【実施例1】
【0020】
本発明のレリースワイヤと機器部の連結構造は、例えば洗面ボウルや台所のキッチンシンク、浴室、などの槽体Sの排水口Kに備えられた弁体Bを、遠隔的に操作して開閉することができる遠隔操作式排水栓装置に用いられるものである。
本実施例の遠隔操作式排水栓装置に用いられるレリースワイヤと機器部の連結構造は、
図6に示すような洗面ボウルに取り付けられる。
本実施例の遠隔操作式排水栓装置に用いられるレリースワイヤと機器部の連結構造は、
図1の(a)(b)及び
図6に示すように、槽体Sと、排水口Kと、排水管Hと、弁体Bと、機器部4としての操作部41と、レリースワイヤ1と、アウターエンド2と、係合部6と、から構成される。
槽体Sは、箱体であって、底部に後記する排水口Kが開口される。又、本実施例では、洗面ボウルが槽体Sである。
排水口Kは、槽体Sの底部に開口された孔であって、排水口Kには、最終的には下水管と接続される排水管Hが接続されていて、内部に封水を構成して下水からの臭気や異臭を室内側へ逆流させないように排水トラップなどを介して配管し、槽体S内部の排水を下水管へと排水するよう配管されている。
弁体Bは、排水口Kに配置され、弁体Bが上下動する毎に排水が排水/止水できるように成っている。弁体Bが排水口Kに降下して着座すれば排水口Kは閉口されて、排水は下水へと排水されず槽体S内に貯水され、弁体Bが上昇した際は排水口Kが開口される。また、後記する機器部4としての操作部41の操作により弁体Bが上昇/下降し、排水口Kの開閉を行うことが出来る。
操作部41は、
図1に示すように機器部4として用いられ、操作軸42と、本体部43と、保持機構部44(図示せず)と、から構成される。
操作軸42は、槽体Sの上縁部に配置構成される部材であって、先端にツマミを有した軸棒から成り、当該操作軸42は、槽体S上縁部分を介して槽体Sの裏面に上下動自在に貫通し、さらに操作軸42下端は後記する本体部43内に収納される。操作部41の操作軸42を使用者が上下動させることにより、レリースワイヤ1が進行/後退して弁体Bを上下動させることができ、遠隔的に操作することができる。
本体部43は、槽体S表面から裏面にかけて貫通して構成される筒体であって、操作軸42と上下動自在に連結して配置される。本体部43の上端は操作軸42が進退自在に配置される。また、本体部43外周面には、後述するアウターエンド2の係合部6と係合するための係合部6としての凹状の切り溝がツメ受け部61として構成される。
保持機構部44は、図示しないが、本体部43内部に収納され、インナーワイヤ11の進退を保持/保持解除する部材である。本実施例では、ボールペンなどに用いられるスラストロック機構を備える。以上の構成要素で操作部41を構成する。
レリースワイヤ1は、一方を機器部4としての操作部41に、他方の端部を弁体B側に連結接続して成り、インナーワイヤ11と、アウターチューブ12と、フランジ部121と、ロッド部111と、から構成される。
インナーワイヤ11は、金属の圧縮コイル状からなり、後記アウターチューブ12内に進退自在に内包されている。
アウターチューブ12は、円筒状の可撓性を有した例えば四フッ化エチレンなどを用いた樹脂製の管体からなり、内部にインナーワイヤ11を進退自在に内包している。
フランジ部121は、機器部4側のアウターエンド2端部に、鍔状に外側方向に向けて凸出して構成される。当該フランジ部121は、アウターチューブ12に対して一体成形で構成されてもかまわないし、フランジ部121自体をアウターチューブ12に圧入固定若しくはインサート成形しても構わない。
ロッド部111は、インナーワイヤ11の操作部41側端部にカシメ固定される部分であり、インナーワイヤ11の進退動作を保持機構部44に作用させるように構成されている。ロッド部111は保持機構内に配置されるように成っている。
アウターエンド2は、
図1に示すように、中央部分にレリースワイヤ1挿通用の孔が開口される円筒状の部材であって、内周面に係合部6を構成する。当該係合部6は、前記機器部4(操作部41)の本体部43外周に構成した係合部6であるツメ受け部61に係合するツメ部62から構成される。当該ツメ部62は、アウターエンド2の内周から内方向に向かって飛び出すツメであって、弾性を付与する為に、ツメの両サイドにはスリットが構成されている。また、アウターエンド2のレリースワイヤ1挿通用の孔はレリースワイヤ1が挿通され、レリースワイヤ1のフランジ部121が係止するように構成されている。
