特許第6344580号(P6344580)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6344580
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】洗濯機の制御方法および洗濯機
(51)【国際特許分類】
   D06F 33/02 20060101AFI20180611BHJP
   D06F 39/10 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   D06F33/02 T
   D06F39/10 E
【請求項の数】17
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-563821(P2016-563821)
(86)(22)【出願日】2014年7月2日
(65)【公表番号】特表2017-522913(P2017-522913A)
(43)【公表日】2017年8月17日
(86)【国際出願番号】CN2014081454
(87)【国際公開番号】WO2015168983
(87)【国際公開日】20151112
【審査請求日】2017年3月23日
(31)【優先権主張番号】201410192501.4
(32)【優先日】2014年5月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QingDao Haier Washing Machine Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】▲トウ▼金柱
【審査官】 長清 吉範
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/143785(WO,A1)
【文献】 特開2001−286698(JP,A)
【文献】 特開2013−169266(JP,A)
【文献】 国際公開第2015/021722(WO,A1)
【文献】 国際公開第2015/143784(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 33/02
C02F 1/52
D06F 39/02
D06F 39/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環水処理機能を有し、洗濯が終了した水を凝集容器に排出し、凝集処理後、ろ過容器でろ過し、その後、洗濯機の洗濯槽に排出してすすぎを行い、該処理過程をすすぎが完了するまで繰り返し循環する洗濯機の制御方法であって、最後の回のすすぎ過程で、循環処理水の凝集段階で生じる凝集物を排出し、すすぎが完了すると、すすぎ水を利用して凝集容器を洗浄するように制御すること、および、
凝集容器を洗浄した後の汚れた水がろ過容器に排出され、ろ過容器から排出されることを特徴とする、洗濯機の制御方法。
【請求項2】
すすぎ水による凝集容器の洗浄が完了すると、水道水を取水してろ過容器を洗い流すことを特徴とする、請求項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項3】
水の凝集処理の過程が、まず定量の凝集剤を投入し、その後、水道水を取水して定量の凝集剤を凝集容器に流入させ、設定時間撹拌した後、設定時間静置して分離させ、下層の凝集物が少ないきれいな水をろ過容器に導入し、上層の凝集物を凝集容器内に集め、最後の回のすすぎ過程で、凝集物を排出することを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項4】
水を循環処理する過程において、凝集容器内の凝集物が設定した上限を超えていることを検出した場合、まず当該回の凝集を完了し、凝集物を排出してから次の回の水の凝集処理を行うことを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項5】
凝集物を排出するとき、排出しながら撹拌し、排出が終了すると停止することを特徴とする、請求項1またはまたはに記載の洗濯機の制御方法。
【請求項6】
