特許第6343812号(P6343812)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6343812コーティング式立体構造回路の製造方法、回路パネルを有しないLED電球ランプおよび電子部品、LED照明装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6343812
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】コーティング式立体構造回路の製造方法、回路パネルを有しないLED電球ランプおよび電子部品、LED照明装置
(51)【国際特許分類】
   H05K 3/10 20060101AFI20180611BHJP
   F21K 9/00 20160101ALI20180611BHJP
   F21K 9/238 20160101ALI20180611BHJP
   F21V 19/00 20060101ALI20180611BHJP
   F21V 29/503 20150101ALI20180611BHJP
   F21V 29/77 20150101ALI20180611BHJP
   H01L 33/00 20100101ALI20180611BHJP
   F21Y 105/10 20160101ALN20180611BHJP
   F21Y 115/10 20160101ALN20180611BHJP
【FI】
   H05K3/10 D
   F21K9/00 100
   F21K9/238
   F21V19/00 170
   F21V19/00 400
   F21V29/503 100
   F21V29/77
   H01L33/00 L
   F21Y105:10
   F21Y115:10
【請求項の数】5
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2016-548066(P2016-548066)
(86)(22)【出願日】2015年1月27日
(65)【公表番号】特表2017-510974(P2017-510974A)
(43)【公表日】2017年4月13日
(86)【国際出願番号】CN2015071639
(87)【国際公開番号】WO2015110086
(87)【国際公開日】20150730
【審査請求日】2016年9月20日
(31)【優先権主張番号】201410040724.9
(32)【優先日】2014年1月27日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410040726.8
(32)【優先日】2014年1月27日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201410193097.2
(32)【優先日】2014年5月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514285058
【氏名又は名称】上海三思▲電▼子工程有限公司
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI SANSI ELECTRONIC ENGINEERING CO.,LTD.
(73)【特許権者】
【識別番号】316014412
【氏名又は名称】上海三思科技発展有限公司
(73)【特許権者】
【識別番号】514285070
【氏名又は名称】嘉善三思光▲電▼技▲術▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】JIASHAN SANSI PHOTOELECTRIC TECHNOLOGY CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100205936
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 海龍
(74)【代理人】
【識別番号】100132805
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 貴之
(72)【発明者】
【氏名】陳 必寿
(72)【発明者】
【氏名】許 礼
(72)【発明者】
【氏名】王 鵬
(72)【発明者】
【氏名】何 孝良
(72)【発明者】
【氏名】李 晟
(72)【発明者】
【氏名】劉 海波
【審査官】 内田 勝久
(56)【参考文献】
【文献】 特開2005−050910(JP,A)
【文献】 特開2013−055193(JP,A)
【文献】 特開2010−108768(JP,A)
【文献】 特開2002−353595(JP,A)
【文献】 特開2013−080690(JP,A)
【文献】 特表2013−517609(JP,A)
【文献】 特開2014−002862(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 1/00 〜 1/02
H05K 3/10
F21K 9/00
F21V 19/00
F21V 29/503
F21V 29/77
H01L 33/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベース、LED発光ユニット、ランプカバーを含み、
前記LED発光ユニットはベースの上表面に設置され、ランプカバーはベースと直接接触し、LED発光ユニットをカバーし、前記LED発光ユニットは複数のLED発光チップと回路コーティング層を含み、前記回路コーティング層は前記ベースの上表面に直接コーティングされ、前記LED発光チップは、前記ベースの上表面に直接設置され、且つLED発光チップの電極ピンは、回路コーティング層と電気的に接続されており、
前記ランプカバーは外表面と内表面を含み、外表面は光線射出面であり、前記内表面は配光面と熱伝導面を含み、前記配光面は内表面のLED発光チップに対応する内表面エリアに設置され、配光面でない面とLED発光チップとの間は隔てて貼りあわされ、ベースの上表面と共に配光チャンパーを形成し、前記熱伝導面は、ベースの内表面におけるベースに取り付けられたLED発光チップ以外の部分又はすべての上表面に対応する内表面エリアに設置され、ベースと隙間なく貼り合わされ、熱伝導面は少なくとも内表面の中央エリアとエッジエリアに分布されており、
前記ベースの上表面は、平面、曲面、又は複数の平面を合わせた形状であり、
前記ランプカバーの外表面は、配光の要求に応じて特定の曲面の形状に製造され、ベースと接触する内表面は、ベースの上表面の形状と対応する曲面形状であり、
前記ベースには、第一放熱貫通孔が設置されており、
前記ランプカバーには、第二放熱貫通孔が設置され、第二放熱貫通孔は第一放熱貫通孔に対応して連通しており、
前記ベースは中空アウトの構造であり、その上に設けられている第一放熱貫通孔はベースの側面によって外部空気と連通していることを特徴とするLED照明装置。
【請求項2】
前記ランプカバーの内表面は、配光面と熱伝導面のみによって構成され、
中央エリアの面積は、内表面全体の投影面積の10〜55%を占め、
前記ランプカバーは、透光性セラミックス又はガラスにより製造されていることを特徴とする請求項に記載されるLED照明装置。
【請求項3】