係合部6は、
図1に示すように、前記機器部4としての本体部43とレリースワイヤ1を連結するために弾性係合させる構成要素であって、本実施例では、前述したように本体部43外周面に構成したツメ受け部61と、アウターエンド2内周に構成したツメ部62から成る。両者は、連結時に、ツメ部62がスリットにより弾性で拡径し、ツメ受け部61の凹溝部分で弾性により縮径する。このツメ部62が、ツメ受け部61で縮径することで、両者は弾性係合し、連結することが出来る。
【0021】
本実施例のレリースワイヤと機器部の連結構造は以下のように施工される。
予め、工場では以下のようにレリースワイヤ1を組みあげていく。
アウターチューブ12をアウターエンド2のレリースワイヤ1挿通用の孔に挿通しておき、アウターチューブ12にフランジ部121を圧入する。尚、本実施例ではプラスチック製のフランジ部121をアウターチューブ12に圧入してフランジ部121を構成しているが、例えば、アウターチューブ12とフランジ部121を、一体的に構成したり、インサート成形したり、また、フランジ部121を金属製にしたりなどの設計変更は可能である。
そして、インナーワイヤ11をアウターチューブ12内に挿通し、ロッド部111をインナーワイヤ11にカシメ固定する。そして、弁体B側のインナーワイヤ11の端部のロッド部111もカシメ固定しておき、レリースワイヤ1の工場での組立は完了する。
次に、施工現場での施工手順を説明する。
機器部4である操作部41を槽体Sに取付け、槽体Sの排水口Kに排水管H及び排水トラップを配管する。その後、排水口Kの、弁体B側に構成されている、遠隔操作式排水栓装置の弁体B部側端部にレリースワイヤ1を接続する。その後、
図1(a)のように、レリースワイヤ1の操作部41側端部(つまり、アウターエンド2が接続されている端部側)を操作部41端部に突き当てる。このとき、インナーワイヤ11のロッド部111が操作部41内に配置されるよう操作部41の本体部43に挿入し、アウターチューブ12のフランジ部121が操作部41の本体部43端部に当接するように突き当てる。その後、アウターエンド2を機器部4である操作部41側へスライドさせ、
図1(b)のように係合部6であるアウターエンド2のツメ部62を、これもまた係合部6である本体部43外周のツメ受け部61に弾性係合させる。そうすると、フランジ部121をアウターエンド2と機器部4(本体部43)の間に介在させて挟むように配置固定される。結果的に、レリースワイヤ1のフランジ部121は操作部41(機器部4)に接続されるが、接続する際に従来のようにネジ螺合で回転によって取り付けずに弾性係合によって取り付けるので、アウターチューブ12に回転の力が付与されずに接続されるので、アウターチューブ12の故障や破れが無くなる。
また、本実施例ではフランジ部121は機器部4とアウターエンド2に介在されている為、アウターチューブ12は機器部4に対して回転可能に接続されることとなる。従って、アウターエンド2と機器部4の接続後に、アウターチューブ12が捩れたりねじれたりすることでアウターエンド2に回転の応力が伝達することがなく、アウターエンド2のツメ部62に余計な負荷が加わったりすることがないので、係合部6の破損を防ぐことが出来る。
また、施工手順についても、機器部4に対してレリースワイヤ1のフランジ部121を突き当て、アウターエンド2を機器部4に差し込むだけで係合部6が弾性係合し、ワンタッチで連結できる。従って、施工性が向上した。
【0022】
上記実施例のレリースワイヤと機器部の連結構造は以下のような排水の流れとなる。
槽体Sの排水口Kの弁体Bが下降している際に、操作軸42を押動すると、レリースワイヤ1のインナーワイヤ11が操作軸42の押動に対応し前進する。このとき、レリースワイヤ1に内蔵された付勢スプリング5(図示せず)は圧縮される。そうすると、レリースワイヤ1は弁体B側に連絡されているので、インナーワイヤ11の前進に伴い弁体Bが押し上げられ上昇する。この状態時に、本体部43内の保持機構部44が働き、インナーワイヤ11の前進量を保持することとなり、弁体Bの上昇が保持されることによって槽体Sの排水口Kが開口され、槽体S内の排水が排水口Kから排水管H、排水トラップを介して下水管へと排水される。また、この状態から操作軸42を押動すると、インナーワイヤ11が少量前進し、本体部43内の保持機構部44のインナーワイヤ11の保持が解除され、インナーワイヤ11が前進した分だけ圧縮された付勢スプリング5が保持機構部44の解除に伴い圧縮が解除され、当該圧縮解除の付勢によりインナーワイヤ11が後退する。そうすると、インナーワイヤ11の後退に併せて弁体Bも自重により下降するため、弁体Bが排水口Kに着座し、排水口Kを閉口することができる。この状態においては、排水口Kが閉口される為、槽体S内部に水を貯水することができる。尚、これ以降は操作部41の押動操作により上記の弁体Bの開閉作用が繰り返されることとなる。
