特許第6343775号(P6343775)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343775
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】印刷包装装置
(51)【国際特許分類】
   B65B 61/02 20060101AFI20180611BHJP
   B65B 43/18 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   B65B61/02
   B65B43/18
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2013-188022(P2013-188022)
(22)【出願日】2013年9月11日
(65)【公開番号】特開2015-54702(P2015-54702A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年5月19日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000108281
【氏名又は名称】ゼネラルパッカー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090239
【弁理士】
【氏名又は名称】三宅 始
(72)【発明者】
【氏名】加藤 一輝
【審査官】 吉澤 秀明
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−219812(JP,A)
【文献】 国際公開第2008/004667(WO,A1)
【文献】 カナダ国特許出願公開第02753719(CA,A1)
【文献】 特開2001−240020(JP,A)
【文献】 実開平03−038813(JP,U)
【文献】 実開昭52−088175(JP,U)
【文献】 米国特許第02941799(US,A)
【文献】 特開2011−121614(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0138751(US,A1)
【文献】 特開2009−262974(JP,A)
【文献】 特開2011−245797(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3045641(JP,U)
【文献】 特開2007−297201(JP,A)
【文献】 特開平7−41742(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 61/02
B65B 43/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋にパッケージデザインを印刷するためのパッケージデザイン印刷部と、該パッケージデザイン印刷部の下流側に設けられパッケージデザインを印刷された前記包装袋内に被包装物を収納し施封するための被包装物包装部を有し
前記パッケージデザイン印刷部は、上面に載置された前記包装を、順次、印刷装置へ供給するための包材送り手段を備えた包材配置部と、該包材配置部から供給される前記包装にパッケージデザインを順次印刷する前記印刷装置と、前記印刷装置により印刷されたパッケージデザインを前記包装袋に定着させる乾燥装置とを有していることを特徴とする印刷包装装置。
【請求項2】
前記パッケージデザイン印刷部は、多数の前記包装袋を収容可能な包材供給部と、該包材供給部の前記包装袋から一枚の前記包装袋を分離するための分離機構とを有している請求項1に記載の印刷包装装置。
【請求項3】
前記印刷装置は、表面側を印刷する第一印刷装置と、該第一印刷装置に隣接して設けられ裏面側を印刷するための第二印刷装置とを有し、片面印刷または両面印刷を選択的に行うことができるように構成されている請求項1または2に記載の印刷包装装置。
【請求項4】
前記パッケージデザイン印刷部には、パッケージデザイン印刷に先立って前記包装袋の表面処理を行う表面処理装置が配されている請求項1ないしのいずれかに記載の印刷包装装置。
【請求項5】
前記表面処理装置は、コロナ放電による表面処理装置である請求項4に記載の印刷包装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包材にパッケージデザインを印刷することができると共に、包材内に被包装物を収納し施封することができる印刷包装装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
グローバリゼーションが進行する中、包装された商品の出荷先が外国である場合、それぞれの国の言語でパッケージデザインされた包材を用いて包装装置にて被包装物を収納し施封していた。あるいは、パッケージデザインのうち、言語が用いられている部分をラベルシール化し、包材に国別のラベルシールを貼付してパッケージデザインを完成させていた。
【0003】
