(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、このような実状に鑑みてなされ、その目的は、軸方向に沿って低圧から高圧に変化する高電圧発生コイル装置であって、小型化に適しており信頼性および製造効率が良好なコイル装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明に係るコイル装置は、
棒状のコアと、
前記コアを収容する中空筒部と、当該中空筒部から外径方向に突出する複数の鍔部とを有するボビンと、
前記鍔部の間に挟まれて前記中空筒部の外周表面に形成された複数の二次巻線用溝部に分けて巻回される二次巻線と、
前記二次巻線用溝部の間で前記鍔部に挟まれて前記中空筒部の前記外周表面に形成された複数の一次巻線用溝部に分けて巻回される一次巻線と、
いずれかの前記鍔部に設けられ、前記一次巻線と前記二次巻線とに接続される低圧側端子と、
いずれかの前記鍔部に設けられ、前記一次巻線の一次高圧側端部が接続される一次高圧側端子と、
いずれかの前記鍔部に設けられ、前記二次巻線の二次高圧側端部が接続される二次高圧側端子と、を有する。
【0007】
本発明に係るコイル装置は、ボビンの外周表面に形成された一次巻線用溝部及び二次巻線用溝部に一次巻線及び二次巻線が巻回され、鍔部に低圧側端子、一次高圧側端子及び二次高圧側端子が設けられるため、プリント基板を必要としない一つのボビンでコイル装置が構成される。そのため、このようなコイル装置は、小型化に適しており、また、接合部も少ないため信頼性が良好であり、製造も容易である。
【0008】
前記コアの少なくとも一端には、前記二次巻線が巻回されていない領域が存在していてもよい。このように構成することで、コア端での磁束の流れを良好にしてコイル装置のインダクタンス(L値)を向上させることが可能になり、二次巻線におけるトータルの巻数を低減することが可能になる。巻数を減らすことで、直流抵抗を低減することが可能になり、ワイヤの線径を低減することも可能になる。
【0009】
前記コアの長手方向の中央部に位置する前記二次巻線用溝部に巻回してある二次巻線の巻回層数に比較して、前記コアの長手方向の端部に位置する前記二次巻線用溝部に巻回してある二次巻線の巻回層数が少なくしてもよい。このように構成することで、トータル巻数が同じである場合に、コイル装置のインダクタンス(L値)を向上させることが可能になる。また、インダクタンスが向上することで、同じインダクタンスであれば、二次巻線におけるトータルの巻数を低減することが可能になる。巻数を減らすことで、直流抵抗を低減することが可能になり、ワイヤの線径を低減することも可能になる。
【0010】
また、例えば、複数の前記二次巻線用溝部には、二次低圧側溝部と、当該二次低圧側溝部より高圧側に位置し前記中空筒部の径方向厚みが前記二次低圧側溝部より厚い二次高圧側溝部とが含まれても良い。
【0011】
中空筒部の厚みを高圧側と低圧側とで変化させることにより、小型化を図りつつ、コイル装置の耐電圧性を好適に確保できる。
【0012】
また、例えば、前記二次低圧側溝部に巻回される前記二次巻線の層数は、前記二次高圧側溝部に巻回される前記二次巻線の層数よりも多くても良い。
【0013】
中空筒部の厚みが厚い二次高圧側溝部の層数を少なくすることにより、鍔部の最大外径を抑制して、コイル装置の小型化を図ることができる。
【0014】
また、例えば、前記一次巻線及び前記二次巻線は、前記一次高圧側端部から前記二次高圧側端部まで連続するワイヤによって構成されていても良い。
【0015】
一次巻線と二次巻線とが連続するワイヤによって構成されることにより、コイル装置に含まれる電気的な接合箇所を減少させて直流抵抗を低減できる。また、一次巻線と二次巻線とを連続した巻き上げ工程により形成することができるため、このようなコイル装置は製造効率が良い。
【0016】
また、前記低圧側端子は、前記ワイヤのうち前記一次巻線と前記二次巻線との境界部分にヒュージングによって固定されるワイヤ固定部を有しても良い。
【0017】
前記一次巻線と前記二次巻線との境界部分にヒュージングによって固定するワイヤ固定部を有する低圧側端子は、容易かつ確実に取り付けを行うことが可能である。
【0018】
また、例えば、前記二次高圧側端子は、複数の前記鍔部のうち、前記中空筒部の一方の端部から前記外径方向へ突出する第1鍔部に設けられても良い。
【0019】
二次高圧側端子を一方の端部に配置される第1鍔部に設けることにより、複数の二次巻線用溝部に対して二次巻線を容易に形成することが可能である。
【0020】
また、複数の前記鍔部は、いずれかの前記一次巻線用溝部を挟む一対の前記鍔部の一部を互いに接続する接続鍔部を含んでも良く、前記低圧側端子は、前記接続鍔部に設けられても良い。
