特許第6343744号(P6343744)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6343744
(24)【登録日】2018年5月25日
(45)【発行日】2018年6月13日
(54)【発明の名称】眼鏡
(51)【国際特許分類】
   G02C 5/14 20060101AFI20180604BHJP
【FI】
   G02C5/14
【請求項の数】10
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2018-22643(P2018-22643)
(22)【出願日】2018年2月12日
【審査請求日】2018年2月13日
【権利譲渡・実施許諾】特許権者において、実施許諾の用意がある。
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】599138054
【氏名又は名称】寺川 英太郎
(72)【発明者】
【氏名】寺川 英太郎
【審査官】 廣田 健介
(56)【参考文献】
【文献】 特開2011−002667(JP,A)
【文献】 特開2007−041460(JP,A)
【文献】 特開平11−326842(JP,A)
【文献】 特開2001−201721(JP,A)
【文献】 実開昭56−052723(JP,U)
【文献】 実開平06−084425(JP,U)
【文献】 実開昭60−051532(JP,U)
【文献】 特開2017−173398(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/086126(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02C 1/00−13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
眼鏡のテンプルの後端から後方に設けられた、頭髪に入り込んで地肌と接する後ろ押え部と、前記後端から前方下方へ傾斜して、もみあげを押える下前押え部とに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を設けた眼鏡。
【請求項2】
前記下前押え部が、もみあげに沿って櫛状に又は、又は、熊手状に広がる部材、又は、もみあげを輪状に押える部材である請求項1に記載の眼鏡。
【請求項3】
前記下前押え部は、前記テンプルに対して姿勢変更に又は、もみあげの凹部に嵌るように変形する可塑性を有する部材で形成されている請求項1又は2に記載の眼鏡。
【請求項4】
前記後ろ押え部が、側頭部に沿って櫛状又は、熊手状に広がる部材である請求項1に記載の眼鏡。
【請求項5】
前記テンプルは、前記後ろ押え部と前記下前押え部とに対して、上下方向に角度変更可能に結合されている請求項1から4の何れかに記載の眼鏡。
【請求項6】
前記後ろ押え部と前記下前押え部は、前記テンプルの後端において、水平方向に回転可能に又は、変更可能に形成されている請求項1から5の何れかに記載の眼鏡。
【請求項7】
前記後ろ押え部と前記下前押え部は、連結部を介して、前記テンプルの後端に連結され、該連結部が上下方向に角度変更可能に、及び/又は、前後方向に移動可能である請求項1から6の何れかに記載の眼鏡。
【請求項8】
前記連結部には、さらに、左右の前記テンプルの後端を架橋して、頭から顎の間を跨いで連結されて、前記眼鏡の回転モーメントを相殺する側頭挟持部が着脱自在に設けられている請求項7に記載の眼鏡。
【請求項9】
前記突起部及び前記後ろ押え部及び前記下前押え部及び前記側頭挟持部の材質がエラストマーからなることを特徴とする請求項1から8の何れかに記載の眼鏡。
【請求項10】