しかし、前者の方法では、言語の異なる包材を使い分けて包装装置へ供給しなければならず煩雑であった。また、言語の異なる包材を多数在庫しなければならず在庫管理も煩雑であった。他方、後者の方法でも、言語毎のラベルシールの作成および包材への貼付が必要となり煩雑であった。また、ラベルシールの在庫管理も煩雑であった。
【0004】
なお、従来より、包装装置内でサーマルプリンターやインクジェットプリンターを用いて賞味期限や製造年月日などを印刷すること(特許第5124719号公報)は行われていたが、パッケージデザインをインラインで印刷できる包装装置は存在しなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第5124719号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の課題は、パッケージデザインが異なる多種多様な包材やラベルシールの準備および在庫を不要とし、インラインにて包材にパッケージデザインを印刷することができると共に、包材内に被包装物を収納し施封することができる印刷包装装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を達成するものは、包装袋にパッケージデザインを印刷するためのパッケージデザイン印刷部と、該パッケージデザイン印刷部の下流側に設けられパッケージデザインを印刷された前記包装袋内に被包装物を収納し施封するための被包装物包装部を有し、前記パッケージデザイン印刷部は、上面に載置された前記包装紙を、順次、印刷装置へ供給するための包材送り手段を備えた包材配置部と、該包材配置部から供給される前記包装紙にパッケージデザインを順次印刷する前記印刷装置と、前記印刷装置により印刷されたパッケージデザインを前記包装袋に定着させる乾燥装置とを有していることを特徴とする印刷包装装置である。
【0008】
前記パッケージデザイン印刷部は、多数の前記包装袋を収容可能な包材供給部と、該包材供給部の前記包装袋から一枚の前記包装袋を分離するための分離機構とを有していることが好ましい。
【0009】
前記印刷装置は、表面側を印刷する第一印刷装置と、該第一印刷装置に隣接して設けられ裏面側を印刷するための第二印刷装置とを有し、片面印刷または両面印刷を選択的に行うことができるように構成されていることが好ましい。
【0010】
前記パッケージデザイン印刷部には、パッケージデザイン印刷に先立って前記包装袋の表面処理を行う表面処理装置が配されていることが好ましい。
【0011】
前記表面処理装置は、コロナ放電による表面処理装置であることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に記載の印刷包装装置によれば、パッケージデザインが異なる多種多様な包材やラベルシールの準備および在庫を不要とし、インラインにて包材にパッケージデザインを印刷することができると共に、包材内に被包装物を収納し施封することができる。
請求項2に記載の印刷包装装置によれば、上記請求項1の効果に加え、給袋(または給紙)スペースの省スペース化を図ることができると共に、包材供給部から一枚の包材を取り出すことができる。
請求項に記載の印刷包装装置によれば、片面印刷または両面印刷を選択的に行うことができる。
請求項4または5に記載の印刷包装装置によれば、パッケージデザイン印刷に先立って包材の表面処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の印刷包装装置の一実施例の平面概略図である。
図2図1に示した印刷包装装置の正面概略図である。
図3図1に示した印刷包装装置のパッケージデザイン印刷部における印刷工程を説明するための説明図である。
図4図1に示した印刷包装装置の被包装物包装部の正面概略図である。
図5図1に示した印刷包装装置における包材供給部の平面図である。
図6図5に示した包材供給部の右側面図である。
図7図5に示した包材供給部の作用を説明するための正面図である。
図8図5に示した包材供給部の作用を説明するための正面図である。
図9図1に示した印刷包装装置における分離機構付近の正面概略図である。
図10図9の右側面概略図である。
図11図9に示した分離機構の構造および作用を説明するための説明図である。
図12図1に示した印刷包装装置における包材配置部の平面概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明では、包材aにパッケージデザインを印刷するためのパッケージデザイン印刷部80と、パッケージデザイン印刷部80の下流側に設けられパッケージデザインを印刷された包材a内に被包装物を収納し施封するための被包装物包装部90を有することで、パッケージデザインが異なる多種多様な包材やラベルシールの準備および在庫を不要とし、インラインにて包材にパッケージデザインを印刷することができると共に、包材内に被包装物を収納し施封することができる印刷包装装置1を実現した。
【実施例1】
【0015】
本発明の印刷包装装置を図1ないし図12に示した一実施例を用いて説明する。
