【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は以下の技術的解決手段によって実現される。
【0008】
上述の目的を達成するための本発明は、コーティング式立体構造回路の製造方法であって、
表面に三次元構造を有する物理的な実体のベースを提供するステップAと、
プログラミング可能なコーティング設備を利用する方式または手動の方式によりコーティングあるいは両方式を合わせることにより回路層を前記ベースの表面にコーティングし、前記回路層は金属材料を含む液状又は粉末のコーティング層であり、前記回路層の厚さは20μm以上であるステップBと、
回路層がコーティングされたベースを、前記回路層が乾くまで100〜1000℃の高温で乾燥させるステップCと、
降温することにより立体構造回路を有するベースを取得するステップDと、
を含む。
【0009】
ここで、前記プログラミング可能なコーティング設備は、プログラミングされることにより正確に位置決めすることができ、配線要求に応じて、素早くポイント打ち又は押圧されて押し出しする方式によって回路層図形をプロットする。なお、前記回路層図形の一部又は全部は手動の方式によりコーティングする方法によっても完成させることができる。また、上記の高温での乾燥プロセスは、回路層をよりしっかりと照明器具ベースに固着させることができる。
【0010】
好ましくは、前記ベースは、表面に三次元構造を有する柱状、ブロック状、ラッパ状又は角すい台状の物理的な実体である。
【0011】
好ましくは、前記三次元構造には、ボス、溝、アーチ型突出、窪み構造のうちの一種又は複数種類が含まれる。
【0012】
好ましくは、前記ベースの構成材料は、絶縁材料がコーディングされた金属、高分子材料、耐熱プラスチック又はセラミックスである。
【0013】
好ましくは、前記ベースは照明器具ベースである。
【0014】
好ましくは、前記プログラミング可能なコーティング設備は、プロット済のCAD図を読み取り、自動的に回路層の図形をプロットする。
【0015】
好ましくは、前記プログラミング可能なコーティング設備は、マイクロプログラム方式によって必要な回路層図形を直接プロットする。
【0016】
好ましくは、前記プログラミング可能なコーティング設備は、ディスペンサーである。
【0017】
好ましくは、前記ディスペンサーは、注入器を有する。
【0018】
さらに好ましくは、前記注入器は、X、Y、Zの三つの方向の自由度を有する。
【0019】
さらに好ましくは、前記注入器は、X、Y、Zの三つの座標系により構成される空間ルートでスライド方式により移動する。
【0020】
好ましくは、前記回路層は金属スラリーである。該金属スラリーは、一定の粘着度を有する金属スラリーであり、さらに好ましくは、銀ペーストである。
【0021】
好ましくは、前記降温する方法は、日光による乾燥、風力乾燥または設備による冷却を含む。
【0022】
上述の他の一つの目的を達成するための本発明に係る回路パネルを有しないLED電球ランプは、電球、発光チップ、照明器具ベースおよび口金を含み、前記照明器具のベースは立体構造回路を有し、前記立体構造回路はコーティングプロセスによって照明器具ベースの表面にコーティングされた回路層であり、前記回路層の厚さは電球ランプの電気学指標を満たす。
【0023】
好ましくは、前記照明器具ベースは、上表面に三次元構造を有するラッパ状セラミックスベースである。
【0024】
好ましくは、前記三次元構造には、ボスとアーチ型突出が含まれる。
【0025】
好ましくは、前記電球は、透光性のランプカバーである。
【0026】
好ましくは、前記発光チップは、照明器具ベースに溶接されている。
【0027】
好ましくは、前記発光チップの電極ピンは、回路層と接続している。
【0028】
好ましくは、前記コーティングプロセスは、プログラミング可能なコーティング設備を利用する方式または手動の方式によりコーティングあるいは両方式を合わせることによって実現される。
【0029】
好ましくは、前記回路層は、導電性ペーストである。
【0030】
好ましくは、前記電気学指標は、回路層の負担できる最高電圧及び通過可能な最大電流である。
【0031】
好ましくは、前記回路層の厚さは、20μm以上である。回路層の厚さが20μm以上でなければ、電球ランプの電気学指標に達することができない。
【0032】
好ましくは、前記口金には駆動装置が取り付けられている。
【0033】
