材は引入線端(201)であり、他側の配線部材は引出線端(202)であることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ。
【請求項3】
前記ヒューズベース(101)の側端面は平面状であり、隣接する2つの引入線端(201)及び隣接する2つの引出線端(202)はいずれも対角線状に配置されており、引入線端(201)及び引出線端(202)の周辺にプラスチックリブ、切り欠きまたはプラスチックリブと切り欠きとの組合せが設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ。
【請求項4】
前記ヒューズベース(101)の側端面は階段状であることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ。
【請求項5】
前記ベース接点(203)は金属材製の接点本体(213)及び弾性素子(209)の2つの部分により構成されていることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ。
【請求項6】
前記ヒューズリンク担体(102)の一端に取っ手(303)が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ。
【請求項7】
前記ヒューズリンク担体(102)に少なくとも1つのヒューズ溶断指示装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ。
【請求項8】
前記ヒューズ素子の数は2つであり、ヒューズベース(101)の両側の配線部材はいずれも2組であることを特徴とする請求項1に記載のヒューズ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電子機器分野に属し、具体的には複数のヒューズリンクを有するヒューズに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒューズは配電システムにおいて主に導線又は機器を保護するためのものであり、即ち、配電システムに故障電流が発生したとき、ヒューズは迅速に溶断され、電流を遮断して事故の進展を阻止する。現在、従来のヒューズ構造は基本的に絶縁材料により作られたヒューズベース、絶縁材料により作られたヒューズリンク担体及び標準ヒューズリンクにより構成されている。ヒューズベース内にヒューズリンクの両端と接触するヒューズベース接点、接点と電気的に接続された配線端子が含まれており、ヒューズリンク担体の主な作用は、ヒューズリンクの交換及びメンテナンスを容易に行うように、ヒューズリンクをヒューズベースに挿入し又はヒューズベースから抜き出しやすく支持することである。ヒューズは、価格が安く、メンテナンスしやすい等の利点を有するため、広く適用される場合が多く、特に太陽光発電において、地球環境への注目、再生可能エネルギーに対する強力な要求に伴い、太陽光発電産業は急速な成長を遂げたため、ヒューズの品質に対して更に厳しく要求し、特にヒューズの高電圧、小さい体積、安全性及び信頼性などの課題は多くのヒューズメーカーの開発におけるキーポイント及び難点である。市場調査を介して各メーカーのヒューズを比較した結果、現在市販のヒューズに通常下記2つの問題があることを見つけた。第1は、ヒューズの配置方式による配電箱の空間利用率が低いこと、第2は太陽光接続箱内部に現在のヒューズの配置方式により漏電モジュール及びホールモジュールを取付けることが難しいこと、第3は、ヒューズは通常2つの割れ目を有し、割れ目に高電圧が印加され、挿抜操作はアークを生じさせ接点を融除しやすいことで、寿命が低くなり、安全性が悪くなることである。具体的に分析すると、以下の通りである。
【0003】
(1)ヒューズの配置方式により配電箱の空間利用率が低くなる。通常の太陽光発電システムでは、いずれも16組の太陽光発電パネルにより発生された電気エネルギーを接続箱内に集めた後、電気エネルギーをインバータに入力し、ヒューズは接続箱システムにおいて太陽光発電パネル、接続箱内の電子素子、導線を保護する役割をし、電源を隔離する役割も果たす。現在、太陽光発電システム分野に適用されているヒューズは、一般的に引入線と引出線との2つの配線端子を有し、正、負極は1000Vの保護を実現するために2台のヒューズが必要である。また、正極と負極との電気的安全間隔及び沿面距離を確保するために、太陽光接続箱内の正極と負極はいずれも分かれて配置され、正極と負極との間に十分に大きな安全距離を残さなければならない。