(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6344541
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】Fe食われ防止用はんだ合金、やに入りはんだ、線はんだ、やに入り線はんだ、フラックス被覆はんだ、およびはんだ継手
(51)【国際特許分類】
B23K 35/26 20060101AFI20180611BHJP
C22C 13/00 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
B23K35/26 310A
C22C13/00
【請求項の数】7
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2018-511177(P2018-511177)
(86)(22)【出願日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】JP2017029531
【審査請求日】2018年2月27日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000199197
【氏名又は名称】千住金属工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002000
【氏名又は名称】特許業務法人栄光特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】鬼塚 基泰
(72)【発明者】
【氏名】倉澤 陽子
(72)【発明者】
【氏名】吉川 俊策
(72)【発明者】
【氏名】齋藤 岳
【審査官】
川村 裕二
(56)【参考文献】
【文献】
特開2005−153007(JP,A)
【文献】
特開2008−188672(JP,A)
【文献】
特許第6082952(JP,B1)
【文献】
特開2007−111715(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 35/00−35/40
C22C 13/00−13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
質量%でAg:0.2〜4.0%、Cu:0.1〜1.0%、Co:0.01〜0.04%、Ni:0.025〜0.1%、Fe:0.007〜0.015%、残部がSnからなる合金組成を有することを特徴とする、炭化物の鏝先への付着が抑制されたFe食われ防止用はんだ合金。
【請求項2】
Ag:2.3〜4%を含有する、請求項1に記載のFe食われ防止用はんだ合金。
【請求項3】
請求項1または2に記載のFe食われ防止用はんだ合金を有するやに入りはんだ。
【請求項4】
請求項1または2に記載のFe食われ防止用はんだ合金を有する線はんだ。
【請求項5】
請求項1または2に記載のFe食われ防止用はんだ合金を有するやに入り線はんだ。
【請求項6】
はんだの表面がフラックスで被覆されている、請求項1〜5のいずれか1項に記載のフラックス被覆はんだ。
【請求項7】
請求項1または2に記載のFe食われ防止用はんだ合金を有するはんだ継手。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鏝先食われ及びフラックスの炭化を抑制することができるFe食われ防止用はんだ合金、やに入りはんだ、線はんだ、やに入り線はんだ、フラックス被覆はんだ、およびはんだ継手に関する。
【背景技術】
【0002】
プリント基板等の端子の接続には、主にSn−Ag−Cu系鉛フリーはんだ合金が使用されている。Sn−Ag−Cu系鉛フリーはんだ合金は、フローソルダリング、リフローソルダリング、はんだ鏝を使用したはんだ付けなどの種々の工法に用いられている。
【0003】
はんだ鏝を使用したはんだ付けとしては、マニュアルソルダリングのような手作業のはんだ付けが挙げられる。近年では、はんだ鏝を使用したはんだ付けの自動化が進み、はんだ付けはコテロボットにより自動で行われている。
【0004】
はんだ鏝は、発熱体と鏝先で構成されており、発熱体の熱を鏝先へ伝導して鏝先を加熱する。発熱体の熱が効率的に鏝先へ伝導するようにするため、鏝先の芯材には良好な熱伝導性を有するCuが用いられている。しかし、Cuに直接はんだが接触すると、Cuがはんだ合金中のSnにより食われてしまい、鏝先形状が変形してはんだ鏝としての使用が困難になる。そこで、Snによる鏝先食われを抑制するため、鏝先にはFe及びFe合金メッキによる被覆が施されている。
【0005】