ベースは絶縁層がコーティングされている金属ベース、又は絶縁材料によって製造されたベースであることを特徴とする請求項1または2に記載されるLED照明装置。
【請求項4】
前記ベースは中空アウトの構造ではなく、ベースの外側面には放熱フィンが設置されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載されるLED照明装置。
【請求項5】
電源チャンパーをさらに含み、電源チャンパーはベースと連通せず、即ち電源チャンパーのチャンパー本体とベースとは隔てており、電源チャンパーのハウジングは、係止挿入、係止接続又はねじ込みなどの方式によりベースに接続され、それぞれ独立して放熱することができることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載されるLED照明装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コーティング式立体構造回路の製造方法、回路パネルを有しないLED電球ランプおよび電子部品、LED照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
LED照明器具に使用されるチップは、回路に接続されなければ点灯されない。従来のLED照明器具において、チップを点灯するための電気回路は、一つの回路パネルによって実現されている。該回路パネルは、我々が通常の意味でいうプリント基板である。製造されたプリント基板を照明器具ベースに貼りつけ、さらにチップを回路パネルにおける対応位置に溶接すれば、LED照明器具の原形が構成される。しかし残念ながら、通常のプリント基板は平面の板材であり、すべての回路は必ず同一の平面上に位置されなければならないため、大きなスペースを必要とし、一部の特殊な照明器具の構造の設計が不利になる。
【0003】
一方、電子機器組み立てにおいても、回路パネル(Circuit Boards)は重要な部品の一つである。回路パネル上には他の電子部品が搭載され、且つこれらは回路パネルによって回路的に連通され、安定した回路動作環境を提供する。応用において、人々に馴染みのある回路パネルは、緑色のレジストがコーティングされた平面プリント基板が最も一般的である。メッキの方法により基材の両面で銅パネルを形成してから、影印及び印刷プロセスにより回路層の正確な位置を確定し、その後余分な銅をエッチングし、且つ回路層の表面にスズ層をさらに鑞づけすれば、人々の日常生産において使用される回路パネルが形成される。
【0004】
従来の回路パネル製造プロセスは十分に成熟しているが、我々の思い通りに行かない所も多々ある。たとえば、メッキプロセスにおいて生じる廃液は汚染がひどく、その浄化処理は高いコストが生じる。このため、一部の企業は利益の駆使のもとで汚水を好き勝手に放出し、人類と環境に想像不可能な危害を与えている。他方、人々は位置決めや効率の面から考慮して、回路パネルの回路層を製造する際、影印及び印刷のプロセスを使用して回路層の銅板における正確な位置を確定することが一般的である。しかし、このプロセスは便利である一方で、同時に回路パネルの自由度を制限してしまい、回路パネル全体を一枚の二次元の平らな板材に製造せざるを得ず、いかなる立体構造にもすることができない。
【0005】
これらを鑑みて、人々は既存の回路パネルの製造プロセスの代わりに、より環境に優しく、立体構造を有する回路パネルを製造できるプロセスを求めている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は上記の技術的課題を解決するためになされたものであり、コーティング式立体構造回路の製造方法及びその応用を提供することを目的とする。本発明に係る方法によれば、照明器具ベース上において直接複雑な立体回路を製造することが出来るため、LED照明器具の回路パネルへの依存を無くすことができる。また、立体回路は同時に照明器具の設計を更に自由に、多様化にさせる。該方法を更に普及すれば、本発明に係る立体回路を製造する方法は従来の回路パネルの製造プロセスが環境に与える不利な影響を回避できる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の技術的解決手段によって実現される。
【0008】
上述の目的を達成するための本発明は、コーティング式立体構造回路の製造方法であって、
表面に三次元構造を有する物理的な実体のベースを提供するステップAと、
プログラミング可能なコーティング設備を利用する方式または手動の方式によりコーティングあるいは両方式を合わせることにより回路層を前記ベースの表面にコーティングし、前記回路層は金属材料を含む液状又は粉末のコーティング層であり、前記回路層の厚さは20μm以上であるステップBと、
回路層がコーティングされたベースを、前記回路層が乾くまで100〜1000℃の高温で乾燥させるステップCと、
降温することにより立体構造回路を有するベースを取得するステップDと、
を含む。
【0009】
ここで、前記プログラミング可能なコーティング設備は、プログラミングされることにより正確に位置決めすることができ、配線要求に応じて、素早くポイント打ち又は押圧されて押し出しする方式によって回路層図形をプロットする。なお、前記回路層図形の一部又は全部は手動の方式によりコーティングする方法によっても完成させることができる。また、上記の高温での乾燥プロセスは、回路層をよりしっかりと照明器具ベースに固着させることができる。
【0010】
好ましくは、前記ベースは、表面に三次元構造を有する柱状、ブロック状、ラッパ状又は角すい台状の物理的な実体である。
【0011】
好ましくは、前記三次元構造には、ボス、溝、アーチ型突出、窪み構造のうちの一種又は複数種類が含まれる。
【0012】
好ましくは、前記ベースの構成材料は、絶縁材料がコーディングされた金属、高分子材料、耐熱プラスチック又はセラミックスである。
【0013】
好ましくは、前記ベースは照明器具ベースである。
【0014】
好ましくは、前記プログラミング可能なコーティング設備は、プロット済のCAD図を読み取り、自動的に回路層の図形をプロットする。
【0015】
好ましくは、前記プログラミング可能なコーティング設備は、マイクロプログラム方式によって必要な回路層図形を直接プロットする。
【0016】
好ましくは、前記プログラミング可能なコーティング設備は、ディスペンサーである。
【0017】
好ましくは、前記ディスペンサーは、注入器を有する。
【0018】
さらに好ましくは、前記注入器は、X、Y、Zの三つの方向の自由度を有する。
【0019】
さらに好ましくは、前記注入器は、X、Y、Zの三つの座標系により構成される空間ルートでスライド方式により移動する。
【0020】
好ましくは、前記回路層は金属スラリーである。該金属スラリーは、一定の粘着度を有する金属スラリーであり、さらに好ましくは、銀ペーストである。
【0021】
好ましくは、前記降温する方法は、日光による乾燥、風力乾燥または設備による冷却を含む。
【0022】
上述の他の一つの目的を達成するための本発明に係る回路パネルを有しないLED電球ランプは、電球、発光チップ、照明器具ベースおよび口金を含み、前記照明器具のベースは立体構造回路を有し、前記立体構造回路はコーティングプロセスによって照明器具ベースの表面にコーティングされた回路層であり、前記回路層の厚さは電球ランプの電気学指標を満たす。
【0023】