処理後の水を洗濯槽に導入するたびに、測定水位および設定水位の比較に基づいて、水道水を給水する必要があるかどうかを判断することを特徴とする、請求項1に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項7】
洗剤投入量、洗濯取水量、および各回の凝集処理の水量に基づいて、当該回の水の凝集処理で必要な凝集剤投入量を計算することを特徴とする、請求項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項8】
静置、分離後、下層の凝集物が少ないきれいな水をろ過容器に排出し、静置時間は既定値により固定するか、または凝集剤投入量および凝集水量に基づいて算出するか、または濁度を測定して得られることを特徴とする、請求項に記載の洗濯機の制御方法。
【請求項9】
洗濯槽、凝集容器およびろ過容器を含み、管路を介して順番に洗濯槽、凝集容器、ろ過容器から再び洗濯槽まで循環して通じる請求項1〜のいずれか1項に記載の制御方法を備えた洗濯機であって、
凝集容器に、撹拌して凝集剤の溶解を速める撹拌機構と、凝集容器の内壁を洗い流して洗浄する洗浄機構とが設けられ;
ろ過容器内に、回転可能なろ過機構と、取水水流を利用して、ろ過機構を噴射洗浄するろ過自動洗浄機構とが設けられ;
前記ろ過容器に、洗濯槽と通じるろ過出水口と、洗浄水を排出する放出口とが設けられ、凝集容器がろ過容器と通じ、凝集容器を洗浄した洗浄水はろ過容器に排出され、その後、ろ過容器の放出口から排出されることを特徴とする、洗濯機。
【請求項10】
前記撹拌機構が、凝集容器の外部に取り付けられる撹拌モータと、凝集容器の内部に延伸する撹拌軸と、撹拌軸に取り付けられる撹拌インペラとを含み、前記洗浄機構が、取水を凝集容器の内壁方向に放つ放水インペラを含み、前記放水インペラが撹拌軸に同軸に取り付けられることを特徴とする、請求項に記載の洗濯機。
【請求項11】
前記撹拌インペラの湾曲方向が、撹拌過程で撹拌軸が回転する方向と反対であることを特徴とする、請求項10に記載の洗濯機。
【請求項12】
前記凝集容器内に、取水を放水インペラ上に誘導する水誘導溝が設けられることを特徴とする、請求項10または11に記載の洗濯機。
【請求項13】
前記ろ過機構が、筒形のろ過タンクと、ろ過タンクに設けられるろ過ネットとを含み、ろ過タンクの両端はろ過容器の旋回軸と接続され、その一端が回転コネクタであり、もう一端は軸が密封されることを特徴とする、請求項に記載の洗濯機。
【請求項14】
前記ろ過機構の回転軸の方向および水平面が傾斜夾角α(0≦α≦30°)を有することを特徴とする、請求項13に記載の洗濯機。
【請求項15】
前記ろ過容器に、凝集容器と通じるろ過取水口と、ろ過後の水を排出するろ過出水口と、洗浄廃水を外部に排出する放出口とが設けられ、ろ過出水口がろ過機構の回転コネクタと通じることを特徴とする、請求項13に記載の洗濯機。
【請求項16】
前記ろ過自動洗浄機構が噴射ヘッドを含み、噴射ヘッドがろ過容器上に取り付けられ、噴水方向がろ過機構の表面に作用し、ろ過機構を回転させることを特徴とする、請求項13または14または15に記載の洗濯機。
【請求項17】
前記ろ過自動洗浄機構がろ過タンク表面に設けられるブレードをさらに含み、ブレードを噴射ヘッドの噴水方向に対応して設置することにより、水流がろ過タンクを回転させる動力が伝達されることを特徴とする、請求項16に記載の洗濯機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機分野に関し、具体的に循環節水洗濯機および制御方法であり、特に凝集、ろ過による水の循環処理機能を備えた洗濯機および制御方法である。
【背景技術】
【0002】