前記眼鏡に、ウエアラブル機器、ヒアラブル端末、花粉予防メガネ、耳つぼ押え具、マスク係止具、骨伝導補聴器の何れかが取り付けられている請求項1から9の何れかに記載の眼鏡。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、頭髪に入り込み地肌に接して保持され、装着感が良く、着脱が容易な眼鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、眼鏡はモダンを耳の耳介側頭溝に掛けて、鼻パッドを使用して装着しているので、レンズ部に取り付けた鼻パッドは、鼻に負担をかけている。近年、この鼻パッドを取り外した眼鏡が考案されている。この眼鏡を保持するために、保持部をこめかみや頬や頬骨弓部上に当接させて挟持しているが、これらは保持部だけで眼鏡を保持することはできない。また、こめかみや頬に当接した部分は変色して跡が残る。これらの方法で眼鏡を保持することを継続させるための構造には、さらなる改良を必要とする。
【0003】
この問題に対しては、特許文献1は、頬骨の凹み部分を押えるべく、眼鏡フレームのテンプル2の内側を突起させる構造であり、左右頬骨の後上の凹み部分にテンプル2の突起部分3aにソフトなラバー部材を使用して、皮膚が滑りにくくしている。しかし、顔の皺や弛みを伸ばすためであり、鼻パッドを取り外すことはできず、鼻への負担はなくせない。
【0004】
特許文献2は、左右のテンプルに頭側面の頬骨弓ないしその周辺一に接触係止させる舌状接触体を装着した構成である。しかし、頬骨の凹み部分は頭髪が密集しており、髪の毛は細くキューティクルにより滑りやすくクッションの役割をしている。そして、舌状接触体7は平面であり、人が普通に動作した場合や汗をかいた場合には、移動して作用効果は期待するほどなく眼鏡を保持できない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−257525号公報
【特許文献2】実願昭56−161615号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
眼鏡は、レンズや機器の重量が鼻や顔の柔らかい皮膚面を押圧し、鼻パッドや眼鏡の保持部が当接した部分は変色して跡が残る。また、眼鏡の保持部が外観から目立つ顔面や頭髪上にあり、そうした製品を長期間装着することが問題であることは変わらない。本発明は、こうした問題を解決しようとするもので、眼鏡の鼻や耳や顔への負担を軽減させて、デザイン性を良くするために、眼鏡の保持部を外観から目立ち難い側頭部に設ける。保持部が髪の間に分け入って地肌に接して確実に眼鏡を固定し、通気性の良い形状である。そして、着脱が容易であって装着感が良く、安定して長期間装着できる眼鏡を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
第1発明の眼鏡は、眼鏡のテンプルの後端から後方に設けられた、頭髪に入り込んで地肌と接する後ろ押え部と、前記後端から前方下方へ傾斜して、もみあげを押える下前押え部とに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を設けたことを特徴とする。
【0008】
第2発明の眼鏡は、第1発明において、前記下前押え部が、もみあげに沿って櫛状に又は、又は、熊手状に広がる部材、又は、もみあげを輪状に押える部材であることを特徴とする。
【0009】
第3発明の眼鏡は、第1又は2発明において、前記下前押え部は、前記テンプルに対して姿勢変更に又は、もみあげの凹部に嵌るように変形する可塑性を有する部材で形成されていることを特徴とする。
【0010】
第4発明の眼鏡は、第1発明において、前記後ろ押え部が、側頭部に沿って櫛状又は、熊手状に広がる部材であることを特徴とする。
【0011】
第5発明の眼鏡は、第1から第4発明の何れかにおいて、前記テンプルは、前記後ろ押え部と前記下前押え部とに対して、上下方向に角度変更可能に結合されていることを特徴とする。
【0012】
第6発明の眼鏡は、第1から第5発明の何れかにおいて、前記後ろ押え部と前記下前押え部は、前記テンプルの後端において、水平方向に回転可能に又は、変更可能に形成されていることを特徴とする。
【0013】
第7発明の眼鏡は、第1から第6発明の何れか発明において、前記後ろ押え部と前記下前押え部は、連結部を介して、前記テンプルの後端に連結され、該連結部が上下方向に角度変更可能に、及び/又は、前後方向に移動可能であることを特徴とする。
【0014】