好ましくは、前記照明器具ベースは、上表面に三次元構造を有するラッパ状セラミックスベースである。
【0024】
好ましくは、前記三次元構造には、ボスとアーチ型突出が含まれる。
【0025】
好ましくは、前記電球は、透光性のランプカバーである。
【0026】
好ましくは、前記発光チップは、照明器具ベースに溶接されている。
【0027】
好ましくは、前記発光チップの電極ピンは、回路層と接続している。
【0028】
好ましくは、前記コーティングプロセスは、プログラミング可能なコーティング設備を利用する方式または手動の方式によりコーティングあるいは両方式を合わせることによって実現される。
【0029】
好ましくは、前記回路層は、導電性ペーストである。
【0030】
好ましくは、前記電気学指標は、回路層の負担できる最高電圧及び通過可能な最大電流である。
【0031】
好ましくは、前記回路層の厚さは、20μm以上である。回路層の厚さが20μm以上でなければ、電球ランプの電気学指標に達することができない。
【0032】
好ましくは、前記口金には駆動装置が取り付けられている。
【0033】
上述の他の一つの目的を達成するための本発明に係る回路パネルを有しない電子部品は、基材、電子素子およびハウジングを含み、前記基材は立体構造回路を有し、前記立体構造回路はコーティングプロセスによって基材の表面にコーティングされた回路層であり、前記回路層の厚さは電子部品の電気学指標を満たす。
【0034】
好ましくは、前記基材は、表面に三次元構造を有する四角形状のセラミックス基材である。
【0035】
好ましくは、前記三次元構造には、ボス、溝及び下路アーチ構造が含まれる。
【0036】
好ましくは、前記電子素子は、基材に溶接されている。
【0037】
好ましくは、前記電子素子の電極ピンは、回路層と接続している。
【0038】
好ましくは、前記電子部品には、抵抗、コンデンサ、インダクタンス、ダイオード、トランジスタ、集積チップのうちの一種又は複数種類が含まれる。
【0039】
好ましくは、前記コーティングプロセスは、プログラミング可能なコーティング設備を利用する方式または手動の方式によりコーティングあるいは両方式を合わせることによって実現される。
【0040】
好ましくは、前記電気学指標は、回路層の負担できる最高電圧及び通過可能な最大電流である。
【0041】
好ましくは、前記回路層の厚さは、20μm以上である。回路層の厚さが20μm以上でなければ、電子部品の電気学指標に達することができない。
【0042】
好ましくは、前記電子部品は、ハウジングによってパッケージングされている。
【0043】
上述の他の一つの目的を達成するための本発明に係るLED照明装置は、ベース、LED発光ユニット、ランプカバーを含む。
【0044】
LED発光ユニットはベースの上表面に設置され、ランプカバーはベースと直接接触し、LED発光ユニットをカバーする。前記LED発光ユニットは複数のLED発光チップと回路コーティング層を含み、回路コーティング層は前記ベースの上表面に直接コーティングされている。LED発光チップは、前記ベースの上表面に直接設置され、且つLED発光チップの電極ピンは、回路コーティング層と電気的に接続されており、
前記ランプカバーは外表面と内表面を含み、外表面は光線射出面であり、前記内表面は配光面と熱伝導面を含む。ここで、前記配光面は内表面のLED発光チップに対応する内表面エリアに設置され、配光面でない面とLED発光チップとは隔てて貼りあわされ、ベースの上表面と共に配光チャンパーを形成している。前記熱伝導面は、ベースの内表面におけるベースに取り付けられたLED発光チップ以外の部分又はすべての上表面に対応する内表面エリアに設置され、ベースと隙間なく貼り合わされている。熱伝導面は、少なくとも内表面の中央エリアとエッジエリアに分布されている。
【0045】
好ましくは、中央エリアの面積は、内表面全体の投影面積の10〜55%を占める。
【0046】
好ましくは、前記ランプカバーの内表面は、配光面と熱伝導面のみによって構成されている。
【0047】
好ましくは、前記ランプカバーは、透光性セラミックス又はガラスにより製造されている。
【0048】
好ましくは、前記透光性セラミックスは、PLZT、CaF、Y、YAG、多結晶AION及びMgAlのうちの一種又は複数種類の組み合わせによって構成されるグループから選択される一種類以上の材料を含む。
【0049】
本発明の発明者は、それぞれPC、ガラスと透光性セラミックスを使用してランプカバーを製造して実験を繰り返し、その実験結果からPCを使用した場合のジャンクション温度の上昇幅が最も大きく、ガラスレンズの場合のジャンクション温度の上昇幅は明らかにPCの場合より低く、透光性セラミックスレンズの場合のジャンクション温度の上昇幅はガラスの場合よりも更に低いことが証明された。従って、本発明では、熱伝導性がより優れており、使用中のジャンクション温度の上昇幅がより低いガラスとセラミックスを用いる。
【0050】
好ましくは、前記LED発光ユニットは回路パネルをさらに含み、LED発光チップは回路パネル上に設置され、回路パネルはベース上に設置されている。
【0051】
好ましくは、前記回路コーティング層は、金属材料を含む液状又は粉末のコーティング層であり、前記回路コーティング層の回路層の厚さは、20μm以上である。
【0052】
好ましくは、前記回路コーティング層の金属材料は、モリブデン、マンガン、タングステン、銀、金、プラチナ、銀パラジウム合金、銅、アルミ、スズ等の材料のうちの少なくとも一種又は複数種類の組み合わせから選ばれる。
【0053】
好ましくは、ベースの上表面は、平面、曲面、又は複数の平面を合わせた形状である。
【0054】
好ましくは、ランプカバーの外表面は、配光の要求に応じて特定の曲面の形状に製造され、ベースと接触する内表面は、ベースの上表面の形状と対応する曲面形状である。
【0055】
好ましくは、ベースには、第一放熱貫通孔が設置されている。
【0056】
好ましくは、ランプカバーには、第二放熱貫通孔が設置され、第二放熱貫通孔は第一放熱貫通孔に対応して連通している。
【0057】
好ましくは、ベースは絶縁層がコーティングされている金属ベース、又は絶縁材料によって製造されたベースである。
【0058】
好ましくは、前記ベースは中空アウトの構造であり、その上に設けられている第一放熱貫通孔はベースの側面によって外部空気と連通する。
【0059】
好ましくは、前記ベースは中空アウトの構造ではなく、ベースの外側面には放熱フィンが設置されている。
【0060】
好ましくは、電源チャンパーをさらに含み、電源チャンパーはベースと連通せず、即ち電源チャンパーのチャンパー本体とベースとは隔てている。電源チャンパーのハウジング本体は、係止挿入、係止接続、ねじ込み等の方式によりベースに接続され、それぞれ独立して放熱を実現できる。チップにより生成される熱量の電源に対する影響を低下させ、LED照明装置全体の総合放熱能力を向上させる。
【0061】
本発明に係るLEDランプのランプカバーによれば、前記LEDランプのランプカバーの表面は外表面と内表面を含み、前記外表面は光線射出面であり、前記内表面は配光面及び熱伝導面を含み、前記配光面は光線入射面であり、前記熱伝導面は少なくとも内表面の中央エリアに分布されている。
【0062】
好ましくは、中央エリアの面積は、内表面全体の投影面積の10〜55%を占め、前記LEDランプのランプカバーは、透光性熱伝導材料によって構成されている。