人々の生活レベルの向上に伴い、洗濯機はすでに日常生活において主要な家電の1つとなっている。洗濯機の衣類洗浄過程は、主に洗濯、すすぎ、脱水の数段階を含み、洗濯機は洗濯段階で取水し、洗剤により衣類を洗濯する。すすぎ段階に入ると、汚れおよび残った洗剤を洗い落とすために、より多くの水を取水するか、またはすすぎ回数をより多くして衣類をすすぐ必要があり、これは必然的に大量の水資源を消費する。たとえ節水のドラム式洗濯機であっても、衣類をすすぐために、少なくとも2回すすぐ必要があり、この過程で少なくとも30L以上の水道水を消費する。時には、衣類の汚れが比較的少ないか、または投入する洗剤が比較的少なく、2回できれいにすすぐことができるが、ユーザが3回のすすぎを選択することにより、必然的に水資源の浪費が引き起こされる。例えば6Kgの全自動洗濯機は、一般的に2回のすすぎを行うと、基本的に100リットル前後の水を使用する。いかにして衣類を洗浄するのと同時に、節水節電を行うかということは、常に消費者が関心を寄せる焦点の1つである。
【0003】
現在まで、家庭用洗濯機に組み合わせて使用する、水の浄化および循環利用装置はいまだない。たとえいわゆる節水機能を備えた洗濯機であっても、一般的に洗濯機の側部に貯水タンクを取り付けたものである。水ポンプを使用して注水および排水を行い、一般的に1回の注水ですすぎを3回行うことができ、節水機能を示す。しかし、洗濯後の水を保存することができず、さらに洗濯機本体の構造を複雑、膨大にし、輸送、回収処理などに不利である。体積、構造および適応性などの面の制限により、洗濯機が元々有する機能および節水タンク自体の機能に影響を及ぼしている。既存の洗濯機の方式を基に、より良好に水資源の節約を行うため、多くのメーカが多くの研究開発を行っている。
【0004】
既存の水循環機能を備えた洗濯機は、糸くずをろ過する、洗濯を均一にする、またはオゾン、重金属イオンを添加して殺菌する、などの作用を示すのみである。水の消費量を改善することはできず、洗浄についての根本的な向上はない。
【0005】
衣類洗浄水の循環利用について、関連する特許文献を調べると、中国特許出願番号第200810072420.5号の「洗濯機の循環水使用節水装置」は、衣類洗浄水を1つの水槽内に送り込み、浄化処理を行う。該発明では、1回目の衣類洗浄水は浄化せずに直接排出し、2回目、3回目のすすぎ水を浄化処理した後、後に次回の衣類洗浄時に使用する。
【0006】
上記技術における「循環水使用技術」は、すすぎ水を浄化後に使用する。該技術は、1回目の衣類洗浄水(初回の洗濯水)を循環利用することができない。浄化後の水を後に次回の衣類洗浄でも使用するものであり、進行中の衣類洗浄時に使用することはできない。
【0007】
既存の水を凝集処理する技術は多くが工業で用いられ、装置は比較的大きく、水処理、特に水道水の処理に対する要求は比較的厳しい。洗濯機は衣類を洗濯し、粉末洗剤、洗剤などの洗濯用添加剤を処理する必要があるのみであるため、直接既存の大型装置を縮小して使用するにはコストが比較的高く、その必要もない。したがって、コストを低下させ、洗濯水の循環使用を実現することができる水の凝集処理装置の研究が必要である。他に、水の凝集処理装置の衛生面を保持するために、これを洗浄する必要もある。
【0008】
このことを考慮して、特に本発明を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】中国特許出願番号第200810072420.5号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明が解決しようとする技術的問題は、既存技術の不足を克服し、凝集、ろ過技術を利用して水を循環処理する洗濯機の制御方法を提供することである。
【0011】
本発明のもう1つの目的は、該洗濯機の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記技術的問題を解決するため、本発明で採用する技術案の基本的構想は次の通りである。洗濯機の制御方法において、該洗濯機は循環水処理機能を有し、洗濯が終了した水を凝集容器に排出し、凝集処理後、ろ過容器でろ過し、その後、洗濯機の洗濯槽に排出してすすぎを行う。該処理過程をすすぎが完了するまで繰り返し循環し、最後の回のすすぎ過程で、循環処理水の凝集段階で生じる凝集物を排出し、すすぎが完了すると、すすぎ水を利用して凝集容器を洗浄するように制御する。
【0013】
さらに、凝集容器を洗浄した後の汚れた水がろ過容器に排出され、ろ過容器から排出される。
【0014】
さらに、すすぎ水による凝集容器の洗浄が完了すると、水道水を取水してろ過容器を洗い流す。