第8発明の眼鏡は、第7発明において、前記連結部には、さらに、左右の前記テンプルの後端を架橋して、頭から顎の間を跨いで連結されて、前記眼鏡の回転モーメントを相殺する側頭挟持部が着脱自在に設けられていることを特徴とする。
【0015】
第9発明の眼鏡は、第1から第8発明の何れかにおいて、前記突起部及び前記後ろ押え部及び前記下前押え部及び前記側頭挟持部の材質がエラストマーからなることを特徴とする。
【0016】
第10発明の眼鏡は、第1から第9発明の何れかにおいて、前記眼鏡に、ウエアラブル機器、ヒアラブル端末、花粉予防メガネ、耳つぼ押え具、マスク係止具、骨伝導補聴器の何れかが取り付けられていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
第1発明の眼鏡によれば、眼鏡のテンプルの後端から後方に設けられた、頭髪に入り込んで地肌と接する後ろ押え部と、前記後端から前方下方へ傾斜して、もみあげを押える下前押え部とに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を設けているので、
【0018】
第2発明によれば、前記下前押え部が、もみあげに沿って櫛状に又は、又は、熊手状に広がる部材、又は、もみあげを輪状に押える部材であるので、もみあげの凹部に嵌り込み、地肌に接する長さを均等にした複数の突起部に隙間を設けることにより、挟持力が分散されて当接する痛さは緩和され装着感の良い眼鏡となる。
【0019】
第3発明によれば、前記下前押え部は、前記テンプルに対して姿勢変更に又は、もみあげの凹部に嵌るように変形する可塑性を有する部材で形成されているので、もみあげの凹部に確実に嵌るように調整できる。
【0020】
第4発明によれば、前記後ろ押え部が、側頭部に沿って櫛状又は、熊手状に広がる部材であるので、後ろ押え部に設けた突起部の地肌に接する長さを均等にして、隙間を設けることにより、側頭部への挟持力が分散されると共に痛さは緩和され、装着感の良い眼鏡となる。
【0021】
第5発明によれば、前記テンプルは、前記後ろ押え部と前記下前押え部とに対して、上下方向に角度変更可能に結合されているので、レンズの高さ調整が可能である。
【0022】
第6発明によれば、前記後ろ押え部と前記下前押え部は、前記テンプルの後端において、水平方向に回転可能に又は、変更可能に形成されているので、前記後ろ押え部と前記下前押え部とを、装着感の良い適宜の挟持力に調整できる。
【0023】
第7発明によれば、前記後ろ押え部と前記下前押え部は、連結部を介して、前記テンプルの後端に連結され、該連結部が上下方向に角度変更可能に、及び/又は、前後方向に移動可能であるので、レンズと目との間を示す角膜頂点間距離12mmの調整が可能であり、連結部は様々な種類の眼鏡のテンプルに取り付け可能である。また、レンズを上方に退避させることができる。
【0024】
第8発明によれば、前記連結部には、さらに、左右の前記テンプルの後端を架橋して、頭から顎の間を跨いで連結されて、前記眼鏡の回転モーメントを相殺する側頭挟持部が着脱自在に設けられているので、側頭挟持部の取り付け角度を変更して、適宜の位置で眼鏡に固定することにより、重い眼鏡であっても保持できる。
【0025】
第9発明によれば、前記突起部及び前記後ろ押え部及び前記下前押え部及び前記側頭挟持部の材質がエラストマーからなることにより、軽量で柔軟性を有しているので、様々な装着者の側頭部の形状に対応して、フィットさせることができる。
【0026】
第10発明によれば、前記眼鏡に、ウエアラブル機器、ヒアラブル端末、花粉予防メガネ、耳つぼ押え具、マスク係止具、骨伝導補聴器の何れかが取り付けられているので、眼鏡をかけた時にそれらの機器を使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】第1発明の実施例を示す斜視図、側面図である。
図2】第1発明の実施例を示す側面図、斜視図、上面図である。
図3】第2発明の実施例を示す側面図、斜視図である。
図4】第3発明の実施例を示す側面図、正面図である。
図5】第4発明の実施例を示す側面図、斜視図である。
図6】第5発明の実施例を示す側面図である。