上述の他の一つの目的を達成するための本発明に係る回路パネルを有しない電子部品は、基材、電子素子およびハウジングを含み、前記基材は立体構造回路を有し、前記立体構造回路はコーティングプロセスによって基材の表面にコーティングされた回路層であり、前記回路層の厚さは電子部品の電気学指標を満たす。
【0034】
好ましくは、前記基材は、表面に三次元構造を有する四角形状のセラミックス基材である。
【0035】
好ましくは、前記三次元構造には、ボス、溝及び下路アーチ構造が含まれる。
【0036】
好ましくは、前記電子素子は、基材に溶接されている。
【0037】
好ましくは、前記電子素子の電極ピンは、回路層と接続している。
【0038】
好ましくは、前記電子部品には、抵抗、コンデンサ、インダクタンス、ダイオード、トランジスタ、集積チップのうちの一種又は複数種類が含まれる。
【0039】
好ましくは、前記コーティングプロセスは、プログラミング可能なコーティング設備を利用する方式または手動の方式によりコーティングあるいは両方式を合わせることによって実現される。
【0040】
好ましくは、前記電気学指標は、回路層の負担できる最高電圧及び通過可能な最大電流である。
【0041】
好ましくは、前記回路層の厚さは、20μm以上である。回路層の厚さが20μm以上でなければ、電子部品の電気学指標に達することができない。
【0042】
好ましくは、前記電子部品は、ハウジングによってパッケージングされている。
【0043】
上述の他の一つの目的を達成するための本発明に係るLED照明装置は、ベース、LED発光ユニット、ランプカバーを含む。
【0044】
LED発光ユニットはベースの上表面に設置され、ランプカバーはベースと直接接触し、LED発光ユニットをカバーする。前記LED発光ユニットは複数のLED発光チップと回路コーティング層を含み、回路コーティング層は前記ベースの上表面に直接コーティングされている。LED発光チップは、前記ベースの上表面に直接設置され、且つLED発光チップの電極ピンは、回路コーティング層と電気的に接続されており、
前記ランプカバーは外表面と内表面を含み、外表面は光線射出面であり、前記内表面は配光面と熱伝導面を含む。ここで、前記配光面は内表面のLED発光チップに対応する内表面エリアに設置され、配光面でない面とLED発光チップとは隔てて貼りあわされ、ベースの上表面と共に配光チャンパーを形成している。前記熱伝導面は、ベースの内表面におけるベースに取り付けられたLED発光チップ以外の部分又はすべての上表面に対応する内表面エリアに設置され、ベースと隙間なく貼り合わされている。熱伝導面は、少なくとも内表面の中央エリアとエッジエリアに分布されている。
【0045】
好ましくは、中央エリアの面積は、内表面全体の投影面積の10〜55%を占める。
【0046】
好ましくは、前記ランプカバーの内表面は、配光面と熱伝導面のみによって構成されている。
【0047】
好ましくは、前記ランプカバーは、透光性セラミックス又はガラスにより製造されている。
【0048】
好ましくは、前記透光性セラミックスは、PLZT、CaF
2、Y
2O
3、YAG、多結晶AION及びMgAl
2O
4のうちの一種又は複数種類の組み合わせによって構成されるグループから選択される一種類以上の材料を含む。
【0049】
本発明の発明者は、それぞれPC、ガラスと透光性セラミックスを使用してランプカバーを製造して実験を繰り返し、その実験結果からPCを使用した場合のジャンクション温度の上昇幅が最も大きく、ガラスレンズの場合のジャンクション温度の上昇幅は明らかにPCの場合より低く、透光性セラミックスレンズの場合のジャンクション温度の上昇幅はガラスの場合よりも更に低いことが証明された。従って、本発明では、熱伝導性がより優れており、使用中のジャンクション温度の上昇幅がより低いガラスとセラミックスを用いる。
【0050】
好ましくは、前記LED発光ユニットは回路パネルをさらに含み、LED発光チップは回路パネル上に設置され、回路パネルはベース上に設置されている。
【0051】
好ましくは、前記回路コーティング層は、金属材料を含む液状又は粉末のコーティング層であり、前記回路コーティング層の回路層の厚さは、20μm以上である。
【0052】
好ましくは、前記回路コーティング層の金属材料は、モリブデン、マンガン、タングステン、銀、金、プラチナ、銀パラジウム合金、銅、アルミ、スズ等の材料のうちの少なくとも一種又は複数種類の組み合わせから選ばれる。