【0015】
さらに、水を凝集処理する過程は、まず定量の凝集剤を投入し、その後、水道水を取水して定量の凝集剤を凝集容器に流入させる。設定時間撹拌した後、設定時間静置して分離させ、下層の凝集物が少ないきれいな水をろ過容器に導入する。上層の凝集物を凝集容器内に集め、最後の回のすすぎ過程で、凝集物を排出する。
【0016】
さらに、水を循環処理する過程において、凝集容器内の凝集物が設定した上限を超えていることを検出した場合、まず当該回の凝集を完了し、凝集物を排出してから次の回の水の凝集処理を行う。
【0017】
さらに、凝集物を排出するとき、排出しながら撹拌し、排出が終了すると停止する。
【0018】
さらに、処理後の水を洗濯槽に導入するたびに、測定水位および設定水位の比較に基づいて、水道水を給水する必要があるかどうかを判断する。
【0019】
さらに、洗剤投入量、洗濯取水量、および各回の凝集処理の水量に基づいて、当該回の水の凝集処理で必要な凝集剤投入量を計算する。
【0020】
さらに、静置、分離後、下層の凝集物が少ないきれいな水をろ過容器に排出する。静置時間は既定値により固定するか、または凝集剤投入量および凝集水量に基づいて算出するか、または濁度を測定して得られる。

【0021】
本発明の前記洗濯機は、洗濯槽、凝集容器およびろ過容器を含み、管路を介して順番に洗濯槽、凝集容器、ろ過容器から再び洗濯槽まで循環して通じる。
凝集容器に、撹拌して凝集剤の溶解を速める撹拌機構と、凝集容器の内壁を洗い流して洗浄する洗浄機構とが設けられる。
ろ過容器内に、回転可能なろ過機構と、取水水流を利用して、ろ過機構を噴射洗浄するろ過自動洗浄機構とが設けられる。
前記ろ過容器に、洗濯槽と通じるろ過出水口と、洗浄水を排出する放出口とが設けられる。凝集容器はろ過容器と通じ、凝集容器を洗浄した洗浄水はろ過容器に排出され、その後、ろ過容器の放出口から排出される。
【0022】
さらに、前記撹拌機構は、凝集容器の外部に取り付けられる撹拌モータと、凝集容器の内部に延伸する撹拌軸と、撹拌軸に取り付けられる撹拌インペラとを含む。前記洗浄機構は、取水を凝集容器の内壁方向に放つ放水インペラを含み、前記放水インペラは撹拌軸に同軸に取り付けられる。
【0023】
撹拌インペラは撹拌軸の底端に取り付けられ、放水インペラは撹拌軸の撹拌モータに近い位置に取り付けられる。取水して凝集容器を洗浄するとき、撹拌モータは高速で放水インペラを回転させる。放水インペラの回転遠心力の作用により、取水を一定速度で凝集容器の内周壁に放ち、洗浄する。放水範囲を拡大するため、撹拌モータを制御して様々な回転速度で段階的に動作させる。
【0024】
さらに、前記撹拌インペラの湾曲方向は、撹拌過程で撹拌軸が回転する方向と反対である。
【0025】
さらに、凝集容器内に、取水を放水インペラ上に誘導する水誘導溝が設けられる。
【0026】
さらに、前記凝集容器に凝集取水口、凝集剤投入口、および凝集出水口が設けられ、凝集取水口は洗濯槽と通じる。凝集出水口はろ過容器のろ過取水口と通じ、該凝集出水口は、凝集水をろ過容器内に排出する凝集水の出口であり、洗浄水をろ過容器内に排出する洗浄水の出口でもある。
【0027】
さらに、前記ろ過機構は、筒形のろ過タンクと、ろ過タンクに設けられるろ過ネットとを含む。ろ過タンクの両端はろ過容器の旋回軸と接続され、その一端は回転コネクタであり、もう一端は軸が密封される。
【0028】
さらに、前記ろ過機構の回転軸の方向および水平面は傾斜夾角α(0≦α≦30°)を有する。
【0029】
さらに、前記ろ過容器に、凝集容器と通じるろ過取水口と、ろ過後の水を排出するろ過出水口と、洗浄廃水を外部に排出する放出口とが設けられ、ろ過出水口はろ過機構の回転コネクタと通じる。
【0030】
さらに、前記ろ過自動洗浄機構は噴射ヘッドを含み、噴射ヘッドはろ過容器上に取り付けられ、噴水方向がろ過機構の表面に作用し、ろ過機構を回転させる。
【0031】
さらに、前記ろ過自動洗浄機構は、ろ過タンク表面に設けられるブレードをさらに含む。ブレードを噴射ヘッドの噴水方向に対応して設置することにより、水流がろ過タンクを回転させる動力が伝達される。
【0032】