【0021】
低圧側端子を接続鍔部に設けることにより、低圧側端子を設置するためのスペースを抑制し、コイル装置を小型化することが可能である。
【0022】
また、例えば、複数の前記鍔部のうち少なくとも一部は、前記鍔部の外周表面から内径方向に向かって形成されており前記二次巻線を通過させる切り込み部と、前記鍔部の外周表面上に形成されており前記一次巻線を通過させる一次巻線通路と、を有しても良い。
【0023】
鍔部が、切り込み部と、鍔部の外周表面上に形成された一次巻線通路を有することにより、二次巻線と一次巻線の絶縁距離を確保しつつ、コイル装置をより小型化することが可能である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明を、図面に示す実施形態に基づき説明する。
【0026】
第1実施形態
図1は本発明の一実施形態に係るトランスとしてのコイル装置10の斜視図であり、
図6はコイル装置10の回路図である。
図1に示すように、コイル装置10は、一次巻線30と二次巻線40が巻軸方向であるZ軸方向に沿って形成されている。このコイル装置10は、巻軸方向に沿って低電圧から高電圧に変化するコイル装置である。
【0027】
図6に示すように、コイル装置10は、一次巻線30及び二次巻線40の双方の低圧側端部に電気的に接続される低圧側端子50と、一次巻線30の高圧側端部に接続される一次高圧側端子60と、二次巻線40の高圧側端部に接続される二次高圧側端子70とを有し、3相(3つの端子)となる回路で表される。このようなコイル装置10では、低圧側端子50に接続される
Z軸正方向側の端部から二次高圧側端子70へ接続される
Z軸負方向側の端部へ、巻軸(Z軸)に沿って、二次巻線40の電圧が低圧から高圧に変化し、二次高圧側端子70より高電圧の出力を得ることができる。なお、本実施形態では、巻軸方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直であって互いに垂直な方向をX軸方向及びY軸方向とする。
【0028】
図1に示すように、コイル装置10は、ボビン20と、一次巻線30と、二次巻線40と、低圧側端子50と、一次高圧側端子60と、二次高圧側端子70とを有する。また、断面図である
図4A及び分解斜視図である
図5に示すように、コイル装置10は、ボビン20の中空筒部21内に収容される棒状のコア12を有しており、中空筒部21の開口部には、コア12が中空筒部21の中から抜け落ちないようにするためのキャップ14が設けられる。なお、
図5では、一次巻線30及び二次巻線40を図示していない。
【0029】
コア12は、楕円形状あるいは長円形状の断面を有し、コア12の長手方向が巻軸方向(Z軸方向)となるように配置される。また、コア12の断面形状における長軸方向がY軸方向と一致し、短軸方向がX軸方向と一致する。
【0030】
コア12は、たとえばフェライト材、パーマロイなどの軟磁性材、金属圧粉成形の金属磁性材などの磁性材で構成される。コイル装置10が、たとえば主として車載用を目的とする高圧コイル装置として使用される場合には、使用環境として−40〜+130℃(保存温度として−40〜+150℃)が要求され、このような環境における電気的特性の維持のため、キューリー温度が200℃以上の磁性体が好ましい。
【0031】
また、コイル装置10では、コア12に直接二次巻線40が巻回されるのではなく、コア12と二次巻線40とを好適に絶縁する中空筒部21の外周表面に二次巻線40が巻回される。そのため、コイル装置10では、コア12として、Ni−Zn系フェライトのような絶縁性の材料だけでなく、高透磁率、高磁束密度で導電性の材料であるMn−Zn系フェライト等を好適に用いることができる。
【0032】
ボビン20は、コア12を収容する中空筒部21と、中空筒部21から外径方向に突出する複数の鍔部を有する。ボビン20は、絶縁性に優れた材料により構成してあり、たとえばPBT、PET、LCP、PPSなどの合成樹脂で構成してあるが、耐加水分解性の樹脂が求められることも多い。あるいはセラミックなどでボビン20を構成してもよい。なお、コア12と一次巻線30及び二次巻線40との絶縁性を好適に確保するために、中空筒部21の外周表面には貫通孔を形成しないことが好ましい。
【0033】
図2及び
図4Aに示すように、ボビン20が有する複数の鍔部には、中空筒部21の一方の端部(Z軸負方向側端部)から外径方向に突出する第1鍔部23aと、中空筒部21の他方の端部(Z軸正方向側端部)から外径方向に突出する第11鍔部23kと、第1鍔部23aと第11鍔部23kの間に配置された第2鍔部23b〜第10鍔部23jとが含まれる。複数の鍔部は、ボビン20のZ軸負方向端部からZ軸正方向端部へ向かって、第1鍔部23a、第2鍔部23b、第3鍔部23c・・・・第11鍔部23kの順に配置されている。
