(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1〜4に係る技術によれば、面材の縁部が支持部材を構成する枠部材に対して嵌合又はネジ固定により接続されているので、面材を充分な接続強度で支持部材に接続する支持することはできるものの、面材の左右側部が枠部材に対して完全に固定されるので、枠部材に固定されない部位と枠部材に固定される側部との間の弾性変形許容度に差が生じやすく、身体支持部材としての面材に充分な弾性変形許容度を確保することは容易ではない。
【0006】
また、引用文献5に記載の技術は、面材からなるランバーサポート本体の上下の縁部を止着して、ランバーサポート本体の上下方向中間部を前後方向に変形させる構成とされているが、上下方向中間部が局所的に弾性変形するのみであり、上記特許文献1〜4に係る技術と同様に、充分な弾性許容度が確保されるとはいいにくい。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、弾性を有する面材を用いて背部、頭部を支持する身体支持面を構成する場合に、身体支持面のできるだけ大きな範囲にわたって充分な弾性変形許容度を確保することが可能な
椅子の面材取付構造、
椅子の身体支持部材及び椅子を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記問題を解決するため、この発明は、以下の手段を提案している。
請求項1に記載の発明は、上下方向に伸びる支持形状部を有
し、椅子に設けられた面材支持部材と、
前記椅子に着座する着座者の背部又は頭部を支持する身体支持面を有する面材からなり前記支持形状部に沿って対応する縁部が前記支持形状部によって支持部として支持される
弾性変形可能なサポート部材と、を取り付け
、前記サポート部材に加わる荷重を前記面材支持部材によって支持する椅子の面材取付構造であって、前記支持形状
部から突出し
て前記縁部側に進入して係止され、前記サポート部材の
後方に向かって前記着座者の荷重に応じて弾性変形可能とされるとともに、前記支持形状
部に沿って配置された突出部を備えていることを特徴とする。
【0009】
この発明に係る
椅子の面材取付構造によれば、面材支持部材に形成された上下方向に伸びる支持形状部と、着座者の背部又は頭部を支持する面材からなり支持形状部に沿って対応するサポート部材の縁部のうち、
支持形状部から突出し支持形状
部に沿って配置された突出部が
縁部に進入して係止されているので、面材を面材支持部材に大きな強度で接続することができ、ひいては面材に加わる荷重を充分に支持することができる。
また、この突出部が
サポート部材の後方に向かって弾性変形可能とされていることで、面材と面材支持部材とが接続される支持部が硬くなりすぎることが抑制されて、面材の支持部における弾性変形許容度が大きくなることで、身体支持面の大きな範囲にわたって充分な弾性変形許容度を確保することができる。
【0010】
この明細書において、突出部が他方の部材に進入とは、突出部が他方の部材に形成された凹部に挿入され、嵌合され、インサート成型等により埋設されることを含んでおり、突出部と他方の部材の間に隙間が形成される場合には、間隙が充填剤等により充填される場合を含むものとする。
【0011】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の
椅子の面材取付構造であって、前記突出部は前記面材支持部材の支持形状部に形成され、周縁が閉じられた貫通孔を有する有孔係止壁部を備えていて、前記サポート部材内を前記サポート部材の厚さ方向に伸びる被係止部が前記貫通孔を貫通して係止することを特徴とする。
【0012】
この発明に係る
椅子の面材取付構造によれば、突出部は、材支持部材の支持形状部に形成され、周縁が閉じられた貫通孔を有する有孔係止壁部を備えていて、サポート部材内をサポート部材の厚さ方向に伸びる被係止部が前記貫通孔を貫通して係止するので、面材を大きな強度で安定して支持することができる。また、この壁部が孔の内方で移動したとしても、サポート部材が面材支持部材から脱落するのを抑制することができる。
【0013】
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の
椅子の面材取付構造であって、前記面材支持部材は、少なくとも一対の互いに対向する前記支持形状部を有し前記突出部が突出する側枠部材本体を備える枠部材からなり、前記サポート部材と前記側枠部材本体との間に間隙が形成されていることを特徴とする。
【0014】
この発明に係る
椅子の面材取付構造によれば、面材支持部材が、少なくとも一対の互いに対向する支持形状部を有し突出部が突出する側枠部材本体を備える枠部材からなり、サポート部材と側枠部材本体との間に間隙が形成されているので、面材の大きな範囲にわたって
サポート部材の後方に向かう弾性変形を容易に確保することができる。
【0015】
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の
椅子の面材取付構造であって、前記サポート部材が、弾性変形可能な軟質材により形成されていることを特徴とする。
