(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6343853
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】リハビリ器具
(51)【国際特許分類】
A63B 23/08 20060101AFI20180611BHJP
A63B 23/14 20060101ALI20180611BHJP
A61H 1/02 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
A63B23/08
A63B23/14
A61H1/02 N
A61H1/02 K
【請求項の数】7
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2018-48899(P2018-48899)
(22)【出願日】2018年3月16日
【審査請求日】2018年3月16日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】510041588
【氏名又は名称】稲住 義憲
(72)【発明者】
【氏名】稲住 義憲
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第3863916(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 23/08
A61H 1/02
A63B 23/14
A63B 21/00
A63B 22/08
A63B 22/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のボールを収納するボール収納部と、前記ボール収納部から前記ボールを所定の位置まで連続して供給するボール供給部と、両端部が上下方向に支点を中心に揺動でき、上面に足または手が載せられる羽根板と、連結部材により前記羽根板と連結され、前記羽根板の揺動に連動して上下動し、前記所定の位置に供給された前記ボールを上方に持ち上げる押し上げ棒と、を備えたリハビリ器具。
【請求項2】
前記所定の位置の直上に配置され、前記押し上げ棒の連続上下動によって押し上げられた複数のボールを下端部の開口部から収納する管状タワーと、前記管状タワーの開口部の直下に取付けられ、前記管状タワーに収納された前記ボールの落下を阻止する弾性部材で形成された逆流防止弁と、を更に備えた請求項1に記載のリハビリ器具。
【請求項3】
前記管状タワーの上端に連結され、前記管状タワーの上端に位置する前記ボールを前記収納部へ落下させるための曲管を、更に有することを特徴とする請求項2に記載のリハビリ器具。
【請求項4】
前記逆流防止弁は、ボール直径の長さより短い間隔で平行に配置した一対の弾性部材で形成されたことを特徴とする請求項2または3に記載のリハビリ器具。
【請求項5】
前記所定の位置の直上に配置され、先端からボールを発射する発射スプリングであって、先端の内径がボールの直径より5〜10%小さい先細り形状で、金属、プラスチック又はゴムの弾性を利用した発射スプリングを、更に設けることを特徴とする請求項1に記載のリハビリ器具。
【請求項6】
前記連結部材は、前記羽根板と前記押し上げ棒の連結位置を調整できるように、前記押し上げ棒に沿ってスライド可能であることを特徴とする請求項1〜5に記載のリハビリ器具。
【請求項7】
前記羽根板の支点と前記押し上げ棒の間に足または手を固定するベルトを配置したことを特徴とする請求項1〜6に記載のリハビリ器具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自発的に足または手の屈曲と伸展を繰り返すことで、関節が硬くなる拘縮の改善を目的としたゲーム性を有するリハビリ器具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
病気または怪我が原因で足首と膝または手首や肘を長期間動かさなかった人は、関節が硬くなり足首と膝または手首と肘の関節の可動範囲が狭くなる。
【0003】
運動不足と加齢によって足首の屈曲が困難になった高齢者は、踵から着地する通常の歩行がむずかしくなるため、つま先から着地するすり足となり前方の隆起した障害物に接触して転倒する事故が多くなる。
【0004】