【0034】
中空筒部21の外周表面には、複数(本実施形態では7つ)の二次巻線用溝部が形成されている。
図2に示すように、複数の二次巻線用溝部には、第1鍔部23aと第2鍔部23bに挟まれる二次巻線用溝部24a、第2鍔部23bと第3鍔部23cに挟まれる二次巻線用溝部24b、第3鍔部23cと第4鍔部23dに挟まれる二次巻線用溝部24c、第5鍔部23eと第6鍔部23fに挟まれる二次巻線用溝部24d、第7鍔部23gと第8鍔部23hに挟まれる二次巻線用溝部24e、第9鍔部23iと第10鍔部23jに挟まれる二次巻線用溝部24f、及び第10鍔部23jと第11鍔部23kに挟まれる二次巻線用溝部24gが含まれる。なお、第1鍔部23a〜第11鍔部23kは、それぞれの二次巻線用溝部24a〜24gを巻軸方向に挟む。
【0035】
二次巻線用溝部24a〜24gには、低圧側(
Z軸正方向側)に位置する二次低圧側溝部としての二次巻線用溝部24f、24gと、高圧側に位置する二次高圧側溝部としての二次巻線用溝部24a、24bとが含まれる。
図4Aに示すように、二次高圧側溝部としての二次巻線用溝部24a、24bは、当該二次巻線用溝部24a、24bの溝底部を構成する中空筒部21の第1部分21a及び第2部分21bの径方向厚みD1が、二次低圧側溝部である二次巻線用溝部24a、24bの溝底部を構成する中空筒部21の第6部分21f及び第7部分21gの径方向厚みD2より大きい。これにより、高電圧側の二次巻線用溝部24a、24bに巻回される二次巻線40とコア12との絶縁性を好適に確保することができる。また、低圧側では中空筒部21の径方向厚みを小さくすることで二次巻線用溝部24f、24gの容積を大きくし、コイル装置10を小型化することが可能である。
【0036】
なお、二次巻線用溝部24a、24bと二次巻線用溝部24f、24gの間に配置される二次巻線用溝部24c〜24eの溝底部を構成する第3部分21c、第4部分21d及び第5部分21eの径方向厚みは、同様の理由により、第1部分21a及び第2部分21bの径方向厚みD1より小さくすることが好ましく、第6部分21f及び第7部分21gの径方向厚みD2より大きくすることが好ましい。
【0037】
図3及び
図4Aに示すように、中空筒部21の外周表面には、上述した二次巻線用溝部24a〜24gの他に、複数(本実施形態では3つ)の一次巻線用溝部が形成されている。複数の一次巻線用溝部には、二次巻線用溝部24c、24dの間で第4鍔部23dと第5鍔部23eに挟まれる一次巻線用溝部25a、二次巻線用溝部24d、24eの間で第6鍔部23fと第7鍔部23gに挟まれる一次巻線用溝部25b、及び二次巻線用溝部24e、24fの間で第8鍔部23hと第9鍔部23iに挟まれる一次巻線用溝部25cが含まれる。なお、二次巻線用溝部24c〜24f及び第4鍔部23d〜第9鍔部23iは、それぞれ一次巻線用溝部25a〜25cを巻軸方向に挟む。
【0038】
図4Aに示すように、ボビン20における中空筒部21の外周表面には、二次巻線40が、7つの二次巻線用溝部24c〜24fに分けて巻回されている。各二次巻線用溝部24a〜24gに配置される二次巻線40の巻数、列数(巻軸方向の重ね数)、層数(外径方向の重ね数)は特に限定されないが、二次巻線用溝部24c〜24fに配置される二次巻線40の列数を所定値以下(例えば本実施形態では6列以下)とすることが、二次巻線40を構成するワイヤの耐電圧信頼性確保の観点から好ましい。
【0039】
二次巻線用溝部24a〜24gのうち、二次低圧側溝部である二次巻線用溝部24f、24gに巻回される二次巻線40の層数(本実施形態では5)は、二次高圧側溝部である二次巻線用溝部24a、24bに巻回される二次巻線40の層数(本実施形態では3)より多いことが好ましい。上述したように、低圧側では
中空筒部の径方向厚みが小さいため、二次巻線40を構成するワイヤが第9鍔部23i〜第11鍔部23kから外径方向にはみ出さない範囲で、二次巻線40の層数を増加させることにより、コイル装置10を小型化できる。
【0040】
図2に示すように、第2鍔部23b〜第10鍔部23jは、鍔部23b〜23jの外周表面から内径方向に向かって形成された切り込み部26bを有する。二次巻線40は、切り込み部26bを通過することにより、1つの二次巻線用溝部24a〜24fから、低圧側に隣接する他の二次巻線用溝部24b〜24gへ引き回される。なお、第2鍔部23b〜第10鍔部23jのうち、第4鍔部23dと第5鍔部23e、第6鍔部23fと第7鍔部23g、第8鍔部23hと第9鍔部23iは、一次巻線用溝部
25a〜25cを挟む一対の鍔部を構成しており、これらの鍔部23d〜23iの間には、一対の鍔部を互いに接続する接続鍔部23α、23βが設けられている。
