(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
オリゴマー(A)100重量部に対して、分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)1〜500重量部と、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)1〜500重量部とを含有してなる請求項1記載の光学素子用樹脂組成物。
オリゴマー(A)が、ポリエステル系オリゴマー(a−1)、ポリウレタン系オリゴマー(a−2)、ポリエポキシ系オリゴマー(a−3)及びポリアクリル系オリゴマー(a−4)よりなる群から選ばれた少なくとも1種類以上のオリゴマーであることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の光学素子用樹脂組成物。
更に、α,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)および(C)以外のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(D)(ただし、オリゴマー(A)に該当するものを除く)を含有することを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の光学素子用樹脂組成物。
光学フィルム(I)が、ポリアセチルセルロース系フィルム,ポリノルボルネン系フィルム,ポリプロピレン系フィルム,ポリアクリル系フィルム,ポリカーボネート系フィルム,ポリエステル系フィルム,ポリビニルアルコール系フィルムまたはポリイミド系フィルムであることを特徴とする請求項12記載の積層体。
【発明を実施するための形態】
【0029】
本発明の活性エネルギー線重合性樹脂組成物は、分子内に、少なくともα,β−不飽和二重結合基を1個以上有するオリゴマー(A)と、分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)(ただし、オリゴマー(A)に該当するものを除く)と、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)とを、必須成分とすることが特徴である。
【0030】
ここで、「活性エネルギー線」とは、紫外線、可視光線、赤外線、エレクトロンビーム、及び放射線を含む、化学反応を生じさせるための活性化に必要なエネルギーを提供できる、広義のエネルギー線を意味する。本発明の活性エネルギー線重合性樹脂組成物(以下、「樹脂組成物」と称す)は、上記活性エネルギー線の照射によって、重合反応が進行し、硬化物を形成する。特に限定するものではないが、本発明の一実施形態において、上記活性エネルギー線は、紫外線を含む光エネルギーであることが好ましい。
【0031】
本発明の樹脂組成物において、少なくともα,β−不飽和二重結合基を1個以上有するオリゴマー(A)としては、ポリエステル系オリゴマー(a−1)、ポリウレタン系オリゴマー(a−2)、ポリエポキシ系オリゴマー(a−3)及びポリアクリル系オリゴマー(a−4)よりなる群から選ばれた少なくとも1種類以上のオリゴマーであり、特に制限が無く使用できる。
【0032】
少なくともα,β−不飽和二重結合基を1個以上有するオリゴマー(A)のうち、ポリエステル系オリゴマー(a−1)としては、主鎖骨格にエステル結合を1個以上有するものであれば、特に制限無く使用でき、多塩基酸と多価アルコールを重縮合して得られるポリエステルの末端あるいはポリエステル鎖中の水酸基と(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの後述の分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)とのエステル化によって得られる化合物、あるいはポリエステルの末端あるいはポリエステル鎖中のカルボキシル基と(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピルなどの後述の分子内に1個以上の水酸基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物とのエステル化によって得られる化合物である。その他、酸無水物と(メタ)アクリル酸グリシジルと少なくとも1個の水酸基を有する化合物とから得られるポリエステル系オリゴマー等がある。
【0033】
上記、多塩基酸としては、脂肪族系、脂環族系、及び芳香族系が挙げられ、それぞれ特に制限が無く使用できる。脂肪族系多塩基酸としては、より具体的には、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、アゼライン酸、スベリン酸、マレイン酸、クロロマレイン酸、フマル酸、ドデカン二酸、ピメリン酸、シトラコン酸、グルタル酸、イタコン酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらの脂肪族ジカルボン酸及びその無水物が利用できる。又、無水コハク酸の誘導体(メチル無水コハク酸物、2,2−ジメチル無水コハク酸、ブチル無水コハク酸、イソブチル無水コハク酸、ヘキシル無水コハク酸、オクチル無水コハク酸、ドデセニル無水コハク酸、フェニル無水コハク酸等)、無水グルタル酸の誘導体(無水グルタル酸、3−アリル無水グルタル酸、2,4−ジメチル無水グルタル酸、2,4−ジエチル無水グルタル酸、ブチル無水グルタル酸、ヘキシル無水グルタル酸等)、無水マレイン酸の誘導体(2−メチル無水マレイン酸、2,3−ジメチル無水マレイン酸、ブチル無水マレイン酸、ペンチル無水マレイン酸、ヘキシル無水マレイン酸、オクチル無水マレイン酸、デシル無水マレイン酸、ドデシル無水マレイン酸、2,3−ジクロロ無水マレイン酸、フェニル無水マレイン酸、2,3−ジフェニル無水マレイン酸等)等の無水物誘導体も利用できる。
【0034】
脂環族系多塩基酸としては、より具体的には、例えば、脂環族ジカルボン酸としては、例えば、ダイマー酸、シクロプロパン−1α,2α−ジカルボン酸、シクロプロパン−1α,2β−ジカルボン酸、シクロプロパン−1β,2α−ジカルボン酸、シクロブタン−1,2−ジカルボン酸、シクロブタン−1α,2β−ジカルボン酸、シクロブタン−1α,3β−ジカルボン酸、シクロブタン−1α,3α−ジカルボン酸、(1R)−シクロペンタン−1β,2α−ジカルボン酸、trans−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、(1β,2β)−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、(1β,3β)−シクロペンタン−1,3−ジカルボン酸、(1S,2S)−1,2−シクロペンタンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,1−シクロヘプタンジカルボン酸、クバン−1,4−ジカルボン酸、2,3−ノルボルナンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、テトラヒドロフタル酸等の飽和脂環属ジカルボン酸や、1−シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、3−シクロブテン−1,2−ジカルボン酸、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロペンテン−1,3−ジカルボン酸、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、2−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸、4−シクロヘキセン−1,3−ジカルボン酸、2,5−ヘキサジエン−1α,4α−ジカルボン酸等の環内に不飽和二重結合が1もしくは2個有した不飽和脂環属ジカルボン酸が挙げられ、これらの脂環族ジカルボン酸及びその無水物等が利用できる。
また、ヘキサヒドロ無水フタル酸の誘導体((3−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチル−ヘキサヒドロ無水フタル酸)、テトラヒドロ無水フタル酸の誘導体(1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、3−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチルブテニル−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸等)等の水素添化した無水フタル酸誘導体も脂環族ジカルボン酸無水物として利用できる。
【0035】
芳香族系多塩基酸としては、より具体的には、例えば、芳香族ジカルボン酸としては、例えば、o−フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トルエンジカルボン酸、2,5−ジメチルテレフタル酸、2,2'−ビフェニルジカルボン酸、4,4−ビフェニルジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、ノルボルネンジカルボン酸、ジフェニルメタン−4,4´−ジカルボン酸、フェニルインダンジカルボン酸、1,2−アズレンジカルボン酸、1,3−アズレンジカルボン酸、4,5−アズレンジカルボン酸、(−)−1,3−アセトナフテンジカルボン酸、1,4−アントラセンジカルボン酸、1,5−アントラセンジカルボン酸、1,8−アントラセンジカルボン酸、2,3−アントラセンジカルボン酸、1,2−フェナントレンジカルボン酸、4,5−フェナントレンジカルボン酸、3,9−ペリレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸や、無水フタル酸、4−メチル無水フタル酸等の芳香族ジカルボン酸無水物が挙げられ、これらの芳香族ジカルボン酸及びその無水物等が利用できる。
【0036】
さらに、無水クロレンド酸、無水ヘット酸、ビフェニルジカルボン酸無水物、無水ハイミック酸、エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、メチル−3,6−エンドメチレン−1,2,3,6−テトラヒドロ無水フタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸無水物、1−シクロペンテン−1,2−ジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、1,8−ナフタレンジカルボン酸無水物、オクタヒドロ−1,3−ジオキソ−4,5−イソベンゾフランジカルボン酸無水物等の酸無水物類も多塩基酸として使用可能である。
【0037】
また、多価アルコールとしては、数平均分子量(Mn):約50〜500の比較的低分子量のポリオール類や、数平均分子量(Mn):500〜50,000の比較的高分子量のポリオール類が挙げられ、それぞれ、特に制限が無く使用できる。
比較的低分子量のポリオール類としては、より具体的には、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ブチレングリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、3,3'−ジメチロールヘプタン、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、ポリオキシエチレングリコール(付加モル数10以下)、ポリオキシプロピレングリコール(付加モル数10以下)、プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール、オクタンジオール、ブチルエチルペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール,トリシクロデカンジメタノール、シクロペンタジエンジメタノール、ダイマージオール等の脂肪族又は脂環式ジオール類;
1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、1,4−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4'−メチレンジフェノール、4,4'−(2−ノルボルニリデン)ジフェノール、4,4'−ジヒドロキシビフェノール、o−,m−及びp−ジヒドロキシベンゼン、4,4'−イソプロピリデンフェノール、ビスフェノールにアルキレンオキサイドを付加させた付加型ビスフェノール等の芳香族ジオール類等を挙げることができる。
付加型ビスフェノールの原料ビスフェノールとしては、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられ、原料アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等が挙げられる。
【0038】
比較的高分子量のポリオール類としては、より具体的には、例えば、高分子量ポリエステルポリオール、高分子量ポリアミドポリオール、高分子量ポリカーボネートポリオール及び高分子量ポリウレタンポリオールが挙げられる。高分子量ポリカーボネートポリオールは、上記の比較的低分子量のジオールと炭酸エステル又はホスゲンとの反応によって得られる。
【0039】
上記高分子量ポリエステルポリールの市販品としては、例えば、東洋紡績社製のバイロンGK640〔数平均分子量(以下、「Mn」とも記載する)=18,000,ガラス転移温度(以下、「Tg」とも記載する)=79℃,水酸基価=5,酸価<4,線形タイプ〕、バイロンGK880(Mn=18,000,Tg=84℃,水酸基価=5,酸価<4,線形タイプ)、バイロン300(Mn=23,000,Tg=7℃,水酸基価=5,酸価<2,線形タイプ)、バイロン500(Mn=23,000,Tg=4℃,水酸基価=5,酸価<2,線形タイプ)、バイロン560(Mn=19,000,Tg=7℃,水酸基価=8,酸価<2,分岐タイプ)、及び、バイロン630(Mn=20,000,Tg=75℃,水酸基価=5,酸価=1,線形タイプ);
クラレ社製のUE−3600(Mn=20,000,Tg=75℃,水酸基価=4,酸価=1)、UE−3690(Mn=14,000,Tg=91℃,水酸基価=8,酸価=1)〔以上、ユニチカ社製〕、P1010(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、P2010(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、P4010(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、P5010(Mn=5,000,水酸基価=22,酸価<0.5,線形液状タイプ)、P6010(Mn=6,000,水酸基価=19,酸価<0.5,線形液状タイプ)、P4050(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、P6010(Mn=6,000,水酸基価=19,酸価<0.5,線形液状タイプ)、N4010(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、PNOA4014(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、P2011(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、及び、P4011(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ);
協和発酵ケミカル社製のキョーワポール2000BA(Mn=2,000,水酸基価=58,酸価<0.5,線形液状タイプ)、及び、キョーワポール5000PA(Mn=5,000,水酸基価=22,酸価<0.5,線形液状タイプ)等が挙げられる。
【0040】
上記高分子量ポリアミドポリオールの市販品としては、富士化成工業社製のTPAE617(Mn=15,000,Tg=90℃,水酸基価=16,酸価=1,線形タイプ)等をできる。
【0041】
上記高分子量ポリカーボネートポリオールの市販品としては、例えば、パーストープ社製のオキシマーN112(Mn=1,000,Tg=60℃,水酸基価=112,酸価<0.5,線形タイプ);旭化成ケミカルズ社製のPCDL−T5651(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形液状タイプ)、PCDL−T5652(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.05,線形液状タイプ)、PCDL−T4671(Mn=1,000,水酸基価=110,酸価<0.05,線形液状タイプ)、及び、PCDL−T4672(Mn=2,000,水酸基価=52,酸価<0.05,線形液状タイプ);
クラレ社製のPMHC−1050(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、PMHC−2050(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、C−1090(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、C−2090(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、C−3090(Mn=3,000,水酸基価=37,酸価<0.5,線形液状タイプ)、C−4090(Mn=4,000,水酸基価=28,酸価<0.5,線形液状タイプ)、C−5090(Mn=5,000,水酸基価=22,酸価<0.5,線形液状タイプ)、C−1065N(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、C−2065N(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)、C−1015N(Mn=1,000,水酸基価=112,酸価<0.5,線形液状タイプ)、及び、C−2015N(Mn=2,000,水酸基価=56,酸価<0.5,線形液状タイプ)等が挙げられる。
【0042】
上記高分子量ポリウレタンポリオールの市販品としては、例えば、東洋紡績社製のバイロンUR1350(Mn=30,000,Tg=3℃,水酸基価=46,酸価<1,線形タイプ)、バイロンUR1400(Mn=40,000,Tg=83℃,水酸基価=2,酸価<1,線形タイプ)、バイロンUR3210(Mn=40,000,Tg=−3℃,水酸基価=3,酸価<1,線形タイプ)、バイロンUR5537(Mn=20,000,Tg=34℃,水酸基価=17,酸価<1,線形タイプ)、及び、バイロンUR9500(Mn=25,000,Tg=15℃,水酸基価=5,酸価<1,線形タイプ);
三井化学ポリウレタン社製のタケラックE158(水酸基価=20,酸価<3)、タケラックE551T(水酸基価=30,酸価<3)、及び、タケラックA2789(水酸基価=10,酸価<2)等が挙げられる。
【0043】
その他に、ポリカプロラクトンジオール、ポリ(β−メチル−γ−バレロラクトン)ジオール、ポリバレロラクトンジオール等のラクトン類を開環重合して得られるポリエステルポリオール等も、上記高分子量ポリオールとして使用できる高分子量ポリオールに含まれる。
なお、酸価(AV)、水酸基価(OHV)、及び数平均分子量(Mn)の測定方法は後述する。
【0044】
ポリウレタン系オリゴマー(a−2)は、少なくとも1個以上のイソシアネート基を有する化合物と後述の分子内に1個以上の水酸基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物を反応させて得られる化合物、あるいは少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物と上述の多価アルコールとを反応させて得られる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーと後述の分子内に1個以上の水酸基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物、あるいは少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物と多価アルコールとを反応させて得られる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーと、更に少なくとも1個以上のアミノ基を有する化合物とを反応させて得られる末端イソシアネート基のウレタンプレポリマーと後述の分子内に1個以上の水酸基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物とを反応させて得られる化合物である。多価アルコールが比較的高分子量のポリオール類であるポリエステルポリオールは、ポリウレタン系オリゴマー(a−2)に含まれる。また、イソシアネート基とアミノ基とを反応させて得られるウレア結合基含有したものもポリウレタン系オリゴマー(a−2)に含まれる。
【0045】