従来のヒューズ付き接続箱システムにいずれも32台のヒューズを採用しており、正、負極の2組に分け、各組の16台はモジュールで接続箱内に配置される。正負極の間の安全沿面距離及び電気的間隔問題を解決するために、両組のヒューズの間は一定な距離を置き、上下又は左右に分布される。明らかに、上記ヒューズの配置方式により接続箱の体積及び導線の使用量が無駄になってしまう。また、交流配電システムにも同様な問題があり、通常の交流ヒューズに2つのタイプがあり、その1つは独立した個体を有するものであり、もう1つは複数個が並列配置されたものである。独立した個体のタイプは、各ヒューズ内に1つのヒューズリンクが取付けられ、引入線と引出線の2つの配線端子を有する。複数個を並列配置したものは、複数の独立したヒューズベースを組み立て、またはベースを一体的に成形加工し、複数組の配線端子を有し、ヒューズリンクが個別に挿入されたものであり、管理しやすい役割を果たす。上記2つのタイプは体積から見れば違いはないが、同様に配電箱の空間利用率が低い問題がある。
【0004】
(2)太陽光接続箱システムにおいて、各分岐回路の発電状況を監視するために、一般的に漏電モジュール及びホールセンサーが取付けられているが、漏電モジュールの主な作用は各分岐回路に漏電現象があるか否かを検出することであり、漏電モジュールの原理は正負極の導線をいずれも計器用変成器に貫通させ、計器用変成器が正負極電流のアンバランスを感知して漏洩電流を検出することであり、ホールセンサーは主に各分岐回路の電流状況を検出し、その原理はホール効果を利用して電流の大きさを監視することである。実質的に漏電モジュール及びホールセンサーは一体的に形成されているが、接続箱システムに適用される通常のヒューズはいずれも正負極に分けて配置され、各16台は接続箱内の2つのエリアに配置され、漏電モジュール及びホールセンサーを取付けようとする場合、改めて導線をリードして漏電モジュール及びホールセンサーに接続しなければならず、こうすると、導線を無駄にするとともに、占めるスペースも多い。
【0005】
(3)割れ目に高電圧が印加され、挿抜操作の使用寿命が短く、安全性が悪い。この問題は直流システムにおいて顕著に見られる。通常のヒューズでは一般的に1つのヒューズベースに1つのヒューズリンクが付けられる形態と、複数のヒューズベースが水平に配置され複数の独立したヒューズリンクが付けられる形態との二つの技術案がある。ヒューズリンクの挿抜方式に一般的に、回転可能に挿抜する形態と、直接挿抜する形態との2種類がある。回転可能に挿抜する形態は、ヒューズリンクを片側の固定接点から抜き出し、その後直ちに他端を抜き出し、両端の抜き出しに順番があることであり、直接挿抜する形態は、ヒューズリンクの両端を直接的に2つの固定接点から同時に抜き出すことであり、割れ目の電圧又は遮断速度から見れば、直接挿抜する形態は回転可能に挿抜する形態よりも優れている。太陽光直流システムにおいて、電圧が1000Vであり、直流アークは交流と異なるため、ゼロクロス点がなく、消滅され難く、一般的に直流アークの消滅方式は主に遮断速度、遮断距離及び遮断点の数により消滅し、即ち、遮断速度が速く、遮断距離が大きく、遮断点が多いほど、アークをより速く消滅し、複数の遮断点が遮断電圧を均等に分けることは消弧に対し重要である。上記分析から分かるように、回転可能に挿抜する形態の欠点が顕著に見られ、回転分離は先に一端を分離した直後、他端を分離するため、操作速度において直接挿抜より遅く、遮断するとき、割れ目は1つのみであり、割れ目の電圧も高いため、アークが消滅されにくい。特に高標高地域では、空気が薄いため、アークの放熱が遅く、アークはさらに消滅され難くなる。高標高地域では日照が十分であるため、太陽光発電所プロジェクトによく選ばれる地域でもあり、効果的にアークの接触位置に対する融除を克服しなければならず、そうでない場合に、導電性及びヒューズの耐用年数に影響し、操作員の安全と生命を脅かすなどの不具合をもたらす恐れがある。直接挿抜する形態は割れ目から見て2つの割れ目を有し、2つの割れ目に割れ目の電圧が均等に印加され、操作速度から見ても割と速いため、回転可能に挿抜する形態のヒューズより優れ、2つの割れ目であっても、アークの燃焼の接触位置に対する影響は大きい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記問題を効果的に解決するため、本発明はヒューズを提供しており、上下を重ね合わす形態を採用してヒューズリンク担体内に上下に2つまたは複数のヒューズリンク、またはヒューズリンクと通電部との組合せが配置されており、1台の2つのヒューズリンクを有するヒューズに正、負の2組の導線を接続させることを実現し、正極ヒューズと負極ヒューズを分けて配置することなく、安全性を確保する前提において配電箱の空間利用率を大幅に向上させ、容易に漏電モジュール及びホールモジュールと嵌合することができる。また、ヒューズリンク担体がヒューズベースから抜き出されるとき、少なくとも4つの割れ目を同時に形成することができ、システムの安全性及び信頼性を大幅に向上させる。