図7】第6発明の実施例を示す側面図、上面図である。
図8】第7発明の実施例を示す側面図である。
図9】第8発明の実施例を示す側面図、正面図、側面図である。
図10】第10発明の実施例を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明に係る眼鏡の実施形態の例を、様々な眼鏡を例にして図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0029】
図1(a)は第1発明の眼鏡本体を示す一実施形態の斜視図であり、テンプル2の後端から後方に設けられた、頭髪に入り込んで地肌と接する二本の後ろ押え部4−1、4−2と、テンプル2の後端から前方下方へ傾斜して、もみあげ1を押える下前押え部3とに、地肌と接する箇所に複数の突起部6を設けたことを示している。図1(b)は第1発明の眼鏡本体を人がかけた状態を示す一実施形態の側面図である。下前押え部3に取り付けた突起部6が、被装着者のもみあげ1の中にある頬骨弓部15上の凹部14に入り込んで地肌に接している。さらに、二本の後ろ押え部4−1、4−2に取り付けた突起部6が頭髪に入り込んで、側頭部を挟持した状態を示している。これらの図において、第1発明の眼鏡は、眼鏡のテンプル2の後端から後方に設けられた、頭髪に入り込んで地肌と接する後ろ押え部4と、前記後端から前方下方へ傾斜して、もみあげ1を押える下前押え部3とに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部6を設けたことを特徴としている。
【0030】
眼鏡をかけた時、テンプル2の後端に設けた下前押え部3は、耳の前方の位置にある。後ろ押え部4−1は耳の後ろを押えて従来のモダンと同様の作用効果がある。後ろ押え部4−2は後ろ押え部4−1と間隔を開けて後方上方に伸びている。これらの押え部が三方向に分かれ、突起部6が髪の間に分け入って、地肌に接して眼鏡を保持する作用効果があるので、確実に眼鏡を保持できる。側頭部には、髪の毛が生えているので、髪の毛の多い人はそれら押え部を隠すことができる。特に女性の場合、外観から眼鏡を保持している方法が見えないので、眼鏡だけがスッキリして見える。
【0031】
図2(a)は第1発明の突起部6が先端を丸くした高さ3mm直径3mmの円筒形で隙間を開けて、下前押え部3の全面に取り付けられ、テンプル2の後端から後方上方に曲げた一本の後ろ押え部4に隙間を開けて二列にした突起部6を設けたことを示す一実施例の側面図である。図2(b)は後ろ押え部4−2を二股に分け三本の後ろ押え部4に突起部6を設けたことを示す一実施例の側面図である。図2(c)は従来のモダンと同様の形状にした後ろ押え部4に突起部6を取り付けたことを示す一実施例の側面図である。後ろ押え部の形状は被装着者の頭髪の量や生え方によって、様々な形状にして対応することができる。
【0032】
図2(d)は第1発明の突起部6の形状を、高さ6mm、直径3mmの円筒形にして、3mmの隙間を開けて円形状に配置して、下部の突起部6を外側下方に傾斜させて設けたことを示す一実施例の斜視図である。突起部6の先端が凹部14の下端に掛かり下方に落ちにくくなる。本発明の突起部6の取り付け角度は限定しない。図2(e)は1mmの棒21に突起部6を取り付けたことを示す一実施例の斜視図であるりる。1mmの棒21の材質は、鉄、ステンレス、チタンなどの弾力性を有する材質が良い。図2(f)は第1発明の下前押え部3に設けた突起部6の形状を、先端を丸くした円錐体19にしたことを示す一実施例の斜視図である。先端が丸いので痛さは感じない。図2(g)は突起部6の先端にラバー材20を設けた下前押え部3を示す一実施例の上面図である。突起部6の先端部に設ける滑らない部材、粘着性の部材として、シリコン、ウレタン、アクリルなどのラバー材20を使用することで地肌への密着度が向上する。また、突起部6には隙間を設けているので、通気性が良く地肌に汗をかいても蒸れを予防できる。突起部6が地肌に接しても髪の毛が緩衝材となり、接触痕が残ることはない。
【0033】