【0016】
この発明に係る
椅子の面材取付構造によれば、サポート部材が弾性変形可能な軟質材により形成されているので、面材自体に大きな弾性変形許容度を確保することができ、身体支持面に充分な柔軟性を確保することができる。
【0017】
請求項5に記載の発明は、
椅子の身体支持部材であって、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
椅子の面材取付構造を備え、前記サポート部材を構成する前記面材が、前記上下方向に延在するとともに少なくとも一部が前方に膨出して形成されていることを特徴とする。
【0018】
この発明に係る
椅子の身体支持部材によれば、少なくとも一部が前方に膨出して形成されることにより、面材に
サポート部材の後方に向かう大きな弾性変形が得やすくなり、この膨出して形成された部分と面材支持部材とを接続する突出部が弾性変形するので、面材の大きな範囲において大きな弾性許容度を確保して、身体支持面の大きな範囲にわたって身体を柔軟に支持することができる。
【0019】
請求項6に記載の発明は、椅子であって、請求項5に記載の
椅子の身体支持部材と、着座面と、前記着座面に対して立設された背凭れと、を備え、前記身体支持部材は、着座者の背部又は頭部を支持する部位に配置されていることを特徴とする。
【0020】
この発明に係る椅子によれば、着座者の荷重を充分に受けることができる。また、着座者の荷重を面材の大きな範囲で柔軟に受けることで、面材が着座者の荷重に追従しやすくなり、座り心地の優れた椅子を提供することができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る
椅子の面材取付構造によれば、面材に加わる大きな荷重を充分に支持することができる。また、面材が支持部における弾性変形が可能とされ、身体支持面の大きな範囲にわたって充分な弾性変形許容度を確保することができる。
また、本発明に係る
椅子の身体支持部材によれば、面材の大きな範囲において大きな弾性許容度を確保して大きな範囲にわたって身体を柔軟に支持することができる。
また、本発明に係る椅子によれば、面材が着座者の荷重に追従しやすく、座り心地の優れた椅子を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明の第1実施形態に係る椅子について、図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態に係る椅子1は、床面F上に設けられた脚体10と、該脚体10に支持された背凭れ支持体20と、該背凭れ支持体20に設けられ着座者が着座可能な座部30と、背凭れ支持体20に支持された背凭れ後部支持部材40と、該背凭れ後部支持部材40に支持され着座者の背を支持する背凭れ50と、背凭れ後部支持部材40の前方に連結され着座者の腰部を支持するランバーサポート(身体支持部材)70とを備えている。
【0024】
以下、各構成の詳細を説明する。なお、以下の説明においては、着座者が着座、離座する方向を前後方向、着座者が着座する側を前方、反対側を後方とし、また、前後方向に直交する水平面内の方向を幅方向とし、幅方向に椅子から離間側を側方とする。
【0025】
(脚体)
脚体10は、床面F上を旋回可能なキャスタ11が設けられた複数の脚杆12と、該複数の脚杆12に支持された脚柱13とを備えている。複数の脚杆12は、放射状に配されて基端で互いに連結されており、それぞれの先端にキャスタ11が取り付けられている。脚柱13は、下部が複数の脚杆12の基端に連結されており、上方に向けて立設されている。また、この脚柱13の上部には、背凭れ支持体20を介して背凭れ後部支持部材40を後傾可能とするリクライニング機構(不図示)が内蔵された支基14が取り付けられている。
【0026】
(背凭れ支持体)
背凭れ支持体20は、支基14の幅方向両側方に基部が枢着された一対の前向腕部21と、該前向腕部21の基部から上方に向かって延出するとともに座部30を支持する一対の上向腕部22と、該前向腕部21の基部から後方に向かって延出する一対の後向腕部23とを有している。
【0027】
図2に示すように、この一対の後向腕部23は、後方に向かうにしたがってしだいに互いに近接するように配され後端にて互いに連結されることで、一体として下向きV字状に配されている。そして、一対の後向腕部23の後端は、後述する背凭れ後部支持部材40の下部に固定されている。
【0028】
また、
図1に示すように、背凭れ支持体20には、側方から上方に向かって延出する肘掛け26が設けられている。
【0029】
(座部)
図3に示すように、座部30は、支基14に対して前後方向にスライド可能に前部が支持されるとともに、背凭れ支持体20の上向腕部22に枢着されている。そして、支基14のリクライニング機構により背凭れ支持体20が後傾するにともない、座部30は支基14に対して相対的に後方に移動するとともに後側を下方に向かって傾動するように構成されている。
【0030】
(背凭れ後部支持部材)
