特許第6344583号(P6344583)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6344583
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】定電圧回路
(51)【国際特許分類】
   G05F 1/56 20060101AFI20180611BHJP
【FI】
   G05F1/56 320C
   G05F1/56 310F
【請求項の数】5
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2017-142876(P2017-142876)
(22)【出願日】2017年7月24日
【審査請求日】2017年7月24日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514231273
【氏名又は名称】リコー電子デバイス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 卓二
(74)【代理人】
【識別番号】100081422
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 光雄
(74)【代理人】
【識別番号】100125874
【弁理士】
【氏名又は名称】川端 純市
(72)【発明者】
【氏名】日野 高宏
【審査官】 佐藤 匡
(56)【参考文献】
【文献】 特開2009−037303(JP,A)
【文献】 特開2007−036653(JP,A)
【文献】 特開2009−296643(JP,A)
【文献】 特開2002−343874(JP,A)
【文献】 特開2015−005054(JP,A)
【文献】 特開2011−151637(JP,A)
【文献】 特開2004−222015(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05F 1/56,
H03F 1/00−3/45
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
入力された2個の入力電圧の電圧差を増幅して出力する差動増幅回路と、入力段の電流対と、出力段の電流対とを含むトランスコンダクタンスアンプと、
前記差動増幅回路の出力端子と、前記出力段の電流対の出力端子との間に接続された位相補償回路とを備えた定電圧回路であって、
前記位相補償回路は、少なくとも前記トランスコンダクタンスアンプを構成するトランジスタの耐圧よりも低い耐圧を有する容量を含み、
前記定電圧回路は、
前記位相補償回路の両端の電圧が所定の電圧以上にならないように電圧を制御する電圧制限回路であって、前記トランスコンダクタンスアンプの差分増幅回路の出力端子と電源との間と、前記トランスコンダクタンスアンプの出力段の電流対の出力端子と電源との間とにそれぞれ設けられた2個の電圧制限回路を備えたことを特徴とする定電圧回路。
【請求項2】
前記各電圧制限回路は、ツェナーダイオードを含むことを特徴とする請求項記載の定電圧回路。
【請求項3】
前記各電圧制限回路は、少なくとも1つのダイオードを含むことを特徴とする請求項記載の定電圧回路。
【請求項4】
前記各電圧制限回路は、複数のダイオードが互いに同一の方向で直列に接続されて構成されたことを特徴とする請求項記載の定電圧回路。
【請求項5】
前記各ダイオードは、ゲートとドレインが接続されたトランジスタであることを特徴とする請求項又は記載の定電圧回路。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定電圧回路に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、演算増幅回路等を使用した定電圧回路では、消費電流を低減させると、発振に対する安定性を確保することが難しくなる。それを回避する手段として、位相補償容量を大きくする手法がある。しかし、位相補償容量を大きくする事で、チップ面積が大きくなる点やコストが増大する問題点がある。
【0003】
それを解決する手段として、容量を構成するMOSトランジスタのゲート酸化膜を薄くすることで、単位面積あたりの容量値を大きくすることができる。しかし、ゲート酸化膜を薄くすることは破壊耐圧が小さくなり、ICの致命的破壊に繋がり兼ねない。そこで容量の両端にダイオードを接続することで、酸化膜破壊を防ぐ方法が既に知られている(例えば、特許文献1参照)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、今までの容量の両端をダイオードでクランプする方法では、ダイオードの接合容量が容量と並列に、所望の容量値以外の容量値が接続され、安定性を確保するための位相補償設計が難くなる課題があった。
【0005】
特に、ダイオードはバイアス依存により、接合容量が変化するため、定電圧回路の状態などによって容量値が変化し、より一層設計がし難くなるという課題があった。また、ダイオードをPN接合で構成した場合、高温時に半導体基板内のN領域と、当該半導体基板のP型基板領域でリーク電流が流れ、本来、演算増幅回路で流れるはずの電流が、リーク電流として消費してしまうため、反転入力と非反転入力との間にオフセット電圧が発生する課題があった。それを回避する手段として、演算増幅回路の消費電流を増やすことで改善をすることは可能であるが、低消費という課題は解決できない。
【0006】