高齢者以外にも、脳梗塞や脳内出血によって麻痺が残る人は筋肉が持続的に収縮し長期間足首と膝または手首と肘の関節を動かすことができないために、関節が硬くなり運動不足と麻痺の悪循環が生じる。
【0005】
現在、特許文献1や特許文献2のような関節の硬化を予防する電動式運動器具がたくさん開発されている。
【0006】
また特許文献3のストレッチ器具の場合、足首を鋭角に屈曲した状態で傾斜足場に立ち、支柱を中心に腰をひねる運動のため、収縮した足の筋肉のストレッチと腰の周りの筋力アップには効果はある。
【0007】
また特許文献4の場合、スプリング反力に逆らって足首を伸展させる運動のため、足首の伸展動作に大事なふくらはぎの腓腹筋とヒラメ筋の筋力アップは期待できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開平11−226069
【特許文献2】特開平2−52655
【特許文献3】特表2014−515978
【特許文献4】特開2000−334067
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
電動モータや空気圧力によって足首の関節を強制的に曲げる運動器具は、足首の関節の可動範囲を広げる効果はあるが、自分の筋肉を使う運動器具でないために筋力アップには効果的とは云えない。特許文献1や特許文献2の場合、自分の筋肉を使って足首または手首を屈曲伸展させるリハビリ器具ではないため機械任せになり自発性が期待できない。また、特許文献3のストレッチ器具の場合、足首を伸展させる運動はできない。さらに、特許文献4の場合、足首を屈曲させる運動のときにはスプリングの補助が働き、スプリング任せになり足首の屈曲リハビリ器具として物足りない。
【0010】
また麻痺のリハビリ治療には、収縮した筋肉のストレッチやマッサージを多用されているが、回復期の人は自分の意志で手足を動かす運動も重要とされている。
【0011】
総じて、電動式または空気圧力式の他力運動器具は関節の拘縮予防には効果があるが、麻痺の治療には脳からの指令によって手足を動かす自力運動を併用するリハビリ治療が推奨される。
【0012】
床に固定する自転車ペダル漕ぎ運動器具は、自分の筋肉を使う運動器具ではあるが、足首を上方に屈曲させる運動に特化した足首運動器具ではない。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記課題を解決するために、本発明のリハビリ器具は、複数のボールを収納するボール収納部と、前記ボール収納部から前記ボールを所定の位置まで連続して供給するボール供給部と、両端部が上下方向に支点を中心に揺動でき、上面に足または手が載せられる羽根板と、連結部材により前記羽根板と連結され、前記羽根板の揺動に連動して上下動し、前記所定の位置に供給された前記ボールを上方に持ち上げる押し上げ棒と、を備えたリハビリ器具を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、電気や空気エネルギーを使わずに、脳からの指令によって自分の筋肉で足首又は手首を交互に屈曲伸展させる運動に特化したリハビリ器具のため、関節の硬化予防以外に、関節の可動範囲拡大、筋力アップおよび麻痺治療の効果が同時に期待できる。
【0015】
また単純な運動のリハビリ治療にゲーム性を持たせたことで、リハビリ治療を楽しく継続できる。
【0016】
特に、足首のリハビリ器具として使用する場合には、足首を鋭角に屈曲させる運動によって脛の前脛骨筋が鍛えられ、足首の伸展させる運動ではふくらはぎの腓腹筋とヒラメ筋が鍛えられる。
【0017】
足首の可動範囲の拡大と筋力アップによって、正常な踵着地の歩行が可能になり、危険なつま先着地のすり足が改善でき、最終的には高齢者の転倒事故の予防が期待できる。
【0018】
また単純な動作を繰り返すリハビリ治療は飽き易いが、本発明はゲーム性を付加したリハビリ器具のため達成感を味わいながら楽しくリハビリ治療が続けられる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、本発明の実施する形態の基本原理の構成について
図1で説明する。
【0021】