【0007】
ヒューズベースと、ヒューズベース内に挿入されたヒューズリンク担体と、ヒューズリンク担体に設けられたヒューズ素子とを含むヒューズであって、
ヒューズベースは、片側に少なくとも2組の配線部材が設けられており、他側に少なくとも2組の配線部材が設けられており、前記両側の配線部材の位置は対応しており、ヒューズベースにさらに複数のベース接点が設けられており、各前記配線部材にいずれもその位置に対応するベース接点が接続されており、配線部材の間は互いに絶縁され、両側の対応する配線部材とそれに対応するベース接点とは上下が重ね合せられて設けられており、
ヒューズベース内に挿入されたヒューズリンク担体にヒューズ素子を載置するための少なくとも2組のキャビティが設けられており、キャビティは上下が重ね合せられて設けられており、ベース接点の位置に対応しており、ヒューズリンク担体がヒューズベースから抜き出されるとき、少なくとも4つの割れ目を同時に形成することができ、
前記ヒューズ素子の数は、少なくとも2つであり、ヒューズリンク担体のキャビティ内に設けられており、ヒューズリンク担体がヒューズベース内に挿入された後、ヒューズ素子はベース接点に電気的に接続される。
【0008】
さらに、前記少なくとも2つのヒューズ素子は、ヒューズリンク、ヒューズリンクと通電部との組合せ、又はヒューズリンクと通電ヒューズリンク部の組合せのいずれかであってもよい。
【0009】
さらに、前記ヒューズリンクは円柱形であり、その両端は導電体であり、中央部は絶縁体であり、内部に電流を通過させ且つ過電流溶断保護可能な可融コアが設けられており、前記通電部は円柱形であり、その両端は導電体であり、中央部は絶縁体であり、内部に電流を通過させるが溶断機能を備えない導体が設けられている。
【0010】
さらに、前記ヒューズベースの片側の配線部材は引入線端であり、他側の配線部材は引出線端である。
【0011】
さらに、前記ヒューズベースの側端面は平面状であり、隣接する2つの引入線端及び隣接する2つの引出線端はいずれも対角線状に配置され、引入線端及び引出線端の周辺にプラスチックリブ、切り欠きまたはプラスチックリブと切り欠きとの組合せが設けられている。
【0012】
さらに、前記ヒューズベースの側端面は階段状である。
【0013】
さらに、前記ベース接点は金属材製の接点本体及び弾性素子の2つの部分により構成されている。
【0014】
さらに、前記ヒューズリンク担体の一端に取っ手が設けられている。
【0015】
さらに、前記ヒューズリンク担体に少なくとも1つのヒューズ溶断指示装置が設けられている。
【0016】
さらに、前記ヒューズ素子の数は2つであり、ヒューズベース両側の配線部材はいずれも2組である。
【発明の効果】
【0017】
本発明の好適な効果は2つのヒューズリンクを有するヒューズを適用することで挿入と抜出が4つの割れ目を同時に生成することを実現することができ、アークの電圧を4つの接点に均等に分配し、アークの電圧及びアークのエネルギーを効果的に低減させ、ベース接点とヒューズリンクの接点をよりよく保護し、通常の単一ヒューズリンクを有するヒューズに比べて、各接点のアークのエネルギーは半減され、このような技術案は、直流1000Vを使用する場合、優位性が顕著に見られる。また、2つのヒューズリンクを有するヒューズは通常のヒューズの幅と一致し、2つの単一ヒューズリンクを有するヒューズに比べて幅が半減され、製造コスト及び操作の信頼性または体積からみて、単一ヒューズリンクを有するヒューズより優れている。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る実施例1の構造の概念図である。
【
図2】本発明に係るヒューズベースの側面構造の概念図である。
【
図3】本発明に係るベース接点の構造の概念図である。
【
図4】本発明に係るヒューズリンク担体の構造の概念図である。
【
図5】本発明に係るヒューズベースの構造の概念図である。
【
図6】本発明に係る具体的な実施例4の構造の概念図である。
【
図8】本発明に係るヒューズ指示装置の構造の概念図である。