さらに、本発明の洗濯機は、凝集剤定量自動投入装置をさらに含む。洗濯水量および洗濯/すすぎ水の混濁度に基づいて、凝集処理するたびに、対応する比率の凝集剤が自動投入される。凝集剤がタブレット状である場合、既存のタブレット状洗剤の自動投入構造を採用することができる。凝集剤が顆粒または粉状である場合、既存技術の定量投入構造を採用する。
【発明の効果】
【0033】
上記技術案を採用すると、本発明は既存技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0034】
1、凝集容器およびろ過容器はいずれも自動洗浄を実現し、手動で掃除する工程が省かれ、自動化の程度が上昇した。構造は簡単であり、生産コストを節約することができる。
2、取水を利用して、凝集容器の内壁に放水して洗浄し、さらに取水を利用してろ過機構を洗い流す。構造は簡単である。
3、本発明の凝集容器を洗浄した水がろ過容器を経過することによって、事前にろ過容器を予備洗浄することもできる。後にきれいな水を取水して2次洗浄し、洗浄効果はより良好である。
4、本発明は、凝集した凝集物を排出する過程を最後の回のすすぎと同時に行い、時間を節約する。すすぎ水を利用して凝集容器を洗い流し、水資源を相対的に節約する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
図1図1は、本発明の前記洗濯機の概要図である。
図2図2は、本発明の前記凝集容器およびろ過容器を組み立てた構造概要図である。
図3図3は、本発明の前記ろ過容器の概要図である。
図4図4は、図3のA−A方向の断面概要図である。
図5図5は、図3のB−B方向の断面概要図である。
図6図6は、本発明の前記凝集容器の概要図である。
図7図7は、本発明の前記撹拌機構および洗浄機構の構造概要図である。
図8図8は、本発明の洗濯機の制御方法におけるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下に、図を組み合わせて、本発明の具体的実施方式についてさらに詳細に記載する。
【0037】
図1および図2に示すように、本発明の前記洗濯機は、パルセータ式洗濯機およびドラム式洗濯機を含むが、これに限定されない。洗濯機は普通の洗濯機の各部分を備える必要があり、主取水バルブ1、洗濯用の洗濯槽2、洗濯を制御する制御盤、駆動装置、洗剤自動投入装置、および排水バルブ3を含む。本発明はこれを基に改良を行い、凝集剤を利用して洗濯水を凝集処理する凝集容器4と、凝集処理水をろ過するろ過容器5と、洗濯槽2、凝集容器4、ろ過容器5を接続する管路と、処理水を再び洗濯槽2内に排出する排水ポンプ6とを増加した。凝集容器4は、水流を撹拌して凝集剤の溶解を速める撹拌機構7を有し、凝集容器の内壁を洗い流して洗浄する洗浄機構8をさらに有する。ろ過容器5内に、回転可能なろ過機構9と、取水水流を利用してろ過機構を噴射洗浄するろ過自動洗浄機構10とが設けられる。前記ろ過容器5に、洗濯槽2と通じるろ過出水口51と、洗浄水を排出する放出口52とが設けられる(図3を参照)。凝集容器4はろ過容器5と通じ、凝集容器4を洗浄した洗浄水はろ過容器5に排出され、その後、ろ過容器の放出口52から排出される。
【0038】
図2に示すように、前記凝集容器4に凝集取水口41および凝集出水口42が設けられ、凝集取水口41は洗濯機の洗濯槽2と排水管路を介して通じ、この間に排水バルブ3が設けられる。ろ過容器5に、凝集出水口42と通じるろ過取水口53がさらに設けられる。ろ過容器の放出口52に放出バルブ11が設けられ、凝集出水口42とろ過取水口53との間に連通バルブ12が設けられる。本発明の洗濯機に、凝集剤定量投入装置13および投入洗浄バルブ14(図1を参照)がさらに設けられ、投入洗浄バルブ14から取水され、凝集剤定量投入装置13から投入される定量の凝集剤を凝集容器4に流入させる。
【0039】