複数のボール13を収納する収納箱14と、足または手を上面に乗せた状態で足首または手首の屈曲と伸展の運動に連動して両端が上下に揺動できる羽根板11と、羽根板11の支点になる回転軸12と、収納箱14の底部穴から落下したボール13を所定位置に供給する傾斜板16と、羽根板11と押し上げ棒18を連結する連結部材22と、羽根板11の揺動動作に連動して上下動する押し上げ棒18と、から構成される。
【0022】
次にボール13の一連の流れについて説明する。複数のボール13をランダムにボール収納箱14に投入すると、ボールはボール収納箱の中で縦一列に整列されて、一個ずつ順番に重力によって傾斜板16に落下し、落下したボール13は傾斜板16の傾斜に沿って自然流下の原理で所定の位置である最下部の開口孔15に着座して静止する。
【0023】
ボール13が開口孔15に着座した後に、傾斜板16に複数のボール13が並ぶとボール収納箱14から傾斜板16へのボール13の落下は停止し、一列に整列した状態を維持する。このとき、羽根板11は押し上げ棒18の側に重心があるため、回転軸12を支点にして羽根板11は押し上げ棒18の側を下に傾けた状態で静止している。
【0024】
次に、羽根板11の上面に足または手を乗せた状態で、自分の筋肉を使って足首または手首を屈曲伸展させて、支点の回転軸12を中心にして羽根板11の両端を上下に揺動させると連結部材22のよって連結された押し上げ棒18に上下運動が生じ、開口孔15で待機する最先頭の一番ボール13aを押し上げ棒18の先端開口部に乗せた状態で上方に持ち上げる。次に、押し上げ棒18は羽根板11の下方向の揺動によって元の位置まで下降する。
【0025】
このとき押し上げ棒18の上端開放部に乗っていた一番ボール13aは押し上げ棒18と一緒に下降するが、傾斜板16に待機している別な二番ボール13が最初の一番ボール13aの下に回り込み、押し上げ棒18が開口孔15から隠れるまで完全に下降すると、二番ボール13が開口孔15に嵌り静止する。
【0026】
次に、2回目の羽根板11の揺動運動によって押し上げ棒18は再び上昇し、開口孔15に静止していた二番ボール13を押し上げ棒18の先端開口部に乗せ、一番ボール13aと二番ボール13の2球を一緒に重ねた状態で持ち上げることで一番ボール13aだけは系外に排出される。
【0027】
次の押し下げ棒18の上下動によって、三番ボール13が二番ボール13を系外に排出する。これら一連の動作を次々に繰り返すことで、ボール13を連続的に系外に排出する流れが可能になり、足または手の屈曲伸展運動によって複数のボール13を系外に連続的に排出するリハビリ器具を提供できる。
【0028】
次にボール循環式リハビリ器具の実施例を
図2で説明する。
【0029】
ボール循環式リハビリ器具は、
図1の基本原理にボールの循環に必要な管状タワー17と逆流防止弁19aを追加した構造をしている。
【0030】
足または手を乗せた状態で足首または手首の屈曲と伸展の運動に連動して両端が上下に揺動できる羽根板11と、羽根板11の支点になる回転軸12と、所定位置にボール13を誘導するボール傾斜板16と、羽根板11の揺動動作に連動する上下動によって所定位置のボール13を上方押し上げる押し上げ棒18と、羽根板11と押し上げ棒18を連結する連結部材22と、所定位置の上方に配置しボール13を管状内部に積み上げる管状タワー17と、管状タワー17の下部の開口部に配置した弾性部材のゴム製逆流防止弁19aと、管状タワー17の先端に接続した曲管21と、落下したボール13を回収する捕獲網20と、回収したボールを一列に整列させる収納箱14と、収納箱14の底部穴から落下したボール13を自然流下の原理で所定位置である開口孔15まで誘導する傾斜板16と、から構成される。
【0031】
前記ゴム製逆流防止弁19aは、
図5の通り、ボール直径より短く押し上げ棒の直径より大きい間隔に2本のゴム紐を水平平行に配置している。
【0032】
次に、半永久的に循環するボール13の流れについて説明する。
【0033】
収納箱14の底部穴から落下し傾斜板16の所定位置である開口孔に静止している一番ボール13bは押し上げ棒18によって上方に押し上げられ、ゴム製逆流防止弁19aの2本のゴム紐の間を無理やり押し広げながら通過するが、一番ボール13bの通過後は2本のゴムの間隔はゴムの弾性力によってボール直径より小さい元の距離に収縮するため、一番ボール13bの落下が阻止され2本のゴム紐の上に着座する。
【0034】