【
図9】本発明に係るヒューズの取っ手位置のロック構造の概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
上記目的を実現するために、図面に合わせ、本発明の具体的な実施形態をさらに説明する。
【0020】
実施例1
図1−5に示すように、本実施例におけるヒューズはヒューズベース101、ヒューズリンク担体102、及びヒューズリンク103を含み、ヒューズベース101は絶縁プラスチック材料により作られたベースとカバーにより係合されてなり、内部に2組の引入線端201及び2組の引出線端202が設けられており、前記引入線端201と引出線端202は位置が対応しており、2組の位置が対応する引入線端201と引出線端202の組合せが形成されており、上下を重ね合わす形式で配置され、引入線端201と引出線端202との間は互いに絶縁し、ヒューズベース101の内部にさらに引入線端201及び引出線端202に対応する4つのベース接点203が設けられており、前記ヒューズリンク担体102は絶縁プラスチックにより製造され、上面に操作しやすい取っ手303が設けられており、ヒューズリンク担体102にさらに2つの上下を重ね合わせて配置されたヒューズリンク103を載置するためのキャビティ301があり、キャビティ301に挿入されたヒューズリンク103はヒューズリンク担体102がヒューズベース101に挿入される方向と垂直であり、互いに絶縁できるように一定な距離を維持し、キャビティ301の形状はヒューズリンク103の形状とマッチし、前記ヒューズリンク103は円柱形であり、ヒューズリンク103に対する操作員の交換、メンテナンスが便利であるように、キャビティ301のサイズはヒューズリンク103の外形よりわずかに大きい。キャビティ301に1箇所の突起302が設けられており、ヒューズリンク103をキャビティ301内に止め、ヒューズリンク103がヒューズリンク担体102から脱離することを防止する。ヒューズリンク担体102がヒューズベース101に挿入された後、ヒューズリンク103の両端は対応するベース接点203と接触して閉状態を形成し、ヒューズリンク担体102が抜き出された後、ヒューズリンク103の両端はヒューズリンク担体102がヒューズベース101内のベース接点203から脱離するにつれて、遮断状態を形成する。
【0021】
前記2つのヒューズリンクを有するヒューズにおいて、導電部品の間に十分の電気的間隔を設ける必要があり、即ち、2つの導電部品の間の最小間隔及び沿面距離を確保し、つまり、2つの導電部位の間に絶縁体表面に沿う最小距離である。UL489規格要求に基づき、両極端子の間の沿面距離は50.8mmより長くなければならない。逆極性非絶縁型帯電部品の間の最小距離は9.5mmである。これに対し、以下のような技術案を採用する。
【0022】
(1)ヒューズベース101の両側の引入線端201または引出線端202は対角線状に配置され、限られた体積内で最大の間隔を実現する。引出線端202を例とする場合、
図1に示すように、ヒューズベース101の両側の対向する位置に配置され、同極の間の電気的間隔は34mmに達し、異極の間の電気的間隔は31.7mmであり、挿抜する過程における最小電気的間隔は21.7mmである。UL規格に規定された9.5mmに比べて余裕量が12.2mm多くなる。
【0023】
(2)
図2に示すように、同じ側の引入線端201または引出線端202の間に複数のプラスチック絶縁壁(217、218、221)及び切り欠き219が設計され、限られた相対空間において最大の沿面距離を実現し、
図2に示すように、5つの高さが3.5mmに制限されたプラスチック絶縁リブが設けられ、リブ内側の底面216はプラスチック絶縁壁外部の底面220より0.5mm低く、下の配線端202に近接する上方の2つの絶縁壁218を有する側に切り欠き219が有り、引入線端201または引出線端202の周りに壁221が設けられ、成形プロセス及び強度に影響しない状況において、以上の技術案により沿面距離を限られた体積において最大化させ、ヒューズの内部において、極間に対しても特別に構造設計し、ヒューズベース101の同じ側のベース接点203の間にプラスチックリブ205が有り、ベース接点203の上方に隔離させるための直角状のプラスチックリブ204があり、両極間の安全沿面距離を確保し、抜き出しまたは挿入過程における電気的安全間隔を増やす。切り欠き及びプラスチック壁に対する合理的な配置を介して、同じ側の引入線端201または引出線端202の間の沿面距離が53mmに達し、UL規格に規定された50.8mmより大きい。