図2に示すように、背凭れ後部支持部材40は、背凭れ支持体20に連結された下部連結部41と、該下部連結部41から上方へ向かって延びる変形許容部42と、該変形許容部42の上端から上方に向かうにしたがってしだいに幅方向外側に広がるように配された上部連結部43とを有する。
【0031】
下部連結部41は、下部後面に背凭れ支持体20の一対の後向腕部23の後端が嵌合する凹部(不図示)が形成されており、一対の後向腕部23は該凹部に嵌合されている。そして、下部連結部41は、該凹部にて背凭れ支持体20の上部と例えば、ボルト・ナット(不図示)による螺着によって固定される。さらに下部連結部41は、下端にて背凭れ50に連結されている。
【0032】
図1及び
図4に示すように、変形許容部42は、下端が下部連結部41に連結され上方に向かって配され、上端が上部連結部43に連結されている。また、変形許容部42は、上方に向かうにしたがって幅方向の長さ寸法がしだいに狭くなり、途中から上方に向かうにしたがって幅方向の長さ寸法が再び広くなるように形成されている。
【0033】
この変形許容部42は、前面が凹面、後面が凸面となるように後方に向かって膨出して形成されている。そして、変形許容部42は、凹面状の形成された前面に、前方に向かって突出し略水平方向に延在する横リブ42Aが上下方向に間隔をあけて複数形成され、また前方に向かって突出し略上下方向に延在する縦リブ42Bが椅子1の幅方向に間隔をあけて複数形成されている。
【0034】
本実施形態では、3本の横リブ42Aと横リブ42Aの下側に配置されランバーサポート70と係合する係合リブ40Aが形成され、これら横リブ42A及び係合リブ40Aと交差するように縦リブ42Bが2本形成されている。変形許容部42では、水平断面が後方に向かって膨出する略円弧状に形成されることに加えて、これら横リブ42A及び縦リブ42Bにより、剛性が高められている。
【0035】
上部連結部43は、下端が変形許容部42に連結され、上方に向かうにしたがってしだいに幅方向外側に広がるように配されている。本実施形態では、上部連結部43は、上方に向かうにしたがってしだいに互いに幅方向外側に離間するように配された一対の連結片43A、43Bを有し、一対の連結片43A、43Bによって全体としてV字状に形成されている。
【0036】
図5に示すように、上記の下部連結部41、変形許容部42及び上部連結部43を構成する一対の連結片43A,43Bは、一体成形されており、背凭れ後部支持部材40は、全体として側面視して後方に向かって膨出するように形成されている。なお、
図5において、実線は着座者が凭れた場合の状態を、二点鎖線は着座者が凭れていない状態を示している。
【0037】
つまり、下部連結部41は、湾曲しつつ全体として上方に向かうにしたがって後方へと向かうように傾斜している。また、上部連結部43を構成する一対の連結片43A、43Bは、湾曲しつつ上方に向かうにしたがって前方へと向かうように傾斜している。そして、変形許容部42は、湾曲しつつ、上部連結部43と下部連結部41とを連結している。
【0038】
(背凭れ)
図2に示すように、背凭れ50は、着座者の背を受ける張り材51と、該張り材51が取り付けられ背凭れ後部支持部材40における上部連結部43と連結された上枠部52と、該上枠部52と連結されるとともに張り材51が取り付けられた一対の縦枠部53A,53B(53)とを有する。
【0039】
張り材51は、着座者の背を受け、背の姿勢に応じて変形可能な可撓性を有する部材で構成されている。具体的には、本実施形態ではメッシュ状の素材で形成されているおり、メッシュを構成する糸材が弾性的に伸縮することにより、全体として弾性的に撓み変形可能となっている。この張り材51は、上枠部52と一対の縦枠部53とで囲まれた部分に設けられ、端部がこれら上枠部52及び一対の縦枠部53に固定されている。
【0040】
上枠部52は、幅方向に沿って延在して、その両端が上部連結部43における一対の連結片43A,43Bの上端にそれぞれ連結されるとともに、一対の縦枠部53A,53Bの上端にそれぞれ連結されている。
【0041】
一方の縦枠部53Aは、下材57Aと、該下材57Aの上端に連結されて張り材51から作用する力で弾性変形可能な上材56Aとを有している。同様に、他方の縦枠部53Bも、下材57Bと、該下材57Bの上端に連結されて張り材51から作用する力で弾性変形可能な上材56Bとを有している。
【0042】
図2及び
図5に示すように、下材57A、57Bは、下端が背凭れ後部支持部材40の下部連結部41に連結され、上方に向かうにしたがって、しだいに前方向かい且つ幅方向外側に拡開するように形成されている。また、下材57A、57Bのそれぞれは、上方に向かうにしたがって、断面寸法が小さくなるように形成されている。
【0043】
上材56A,56Bは、着座者の背から作用する荷重に応じて弾性的に捩れ変形可能、且つ弾性的に撓み変形可能に構成されている。
【0044】
この上材56A、56Bは、下端がそれぞれ対応する下材57A、57Bに連結され、上端が上枠部52及び背凭れ後部支持部材40の一対の連結片43A、43Bに連結され、上方に向かうにしたがって下材57A、57Bよりも相対的に後方へ傾斜するように形成されている。
【0045】