【実施例2】
【0023】
以下に第二実施例のレリースワイヤと機器部4連結構造の実施例を、図面を参照しつつ説明する。本発明のレリースワイヤと機器部の連結構造は、例えば洗面ボウルや台所のキッチンシンク、浴室、などの槽体Sの排水口Kに備えられた弁体Bを、遠隔的に操作して開閉することができる遠隔操作式排水栓装置に用いられるものである。
本実施例の遠隔操作式排水栓装置に用いられるレリースワイヤ1と機器部4の連結構造は、
図6に示すような洗面ボウルに取り付けられる。
本実施例の遠隔操作式排水栓装置に用いられるレリースワイヤ1と機器部の連結構造は、
図2(a)乃至(c)及び
図6に示すように、槽体Sと、排水口Kと、排水管Hと、弁体Bと、機器部4としての操作部41と、レリースワイヤ1と、アウターエンド2と、係合部6と、連結部7と、から構成される。
槽体Sは、箱体であって、底部に後記する排水口Kが開口される。又、本実施例では、洗面ボウルが槽体Sである。
排水口Kは、槽体Sの底部に開口された孔であって、排水口Kには、最終的には下水管と接続される排水管Hが接続されていて、内部に封水を構成して下水からの臭気や異臭を室内側へ逆流させないように排水トラップなどを介して配管し、槽体S内部の排水を下水管へと排水するよう配管されている。
弁体Bは、排水口Kに配置され、弁体Bが上下動する毎に排水が排水/止水できるように成っている。弁体Bが排水口Kに降下して着座すれば排水口Kは閉口されて、排水は下水へと排水されず槽体S内に貯水され、弁体Bが上昇した際は排水口Kが開口される。また、後記する機器部4としての操作部41の操作により弁体Bが上昇/下降し、排水口Kの開閉を行うことが出来る。
操作部41は、機器部4として用いられ、操作軸42と、本体部43と、保持機構部44(図示せず)と、から構成される。
操作軸42は、槽体Sの上縁部に配置構成される部材であって、先端にツマミを有した軸棒から成り、当該操作軸42は、槽体S上縁部分を介して槽体Sの裏面に上下動自在に貫通し、さらに操作軸42下端は後記する本体部43内に収納される。操作部41の操作軸42を使用者が上下動させることにより、レリースワイヤ1が進行/後退して弁体Bを上下動させることができ、遠隔的に操作することができる。
本体部43は、槽体S表面から裏面にかけて貫通して構成される筒体であって、操作軸42と上下動自在に連結して配置される。本体部43の上端は操作軸42が進退自在に配置される。また、本体部43外周面には、後述するアウターエンド2の連結部7と係合するための溝が凹状の切り溝状に連結部7として構成される。また、本実施例ではアウターエンド2と本体部43の連結を連結部7による弾性係合によって行っているが、本体部43外周に雄ねじを構成し、アウターエンド2内周に構成した雌ねじによるネジ接続で行ってもかまわない。
保持機構部44は、図示しないが、本体部43内部に収納され、インナーワイヤ11の進退を保持/保持解除する部材である。本実施例では、ボールペンなどに用いられるスラストロック機構を備える。以上の構成要素で操作部41を構成する。
レリースワイヤ1は、一方を機器部4としての操作部41に、他方の端部を弁体B側に連結接続して成り、インナーワイヤ11と、アウターチューブ12と、
その終端がツメ受け部61として機能するフランジ部121と、ロッド部111と、から構成される。
インナーワイヤ11は、金属の圧縮コイル状からなり、後記アウターチューブ12内に進退自在に内包されている。
アウターチューブ12は、円筒状の可撓性を有した例えば四フッ化エチレンなどを用いた樹脂製の管体からなり、内部にインナーワイヤ11を進退自在に内包している。