【0024】
ヒューズベース101は絶縁材料により作られ、前記引入線端201及び引出線端202にいずれも配線座206及び配線ネジ207が設けられており、前記ベース接点203に導電性に優れた銅材により作られた接点本体213及び弾性に優れた金属により作られた弾性素子209が設けられており、弾性素子209は接点本体213の後部に配置されており、接点本体213を支持する役割を果たし、接点の圧力を増やし、接触の信頼性を確保する機能も果たす。接点本体213の前端に開口212が有り、前記配線座206、配線ネジ207、接点本体213及び弾性素子209は配線機構を構成している。
図3に示すように、開口212は接点本体213の前端を2つに分割し、その1つの接触位置に2つの接点を持たせ、さらに接触の信頼性を向上し、前記上、下の対応する配線構造に接続される正極導線または負極導線は、L極またはN極であってもよい。ヒューズベース101内に共に4つのベース接点203が配置されている。
【0025】
ヒューズがオンとされる場合、ヒューズリンク担体102におけるキャビティ301内にヒューズリンク103が取り付けられ、ヒューズリンク103とともにヒューズベース101内に挿入される。操作員の誤操作を防止するために、ヒューズリンク担体102の中央部側にボス310が設けられており、逆方向挿入を防止するために、ヒューズベース101の中央部側にもそれと対応する溝208が設けられている。ヒューズリンク担体102がヒューズベース101に挿入されたとき、先に第1ヒューズリンク103の軸方向の2つの端面309は両側の第2組のベース接点203の円弧位置210と接触し、この場合、回路全体はオンされておらず、ヒューズリンク担体102は継続して挿入され、第1ヒューズリンク103の軸方向の2つの端面309は第2組のベース接点の円弧位置210を乗り超えて、第1組のベース接点の円弧位置211と接触し、同時に第2ヒューズリンクの軸方向の2つの端面308はベースに入って第2組のベース接点の円弧位置210と接触し、この場合、回路全体がオンされる。オンされる前に、アークが生成されるが、アークの大きさは回路全体の実際の電流電圧により決められ、電流電圧が高いほど、アークが大きく、アークによりヒューズベース接点203とヒューズリンク103との接触位置が融除されるため、接触不良となって、更に、ヒューズ全体を全焼してしまう。アーク融除の問題を解決するために、挿入速度及び挿入時の接点の数から改良しなければならない。挿入速度に対して従来のヒューズの操作方式により基本的に満足させることができるため、挿入接点の数から改良すればよい。本発明における2つのヒューズリンクを有するヒューズを適用することにより、挿入と抜き出しにおいて4つの割れ目があり、アークの電圧を4つの接点に均等に分配する。よって、アークの電圧及びアークのエネルギーを効果的に低減させ、ベース接点203とヒューズリンク103の接点をより良く保護し、通常の単一ヒューズリンクを有するヒューズに比べて、各接点のアークエネルギーは半減され、このような技術案は直流1000Vを使用する場合、優位性が顕著に見られる。また、2つのヒューズリンク103を有するヒューズは通常のヒューズと幅が同じであり、2つの単一ヒューズリンクを有するヒューズに比べて幅が半減され、製造コスト及び操作の信頼性または体積から見て単一ヒューズリンクを有するヒューズより優れている。2つのヒューズリンクを有するヒューズは漏電モジュール及びホールセンサーを有する1000Vの接続箱に適用された場合、配線及び配置においていずれも通常のヒューズより優れている。漏電モジュールは16組の計器用変成器と配線板が組合せられてなり、幅方向のサイズは16台のヒューズの幅と類似し、ホールセンサーも同じく、2つのヒューズリンクを有するヒューズを採用してそれに嵌合させ、直接接続され、多くの導線を使用して接続する必要がない。通常のヒューズの接続箱における配置は2つの部分に分けられ、一部は16台で正極に接続され、もう一部も16台で負極に接続され、2つの部分は合わせて32台である。このような形式により上記漏電モジュール及びホールセンサーを配置することは非常に複雑であるが、2つのヒューズリンクを有するヒューズはこの問題を解決でき、2つのヒューズリンクを有するヒューズはヒューズを正負極の2つの部分に分けて配置する必要なく、直接16台を1列に配置し、上面が漏電モジュール及びホールセンサーに直接接続され非常に便利である。
【0026】
実施例2