少なくとも1個のイソシアネート基を有する化合物としては、単官能ポリイソシアネート、及び多官能イソシアネートが挙げられ、それぞれ、芳香族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネート等が挙げられる。単官能ポリイソシアネートとしては、より具体的に、例えば、メチルイソシアネート、エチルイソシアネート、プロピルイソシアネート、ブチルイソシアネート、オクチルイソシアネート、デシルイソシアネート、オクタデシルイソシアネート、ステアリルイソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート、フェニルイソシアネート、ベンジルイソシアネート、p−クロロフェニルイソシアネート、p−ニトロフェニルイソシアネート、2−クロロエチルイソシアネート、2,4−ジクロロフェニルイソシアネート、3−クロロ−4−メチルフェニルイソシアネート、トリクロロアセチルイソシアネート、クロロスルホニルイソシアネート、(R)−(+)−α−メチルベンジルイソシアネート、(S)−(−)−α−メチルベンジルイソシアネート、(R)−(−)−1−(1−ナフチル)エチルイソシアネート、(R)−(+)−1−フェニルエチルイソシアネート、(S)−(−)−1−フェニルエチルイソシアネート、p−トルエンスルホニルイソシアネート等が挙げられる。
【0046】
多官能イソシアネートのうち、芳香族ポリイソシアネートとしては、より具体的に、例えば、1,3−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、4,4’−トルイジンジイソシアネート、2,4,6−トリイソシアネートトルエン、1,3,5−トリイソシアネートベンゼン、ジアニシジンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、4,4’,4”−トリフェニルメタントリイソシアネート等を挙げることができる。
【0047】
脂肪族ポリイソシアネートとしては、トリメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート(別名:HDI)、ペンタメチレンジイソシアネート、1,2−プロピレンジイソシアネート、2,3−ブチレンジイソシアネート、1,3−ブチレンジイソシアネート、ドデカメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0048】
芳香脂肪族ポリイソシアネートとしては、ω,ω’−ジイソシアネート−1,3−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジメチルベンゼン、ω,ω’−ジイソシアネート−1,4−ジエチルベンゼン、1,4−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、1,3−テトラメチルキシリレンジイソシアネート等を挙げることができる。
【0049】
脂環族ポリイソシアネートとしては、3−イソシアネートメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(別名:IPDI)、1,3−シクロペンタンジイソシアネート、1,3−シクロヘキサンジイソシアネート、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,4−シクロヘキサンジイソシアネート、メチル−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)、1,4−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン等を挙げることができる。
【0050】
また一部上記ポリイソシアネートの2−メチルペンタン−2,4−ジオールアダクト体、イソシアヌレート環を有する3量体等も併用することができる。ポリフェニルメタンポリイソシアネート(別名:PAPI)、ナフチレンジイソシアネート、及びこれらのポリイソシアネート変性物等を使用し得る。なおポリイソシアネート変性物としては、カルボジイミド基、ウレトジオン基、ウレトンイミン基、水と反応したビュレット基、イソシアヌレート基のいずれかの基、またはこれらの基の2種以上を有する変性物を使用できる。ポリオールとジイソシアネートの反応物も少なくとも2個のイソシアネート基を有する化合物として使用することができる。
【0051】
またアミノ基を有するアミン類としては、より具体的には、例えば、トリエチルアミン、ピリジン、アニリン、モルホリン、N−メチルモルホリン、ピロリジン、ピペリジン、N−メチルピペリジン、シクロヘキシルアミン、n−ブチルアミン、ジメチルオキサゾリン、イミダゾール、N−メチルイミダゾール、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン等のモノアミン;
【0052】
例えば、エチレンジアミン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリアミノプロパン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、N−(2−ヒドロキシエチル)プロピレンジアミン、(2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレン)ジアミン、(2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、(ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレン)ジアミン、ピペラジン等の脂肪族ポリアミン;
イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン等の脂環式ポリアミン;
フェニレンジアミン、キシリレンジアミン、2,4−トリレンジアミン、2,6−トリレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン,3,3’−ジクロロ−4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ビス−(sec−ブチル)ジフェニルメタン等の芳香族ジアミン;
【0053】
例えば、トリメチルシリルジメチルアミン、トリメチルシリルジエチルアミン、ジメチルアミノトリメチルシラン、アリルアミノトリメチルシラン、N−メチル−N−トリメチルシリルアセトアミド、アニリノトリメチルシラン、1−トリメチルシリルピロール、1−トリメチルシリルピロリドン、1−トリメチルシリルイミダゾール、1−トリメチルシリル−1,2,4−トリアゾール等の単官能のシリルアミノ基を保有するシリルアミン類;
1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、N,N'−ビス(トリメチルシリル)−N−フェニルウレア等の2官能のシリルアミノ基を保有するシリルアミン類;1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシラザン等の3官能以上の環状シリルアミノ基を保有するシリルアミン;
【0054】
例えば、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサメチレンジアミン、メンセンジアミン、1,4−ビス(2−アミノ−2−メチルプロピル)ピペラジン、分子両末端のプロピレン分岐炭素にアミノ基が結合したポリプロピレングリコール(プロピレン骨格のジアミン、サンテクノケミカル社製の製品「ジェファーミンD230」及び「ジェファーミンD400」等、プロピレン骨格のトリアミン、サンテクノケミカル社製の製品「ジェファーミンT403」等)、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ブチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、ヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、1,2−ジアミノプロパン、イミノビスプロピルアミン、メチルイミノビスプロピルアミン、H
2N(CH
2CH
2O)
2(CH
2)
2NH
2〔サンテクノケミカル社製のエチレングリコール骨格のジアミン「ジェファーミンEDR148」〕等のアミン窒素にメチレン基が結合したポリエーテル骨格のジアミン、1,5−ジアミノ−2−メチルペンタン(デュポン・ジャパン社製「MPMD」)、メタキシリレンジアミン(デュポン・ジャパン社製「MXDA」)、ポリアミドアミン(三和化学社製「X2000」)、イソホロンジアミン、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(三菱ガス化学社製「1,3BAC」)、1−シクロヘキシルアミノ−3−アミノプロパン、3−アミノメチル−3,3,5−トリメチル−シクロヘキシルアミン、ノルボルナン骨格のジメチレンアミン(三井化学社製「NBDA」)等のポリアミン、及びダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン、末端に一級又は二級アミノ基を有するデンドリマー、両末端にプロポキシアミンを有するポリオキシアルキレングリコールジアミン等も使用することができる。
【0055】
ポリエポキシ系オリゴマー(a−3)は、グリシジル基を有する化合物と(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの後述の分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)との反応により得られる化合物であり、代表例としてビスフェノール型、エポキシ化油型、フェノールノボラック型、脂環型が挙げられる。ビスフェノール型ポリエポキシ系オリゴマーとしては、ビスフェノール類とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるビスフェノール型ジグリシジルエーテルと(メタ)アクリル酸などの後述の分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)とを反応して得られるMn400〜2,000のものを使用できる。
【0056】
エポキシ化油ポリエポキシ系オリゴマーとしては、エポキシ化された大豆油等の油と(メタ)アクリル酸、マレイン酸などの後述の分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)との反応により得られるものを使用できる。ノボラック型ポリエポキシ系オリゴマーとしては、ノボラック型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸などの後述の分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)との反応により得られるものを使用できる。脂環型ポリエポキシ系オリゴマーとしては、脂環型エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸などの後述の分子内に1個以上のカルボキシル基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)との反応により合成されたものを使用できる。さらに、活性エネルギー線重合による架橋密度調整の目的で、その他のα,β−不飽和二重結合基を複数有する多官能のα,β−不飽和二重結合基含有化合物も使用することができる。
【0057】
更に、アクリル系オリゴマー(a−4)も使用することができる。具体的には、α,β−不飽和二重結合基を有する変性ポリエーテル、アミン変性されたα,β−不飽和二重結合基含有化合物、アルキッド樹脂、スピロアセタール樹脂、ポリブタジエン樹脂、ポリチオールポリエン樹脂および多価アルコール等の多官能化合物のα,β−不飽和二重結合基含有化合物からなる群より選択される1以上の化合物の、オリゴマーまたはプレポリマーが使用できる。
【0058】
分子内に、少なくともα,β−不飽和二重結合基を1個以上有するオリゴマー(A)の重量平均分子量(以下、Mwと称す。)が重合塗膜の相溶性や良好な耐久性(耐熱性、耐湿熱性)、凝集密度の点で、300〜30,000の範囲であることが必要である。更に、Mwが400〜10,000の範囲がより好ましい。オリゴマー(A)のMwが30,000を越えると流動性が低下するだけでなく、後述の分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)(ただし、オリゴマー(A)に該当するものを除く)や分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)との相溶性も低下するため、樹脂組成物の塗工性が低下したり、樹脂組成物を活性エネルギー線重合性接着剤として用いた場合には、重合塗膜の接着性等の耐久性が低下したり、塗膜が白化したりする場合がある。
オリゴマー(A)のMwが300未満の場合は、活性エネルギー線重合性接着剤の接着フィルムを各種基材(G)等に貼着した後、活性エネルギー線重合性接着剤層の凝集破壊が起こりやすくなる場合がある。
【0059】
次に分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)について説明する。
本発明において、分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)(以下化合物(B)と称す。)は、分子内に少なくとも1個の窒素原子と少なくとも1個のα,β−不飽和二重結合基を含有する化合物である。ただし、オリゴマー(A)に該当するものは含まれない。化合物(B)の窒素原子は塩基性が高いため、後述の基材(G)表面の極性基と、酸塩基相互作用や双極子相互作用等の相互作用があるため、本発明の樹脂組成物を後述の活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として用いた場合に、密着性の向上に大きな効果をもたらし、更には、窒素原子含有のヘテロ環由来のため、塗膜のガラス転移点(Tg)が向上することで、高凝集力を発現し、耐熱性や耐水性等の耐性の良好なコーティング剤層、あるいは接着剤層を形成することが可能となるものである。このような分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)としては、環
構造に窒素原子だけが1個以上含有している化合物(b1)、環
構造に窒素原子と酸素原子との双方を含有している化合物(b2)、および環
構造に窒素原子と硫黄原子との双方を含有している化合物(b3)とが挙げられる。
化合物(B)としては、その構造中に1個以上の窒素原子を有するものであれば、特に制限はなく使用でき、α,β−不飽和二重結合基としては、アクリロイル基(bI)、メタクリロイル基(bII)、エテニル基(bIII)、アリル基(bIV)、メタリル基(bV)等が挙げられ、特に制限はない。
【0060】
なお本願、化合物(B)の説明において、エテニル基とは、アクリロイル基、メタクリロイル基、アリル基、メタリル基以外の右記化学構造(CH
2=CH−)を有する官能基をいう。
【0061】
環
構造に窒素原子だけを有し、アクリロイル基を有する化合物(b1−I)またはメタクリロイル基を有する化合物(b1−II)[以下、環
構造原子種−二重結合基の表記とする。以下同様。]としては、より具体的に、例えば、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール〔2−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールと2−(2'−ヒドロキシ−5'−メタクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾールとを併せて「2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール」と表記する。以下同様。〕、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−5'−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、2−(2'−ヒドロキシ−3'−tert−ブチル−5'−(メタ)アクリロイルオキシエチルフェニル)−5−クロロ−2H−ベンゾトリアゾール等の窒素原子含有の多環系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0062】
例えば、2,4−ジフェニル−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}] −S−トリアジン、2,4−ビス(2−メチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−メトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−エチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2−エトキシフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジメチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジエトキシルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ}]−S−トリアジン、2,4−ビス(2,4−ジエチルフェニル)−6−[2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ})]−S−トリアジン等の窒素原子含有の六員環を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0063】
例えば、ペンタメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、テトラメチルピペリジニル(メタ)アクリレート、4−(ピリミジン−2−イル)ピペラジン−1−イル(メタ)アクリレート等の窒素原子含有の環状(メタ)アクリル酸エステル類;
【0064】
環
構造に窒素原子だけを有し、エテニル基を有する化合物(b1−III)としては、より具体的に、例えば、1−ビニルピロール、2−ビニルピロール、2−メチル−5−ビニル−1H−ピロール、1−ビニル−2−イミダゾリン、2−ビニル−2−イミダゾリン、1−ビニル−2−メチル−2−イミダゾリン、4,5−ジヒドロ−2−ビニル−1H−イミダゾール、1−ビニルイミダゾール、2−ビニル−1H−イミダゾール、1−ビニル−1H−ピラゾール、1−ビニル−3,5―ジメチル―1H−ピラゾール、3−メチル−5−フェニル−1−ビニルピラゾール等の窒素原子含有の五員環を有するエテニル基含有化合物類;
【0065】
例えば、2−ビニルピペラジン、4−ビニルピペラジン、1−ベンジル−2−ビニルピペラジン、1−ベンジル−3−ビニルピペラジン、1、4−ジメチル−3−ビニルピペラジン、2−ビニルピリジン、3−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、6−メチル−2−エテニルピリジン、2−ビニルピラジン、2−メチル−5−ビニルピラジン、2−メチル−6−ビニルピラジン、2,5−ジメチル−3−ビニルピラジン、2−ビニルピリミジン、2−ビニルピリダジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−1,3,5−トリアジン、6−ビニル−1,3,5―ジメチル―2,4−ジアミン、3−ビニル−1,2,4,5−テトラジン等の窒素原子含有の六員環を有するエテニル基含有化合物類;
【0066】
例えば、1−ビニルインドール、1−ビニル−2−メチル−1H−インドール、1−ビニルイソインドール、1−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、2−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、2−ビニル−5,6−ジメチル−1H−ベンゾイミダゾール、1−ビニルインダゾール、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン、2−ビニルイソキノリン、2−ビニルイソキサリン、2−ビニルキノキサリン、2−ビニルキナゾリン、2−ビニルシンノリン、1−ビニルカルバゾール等の窒素原子含有の多環系エテニル基含有化合物類;
【0067】
例えば、1−メチル−4,5−ジビニル−1H−イミダゾール、1,1'−ジビニル−2,2'−ビ(1H−イミダゾール)、2,3−ジビニルピリジン、2,4−ジビニルピリジン、2,5−ジビニルピリジン、2,6−ジビニルピリジン等の窒素原子含有の環構造と二個以上のエテニル基を有する化合物類;
【0068】
環
構造に窒素原子だけを有し、アリル基を有する化合物(b1−IV)またはメタリル基を有する化合物(b1−V)としては、より具体的に、例えば、1−(メタ)アリル−1H−イミダゾール〔1−アリル−1H−イミダゾールと1−メタリル−1H−イミダゾールとを併せて「1−(メタ)アリル−1H−イミダゾール」と表記する。以下同様。〕、1−(メタ)アリル−2−メチル−1H−イミダゾール、1−(メタ)アリル−3−メチル−1H−イミダゾール−3−イウム、1−(メタ)アリル−3−エチル−1H−イミダゾール−3−イウム、4−(メタ)アリル−3,5−ジメチル−1H−ピラゾール、5−ブロモ−1−1−(メタ)アリル−1H−ピラゾール、1−(メタ)アリルピペラジン、5−(1−メチルプロピル)−5−(メタ)アリルピリミジン、5−(メタ)アリル−5−イソプロピルピリミジン、1−(メタ)アリル−5,5−ジエチルピリミジン、2−(メタ)アリルピリジン、4−(メタ)アリルピリジン、3,6−ジヒドロ−3−(メタ)アリルピリジン、N−(メタ)アリル−s−トリアジン−2,4,6−トリアミン、N−(メタ)アリル−4,6−ジクロロ−1,3−5−トリアジン−2−アミン等の窒素原子含有の環状構造を有する(メタ)アリル基含有化合物類;
【0069】