第1発明の眼鏡に取り付けた下前押え部3や複数の後ろ押え部4−2は、耳より外側に突出することなく、テンプル2と平行して取り付けたシンプルな形状である。眼鏡を着脱する時は、従来の眼鏡のかけ方と同様に、左右のテンプル2を持ち、後ろ押え部4を少し外側に開けた状態で側頭部の地肌に沿わせながら、下前押え部3が頬骨弓部15上の凹部14に嵌る位置まで後方に押し込めば良い。髪の毛に絡むことはなく着脱は容易である。
【0034】
本発明で言う眼鏡は、老眼鏡、度付きメガネ、TV・映画用3Dメガネ、伊達メガネ、サングラス、保護メガネ、拡大鏡を付けたメガネ、ライトを付けたメガネ、カメラを付けたメガネ、剣道用メガネ、スクリーンに表示される画像を観察するための画像観察用メガネ、拡張現実(AR)機能を備えたメガネ、手術用メガネ等である。
【0035】
以下の図では、第1発明の構成部分と同様な部分については、その説明を省略又は簡略化し、第1発明と異なる部分の実施形態について説明する。
【実施例2】
【0036】
第2発明の眼鏡は、前記下前押え部3が、もみあげ1に沿って櫛状8に又は、又は、熊手状9に広がる部材、又は、もみあげ1を輪状10に押える部材であることを特徴としている。
【0037】
図3(a)は第2発明の櫛状8の下前押え部3に突起部6を設けたことを示す一実施例の側面図であり、地肌に接するまでの長さを均等にした複数の突起部6を、櫛状8に設けることにより、隙間に髪の毛が入り易くなり地肌に接し易くなる。図3(b)は突起部6が櫛状8に設けた棒21に取り付けられたことを示す一実施例の斜視図であり、櫛状8に設けた1mmの棒21を使用することで隙間の間隔が広くなり、髪の毛が隙間に入り込み眼鏡が保持される。図3(c)は第2発明の熊手状9の下前押え部3に突起部6を設けたことを示す一実施例の側面図であり、熊手状9の隙間に髪の毛が入り易くしている。図3(d)は突起部6が熊手状9に設けた棒21に取り付けられたことを示す一実施例の斜視図である。熊手状9に設けた1mmの棒21を使用することで隙間が広くなり、髪の毛が隙間に入り込み眼鏡が保持される。
【0038】
図3(e)は第2発明の下前押え部3が大中小三個の輪状10で形成され、輪状10と同一幅で地肌に接するまでの長さを均等にした突起部6を取り付けたことを示す一実施例の側面図である。大中小の輪状10の間と突起部6の間の隙間によって、通気性の良い下前押え部3となる。図3(f)は輪状10に設けた1mmの棒21に突起部6を取り付けたことを示す一実施例の斜視図である。被装着者のもみあげ1の中の凹部14に嵌る小型の下前押え部3であって、装着感は良く眼鏡を確実に保持できる。
【実施例3】
【0039】
第3発明の眼鏡は、前記下前押え部3は、前記テンプル2に対して姿勢変更に又は、もみあげ1の凹部14に嵌るように変形する可塑性を有する部材11で形成されていることを特徴としている。
【0040】
図4(a)は第3発明の下前押え部3に関節16を設け、下前押え部3が回動することを示す一実施例の側面図である。図4(b)は矢印が示すように、下前押え部3が内側に姿勢変更できることを示す一実施例の正面図である。下前押え部3の突起部6の先端が、確実に被装着者の凹部14に嵌るように調整が可能である。図4(c)は第3発明の下前押え部3に可塑性を有する部材11を設け、下前押え部3が変形することを示す一実施例の側面図である。図4(d)は矢印が示すように、下前押え部3が内側に変形することを示す一実施例の正面図である。下前押え部3の突起部6の先端が、確実に被装着者の凹部14に嵌るように調整が可能である。
【実施例4】
【0041】
第4発明の眼鏡は、前記後ろ押え部4が、側頭部に沿って櫛状8又は、熊手状9に広がる部材であることを特徴としている。
【0042】
図5(a)は第4発明の後ろ押え部4の形状が櫛状8であることを示す一実施例の側面図である。複数の後ろ押え部4が平行に設けられているので、髪の毛の多い人も頭髪の中に入り易く、地肌に接する突起部6の数が多く安定して眼鏡を保持できる。図5(b)は後ろ押え部4の形状が熊手状9であることを示す一実施例の側面図である。複数の後ろ押え部4が後方に広がって設けられているので、髪の毛の多い人も頭髪の中に入り易く、地肌に接する突起部6の数が多く安定して眼鏡を保持できる。図5(c)は突起部6が櫛状8に設けた1mmの棒21に取り付けられたことを示す一実施例の斜視図であり、1mmの棒21の隙間の間隔が広くなり、髪の毛が隙間に入り込んで髪の毛によっても保持できる。図5(d)は突起部6が熊手状9に設けた1mmの棒21に取り付けられたことを示す一実施例の斜視図であり、1mmの棒21の隙間の間隔が広くなり、髪の毛が隙間に入り込んで髪の毛によっても保持できる。。