【0041】
ここで、二次巻線用溝部24c〜24eとその低圧側に隣接する二次巻線用溝部24d〜24fとの間には、一次巻線用溝部25a〜25cが挟まれている。このため、これらの一次巻線用溝部25a〜25c内の一次巻線30と、これらの溝部25a〜25cを交差する切り込み部26bを通過する二次巻線40とは距離が近くなる。しかし、隣接する鍔部の間を連結する接続鍔部23αに切り込み部26bが形成されることで、一次巻線30と二次巻線40とは立体的な交差が可能となり、一次巻線30と二次巻線40の絶縁性は好適に確保される。
【0042】
なお、鍔部23b、23c、23jおよび接続鍔部23αに形成してある切り込み部26bによって形成される二次巻線40の通路は、巻軸方向に対して斜めに形成されていることが好ましく、これにより二次巻線40をボビン20に容易に形成できる。なお、
図2に示す例では、切り込み部26bは、全て同一方向に巻軸方向に対して斜めに形成されている。
【0043】
図3及び
図4Aに示すように、ボビン20の中空筒部21の外周表面には、一次巻線30が、3つの一次巻線用溝部25a、25b、25cに分けて巻回されている。各一次巻線用溝部25a〜25cにおける一次巻線30の巻数は1であるが、特に限定されない。
【0044】
図2に示すように、第3鍔部23c〜第9鍔部23iの外周表面上には、一次巻線30を通過させる一次巻線通路27a、27bが形成されている。一次巻線通路27a、27bに隣接して、第3鍔部23c〜第9鍔部23iの外周表面上から外径方向へ突出する突起部28a、28bが形成されており、突起部28a、28bは一次巻線30が一次巻線通路27a、27bから逸脱することを防止する。
【0045】
製造方法において詳述するように、本実施形態に係るコイル装置10における一次巻線30及び二次巻線40は、一次高圧側端子60に接続される一次高圧側端部30aから、二次高圧側端子70に接続される二次高圧側端部40aまで連続する一本のワイヤによって構成される。一次巻線30及び二次巻線40を構成するワイヤとしては特に限定されないが、例えば三層絶縁電線のような被覆線を用いることができる。
【0046】
図1〜
図3に示すように、低圧側端子50は、最も低圧側に配置される一次巻線用溝部25cを挟む一対の鍔部23h、23iの一部を外周部で互いに接続する接続鍔部23βに設けられる。
図5に示すように、低圧側端子50は、一次巻線30と二次巻線40の境界部分BDに固定されるワイヤ固定部50aと、接続鍔部23βに形成されたスリットに挿入される挿入部50bと、外部へ接続するための引出部50cとを有する。
【0047】
ワイヤ固定部50aと、挿入部50bと、引出部50cとから成る端子50は、たとえば金属板などの導電性板材から一体的に成形される。端子60および70に関しても同様である。なお、低圧側端子50が設けられる接続鍔部23βと、切り込み部26bが形成される接続鍔部23αとは、周方向に連続して形成してあっても良いが、周方向に断続的に形成してあっても良い。
【0048】
ワイヤ固定部50aを境界部分BDに固定する方法は特に限定されないが、例えばヒュージング(熱カシメ)によってワイヤ固定部50aをワイヤに固定することができる。ヒュージングによれば、ワイヤを切断せずに、またワイヤの絶縁被覆を予め除去することなく、絶縁被膜の除去と接続固定作業とを同時に行うことができるため、端子の固定工程を簡略化できる。
【0049】
一次高圧側端子60は、ボビン20における第3鍔部23cに設けられる。一次高圧側端子60は、一次巻線30の一次高圧側端部30aに固定される一次側ワイヤ固定部60aと、第3鍔部23cに形成されたスリットに挿入される挿入部60bと、外部へ接続するための引出部60cとを有する。一次側ワイヤ固定部60aと一次高圧側端部30aとの接合は、ワイヤ固定部50aと同様にヒュージング等によって行うことができるが、特に限定されない。
【0050】
図1に示すように、低圧側端子50及び一次高圧側端子60は、切り込み部26bによる二次巻線40の通路及び一次巻線通路27aが形成されるボビン上部(Y軸正方向側の部分)に設けられており、これにより自動巻線機等によるシンプルで無駄のないワイヤの引き回しを実現できる。
【0051】
図3及び
図5に示すように、二次高圧側端子70は中空筒部21のZ軸負方向側端部に位置する第1鍔部23aに設けられる。二次高圧側端子70は、二次巻線40の二次高圧側端部40aに固定される二次側ワイヤ固定部70aと、第1鍔部23aに形成されたスリットに挿入される挿入部70bと、外部へ接続するための引出部70cとを有する。なお、第1鍔部23aには、第1鍔部23aの外周表面から内径方向に向かう切り込み部26aが形成されており、二次巻線40は、二次側ワイヤ固定部70aから、切り込み部26aを通過して二次巻線用溝部24aへ引き回される。