図8に示すように、本発明の洗濯機は、洗濯終了後、排水バルブ3を制御して洗濯水を凝集容器4に導入し、その後、凝集剤定量投入装置13から定量M1の凝集剤が投入される。各回の凝集剤の投入量M1は、洗濯機の制御盤が洗剤投入量および洗濯水量により算出する。投入洗浄バルブ14を一定時間t1開くと、取水して凝集剤が凝集容器4に流入する。t1は凝集剤の投入量と関係する。その後、撹拌機構7が設定時間t2(t2は固定値)撹拌する。凝集過程の終了後、設定時間t3静置することにより、凝集後の凝集物が浮く。t3は凝集物の分離効果に基づいて決定し、固定値でよいが、濁度の測定結果に基づいて決定することもできる。その後、凝集容器底部とろ過容器5との間の連通バルブ12が開き、凝集容器4内の下層の凝集物が比較的少ないきれいな水がろ過容器5に排出される。ろ過機構9が凝集後の水をろ過し、ろ過後、排水ポンプ6により洗濯機の洗濯槽2に戻される。ろ過の速度は排水ポンプが吸引する速度より遅くなることがあるため、排水ポンプ6は実際の状況に基づいて断続的に動作することができる。
【0040】
ろ過後の水を洗濯機の洗濯槽2に排出した後、連通バルブ12を閉じ、排水ポンプ6を停止する。洗濯機が洗濯槽内の水位を測定し、給水後にすすぎを行う。すすぎ後に凝集処理プログラムを繰り返し実行し、凝集剤の投入量はすすぎ回数に基づいてM2、M3、M4…と変化する。最後の回のすすぎ時は、凝集処理を行わず、洗浄プログラムに変更する。洗浄プログラムは3つの部分に分けられる。(1)放出:最後の回のすすぎを開始するとき、連通バルブ12および放出バルブ11が同時に開き、撹拌モータが回転し、時間t4続ける。t4は、凝集容器4内に残留する水量および排水速度に基づいて算出するか、または凝集容器4内に水位センサを取り付け、水の排出の終了を検出すると、停止する。(2)凝集容器4の洗浄:排水バルブ3が動作し始めると、撹拌機構7が同時に動作し、連通バルブ12および放出バルブ11は同時に開く。排水が終了すると、連通バルブ12が閉じ、放出バルブ11は開いた状態を保持する。(3)ろ過容器5の洗浄:主取水バルブ1が開き、時間t5続ける。洗浄終了後5S、ろ過容器5内の水をきれいに排出し、その後、放出バルブ11を閉じる。洗浄過程がすべて終了すると、洗濯機のプログラムが全て終了する。
【実施例】
【0041】
実施例1
本発明に記載する洗濯機の水循環処理の制御方法は、次の通りである。水循環処理は、洗濯機の洗濯水を凝集処理した後、循環して再び使用する。洗剤投入量、洗濯取水量、および各回の凝集処理の水量に基づいて、当該回の水の凝集処理で必要な凝集剤投入量を計算する。
【0042】
このうち、洗濯機は衣類投入量に基づいて、対応する洗濯取水量を選択する。該洗濯取水量は、水位測定装置により取水水位を測定して算出するか、または取水流量計および取水時間により算出することができる。衣類投入量および衣類の汚れの程度に基づいて、洗剤投入量を算出する。衣類の汚れの程度は一般にユーザが確定して選択する。衣類の汚れの程度に対応して、洗濯機には弱、中、強の3つのレベルが設けられるが、3つのレベルに限定されない。または、洗濯機は衣類の汚れの程度を自動測定する機能を備える。これは既存技術である。
【0043】
具体的に、洗濯終了後、水を凝集容器に排出して凝集処理する。凝集処理する水量を測定してL1とし、洗剤投入量をMとし、洗濯取水量をLとする。洗濯水を凝集処理するとき、凝集剤の投入量は洗剤の量に基づいて確定される。すなわち処理水中の洗剤含量がMのとき、凝集剤投入量はaMである。本発明は、洗濯水を凝集容器内に移して凝集処理するものであり、したがって水量は変化する。凝集容器内の水量に基づいて計算すると、凝集剤投入量はN1=aML1/L(式中、aは定数であり、洗剤および凝集剤のタイプと関係する)である。凝集が終了すると、処理後の水を再び洗濯槽に導入してすすぎを行う。
【0044】
1回目のすすぎが終了すると、水を凝集容器に排出して2回目の凝集処理を行う。洗濯液の濃度が低くなるため、凝集剤投入量は2回目の凝集処理の水量に基づいて調整する必要がある。2回目の凝集処理の水量を測定してL2とすると、当該回の水の凝集処理で必要な凝集剤投入量はN2=[aM(L−L1)/L]+bL2(式中、bは定数であり、洗剤および凝集剤のタイプと関係する)である。凝集が終了すると、処理後の水を再び洗濯槽に導入して2回目のすすぎを行う。
【0045】