上材56A、56Bは、本実施形態では、下材57A、57Bの上端から上方に向かうにしたがってしだいに後方に傾斜するように形成されている。
【0046】
このように縦枠部53A,53Bは、下材57A,57Bにより下部から上方に向かうにしたがってしだいに前方に向かうように形成されるとともに、該下材57A,57Bと上材56A,56Bとの連結部分から上材56A,56Bにより上方に向かうにしたがってしだいに前方に向かうように形成されており、縦枠部53A,53Bは、全体として前方に向かって凸となるように湾曲形成されている。
【0047】
図2に示すように、上記の背凭れ後部支持部材40と縦枠部53とは、側面視して環状に一体成形されている。本実施形態では、背凭れ後部支持部材40の下部連結部41、変形許容部42、一方の連結片43A、一方の縦枠部53Aの上材56A及び下材57Aにより、側面視して環状の第一の環状部61を構成している。
【0048】
また、背凭れ後部支持部材40の下部連結部41、変形許容部42、他方の連結片43B、他方の縦枠部53Bの上材56B及び下材57Bにより、側面視して環状の第二の環状部62を構成している。
【0049】
そして、これら第一の環状部61及び第二の環状部62は、下部連結部41及び変形許容部42で連結されるとともに、全体として一体成形されている。また、上枠部52も、第一の環状部61及び第二の環状部62のそれぞれの上端を連結されるように一体成形されている。
【0050】
すなわち、本実施形態では、背凭れ後部支持部材40の各部と、背凭れ50の上枠部52及び一対の縦枠部53A,53Bとが一体成形されている。
【0051】
また、
図7に示すように、縦枠部53A,53Bには、その幅方向外側から内側に向かって切り込み部54A,54Bが形成され、該切り込み部54A,54Bに張り材51の幅方向端部が挟み込まれるとともに固定されている。
【0052】
(ランバーサポート)
ランバーサポート70は、
図3(a)、
図7に示すように、背凭れ50を構成する張り材51の後方側において背凭れ後部支持部材40の前方側に連結され、側面から見て背凭れ50の前方に向かって膨出するとともに、この実施形態においては、ランバーサポート70と張り材51が接触しないように張り材51との間に間隙が形成されるように構成されている。
【0053】
また、ランバーサポート70は、
図9、
図11に示すように、例えば、ランバーサポート本体(サポート部材)71と、左右一対の側枠部材(面材支持部材)73A、73B(73)と、取付部材80と、連結部材90とを備え、ランバーサポート本体71は、左右両側の縁部71A、71Bに位置する支持部にて側枠部材73A、73B(73)に接続されている。
【0054】
また、ランバーサポート70は、側枠部材73A、73B(73)を取付部材80によって保持し、取付部材80に取付けられた連結部材90を介して背凭れ後部支持部材40に連結されるようになっている。
【0055】
また、ランバーサポート70は、ランバーサポート本体71の上縁及び下縁の後方が背凭れ50と間隙が形成されるようになっている。具体的には、ランバーサポート本体71の上縁及び下縁は、取付部材80との間に間隙70H、70Jが形成されて自由縁とされて、左側の縁部71Aと右側の縁部71Bの間においてランバーサポート本体71の上下方向全域が後方に変形されやすくなっている。
【0056】
ランバーサポート本体71は、
図11〜
図13に示すように、例えば、半透明等の透光性を有するウレタン樹脂やエラストマ等の弾性変形可能な軟質材からなり、背凭れ50の左右方向に延在するシート状の面材とされている。また、左右両側の縁部71A、71Bの端面から、側枠部材73A、73B(73)に形成された突出部75が進入されて側枠部材73に取付けられ、側枠部材73の支持形状部に沿うことで、前方に膨出するように形成されている。
【0057】
側枠部材73は、側面から見て背凭れ50の前方に膨出する支持形状部が形成されるとともにランバーサポート本体71が取付けられる左右一対の側枠部材本体74A、74B(74)と、左右の側枠部材本体74A、74Bから突出しランバーサポート本体71の左右の縁部71A、71Bに向かって伸びる突出部75と、差込部77A、77B(77)とを備えている。
【0058】
突出部75は、この実施形態において、側枠部材本体74A、74B(74)に形成された支持形状部に沿って複数形成されて、ランバーサポート本体71の左右縁部71A、71Bを係止するようになっている。かかる構成により、ランバーサポート本体71は、前方に向かって膨出するようになっている。
【0059】
突出部75は、弾性変形可能な材料により形成され、例えば、
図12、
図13に示すように、側枠部材本体74A、74B(74)から突出する複数の舌片状突出部75Aと、この舌片状突出部75Aを一つおきに周囲を囲むとともに、囲んだ舌片状突出部75Aとの間に貫通孔76Uが画成される有孔係止壁部からなる複数の有孔係止壁部75Bとを備えており、隣接する有孔係止壁部75Bの間は、有孔係止壁部75Bで囲まれていない両隣の舌片状突出部75Aとの間に形成される切込76Yにより離間されている。
【0060】