本発明の目的は、ゲート酸化膜が薄いトランジスタで容量を構成した場合、酸化膜破壊を防ぐと同時に、低消費電流でも安定動作が可能な定電圧回路を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一態様にかかる定電圧回路は、入力された2個の入力電圧の電圧差を増幅して出力する差動増幅回路を含む第1の増幅回路部と、前記第1の増幅回路部の後段に設けられた第2の増幅回路部とを含む演算増幅回路と、
前記第1の増幅回路部の出力端子と、前記第2の増幅回路部の出力端子との間に接続された位相補償回路とを備えた定電圧回路であって、
前記位相補償回路は、少なくとも前記演算増幅回路を構成するトランジスタの耐圧よりも低い耐圧を有する容量を含み、
前記定電圧回路は、
前記位相補償回路の両端の電圧が所定の電圧以上にならないように電圧を制御する電圧制限回路であって、前記第1の増幅回路部の出力端子と電源との間と、前記第2の増幅回路部の出力端子と電源との間とにそれぞれ設けられた2個の電圧制限回路を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る定電圧回路によれば、ゲート酸化膜が薄いトランジスタで容量を構成した場合、酸化膜破壊を防ぐと同時に、低消費電流でも安定動作が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施形態1にかかる定電圧回路1の構成例を示す回路図である。
図2】実施形態2にかかる定電圧回路1Aの構成例を示す回路図である。
図3】実施形態3にかかる定電圧回路1Bの構成例を示す回路図である。
図4】実施形態4にかかる定電圧回路1Cの構成例を示す回路図である。
図5】比較例にかかる定電圧回路1Dの構成例を示す回路図である。
図6】変形例1にかかるキャパシタ回路71の構成例を示す回路図である。
図7】変形例2にかかるキャパシタ回路72の構成例を示す回路図である。
図8図1図4のツェナーダイオードD1,D2に代わる、少なくとも複数個のダイオードD21〜D23が互いに同一の方向で接続されて構成された変形例3にかかる回路の構成例を示す回路図である。
図9図8の各ダイオードD21〜D23に代わる、ゲートとドレインが接続されて構成されたPチャネルMOSトランジスタM33の回路の構成例を示す回路図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明にかかる実施形態について図面を参照して説明する。なお、同一又は同様の構成要素については同一の符号を付している。
【0011】
図5は比較例にかかる定電圧回路1Dの構成例を示す回路図である。
【0012】
図5において、定電圧回路1Dは、入力端子T1と、出力端子T2との間において、差分増幅回路AMP1及び増幅回路AMP2を含む演算増幅回路3Dと、ドライバトランジスタであるMOSトランジスタM1と、分圧抵抗R1,R2とを備える。差分増幅回路AMP1は4個のMOSトランジスタM11〜M14と、定電流源11とを備えて構成される。増幅回路AMP2は、MOSトランジスタM15と定電流源12とを備えて構成される。差分増幅回路AMP1の出力端子と増幅回路AMP2との間に、抵抗R3及びキャパシタC1の直列回路である位相補償回路7が接続される。また、上述のように酸化膜の破壊を防止するために、キャパシタC1の両端に、互いに逆方向で直列に接続されてなる2個のダイオードD11,D12が接続される。
【0013】
なお、MOSトランジスタM1,M11,M12,M15はPチャネルMOSトランジスタ(以下、PMOSトランジスタという)であり、MOSトランジスタM13,M14はNチャネルMOSトランジスタ(以下、NMOSトランジスタという)である。
【0014】
ここで、入力端子T1には電源電圧Vddが印加され、差分増幅回路AMP1は基準電圧Vrefとフィードバック電圧Vfbの各電圧の差電圧を増幅した後、増幅回路AMP2に出力される。増幅回路AMP2は入力される電圧を増幅した後、MOSトランジスタM1のゲートに印加することで駆動する。MOSトランジスタM1からの出力電圧Voutは出力端子T2を介して負荷10に出力される。ここで、出力電圧Voutは、分圧抵抗R1,R2により分圧された電圧Vfbが差分増幅回路AMP1のMOSトランジスタM14のゲートに帰還されることで、これに基づいて演算増幅回路3Dは、MOSトランジスタM1に流れる出力電流Ioutを制御することで、出力電圧Voutを所定の電圧に制御する。
【0015】
しかしながら、キャパシタC1の両端をダイオードD11,D12でクランプする方法では、ダイオードD11,D12の接合容量がキャパシタC1と並列に、所望の容量値以外の容量値が接続され、安定性を確保するための位相補償設計が難くなる課題があった。特に、ダイオードD11,D12はバイアス依存により、接合容量が変化するため、定電圧回路の状態などによって容量値が変化し、より一層設計がし難くなるという課題があった。また、ダイオードD11,D12をPN接合で構成した場合、高温時に半導体基板内のN領域と、当該半導体基板のP型基板領域でリーク電流が流れ、本来、演算増幅回路で流れるはずの電流が、リーク電流として消費してしまうため、反転入力と非反転入力との間にオフセット電圧が発生する課題があった。それを回避する手段として、演算増幅回路の消費電流を増やすことで改善をすることは可能であるが、低消費という課題は解決できない。
【0016】
以上の課題を解決するために、実施形態1〜4にかかる定電圧回路1〜1Cを提案する。以下、これについて詳述する。
【0017】
実施形態1.