このように、鏝先の寿命を延ばす観点から、鏝先にはFe及びFe合金メッキによる被覆が施されているが、はんだ付けの自動化によりはんだ付けの回数が増加するにつれて、鏝先表面の被覆に食われが発生するようになってきた。Fe及びFe合金の食われが発生する原因は、はんだ合金中のSnとFeとが相互拡散により合金化し、これが溶融はんだ中のSnに溶解し易くなるためである。このため、はんだ鏝側の対応では限界があり、Fe食われの発生が抑制されるようなはんだ合金が検討されている。
【0006】
特許文献1では、Sn−Ag−Cu系はんだ合金にCoを0.1質量%以上添加した合金が提案されている。Feをはんだ合金に添加すると、その含有量が微量であってもSn−Fe合金が形成されてしまうため、特許文献1に記載の発明は、Feと同じ第8族に属するCoを0.1質量%以上添加することによって、はんだ合金中へのFeの拡散が抑制され、Fe食われを防止することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第4577888号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記のように、特許文献1に記載のはんだ合金はCoを0.1質量%以上含有するため、Coがはんだ合金中に分散してFeのはんだ合金中への拡散を抑制することから、鏝先の寿命を延ばすことができる。
【0009】
しかし、鏝先の寿命が延びるにつれて、新たな問題が発生することがわかった。CoはFe食われを抑制するものの炭素と反応しやすい性質も有する。このため、数千回のはんだ付けを行うと、鏝先に炭化物が付着する問題が表面化してきた。
【0010】
また、はんだ鏝を使用したはんだ付けでは、端子表面の酸化膜を破壊してはんだを濡れ易くするため、通常ロジンを基材とするフラックスが用いられており、はんだ付けの際には、はんだとともにロジンも加熱される。この時に、はんだ合金中のCoは、ロジンの炭素及び酸素と反応して多量の炭化物を生成し、鏝先に炭化物を付着させる。炭化物はCoとの化学反応により鏝先に付着しているため、エアークリーニングをしても鏝先から除去され難い。したがって、使用頻度が増加するにつれて炭化物の付着面積が増加し、最終的にはんだ付けが困難になってしまう。
【0011】
本発明の課題は、鏝先の長寿命化のために鏝先食われを抑制し、且つ炭化物の鏝先への付着が抑制されたFe食われ防止用はんだ合金、やに入りはんだ、線はんだ、やに入り線はんだ、フラックス被覆はんだ、およびはんだ継手を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、特許文献1に記載の合金組成において、Co含有量の低減により炭化物が鏝先に付着する量が低減したが、Co含有量の低減にともないFe食われが徐々に発生し始めた。そこで、本発明者らは、鏝先のFe食われの防止と炭化物の鏝先への付着抑制との両立を図るため、Co含有量を低減した合金組成において、Fe食われを抑制するために検討を行った。
【0013】
Co含有量を低減しつつFe食われを抑制するためには、同族の遷移金属であるNiを添加することが考えられる。NiはSnとの化合物を形成するためにはんだ合金の融点が上昇してしまうが、Co含有量の低減を補う程度にNiを微量添加すれば、Niの多量添加による上記問題が発生し難い。ただ、Niを微量添加しただけでは十分なFe食われ抑制効果を発揮することができない。
【0014】
そこで、本発明者らは、Snにほとんど固溶せずSnとの化合物を形成するために、従来では添加が避けられていたFeを微量添加した結果、偶然にも、Fe食われが抑制するとともに炭化物の鏝先への付着も抑制する知見が得られた。
【0015】
また、上記検討によって、Coの多量添加に加えてFeの多量添加によっても、Coと同様にロジンの炭素及び酸素と反応して多量の炭化物を生成するため、炭化が促進される知見も得られた。
【0016】
これらに加えて、上記合金組成中のAg含有量を増加させると、はんだ合金の濡れ性が飛躍的に向上する知見が得られた。
【0017】
これらの知見により得られた本発明は次の通りである。
(1)質量%でAg:0.2〜4.0%、Cu:0.1〜1.0%、Co:0.01〜0.04%、Ni:0.025〜0.1%、Fe:0.007〜0.015%、残部がSnからなる合金組成を有することを特徴とする、炭化物の鏝先への付着が抑制されたFe食われ防止用はんだ合金。
【0018】
(2)Ag:2.3〜4%を含有する、上記(1)に記載のFe食われ防止用はんだ合金。
【0019】
(3)上記(1)または上記(2)に記載のFe食われ防止用はんだ合金を有するやに入りはんだ。
【0020】
(4)上記(1)または上記(2)に記載のFe食われ防止用はんだ合金を有する線はんだ。
【0021】
(5)上記(1)または上記(2)に記載のFe食われ防止用はんだ合金を有するやに入り線はんだ。
【0022】
(6)はんだの表面がフラックスで被覆されている、上記(1)〜上記(5)のいずれか1項に記載のフラックス被覆はんだ。
【0023】