突出部75は、例えば、ランバーサポート本体71を形成する際に、インサート成形することによりランバーサポート本体71の縁部71A、71Bの端面からランバーサポート本体71内に進入するように形成されている。
そして、インサート成形時に、ランバーサポート本体71の内において、
図10(a)、(b)に示すように、貫通孔76Uを通じて突出部75の厚さ方向に一体成形される壁部71Gによりランバーサポート本体71を支持するようになっている。
【0061】
差込部77A、77B(77)は、側枠部材本体74A、74B(74)の後方側端部から左右方向内方に屈曲して伸びて形成されており、取付部材80と連結するための嵌挿係合部を有している。
【0062】
また、
図10(a)に示すように、ランバーサポート本体71の左右両側の縁部71A、71Bの端面と側枠部材本体74A、74B(74)の間には、それぞれ間隙Gが形成されていて、ランバーサポート本体71が突出部75によって接続されている。
なお、
図10(b)に示すように、ランバーサポート本体71の縁部71A、71Bの端面と側枠部材本体74A、74B(74)の間に間隙Gを形成せずに、互いの端部が当接する構成としてもよい。
【0063】
取付部材80は、左右方向に延在し左右の側枠部材73A、73B(73)を連結する連結部81と、連結部81の左右方向の中央部において連結され上下方向に延在し連結部材90を介して背凭れ後部支持部材40に取付けられる取付部85とを備えている。
【0064】
連結部81は、左右両端部に側枠部材保持部82A、82B(82)を有しており、側枠部材保持部82に側枠部材73の差込部77を嵌挿することにより側枠部材73を保持するように構成されている。
【0065】
また、取付部85は、前後方向に貫通し上下方向に伸びる連結部材取付孔85Hが形成されるとともに、連結部材取付孔85Hの左右両側周縁部に前後方向に曲線的に凹凸を繰り返す波状形状部85Aが形成されている。
【0066】
図9、
図11に示すように、側枠部材73を保持側枠部材保持部82に嵌挿しての取付け部材80と一体化した状態で、ランバーサポート本体71の上縁側は、左右の側枠部材73A、73B(73)を介して取付部材80と接続され、ランバーサポート本体71の上縁の左右方向において、側枠部材73Aと側枠部材73Bの間に間隙70Hが形成されるようになっている。
【0067】
また、一方、ランバーサポート本体71の下縁側は、取付部材80の連結部81に対して側枠部材本体74A、74B(74)を介して片持ちで支持されていて、左右方向において、左右の側枠部材73A、73B(73)を含めて取付け部材80との間に間隙80Jが形成されている。
【0068】
連結部材90は、位置決ブロック91と、取付ブロック95と、固定ねじ90Pとを備えていて、ランバーサポート70を背凭れ後部支持部材40に連結するとともに、ランバーサポート70の上下方向の高さを調整可能とされている。
位置決ブロック91及び取付ブロック95は、取付部材80を前方及び後方から挟みこむように装着され、固定ねじ90Pにより固定されるようになっている。
【0069】
位置決ブロック91は、
図14に示すように、位置決ブロック本体92に、長手方向(上下方向)と直交する断面において後方の左右方向中央側が突出し、長手方向に延在する凸部92Sが形成されていて、固定ねじ90Pが螺合される2つのねじ取付孔92Hが長手方向に間隔をあけて形成されている。
【0070】
また、位置決ブロック本体92は、左右両側の縁部近傍には長穴92Bが形成され、長穴92Bの幅方向外方に弾性変形部92Cが構成されるとともに、それぞれの弾性変形部92Cには長手方向中央に後方に向かって突出し、取付部材80の波状形状部85Aと係合する位置決凸部93が形成されている。この波状形状部85Aと位置決凸部93は、ランバーサポート70を上下方向にスライドさせて段階的に位置決めされる高さ調整機構を構成している。
【0071】
この高さ調整機構によれば、
図18に示すように、ランバーサポート70を、矢印に沿って上下方向に移動した場合に、位置決凸部93が波状形状部85Aの凹部に係合して係止され、高さ調整をすることができるようになっている。
【0072】
取付ブロック95は、
図15に示すように、取付ブロック本体96に、長手方向と直交する断面において前方の左右方向中央側が突出し、長手方向に延在する凸部96Sが形成されていて、固定ねじ90Pを通すための2つの貫通孔96Hが長手方向に間隔をあけて形成されている。
また、凸部96Sは、位置決ブロック91の凸部92Sと当接することで、位置決ブロック91と取付ブロック95の厚さ方向の位置精度を確保するように構成されている。
【0073】
また、取付ブロック本体96の上下方向下側には、取付ブロック本体96から後方に向かって突出し第1係合部を構成する第1係合壁部97が形成され、第1係合壁部97の先端部には下側(第2係合部と反対側)に突出する第1係合凸片97Aが形成されるとともに、下側に開口する略U字状の第1係合形状部97Uを有している。
【0074】
また、第1係合凸片97Aの先端は、取付ブロック本体96の下端より上方に位置している。すなわち、取付ブロック本体96の下端は、第1係合凸片97Aの先端よりも下方側に長く形成されている。