【実施例5】
【0043】
第5発明の眼鏡は、前記テンプル2は、前記後ろ押え部4と前記下前押え部3とに対して、上下方向に角度変更可能に結合されていることを特徴としている。
【0044】
図6(a)は第5発明の角度変更可能にするために、関節16をテンプル2の後端に設け、後ろ押え部4と一体化した下前押え部3を、上下方向に回動可能に取り付けたことを示す一実施例の側面図である。テンプル2の後端に関節16を取り付け、一定以上の力でテンプル2を動かして、微妙に上下に移動するレンズ部の位置を修正することが可能である。図6(b)はテンプル2と一体化した後ろ押え部4と下前押え部3とを連結する位置に、角度変更可能にするために可塑性を有する部材11を設けたことを示す一実施例の側面図である。適宜の上下方向の角度及びねじれの修正ができる。
【実施例6】
【0045】
第6発明の眼鏡は、前記後ろ押え部4と前記下前押え部3は、前記テンプル2の後端において、水平方向に回転可能に又は、変更可能に形成されていることを特徴としている。
【0046】
図7(a)は第6発明の後ろ押え部4−1、4−2と下前押え部3に関節16を設け、水平方向に回転可能にしたことを示す一実施形態の側面図であり、図7(b)は 図7(a)の上面図である。矢印が示すように、一定以上の力で後ろ押え部4−1、4−2と下前押え部3を動かして、側頭部の地肌に接する押し圧力を、適宜の強さに調整することが可能である。身体を激しく動かす時や仕事をしている時など、眼鏡の使用状況に応じて最適な押し圧に変更することで、長時間良好な装着感を維持することができる。図7(c)は第6発明の後ろ押え部4−1、4−2と下前押え部3を、水平方向に変更可能にするために、テンプル2との連結部分に可塑性を有する部材11を使用し、一定以上の力で曲げることにより、水平方向や若干のねじれを簡単に修正することが可能であることを示す一実施形態の上面図である。
【実施例7】
【0047】
第9発明の眼鏡は、前記後ろ押え部4と前記下前押え部3は、連結部12を介して、前記テンプル2の後端に連結され、該連結部12が上下方向に角度変更可能に、及び/又は、前後方向に移動可能であることを特徴としている。
【0048】
図8(a)は眼鏡のテンプル2に、第9発明の連結部12を取り付けたことを示す一実施形態の側面図であり、テンプル2を連結部12の中心部に、テンプル2と平行に設けた隙間に挟み込み、ネジ18を締め付けて眼鏡を固定している。連結部12をテンプル2に連結する形態は限定しない。様々なテンプル2に連結、分離可能な形状にすることにより、すべての眼鏡に連結部12が取り付け可能になる。図8(b)は第9発明の連結部12に関節16を取り付け、連結部12が後ろ押え部4と下前押え部3に対して、矢印が示すように上下方向に回動可能に取り付けられたことを示す一実施形態の側面図である。関節16は一定以上の力で回動するように取り付けている。
【0049】
図8(c)は矢印が示すように、眼鏡が上下方向に回動可能であることを示す一実施形態の側面図である。レンズ部の高さ調整が可能となる。また、眼鏡を上方に回動させて前頭部上に退避させることもできる。図8(d)は矢印が示すように、第9発明の連結部12に嵌め込んだテンプル2が前後方向に移動可能であることを示す一実施形態の側面図である。連結部12のネジ18を緩めてテンプル2を前後方向に移動させ、下前押え部3が被装着者の頬骨弓部15上の凹部14の位置に正確に嵌まるように位置調整が可能となる。これにより、被装着者が常用している眼鏡のテンプル2に取り付けた場合、鼻に負担のかからない装着感の良い眼鏡に改良できる。連結部12をテンプル2に移動可能に取り付ける形態は限定しない。
【実施例8】
【0050】