【0063】
好ましくは、前記熱伝導面は、内表面のエッジエリアにも分布されている。
【0064】
好ましくは、前記LEDランプカバーは、透光性セラミックス又はガラスで製造されている。
【0065】
好ましくは、前記透光性セラミックスは、PLZT、CaF、Y、YAG、多結晶AIONとMgAlのうちの一種又は複数種類の組み合わせである。
【0066】
本発明に係るLED照明装置は、上記のLEDランプのランプカバーを含み、ベース、LED発光ユニットをさらに含む。前記LED発光ユニットは前記ベースの上表面に設置され、前記LEDランプのランプカバーは前記ベースに直接接触し、前記LED発光ユニットを内側にカバーする。前記配光面と前記ベースの上表面とは前記LED発光ユニットを収納するための配光チャンパーを形成し、前記熱伝導面は前記ベースの上表面と隙間なく貼りあわされ、熱流動通路を構成する。
【0067】
好ましくは、前記LED発光ユニットの具体的な構造は、以下の構造のうちのいずれか一つである。
前記LED発光ユニットは、複数のLED発光チップおよび回路パネルを含み、LED発光チップは回路パネル上に設置され、回路パネルはベース上に設置されている。
前記LED発光ユニットは、複数のLED発光チップおよび回路コーティング層を含み、回路コーティング層は前記ベースの上表面に直接設置され、前記LED発光チップは前記ベースの上表面に直接設置されており、且つLED発光チップの電極ピンは回路コーティング層と電気的に接続する。
【0068】
好ましくは、前記回路層は、金属スラリーである。
【0069】
好ましくは、前記ベースの上表面は、平面、曲面、又は複数の平面を合わせた形状である。
【0070】
好ましくは、前記ベースには第一放熱貫通孔が設置され、前記LEDランプカバーには第二放熱貫通孔が設置され、前記第二放熱貫通孔は第一放熱貫通孔に対応して連通している。
【0071】
好ましくは、前記ベースは、絶縁層がコーティングされている金属ベース、又は絶縁材料によって製造されたベースである。
【0072】
好ましくは、前記ベースは、以下の構造のうちのいずれか一つである。
前記ベースは中空アウトの構造であり、前記ベースに設置された第一放熱貫通孔はベースの側面によって外部空気と連通する。
前記ベースは中空アウトの構造ではなく、ベースの外側面には放熱フィンが設置されている。
【0073】
好ましくは、電源チャンパーをさらに含み、電源チャンパーのハウジングはベースと接続され、電源チャンパーのチャンパー本体とベースとは隔てている。
【発明の効果】
【0074】
従来の技術に比べ、本発明は以下の有益な効果を奏する。
【0075】
本発明によれば、回路パネルを使用せず、LED照明器具の構造を更にシンプル化させると共に照明器具ベース上において直接立体回路を製造する目的を果たした。その上、本発明によれば、さらに立体回路の製造方法も開示し、該方法は従来のプロセスに比べ、環境によりやさしい。
【0076】
熱伝導性能がより優れている材料をランプカバーに使用しているため、チップにより生成される熱量はベースによって放出できるだけでなく、ランプカバーの内表面に設置され、ベースと直接貼りあわされている熱伝導面によっても外へ放出することができる。ランプカバーの熱伝導面が内表面の中央エリアとエッジエリアに分布されているため、エッジのみが接触する従来技術に比べ、ランプカバーとベースとの接触面積を拡大させ、これによってランプカバーの放熱機能を向上させる。本発明の発明者はコンピュータ上の熱シミュレーションソフトウェアによって計算を行い、本発明と同一材料、同一体積、同一パワーのエッジのみが接触する従来技術に比べ、ジャンクション温度の上昇幅が明らかに降下し、少なくとも30℃以上低下させることができることが算出された。同時に、発明者は実験を繰り返し、得られた実験結果はコンピュータ上の熱シミュレーションソフトウェアがシミュレーションした結果と完全に合致している。
【0077】
発明者のコンピュータ上の熱シミュレーションソフトウェアによる計算によれば、熱伝導面の中央エリアが内表面投影面の10〜55%の範囲を占める場合、算出されたジャンクション温度の上昇幅は明らかに降下し、線形をなしており、面積が10%を下回る又は55%を上回る場合、ジャンクション温度の温度上昇の変化はわずかである。図18に示すように、横軸は中央エリアが内面投影面面積を占める割合を示し、縦軸はジャンクション温度を示す。
【0078】
さらに、本発明の好ましい構造、たとえば放熱貫通孔および中空アウト構造のベースは放熱機能を更に向上させることができる。これらによって装置全体が全方位に向けて放熱でき、装置の放熱性能を大幅に向上させ、装置の使用寿命を延長させる。また、独立して設置されている電源チャンパーはチップにより生成される熱量と電源により生成される熱量とをそれぞれ異なる構造によって外へ放出させることができるため、チップにより生成される熱量の電源に及ぼす影響を減らし、過度の熱の電源に及ぼす影響を低下させる。
【0079】
さらに、放熱性能が向上されているため、装置の体積を増加せずにより大きなパワーの照明装置を製造でき、装置の照明の明るさを向上させるとともに生活および工業上の使用においてLED照明装置の使用範囲と柔軟性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
以下、図面を参照しながら、非限定的な実施例に対して詳細に説明する。これにより、本発明のその他の特徴、目的および利点は更に明確になる。
【0081】
図1】本発明に係るプロセス方法の具体的な処理の流れを示すフローチャートである。
図2】実施例1において本発明に係るプロセス方法により製造された立体回路を有する照明器具ベースの構造を示す図である。
図3】実施例1において照明器具ベースの製造過程で使用されるディスペンサーを示す図である。
図4】本発明に係るLED電球ランプの具体的な実施例2における構造を示す図である。
図5】従来プロセスによって製造される回路パネルの構造を示す図である。
図6】実施例3に係る電子部品の基材に回路層がコーティングされる前の構造を示す図である。
図7】実施例3に係る電子部品の基材に回路層がコーティングされ、且つ部品が取り付けられた後の構造を示す図である。
図8】実施例3の好ましい構造を示す図である。
図2-1】本発明の第4実施例に係るLED照明装置の全体構造を示す図である。
図2-2】図2−1におけるLED照明装置の断面構造を示す図である。
図2-3】本発明の第5実施例に係るLED照明装置の全体構造を示す図である。
図2-4】図2−3におけるLED照明装置の断面構造を示す図である。
図2-5】本発明の第6実施例に係るLED照明装置の全体構造を示す図である。
図2-6】図2−5におけるLED照明装置の断面構造を示す図である。
図2-7】本発明の第7実施例に係るLED照明装置の組み立て図である。
図2-8】本発明の第7実施例に係るLED照明装置の発光ユニットの構造を示す図である。
図2-9】本発明の第7実施例に係るLED照明装置の全体構造を示す図である。
図2-10】本発明の第8実施例に係るLED照明装置の全体構造を示す図である。
図2-11】図2−10におけるLED照明装置の断面構造を示す図である。
図2-12】本発明の第9実施例に係るLED照明装置の全体構造を示す図である。
図2-13】図2−12におけるLED照明装置の断面構造を示す図である。