【0052】
以下に、
図1〜
図5を用いて、コイル装置10の製造方法の一例を説明する。
【0053】
本実施形態に係るコイル装置10の製造方法は、
図5に示すように、ボビン20の鍔部23a、23c、23βに端子50、60、70をそれぞれ取り付ける工程を有する。また、この製造方法は、
図1〜
図4Aに示すように、二次巻線用溝部24a〜24g及び一次巻線用溝部25a〜25cにワイヤを巻回して二次巻線40及び一次巻線30を形成する工程を有する。さらに、この製造方法は、
図2および
図3に示すように、ワイヤの両端部である二次高圧側端部40a及び一次高圧側端部30aに、それぞれ端子70、60の固定部70a、60aを固定すると共に、一次巻線30と二次巻線40との境界部分BDに、端子50の固定部50aを固定する工程を有する。さらにまた、この製造方法は、
図5に示すように、ボビン20の中空筒部21の内部にコア12を収容する工程を有する。
【0054】
ボビン20に端子50、60、70を取り付ける工程では、
図5に示すように、鍔部
23β、23c、
23aに形成されたスリットに、各端子50、60、70の挿入部50b、60b、70bを挿入する。なお、
図5に示す端子50、60、70では、固定部50a、60a、70a及び引出部50c、60c、70cが曲げられた状態が図示されているが、ボビン20に取付けられる段階では、巻線作業の邪魔にならないように、これらの部分の少なくとも一部(特に引出部70c)は曲げられていなくてもよい。
【0055】
巻線30、40を形成する工程では、二次巻線40の高圧側が配置される二次巻線用溝部24aからワイヤを巻き始め、高圧側から低圧側へ向かって各二次巻線用溝部24a〜24gにワイヤを巻回して二次巻線40を形成する(
図4A参照)。低圧側の二次巻線用溝部24gまで巻き終えた後、
図2に示すように第10鍔部23j及び第9鍔部23iの外周表面を通過させてワイヤを一次巻線用溝部25cへ引き回す。そして、低圧側から高圧側へ向かって各一次巻線用溝部25c、25b、25aにワイヤを巻回して一次巻線30を形成する。
【0056】
端子50、60、70の固定部50a、60a、70aをワイヤに固定する工程では、ワイヤにおける境界部分BD、一次高圧側端部30a及び二次高圧側端部40aに相当する部分を挟み込むように、固定部50a、60a、70aを加熱しながら折り曲げることにより、固定が行われる。このようなヒュージング工程では、境界部分BD、一次高圧側端部30a及び二次高圧側端部40aに相当する部分におけるワイヤの絶縁被覆が加熱及び加圧により除去される。このため、端子50と境界部分BDとの導通、端子60と一次高圧側端部30aとの導通、および端子70と二次高圧側端部40aとの導通が確保される。また、端子の固定が終わった後に、一次高圧側端部30a及び二次高圧側端部40aの両外側でワイヤが切断される。なお、ワイヤの切断後、必要に応じて二次高圧側端子70の引出部70cを折り曲げる。
【0057】
コア12を収容する工程では、
図5に示すコア12をボビン20の中空筒部21の内部に挿入したのち、キャップ14を開口部に設けることにより、
図1に示すコイル装置10を得る。なお、各工程の順序は適宜入れ換えることが可能であり、例えば、コア12を収容する工程は、巻線30、40を形成する工程より前に行われても良い。
【0058】
コイル装置10は、ケース内部等の設置部に設置されて各端子50、60、70が配線された後に、ポッティングにより樹脂内に埋め込まれて、あるいは樹脂内に埋め込まれず巻線30、40が大気に露出した状態で使用される。
【0059】
上述した実施形態に係るコイル装置10は、良好な信頼性を有し、小型化に適しており、製造も容易である。また、
図4Aに示すように、中空筒部21の厚みを高圧側と低圧側とで変化させることにより、小型化を図りつつコイル装置10の耐電圧性を好適に確保できる。
【0060】
また、コイル装置10は、一次巻線30と二次巻線40とが連続する一本のワイヤによって構成されるため、直流抵抗を低減でき、製造が容易である。また、
図1に示すように、ボビン上部側の鍔部23c〜23iに切り込み部26bによる二次巻線40の通路と一次巻線通路27a、27bが形成されることにより、二次巻線40と一次巻線30の絶縁距離を確保しつつ、コイル装置10をより小型化することが可能である。
【0061】
なお、上述の実施形態では、一次巻線30と二次巻線40とが連続する一本のワイヤで構成されているが、一次巻線30と二次巻線40とは互いに分離していても良く、低圧側端子50を介して電気的に接続されていてもよい。また、各端子50、60、70と、一次巻線30及び二次巻線40との固定方法はヒュージングに限定されず、溶接その他の方法を採用することもできる。