この実施例の印刷包装装置1は、包材aにパッケージデザインを印刷するためのパッケージデザイン印刷部80と、パッケージデザイン印刷部80の下流側に設けられパッケージデザインを印刷された包材a内に被包装物を収納し施封するための被包装物包装部90を有している。以下、各構成について順次詳述する。
【0016】
この実施例の印刷包装装置1は、被包装物であるペットフードを大袋(長さ600〜1050mm、幅300〜450mm)の袋口付近にチャックを備えたガゼット袋(包材a)内に充填し施封するためのものである。印刷包装装置1は、このペットフードの充填および施封の前に、上流側のパッケージデザイン印刷部80にてパッケージデザインが包材aに印刷される。
【0017】
なお、本発明における包材とは、この実施例のような包装袋の他、製袋される前の包装紙を含む概念である。よって、パッケージデザイン印刷部で包装紙の状態でパッケージデザイン印刷が施され、被包装物包装部90に製袋方式の包装機が配されたものなども本発明の範疇に包含される。また、本願におけるパッケージデザインとは、印刷で包材に施すことができるデザインを広く包含する概念であり、例えばグラフィック、キャッチコピー、色彩、写真、イラスト、キャラクター、ネーミング、シンボルマーク、文字、ロゴタイプ、品質表示などを含む概念である。
【0018】
パッケージデザイン印刷部80は、図1または図2に示すように、多数の包材を積み重ねて収容可能な包材供給部2と、包材供給部2に積み重ねられた包材から一枚の包材を分離するための分離機構3と、分離機構3にて分離した一枚の包材aを把持して受け取り包材配置部4まで移送するための水平移送手段8と、水平移送手段8にて1枚ずつ移送される包材aを配置すると共に印刷装置81(81a,81b)へ供給するための包材配置部4と、パッケージデザインを印刷するための印刷装置81(81a,81b)と、印刷装置81(81a,81b)により印刷されたパッケージデザインを包材aに定着させるための紫外線硬化装置82(82a,82b)を有している。
【0019】
包材供給部2は、図5または図6に示すように、第1駆動軸12と、第1駆動軸12の回転に伴って回転する第1環状体13と、第1環状体13に突設された第1包材ガイド14と、第2駆動軸15と、第2駆動軸15の回転に伴って回転する第2環状体16と、第2環状体16に突設された第2包材ガイド17と、第1包材ガイド14と第2包材ガイド17との間に構成された複数の包材積載部18とを有するコンベアにて構成されており、第1駆動軸12と第2駆動軸15が同一方向に回転することにより第1包材ガイド14と第2包材ガイド17との間に積み上げられた包材aが移送され、第1駆動軸12と第2駆動軸15を逆方向に回転することにより第1包材ガイド14と第2包材ガイド17との間の離間距離が調整可能に構成されている。以下、包材供給部2の構成および作用について詳述する。
【0020】
一端側に配された第1駆動軸12は、第1駆動手段(サーボモーター)19により正逆両方向に回転可能に構成されており、第1駆動軸12に第1スプロケット21が固定されることにより、第1駆動軸12の回転に伴って第1環状体13(この実施例では図5中、上から2番目と4番目のチェーン)が回転するように構成されている。第1環状体13には、第1環状体13に対して直交する方向に延在して固定された第1幅板23が設けられており、第1幅板23には第1包材ガイド14が外方に向かって突出するように固定され、第1環状体13の回転に伴って第1包材ガイド14も回転するように構成されている。
【0021】
他方、他端側に配された第2駆動軸15は、第2駆動手段(サーボモーター)20により正逆両方向に回転可能に構成されており、図6に示すように、第2駆動軸15に第2スプロケット22が固定されることにより、第2駆動軸15の回転に伴って第2環状体16(この実施例では図5中、上から1番目と3番目のチェーン)が回転するように構成されている。第2環状体16には、第2環状体16に対して直交する方向に延在して固定された第2幅板24が設けられており、第2幅板24には第2包材ガイド17が外方に向かって突出するように固定され、第2環状体16の回転に伴って第1包材ガイド17も回転するように構成されている。
【0022】
そして、第1包材ガイド14と第2包材ガイド17との間には、図7に示すように複数の包材積載部18が構成され、これらの包材積載部18に包材aを積載して、第1駆動軸12と第2駆動軸15を同一方向に回転することにより、第1包材ガイド14と第2包材ガイド17との間(包材積載部18)に積み上げられた包材aが移送されるように構成されている。これにより、コンベアを利用した複数の包材積載部18を備えた包材供給部2を構成でき、給袋スペースの省スペース化を図ることができる。
【0023】
他方、図8に示すように、第1駆動軸12と第2駆動軸15を逆方向に回転することにより、第1包材ガイド14と第2包材ガイド17との間の離間距離を調整することができ、これによって、包材aの幅に応じて包材積載部18の幅を調整することができる包材供給部2となる。
【0024】