図2-14】図2−2におけるランプカバー2−3の配光面2−31および熱伝導面2−32の詳細分布を示す図である。
図2-15】図2−4におけるランプカバー2−3の配光面2−31および熱伝導面2−32の詳細分布を示す図である。
図2-16】図2−6におけるランプカバー2−3の配光面2−31および熱伝導面2−32の詳細分布を示す図である。
図2-17】図2−12における配光面と熱伝導面の詳細分布を示す図である。
図2-18】コンピュータによりをシミュレーションしたLEDランプのランプカバーの放熱結果を示す曲線図である。
図2-19】本発明の第10実施例に係るLED照明装置の全体構造を示す図である。
図2-20】図2−19におけるLED照明装置の断面構造を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
以下、具体的な実施例及び図面を用いて、本発明に対して詳しく説明する。以下の実施例は当業者が本発明をより理解しやすいようにするためのものであり、いかなる形で本発明を制限するものではない。なお、当業者であれば、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内において、本発明の一部を変形し、改良することも可能であることに注意されたい。これらの変形や改良のいずれも本発明の保護範囲に属する。
<実施例1>
【0083】
本実施例は、コーティング式立体構造回路の製造方法及び当該製造方法の回路パネルを有しない照明器具ベースにおける応用に関する。本実施例において、本発明に係る製造方法によれば、表面に三次元構造を有する第一照明器具ベース1において立体回路を製造する。具体的な実施形態及びプロセスは図1〜3に示す通りである。
【0084】
図1は、本発明に係る立体回路を製造するためのプロセスを示すフローチャートである。図に示すように、該製造方法は下記の四つのステップに分かれている。まず、一定の三次元構造を有するベースを提供しなければならない。なお、ベースの形状及び材料は限定しない。次に、予め設計又は工夫した回路図にしたがって、回路層をベースの表面にコーティングする。続いて、回路層がコーティングされたベースを加熱機に投入して焼結補強する。最後に、降温することによりベースを得る。このようにして得られたベースは、立体回路を有する。
【0085】
図2は、本発明に係るプロセス方法により製造された立体回路を有する照明器具ベースの構造を示す図である。その製造ステップは以下の通りである。(1)第一照明器具ベース1を提供し、該第一照明器具ベース1の表面は三次元構造を有する。(2)マイクロプログラムによってディスペンサーをコントロールして第一照明器具ベース1の表面に第一導電性ペースト2をコーティングする。そして、手動的に導電性ペーストを取り、ブラシを使って第二導電性ペースト3を照明器具ベース1の表面に塗る。(3)第一導電性ペースト2、第二導電性ペースト3がコーティングされた第一照明器具ベース1を高温炉に投入して乾燥させ、乾燥された第一導電性ペースト2、第二導電性ペースト3を取り出す。(4)取得した第一照明器具ベース1を冷暗所に放置して自然に乾燥させる。このようにして得られた第一照明器具ベース1は、立体回路を有する。
【0086】
図2の示すように、第一照明器具ベース1には回路パネルが搭載されておらず、その表面も平面ではなく、一定の三次元構造を有するものである。これらの三次元構造は具体的には、第一ボス4と四角形状の溝5である。該第一照明器具ベース1は、全体的にラッパ状を呈し、耐熱プラスチックによって構成され、優れた熱伝導性能を有する。第一照明器具ベース1の素材は、セラミックス又は高分子材料などその他の優れた熱伝導性能を有する材料を選択することができる。我々は第一照明器具ベース1の表面において、機械を利用する方式と手動の方式によるとの二つの方法によって回路層をコーティングした。回路層は第一導電性ペースト2と第二導電性ペースト3であるが、鑞づけスズなどその他の金属成分を含む液状又は粉末のコーティング層によって代替することもできる。第一導電性ペースト2はディスペンサーによってコーティングされ、第一照明器具ベース1の上表面をカバーし、且つ一部は第一ボス4を通過する。第二導電性ペースト3のコーティングは、当業者がブラシを使って導電性ペーストを取ってから、手動で第一照明器具ベース1に塗り、第二導電性ペースト3の一部は四角形状の溝5を通過する。第一導電性ペースト2と第二導電性ペースト3の厚さは20μm以上あり、好ましくは50μmである。該厚さはディスペンサーに内設されたシステムによって調節設置される。該実施方法において、第一導電性ペースト2の厚さが50μmであれば、照明器具の製造に必要な電気学パラメータの要求を満たすことができる。該電気学パラメータは、抵抗、電圧及び電流などを含む。第一、第二導電性ペースト2、3の厚さが20μmを下回る場合、それに加われた電圧を負担できず、第一、第二導電性ペースト2、3に過度の電流が流れ、回路が熱によって破損される可能性がある。ディスペンサーは、押圧されて押し出しする方法で第一導電性ペースト2を第一照明器具ベース1にコーティングする。該ディスペンサーは、注入器を有し、注入器は内部の圧力を受けて導電性銀ペーストを注入器の管から押し出し、プログラミングされたルートでスライドし、第一導電性ペースト2のコーティングを完了する。回路層がコーティングされた第一照明器具ベース1を高温炉に投入して約1.5時間経過させ、温度を600℃程度にコントロールして乾燥させ、回路層が乾燥されたあと、加熱を停止する。該温度で持続的に一時間以上乾燥することにより、第一、第二導電性ペースト2と3の付着力を大幅に向上させ、回路層を隙間なく第一照明器具ベース1に焼結させることができる。温度が100℃を下回ると、過熱の目的を果たすのが難しい。一方、温度が1000℃を上回る高温に達すると、第一照明器具ベース1は熱により破壊される可能性がある。第一照明器具ベース1を取り出して自然に乾燥させる。このようにして得られた該第一照明器具ベース1は、立体回路を有する。
【0087】
図3は、本発明に係るプロセス方法によって図2における照明器具ベース1を製造する過程に使用されるディスペンサーの構造を示す図である。該ディスペンサーは、深セン市羚電ハイテク有限会社によって製造され、その型番はSD300である。該ディスペンサーによれば、すでにプロットされたCAD図形にしたがって接着剤を塗ることができるだけでなく、マイクロプログラムによっても接着剤を塗ることが可能であるため、位置決めが非常に精確である。また、高周波数のマーク機能も有する。注入器に一定粘度のスラリーを充填し、接着剤を塗ることに用いる。該ディスペンサーはさらに先進的な制御システムを有し、必要に応じて注入器の圧力、接着剤を塗る効率および量をコントロールすることができる。
<実施例2>
【0088】
本実施例は、コーティング式立体構造回路の製造方法及び回路パネルを有しないLED電球ランプにおける応用に関する。
【0089】