例えば、2−(メタ)アリル−1H−インドール、3−(メタ)アリル−1H−インドール、1−(メタ)アリル−1H−ベンゾイミダゾール、2−(メタ)アリルインダゾール、1−(メタ)アリル−3−メチル−1H−インダゾール、1−(メタ)アリル−4−メチル−1H−インダゾール、N−(メタ)アリルキノリン−4−アミン、ジ(メタ)アリルキノリン、3−フェニル−4−(メタ)アリルイソキノリン、1,2−ジ(メタ)アリル−1,2−ジヒドロイソキノリン、9−(メタ)アリル−9H−カルバゾール等の窒素原子含有の多環構造を有する(メタ)アリル基含有化合物類;
【0070】
環
構造に窒素原子と酸素原子との双方を有し、アクリロイル基を有する化合物(b1−I)またはメタクリロイル基を有する化合物(b1−II)としては、より具体的に、例えば、イミド(メタ)アクリレート、2−(4−オキサゾリン−3−イル)エチル(メタ)アクリレート、トリ(メタ)アクリル酸エトキシ化イソシアヌル酸、ε−カプロラクトン変性トリス−(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等の窒素原子以外に酸素原子を含む環状構造を有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0071】
環
構造に窒素原子と酸素原子との双方を有し、アクリロイル基を有する化合物(b2−I)としては、より具体的に、例えば、4−アクリロイルモルホリン等の環状アクリルアミド類;
【0072】
環
構造に窒素原子と酸素原子との双方を有し、エテニル基を有する化合物(b2−III)としては、より具体的に、例えば、N−ビニル−2−ピロリドン、N−ビニル−ε−カプロラクタムなどの窒素原子と酸素原子の双方を有する環状アミド基含有化合物類;
【0073】
例えば、マレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、プロピルマレイミド、ブチルマレイミド、オクチルマレイミド、ドデシルマレイミド、ステアリルマレイミド、フェニルマレイミド、シクロヘキシルマレイミドなどの窒素原子と酸素原子の双方を有するマレイミド誘導体類;
【0074】
例えば、2−ビニルオキサゾール、2−フェニル−4−ビニルオキサゾール、2−フェニル−5−ビニルオキサゾール、5−エトキシ−2−ビニルオキサゾール、3−ビニル−5−ニトロソオキサゾール、2−ビニル−4,5−ジフェニルオキサゾール、2−ビニル−2−オキサゾリン、4,4−ジメチル−2−ビニル−2−オキサゾリン−5−オン、2−ビニルベンゾオキサゾール、1−ビニルピリジン−2(1H)−オン等の窒素原子以外に酸素原子を含む環状構造を有するエテニル基含有化合物類;
【0075】
環
構造に窒素原子と硫黄原子との双方を有し、エテニル基を有する化合物(b3−III)としては、より具体的に、例えば、2−ビニルチアゾ−ル、4−メチル−5−ビニルチアゾール、2−ビニルベンゾチアゾール、2−[2−(1−ナフチル)ビニル]ベンゾチアゾール、2−[2−(ジメチルアミノ)ビニル]ベンゾチアゾール、1−ビニル−2(1H)−ピリジンチオン等の窒素原子以外に硫黄原子を含む環状構造を有するエテニル基含有化合物類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0076】
本発明に使用される、分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)において、その環構造には酸素原子や硫黄原子を含有しないことが好ましい。環
構造に窒素原子以外に、周期表の6B族の原子が含有されると塩基性が低下するため、樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として使用した際には、各種基材(G)との密着性が若干劣る。そのため、窒素原子だけを含有する環状構造(b1)が最も好ましい。
【0077】
更に、化合物(B)のα,β−不飽和二重結合基が、エテニル基であることがこのましい。オリゴマー(A)のα,β−不飽和二重結合基の主体が(メタ)アクリロイル基であるため、化合物(B)のα,β−不飽和二重結合基がエテニル基(bIII)であると、相対反応速度や主鎖構造の相違により、樹脂組成物の活性エネルギー線重合後の塗膜構造はミクロ相分離構造を形成しやすく、特に、海島構造を形成しやすくなる。このため、弾性と応力緩和性を併せ持った塗膜構造となるため、樹脂組成物を後述の活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として用いた場合には、高凝集力による高密着性や高接着性を発現するだけでなく、極低温から極高温に至るまでの外部環境変化や湿潤による浮きや剥がれが抑制されるなど、実用性を維持することが可能となるため、最も好ましい。また、化合物(B)のα,β−不飽和二重結合基が(メタ)アリル基(bIV、V)であると、ミクロ相分離構造を形成しやすいものの反応速度が遅いため、塗膜の高分子量化が不十分となる場合があるため、樹脂組成物を後述の活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として用いた場合には、耐久性の低下やコート層や接着層の凝集破壊が起こりやすくなる場合があるため、注意を要する。塗膜のミクロ相分離構造を形成しやすい化合物(B)のα,β−不飽和二重結合基としては、好ましい順番は、エテニル基(bIII)>アリル基(bIV)>メタリル基(
bV)>メタクリロイル基(bII)>アクリロイル基(bI)である。
更に、化合物(B)の分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造は、5員環以上が好ましい。3、4員環であると、熱や活性エネルギー線によって、開環反応を引き起こす可能性が高いので好ましくない。
【0078】
分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)としては、2−ビニルピロール、1−ビニル−2−イミダゾリン、2−ビニル−2−イミダゾリン、1−ビニルイミダゾール、2−ビニル−1H−イミダゾール、1−ビニル−1H−ピラゾール、2−ビニルピペラジン、4−ビニルピペラジン、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、1−ビニルインドール、1−ビニルイソインドール、1−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、2−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、2−ビニル−5,6−1H−ベンゾイミダゾール、1−ビニルインダゾール、2−ビニルキノリン、4−ビニルキノリン、2−ビニルイソキノリン、2−ビニルイソキサリン、2−ビニルキノキサリン、2−ビニルキナゾリン、2−ビニルシンノリン、1−ビニルカルバゾールが工業的にも価格的にも特に好ましい。
【0079】
次に分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)について説明する。
本発明において、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)としては、上述の化合物(B)やそれ以外のヘテロ環を含まず、シクロアルカン環、シクロアルケン環および/またはベンゼン環のいずれか一つ以上の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物であることが、耐熱性や耐水性等の耐久性の面から好ましい。ただし、オリゴマー(A)に該当するものは含まれない。化合物(C)は、樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として使用した際には、後述の各種基材(G)との密着性を更に向上させるため、シクロアルカン環、シクロアルケン環および/またはベンゼン環に加え、更に水酸基を有する、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有し、かつ水酸基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c1)を使用することがよりできる。また、シクロアルカン環、シクロアルケン環および/またはベンゼン環だけで、更に水酸基を有しない、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有し、かつ水酸基も有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c2)は、後述の水酸基含有のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(d1)と弊用することで、後述の各種基材(G)との密着性を向上することが可能となる。(c1)および(c2)の選択は、使用目的に応じて選択すればよい。
【0080】
分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)のうち、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有し、かつ水酸基も有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c2)としては、より具体的に、例えば、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロペンチル、(メタ)アクリル酸1−メチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−イソプロピル−1−シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸1−エチル−1−シクロオクチル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸iso−ボルニル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−フェニルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソ−1,2−ジフェニルエチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチル、(メタ)アクリル酸2−ナフチル、(メタ)アクリル酸1−ナフチルメチル、(メタ)アクリル酸1−アントリル、(メタ)アクリル酸2−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリル、(メタ)アクリル酸9−アントリルメチル、(メタ)アクリル酸2−メチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−n−プロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸2−イソプロピルアダマンチル−2−イル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルエチル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−メチルプロピル、(メタ)アクリル酸1−(アダマンタン−1−イル)−1−エチルプロピル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[4.2.1.0
3,7]ノナ−2−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソ−4−オキサ−トリシクロ[5.2.1.0
3,8]デカ−2−イル、(メタ)アクリル酸ジヒドロ−α−ターピニル、(メタ)アクリル酸−6−オキソ−7−オキサ−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−イル、(メタ)アクリル酸−7−オキソ−8−オキサ−ビシクロ[3.3.1]オクタ−2−イル、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシブチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシヘキシルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシオクチルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシデシルフタレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタレート、(メタ)アクリル酸(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチル、(メタ)アクリル酸−o−2−プロペニルフェニル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸フェニルグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0081】
例えば、(メタ)アクリル酸スルホフェノキシエチル、(メタ)アクリル酸スルホシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸スルホベンジル等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0082】
例えば、(メタ)アクリロイルオキシエチルジメチルベンジルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウム−p−トルエンスルホネート等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸環状エステル類の金属塩やアンモニウム塩類;
【0083】
例えば、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチル、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカンジヒドロキシメチルジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸1,2−アダマンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,3−アダマンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,4−アダマンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸トリシクロデカニルジメチロール、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−4,4’−スルフォニルジフェノールのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体、ジ(メタ)アクリル酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパン、ジ(2−メチル)プロペン酸−水添加2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタン、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)プロパンのテトラエチレンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸−2,2−ビス(ヒドロキシフェニル)メタンのテトラエチレンオキサイド付加体−ジカプロラクトネート等の2官能(メタ)アクリル酸環状エステル類;
【0084】
例えば、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2,5−ビス(アリルオキシ)ノルボルナン、5−ビニル−2,3−オキシランノルボルナン、2−(2−プロペニル)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン、5−ビニルビシクロ[2.2.1]ヘプタ−2−エン、2−エテニリデンアダマンタン、1−アリルアダマンタン、2−ビニル安息香酸、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、4−イソプロペニルベンゼンカルボン酸、桂皮酸、7−アミノ−3−ビニル−3−セフェム−4−カルボン酸、シクロヘキシルビニルエーテル、シクロヘキシルマレイミド、ビニルシクロヘキセンモノオキシラン等のアルケニル基含有の環状化合物類;
【0085】
例えば、ベンゾイル蟻酸ビニル、ベンゾイル酢酸ビニル、ベンゾイルプロピオン酸ビニル、ベンゾイル酪酸ビニル、ベンゾイルバレリン酸ビニル、ベンゾイルヘキサン酸ビニル、ベンゾイルドデカン酸ビニル、1−ナフトイル酢酸ビニル、1−ナフトイルプロピオン酸ビニル、1−ナフトイル酪酸ビニル、1−ナフトイルバレリン酸ビニル、1−ナフトイルヘキサン酸ビニル、2−ナフトイル酢酸ビニル、2−ナフトイルプロピオン酸ビニル、2−ナフトイル酪酸ビニル、2−ナフトイルバレリン酸ビニル、2−ナフトイルヘキサン酸ビニル、ニコチノイル酢酸ビニル、ニコチノイルプロピオン酸ビニル、ニコチノイル酪酸ビニル、ニコチノイルバレリン酸ビニル、ニコチノイルヘキサン酸ビニル、ニコチノイルデカン酸ビニル、ニコチノイルドデカン酸ビニル、イソニコチノイル酢酸ビニル、イソニコチノイルプロピオン酸ビニル、イソニコチノイル酪酸ビニル、イソニコチノイルバレリン酸ビニル、イソニコチノイルヘキサン酸ビニル、イソニコチノイルデカン酸ビニル、イソニコチノイルドデカン酸ビニル、2−フロイル酢酸ビニル、2−フロイルプロピオン酸ビニル、2−フロイル酪酸ビニル、2−フロイルバレリン酸ビニル、2−フロイルヘキサン酸ビニル、2−フロイルデカン酸ビニル、2−フロイルドデカン酸ビニル、3−フロイル酢酸ビニル、3−フロイルプロピオン酸ビニル、3−フロイル酪酸ビニル、3−フロイルバレリン酸ビニル、3−フロイルヘキサン酸ビニル、3−フロイルデカン酸ビニル、3−フロイルドデカン酸ビニル、アントラニロイル酢酸ビニル、アントラニロイルプロピオン酸ビニル、アントラニロイル酪酸ビニル、アントラニロイルバレリン酸ビニル、アントラニロイルヘキサン酸ビニル、アントラニロイルデカン酸ビニル、アントラニロイルドデカン酸ビニル、4−(2−t−エトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルエチルオキシ)スチレン、4−(2−t−ブトキシカルボニルプロピルオキシ)スチレン等のアシル基を有する芳香族系のビニル化合物類;
【0086】
例えば、ベンゾイル蟻酸(メタ)アリル、ベンゾイル酢酸(メタ)アリル、ベンゾイルプロピオン酸(メタ)アリル、ベンゾイル酪酸(メタ)アリル、ベンゾイルバレリン酸(メタ)アリル、ベンゾイルヘキサン酸(メタ)アリル、ベンゾイルドデカン酸(メタ)アリル、1−ナフトイル酢酸(メタ)アリル、1−ナフトイルプロピオン酸(メタ)アリル、1−ナフトイル酪酸(メタ)アリル、1−ナフトイルバレリン酸(メタ)アリル、1−ナフトイルヘキサン酸(メタ)アリル、2−ナフトイル酢酸(メタ)アリル、2−ナフトイルプロピオン酸(メタ)アリル、2−ナフトイル酪酸(メタ)アリル、2−ナフトイルバレリン酸(メタ)アリル、2−ナフトイルヘキサン酸(メタ)アリル等のアシル基を有する芳香族系の(メタ)アリル化合物類等のカルボニル基含有のエチレン性不飽和環状単量体類;
【0087】
例えば、スチレン、α−メチルスチレン、2−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、2−メトキシスチレン、3−メトキシスチレン、4−メトキシスチレン、4−t−ブトキシスチレン、4−t−ブトキシ−α−メチルスチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)スチレン、4−(2−エチル−2−プロポキシ)−α−メチルスチレン、4−(1−エトキシエトキシ)スチレン、4−(1−エトキシエトキシ)−α−メチルスチレン、1−ブチルスチレン、1−クロロ−4−イソプロペニルベンゼンなどの芳香族ビニル系単量体類;
【0088】
例えば、ビニルフェニルペンチルエーテル、ビニルフェニルヘキシルエーテル、ビニルフェニルヘプチルエーテル、ビニルフェニルオクチルエーテル、ビニルフェニルノニルエーテル、ビニルフェニルデシルエーテル、ビニルフェニルウンデシルエーテル、ビニルフェニルドデシルエーテル、ビニルフェニルトリデシルエーテル、ビニルフェニルテトラデシルエーテル、ビニルフェニルペンタデシルエーテル、ビニルフェニルヘキサデシルエーテル、ビニルフェニルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルノナデシルエーテル、ビニルフェニルエイコシルエーテル、ビニルフェニルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルドコシルエーテル、ビニルフェニルメチルブチルエーテル、ビニルフェニルメチルペンチルエーテル、ビニルフェニルメチルヘキシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘプチルエーテル、ビニルフェニルメチルオクチルエーテル、ビニルフェニルメチルノニルエーテル、ビニルフェニルメチルデシルエーテル、ビニルフェニルメチルウンデシルエーテル、ビニルフェニルメチルドデシルエーテル、ビニルフェニルメチルトリデシルエーテル、ビニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、ビニルフェニルメチルペンタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、ビニルフェニルメチルノナデシルエーテル、ビニルフェニルメチルエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、ビニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有する芳香族ビニルエーテル系単量体類;