【0075】
また、取付ブロック本体96の長手方向の上側(第2の位置)には、第2係合部を構成する取付ブロック本体96から後方に突出する第2係合壁部98と、チャネル状壁部99が形成されていて、この第2係合壁部98の上側(第1係合部と反対側)には、凹部98Uが形成されている。また、第2係合壁部98の上側には、外部から第2係合壁部98を弾性変形させるための解除孔96Jが形成されている。
【0076】
また、チャネル状壁部99は、第2係合壁部98に対して取付ブロック本体96の長手方向下側(第1係合壁部97側)には、後方側から見て上方が開口するチャネル状に形成され、第2係合壁部98の左右に配置されるガイド壁部99A、99Bと第2係合壁部98の下方に配置される下側ガイド壁部99Cとを有している。
【0077】
上記構成の連結部材90を備えたランバーサポート70は、
図16に示すように、背凭れ後部支持部材40に、容易に連結させることができる。したがって、背凭れ50の張り材51と背凭れ後部支持部材40の間においても、ランバーサポート70の装着、及び取り外しを容易に行うことができる。
【0078】
図17〜
図19に示すように、第1被係合壁部97は、背凭れ後部支持部材40に第1係合壁部97と対応する位置に形成された係合孔40Hの下側に位置する背凭れ後部支持部材40の端部40Fからなり、第1係合壁部97に形成された係合凸片97Aを係合孔40Hに挿入して、第1係合形状部97Uを端部40Fと当接させることで、第1の係合部と第1被係合部が係合するようになっている。このとき、第1係合部と第2係合部の間が、ランバーサポート70と背凭れ後部支持部材40が互いの対向面96Cと40Cで当接するようになっている。
【0079】
また、第2被係合壁部98は、背凭れ後部支持部材40に形成され前方に向かって突出する係合リブ40Aと、第2被係合壁部98の上側(第2係合壁部98の第1係合部と反対側)面と係合リブ40Aの下側面の面が対向するように位置させて、第2係合壁部98を下側に弾性変形させて、係合リブ40Aの途中から下方に突出する凸部40Bを凹部98Uに挿入させることで、第2係合部と第2被係合部が係合するようになっている。
【0080】
また、第2被係合部は、係合リブ40Aの下方に、係合リブ40A、縦リブ42Bとともに、第2係合壁部98と、チャネル状壁部99の下側ガイド壁部99Cを収容する上側に円弧状に突出する収容壁部40Eが形成されていて、第2係合壁部98及びチャネル状壁部99の下側ガイド壁部99Cが、係合リブ40A、縦リブ42B、収容壁部40Eにより画成される収容凹部に形成されることにより、ランバーサポート70が、背凭れ後部支持部材40に確実に連結されるようになっている。
【0081】
上記第1係合部を構成する第1係合壁部97を背凭れ後部支持部材40に形成された第1被係合部と係合させて、第1係合壁部97を端部40Fと係合させた状態で連結部材90の第2係合部側を後方に回動させ、第2係合部を構成する第2係合壁部98を係合リブ40Aに向かって回動するとともに、第2係合壁部98を係合リブ40Aによって弾性変形させて、第2係合壁部98が背凭れ後部支持部材40に形成された第2被係合部と係合することで、ランバーサポート70が背凭れ後部支持部材40に連結されるようになっている。また、第1係合壁部97及び第2係合壁部98が第1被係合部及び第2被係合部に係合された状態で、第1係合壁部97は第2係合部側に、第2係合壁部98は第1係合部側に支持されるようになっている。
【0082】
ランバーサポート70は、背凭れ後部支持部材40に堅牢に支持されることから、左右の縦枠部53A、53B(53)が変形した場合でも縦枠部53に比較して変形しにくく、その結果、弾性変形に大きな力を要するので、着座者が凭れかかっても着座者の腰部をしっかりと支持することができる。
【0083】
次に、
図3、
図5、
図6、
図7、
図8を参照して、椅子1の座部30に着座者が着座して、背凭れ50に凭れかかった場合における作用を説明する。
【0084】
図3(a)及び
図7は着座者が座部30に着座して背凭れ50に凭れかかっていない状態の椅子1を示し、
図5、
図6(a)及び
図8(a)は着座者が背凭れ50に凭れかかった状態を示している。
【0085】
着座者が背凭れ50に凭れかかると、背凭れ50の張り材51に着座者からの力が作用し、この力により張り材51のメッシュを構成する糸材が弾性的に伸縮することにより、全体として着座者の背に沿うようにして、幅方向略中央部が後方に向かって突出するように円弧状に弾性変形する。
【0086】
また、張り材51が固定された縦枠部53A,53Bは、張り材51から作用する力により、その幅方向内側を後方に向けるように弾性変形するとともに、互いに近接するように幅方向内側に移動する。
【0087】
一方、上枠部52の幅方向両端部に連結された一対の縦枠部53A,53Bは、張り材51から作用する力により弾性変形するため、着座者の荷重にしたがって着座者の背に追従するように変形して背を張り材51とともに包み込むように受け止めるとともに、ランバーサポート70が後方に弾性変形しながら着座者の腰部を後方で支持する。このため、着座者は、安定した状態で着座することができる。