図4は、本実施例に係るLED電球ランプの具体的な実施例を示す図である。該LED電球ランプは、電球6、発光チップ8、第二照明器具ベース12と口金13によって構成される。該LED電球ランプは従来の電球ランプに比べ、回路パネルを省き、回路を第二照明器具ベース12上に直接配置している。更に重要なのは、該回路は立体回路構造の形で第二照明器具ベース12上に表されている。回路パネルを省いた利点は、熱量が発光チップ8から第二照明器具ベース12まで移動するルートを短縮でき、熱抵抗を大幅に減少させることができることである。したがって、照明器具の放熱効率を向上させることができる。また、立体回路構造の応用により、第二照明器具ベース12の形状を多様化にさせることができるだけでなく、当業者が更に合理的にチップの配置位置と角度をコントロールできるようにして配光要求を満たすことができる。該電球ランプの立体回路を製造する場合、本発明に係るプロセス方法が利用され、プログラミング可能なコーティング設備を利用する方式または手動の方式によるコーティングあるいは両方式を合わせることによって第二照明器具ベース12において立体回路構造を製造する。
【0090】
構造から見ると、該照明器具の最上端には電球6が設けられ、該電球6は透光可能なランプカバーである。電球6には4個の発光チップ8が含まれ、発光チップ8は二つずつ第二照明器具ベース12に溶接されている。第二照明器具ベース12はラッパ状のセラミックスベースであり、上表面は一定の三次元構造を有する。三次元構造は、より具体的に言うと第二ボス9およびアーチ型突出10である。配光要求に達するため、その内の二つの発光チップ8はそれぞれ第二ボス9の両側のエッジに配置され、他の二つの発光チップ8はアーチ型突出10の二つのスライド面に配置されている。第二照明器具ベース12の上表面には焼結された立体回路構造がコーティングされ、立体回路構造は、より具体的に言うと第三導電性ペースト7であり、即ち第二照明器具ベース12の表面にコーティングされた回路層である。第三導電性ペースト7の厚さは20μm以上であり、好ましくは50μmである。このような厚さのもと、LED電球ランプを電源に接続すれば、第三導電性ペースト7に加えた電圧の大きさと第三熱伝導銀ペースト7を流通する電流の大きさはいずれも正常範囲にあり、回路が熱で破損されることがなく、LED電球ランプの正常動作を維持することができる。第三導電性ペースト7は第二ボス9およびアーチ型突出10の表面の一部をカバーし、発光チップ8の正負極ピンはいずれも第三導電性ペースト7と接触し、電気的に接続されることが確保されている。第二照明器具ベース12には、さらに二つの電気孔と一つの中央プロセス孔が開設され、電気接続線11は第三導電性ペースト7を連通し、電気孔を通して口金13内にある駆動装置に接続し、照明器具全体の電気回路を完成させる。
<実施例3>
【0091】
本実施例は、コーティング式立体構造回路の製造方法及び回路パネルを有しない電子部品における応用に関する。
【0092】
図5は、市場でよく見られる従来のプロセスにより製造された回路パネルの構造を示す図である。図に示すように、板材14全体が平面の板状の構造を有し、その上には第一回路層15が設けられている。第一部品16と第二部品17は板材14のプリセット位置に取り付けられ、鑞づけポイント18によって板材14に固定され、且つ第一回路層15と接続される。ここで、第一回路層15は光抵抗エッチングプロセスによって余分な銅をエッチングし、そしてスズを更に鑞づけすることにより形成される。第一回路層15、鑞づけポイント18及び第一部品16と第二部品17の位置は、予めプロットした図面を板材14に影印印刷したものである。また、第一部品16と第二部品17は鑞づけポイント18によって板材14に固定されると共に、第一回路層15と連通される。それと共に、影印印刷プロセスにおいては、各部品及び回路の位置をはっきり且つ正確に板材14に反映させるために、回路パネルの板材14は表面がスムーズで、且つ如何なる三次元構造も有しない二次元パネルであることが要求されている。これなら、人々が回路パネルを設計製造する際の操作自由度が大幅に制限される。さらに、一部の特殊な状況においては、回路パネルの水平方向における占める空間が制限されることがあるが、第一部品16と第二部品17とは電磁学又は熱学方面において一定の交互影響を有し、一定の距離を空けなければその影響は解除できないため、平面の回路構造設計に困難を与えた。
【0093】
図6は、本実施例に係る電子部品の基材が回路層にコーティングされる前の構造を示す図である。該基材19は大体四角の形状を有し、その材料は主にセラミックスであり、構造が比較的に複雑で、幾多の窪入が含まれている。基材19の中心には円形溝20があり、円形溝20のエッジは一定の傾斜角度を有する。それと共に、該円形溝20には、二組の第三ボス21がさらに含まれ、各組の第三ボス21の間は半円型に近い下路アーチ構造22で接続されている。円形溝20、第三ボス21及び下路アーチ構造22は、基材19において一定の三次元構造を構成する。図に示される基材19は、回路層がコーティングされる前である。
【0094】
図7は、図6で示された電子部品の基材に回路層がコーティングされ、且つ部品が取り付けられた後の構造を示す図である。基材19には本発明に係るプロセス方法により第二回路層23がコーティングされ、第二回路層23の厚さは20μm以上ある。該基材19内における各電子部品の正常動作を保証するため、回路層23をコーティングする厚さは40μmであることが好ましい。第一部品24、第二部品25及びその他の部品は基材19の対応位置に溶接され、第一、二部品24、25の正、負極ピンはいずれも第二回路層23と接触する。第一、二部品24、25は、抵抗、コンデンサ、インダクタンス、トランジスタ、集積チップなどを含む。第一部品24と第二部品25との間には一定の電磁干渉が存在するため、一定の距離を保たなければ解消することができない。第二回路層23は三次元構造を有する基材19の表面にコーティングされているため、該基材19は立体回路構造を有し、第一部品24と第二部品25とが同一水平面に位置しないこと許容し、両者が垂直方向においても一定の距離を隔てるようにして、基材19が水平方向の空間に制限され、第一、二部品24、25との間に充分な距離が取れない欠陥を補うことができる。その他、基材19表面の三次元構造もボス、溝等に限らず、更に複雑で多様な構造にすることができる。この場合においても依然として基材19の表面に回路層をコーティングする方法により立体回路構造を構成することができ、回路パネルの回路製造およびデザインによる制限を徹底的に解消することができる。
【0095】
図8は、本実施例に係る電子部品の好ましい構造を示す図である。該電子部品の主な構造は、基材19、電子部品及びハウジング26を含む。該電子部品には回路パネルが取り付けられておらず、基材19の表面において直接立体回路を製造する方法によりその電気的機能を実現している。基材19の表面において立体回路構造を製造し、電子部品を取り付けた後、ハウジング26で完全にパッケージングすれば、一定機能を有する完全な電子部品が構成される。
【0096】
以上をまとめると、本発明に係る製造方法により立体回路構造を製造すれば、回路パネルが必ず平面板材構造を有しなければならないことに制限されず、高い実現可能性を有しうる。その他、フローがシンプルで、汚染がないため、該技術的解決手段の具体的な応用は社会の低炭素エコな傾向とも更に適合することができる。
【0097】