フランジ部121は、機器部4側のアウターエンド2端部に、鍔状に外側方向に向けて凸出して構成される。当該フランジ部121は、アウターチューブ12に対して一体成形で構成されてもかまわないし、フランジ部121自体をアウターチューブ12に圧入固定若しくはインサート成形しても構わない。また、本実施例では、当該フランジ部121が後述するアウターエンド2の係合部6により弾性で係合して配置されるようになる。
ロッド部111は、インナーワイヤ11の操作部41側端部にカシメ固定される部分であり、インナーワイヤ11の進退動作を保持機構部44に作用させるように構成されている。ロッド部111は保持機構内に配置されるように成っている。
アウターエンド2は、
図2に示すように、中央部分にレリースワイヤ1挿通用の孔が開口される円筒状の部材であって、内周面に係合部6を構成する。当該係合部6は、アウターチューブ12のフランジ部121に係合するツメ部62から構成される。当該ツメ部62は、アウターエンド2の内周から内方向に向かって飛び出すツメであって、弾性を付与する為に、ツメの両サイドにはスリットが構成されている。このツメ部62は、アウターチューブ12のフランジ部121と弾性係合するように構成されている。また、アウターエンド2のレリースワイヤ1挿通用の孔はレリースワイヤ1が挿通され、レリースワイヤ1
のフランジ部121がアウターエンド2の係合部6によって係止するように構成されている。また、アウターエンドには、上記本体部43外周に構成した連結部7に連結するために構成した、弾性的に拡径・縮径するツメ状部材を連結部7として構成している。
係合部6は、
図2に示すように、前記アウターチューブ12と
アウターエンド2を連結するために弾性係合させる部材であって、本実施例では、前述したようにアウターエンド2内周に構成したツメ部62と、アウターチューブ12に構成したフランジ部121自身から成る。両者は、連結時に、ツメ部62がフランジ部121により弾性で拡径し、フランジ部121終端で弾性により縮径する。このツメ部62がフランジ部121終端で縮径することで、両者は弾性係合し、連結することが出来る。
連結部7は、
図2に示すように、前記機器部4としての本体部43とレリースワイヤ1を連結するために弾性係合させる部材であって、本実施例では、前述したように本体部43外周面に構成した切り溝と、アウターエンド2内周に構成したツメ状部材から成る。両者は、連結時に、ツメ状部材がスリットにより弾性で拡径し、切り溝の凹溝部分で弾性により縮径し両者は弾性係合し、連結することが出来る。尚、当該連結部7は本実施例では弾性係合しているが、ネジ接続等、他の接続方法で接続しても良い。
【0024】
本実施例のレリースワイヤと機器部の連結構造は以下のように施工される。
予め、工場では以下のようにレリースワイヤ1を組みあげていく。
アウターチューブ12にアウターエンド2のレリースワイヤ1挿通用の孔を挿通しておき、アウターチューブ12にフランジ部121を圧入する。尚、本実施例ではプラスチック製のフランジ部121をアウターチューブ12に圧入してフランジ部121を構成しているが、例えば、アウターチューブ12とフランジ部121を、一体的に構成したり、インサート成形したり、また、フランジ部121を金属製にしたりなどの設計変更は可能である。
そして、インナーワイヤ11をアウターチューブ12内に挿通し、
図2(a)のようにロッド部111をインナーワイヤ11にカシメ固定する。そして、弁体B側のインナーワイヤ11の端部のロッド部111もカシメ固定する。そして、
図2(b)の状態のように、レリースワイヤ1のフランジ部121をアウターエンド2の係合部6に弾性係合しておく。このときの弾性係合の流れとしては、アウターチューブ12に挿通していたアウターエンド2をフランジ部121方向に移動させ、フランジ部121より下流から上流へ向けてアウターエンド2を引っ張り上げると、アウターエンド2の係合部6が弾性的に拡径し、そのままフランジ部121終端までアウターエンド2を移動させると係合部6の拡径がもとの形に縮径し、係合部6とフランジ部121が弾性的に係合することとなる。これは、アウターチューブ12のフランジ部121をアウターエンド2のツメ部62に引っかけ係止させることで、アウターエンド2のツメ部62が弾性により拡径し、アウターチューブ12のフランジ部121を係合することができる。よってアウターチューブ12とアウターエンド2は係合固定されるので、レリースワイヤ1に輸送時に、アウターエンド2がレリースワイヤ1を軸に上下動することによる破損を防ぐ。また、現場施工時にアウターエンド2を機器部4側に移動させる作業工程が減少する。ここでレリースワイヤ1の工場での組立は完了する(つまり、