(7)上記(1)または上記(2)に記載のFe食われ防止用はんだ合金を有するはんだ継手。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明を以下により詳しく説明する。本明細書において、はんだ合金組成に関する「%」は、特に指定しない限り「質量%」である。
【0025】
1. 合金組成
(1) Ag:0.2〜4.0%以下
Agは、はんだ合金の濡れ性を向上させることができる元素である。Agは、0.2%以上含有すると濡れ性が顕著に向上する。また、Ag含有量が0.2%以上であると、上記効果に加えてはんだ合金の溶融温度を低下させるため、はんだ鏝の設定温度を下げることができ、これに加えてFe食われの発生をも抑制することができる。Ag含有量の下限は、好ましくは1.0%以上であり、特に好ましくは2.3%以上である。一方、Ag含有量が4.0%を超えると、SnAgの粗大な化合物が晶出し、はんだ付け作業を行う際、ブリッジ等の欠陥の原因になる。Ag含有量の上限は4.0%以下であり、好ましくは3.5%以下である。
【0026】
(2) Cu:0.1〜1.0%
Cuは、電極の材質がCuである場合に電極の食われを抑制することができる元素である。Cuが上記効果を発揮するためには、Cu含有量の下限は0.1%以上であり、好ましくは0.3%以上であり、より好ましくは0.5%以上である。一方、Cu含有量が1.0%を超えると、はんだ付けの作業温度(240℃〜450℃)の温度域にはんだ鏝温度を設定することができず、はんだ付けを行う電子部品の熱的損傷を与えてしまう。Cu含有量の上限は1.0%以下であり、好ましくは0.7%以下である。
【0027】
(3) Co:0.01〜0.04%以下
Coは、Fe食われを抑制する元素である。Coが上記効果を発揮するためには、Co含有量の下限は0.01%以上であり、好ましくは0.020%以上であり、より好ましくは0.025%以上である。一方、Co含有量が0.04%を超えると、ロジンの炭素及び酸素と反応して多量の炭化物を生成するために炭化が促進してしまう。Co含有量の上限は0.04%以下であり、好ましくは0.035%以下である。
【0028】
(4) Ni:0.025〜0.1%以下
Niは、Feに対する食われを抑制することができる元素である。また、Niは、上記効果に加えて、はんだ合金の耐疲労性を改善することができる。これらの効果を十分に発揮するため、Ni含有量の下限は0.025%以上であり、好ましくは0.035%である。また、Ni含有量が0.1%を超えると、Snとの化合物が形成されてはんだ合金の融点が上昇し、はんだ付けの作業温度(240℃〜450℃)の温度域にはんだ鏝温度を設定することができず、はんだ付けを行う電子部品の熱的損傷を与えてしまう。Ni含有量の上限は0.1%以下であり、好ましくは0.7%以下であり、より好ましくは0.5%以下である。
【0029】
(5) Fe:0.007〜0.015%
Feは、はんだ合金中へのFeの溶出を抑制し、はんだ鏝の鏝先を被覆するFe合金の食われを防止するために有効な元素である。Fe含有量が0.007%未満であるとこれらの効果を十分に発揮することができない。Fe含有量の下限は、0.007%以上であり、好ましくは0.009%以上であり、より好ましくは0.010%以上である。一方、Fe含有量が0.015%を超えると、炭化の発生が促進して鏝先に炭化物が多量に付着する。また、はんだ合金の溶融温度が高くなり過ぎてしまい、はんだ鏝の設定温度を上げなければならず、はんだ付けを行う電子部品の耐熱温度等の観点から好ましくない。Fe含有量の上限は0.015%以下であり、好ましくは0.013%以下であり、より好ましくは0.011%以下である。
【0030】
(6) 残部:Sn
本発明に係るはんだ合金の残部はSnである。前述の元素の他に不可避的不純物を含有してもよい。不可避的不純物を含有する場合であっても、前述の効果に影響することはない。また、後述するように、本発明では含有しない元素が不可避的不純物として含有されても前述の効果に影響することはない。
【0031】
2.はんだ合金の溶融温度
本発明に係るはんだ合金は、溶融温度が350℃以下であることが望ましい。これは、はんだ鏝によるはんだ付けの際、鏝先温度は通常350〜450℃に加熱されるためである。
【0032】
3.やに入りはんだ、線はんだ、やに入り線はんだ、フラックス被覆はんだ
本発明に係るはんだ合金は、予めはんだ中にフラックスを有するやに入りはんだに好適に用いられる。また、鏝にはんだを供給する観点から、線はんだの形態で用いることもできる。さらには、線はんだにフラックスが封止されているやに入り線はんだに適用することもできる。さらに、それぞれのはんだの表面にフラックスが被覆されていてもよい。これに加えて、はんだ中にフラックスを有さないはんだの表面にフラックスが被覆されていてもよい。