本発明に係るLED照明装置は、ベース2−1、LED発光ユニット、ランプカバー2−3、電源チャンパー2−5を含む。ランプカバー2−3は実体透光熱伝導材料によって製造され、優れた熱伝導機能を有する。LED発光ユニットのLED発光チップはベース2−1に固定されており、ランプカバー2−3はベース2−1に設置され、ベース2−1と直接接触し、LED発光ユニットを内側にカバーする。ランプカバー2−3の内表面の熱伝導面2−32はベース2−1の上表面と隙間なく貼り合わされ、熱流動通路を形成して、放熱機能を実現する。ランプカバー2−3とLED発光チップ2−2に対応するエリアの内表面は設計の必要に応じて特定の空間構造形状を形成し、光強度の分布を変化させる。ランプカバー2−3とLED発光ユニット又はLED発光チップに対応するエリアの内表面即ち配光面およびベース上表面とはLED発光ユニットを収納する配光チャンパーを形成する。ここで、熱伝導面2−32はランプカバー2−3の内表面の一部として、それ自体が光線の反射及び/又は屈折特性を利用して配光に加わることができる。従って、熱伝導面2−32を利用して配光に加わる技術的解決手段は、同様に本発明が保護する非限定的な実施例に属する。
【0098】
ベース2−1の上表面は、平面、曲面、又は多数の平面を合わせた形状である。ベース2−1は中空アウトの構造に作られ、空気の流通を向上させ、放熱効果を強めることができる。例えばベース2−1の中央部において第一放熱貫通孔2−81を設置することにより空気の流通を向上させ、放熱効果を強める。これに対応して、ランプカバー2−3とベース2−1に対応する位置に第二放熱貫通孔2−82を設置する。LED発光チップの数は、一つ又は複数ある。
【0099】
ランプカバー2−3は配光機能を有し、セラミックス、ガラス又はその他の光透過性能を有する高熱伝導材料から選択する。ランプカバー2−3の外表面は実際の必要に応じて、特定形状に設計される。ベース2−1は電源チャンパー2−5の上に設置され、それぞれ独立して放熱を実現できる。ベース2−1は、金属ベースに絶縁層をコーティングしたものや、セラミックスベース等であってよい。
<実施例4>
【0100】
続いて、図2−1および図2−2を参照しながら、第4実施例について詳細に説明する。
【0101】
本実施例において、LED照明装置はLED電球ランプである。該LED電球ランプは主に、ベース2−1、16個のLED発光チップ2−2、回路パネル2−4、ランプカバー2−3と電源チャンパー2−5を含む。ベース2−1は、上表面が平面であって、絶縁層がコーティングされたアルミベースである。アルミベースには回路パネル2−4が設置され、16個のLED発光チップ2−2は回路パネル2−4に設置されている。ランプカバー2−3は、実体の透光ガラスである。ランプカバー2−3とベース2−1とは直接接触し、ベース2−1をカバーし、LED発光チップおよび回路コーティング層を内側にパッケージングする。配光面2−31は、LED発光チップ2−2に対応する内表面に設置され、LED発光チップ2−2とは貼りあわされておらず、ベースの上表面と共に配光チャンパーを形成する。熱伝導面2−32は、少なくともランプカバーの内表面の中央エリアとエッジエリアに分布され、ベース2−1の上表面と完全に貼りあわされることにより透光及び放熱機能を実現する。ベース2−1は中空アウトの構造ではなく、ベース2−1の外側面には放熱フィン2−9が設置され、放熱面積を拡大させることができる。ベースには配線が通過できるように電気孔が設けられ、配線の一端は回路パネルに接続され、他端は電気孔を通過して電源チャンパー2−5内の電源に接続される。電源チャンパー2−5はベースと一体となり、チャンパー本体とベース2−1は連通せず、それぞれ独立して放熱することが出来る。なお、電源チャンパー2−5はプラスチックによって製造され、独立の構造であり、ベース2−1と連通しなくてもよい。ベース2−1と電源チャンパーとは、ねじ込みの方式によって接続される。
<実施例5>
【0102】
続いて、図2−3および図2−4を参照しながら、第5実施例について詳細に説明する。
【0103】
本実施例において、LED照明装置はLED電球ランプであってよい。該LED電球ランプは主に、ベース2−1、12個のLED発光チップ2−2、回路コーティング層、ランプカバー2−3と電源チャンパー2−5を含む。ベース2−1は、上表面が曲面であるセラミックスベース2−1であり、図2−3、図2−4に示すような形状を有する。回路コーティング層は導電性ペーストであり、ベースの上表面に直接コーティングされ、LED発光チップはベース2−1の上表面から突出する曲面に設置されている。ベース2−1の上表面には回路コーティング層が直接コーティングされ、すべてのチップ及び電源の電気的接続を実現し、LED発光チップの電極ピンは回路コーティング層と電気的に接続する。回路コーティング層の材料は、導電性ペーストである。ランプカバー2−3は、実体の透光セラミックスであり、PLZTによって製造される。ランプカバー2−3とベース2−1とは直接接触して接合され、ベース2−1をカバーし、LED発光チップおよび回路コーティング層を内側にパッケージングする。配光面2−31は、LED発光チップ2−2に対応する内表面に設置され、LED発光チップ2−2と貼りあわされておらず、ベースの上表面と共に配光チャンパーを形成する。熱伝導面2−32は、少なくともランプカバーの内表面の中央エリアとエッジエリアに分布され、ベース2−1の上表面と完全に貼りあわされることにより透光及び放熱機能を実現する。電源チャンパー2−5は、独立な構造を有し、ベース2−1とは連通しない。ベース2−1は、電源チャンパー2−5のハウジング本体と係止挿入の方式により接続され、それぞれ独立して放熱することを実現する。好ましくは、ベース2−1は、全て中空アウトの構造であり、対流換気を実現できる。
<実施例6>
【0104】
続いて、図2−5および図2−6を参照しながら、第6実施例について詳細に説明する。
【0105】
本実施例において、LED照明装置は、ユニット化されたLED照明装置である。各LED照明装置は、照明システム全体における一つのLED発光単位である。各LED発光単位は主に、ベース2−1、4個のLED発光チップ2−2、ランプカバー2−3によって構成される。ベース2−1は、アルミベースであり、絶縁材料がコーティングされている。ベース2−1には回路パネル2−4が取り付けられ、LED発光チップ2−2は回路パネル2−4に設置されている。ランプカバー2−3は、実体の透光セラミックスであり、多結晶AIONによって製造される。ランプカバー2−3とベース2−1とは直接接触され、ベース2−1をカバーし、LED発光チップ2−2および回路コーティング層2−4を内側にパッケージングする。配光面2−31は、LED発光チップ2−2に対応する内表面に設置され、LED発光チップ2−2とは貼りあわされておらず、ベース上表面と共に配光チャンパーを形成する。熱伝導面2−32は、少なくともランプカバーの内表面の中央エリアとエッジエリアに分布され、ベース2−1の上表面と完全に貼りあわされることにより透光及び放熱機能を実現する。ベース2−1は、中空アウトの構造ではなく、ベース2−1の外側面には放熱フィン2−9が設置され、放熱面積を拡大することができる。複数のLED発光単位を組み合わせれば、一つの照明システムを形成して使用することができる。
<実施例7>
【0106】
続いて、図2−7、図2−8および図2−9を参照しながら、第7実施例について詳細に説明する。
【0107】