【0053】
好ましくは、ベースの上表面は、平面、曲面、又は複数の平面を合わせた形状である。
【0054】
好ましくは、ランプカバーの外表面は、配光の要求に応じて特定の曲面の形状に製造され、ベースと接触する内表面は、ベースの上表面の形状と対応する曲面形状である。
【0055】
好ましくは、ベースには、第一放熱貫通孔が設置されている。
【0056】
好ましくは、ランプカバーには、第二放熱貫通孔が設置され、第二放熱貫通孔は第一放熱貫通孔に対応して連通している。
【0057】
好ましくは、ベースは絶縁層がコーティングされている金属ベース、又は絶縁材料によって製造されたベースである。
【0058】
好ましくは、前記ベースは中空アウトの構造であり、その上に設けられている第一放熱貫通孔はベースの側面によって外部空気と連通する。
【0059】
好ましくは、前記ベースは中空アウトの構造ではなく、ベースの外側面には放熱フィンが設置されている。
【0060】
好ましくは、電源チャンパーをさらに含み、電源チャンパーはベースと連通せず、即ち電源チャンパーのチャンパー本体とベースとは隔てている。電源チャンパーのハウジング本体は、係止挿入、係止接続、ねじ込み等の方式によりベースに接続され、それぞれ独立して放熱を実現できる。チップにより生成される熱量の電源に対する影響を低下させ、LED照明装置全体の総合放熱能力を向上させる。
【0061】
本発明に係るLEDランプのランプカバーによれば、前記LEDランプのランプカバーの表面は外表面と内表面を含み、前記外表面は光線射出面であり、前記内表面は配光面及び熱伝導面を含み、前記配光面は光線入射面であり、前記熱伝導面は少なくとも内表面の中央エリアに分布されている。
【0062】
好ましくは、中央エリアの面積は、内表面全体の投影面積の10〜55%を占め、前記LEDランプのランプカバーは、透光性熱伝導材料によって構成されている。
【0063】
好ましくは、前記熱伝導面は、内表面のエッジエリアにも分布されている。
【0064】
好ましくは、前記LEDランプカバーは、透光性セラミックス又はガラスで製造されている。
【0065】
好ましくは、前記透光性セラミックスは、PLZT、CaF
2、Y
2O
3、YAG、多結晶AIONとMgAl
2O
4のうちの一種又は複数種類の組み合わせである。
【0066】
本発明に係るLED照明装置は、上記のLEDランプのランプカバーを含み、ベース、LED発光ユニットをさらに含む。前記LED発光ユニットは前記ベースの上表面に設置され、前記LEDランプのランプカバーは前記ベースに直接接触し、前記LED発光ユニットを内側にカバーする。前記配光面と前記ベースの上表面とは前記LED発光ユニットを収納するための配光チャンパーを形成し、前記熱伝導面は前記ベースの上表面と隙間なく貼りあわされ、熱流動通路を構成する。
【0067】
好ましくは、前記LED発光ユニットの具体的な構造は、以下の構造のうちのいずれか一つである。
前記LED発光ユニットは、複数のLED発光チップおよび回路パネルを含み、LED発光チップは回路パネル上に設置され、回路パネルはベース上に設置されている。
前記LED発光ユニットは、複数のLED発光チップおよび回路コーティング層を含み、回路コーティング層は前記ベースの上表面に直接設置され、前記LED発光チップは前記ベースの上表面に直接設置されており、且つLED発光チップの電極ピンは回路コーティング層と電気的に接続する。
【0068】
好ましくは、前記回路層は、金属スラリーである。
【0069】
好ましくは、前記ベースの上表面は、平面、曲面、又は複数の平面を合わせた形状である。
【0070】
好ましくは、前記ベースには第一放熱貫通孔が設置され、前記LEDランプカバーには第二放熱貫通孔が設置され、前記第二放熱貫通孔は第一放熱貫通孔に対応して連通している。
【0071】
好ましくは、前記ベースは、絶縁層がコーティングされている金属ベース、又は絶縁材料によって製造されたベースである。
【0072】
好ましくは、前記ベースは、以下の構造のうちのいずれか一つである。
前記ベースは中空アウトの構造であり、前記ベースに設置された第一放熱貫通孔はベースの側面によって外部空気と連通する。
前記ベースは中空アウトの構造ではなく、ベースの外側面には放熱フィンが設置されている。
【0073】
好ましくは、電源チャンパーをさらに含み、電源チャンパーのハウジングはベースと接続され、電源チャンパーのチャンパー本体とベースとは隔てている。