【0089】
4−ビニル安息香酸ヘキシル、4−ビニル安息香酸オクチル、4−ビニル安息香酸ノニル、4−ビニル安息香酸デシル、4−ビニル安息香酸ドデシル、4−ビニル安息香酸テトラデシル、4−ビニル安息香酸ヘキサデシル、4−ビニル安息香酸オクタデシル、4−ビニル安息香酸エイコシル、4−ビニル安息香酸ドコシル、4−イソプロペニル安息香酸ヘキシル、4−イソプロペニル安息香酸オクチル、4−イソプロペニル安息香酸ノニル、4−イソプロペニル安息香酸デシル、4−イソプロペニル安息香酸ドデシル、4−イソプロペニル安息香酸テトラデシル、4−イソプロペニル安息香酸ヘキサデシル、4−イソプロペニル安息香酸オクタデシル、4−イソプロペニル安息香酸エイコシル、4−イソプロペニル安息香酸ドコシルなどの長鎖アルキル基を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体類;
【0090】
例えば、テトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、プロピルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ペンチルテトラ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、テトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、プロポキシテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ブチルテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、n−ペンタキシテトラ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロペンオキサイド)ビニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)エテニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)エテニルベンジルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、メチルビニルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルベンジルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、ポリ(オキシプロピレン) ビニルフェニルエチルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテル、エチルポリ(プロピレンオキサイド)ビニルフェニルエチルエーテルなどの長鎖ポリアルキレンオキサイド部位を有するビニルフェニルエーテル系単量体類;
【0091】
例えば、イソプロペニルフェニルメチルブチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘプチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチル オクチルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルノニルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルウンデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルトリデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルテトラデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルペンタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘキサデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘプタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルオクタデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルノナデシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルエイコシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルヘンエイコシルエーテル、イソプロペニルフェニルメチルドコシルエーテルなどの長鎖アルキル基を有するイソプロペニルフェニル系単量体類;
【0092】
例えば、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、エチルポリ(プロペンオキサイド)イソプロペニルフェニルエーテル、ポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、エチルポリ(エチレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、ポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテル、メチルポリ(プロピレンオキサイド)イソプロペニルベンジルエーテルなどのポリアルキレンオキサイド部位を有するイソプロペニル系単量体類;
【0093】
例えば、コハク酸ビニルフェニルノニル、ヘキサヒドロフタル酸ビニルフェニルメチルデシル、テレフタル酸ビニルフェニルエチルドデシルなどのジカルボン酸のモノ長鎖アルキルエステル系環状単量体類;
【0094】
例えば、コハク酸ビニルフェニルポリ(エチレンオキサイド)、ヘキサヒドロフタル酸ビニルフェニルメチルポリ(エチレンオキサイド)、テレフタル酸ビニルフェニルエチルポリ(エチレンオキサイド)などのジカルボン酸のモノポリアルキレンオキサイドエステル;
4−ビニル安息香酸メチルポリ(エチレンオキサイド)、4−ビニル安息香酸エチルポリ(エチレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸メチルポリ(プロピレンオキサイド)、4−イソプロペニル安息香酸エチルポリ(プロピレンオキサイド)などのポリアルキレンオキサイド部位を有するビニル安息香酸エステル系またはイソプロペニル安息香酸エステル系単量体類;
【0095】
例えば、スチレンスルホン酸、2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸等のアルケニル基含有環状スルホン酸類;
【0096】
例えば、スチレンスルホン酸アンモニウム、スチレンスルホン酸モノメチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジメチルアンモニウム、スチレンゼンスルホン酸トリメチルアンモニウム、スチレンスルホン酸テトラメチルアンモニム、スチレンスルホン酸エチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸トリエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸テトラエチルアンモニウム、スチレンスルホン酸プロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸ジプロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸トリプロピルアンモニウム、スチレンスルホン酸ブチルアンモニウム、スチレンスルホン酸ペンチルアンモニウムまたはスチレンスルホン酸ヘキシルアンモニウム等のスチレンスルホン酸のアンモニウム塩類;
スチレンスルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム、スチレンスルホン酸リチウム、スチレンスルホン酸マグネシウム、スチレンスルホン酸亜鉛、スチレンスルホン酸鉄等のスチレンスルホン酸の金属塩類;
ビニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、ビニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、ビニルオキシベンゼンスルホン酸カリウム等のアルケニル基含有ビニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸アンモニウム、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸カリウム等の2−メチル−2−プロペニルオキシベンゼンスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類等が挙げられる。
【0097】
また、例えば、芳香環構造が水素添加された水添ビスフェノールA等もα,β−不飽和二重結合基を有すれば、化合物(C1)に含まれる。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0098】
本発明の分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)のうち、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有し、かつ水酸基も有しないα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c2)としては、オリゴマー(A)との相溶性と耐熱性や耐水性等の耐久性の面より、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−フェノキシエチル、アクリル酸iso−ボルニル、アクリル酸ジシクロペンタニル、アクリル酸2−エチルアダマンチル−2−イルが特に好ましい。
【0099】
また、本発明の分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)のうち、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有し、かつ水酸基も有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c1)としては、具体的に、例えば、(メタ)アクリル酸1,2−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,3−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシル、(メタ)アクリル酸モノヒドロキシエチルフタレート、(メタ)アクリル酸2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチル、ジ(メタ)アクリル酸1,4−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン、ジ(メタ)アクリル酸1,3−ビス(2−ヒドロキシプロピル)ベンゼン等の水酸基含有の環状(メタ)アクリル酸エステル類;
【0100】
例えば、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}ブトキシベンゾフェノン、2, 2'−ジヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−{2−(メタ)アクリロイルオキシ}エトキシ−4'−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾフェノン等の水酸基含有ベンゾフェノン系(メタ)アクリル酸エステル類;
【0101】
例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシルモノビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシルモノビニルエーテル、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルモノビニルエーテル等の水酸基含有の脂環や芳香環を有するビニルエーテル類;
【0102】
例えば、2−ヒドロキシスチレン、3−ヒドロキシスチレン、4−ヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、3−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、4−ヒドロキシ−α−メチルスチレン、2−メチル−3−ヒドロキシスチレン、4−メチル−3−ヒドロキシスチレン、5−メチル−3−ヒドロキシスチレン、2−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3−メチル−4−ヒドロキシスチレン、3,4−ジヒドロキシスチレン、2,4,6−トリヒドロキシスチレン、2−ヒドロキシ−6−ビニルナフタレン等の水酸基含有の芳香族エテニル化合物類;
【0103】
例えば、1,2−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、1,3−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アリルエーテル、o−(メタ)アリルフェノール、m−(メタ)アリルフェノール、p−(メタ)アリルフェノール、2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシエチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシブチルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシデシルモノ(メタ)アリルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシオクタデシルモノ(メタ)アリルエーテル、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルモノ(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂環や芳香環を有する(メタ)アリルエーテル類;
【0104】
例えば、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールA、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールF、o−ジ(メタ)アリルビスフェノールS等の複数の水酸基を有する(メタ)アリル基含有化合物類;
【0105】
例えば、3−アリルアダマンタン−1−オール、シクロオクタンジメタノールモノビニルエーテル等のエテニル基含有の環状化合物類等が挙げられ、これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0106】
分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有し、かつ水酸基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c−1)、つまり、水酸基を有し、かつ、シクロアルカン環、シクロアルケン環および/またはベンゼン環を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c1)のうち、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有し、かつ水酸基も有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c1)としては、基材(G)との密着性の面と、耐久性の面の双方により、アクリル酸1,3−シクロヘキサンジメタノール、アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、アクリル酸2−ヒドロキシ−3−フェノキシメチル、1,4−シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテルが特に好ましい。
【0107】
本発明における樹脂組成物は、オリゴマー(A)100重量部に対して、分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)1〜500重量部と、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)1〜500重量部とを含有してなることが好ましく、オリゴマー(A)100重量部に対して、化合物(B)10〜300重量部と、化合物(C)10〜300重量部とを含有してなることがさらに好ましい。
オリゴマー(A)が100重量部に対して、化合物(B)と化合物(C)が、それぞれ1重量部以上であると、十分な凝集力が得られ易く耐熱性や耐湿熱性の向上効果が期待できる。
一方、オリゴマー(A)が100重量部に対して、化合物(B)と化合物(C)が、それぞれ500重量部以下であると、樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として用いた場合に、基材(G)に対する密着性や接着性が向上するので好ましい。
さらに、オリゴマー(A)100重量部に対して、化合物(B)と化合物(C)が、それぞれ10〜300重量部の範囲であると、凝集力、耐熱性、耐湿熱性、接着性および密着性の点で極めて好適である。
【0108】
また、化合物(B)と化合物(C)との比率は、2/8〜8/2の範囲が好ましく、3/7〜7/3の比率がより好ましい。比率が2/8よりも(C)が少なくなると、樹脂組成物の粘度が下るため塗工性に好適である。一方、比率が8/2よりも(C)が多くなると、樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として用いた場合には、基材(G)に対する密着性や接着性が向上するので好適である。
【0109】
更に、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)100重量%のうち、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有し、かつ水酸基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(c1)0.1〜70重量%の範囲で、基材(G)との密着性向上のために使用することができる。この範囲であれば、分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有する含有化合物(B)には、水酸基を含有していても、していなくても問題はない。
【0110】
次に、(A)、(B)、および(C)以外のその他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(D)について説明する。
本発明の樹脂組成物は、前記、オリゴマー(A)、化合物(B)、及び化合物(C)以外に、分子構造中にα,β−不飽和二重結合基を有するその他の化合物(D)を含有することができる(ただし、オリゴマー(A)に該当するものを除く)。
その他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(D)とは分子構造中にα,β−不飽和二重結合基有する化合物である。化合物(D)としては、粘度が0.5〜2000mPa・sのものが好ましく、1〜1000mPa・sのものが好ましい。このような化合物(D)を用いることによって、オリゴマー(A)、化合物(B)や化合物(C)に起因する樹脂組成物の高粘度化を抑制し、薄膜塗工性を改良しつつ、活性エネルギー線重合性を維持するとともに、後述のコート剤や接着剤の接着力や粘度、あるいは加工性を維持することができる。
【0111】
その他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(D)としては、後述の基剤(G)との密着性を考慮すると、水酸基含有のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(d1)であることが好ましい。また、前記した水酸基を有し、かつ、シクロアルカン環、シクロアルケン環および/またはベンゼン環を有する化合物(c1)と(d1)が共存しても問題は無く使用できる。また、(d1)以外のその他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(d2)も含有することができる。
【0112】
水酸基含有のその他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(d1)としては、その構造中に水酸基を有するものであれば、特に制限はなく、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸1−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸6−ヒドロキシヘキシル、(メタ)アクリル酸8−ヒドロキシオクチル、(メタ)アクリル酸10−ヒドロキシデシル、(メタ)アクリル酸12−ヒドロキシラウリル、(メタ)アクリル酸エチル−α−(ヒドロキシメチル)、単官能(メタ)アクリル酸グリセロール、あるいは(メタ)アクリル酸グリシジルラウリン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルオレイン酸エステル、(メタ)アクリル酸グリシジルステアリン酸エステル等の脂肪酸エステル系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはラクトン環の開環付加により末端に水酸基を有する、プラクセルFA2D(ダイセル化学社製)等のポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルホスフェート等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アクリル酸エステル類;