なお、第1駆動軸12と第2駆動軸15を逆方向に回転することにより、第1包材ガイド14と第2包材ガイド17との間の離間距離を調整可能な構成は、上記のように予め包材aの幅に応じて包材積載部18の幅を調整することに使用できるが、この他に、包材積載部18に適当に包材aが積載されても、包材aを幅方向の両側から寄せて積載状態を修正するために使用することも可能である。
【0025】
分離機構3は、包材供給部2に積み重ねられた包材aから一枚の包材aを分離するためのものであり、この実施例では、図9に示すように、包材供給部2のコンベアによって図中右端に送られてきた包材積載部18から一枚の包材aのみを取り上げるように作用するものである。包材積載部18に積載された包材aは、チャック袋やガゼット袋では反った状態となることに加え、静電気や負圧によって包材同士が軽く接着することがあり、この分離機構3および昇降手段(上下用アクチュエーター)25により、確実に一枚の包材aを包材積載部18から取り上げることができるように構成されている。
【0026】
分離機構3は、少なくとも一対の吸着盤60a,60b(この実施例では、図9または図10に示すように、包材aの長さ方向に沿って3対の吸着盤60a,60b)により包材aを吸着するものであって、3対の吸着盤60a,60bは包材aを吸着した状態で水平状態から傾斜状態に移行可能に構成されている。
【0027】
具体的には、分離機構3は、図11に示すように、包材aの幅方向の左右において吸着する右吸着盤60aと左吸着盤60bを長さ方向に3対備えている。ただし、本発明における分離機構は、これに限定されるものではなく、例えば右吸着盤と左吸着盤を長さ方向に2対備え、中央に紙垂れ防止の吸着盤を1つ有するようなものも本発明の範疇に包含される。
【0028】
分離機構3では、図11(A)側面図または(B)正面図に示すように、駆動ユニット(シリンダー)65にL字型レバーの一端側66が取り付けられ、L字型レバーは取付台に回動可能に連結されている。他方、L字型レバーの他端側67は回転支点68aに回動可能に連結されている。
【0029】
取付台の下部には傾斜状の誘導カム70が形成されており、吸着盤60a、60bを取り付けた基台69には、回転ローラ68bが取り付けられている。そして、回転ローラ68bは傾斜状の誘導カム70に沿って前記回転支点68aを起点として摺動するように構成されており、誘導カム70と基台69は弾性体71を介して常時付勢されている。
【0030】
この分離機構3の作用について説明すると、駆動ユニット(シリンダー)65の往動によって、回転支点68aを介して回動ピン68bが誘導カム70で誘導されて、基台69、即ち、吸着盤60a,60bのそれぞれの底が水平状態から外側に向く傾斜状態になり、吸着盤60a,60bにて吸着した包材aをU字状にし、積層された包材aから1枚だけを分離するように作用する(図11(C)〜図11(D))。
【0031】
他方、駆動ユニット(シリンダー)65の復動によって、分離機構3に付設の吸着盤60a,60bは傾斜状態から水平状態になる(図11(E))。そして、包材aが水平状態に保持されたところを水平移送手段8の掴み手段8aに把持されるよう構成されている。
【0032】
水平移送手段8は、図9に示すように、分離機構3にて分離した一枚の包材aを把持して受け取り、包材配置部4まで移送するためのものである。この水平移送手段8は分離機構3により水平状態(図11(E)の状態)に保持された一枚の包材aを右側方から把持する掴み手段(チャックシリンダー)8aを備えており、掴み手段8aが水平方向に往復動することにより一枚ずつ包材aを包材配置部4まで移送するように構成されている。
【0033】
なお、この実施例では、分離機構3とは別に水平移送手段8が設けられているが、分離機構3が一枚の包材を把持したまま包材配置部4へ移送するように構成されたものも本発明の範疇に包含される。
【0034】
包材配置部4は、分離機構3にて分離した一枚の包材aを水平移送手段8にて1枚ずつ移送される包材aを配置すると共に印刷装置81(81a,81b)へ供給するための部位である。包材配置部4は、図12に示すように、包材配置部4の上面に載置された一枚の包材aを、順次、印刷装置81(81a,81b)へ供給するための包材送り手段26を有している。この包材送り手段26は、往復動手段27により、包材aの幅方向に往復動して包材aを印刷装置81(81a,81b)へ供給するように作用する。
【0035】
印刷装置81(81a,81b)は、パッケージデザインを印刷するためのものであり、この実施例では、IJP(インクジェットプリンター)にて構成されている。ただし、本発明の印刷包装装置における印刷装置はIJPに限定されるものでなく、包材にパッケージデザインを印刷することができるものであればとのような印刷装置であってもよい。
【0036】
また、この実施例の印刷装置81(81a,81b)は、図2に示すように、片面(表面)側を印刷する第一印刷装置81aと、第一印刷装置81aに隣接して設けられ他面(裏面)側を印刷するための第二印刷装置81bとを有し、片面印刷または両面印刷を選択的に行うことができるように構成されている。
【0037】