【0088】
ランバーサポート70は、背凭れ後部支持部材40に堅牢に支持されることから、左右の縦枠部53A、53B(53)が変形した場合でも縦枠部53に比較して変形しにくく、その結果、弾性変形に大きな力を要するので、着座者が凭れかかっても着座者の腰部をしっかりと支持することができる。
【0089】
また、縦枠部53A,53Bを構成する上材56A,56Bは、張り材51から作用する力により弾性変形するため、着座者の荷重にしたがって着座者の背に追従にするように変形して背を張り材51とともに包み込むように受け止めることができる。
【0090】
また、着座者が、
図6(b)に示すように、背凭れ50の幅方向一方側から後方へと振り向くような姿勢をとった場合には、
図8(b)に示すように、着座者からの荷重が、背凭れ50の幅方向一方側に偏って作用し、偏った側の縦枠部53Bに対して縦枠部53Bを捩れ変形させる荷重が作用する。
【0091】
ここで、縦枠部53Bにおける上材56Bが、背凭れ50から作用する力で捩れ変形可能に構成されている。また、連結片43A,43Bが下方に向かうにしたがって離間する幅を狭めるように形成され互いに接合されて変形許容部42に連結されているため、変形許容部42は上材56Bの捩れ変形を促す構成とされている。よって、上材56Bが着座者の荷重にしたがって着座者の背に追従するように後側方に向かって捩れて変形する。
【0092】
また、上材56Bに連結された連結片43Bは、上材56Bの捩れにともなって変位可能に構成されているため、縦枠部53Bの後側方に向かう捩れにともなって後側方へと変位する。
背凭れ50における張り材51は、着座者からの荷重により、該張り材51のメッシュを構成する糸材が弾性的に伸縮して、着座者の背を包み込むように弾性変形する。
【0093】
また、ランバーサポート70は、着座者が凭れかかることにより、ランバーサポート本体71の上下の自由縁が後方に変形して隙間70H、70Gが小さくなる。そして、隙間70H、70Gが小さくなるので、ランバーサポート本体71は、上下方向の全域にわたって、左右方向から着座者を包み込むように変形する。
【0094】
第1の実施形態に係るランバーサポート70に適用した面材取付け構造によれば、突出部75がランバーサポート本体71の
後方に向かう弾性変形
が可能とされ、ランバーサポート本体71と側枠部材73とが接続される支持部が硬くなりすぎることが抑制されているので、ランバーサポート本体71の支持部における弾性変形許容度が大きくなり、ランバーサポート本体71の身体支持面の大きな範囲にわたって充分な弾性変形許容度を確保することができる。
【0095】
また、突出部75が複数形成されるとともに有孔係止壁部75Bを備え、ランバーサポート本体71内に、貫通孔76Uを通じて厚さ方向に連接する壁部(被係止部)71Gが形成されているので、ランバーサポート本体71を大きな強度で安定して支持することができる。また、この壁部71Gが貫通孔76U内で移動したとしても、ランバーサポート本体71が側枠部材73から脱落するのを抑制することができる。
【0096】
また、ランバーサポート本体71が、半透明等の透光性を有する場合に、突出部75を構成する貫通孔76Uと切込76Yを同じ長さとする等により、デザイン性を高めることができる。
【0097】
また、ランバーサポート本体71が、エラストマ等の弾性変形可能な軟質材により形成されているので、ランバーサポート本体71自体に大きな弾性変形許容度を確保することができ、身体支持面に充分な柔軟性を確保することができる。
【0098】
また、ランバーサポート70によれば、ランバーサポート本体71に
当該ランバーサポート本体71の後方に向かう大きな弾性変形が得やすくなり、ランバーサポート70の膨出した部分と対応する側枠部材73の支持形状部に沿って弾性変形するので、ランバーサポート本体71の大きな範囲において大きな弾性許容度が確保され、身体支持面の大きな範囲にわたって身体を柔軟に支持することができる。
【0099】
以上のように、第1の実施形態に係る椅子1によれば、面材が着座者の荷重に追従しやすく、着座者の荷重を充分に受けることができるので、座り心地の優れた椅子を提供することができる。
また、ランバーサポート70によれば、ランバーサポート本体71の大きな範囲において大きな弾性許容度を確保して、大きな範囲にわたって身体を柔軟に支持することができる。
【0100】
第1の実施形態に係る椅子1及びランバーサポート70によれば、側枠部材73が互いに対向する枠部材として形成され、側枠部材73から突出する突出部75がランバーサポート本体71内に進入してランバーサポート本体71を係止するので、ランバーサポート本体71を大きな強度で接続することができ、ひいてはランバーサポート本体71に加わる荷重を充分に支持することができる。
【0101】
(第2実施形態)
以下、
図20を参照して、本発明の第2実施形態に係る背凭れ150について説明する。
背凭れ150は、背凭れ張材(サポート部材)151と、縦枠部材(面材支持部材)153とを備え、図示しない座部とともに椅子を構成するものである。
背凭れ張材151は、例えば、ウレタン樹脂やエラストマ等の面材からなり、