【0113】
例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシオクチルビニルエーテル、ヒドロキシデシルビニルエーテル、ヒドロキシドデシルビニルエーテル、ヒドロキシオクタデシルビニルエーテル、グリセリルビニルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系ビニルエーテル等の水酸基含有の脂肪族ビニルエーテル類;
【0114】
例えば、(メタ)アリルアルコール、イソプロペニルアルコール、ジメチル(メタ)アリルアルコール、ヒドロキシエチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシプロピル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシブチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシヘキシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクチル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシドデシル(メタ)アリルエーテル、ヒドロキシオクタデシル(メタ)アリルエーテル、グリセリル(メタ)アリルエーテル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端に水酸基を有するアルキレンオキサイド付加系(メタ)アリルエーテル等の水酸基含有の脂肪族(メタ)アリルアルコール類ないしは(メタ)アリルエーテル類;
【0115】
例えば、プロペンジオール、ブテンジオール、ヘプテンジオール、オクテンジオール、ジ(メタ)アクリル酸グルセロール等の複数の水酸基を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
【0116】
例えば、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド〔N−ヒドロキシエチルアクリルアミドとN−ヒドロキシエチルメタクリルアミドとを併せて「N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド」と表記する。以下同様。〕、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシオクチル(メタ)アクリルアミド等の水酸基含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0117】
例えば、ビニルアルコール等の水酸基とエテニル基を有する単量体類等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0118】
水酸基含有のその他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(d1)としては、基材との密着性の面より、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル、プラクセルFA2D(ダイセル化学社製)等の炭素数2〜18であるα,β−不飽和二重結合基含有化合物が特に好ましい。
【0119】
α,β−不飽和二重結合基含有化合物(D)のうち、水酸基含有のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(d1)以外のその他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(d2)としては、より具体的に、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸2−カルボキシエチル、(メタ)アクリル酸2−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸3−カルボキシプロピル、(メタ)アクリル酸4−カルボキシブチル、(メタ)アクリル酸ダイマー、マレイン酸、フマル酸、モノメチルマレイン酸、モノメチルフマル酸、アコニチン酸、ソルビン酸、ケイ皮酸、α−クロロソルビン酸、グルタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、イタコン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、セネシオ酸、クロトン酸、イソククロトン酸、ムコブロム酸、ムコクロル酸、ソルビン酸、ムコン酸、アコニット酸、ペニシル酸、ゲラン酸、シトロネル酸、4−アクリルアミドブタン酸、6−アクリルアミドヘキサン酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート、あるいはモノ(メタ)アクリル酸ω−カルボキシポリカプロラクトンエステル等のラクトン環の開環付加により末端にカルボキシル基を有するポリラクトン系(メタ)アクリル酸エステル、あるいはエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドの繰り返し付加した末端にカルボキシル基を有するアルキレンオキサイド付加系コハク酸と(メタ)アクリル酸のエステル等のカルボキシル基含有の脂肪族系のα,β−不飽和二重結合基含有カルボン酸類やその酸無水物類;
【0120】
例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸1−プロピル、(メタ)アクリル酸2−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸sec−ブチル、(メタ)アクリル酸iso−ブチル、(メタ)アクリル酸tert−ブチル、(メタ)アクリル酸n−アミル、(メタ)アクリル酸iso−アミル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸iso−オクチル、(メタ)アクリル酸n−ノニル、(メタ)アクリルiso−ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
【0121】
例えば、(メタ)アクリル酸(メタ)アリル、(メタ)アクリル酸1−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−ブテニル、(メタ)アクリル酸3−ブテニル、(メタ)アクリル酸1,3−メチル−3−ブテニル、(メタ)アクリル酸2−クロル2−プロペニル、(メタ)アクリル酸3−クロル2−プロペニル、((メタ)アクリル酸2−(2−プロペニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−プロペニルラクチル、(メタ)アクリル酸3,7−ジメチルオクタ−6−エン−1−イル、(メタ)アクリル酸(E)−3,7−ジメチルオクタ−2,6−ジエン−1−イル、(メタ)アクリル酸ロジニル、(メタ)アクリル酸シンナミル、(メタ)アクリル酸ビニル等のさらに不飽和基を含有する(メタ)アクリル酸エステル類;
【0122】
例えば、(メタ)アクリル酸パーフルオロメチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロエチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロプロピル、(メタ)アクリル酸パーフルオロブチル、(メタ)アクリル酸パーフルオロオクチル、(メタ)アクリル酸トリフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−トリフルオロメチルエチル、(メタ)アクリル酸ジパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロメチル−2−パーフルオロエチルメチル、(メタ)アクリル酸トリパーフルオロメチルメチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロエチル−2−パーフルオロブチルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキシルエチル、(メタ)アクリルプロペン酸2−パーフルオロデシルエチル、(メタ)アクリル酸2−パーフルオロヘキサデシルエチルなどの(メタ)アクリル酸パーフルオロアルキルエステル類;
【0123】
例えば、(メタ)アクリル酸N−メチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N−トリブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノメチルなどのアミノ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0124】
例えば、(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸(3−メチル−3−オキセタニル)メチル、(メタ)アクリル酸テトラヒドロフルフリル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−メチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−エチル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−4−プロピル−2−オキソテトラヒドロピラン−4−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2,2−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−5,5−ジメチル−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−2−オキソテトラヒドロフラン−3−イル、(メタ)アクリル酸−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸−3,3−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル、(メタ)アクリル酸−4,4−ジメチル−5−オキソテトラヒドロフラン−2−イルメチル等の酸素原子を有する複素環含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0125】
例えば、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(メトキシカルボニル)デシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)メチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)エチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)プロピル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ブチル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸(エトキシカルボニル)オクチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)プロピル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−(エトキシカルボニルオキシ)オクチル、(メタ)アクリル酸2−(プロポキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ブトキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(ブトキシカルボニルオキシ)ブチル、(メタ)アクリル酸2−(オクチルオキシカルボニルオキシ)エチル、(メタ)アクリル酸2−(オクチルオキシカルボニルオキシ)ブチル等のカルボニル基を1つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0126】
例えば、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルデシル、(メタ)アクリル酸2−オキソブタノイルドデシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルデシル、(メタ)アクリル酸3−オキソブタノイルドデシル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルエチル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルプロピル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルブチル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルヘキシル、(メタ)アクリル酸4−シアノオキソブタノイルオクチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)プロピル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)ブチル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)ヘキシル、(メタ)アクリル酸2,3−ジ(オキソブタノイル)オクチル等のカルボニル基を2つ有する脂肪族系の(メタ)アクリル酸エステル類;
【0127】
例えば、N−(2−オキソブタノイルエチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルプロピル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルブチル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルヘキシル)(メタ)アクリルアミド、N−(2−オキソブタノイルオクチル)(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド等のカルボニル基を有する(メタ)アクリルアミド類;
【0128】
例えば、アセト酢酸ビニル、アセトプロピオン酸ビニル、アセトイソ酪酸ビニル、アセト酪酸ビニル、アセトバレリン酸ビニル、アセトヘキサン酸ビニル、アセト2−エチルヘキサン酸ビニル、アセトn−オクタン酸ビニル、アセトデカン酸ビニル、アセトドデカン酸ビニル、アセトオクタデカン酸ビニル、アセトピバリン酸ビニル、アセトカプリン酸ビニル、アセトクロトン酸ビニル、アセトソルビン酸ビニル、プロパノイル酢酸ビニル、ブチリル酢酸ビニル、イソブチリル酢酸ビニル、パルミトイル酢酸ビニル、ステアロイル酢酸ビニル、ピルボイル酢酸ビニル、プロパノイルバレリン酸ビニル、ブチリルバレリン酸ビニル、イソブチリルバレリン酸ビニル、パルミトイルバレリン酸ビニル、ステアロイルバレリン酸ビニル、ピルボイルバレリン酸ビニル、2−アセトアセトキシエチルビニルエーテル、2−アセトアセトキシブチルビニルエーテル、2−アセトアセトキシヘキシルビニルエーテル、2−アセトアセトキシオクチルビニルエーテル等のアシル基を有する脂肪族系のビニル化合物類;
【0129】
例えば、アセト酢酸(メタ)アリル、アセトプロピオン酸(メタ)アリル、アセトイソ酪酸(メタ)アリル、アセト酪酸(メタ)アリル、アセトバレリン酸(メタ)アリル、アセトヘキサン酸(メタ)アリル、アセト2−エチルヘキサン酸(メタ)アリル、アセトn−オクタン酸(メタ)アリル、アセトデカン酸(メタ)アリル、アセトドデカン酸(メタ)アリル、アセトオクタデカン酸(メタ)アリル、アセトピバリン酸(メタ)アリル、アセトカプリン酸(メタ)アリル、アセトクロトン酸(メタ)アリル、アセトソルビン酸(メタ)アリル、プロパノイル酢酸(メタ)アリル、ブチリル酢酸(メタ)アリル、イソブチリル酢酸(メタ)アリル、パルミトイル酢酸(メタ)アリル、ステアロイル酢酸(メタ)アリル、(メタ)アリルアルデヒド等のアシル基を有する脂肪族系の(メタ)アリル化合物類;
【0130】
例えば、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリブトキシシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルブチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルエチルジプロポキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリプロポキシシラン
等のアルコキシシリル基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0131】
例えば、(メタ)アクリル酸スルホメチル、(メタ)アクリル酸2−スルホエチル、(メタ)アクリル酸2−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸3−スルホプロピル、(メタ)アクリル酸2−スルホブチル、(メタ)アクリル酸4−スルホブチル、(メタ)アクリル酸2−スルホブチル、(メタ)アクリル酸6−スルホヘキシル、(メタ)アクリル酸スルホオクチル、(メタ)アクリル酸スルホデシル、(メタ)アクリル酸スルホラウリル、(メタ)アクリル酸スルホステアリル等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸アルキルエステル類;
【0132】
例えば、(メタ)アクリロイルオキシジメチルエチルアンモニウムエチルサルフェート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムサルフェート、(メタ)アクリロイルアミノプロピルトリエチルアンモニウムサルフェート等のスルホニル基含有の(メタ)アクリル酸エステル類の金属塩やアンモニウム塩;
【0133】
例えば、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシプロピル、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシブチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシエチル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピル、(メタ)アクリル酸−3−クロロ−2−アシッドホスホオキシブチル、フェニル−2−(メタ)アクリロイルオキシエチルホスフェート、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシエチレンオキサイド(エチレンオキサイド付加モル数:4〜10)、(メタ)アクリル酸アシッドホスホオキシプロピレンオキサイド(プロピレンオキサイド付加モル数:4〜10)等のホスホン酸基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0134】
例えば、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸3−プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸2−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸3−ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸4−ブトキシエチル等のアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸エステル類;
【0135】
例えば、(メタ)アクリル酸のアルキレンオキサイド付加物などのアルキレンオキサイド含有(メタ)アクリル酸誘導体類;
【0136】