押し上げ棒18が完全に下降すると、傾斜板16に空きスペースができ二番ボール13が所定位置の開口孔15に着座すると同時に、ボール収納箱14の内部のボール13は傾斜板16に落下し、複数のボール13が傾斜板167内に一列に整列する。
【0035】
次に、2回目のボール押し上げ棒18の上下動によって、開放孔15に静止している二番ボール13が逆流防止弁19aに着座していた一番ボール13bを下方から管状タワー17の内部へ突き上げ押し込むと、一番と二番の2個のボール13は縦に重なった状態で管状タワー17の中で静止する。
【0036】
管状タワー17の内部に複数個のボール13が積み重なり、ボール13bが管状タワー17の上端まで積み上がると、上端ボール13bが管状タワー先端の曲管21から捕獲網20に落下した後、収納箱14に回収される。
【0037】
ボール収納箱14に回収されたボール13bはボール収納箱14の内部で順番に整列された後は、傾斜板16に落下しボール13の半永久的な循環が成立する。
【0038】
このようにボール13が系外に排出されることなく、ボール13が半永久的に循環するため、ボール13の補充作業に人の助けが必要なくなる。
【0039】
また管状タワー17を透明にすれば、管状タワー17の管内を順番に上昇するボール13の動きと管状タワー17の上端の曲管21から落下するボール13の動きが観察できることで、単純動作のリハビリ治療にゲーム性が生まれ、長い時間楽しくリハビリ治療が続けられる。
【0040】
使用するボール13に赤色、白色、黄色などのボールを混在させることで、管状タワー17を上昇するボールの景色がカラフルになりリハビリ治療の楽しさが増大する。
【0041】
また使用するボール数個の1個に特別の印を付け、この特別な玉の循環回数だけ記録すれば、ボールの総数と循環回数の掛け算によって運動総回数が算出でき、運動した達成感が得られる。
【0042】
次に、前記の基本原理を応用したボール発射式リハビリ器具の実施例を
図3で説明する。
【0043】
ボール発射式リハビリ器具は、循環式リハビリ器具で使用した管状タワーとゴム製逆流防止弁の代わりに、ボール発射台26とボール発射スプリング19bを配置する。
【0044】
ボール発射スプリング19bは、
図6の通り、金属、プラスチックまたはゴムの弾性を有し、下側の入口内径はボール直径の5〜10%大きく、先端の出口内径はボールの直径より5〜20%小さい直径まで萎んだ編み笠のような先細り形状をしており、押し上げ棒18の上方に配置する。
【0045】
押し上げ棒18によってボール発射スプリング内部に押し込まれたボール13がボール発射スプリング19bの先端出口を通過した直後は、ボール発射スプリング19bの先端出口が元の先細い形状に復元しようとする弾性力によって、ボール13cは上方の系外に弾き飛ばされる。
【0046】
弾き飛ばされたボール13cを一定方向に誘導するボール13より少し大きい内径の曲がり管を有し水平方向に360度自在に回転できるボール発射台26をボール発射スプリング19bの上方に配置すれば、高齢者もボール発射スプリング19bの弾性力を利用して発射方向を調整しながらボール13cを勢い良く斜め上方に飛ばすことができる。
【0047】
利用者は遠方に配置した標的の籠を目掛けてボール13cを発射し、籠に貯まったボール13の数を数え、勝敗を競うゲームを楽しみながらリハビリができる。
【0048】
次に、足首の屈曲伸展運動ではなく、太ももと腰のリハビリ器具としての応用例を
図4で説明する。
【0049】
前述までは、足裏を羽根板11の上面に触れた状態で足首を屈曲伸展運動して羽根板11を揺動させていたが、太ももと腰の筋力増強リハビリの場合には、足裏を羽根板11の上面から離した状態で羽根板の押し上げ棒18と回転軸12の間に配置した半円状のベルト24に足先を挿入した状態を保持しながら、太ももで羽根板11を持ち上げたり持ち下げたりする繰り返し運動によって羽根板11を揺動させる。
【0050】
上記の運動は足を中空に持ち上げた状態を維持しながら運動するため、足を持ち上げるときも下げる時も、足の重さを太ももから腰で支えるため膝から上の筋肉を増強するリハビリ器具として有効である。特に、腰骨と脚を連結する大腰筋の筋力増強に有効で、正しく歩く運動器具として利用できる。
【0051】
次に、負荷の調整機能について説明する。足首の可動範囲は人によって相違があるので、利用者の負担が調整できるように利用者の力量に応じて押し上げ棒18の始動位置を調整して使用することもできるように工夫した。