実施例1における2つのヒューズリンクを有するヒューズに対して、2つのヒューズリンクのいずれかを溶断機能を備えない通電部に置き換えることができ、具体的な実施形態は以下の通りである。通電部は円柱体であり、その両端は導電体501であり、中央部は絶縁体502であり、内部に電流を通過させることができるが溶断機能を備えない導体503が設けられている。溶断機能を備えない導体503は導電性に優れた銅線により作られ、有効導電断面積がヒューズリンクの可融コアより遥かに大きく、全体的内部抵抗がヒューズリンクより遥かに小さく、該金属線は絶縁体502の内部に配置され、両端は導電体金属キャップ501に導電するように接続され、導電体金属キャップ501は絶縁体502の両端に固定され、その外形サイズはヒューズリンクと基本的に一致し、ヒューズリンク103のようにヒューズリンク担体102の2つのキャビティ301のいずれか1つのキャビティに入れることができ、電流を通過させる役割を果たす。この実施案は通電部104を予めヒューズリンク担体内に形成させてもよく、通電部104をヒューズリンク103と一致する外形に製作する必要はなく、異形であるが、ヒューズリンク103のように両端に導電部位があればよい。通電部104は溶断機能を備えないため、メンテナンス及び交換を行う必要ない。よって、通電部104をヒューズリンク担体102におけるキャビティ301の2つのいずれか1つの位置に予め成形することができ、操作員はそのうちの1つのヒューズリンク103に対してメンテナンスすればよく、この実施例は以下のような好適な効果を有する。
【0027】
(1)ヒューズの内部抵抗を低減させる。ヒューズリンク103の原理は電流の熱効果により、ヒューズの温度を向上させるため、金属を融解し破裂させ、故障電流を遮断することである。このような技術案は、ヒューズの融点及び内部抵抗に対する要求が非常に高く、正確な過電流保護遮断時間を実現することに至り、一般的に内部抵抗が大きいため、通常使用するときでも放熱現象が発生する。このような場合は電気エネルギーに対する過度消耗をもたらすことになる。1台のヒューズ内のいずれかのヒューズリンク103を上記通電部104に置き換えると、そのヒューズの電力消費は大幅に低減され、ヒューズの電気エネルギーに対する消耗を効果的に低減させ、使用するときの放熱も低減させる。
【0028】
(2)ヒューズリンクのコストを節約する。ヒューズリンクは、絶縁管、両端の導電金属キャップ、金属ヒューズ、及び冷却に用いられる媒体(石英砂)を含み、通電部は上記と基本的に同じであり、通電部は溶断特性を備えないため、冷却媒体を填充する必要なく、その金属ヒューズは製造コストが低い銅線を採用して、製造コストを多大に低減させることができる。ユーザーの使用において、システムに頻繁に過負荷又は短絡が発生する可能性があるため、ヒューズリンクを頻繁に交換しなければならないが、該実施形態では、1つがヒューズリンクであり、1つが通電部であり、通電部は溶断されないため、一回に1つのヒューズリンクのみを交換すればよい。よって、ユーザーの使用コストを大幅に低減させることができる。
【0029】
実施例3
実施例2における通電部の技術案によれば、その通電部は定格電流が回路の定格電流より高い通電ヒューズリンク部であってもよく、通電ヒューズリンク部の定格電流は回路またはヒューズリンクの定格電流より4倍以上高い。通電ヒューズリンク部の定格電流がヒューズリンクより高い場合、その溶断電流もヒューズリンク103より高く、その内部抵抗はヒューズリンク103より低い。過負荷または短絡が発生する場合、通電ヒューズリンク部は先に溶断されることなく、正常電流においても放熱せず、電力消費も小さく、その効果は上記通電部と完全に同じである。配電システムにおけるヒューズリンクの段差調整(stage difference coordination)は、一般的に上位ヒューズの定格電流が下位ヒューズより1.6倍高ければオーバーライド溶断現象が発生しないが、段差調整は回路全体の抵抗、短絡電流の大きさ、環境温度などと緊密な関係を持ち、実際の使用において安全から見て、一般的に上位ヒューズの定格電流は下位ヒューズの定格電流より2〜3倍大きい。通電ヒューズリンク部が大きな短絡電流により溶断されないように、設計時より大きなマージンを設定し、同時に大量の段差調整試験によって検証されたため、通電ヒューズリンク部の定格電流はヒューズリンクより4倍高いように選択され、通常の作動において放熱することなく、短絡時に溶断されないことを確保する。
【0030】