例えば、ジ(メタ)アクリル酸エチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸トリエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸テトラエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリエチレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸プロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ジプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸トリプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ポリプロピレンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ブテンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸ペンテンオキサイド、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロピル、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレート、ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートジカプロラクトネート、ジ(メタ)アクリル酸1,6−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,7−ヘプタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,9−ノナンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,10−デカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ウンデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,12−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ドデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,14−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−テトラデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,16−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,2−ヘキサデカンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−メチル−2-プロピル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,2,4−トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸ジメチロールオクタン、ジ(メタ)アクリル酸2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2-メチル−1,8−オクタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2−ブチル−2−エチル−1,3-プロパンジオール、ジ(メタ)アクリル酸2,4−ジエチル−1,5−ペンタンジオール、ジ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン等の2官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0137】
例えば、トリ(メタ)アクリル酸1,2,3−プロパントリオール、トリ(メタ)アクリル酸2−メチルペンタン−2,4−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸2−メチルペンタン−2,4−ジオールトリカプロラクトネート、トリ(メタ)アクリル酸2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールヘキサン、トリ(メタ)アクリル酸トリメチロールオクタン、トリ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルエタン、トリ(メタ)アクリル酸1,1,1−トリスヒドロキシメチルプロパン、トリ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール等の3官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0138】
例えば、テトラ(メタ)アクリル酸ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸エトキシ化ペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールプロパン、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジペンタエリスリトール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、テトラ(メタ)アクリル酸2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ1,2,3−プロパントリオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2−メチルペンタン−2,4−ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2−メチルペンタン−2,4−ジオールテトラカプロラクトネート、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ジメチルプロパン−1,3−ジオール、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールブタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールヘキサン、テトラ(メタ)アクリル酸ジトリメチロールオクタン、テトラ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘキサ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘキサ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘプタ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、オクタ(メタ)アクリル酸トリ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオール、ヘプタ(メタ)アクリル酸ジ2,2−ビス(ヒドロキシメチル)1,3−プロパンジオールポリアルキレンオキサイド等の多官能(メタ)アクリル酸エステル類;
【0139】
例えば、エチルビニルエーテル、1−プロピルビニルエーテル、2−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、sec−ブチルビニルエーテル、iso−ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、n−アミルビニルエーテル、n−ヘキシル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、n−オクチルビニルエーテル、iso−オクチルビニルエーテル、n−ノニルビニルエーテル、iso−ノニルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどの脂肪族ビニルエーテル類;
【0140】
例えば、パーフルオロビニル、パーフルオロプロペン、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)、フッ化ビニリデンなどのフッ素含有エテニル系化合物類;
【0141】
例えば、(メタ)アリルクロロシラン、(メタ)アリルトリメトキシシラン、(メタ)アリルトリエトキシシラン、(メタ)アリルアミノトリメチルシラン、ジエトキシエチルビニルシラン、トリクロロビニルシラン、トリメトキシビニルシラン、トリエトキシビニルシラン、トリプロポキシビニルシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン等のアルコキシシリル基含有α,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
【0142】
例えば、ビニルスルホン酸、2−プロペニルスルホン酸、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸、ビニル硫酸等のアルケニル基含有スルホン酸類;
【0143】
例えば、ビニルスルホン酸アンモニウム、ビニルスルホン酸ナトリウム、ビニルスルホン酸カリウム、ナトリウムビニルアルキルスルホサクシネート等の金属塩やアンモニウム塩類;
2−メチル−2−プロペニルスルホン酸アンモニウム、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸ナトリウム、2−メチル−2−プロペニルスルホン酸カリウム等の2−メチル−2−プロペニルスルホン酸の金属塩やアンモニウム塩類;
【0144】
例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−tert−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−ヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−オクチル(メタ)アクリルアミド、N−ノニル(メタ)アクリルアミド、N−トリコシル(メタ)アクリルアミド、N−ノナデシル(メタ)アクリルアミド、N−ドコシル(メタ)アクリルアミド、N−メチレン(メタ)アクリルアミド、N−トリデシル(メタ)アクリルアミド、N−(5,5−ジメチルヘキシル)(メタ)アクリルアミド、クロトンアミド、マレインアミド、フマルアミド、メサコンアミド、シトラコンアミド、イタコンアミド、2−メチルプロパ−2−エノイルアミン、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル−(メタ)アクリルアミド、N−[3−(N’,N’−ジメチルアミノ)プロピル]−(メタ)アクリルアミド、N−(ジブチルアミノメチル)(メタ)アクリルアミド、N−ビニルメタンアミド、N−ビニルアセトアミドなどの脂肪族系の(メタ)アクリルアミド類;
【0145】
例えば、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシデシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシドデシル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシオクタデシル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−エトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロポキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシプロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシブチル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−イソブトキシオクチル(メタ)アクリルアミド、N−(ペントキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−1−メチル−2−メトキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−(オキセタン−2−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N−(オキセタン−3−イルメトキシメチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(メトキシメチル)メタ)アクリルアミド、N,N−ジ(エトキシメチル)(メタ)アクリルアミド等のN−アルコキシ基含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0146】
例えば、(メタ)アクリルアミドスルホン酸、tert−ブチル−(メタ)アクリルアミドスルホン酸、(メタ)アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸等のスルホン酸含有の(メタ)アクリルアミド類;
【0147】
例えば、(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、クロトンニトリル、マレインニトリル、フマロニトリル、メサコンニトリル、シトラコンニトリル、イタコンニトリル、2−プロペンニトリル、(メタ)アクリル酸2−シアノエチルなどのニトリル基含有α,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
【0148】
例えば、ギ酸ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ピバリン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル等のカルボン酸のビニルエステル類;
【0149】
例えば、酢酸(メタ)アリル、プロピオン酸(メタ)アリル、酪酸(メタ)アリル、カプリン酸(メタ)アリル、ラウリン酸(メタ)アリル、オクチル酸アリル、ヤシ油脂肪酸、ピバリン酸ビニル等の飽和カルボン酸の(メタ)アリルエステル類;
【0150】
例えば、グリシジルシンナマート、アリルグリシジルエーテル、1,3−ブタジエンモノオキシラン等のグリシジル基含有ビニルエステル類;
【0151】
例えば、塩化ビニル、塩化ビニリデン、アリルクロライド等のビニルエステル類;
【0152】
例えば、アレン、1,2−ブタジエン、1,3−ブタジエン、2−メチル−1,3−ブタジエン、2−クロロ−1,3−ブタジエンなどのジエン類;
【0153】
例えば、cis−コハク酸ジアリル、2−メチリデンコハク酸ジアリル、(E)−ブタ−2−エン酸ビニル、(Z)−オクタデカ−9−エン酸ビニル、(9Z,12Z,15Z)−オクタデカ−9,12,15−トリエン酸ビニル等の多官能の不飽和結合を含有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物類;
【0154】
例えば、エチレン、プロピレン、1−ブテン、2−ブテン、2−メチルプロペン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1−エイコセン、1−ドコセン、1−テトラコセン、1−ヘキサコセン、1−オクタコセン、1−トリアコンテン、1−ドトリアコンテン、1−テトラトアコンテン、1−ヘキサトリアコンテン、1−オクタトリアコンテン、1−テトラコンテン等ならびにその混合物やポリブテン−1,ポリペンテン−1,ポリ4−メチルペンテン−1等などのアルケン類などが挙げられる。特にこれらに限定されるものではない。これらは、1種だけを用いてもよいし、あるいは、複数種を併用してもよい。
【0155】
次に、活性エネルギー線重合開始剤(E)について説明する。
本発明に使用される活性エネルギー線重合開始剤(E)は、公知のものから任意に選択し使用できるが、その具体例としては、例えば、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、キサントンフルオレノン、ベンズアルデヒド、アントラキノン、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4‘−ジアミノベンゾフェノン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ-2−メチルプロパン-1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、4−チオキサントン、カンファーキノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン等が挙げられる。市販品としては、例えば、イルガキュアー184,907,651,1700,1800,819,369,261、DAROCUR-TPO(BASF社製 2,4,6-トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)、ダロキュア-1173(メルク社製)、エザキュアーKIP150、TZT(日本シイベルヘグナー社製)、カヤキュアBMS、カヤキュアDMBI(日本化薬社製)等が挙げられる。
また、分子内に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する光重合開始剤も用いることができる。これらの活性エネルギー線重合開始剤(E)は単独または2種類以上の混合物として使用することができる。
【0156】
上記、活性エネルギー線重合開始剤(E)の配合割合は、反応性の点で、樹脂組成物100重量部に対して、活性エネルギー線重合開始剤(E)を0.01〜20重量部含有することが好ましい。
【0157】
本発明の樹脂組成物は、実質的に有機溶剤を含まない。有機溶剤を全く含まないほうが好ましいが、活性エネルギー線重合開始剤(E)は重合性成分に難溶性のことが多い。そのため活性エネルギー線重合開始剤(E)を溶解するため少量の有機溶剤は含んでもよい。組成物中の有機溶剤の含有量は5重量%以内である。
【0158】
更に、上記、活性エネルギー線重合開始剤(E)の性能を向上させるために、活性エネルギー線増感剤を併用しても良い。活性エネルギー線増感剤としては、代表的なものを例記すれば、アミン類、尿素類、含硫黄化合物、含燐化合物、含塩素化合物またはニトリル類もしくはその他の含窒素化合物などであるが、アントラセン系やベンゾフェノン系、チオキサントン系やペリレン、フェノチアジン、ローズベンガル等が好ましく使用される。
【0159】
次に、シラン化合物(F)について、説明する。
本発明の樹脂組成物には、シラン化合物(F)を含有することが好ましい。シラン化合物(F)としては、公知のシラン化合物を用いることができ、後述の基材(G)との密着性が向上するものであれば特に限定されない。例えば、アルキル系アルコキシシラン、アリール系アルコキシシラン、ビニル系アルコキシシラン、アミノ系アルコキシシラン、エポキシ系アルコキシシラン、ハロゲン系アルコキシシラン、(メタ)アクリロイル系アルコキシシラン、メルカプト系アルコキシシラン、カチオン系アルコキシシラン、イソシアネート系アルコキシシラン等のアルコキシル基を有するアルコキシシラン類、及び/または、珪素原子に水素原子が直接結合して反応性を有する有機シラン類等が挙げられる。より具体的に、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリアセトキシシラン、メチルトリス( メトキシエトキシ) シラン、メチルトリス( メトキシプロポキシ)シラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリイソプロポキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、プロピルトリイソプロポキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、デシルトリエトキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジメチルジイソプロポキシシラン、ジメチルジアセトキシシラン、ジメチルビス(メトキシエトキシ)シラン、ジメチルビス(メトキシプロポキシ)シラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルジイソプロポキシシラン、ジエチルジアセトキシシラン、メチルエチルジメトキシシラン、メチルエチルジエトキシシラン、メチルエチルジイソプロポキシシラン、メチルエチルジアセトキシシラン、メチルプロピルジメトキシシラン、メチルプロピルジエトキシシラン、メチルプロピルジイソプロポキシシラン、メチルプロピルジアセトキシシラン、等のアルキル系アルコキシシラン類;
【0160】
例えば、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、フェニルトリアセトキシシラン、トリルトリメトキシシラン、トリルトリエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジイソプロポキシシラン、ジフェニルジアセトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジイソプロポキシシラン、メチルフェニルジアセトキシシラン、等のアリール系アルコキシシラン類;
【0161】
例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリイソプロポキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、ビニルトリス( メトキシエトキシ) シラン、ビニルトリス( メトキシプロポキシ) シラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、ジビニルジメトキシシラン、ジビニルジエトキシシラン、ジビニルジイソプロポキシシラン、ジビニルジアセトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、メチルビニルジイソプロポキシシラン、メチルビニルジアセトキシシラン、ジアリルジメトキシシラン、ジアリルジエトキシシラン、ジアリルジイソプロポキシシラン、メチルアリルジメトキシシラン、メチルアリルジエトキシシラン、メチルアリルジイソプロポキシシラン、メチルアリルジアセトキシシラン等のビニル系アルコキシシラン類;
【0162】
例えば、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノメチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−[2−(ビニルベンジルアミノ)エチル]−3−アミノピロピルトリメトキシシラン塩酸塩等のアミノ系アルコキシシラン類;
【0163】