図20に示すように、左右の縁部151A、151Bにおいて縦枠部材153に取付けられ、背凭れ張材151の上下方向における着座者の腰部と対応する位置には、前方に向かって膨出する膨出形状部151Cが形成されている。
【0102】
縦枠部材153は、例えば、左右で一対とされる縦枠部材153Aと、縦枠部材153Bとを有しており、縦枠部材153A、153Bは、それぞれ背凭れ張材151に向かって突出する突出部154が形成されている。また、縦枠部材153A、153Bの長手方向の途中には、背凭れ張材151に膨出形状部151Cと対応する膨出形状部155A、155Bが形成されている。
【0103】
突出部(有孔係止壁部)154は、弾性を有する弾性変形可能な材料により形成されていて、突出部154の厚さ方向には貫通孔154Hが形成され、背凭れ張材151内に形成される壁部(被係止部)151Gが貫通孔154Hを介して一体的に連接されている。
【0104】
第2の実施形態に係る背凭れ150によれば、縦枠部材153から突出する突出部154が背凭れ張材151内に進入して背凭れ張材151を係止するので、背凭れ張材151を大きな強度で接続することができ、ひいては背凭れ張材151に加わる荷重を充分に支持することができる。
【0105】
また、突出部154が背凭れ張材151の
後方に向かう弾性変形
が可能とされているので、背凭れ張材151と縦枠部材153とが接続される支持部が硬くなりすぎることが抑制されて、背凭れ張材151の支持部における弾性変形許容度が大きくなり、背凭れ張材151の身体支持面の大きな範囲にわたって充分な弾性変形許容度を確保することができる。
【0106】
また、突出部154が複数形成されるとともに有孔係止壁部とされていて、背凭れ張材151内に、貫通孔154Hを介して厚さ方向に一体的に連接する壁部151Gが形成されているので、背凭れ張材151を大きな強度で安定して支持することができる。また、この壁部151Gが貫通孔154H内で移動したとしても、背凭れ張材151が縦枠部材153から脱落するのを抑制することができる。
【0107】
また、背凭れ張材151が、エラストマ等の弾性変形可能な軟質材により形成されているので、背凭れ張材151自体に大きな弾性変形許容度を確保することができ、身体支持面に充分な柔軟性を確保することができる。
【0108】
また、背凭れ張材151の
当該背凭れ張材151の後方に向かう大きな弾性変形が得やすくなり、縦枠部材153に形成された膨出形状部155A、155Bに沿って背凭れ張材151が弾性変形するので、背凭れ張材151の大きな範囲において大きな弾性許容度が確保され、身体支持面の大きな範囲にわたって身体を柔軟に支持することができる。
また、背凭れ150によれば、背凭れ張材151の大きな範囲において大きな弾性許容度を確保して、大きな範囲にわたって身体を柔軟に支持することができる。
【0109】
なお、この発明は、上記実施の形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。
例えば、上記実施の形態においては、着座者が着座していない状態で、ランバーサポート70が張り材51と接触しないように構成される場合について説明したが、着座者が着座していない状態で、ランバーサポート70が張り材51と接触するように構成してもよい。
【0110】
また、上記実施の形態においては、突出部75が、舌片状突出b75Aと、有効係止壁部75Bを備えている場合について説明したが、突出部の形状を複数とするか、また複数の突出部を有する構成とするかは、任意に設定することができる。
【0111】
また、上記実施の形態においては、突出部75が、有孔係止壁部75Bを備える場合について説明したが、貫通孔が形成されない突出部のみとすることもできる。
また、上記実施の形態においては、面材支持部材を構成する側枠部材73に突出部が形成される場合について説明したが、突出部が面材を構成するランバーサポート本体71に形成される構成としてもよい。
【0112】
また、上記実施の形態においては、身体支持部材がランバーサポート70、背凭れ150である場合について説明したが、ランバーサポート70、背凭れ150以外、例えば、ヘッドレスト等に用いてもよいことはいうまでもない。
【0113】
また、ランバーサポート本体71がエラストマ等の軟質材である場合について説明したが、他の材料としてもよいし、透光性を有しない材料により構成してもよい。
【0114】
また、上記実施の形態においては、ランバーサポート本体71、背凭れ張材151を、互いに対向する突出部75、突出部154が形成される互いに対向する支持形状部を有する枠部材からなる側枠部材73A、73B(73)、縦枠部材153A、153B(153)に適用する場合について説明したが、枠部材を構成しない支持部材に、例えば、ランバーサポート本体71の上下縁の一方、背凭れ張材151のいずれかの辺を支持するような構成に適用してもよい。
【0115】
また、上記実施の形態においては、ランバーサポート71の上下縁を自由縁とする場合について説明したが、例えば、上下縁のいずれか一方のみを自由縁としてもよいし、上下縁のいずれか一方又は双方が支持された構成としてもよい。