【0052】
つまり洗濯バサミのようなクリップ機能を有する半月形状の弾性部材の連結部材22を考案した。この連結部材22を押し上げ棒18に外嵌すれば、羽根板11と押し上げ棒18を連結する高さ位置を簡単に変更調整できる。
【0053】
足首が硬いために足首を水平面より上方に屈曲させることがむずかしい高齢者も少なくない。高齢者が足首を鋭角に屈曲できないために羽根板11を水平面以上に引き上げることができない場合には、連結部材22を押し上げ棒18の最下部に外嵌して、足首の可動範囲が狭くてもボール13を押し上げられるように工夫している。
【0054】
逆に、足首が上方に屈曲できる人の場合には、連結部材22を押し上げ棒18の上端に外嵌して、足首を水平より上方に屈曲させなければボール13を持ち上げられないように調整する。
【0055】
次に、足首でなく手首のリハビリ器具として使用例を
図7で説明する。
【0056】
近年骨粗鬆症の高齢者が転倒して手首を骨折損傷する事故が増加しているが、手術後は手の関節の固着を防止する目的で早期のリハビリが推奨されている。この術後のリハビリ治療に本発明のリハビリ器具が使用できる。
【0057】
前腕部を枕に置き手の甲をベルト24で固定した状態で手首を屈曲伸展させることで羽根板11を揺動させ、押し上げ棒18の上下往復運動によってボール13を順番に系外に排出させる。また前記のように管状タワー17を設置すれば、足首のリハビリと同様に半永久的にボール13を循環させることも可能なる。
【0058】
足首のリハビリと同様に、手首の回復度合いに応じて、連結部材22で押し上げ棒18の始動位置を変更し、運動の難易度を調整できる。
【0059】
ボールにはピンポン玉、木球、ゴルフボール、スパーボウルなどが使用でき、架台の材質としては木材やプラスチックも使用できる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明は、ゲーム性を有する足と手首のリハビリ器具として利用でき、高齢者施設やリハビリ病院で楽しくリハビリ治療が続けられる。特に、ボール発射式リハビリ器具を高齢者施設で使用する場合には、2〜3人で遠方の籠を目掛けて発射して、成功したボールの数を競う玉入れゲームが体験できる。
【0061】
本発明は、自分の筋肉を動かして運動するため、高齢者だけでなく脳卒中などで麻痺が残る人のリハビリ器具として使用できる。また足のリハビリだけでなく、損傷した手首の手術後のリハビリ器具としても利用できる。
【0062】
管状タワー17の下部と発射台26の下部に埋め込んだ強力磁石と躯体25上面に固定した金属円板との磁力吸着によって管状タワー17または発射台26が固定されているため、工具を使用することなく、管状タワー17と発射台26が簡単に交換でき、リハビリゲームの種類が簡単に変更できる。
【0063】
病院やリハビリ型デーサービスなどの施設に設置すれば、患者や利用者が順番に楽しく利用できるため、高齢者の転倒予防、外科手術後のリハビリ及び麻痺治療など幅広い治療に使用できる。
【符号の説明】
【0064】
11 羽根板
12 回転軸(支点)
13 ボール
13a 排出ボール
13b 落下ボール
13c 発射ボール
14 ボール収納箱(ボール収納部)
15 開口孔
16 傾斜板(ボール供給部)
17 管状タワー
18 ボール押し上げ棒
19a ゴム製逆流防止弁
19b ボール発射スプリング
20 捕獲網
21 曲管
22 連結部材
23a 上部軸受
23b 下部軸受
24 ベルト
25 躯体
26 ボール発射台
27 足
28 手
29 枕
【要約】
【課題】本発明は、足または手の屈曲と伸展運動と脚の上げ下げ運動に連動して、ボールが鉛直方向に順番に移動する機能を有する関節の拘縮防止と筋力アップを目的としたゲーム性を有するリハビリ器具を提供することを目的とする。
【解決手段】ボールの下方落下を阻止する逆流防止弁19aと、ボール13が鉛直一列に整列されるボール収納箱14と、足または手の屈曲伸展運動に連動して羽根板11を揺動させ、羽根板11の揺動に連動した押し上げ棒18の上下動によって傾斜板16の所定位置に静止するボール13を運動回数分だけ順番に一定方向にだけ移動できるように工夫した、ゲーム性と筋力アップも兼ね備えたリハビリ器具を考案した。
【選択図】
図1