例えば、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジエトキシシラン等のエポキシ系アルコキシシラン類;
【0164】
例えば、クロロメチルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、3,3,3− トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン等のハロゲン系アルコキシシラン類;
【0165】
例えば、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ− アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン等の(メタ)アクリロイル系アルコキシシラン類;
【0166】
例えば、3−メルカプトプロピルトリメトキシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン等のメルカプト系アルコキシシラン;類
【0167】
例えば、γ―イソシアネートプロピルトリエトキシシラン等のイソシアネート系アルコキシシラン類に代表されるアルコキシシラン類等が挙げられる。
【0168】
例えば、メチルシラン、エチルシラン、ジメチルシラン、ジエチルシラン、ジエチルメチルシラン、ブチルジメチルシラン、ジ−t−ブチルメチルシラン、トリエチルシラン、トリヘキシルシラン、ブチルジメチルシラン、シクロヘキシルジメチルシラン、n−ヘキシルシラン、n−オクチルシラン、トリ−n−オクチルシラン、トリプロピルシラン、トリイソプロピルシラン、トリイソブチルシラン、トリヘキシルシラン、n−オクタデシルシラン、フェニルシラン、メチルフェニルシラン、ジメチルフェニルシラン、メチルフェニルビニルシラン、ジメチルベンジルシラン、ジフェニルシラン、トリフェニルシラン、(フェニルエチニル)ジメチルシラン、メチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、ビス(2−クロロエトキシ)メチルシラン、トリス(2−クロロエトキシ)シラン、n−ヘキシルジクロロシラン、ジイソプロピルクロロシラン、ジクロロシラン、ジ−t−ブチルクロロシラン、トリクロロシラン、クロロメチルシラン、メチルフェニルクロロシラン、フェニルジクロロシラン、ジフェニルクロロシラン、クロロイソプロピルシラン、ジクロロメチルシラン、ジクロロエチルシラン、メチルジメトキシシラン、ジメトキシメチルシラン、メチルジエトキシシラン、ジメチルエトキシシラン、ジエトキシシラン、トリメトキシシラン、トリエトキシシラン、トリペンチルオキシシラン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、メチルフェニルエテニルシラン、アリルジメチルシラン、1,1,2−トリメチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェニルジシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、1,4−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、メチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン、トリス(トリメチルシロキシ)シラン、フェニルトリス(ジメチルシロキシ)シラン、テトラキス(ジメチルシロキシ)シラン、テトラメチルジシラザン、ジメチルシリルジメチルアミン、ビス(ジメチルアミノ)メチルシラン、トリス(ジメチルアミノ)シラン、トリス(ジメチルシリル)アミン、N,N−ジメチルアミノメチルエトキシシラン、ジアセトキシメチルシラン、N,O−ビス(ジメチルシリル)アセトアミド、2−(ジメチルシリル)ピリジン、テトラキス(ジメチルシリル)シラン、アリルジメチルシラン、メルカプトジメチルシラン、シクロプロパンシラン、トリス(トリメチルシリル)シラン、1,1,4,4−テトラメチルジシリルエテン、シクロヘキサンシラン、ペンタメチルジシロキサン、テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3−ジフェニル−1,3−ジメチルジシロキサン、ペンタメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3−テトライソプロピルジシロキサン、1,1,3,3−テトラキス(トリメチルシロキシ)ジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチルジシラザン、1,2−ビス(ジメチルシリル)ベンゼン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘプタメチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7,9−ペンタメチルシクロペンタシロキサン、1,2,3,4,5,6−ヘキサメチルシクロトリシラザン、α,ω−ビス(ハイドロジエン)ポリジメチルシロキサンや長鎖ジメチルシロキサンオリゴマーでシリル基を持ったオイル状あるいはワックス状の有機シラン類等が挙げられる。
【0169】
また、該シラン化合物(F)としては市販製品を用いることも可能であるし、2種以上のシラン混合物を加水分解・縮合してオリゴマー化したオリゴマー系シランを使用する事もこれらシラン化合物(F)に含まれる。該シラン化合物(F)は単独または2種類以上の混合物として使用することも可能である。
【0170】
本発明の樹脂組成物100重量部には、シラン化合物(F)を0.01〜10重量部含有することが好ましく、0.1〜5重量部含有することがより好ましい。0.01重量部未満であると耐熱性や耐湿熱性の向上効果があまり期待できない。一方、10重量部を超えると、凝集力が不足して耐熱性や耐湿熱性等の耐久性試験にて重合塗膜発泡が生じやすく、また、樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として用いた場合には、基材(G)に対する密着性や接着性が低下するので好ましくない。
【0171】
次に、酸化防止剤について、説明する。
本発明における樹脂組成物は、更に酸化防止剤を含んでも良い。酸化防止剤を含むことによって、活性エネルギー線重合後の重合塗膜層の経時での着色を抑制することができる。
酸化防止剤としては、例えば、アデカスタブAO‐50、アデカスタブAO‐80(アデカ社製)、などのフェノール系酸化防止剤や、IRGANOX‐PS‐800FD(BASF社製)、などのイオウ系酸化防止剤、TINUBIN622LD、TINUBIN144、TINUBIN765(3種ともBASF社製)等のヒンダードアミン系の光安定剤等の市販品が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸化防止剤の配合割合は、樹脂組成物100重量部に対して、0.01〜20重量部であり、0.01〜10重量部であることが好ましい。0.01重量部より少ないと、活性エネルギー線により早期に消費されてしまうため、重合率が下がり、逆に20重量部より多くなると、重合率は上がるが、重合塗膜の分子量が低下し、樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤、あるいは活性エネルギー線重合性接着剤として使用した場合には、重合架橋塗膜の凝集力の低下させるため、耐久性を低下させる。
【0172】
本発明の樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で有れば、前記したような成分の他に添加剤を適宜配合することが可能である。例えば、重合硬化収縮率低減、熱膨張率低減、寸法安定性向上、弾性率向上、粘度調整、熱伝導率向上、強度向上、靭性向上、着色向上等の観点から有機又は無機の充填剤を配合できる。このような充填剤としては、ポリマー、セラミックス、金属、金属酸化物、金属塩、染顔料等を用いることができ、形状については粒子状、繊維状等特に限定されない。なお、上記ポリマーの配合に当っては、柔軟性付与剤、可塑剤、難燃化剤、保存安定剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、チクソトロピー付与剤、分散安定剤、流動性付与剤、消泡剤等、充填剤としてではなくポリマーブレンド、ポリマーアロイとして、樹脂組成物中に溶解、半溶解又はミクロ分散させることも可能である。
【0173】
次に、樹脂組成物の性状について、説明する。
本発明の樹脂組成物は、上述の各成分を、当技術分野で周知の方法に従って均一に混合することによって調製することができる。樹脂組成物は、液状、ペースト状及びフィルム状のいずれの形態でも様々な用途に使用することができる。本発明の一実施形態において、上記樹脂組成物は、好ましくは、コート剤又は接着剤の用途で使用される。
【0174】
本発明の樹脂組成物は、その使用形態に応じて、粘度を適切に調整することが好ましい。
本発明における樹脂組成物は、実質的に有機溶剤を含まないことが好ましいが、必要に応じて、粘度を調整するために、有機溶剤を含有することも可能である。 例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル、シクロヘキサン、トルエン、キシレンその他の炭化水素系溶媒等の有機溶媒や、水をさらに添加して、樹脂組成物の粘度を調整することもできる。また、溶剤を使用することなく、樹脂組成物を加熱して粘度を低下させることもできる。
【0175】
本発明の一実施形態では、樹脂組成物を使用して、代表的に0.1〜6μmの膜厚を有する樹脂層が形成される。したがって、塗膜形成の観点から、樹脂組成物の粘度は、少なくとも1〜1500mPa・sの範囲、好ましくは10〜1300mPa・s、及びより好ましくは20〜1000mPa・sの範囲であることが望ましい。上記粘度が1500mPa・s以下の場合、塗工によって基材上に0.1〜6μmの薄膜を容易に形成することができ、透過率等の光学的特性を高めることも容易である。一方、粘度が1mPa・s以上の場合、樹脂組成物から形成する樹脂層の膜厚を制御することが容易である。
【0176】
また、別の実施形態では、樹脂組成物を使用して、6〜300μmの膜厚を有する樹脂層が形成される。この場合、樹脂組成物の粘度は、少なくとも1500〜100,000mPa・sの範囲であり、好ましくは3,000〜50,000mPa・sの範囲であることが望ましい。実際のところ、樹脂組成物の粘度は、オリゴマー(A)の粘度によって殆ど決定される。そのため、オリゴマー(A)の粘度を、1〜100,000mPa・sの範囲で管理することによって、樹脂組成物の粘度の管理が容易となる。上記実施形態に係る粘度の調整及び樹脂組成物の塗工は、必要に応じて、上記樹脂組成物に溶剤を加えることによって、容易に実施することができる。
【0177】
本発明の樹脂組成物は、好ましくは、コート剤又は接着剤の用途で使用される。代表的に、樹脂組成物は、常法にしたがい適当な方法で、基材(G)の片面、または両面に塗工され、次いで硬化されることによって、樹脂層を形成する。したがって、本発明の一実施形態は、基材(G)と、該基材(G)の少なくとも一方の主面に設けられた、樹脂組成物からなる樹脂層とを有する、積層体に関する。本実施形態において、樹脂層の膜厚は、積層体の用途に応じて設定される。
【0178】
例えば、上記樹脂組成物を、後述のハードコートフィルム、又は偏光フィルム(偏光板)等の光学素子用積層体の用途で使用する場合は、上記樹脂組成物を薄膜塗工する。塗工によって形成される上記樹脂層の厚さは、0.1〜6μmが好ましく、0.1μm〜3μmがより好ましい。樹脂層の厚さを0.1μm以上にすることによって、樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した場合に、十分な密着性又は接着力を得ることが容易である。一方、樹脂層の厚さが6μmを超えると、密着性又は接着力等の特性において変化は見られない場合が多い。
【0179】
また、上記樹脂組成物を、後述の加飾フィルム(タッチパネル用充填シートを意味する)等の光学素子用積層体の用途で使用する場合は、上記樹脂組成物を厚膜塗工する。塗工によって形成される上記樹脂層の厚さは、6〜300μmが好ましく、20μm〜250μmがより好ましい。樹脂層の厚さを6μm以上にすることによって、樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した場合に、タッチパネルの充填機能に加えて、十分な応力緩和性を得ることが容易である。一方、樹脂組成物層の厚さを300μm以下にすることによって、スジ引き等の塗工性の低下を抑制することが容易である。
【0180】
本発明の樹脂組成物を基材(G)等に塗工する方法としては、特に制限は無く、マイヤーバー、アプリケーター、刷毛、スプレー、ローラー、グラビアコーター、ダイコーター、マイクログラビアコーター、リップコーター、コンマコーター、カーテンコーター、ナイフコーター、リバースコ−ター、スピンコーター等種々の塗工方法が挙げられるが、薄膜塗工や厚膜塗工等、用途に応じて、使用可能であり、特に制限はなく、選択することができる。
【0181】
本発明の樹脂組成物は、公知慣用の方法により基材上に塗布することができ、次いで、形成された塗布層に活性エネルギー線を照射することによって、α,β−不飽和結合基を有する化合物を活性エネルギー線重合させることにより重合反応が進行し、硬化物を形成する。本発明の一実施形態において、活性エネルギー線は、紫外線を含む、150〜550nm波長域の光エネルギーを主体とすることが好ましい。このよう光エネルギーを提供する適切な光源として、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウェーブ励起水銀灯、LEDランプ、キセノンランプ又はメタルハライドランプなどが適当である。その他、レーザー光線、電子線なども露光用活性エネルギー線として利用することもできる。
【0182】
活性エネルギー線の照射強度は、10〜500mW/cm
2であることが好ましい。光照射強度が10mW/cm
2未満であると、硬化に長時間を必要とし、500mW/cm
2を超えると、ランプから輻射される熱により、各種基材(G)における基材劣化が生じる可能性があるため、好ましくない。照射強度と照射時間の積として表される積算照射量は50〜5,000mJ/cm
2とであることが好ましい。積算照射量が50mJ/cm2より少ないと、重合硬化に長時間を必要とし、5,000mJ/cm
2より大きいと、照射時間が非常に長くなり、生産性が劣るため、好ましくない。代表的な活性エネルギー線重合性樹脂組成物は、一般的に、1000mJ/cm
2以上の積算照射量を必要とする。しかし、本発明による上記樹脂組成物は、1000mJ/cm
2未満の低い積算照射量であっても良好に重合化が進行する。
【0183】
本発明の樹脂組成物の重合硬化層は、樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して重合硬化してなるものであり、−80℃〜140℃のガラス転移温度(以下、Tgという)を呈するものであり、打ち抜き加工性の点から、−60〜120℃であることがより好ましく、10〜120℃であることがさらに好ましい。
樹脂組成物は、重合硬化物のTgが上記のようになるように、分子内に、少なくともα,β−不飽和二重結合基を1個以上有するオリゴマー(A)、分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(B)、子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)、(A)、(B)、および(C)以外のその他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(D)(ただし、オリゴマー(A)に該当するものを除く)、活性エネルギー線重合開始剤(E)及びシラン化合物(F)から、適宜化合物を選択してなるものである。(A)、(B)、及び(C)を必須成分とし、いずれの化合物を用いることができる。特に、(B)は、分子内に酸素原子や硫黄原子を含まず、1個以上の窒素原子含有の環構造を有し、エテニル基を有する化合物が好適であり、(C)では、ヘテロ原子を含有しないシクロアルカン環、シクロアルケン環および/またはベンゼン環のいずれか一つ以上の環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物が好適であり、更に水酸基を有する化合物がより好適である。(D)では、水酸基を含有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物が好適である。
【0184】
次に、基材(G)について、説明する。
本発明の樹脂組成物は、さらに活性エネルギー線重合性コート剤(以下コート剤と称す)や活性エネルギー線重合性接着剤(以下接着剤と称す)として好適である。
本発明の一実施形態において、樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤(以下、コート剤と称す)として使用され、樹脂組成物は基材(G)の片面や両面を覆うコート層を形成する。このような実施形態において、上記基材(G)は、木材、金属板、プラスチック板、フィルム状基材、ガラス板、紙加工品等であってよく、これらを特に制限なく使用することができる。
【0185】
一方、本発明の別の実施形態において、樹脂組成物は活性エネルギー線重合性接着剤(以下、接着剤と称す)として使用され、樹脂組成物は2つ以上の基材を貼り合わせる接着層を形成する。このような実施形態において、上記基材(G)は、活性エネルギー線の照射によって重合反応を進行させるために、活性エネルギー線を透過し易い材料から構成する必要がある。上記基材(G)として、特に、透明フィルム(H)、又は透明ガラス板を使用することが好ましい。但し、一方の基材として、透明フィルム(H)又は透明ガラス板を使用すれば、他方の基材として活性エネルギー線が透過し難い基材(G)、例えば、木材、金属板、プラスチック板、紙加工品等の材料からなる基材(G)を使用することもできる。この場合、透明フィルム(H)又は透明ガラス板側から活性エネルギー線を照射することによって、樹脂組成物の重合硬化を行うことが可能である。
【0186】
本発明の積層体では、基材(G)として、フィルム状基材を使用する事が好ましい。フィルム状基材の具体例としては、セロハン、各種プラスチックフィルム、紙等のフィルム状基材が挙げられる。なかでも、透明な各種プラスチックフィルムの使用が好ましい。また、フィルム状基材としては、透明であれば、単層構造のものであってもよいし、複数の基材を積層してなる多層構造であってもよいし、複数の基材を積層してなる多層構造を有するものであってもよく、いずれの構造を有するフィルムであっても好適に用いることができる。
【0187】
本発明の積層体の、より具体的な実施形態について、基材として透明フィルム(H)使用した場合を例にして説明する。すなわち、以下の説明は、透明フィルムの少なくとも一方の主面に本発明の樹脂組成物から構成される、コート層又は接着層といった樹脂層を有する、積層体に関する。
【0188】
本発明の樹脂組成物をコート剤として使用して構成される積層体は、代表的に、透明フィルム/コート層、または、コート層/透明フィルム/コート層の構造を有する、シート状のフィルムである。このような積層体は、透明フィルムの少なくとも一方の主面に樹脂組成物を塗工し、該樹脂組成物を重合硬化させて、コート層を形成することによって得ることができる。
【0189】
一方、本発明の樹脂組成物を接着剤として使用して構成される積層体は、代表的に、透明フィルム/接着層/透明フィルム、または、透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルムといった、複数のシート状の多層フィルムである。また、別の形態において、積層体は、透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルム/接着層/透明フィルムといったシート状の多層フィルムを、ガラス、または、光学成形体といった他の光学部材に固定化した構成を有してもよい。上記積層体は、該樹脂組成物を、フィルムの片面、あるいは両面から活性エネルギー線で重合硬化させることによって得ることができる。
【0190】
上記樹脂組成物をコート剤又は接着剤として使用した場合、樹脂組成物の重合硬化は、樹脂組成物の塗工時や、フィルムの積層時又は積層後に、塗工層に活性エネルギー線を照射することによって実施される。特に限定するものではないが、上記照射は、フィルム等の積層後に実施されることが好ましい。
【0191】
上述のように、基材(G)として透明フィルム(H)を使用した場合、上記積層体は、光学用途で好適に使用することができる。良好な光学特性を得る観点から、上記積層体において使用する透明フィルムは、例えば、透明性、機械的強度、熱安定性、水分遮断性、及び等方性等の光学特性に優れる熱可塑性樹脂から構成される各種透明フィルムで(H)あることが好ましい。このような各種透明フィルム(H)としては、各種プラスチックフィルムやプラスチックシートともいわれ、例えば、ポリビニルアルコールフィルムや、ポリトリアセチルセルロースフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリシクロオレフィン、エチレン−酢酸ビニル共重合体などのポリオレフィン系フィルム、ポリエチレンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなどのポリエステル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリノルボルネン系フィルム、ポリアリレート系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリフェニレンサルファイド系フィルム、ポリスチレン系フィルム、ポリビニル系フィルム、ポリアミド系フィルム、ポリイミド系フィルム、ポリオキシラン系フィルムなどが挙げられる。