【0062】
第2実施形態
図4Bは本発明の他の実施形態に係るトランスとしてのコイル装置10aの断面図であり、以下に示す以外は、第1実施形態と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する部材には共通する部材符号を付してあり、共通する部材の説明は省略してある。
【0063】
本実施形態では、
図4Bに示すように、コア12のZ軸方向両端に位置する二次巻線用溝部24aおよび24gには、二次巻線が施されていない。このように構成することで、コア12のZ軸方向両端での磁束の流れを良好にして、インダクタンスの向上を図ることができる。
【0064】
第3実施形態
図7Aおよび
図7Bは、本発明のさらに他の実施形態に係るトランスとしてのコイル装置110の斜視図であり、以下に示す以外は、第1実施形態と同様な構成を有し、同様な作用効果を奏する。なお、本実施形態において、第1実施形態と共通する部材には、数字の下二桁が共通する部材符号を付してあり、共通する部材の説明は一部省略してある。
【0065】
図7Aおよび
図7Bに示すように、コイル装置110は、ボビン120と、一次巻線130と、二次巻線140と、低圧側端子150と、一次高圧側端子160と、二次高圧側端子170とを有する。また、
図10及び
図11に示すように、コイル装置110は、ボビン120の中空筒部121内に収容される棒状のコア112を有している。
【0066】
中空筒部121の一方の端部に設けられた開口部には、コア112が中空筒部121の中から抜け落ちないようにするためのキャップ114が設けられる。なお、中空筒部121の他方の端部には、端壁が中空筒部121と一体に成形してあり、コア112が抜け落ちないようになっている。また、
図11では、一次巻線30及び二次巻線40を図示していない。
【0067】
図11に示すように、キャップ114は、板状のキャップ本体114aを有し、そのX軸方向両端には、取付片114cが各々一体的に形成してある。取付片114cと本体114aとの角部には、取付孔114dが形成してある。各取付孔114dは、ボビン120のZ軸方向の一端部に設けられた鍔部123jの端面に形成してある取付凹部123jaの係合凸部123jbに係合可能になっている。そのため、キャップ114をボビン120の端部に取り付けるための接着剤を不要とすることもできる。
【0068】
コア112は、第1実施形態のコア12と同様な構成を有する。また、コイル装置110では、コイル装置10と同様に、コア112に直接二次巻線140が巻回されるのではなく、コア112と二次巻線140とを好適に絶縁する中空筒部121の外周表面に二次巻線140が巻回される。
【0069】
ボビン120は、コア112を収容する中空筒部121と、中空筒部121から外径方向に突出する複数の鍔部を有する。ボビン120は、ボビン20と同様であり、絶縁性に優れた材料により構成してある。
図8及び
図9に示すように、中空筒部121には、一方の端部(Z軸負方向側端部)から順に、複数の外径方向に突出する鍔部123a〜123jが形成してある。
【0070】
図8および
図10に示すように、中空筒部121の外周表面には、複数の外径方向に突出する鍔部123a〜123jが形成してあることから、これらの鍔部123a〜123jの間に、ワイヤを巻回または通すための溝部が形成される。鍔部123aと
鍔部123bとの間に形成される溝部124aには、一次巻線も二次巻線も巻回されず、二次巻線のワイヤ端部140aが、
鍔部123aおよび
123bに形成してある切り込み部126a、126bを通して横断するのみである。また、鍔部123bと鍔部123c1との間に形成される溝部124bには、高圧側の二次巻線140となるワイヤが複数ターンで巻回してある。
【0071】
さらに、鍔部123c1と鍔部123c2との間に形成される溝部125には、二次巻線140となるワイヤや一次巻線130となるワイヤのいずれも巻回されていない。鍔部123c2と鍔部123dとの間に形成される溝部124cには、二次巻線140となるワイヤが複数ターンで巻回してある。鍔部123dと鍔部123eとの間に形成される溝部125aには、一次巻線130となるワイヤが約1ターンのみで巻回してある。
【0072】
さらに、鍔部123eと鍔部123fとの間に形成される溝部124dには、二次巻線140となるワイヤが複数ターンで巻回してある。鍔部123fと鍔部123gとの間に形成される溝部125bには、一次巻線130となるワイヤが約1ターンのみで巻回してある。鍔部123gと鍔部123hとの間に形成される溝部124eには、二次巻線140となるワイヤが複数ターンで巻回してある。鍔部123hと鍔部123iとの間に形成される溝部125cには、一次巻線130となるワイヤが約1ターンのみで巻回してある。鍔部123iと鍔部123jとの間に形成される溝部124fには、二次巻線140となるワイヤが複数ターンで巻回してある。