図2(b)の状態)。
次に、施工現場での施工手順を説明する。
機器部4である操作部41を槽体Sに取付け、槽体Sの排水口Kに排水管H及び排水トラップを配管する。その後、排水口Kの、弁体B側に構成されている、遠隔操作式排水栓装置の弁体B部側端部にレリースワイヤ1を接続する。その後
図2(b)のように、レリースワイヤ1の操作部41側端部(つまり、アウターエンド2が接続されている端部側)を操作部41端部に突き当てる。このとき、インナーワイヤ11のロッド部111が操作部41内に配置されるよう操作部41の本体部43に挿入し、アウターチューブ12のフランジ部121が操作部41の本体部43端部に当接するように突き当てる。そうすると、アウターチューブ12のフランジ部121にはアウターエンド2が予め係合固定されているので、自動的にフランジ部121がアウターエンド2と機器部4(本体部43)の間に介在させて挟むように配置固定される。そして、
図2(c)のようにアウターエンド2に構成した連結部7が、本体部43外周に構成した連結部7に係合し、レリースワイヤ1と機器部4の接続が完了する。また、本実施例ではフランジ部121はアウターエンド2に係合されている為、機器部4に対してレリースワイヤ1のフランジ部121を突き当て、アウターエンド2を機器部4に差し込むだけで取付が完了し、ワンタッチで連結できる。従って、施工性が向上した。
【0025】
上記実施例のレリースワイヤと機器部の連結構造は以下のような排水の流れとなる。
槽体Sの排水口Kの弁体Bが下降している際に、操作軸42を押動すると、レリースワイヤ1のインナーワイヤ11が操作軸42の押動に対応し前進する。このとき、レリースワイヤ1に内蔵された付勢スプリング5(図示せず)は圧縮される。そうすると、レリースワイヤ1は弁体B側に連絡されているので、インナーワイヤ11の前進に伴い弁体Bが押し上げられ上昇する。この状態時に、本体部43内の保持機構部44が働き、インナーワイヤ11の前進量を保持することとなり、弁体Bの上昇が保持されることによって槽体Sの排水口Kが開口され、槽体S内の排水が排水口Kから排水管H、排水トラップを介して下水管へと排水される。また、この状態から操作軸42を押動すると、インナーワイヤ11が少量前進し、本体部43内の保持機構部44のインナーワイヤ11の保持が解除され、インナーワイヤ11が前進した分だけ圧縮された付勢スプリング5が保持機構部44の解除に伴い圧縮が解除され、当該圧縮解除の付勢によりインナーワイヤ11が後退する。そうすると、インナーワイヤ11の後退に併せて弁体Bも自重により下降するため、弁体Bが排水口Kに着座し、排水口Kを閉口することができる。この状態においては、排水口Kが閉口される為、槽体S内部に水を貯水することができる。尚、これ以降は操作部41の押動操作により上記の弁体Bの開閉作用が繰り返されることとなる。
【0026】
本発明は前記した実施例のほか、特許請求の範囲を越えない範囲で適宜変更は可能である。
例えば、上記実施例ではアウターエンド2をアウターチューブ12の端部に構成配置しているが、
図4に示すように、機器部4側端部に構成しても良い
。
また、上記実施例ではアウターエンド2(又はストッパー部3)をメス部材、機器部4をオス部材として構成しているが、
図5(b)に示すようにアウターエンド2(又はストッパー部3)をオス部材、機器部4をメス部材としても良い。
また、上記実施例では機器部4を遠隔操作式排水栓装置の操作部41としていたが、例えば、
図7に示すような遠隔操作式排水栓装置の排水栓昇降機構部45を機器部4としてもかまわない。このときの排水栓昇降機構部45とは、例えば弁側の装置の事を指し、例えば排水栓内に設置されたワイヤー受け部材の軸受け部を機器部4としてもよい。また、操作部41及び排水栓昇降機構部45の両方を機器部4としても良いことはもちろんである。
また、前記実施例ではストッパー部3をインナーワイヤ11と付勢スプリング5の防護カバーとして使用しているが、
図3や
図5(a)に示したように、スペーサーや接続用パーツを目的として構成・使用しても良い。また、
図3においては(a)乃至(d)のように施工されることとなる。