【0192】
本発明の積層体において、複数の透明フィルム(H)を積層して多層フィルムを構成する場合、本発明の透明フィルム(H)は、同一組成であっても、異なっていても良い。例えば、ポリシクロオレフィン系フィルムを介して、ポリアクリル系フィルムを積層しても良い。
【0193】
透明フィルム(H)の厚さは、適宜に決定するが、一般には強度や取扱性等の作業性、薄層性などの点より1〜500μm程度である。特に1〜300μmが好ましく、5〜200μmがより好ましい。透明フィルム(H)は、5〜150μmの場合に特に好適である。
【0194】
次に、光学フィルム(I)について、説明する。
本発明における光学用積層体の具体例として、例えば、ハードコートフィルム、帯電防止コートフィルム、防眩コートフィルム、偏光フィルム、位相差フィルム、楕円偏光フィルム、反射防止フィルム、光拡散フィルム、輝度向上フィルム、プリズムフィルム(プリズムシートともいう)、加飾フィルム(タッチパネル用充填シートを意味する)、及び導光フィルム(導光板ともいう)等が挙げられ、光学フィルム(I)と称する。本発明の樹脂組成物を接着剤として使用して、上記光学素子用積層体を、さらに、液晶表示装置、PDPモジュール、タッチパネルモジュール、及び有機ELモジュール等のガラス板に貼着させてもよい。また、別の形態として、本発明の樹脂組成物を接着剤として使用して、上記光学素子用積層体を、上記各種光学フィルム(I)に貼着させてもよい。
【0195】
以下、光学フィルム(I)(光学素子用積層体)の一例として偏光フィルムを挙げ、上記積層体の実施形態について、より具体的に説明する。偏光フィルムは、偏光板とも呼ばれ、ポリビニルアルコール系偏光子の両面を2枚のポリアセチルセルロース系フィルムであるポリトリアセチルセルロース系保護フィルム(以下、「TACフィルム」という)で挟んだ構造を有する。別例として、偏光フィルムは、ポリビニルアルコール系偏光子の片面や両面をポリノルボルネン系フィルムであるポリシクロオレフィ系フィルム、ポリアクリル系フィルム、ポリカーボネート系フィルム、ポリエステル系フィルム等で挟んだ多層構造を有するシート状の光学素子用積層体である。
【0196】
特に限定するものではないが、例えば、上記の偏光板(偏光フィルム)は、以下のようにして得ることができる。
(I)第1の透明フィルム(H)(第1の保護フィルム)の一方の主面に、接着剤として本発明の樹脂組成物を塗工し、第1の重合性接着層(2’)を形成する。
第2の透明フィルム(H)(第2の保護フィルム)の一方の主面に、接着剤として本発明の樹脂組成物を塗工し、第2の重合性接着層を形成する。
次いで、ポリビニルアルコール系偏光子の各面に、第1の重合性接着層と、第2の重合性接着層とを、同時に/または順番に重ね合わせた後、活性エネルギー線を照射し、第1の重合性接着層及び第2の重合性接着層を重合硬化することによって製造する方法。
【0197】
(II)ポリビニルアルコール系偏光子の一方の主面に、接着剤として本発明の樹脂組成物を塗工し、第1の重合性接着層を形成し、この第1の接着層の表面を第1の透明フィルム(H)(第1の保護フィルム)で覆う。次いでポリビニルアルコール系偏光子の他方の主面に、接着剤として本発明の樹脂組成物を塗工し、第2の重合性接着層を形成し、この第2の重合性接着層の表面を第2の透明フィルム(H)(第2の保護フィルム)で覆う。次いで、得られた積層体に活性エネルギー線を照射し、第1の及び第2の重合性接着層を重合硬化することによって製造する方法。
【0198】
(III)第1の透明フィルム(H)(第1の保護フィルム)の一方の主面にポリビニルアルコール系偏光子を重ねた端部および、ポリビニルアルコール系偏光子の他面に第2の保護フィルムを重ねた端部のそれぞれに、接着剤として本発明の樹脂組成物をたらした後、ロールの間を通過させることによって、各層間に接着剤を広げる。次に、積層体に活性エネルギー線を照射し、接着剤を重合硬化させることによって製造する方法等があるが、特に限定するものではない。
【実施例】
【0199】
以下に、本発明の具体的な実施例を比較例と併せて説明するが、本発明は、下記実施例に限定されない。また、下記実施例および比較例中、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および「重量%」を表す。
なお、本明細書において実施例7、8、32〜34、57、58、および87〜91は、参考例である。
【0200】
樹脂組成物の調整
[配合例1〜37]
酸素濃度が10%以下に置換された遮光された300mlのマヨネーズ瓶に、分子内に、少なくともα,β−不飽和二重結合基を1個以上有するオリゴマー(A)、分子内に1個以上の窒素原子含有の環構造を有する含有化合物(B)、分子内にヘテロ原子を含有しない環構造を有するα,β−不飽和二重結合基含有化合物(C)および、(A)、(B)、および(C)以外のその他のα,β−不飽和二重結合基含有化合物(D)(ただし、オリゴマー(A)に該当するものを除く)、活性エネルギー線重合開始剤(E)及びシラン化合物(F)を表1に示す比率で仕込み、にて十分に攪拌を行い、十分に脱泡を行った後、配合例に示す樹脂組成物を得た。
【0201】
樹脂組成物の配合例を表1に示した。重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)、酸価(AV)、溶液外観、粘度、及びガラス転移点(Tg)を以下の方法に従って求め、溶液外観、粘度については表2に結果を示した。
【0202】
《溶液外観》
各配合例で得られた樹脂組成物の溶液外観を目視にて評価した。
【0203】
《粘度》
各配合例で得られた樹脂組成物を23℃の雰囲気下でE型粘度計(東機産業社製 TV−22)にて、約1.2mlを測定用試料とし、回転速度0.5〜100rpm、1分間回転の条件で測定し、溶液粘度(mPa・s)とした。
【0204】
《分子量》
数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mw)の測定は、昭和電工社製GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)「ShodexGPC System−21」を用いた。GPCは溶媒に溶解した物質をその分子サイズの差によって分離定量する液体クロマトグラフィーであり、溶媒としてはテトロヒドロフラン、数平均分子量(Mn)と重量平均分子量(Mn)の決定はポリスチレン換算で行った。
【0205】
《水酸基価(OHV)》
共栓三角フラスコ中に試料、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容量比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解する。更にアセチル化剤(無水酢酸25gをピリジンで溶解し、容量100mlとした溶液)を正確に5ml加え、約1時間攪拌した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間持続する。その後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定する。
水酸基価は次式により求めた。水酸基価は樹脂の乾燥状態の数値とした(単位:mgKOH/g)。
水酸基価(mgKOH/g)=[{(b−a)×F×28.25}/S]/(不揮発分濃度/100)+D
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
b:空実験の0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
D:酸価(mgKOH/g)
【0206】
《酸価(AV》
共栓三角フラスコ中に試料化合物(B)を、約1gを精密に量り採り、トルエン/エタノール(容積比:トルエン/エタノール=2/1)混合液100mlを加えて溶解した。これに、フェノールフタレイン試液を指示薬として加え、30秒間保持した後、溶液が淡紅色を呈するまで0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液で滴定した。
乾燥状態の樹脂の値として、酸価(mgKOH/g)を次式により求めた。
酸価(mgKOH/g)={(5.611×a×F)/S}/(不揮発分濃度/100)
ただし、S:試料の採取量(g)
a:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の消費量(ml)
F:0.1Nアルコール性水酸化カリウム溶液の力価
【0207】
《ガラス転移温度(Tg)》
ロボットDSC(示差走査熱量計、セイコーインスツルメンツ社製「RDC220」)に「SSC5200ディスクステーション」(セイコーインスツルメンツ社製)を接続して、測定に使用した。
試料約10mgをアルミニウムパンに入れ、秤量して示差走査熱量計にセットし、試料を入れない同タイプのアルミニウムパンをリファレンスとして、100℃の温度で5分間加熱した後、液体窒素を用いて−120℃まで急冷処理した。その後10℃/分で昇温し、昇温中に得られたDSCチャートからガラス転移温度(Tg、単位:℃)を決定した。
【0208】
例示化合物は以下の表1に具体的に示すが、これらに限られるものではない。尚、例示化合物の表記として、紫光UV3000B:日本合成化学工業社製 ポリウレタン系オリゴマー(ウレタンアクリレート)、BTOHA:Ebecryl8402:ダイセルサイテック社製 脂肪族ウレタンアクリレート;アートレジンUN−6301:根上工業社製 ウレタンアクリレートオリゴマー;Ebecryl885:ダイセルサイテック社製 ポリエステルアクリレート;Ebecryl853:ダイセルサイテック社製 ポリエステルアクリレート;2−(2'−ヒドロキシ−5'−アクリロイルオキシエチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール、PMPMA:ペンタメチルピペリジニルメタクリレート、VIM:1−ビニルイミダゾール、VPR:4−ビニルピリジン、VIN:1−ビニルインドール、VBIM:1−ビニル−1H−ベンゾイミダゾール、AIM:1−アリル−1H−イミダゾール、ACMO:4−アクリロイルモルホリン、VOXZ:2−ビニルオキサゾール、VTIA:2−ビニルチアゾ−ル、CHOHA:アクリル酸1,4−シクロヘキサンジメタノール、IBXA:アクリル酸イソボルニル、DCPA:アクリル酸ジシクロペンタニル、4HBA:アクリル酸4−ヒドロキシブチル、HEA:アクリル酸2-ヒドロキシエチル、BA:アクリル酸ブチル、TPO:2,4,6−トリメチルベンゾイル-ジフェニル-フォスフィンオキサイト゛(BASF社製,DAROCUR TPO)、KBM−5103:信越化学社製 シランカップリング剤、A−174:タナック社製シランカップリング剤、DEX−S:日本化薬社製 チオキサントン系増感剤、AO−50:アデカ社製 酸化防止剤を示す。
【0209】
【表1】
【0210】
【表2】
【0211】
積層体の製造
[実施例1〜38][比較例1〜7]
表1及び2に示した樹脂組成物を活性エネルギー線重合性接着剤として使用して、以下の積層体を作成した。
透明フィルム(H)である保護フィルム(1)として、日本ゼオン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリノルボルネン系フィルム:商品名「ZF−14」(厚み100μm)を用い、保護フィルム(2)として、三菱レイヨン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリアクリル系フィルム:商品名「HDB−002」(厚み50μm)を使用し、それぞれその表面に300W・min/m
2 の放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、配合例1に示す活性エネルギー線重合性接着剤をワイヤーバーコーターを用いて膜厚4μmとなるように塗工し、活性エネルギー線重合性接着層を形成し、活性エネルギー線重合性接着層との間に上記のポリビニルアルコール系偏光子を挟み、保護フィルム(1)/接着層/PVA系偏光子/接着層/保護フィルム(2)からなる積層体を得た。
保護フィルム(1)がブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで固定し、ブリキ板に固定した。
活性エネルギー線照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度300mW/cm
2、積算光量300mJ/cm
2の紫外線を保護フィルム(2)側から照射して、偏光板を作製した。
【0212】
得られた積層体(偏光板)について、剥離強度、ゲル分率、打ち抜き加工性、収縮率、耐熱性及び耐湿熱性を以下の方法に従って求め、結果を同様に表3に示した。
【0213】
《剥離強度》
接着力は、JIS K6 854−4 接着剤−剥離接着強さ試験方法−第4部:浮動ローラー法に準拠して測定した。
即ち、得られた偏光板を、25mm×150mmのサイズにカッターを用いて裁断して測定用サンプルとした。サンプルを両面粘着テープ(トーヨーケム社製DF8712S)を使用して、ラミネータを用いて金属板上に貼り付けて、偏光板と金属板との測定用の積層体を得た。測定用の積層体の偏光板には、保護フィルムと偏光子の間に予め剥離のキッカケを設けておき、この測定用の積層体を23℃、相対湿度50%の条件下で、300mm/分の速度で引き剥がし、剥離力とした。この際、ポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルム(1)、及びポリビニルアルコール系偏光子と保護フィルム(2)との双方の剥離力を測定した。この剥離力を接着力として4段階で評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:剥離不可、あるいは偏光板破壊
○:剥離力が2.0(N/25mm)以上〜5.0(N/25mm)未満。
△:剥離力が1.0(N/25mm)以上〜2.0(N/25mm)未満。
×:剥離力が1.0(N/25mm)未満。
【0214】
《ゲル分率》
コロナ処理を施していない日本ゼオン社製のポリノルボルネン系フィルム(商品名「ゼオノア ZF−14:100μm」に、活性エネルギー線重合性接着剤を、ワイヤーバーコーターを用いて膜厚20〜25μmとなるように塗工し、活性エネルギー線重合性接着層を形成した。さらに活性エネルギー線重合性接着層の上にコロナ処理を施していないゼオノア ZF−14を重ね、3層からなる積層体を得た後、活性エネルギー線照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)で最大照度300mW/cm
2、積算光量300mJ/cm
2の活性エネルギー線を照射し活性エネルギー線重合性接着層を重合硬化させた。3層からなる積層体のゼオノア ZF−14を剥離し接着剤層を得た。
接着剤層の重量を測定した後(重量1)を金属メッシュと金属メッシュの間に挟み接着剤層同士が重ならないようにし、メチルエチルケトン(MEK)中で3時間還流した。さらに80℃−30分乾燥し、接着剤層の重量を測定した(重量2)。下記式よりゲル分率を求め、3段階評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
ゲル分率(%)={1−(重量1−重量2)/重量1)}×100
(評価基準)
○:ゲル分率が90%以上
△:ゲル分率が80%以上〜90%未満
×:ゲル分率が80%未満
【0215】
《打ち抜き加工性》
ダンベル社製の100mm×100mmの刃を用い、作製した偏光板を保護フィルム(1)側から打ち抜いた。
打ち抜いた偏光板の、周辺の剥離距離を定規で測定し、以下の4段階で評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:0mm
○:1mm以下
△:1〜3mm
×:3mm以上
【0216】
《収縮率》
上記偏光板小片を
80℃−dryと60℃−90RH%の恒温恒湿機中に放置し、60時間後の延伸方向の縮み量を測定し、元の長さ(100mm)に対する縮み量の割合を収縮率とし求め、以下の3段階で評価をした。
なお、「dry」とは、湿度調整機能付のオーブンで、温度のみコントロールし、湿度のコントロールを行わなかった場合の試験条件である。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
○:収縮率が0.2%以下
△:収縮率が0.2%より大きくて0.4%以下
×:収縮率が0.4%を超える。
【0217】
《耐熱性》
各実施例と比較例で得られた偏光板を、50mm×40mmの大きさに裁断し、80℃−dry、及び100℃dryの条件下で、それぞれ1000時間暴露した。暴露後偏光板の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:100℃−dryの条件下でも剥がれが全く無し。
○:80℃−dry条件下で剥がれが全く無し。
△:80℃−dry条件下で1mm未満の剥がれあり。
×:80℃−dry条件下で1mm以上の剥がれあり。
【0218】
《耐湿熱性》
各実施例と比較例で得られた偏光板を、50mm×40mmの大きさに裁断し、60℃−90%RHの条件下、及び85℃−85%RHの条件下で1000時間暴露した。暴露後偏光板の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:85℃−85%RHの条件下でも剥がれが全く無し。
○:60℃−90%RHの条件下で剥がれが全く無し。
△:60℃−90%RHの条件下で1mm未満の剥がれあり。
×:60℃−90%RHの条件下で1mm以上の剥がれあり。
【0219】
【表3】
【0220】
表3で示した記号は以下の通りである。
ZF−14:日本ゼオン社製ポリノルボルネン系フィルム、HBD−002:三菱レイヨン社製アクリル系フィルム。
【0221】
[実施例51〜95][比較例11〜17]
表1及び2に示した樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤として使用し、以下の積層体を作成した。
光学フィルムとして、富士フィルム社製の紫外線吸収剤含有ポリトリアセチルセルロース系フィルム:商品名「フジタック:80μm」を用いた。光学フィルム表面を300W・min/m
2の放電量でコロナ処理を行い、表面処理後1時間以内に、配合例1に示す樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤として、ワイヤーバーコーターを用いて膜厚4μmとなるように塗工し、活性エネルギー線重合性コート剤層を形成した。
光学フィルムがブリキ板に接するように、この積層体の四方をセロハンテープで、ブリキ板に固定した。
UV照射装置(東芝社製 高圧水銀灯)内を乾燥窒素で置換後、波長365nmの最大照度300mW/cm
2、積算光量300mJ/cm
2の紫外線を活性エネルギー線重合性コート剤層側から照射して、活性エネルギー線重合性コート剤層を有する積層体を作製した。
【0222】
得られた積層体について、密着力、耐熱性を以下の方法に従って求め、結果を同様に表4に示した。
【0223】
《密着力》
JIS K5400に従い、碁盤目剥離試験を実施した。100マス中の剥離したマス数を4段階評価した。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
◎:0マス
○:1〜10マス
△:11〜30マス
×:31マス以上
【0224】
《耐熱性》
各実施例と比較例で得られた積層体を、50mm×40mmの大きさに裁断し、80℃−dryの条件下で1000時間暴露した。暴露後積層体の端部の剥がれの有無を目視にて、以下の3段階で評価をした。「△」評価以上の場合、実際の使用時に特に問題ない。
(評価基準)
○:剥がれが全く無し
△:1mm未満の剥がれあり
×:1mm以上の剥がれあり
【0225】
【表4】
【0226】
本発明において、光学フィルムの代表例として、例示化合物は以下の表4に具体的に示すが、これらに限られるものではない。尚、例示フィルムの表記として、フジタック:富士フィルム社製 紫外線吸収剤含有するTAC系フィルム (80μm)、ZF−14:日本ゼオン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリノルボルネン系フィルム(100μm)、HBD−002:三菱レイヨン社製 紫外線吸収剤を含有しないポリアクリル系フィルム(50μm)、R−140:カネカ社製 紫外線吸収剤を含有しないポリカーボネート系フィルム(43μm)、エンプレットS:ユニチカ社製 紫外線吸収剤を含有するポリエステル系フィルム(50μm)、TUX−HZ:東セロ社製 紫外線吸収剤を含有するポリエチレン系フィルム(50μm)を示す。
【0227】
本発明の樹脂組成物を活性エネルギー線重合性接着剤として用いた場合は、表3に示すように、実施例3〜6、11〜31、36、37、38では、特に問題ない。また、実施例1、2、7〜10、32〜35では、密着性、耐熱性、耐湿熱性等のレベルが低いが、使用することが可能である。これに対して比較例1〜4では、特に接着力が低く、打ち抜き加工性や収縮率に難があり、密着性、耐熱性、耐湿熱性等が劣ることがわかる。
また、本発明の樹脂組成物を活性エネルギー線重合性コート剤として用いた場合は、表3と同様の傾向であり、表4に示す様に実施例53〜56、61〜85、93では、密着性、及び耐熱性とも優れ、特に問題無い。また、実施例51、52、57〜60、86〜92、94、95では、密着性、および耐熱性のレベルが低いが、使用することが可能である。これに対して比較例11〜17では、特に密着性、あるいは耐熱性に劣ることがわかる。