【0073】
すなわち、本実施形態では、Z軸方向に沿って、5つの二次巻線用溝部124b〜124fが形成され、それらの間に、3つの一次巻線用溝部125a〜125cが形成してある。二次巻線用溝部124b〜124fには、低圧側(
Z軸正方向側)に位置する二次低圧側溝部としての二次巻線用溝部124fと、高圧側に位置する二次高圧側溝部としての二次巻線用溝部124bとが含まれる。本実施形態では、中空筒部121の厚みが、Z軸方向に沿って一定である。中空筒部121の厚みは、特に限定されないが、
図4Aに示す中空筒部21の厚みD2〜D1の範囲で一定である。
【0074】
上述したように、本実施形態では、中空筒部121の外周表面には、上述した二次巻線用溝部124a〜124fの他に、複数(本実施形態では3つ)の一次巻線用溝部125a〜125cが形成されている。ボビン120における中空筒部121の外周表面には、二次巻線140が、5つの二次巻線用溝部124b〜124fに分けて巻回されている。各二次巻線用溝部124b〜124fに配置される二次巻線140の巻数、列数(巻軸方向の重ね数)、層数(外径方向の重ね数)は特に限定されないが、以下のように構成することが好ましい。
【0075】
すなわち、
図10に示すように、Z軸方向の両端に配置される二次巻線用溝部124bおよび124fに配置される二次巻線140の層数およびターン数が、Z軸方向の中央部に配置される二次巻線用溝部124c〜124eのそれぞれに配置される二次巻線140の層数およびターン数に比較して少ないことが好ましい。このように構成することで、コイル装置としてのインダクタンスを向上させることができることが確認された。
【0076】
また、本実施形態では、Z軸方向の中央部に配置される二次巻線用溝部124c〜124eのうち、高圧側の二次巻線用溝部124cおよび124dのそれぞれに配置される二次巻線140の列数を、相対的に低圧側の二次巻線用溝部124eの列数に比較して多くすることが好ましい。なお、高圧側の二次巻線用溝部124cおよび124dのそれぞれに配置される二次巻線140の層数は、相対的に低圧側の二次巻線用溝部124eの層数と同等で良い。
【0077】
また、本実施形態では、Z軸方向の中央部に配置される二次巻線用溝部124c〜124eのうち、二次巻線用溝部124dおよび124eのそれぞれに配置される二次巻線140のターン数を増やすことで、一次巻線130と二次巻線140との結合係数を上げることができる。二次巻線用溝部124dおよび124eが、一次巻線用溝部125a〜125cに挟まれて配置してあるからである。
【0078】
また本実施形態では、
図10に示すように、コア112のZ軸方向の両端では、一次巻線30および二次巻線140の双方共に巻回されていない無巻回領域があることが好ましい。これらの無巻回領域のZ軸方向の長さL1およびL2は、コア112の全長L0に比較して、1〜12%(片側で)であることが好ましい。すなわち、L1/L0が0.01〜0.12またはL2/L0が0.01〜0.12であることが好ましい。なお、コア112の全長は、第1実施形態のコア12の全長と同程度である。
【0079】
このように構成することで、コア112の両端での磁束の流れを良好にしてコイル装置110のインダクタンス(L値)を向上させることが可能になり、二次巻線140におけるトータルの巻数を低減することが可能になる。巻数を減らすことで、直流抵抗を低減することが可能になり、ワイヤの線径を、第1実施形態に比較して低減することも可能になる。さらに、本実施形態では、コイル装置の構造をより簡素化
することが可能になり、コイル装置の信頼性向上に寄与すると共に、製造効率も向上させることができる。
【0080】
図8に示すように、それぞれ一次巻線130を通す一対の鍔部123dと123eとの間、一対の鍔部123fと123gとの間、一対の鍔部123hと123iとの間には、それぞれ接続鍔部123αが形成してある。各接続鍔部123αには、隣接する二次巻線用溝部を連絡する切り込み部126bが形成してある。各接続鍔部123αが、一次巻線130と二次巻線140の間に設けられていることにより、
一次巻線130と二次巻線140の絶縁性は好適に確保される。
【0081】
なお、切り込み部126bは、接続鍔部123α以外の鍔部にも形成されても良く、これらの切り込み部126bによって形成される
二次巻線140の通路は、巻軸方向に対して斜めに形成されていることが好ましく、これにより二次巻線140をボビン120に容易に形成できる。なお、