【0033】
はんだ中のフラックス含有量は、例えば1〜10質量%であり、フラックス中のロジン含有量は70〜95%である。一般に、ロジンは有機化合物であり炭素や酸素を含有することから、本発明では末端の官能基などに限定されることがない。
【0034】
4.はんだ継手
また、本発明における「はんだ継手」とは電極の接続部をいい、本発明に係るはんだ合金で接続部が形成される。また、電極の材質としては、Cu、Ni、Alが挙げられ、Cu電極にNi/Auメッキが施された電極であってもよい。
【実施例】
【0035】
表1に示すはんだ合金を作製した。これらのはんだ合金はいずれも溶融温度が350℃以下であることを確認した。このはんだ合金を用いてやに入りはんだを形成し、Fe食われと炭化について評価を行った。評価した結果を表1に示す。
<Fe食われ>
自動はんだ付け装置(JAPAN UNIX(登録商標)社製、UNIX(登録商標)−413S)を用いて、鏝先の温度は380℃とし、はんだ送りスピードは10mm/秒とし、はんだ送り量は1ショットで15mmとして大気中ではんだ付けを行い、10ショット毎に1回、鏝先にエアークリーニングを行いながら、鏝先のFe食われを評価した。使用した鏝は、JAPAN UNIX(登録商標)社製の型番がP2D−Rであり、鏝の芯であるCuの表面に膜厚が500μmのFeメッキが施されている。また、やに入りはんだは、はんだ中のフラックス含有量が3質量%であり、フラックス中のロジン含有量が90%のものを用いた。
【0036】
Fe食われの評価方法は、25000ショット時に、鏝先のFeメッキに穴が開き、芯材のCuが露出した状態を「×」とし、穴が開いていない状態を「○」とした。
<炭化>
自動はんだ付け装置(JAPAN UNIX(登録商標)社製、UNIX(登録商標)−413S)を用いて、鏝先の温度は380℃とし、はんだ送りスピードを10mm/秒とし、はんだ送り量は1ショットで15mmとしてはんだ付けを行い、10ショット毎に1回エアークリーニングを行いながら、鏝先の炭化を評価した。使用したやに入りはんだはFe食われの評価で用いたものである。
【0037】
炭化の評価方法は、5000ショット時に、鏝先のFeメッキ部分に炭化物が付着していない状態を「○○」とした。3000ショット時に、鏝先のFeメッキ部分に炭化物が付着していない状態を「○」とした。3000ショット時に、鏝先のFeメッキ部分に炭化物が付着した状態を「×」とした。鏝先のFeメッキ部分に炭化物が付着すると、はんだとの接触面積が小さくなり、はんだ付け性が悪くなる。
<ゼロクロスタイム>
メニスコグラフによるはんだぬれ性試験方法により、それぞれゼロクロスタイムを測定した。試験条件はJIS Z3197に基づく。
【0038】
温度:融点+35±3℃
フラックス:千住金属工業株式会社製RMA02
浸漬深さ:2mm、浸漬速度:20mm/sec
浸漬時間:10sec
供給材の外形寸法:30×10×0.3mm
材質:Cu
1.0秒未満を「○○」、1.0秒以上1.3秒未満を「○」、1.3秒以上を「×」とした。
【0039】
【表1】
【0040】
表1に示すように、実施例1〜23では、いずれも、鏝先食われの評価が○であり、Fe食われの評価が○であり、炭化の評価が○○もしくは○であり、ゼロクロスタイム評価もが○○もしくは○であった。特に、Ag含有量が2.3%以上である実施例1〜13では、良好な濡れ性を示した。
【0041】
一方、比較例1および比較例3はCo含有量が多いために炭化が×であった。このため、Fe食われの評価を行わなかった。
【0042】
比較例2および比較例4はNiおよびFeを含有しないためにFe食われが×であった。
【0043】
比較例5はAgを含有しないために濡れ性が×であった。
比較例6はFe含有量が多いために炭化が×であった。
【0044】
本発明に係るはんだ合金は、特に、はんだ鏝によるはんだ付けを数千回以上行う場合に適している。コテロボットによるはんだ付けを行う場合には、はんだ付け回数が直ぐに数千回に達するため、はんだ鏝の寿命が延びたことによって生じるロジンの炭化を抑制することが可能である。
【0045】
比較例7は、Fe含有量が多いために炭化が×であった。
比較例8は、Co含有量が多いために炭化が×であった。
【0046】
比較例9は、Feを含有しないためにFe食われが×であった。
【要約】
鏝先の長寿命化のために、鏝先食われを抑制し、且つ、炭化物の鏝先への付着が抑制されたFe食われ防止用はんだ合金、やに入りはんだ、線はんだ、やに入り線はんだ、フラックス被覆はんだ、およびはんだ継手を提供する。質量%でAg:0.2〜4.0%、Cu:0.1〜1.0%、Co:0.01〜0.04%、Ni:0.025〜0.1%、Fe:0.007〜0.015%、残部がSnからなる合金組成を有し、炭化物の鏝先への付着が抑制されたFe食われ防止用として使用される。