第8発明の眼鏡は、前記連結部12には、さらに、左右の前記テンプル2の後端を架橋して、頭から顎の間を跨いで連結されて、前記眼鏡の回転モーメントを相殺する側頭挟持部13が着脱自在に設けられていることを特徴としている。
【0051】
図9(a)は第8発明の側頭挟持部13−1〜5を連結部12に設けたことを示す一実施形態の側面図である。側頭挟持部13−1〜5を取り付けることにより、重い眼鏡の回転モーメントが相殺できる。側頭挟持部13−1は顎17に接して回転モーメントを相殺している。側頭挟持部13−2は目の上の位置の顔面に接しないように連結している。これによって、レンズやディスプレイなどが取り付けられる。側頭挟持部13−3は前頭部を跨いで設けているので、前頭部の髪の毛で隠すことができる。側頭挟持部13−4は上頭部を跨いで連結しているので、挟持する力が左右に分割され、左右のバランスを良くして上頭部や側頭部にフィットする。側頭挟持部13−5は後頭部を跨いで設けている。これらの側頭挟持部13−1〜5は眼鏡以外の使用目的に応じた機器などの挟持力の補助ができる。
【0052】
図9(b)は第8発明の前頭部を跨いで設けている側頭挟持部13−3の端部を、眼鏡のテンプル2の後端部に連結部12を介して設けることにより、ブリッジのない眼鏡にできることを示す一実施形態の正面図であり、図9(c)は図9(b)の側面図である。側頭挟持部13−3が前頭部を跨いで連結しているので、女性の場合は前方から側頭挟持部13−3をかけると、髪の毛の上からヘアーバンドのように見える。男性の場合も髪の毛の中に隠れる。
【0053】
図9(d)は第8発明の後頭部を跨いで設けている側頭挟持部13−5の端部を、眼鏡のテンプル2の後端部に連結部12を介して設けることにより、ブリッジのない眼鏡にできることを示す一実施形態の正面図であり、図9(e)は図9(d)の側面図である。側頭挟持部13−5の端部を連結部12に連結させ、後頭部を跨いで設けているので、前後、左右方向のバランスが良く眼鏡を保持できる。側頭挟持部13−1〜5の材質は弾性体で形成され、長期間継続して使用できるように、適宜の強さや長さに調整することができる。連結部12に設けた関節16により側頭挟持部13−3、13−5の取り付け角度の調整が可能である。
【実施例9】
【0054】
第9発明の眼鏡は、前記突起部6及び前記後ろ押え部4及び前記下前押え部3及び前記側頭挟持部13の材質がエラストマーからなることを特徴としている。
【0055】
第1発明の突起部6の材質がエラストマーであることにより、適宜の柔軟性で地肌に接するのでフィット感が良く固定できる。人肌のように柔軟な部材であるエラストマーゲル状ウレタンを用いても良い。また、肌の温度で変形する樹脂も適している。後ろ押え部4及び下前押え部3の材質がエラストマーであることにより、柔軟性に優れた後ろ押え部4及び下前押え部3は、被装着者の側頭部に合わせて、適宜の挟持力で接するので、フィット感が良い。後ろ押え部4及び下前押え部3に金属芯を挿入した場合、所定の形状を維持することができる。側頭挟持部13の材質がエラストマーであることにより、柔軟性に優れた側頭挟持部13は被装着者の頭から顎の間の適宜の位置を跨いで、適宜の挟持力で当接するので、フィット感が良い。
【0056】
本発明の突起部6及び後ろ押え部4及び下前押え部3及び側頭挟持部13の材質は、シリコンゴム、合成ゴム、天然ゴム、ウレタンゴム、フッ素ゴムなどの熱硬化性エラストマーである。また、熱可塑性エラストマーとして、スチレン系、塩ビ系、オレフィン系、ウレタン系、アミド系などがある。熱可塑性樹脂としては、アクリル樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、テフロン、AS樹脂、ポリアミド、ポリアセタール、ポリエチレン、ポリエステル等である。
【実施例10】
【0057】
第10発明の眼鏡は、前記眼鏡に、ウエアラブル機器30、ヒアラブル端末32、花粉予防メガネ36、耳つぼ押え具34、マスク係止具37、骨伝導補聴器38の何れかが取り付けられていることを特徴としている。
【0058】