図8に示す例では、切り込み部126bは、全て同一方向に巻軸方向に対して斜めに形成されている。
【0082】
図8に示すように、一次巻線130が、3つの一次巻線用溝部125a、125b、125cに分けて巻回されている。各一次巻線用溝部125a〜125cにおける
一次巻線130の巻数(ターン数)は約1であるが、特に限定されない。鍔部123c2〜123iの外周表面上には、一次巻線130を通過させる一次巻線通路127a、127bが形成されている。
【0083】
一次巻線通路127a、127bに隣接して、鍔部123c2〜鍔部123iの外周表面上から外径方向へ突出する突起部128a、128bが形成されており、突起部128a、128bは一次巻線130が一次巻線通路127a、127bから逸脱することを防止する。本実施形態では、突起部128a、128bは、鍔部123c2〜鍔部123iの外周表面上からY軸方向の上部へ突出するように形成してあり、一次巻線通路127a、127bを通る一次巻線130が、二次巻線140とは接触せずに二次巻線140のY軸方向の上部を立体的に交差するようになっている。
【0084】
なお、Z軸方向の端部に位置する鍔部123jにも、突起部128cが形成してあり、二次巻線用溝部124fに巻回してある二次巻線140の巻端を、低圧側端子150aに向けて案内するようになっている。本実施形態に係るコイル装置110においても、第1実施形態と同様に、一次巻線130及び二次巻線140は、一次高圧側端子160に接続される一次高圧側端部130aから、二次高圧側端子170に接続される二次高圧側端部140aまで連続する一本のワイヤによって構成される。一次巻線130及び二次巻線140を構成するワイヤとしては特に限定されないが、例えば三層絶縁電線のような被覆線を用いることができる。
【0085】
低圧側端子150は、最も低圧側に配置される一次巻線用溝部125cを挟む一対の鍔部123h、123iの一部を互いに接続する接続鍔部123βに設けられる。
図11に示すように、低圧側端子150は、
図8に示す一次巻線130と二次巻線140の境界部分BDに固定されるワイヤ固定部150aと、接続鍔部123βに形成されたスリットに挿入される挿入部150bと、外部へ接続するための引出部150cとを有する。ワイヤ固定部150aと、挿入部150bと、引出部150cとから成る端子150は、たとえば金属板などの導電性板材から一体的に成形される。端子160および170に関しても同様である。
【0086】
ワイヤ固定部150aを境界部分BDに固定する方法は特に限定されないが、例えばレーザ溶接やヒュージング(熱カシメ)によってワイヤ固定部150aをワイヤに固定することができる。レーザ溶接やヒュージングによれば、ワイヤを切断せずに、またワイヤの絶縁被覆を予め除去することなく、絶縁被膜の除去と接続固定作業とを同時に行うことができるため、端子の固定工程を簡略化できる。
【0087】
一次高圧側端子160は、ボビン120における鍔部123c1と鍔部123c2との間に形成してある接続鍔部123βに設けられる。一次高圧側端子160は、一次巻線130の一次高圧側端部130aに固定される一次側ワイヤ固定部160aと、接続鍔部123βに形成されたスリットに挿入される挿入部160bと、外部へ接続するための引出部160cとを有する。一次側ワイヤ固定部160aと一次高圧側端部130aとの接合は、ワイヤ固定部150aと同様にレーザ溶接やヒュージング等によって行うことができるが、特に限定されない。
【0088】
図8に示すように、低圧側端子150及び一次高圧側端子160は、切り込み部126bによる二次巻線140の通路及び一次巻線通路127aが形成されるボビン上部(Y軸正方向側の部分)に設けられており、これにより自動巻線機等によるシンプルで無駄のないワイヤの引き回しを実現できる。
【0089】
図11に示すように、二次高圧側端子170は中空筒部121のZ軸負方向側端部に位置する鍔部123aに設けられる。二次高圧側端子170は、二次巻線140の二次高圧側端部140aに固定される二次側ワイヤ固定部170aと、鍔部123aに形成されたスリットに挿入される挿入部170bと、外部へ接続するための引出部170cとを有する。なお、
図7Bに示すように、鍔部123aには、鍔部123aの外周表面から内径方向に向かう切り込み部126aが形成されており、鍔部123bには、鍔部123bの外周表面から内径方向に向かう切り込み部126bが形成されている。二次巻線140は、二次側ワイヤ固定部170aから、これらの切り込み部126aおよび126bを通過して二次巻線用溝部124bへ引き回される。
【0090】
コイル装置110の製造方法、使用方法、その他の変形例、およびその他の作用効果は、
第1実施形態と同様なのでその説明は省略する。