本実施例において、LED照明装置はモジュール型のLED照明装置であってよく、主に発光金型2−6とフレーム2−7を組み合わせることによって構成される。モジュール型のLED照明装置は、1つのベース2−1、24個のLED発光チップ2−2、8個のランプカバー2−3を含む。ベース2−1は、アルミベースであり、絶縁材料がコーティングされ、絶縁材料の上には回路コーティング層がコーティングされている。24個のLED発光チップ2−2は、3個ずつ一組に分けられ、それぞれ絶縁材料がコーティングされた2−1に設置され、回路コーティング層を介して互いに接続されている。回路コーティング層は、導電性銅ペーストである。8個のランプカバー3は、実体の透光セラミックスであり、YAGによって製造される。また、外表面は半球型であり、それぞれベース2−1をカバーしており、各ランプカバー2−3はそれぞれ対応する3個のLED発光チップ2−2を内側にパッケージングする。配光面2−31は、LED発光チップ2−2に対応する内表面に設置され、LED発光チップ2−2とは貼りあわされておらず、ベースの上表面と共に配光チャンパーを形成する。熱伝導面2−32は、少なくともランプカバーの内表面の中央エリアとエッジエリアに分布され、ベース2−1の上表面と完全に貼りあわされることにより透光及び放熱機能を実現する。ベース2−1は、中空アウト構造ではなく、ベース2−1の外側面には放熱フィン2−9が設置され、放熱面積を拡大することができる。9個の発光金型2−6は、フレーム2−7に接続され、図2−10の示すように、完全なモジュール型LED照明装置システムを形成する。
<実施例8>
【0108】
続いて、図2−10および図2−11を参照しながら、第8実施例について詳細に説明する。
【0109】
本実施例において、LED照明装置はLED電球ランプであってよい。該LED電球ランプは主に、ベース2−1、12個のLED発光チップおよびランプカバー2−3を含む。ベース1は、上表面が曲面であるセラミックスベース2−1であり、図2−9、図2−10に示すような形状を有する。ベース2−1には回路コーティング層がコーティングされ、回路コーティング層は導電銀パラジウム合金スラリーである。ベース2−1の中央には第一放熱貫通孔2−81が開設され、LED発光チップ2−2はベース2−1の上表面の放熱貫通孔以外のその他の部分に設置され、回路コーティング層によって互いに接続されている。ランプカバー2−3は、実体の透光セラミックスであり、MgAlによって製造される。ベース2−1の第一放熱貫通孔2−81に対応する中央位置には同じ大きさの第二放熱貫通孔2−82が開設され、空気の流通を実現する。ランプカバー2−3のベース2−1に接触する内表面は、ベース2−1の形状と対応する曲面である。ランプカバー2−3とベース2−1とは直接接触してベース2−1をカバーし、LED発光ユニット2−2および回路コーティング層を内側にパッケージングする。配光面2−31は、LED発光チップ2−2に対応する内表面に設置され、LED発光チップ2−2とは貼りあわされておらず、ベース上表面と共に配光チャンパーを形成する。熱伝導面2−32は、少なくともランプカバーの内表面の中央エリアとエッジエリアに分布され、ベース2−1の上表面と完全に貼りあわされることにより透光及び放熱機能を実現する。ベース2−1は、全てが中空アウトの構造であり、対流換気を実現できる。電源チャンパー2−5のハウジング本体は、ベース2−1とは連通しない。ベース2−1と電源チャンパー2−5のハウジング本体とはねじ込みの方式によって接続され、それぞれ独立して放熱することを実現する。
<実施例9>
【0110】
続いて、図2−12および図2−13を参照しながら、第9実施例について詳細に説明する。
【0111】
本実施例において、LED照明装置は、一個のベース2−1、2〜25個のLED発光チップ、1個のランプカバー2−3を含む。ベース2−1は、四角形状のセラミックスベース2−1であり、ベース2−1には回路パネル2−4が設置され、LED発光チップは回路パネル2−4に設置されている。ランプカバー2−3は、実体の透光セラミックスである。該透光セラミックスは、ベース2−1と対応する四角形状を有しており、ベース2−1をカバーしており、全てのLED発光チップ2−2および回路コーティング層2−4を内側にパッケージングする。配光面2−31は、LED発光チップ2−2に対応する内表面に設置され、LED発光チップ2−2とは貼りあわされておらず、ベース上表面と共に配光チャンパーを形成する。熱伝導面2−32は、少なくともランプカバーの内表面の中央エリアとエッジエリアに分布され、ベース2−1の上表面と完全に貼りあわされることにより透光及び放熱機能を実現する。
<実施例10>
【0112】
続いて、図2−19および図2−20を参照しながら、第10実施例について詳細に説明する。
【0113】
本実施例において、LED照明装置はLED電球ランプであってよい。該LED電球ランプは主に、ベース、36個のLED発光チップ、回路パネル、高熱伝導ランプカバーと電源チャンパーを含む。ベースは、上表面が平面のセラミックスベースである。回路パネルはベースに設置され、LED発光チップは回路パネルに設置されている。ランプカバーは、実体の透光セラミックスである。ランプカバーはベースに直接接触し、LED発光チップおよび回路パネルを内側にカバーする。配光面とベースの上表面とはLED発光ユニットを収納する配光チャンパーを形成し、熱伝導面はランプカバーの内表面の中央エリアとエッジエリアに分布され、ベース上表面と隙間なく貼りあわされ、熱流動通路を構成する。熱伝導面の面積は、内表面全体投影面積の10%、40%又は55%を占める。ベースは、中空アウトの構造ではなく、ベースの外側面には放熱フィンが設置されている。ベースには配線が通過できるように電気孔が設けられ、配線の一端は回路パネルに接続し、他端は電気孔を通過して電源チャンパー内の電源に接続される。電源チャンパーはセラミックスによって製造され、ベースと電源チャンパーとは固定的に接続され、ベースとは連通せず、それぞれ独立しえ放熱を実現できる。
【0114】
上記第5実施例から第10実施例はいずれも第4実施例の変形例及び好ましい例として考えることができ、第5実施例から第10実施例はいずれも互いに変形例及び好ましい例として考えることができる。
【0115】
以上のとおり、本発明に係る具体的な実施方法及び実施例について説明したが、これらは本発明を制限するものではなく、本発明の主旨から逸脱しない範囲内において、当業者は各種の簡単な変形と修整を行うことができ、これらはいずれも本発明の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0116】
1 第一照明器具ベース、
2 第一導電性ペース、
3 第二導電性ペースト、
4 第一ボス、
5 四角形状の溝、
6 電球、
7 第三導電性ペースト、
8 発光チップ、
9 第二ボス、
10 アーチ型突出、
11 電気接続線、
12 第二照明器具ベース、
13 口金、
14 板材、
15 第一回路層、
16 第一部品、
17 第二部品、
18 溶接ポイント、
19 基材、
20 円形溝、
21 第三ボス、
22 下路アーチ構造、
23 第二回路層、
24 第一部品、
25 第二部品、
26 ケース、
2−1 ベース、
2−2 LED発光チップ、
2−3 ランプカバー、
2−31 配光面、
2−32 熱伝導面、
2−4 回路パネル、
2−5 電源チャンパー、
2−6 発光金型、
2−7 フレーム、
2−81 第一放熱貫通孔、
2−82 第二放熱貫通孔、
2−9 放熱フィン。
図1
図2
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