第一印刷装置81aおよび第二印刷装置81bのそれぞれの下流側には、図2に示すように、パッケージデザインを包材aに定着させるための第1紫外線硬化装置82a,第2紫外線硬化装置82b(乾燥装置)がそれぞれ設けられている。なお、この実施例の第1紫外線硬化装置82a,第2紫外線硬化装置82bとしては、UVランプが好適に使用できる。
【0038】
そして、上記構成を備えたパッケージデザイン印刷部80では、図3に示した各工程が行われる。具体的には、包材供給部2への包材供給工程(A)、分離機構3による包材分離工程(B)、水平移送手段8による包材配置部4への包材移送工程(C)、第一印刷装置81aによる包材aへの表面側パッケージデザイン印刷工程(D)、第1紫外線硬化装置82aによる表面側パッケージデザイン印刷の硬化工程(E)、さらに、包材aの裏面側にもパッケージデザインを印刷する場合は、第二印刷装置81bによる包材aへの裏面側パッケージデザイン印刷工程(F)、第2紫外線硬化装置82bによる裏面側パッケージデザイン印刷の硬化工程(G)が順次行われた後、被包装物包装部90のベルトコンベア91へ包材aが送られるように構成されている。
【0039】
なお、パッケージデザイン印刷部には、パッケージデザイン印刷に先立って包材の表面処理を行う表面処理装置が配されていてもよく、そのような表面処理装置としては、例えばコロナ放電による表面処理(改質)装置などが挙げられる。
【0040】
ベルトコンベア91の下流側には、図1または図4に示すように、被包装物包装部90の主装置である包装機Pが設けられている。
包装機Pでは、図4に示すように、縦向きの間欠回転軸34を回転自由に支持するスタンド35が機台36上に設けられ、その間欠回転軸34の上端部に取り付けられた移動体(円盤状回転体)32に、包材aを掴着又は釈放するための10個のグリップ対gが間欠回転軸34を中心として等角度間隔で放射方向に突出するように設けられている。そして、グリップ対gにより垂直状につり下げ状態に保持された包材aが図1中時計回りに間欠回転することにより、包材a内に被包装物(ペットフード)が充填され施封されて系外へ排出されるように構成されている。
【0041】
なお、この実施例の包装機Pは、ロータリー方式の包装機であるがこれに限定されるものではなく、公知の直線移動方式やトラック方式の包装機が被包装物包装部90に配されていてもよい。また、被包装物包装部90に配される包装機としては、縦ピロー式包装機、横ピロー式包装機でもよく、さらに、この実施例のように、給袋式包装機に限定されるものではなく、製袋式包装機であってもよい。
【0042】
より具体的には、この実施例の包装機Pでは、(1)給袋工程(包材aを包材供給装置(図示しない)によりグリップ対gに供給する工程)、(2)チャック開口工程(包材aのチャックを開く工程)、(3)開口・膨らまし工程(包材aの袋口を開口して膨らます工程)、(4)充填工程(被包装物充填手段31により包材a内にペットフードを充填する工程)、(5)および(6)振動・窒素充填・整形工程(ペットフードを充填した包材aに振動を与えると共に窒素を充填しながら整形する工程)、(7)脱気・仮付けシール工程(包材a内を脱気すると共に袋口付近に仮付けシールを施す工程)、(8)トップシールシール工程(包材aの袋口にトップシールを施す工程)、(9)冷却工程(シール部位を冷却する工程)、(10)系外排出工程(製品を機外に排出する工程)が順次行われるよう構成されている。
【0043】
以上のように、本発明の印刷包装装置1では、包材aにパッケージデザインを印刷するためのパッケージデザイン印刷部80と、パッケージデザイン印刷部80の下流側に設けられパッケージデザインを印刷された包材a内に被包装物を収納し施封するための被包装物包装部90を有することで、パッケージデザインが異なる多種多様な包材やラベルシールの準備およびそれらの在庫を不要とし、インランで包材にパッケージデザインを印刷することができると共に、包材内に被包装物を収納し施封することができる。
【符号の説明】
【0044】
1 印刷包装装置
2 包材供給部
3 分離機構
4 包材配置部
5 トラック式移動体
6 被包装物充填手段
7a 第1シール手段
7b 第2シール手段
8 水平移送手段
8a 掴み手段
9 回動アーム
g グリップ対
11 把持手段
12 第1駆動軸
13 第1環状体
14 第1包材ガイド
15 第2駆動軸
16 第2環状体
17 第2包材ガイド
18 包材積載部
19 第1駆動手段
20 第2駆動手段
21 第1スプロケット
22 第2スプロケット
23 第1幅板
24 第2幅板
25 昇降手段
26 包材送り手段
27 往復動手段
31 被包装物充填手段
32 移動体(円盤状回転体)
34 間欠回転軸
35 スタンド
36 機台
80 パッケージデザイン印刷部
81a,81b 印刷装置
82a,82b 乾燥装置(紫外線硬化装置)
90 被包装物包装部
91 ベルトコンベア
a 包材
g グリップ対
P 包装機
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12