上記2つの実施例において、2つのヒューズリンクを有するヒューズでも1つのヒューズリンク及び1つの通電部を有するヒューズでも、いずれもそれぞれの利点を有する。例えば、高い限界短絡電流を遮断する場合、2つのヒューズリンクを有するヒューズは1つのヒューズリンク及び1つの通電部を有するヒューズより優れており、特に太陽光直流発電システムにおいて、蓄電池の容量が特に大きい場合、短絡電流も非常に大きく、引いてはヒューズの定格短絡遮断能力に近接または超えることもあり、このような場合、1つのヒューズリンク及び1つの通電部を有するヒューズの技術案は1つの溶断点のみあり、2つのヒューズリンクを有するヒューズの技術案は2つの溶断点を有し、2つの溶断点を有する場合は遮断能力がさらに高く、ひいてはヒューズリンク自体の定格短絡遮断能力より高く、よってコストの節約から見て、1つのヒューズリンク及び1つの通電部を有する技術案が2つのヒューズリンクの技術案より優れている。高い遮断性能から見て、2つのヒューズリンクの技術案は1つのヒューズリンク及び1つの通電部を有する技術案より優れている。以上の技術案を介して2つのヒューズリンクを有するヒューズの発明を説明し、上記実施例の様々な変形例は異なる場合に適用され、高性能、高信頼性、低コストなどの利点を有し、更に空間を節約し、ヒューズの適用において進歩が顕著である。
【0031】
実施例4
図6に示すように、本実施例は交流3相回路または3相4線式回路に適用される複数のヒューズリンクを有するヒューズを提供し、具体的な実施形態は以下のとおりである。ヒューズベースの内部に3組または4組のヒューズベース接点203が設けられており、ヒューズリンク担体102に3つまたは4つのヒューズリンクを載置するキャビティ301が有り、ヒューズベース101の配線構造を載置する両側に3つまたは4つの階段231が有り、階段の内部に引入線端子201または引出線端子202及びヒューズベース接点203が設けられており、引入線端201または引出線端202は重ね合わす形態でヒューズベース101の階段231内に配置されており、取付面215に平行する3層または4層の階段231に、ドライバーを挿し込んで配線するための丸穴214が設けられており、配線構造は直線状に配置され、ヒューズの取付面215に最も近いベース接点203が最も長く、配線構造から最も離れており、このようにして、取付面215から最も離れているベース接点203は配線構造から最も近い。このような配置方式は3つ以上のヒューズリンクを有するヒューズの取付配線問題を解決し、複数ヒューズリンクを有するヒューズのヒューズリンク担体102の実施形態は実施例1に記載の2つのヒューズリンクを有するヒューズの実施形態に類似するが、異なる点は各組のヒューズベース接点203の間隔をそれほど大きく設置する必要がないことである。3つまたは4つのヒューズリンクを有するヒューズは主に交流400Vに適用され、沿面距離及び電気的間隔に対する要求が直流1000Vほど厳しくないためである。複数ヒューズリンクを有するヒューズの操作方式と実施例1に記載の2つのヒューズリンクを有するヒューズの操作方式及び過程は基本的に同じであり、ヒューズリンク担体102がヒューズベース101に挿入されたとき、先にヒューズリンク担体102における先端のヒューズリンク担体103がヒューズベース101に入り、両端はベース内の挿入口に最も近接するヒューズベース接点203と接触し、その後乗り越えて次の組のベース接点203と接触し、第1のヒューズリンク担体103が次の組のベース接点203と接触するとき、ヒューズリンク担体102における第2のヒューズリンク担体103は挿入口に最も近接するヒューズベース接点203と接触し、このようにして、ヒューズリンク担体103が底部まで挿入されるとき、第1のヒューズリンク担体103は底部に最も近接する組のヒューズベース接点203と接触するとともに、後の全てのヒューズリンク103の両端はいずれも対応するヒューズベース接点203と接触し、全ての回路が導通される。3つ以上のヒューズリンクを有するヒューズは、その幅が単一ヒューズリンクを有するヒューズの幅と等しく、長手方向と高さ方向において少々増加し、体積の節約またはヒューズの製造コストの節約から見ても大きく向上されている。
【0032】
上記実施例1−4をもとに、本発明の複数のヒューズリンクを有するヒューズは、さらに溶断指示装置を含み、主な作用はヒューズリンク103が溶断されたか否かを指示することである。