図10(a)は眼鏡に第10発明のウエアラブル機器30を取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。テンプル2にバッテリーや通信機器を取り付け、レンズ部にディスプレイ31を設けて重さが加わった場合でも、もみあげ1を押える下前押え部3と後ろ押え部4により安定して保持し、ウエアラブル機器として使用可能である。図10(b)は第10発明のメガネ型の重いウエアラブル機器30を取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。テンプル2に連結部12を介して、顎を跨いでいる第8発明の側頭挟持部13−1を、矢印が示すように、良い角度に当接させるために関節16を設けて回動可能にしている。重いウエアラブル機器30であっても、側頭挟持部13−1が回転モーメントを相殺し、下前押え部3と後ろ押え部4とにより保持できる。髪型を乱さず前面からウエアラブル機器30をかけることができる。図10(c)はレンズ部と顔面の間に花粉予防メガネ36を取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。隙間をなくして目を保護することができる。また、鼻に乗せることなくかけることができる。図示しないが、レンズ部に花粉予防メガネ36を直接取り付けることもできる。
【0059】
図10(d)は眼鏡に第10発明のヒアラブル端末32を下前押え部3に取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。下前押え部3内にバッテリーや通信機器を内蔵し、下前押え部3とイヤホン33を連結すれば、イヤホン33は外れにくくなる。操作ボタンも使いやすい耳も横にある下前押え部3に取り付けができる。図10(e)は第10発明の耳つぼ押え具34を下前押え部3に取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。下前押え部3から支持棒を耳珠35まで延設し、耳珠35の中にある耳つぼの起点を刺激することで耳つぼ効果がある。耳周辺にある他の耳つぼを押えることも可能である。
【0060】
図10(f)は第1発明の後ろ押え部4の下端に沿って溝を設け、この溝にマスクの紐が入り込むマスク係止具37を取り付けたことを示す一実施形態の側面図である。マスクの紐をマスク係止具37にかけることにより、長時間マスクをかけた時、耳の痛さが緩和される。図10(g)は第1発明の下前押え部3と後ろ押え部4に第10発明の骨伝導補聴器38を着脱自在に設けたことを示す一実施形態の側面図である。眼鏡に付けているので、眼鏡をかけている時に使用できる。以上のように、突起部6を設けた下前押え部3と後ろ押え部4は保持力が強く安定しているので、記載していない取り付け可能なサイズ、重さの製品を取り付けて便利に使用できる眼鏡である。
【符号の説明】
【0061】
1 もみあげ
2 テンプル
3 下前押え部
4 後ろ押え部
6 突起部
8 櫛状
9 熊手状
10 輪状
11 可塑性を有する部材
12 連結部
13 側頭挟持部
14 凹部
15 頬骨弓部
16 関節
17 顎
18 ネジ
19 円錐体
20 ラバー材
21 棒
30 ウエアラブル機器
31 ディスプレイ
32 ヒアラブル端末
33 イヤホン
34 耳つぼ押え具
35 耳珠
36 花粉予防メガネ
37 マスク係止具
38 骨伝導補聴器
【要約】
【課題】
眼鏡の鼻や耳や顔への負担を軽減させて、デザイン性を良くするために、眼鏡の保持部を外観から目立ち難い側頭部に設ける。保持部が髪の間に分け入って地肌に接して確実に眼鏡を固定し、通気性の良い形状である。そして、着脱が容易であって装着感が良く、安定して長期間装着できる眼鏡を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
眼鏡のテンプルの後端から後方に設けられた、頭髪に入り込んで地肌と接する後ろ押え部と、前記後端から前方下方へ傾斜して、もみあげを押える下前押え部とに、髪の間に分け入って地肌に接する複数の突起部を設けた構成である。
図1
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