2回目のすすぎが終了すると、水を凝集容器に排出して3回目の凝集処理を行う。(N1+N2)/aMの値を計算し、設定値tと比較する。(N1+N2)/aMがtより大きい場合、一定の凝集剤量N3=Nminを投入し、そうでない場合、一定の凝集剤量N3=Nmaxを投入する。Nmax>Nmin、NmaxおよびNminは設定値である。
【0046】
一般的に、洗濯機の衣類の洗濯は、2回すすぐことが習慣となっている。すすぎを数回行う必要がある場合、i(i≧3)回目の凝集処理のとき、以下の値を計算する。設定値tと比較して、tより大きい場合、一定の凝集剤量Ni=Nminを投入し、そうでない場合、一定の凝集剤量Ni=Nmaxを投入する。
【0047】
【数1】
【0048】
実施例2
図6および図7に示すように、本実施例の前記撹拌機構7は、凝集容器4の外部に取り付けられる撹拌モータ71と、凝集容器4の内部に延伸する撹拌軸72と、撹拌軸72に取り付けられる撹拌インペラ73とを含む。前記洗浄機構8は、取水を凝集容器4の内壁方向に放つ放水インペラ81を含み、放水インペラ81は撹拌軸72に同軸に取り付けられる。凝集容器4内に、取水を凝集容器の取水口41から放水インペラ81上に誘導する水誘導溝43が設けられる。該水誘導溝構造は不可欠ではない。例えば、取水口41を放水インペラ81の上方に設けると、取水は直接放水インペラに到る。
【0049】
撹拌インペラ73は撹拌軸72の底端に取り付けられ、放水インペラ81は撹拌軸72の撹拌モータ71に近い位置に取り付けられる。取水して凝集容器4を洗浄するとき、撹拌モータ71は高速で放水インペラ81を回転させる。放水インペラの回転遠心力の作用により、取水を一定速度で凝集容器の内周壁に放ち、洗浄する。放水範囲を拡大するため、撹拌モータを制御して様々な回転速度で動作させる。このようにして、放水は凝集容器の内周壁の様々な高さに落ちる。
【0050】
実施例3
図4および図5に示すように、本実施例の前記ろ過機構9は、ろ過タンク91と、ろ過タンクに設けられるろ過ネット92とを含む。ろ過タンク91の両端はろ過容器5の旋回軸と接続され、その一端はろ過出水口51と通じる回転出水コネクタ93であり、もう一端は軸が密封される。前記ろ過機構9の回転軸の方向Lおよび水平面Rは傾斜夾角α(0≦α≦30°)を有する。ろ過機構を傾斜して、または横向きに設置することにより、ろ過面積を大きくし、ろ過速度を速めることができるだけでなく、ろ過ネットの洗浄に有利である。
【0051】
本実施例のろ過水流の経路は、凝集容器4で凝集された後の処理水がろ過取水口53からろ過容器5内に進入し、ろ過ネット92でろ過された後、ろ過タンク91内に進入する。さらに端部の回転出水コネクタ93からろ過出水口51を経過して、洗濯機の洗濯槽2内に排出される。
【0052】
実施例4
図3から図5に示すように、本実施例の前記ろ過自動洗浄機構10は噴射ヘッド101を含み、噴射ヘッド101はろ過容器5上に取り付けられ、噴水方向がろ過機構9の表面に作用し、ろ過機構9を回転させる。さらに取水水流を利用して、ろ過ネット92を噴射洗浄することができる。噴射ヘッド101の噴水方向は、ろ過タンク91の接線に近い方向である。ろ過機構は水平面から小さい角度で傾斜して設置されるため、噴水の圧力および重力がろ過タンク表面に作用し、ろ過機構を回転させる衝撃力が大きくなる。
【0053】
さらに、前記ろ過自動洗浄機構10は、ろ過タンク91の表面に設けられるブレード94をさらに含む(図5を参照)。ブレード94を噴射ヘッド101の噴水方向に対応して設けることにより、水流がろ過機構9を回転させる動力が伝達される。
【0054】
本発明は、モータを使用してろ過タンクを回転させることもできる。さらに、モータを使用して動かし、噴射を同時に行う方式により、遠心力および水流の衝撃力でろ過タンクのろ過ネットを洗浄することもできる。
【0055】
上記実施例の実施案はさらに組合せまたは置換を行うことができ、また実施例は本発明の好ましい実施例について記載したに過ぎず、本発明の構想および範囲を限定しない。本発明の設計の発想を逸脱しない前提の下、当業者が本発明の技術案に対して行う各種の変更および改良は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8