図8に示すように、溶断指示装置は抵抗315、発光ダイオード311、電子回路基板314、電力取得接触ばねシート313により構成され、絶縁プラスチック箱312に設けられ、又、箱がヒューズリンク担体102に固定され、抵抗315と発光ダイオード311とは直列接続により回路基板314に固定され、電力取得接触ばねシート313を介して回路全体をヒューズリンク103の両端に接続し、発光ダイオード311と抵抗315の直列接続での組合せとヒューズリンク103との並列接続を実現する。ヒューズリンク103が溶断された場合、溶断指示装置のばねシート313がヒューズリンク103の両端と電気的に接触するため、電流は抵抗315と発光ダイオード311を流れ、閉回路を形成し、発光ダイオード311が点灯する。ヒューズリンク103が正常に動作する場合、ヒューズリンク103の内部抵抗が発光ダイオード311と抵抗315の直列接続での組合せより遥かに小さいため、電流はヒューズリンク103のみを流れ、発光ダイオード311と抵抗315の組合せを流れず、発光ダイオード311が点灯しない。よって、ヒューズリンク103が溶断されたか否かを指示することを実現し、メンテナンス係がどのヒューズリンクが溶断されたかを正確に判断できるようにする。
【0033】
上記実施例1〜4によれば、本発明の指示装置は1組または複数組であってもよく、実施例1は2つのヒューズリンクを有するヒューズであり、この場合に2組の溶断指示装置を設置する必要がある。2組の溶断指示装置の実施形態は2つのヒューズリンク103の両端に電力取得接触ばねシート313が設けられ、電力取得接触ばねシート313が発光ダイオード311と抵抗315の直列接続での組合せをヒューズリンク103の両端に接続してヒューズリンク103との並列接続を実現するものである。実際の使用において2つのヒューズリンク103の溶断が回路の抵抗及びヒューズリンクの製造誤差などの要素で、過電流保護になってしまった際に2つのヒューズリンク103が同時に溶断されない可能性がある。該指示装置はそれぞれヒューズリンク103の両端に設けられて溶断されたヒューズリンクのみを指示できるものであるため、2つのヒューズリンク103がいずれも溶断された場合、2組の指示ランプはいずれも点灯する。該技術案はどのヒューズリンクが溶断されたかを具体的に判断することができ、このようにして、操作員に測位問題をよりよく注意喚起し、問題を迅速に解決することができる。
【0034】
実施例2、3による2つのヒューズリンクを有するヒューズがヒューズリンク103と通電部104との組合せを採用している場合に、該技術案は1組の溶断指示装置のみを使用して溶断機能を有するヒューズリンク103に並列接続させることで、溶断指示を実現することができる。通電部は溶断機能を備えないため、溶断指示装置を設置する必要がない。
【0035】
上記実施例1〜4によれば、本発明の複数のヒューズリンクを有するヒューズは、さらにヒューズリンク担体の「位置ロック機構」の構造を含み、該構造では、ヒューズベース101の一端に2つの突起部241が設けられており、突起部には丸穴242があり、ヒューズリンク担体102のパネル305に2つの穴と2つの穴の間を貫通する溝との特徴組合せ307が設けられており、ヒューズリンク担体102がヒューズベース101に挿入された後、ヒューズベース101における2つの突起部241はヒューズリンク担体102における2つの穴を貫通してヒューズリンク担体のパネル305から露出し、その後、露出されたヒューズベースの突起部241における2つの穴242に対して「位置ロック機構」を追加し、このとき、ヒューズリンク担体102はヒューズベース101内に強固に固定され、ロック機構は専用の鍵又はツールで解錠しなければならず、よって権限のない操作員による誤操作を防止する。
【0036】
本発明の複数のヒューズリンクを有するヒューズは、さらにヒューズリンク担体102の一端に設けられたパネルを含み、パネル305に人間工学に適合する操作取っ手303が設けられており、取っ手303はヒューズリンク担体102と一体的に成形され、ヘッド部が横方向の楕円であり、ヒューズリンク担体のパネル305に横方向の楕円に接続される「工」字形の構造が設けられており、接続部に滑らかな円弧面がある。横方向の楕円構造の外形は美しく且つ指先による握る形状により適合し、「工」字形の構造は限られた材料を使用する場合、応力強度をより高くより安定にし、「工」字形の構造両端の円弧は滑らかに接続され、外形の美しさを備えると同時に応力を分散させることもでき、強度を向上する役割がある。
【0037】
本発明の複数のヒューズリンクを有するヒューズは、ヒューズリンク担体のパネル305に設けられたラベルを挿入するための溝306をさらに含み、該溝306は蟻溝であり、ラベル用紙は蟻溝に挿入され、固定され外れ難い。この技術案は各ヒューズの番号を明瞭に表示することができ、操作員の管理及びメンテナンスにより便利である。