図1は実施形態1にかかる定電圧回路1の構成例を示す回路図である。図1において、実施形態1にかかる定電圧回路1は、図5の比較例にかかる定電圧回路1Dに比較して以下の点が異なる。
(1)ダイオードD11、D12に代えて、ツェナーダイオードD1にてなる電圧クランプ回路5、及びツェナーダイオードD2にてなる電圧クランプ回路6を備える。
(2)キャパシタC1は例えば、図6のキャパシタ回路71で構成される。
その他の構成は、図5と同様であり、詳細説明を省略する。
【0018】
図1において、電圧クランプ回路5は差動増幅回路AMP1の出力端子と電源電圧Vddとの間に接続されたツェナーダイオードD1を備え、キャパシタC1に印加する電圧を所定の電圧以下に制限する。また、電圧クランプ回路6は増幅回路AMP2の出力端子と電源電圧Vddとの間に接続されたツェナーダイオードD2を備え、キャパシタC1に印加する電圧を所定の電圧以下に制限する。これにより、キャパシタC1に印加する電圧を、キャパシタC1の耐圧以下に制限することができる。
【0019】
図6は変形例1にかかるキャパシタ回路71の構成例を示す回路図である。図6において、キャパシタ回路71は、抵抗R3と、ソース、ドレイン及び基板端子が接続されたPMOSトランジスタM31とを備えて構成される。ここで、MOSトランジスタM31は容量を構成し、抵抗R31と容量の接続が逆でも可能である。
【0020】
図7は変形例2にかかるキャパシタ回路72の構成例を示す回路図である。図7において、キャパシタ回路72は、抵抗R4と、ソース、ドレイン及び基板端子が接続されたPMOSトランジスタM32とを備えて構成される。ここで、MOSトランジスタM32は容量を構成し、抵抗R31と容量の接続が逆でも可能である。
【0021】
なお、負荷10は、例えば、定電圧回路1から電源供給を受ける所定の機能を有する機器であり、具体的には、定電圧回路1から電源供給を受ける自動車用の電子機器、又は定電圧回路1から電源供給を受けるコピー機やプリンタといった画像形成装置等である。また、これらの機器及び装置がそれぞれ定電圧回路1を有するようにしてもよい。
【0022】
実施形態1にかかる定電圧回路1においては、ゲート酸化膜が比較的薄いMOSトランジスタで容量を構成すると同時に、動作時に容量が破壊耐圧以上の電圧に到達しないように、電源電圧Vddと、位相補償回路7の両端との間に電圧クランプ回路5,6を接続したことを特徴としている。
【0023】
図1の定電圧回路1において、入力端子T1と出力端子T2との間にドライバトランジスタであるMOSトランジスタM1が接続され、出力端子T2と接地電圧GNDとの間に、分圧抵抗R1及びR2の直列回路が接続され、抵抗R1とR2との接続部から分圧電圧Vfbが帰還電圧として出力される。演算増幅回路3の反転入力端子をなすMOSトランジスタM13のゲートには基準電圧Vrefが入力され、演算増幅回路3の非反転入力端子をなすMOSトランジスタM14のゲートには分圧電圧Vfbが入力されている。MOSトランジスタM13及びM14は差動対をなしており、MOSトランジスタM11及びM12はカレントミラー回路を形成して該差動対の負荷をなしている。
【0024】
また、MOSトランジスタM11及びM12において、各ソースは入力される電源電圧Vddにそれぞれ接続され、各ゲートは互いに接続され、当該接続部はMOSトランジスタM11のドレインに接続されている。また、MOSトランジスタM11のドレインはMOSトランジスタM13のドレインに、MOSトランジスタM12のドレインはMOSトランジスタM14のドレインにそれぞれ接続されている。MOSトランジスタM13及びM14の各ソースは互いに接続され、当該接続部と接地電圧GNDとの間に定電流源11が接続されている。MOSトランジスタM12とMOSトランジスタM14との接続部は差動増幅回路AMP1の出力端子をなし、当該出力端子には、ダイオードD1のアノードが接続され、ダイオードD1のカソードは入力される電源電圧Vddに接続されている。また、差分増幅回路1の出力端子には、位相補償回路7を構成する抵抗R3が接続されている。
【0025】
また、MOSトランジスタM15において、ソースは入力電圧Vddに、ゲートは差動増幅回路AMP1の出力端子にそれぞれ接続され、MOSトランジスタM15のドレインと接地電圧GNDとの間に定電流源12が接続されている。MOSトランジスタM15と定電流源12との接続部は、増幅回路AMP2の出力端子をなすとともに、演算増幅回路3の出力端子をなし、ドライバトランジスタであるMOSトランジスタM1のゲートに接続されている。増幅回路AMP2の出力端子には、ダイオードD2のアノードが接続され、ダイオードD2のカソードは入力される電源電圧Vddに接続されている。また、AMP2の出力端子には位相補償回路7を構成するキャパシタC1が接続されている。ここで、キャパシタC1は演算増幅回路3を構成するトランジスタの耐圧よりも低い耐圧を有する。
【0026】
以上のように構成された定電圧回路1において、演算増幅回路3は、基準電圧Vrefと分圧電圧Vfbとの電圧差を増幅してドライバトランジスタM1のゲートに出力する。そして、ドライバトランジスタM1から出力される出力電流Ioutを制御することで、出力電圧Voutが所定の電圧になるように制御する。
【0027】
次に、ダイオードD1及びD2の動作について以下説明する。
【0028】
ダイオードD1は、差動増幅回路AMP1の出力電圧範囲に制限をかけ、ダイオードD2は増幅回路AMP2の出力電圧範囲に制限をかける。また、差分増幅回路AMP1の出力端子と増幅回路AMP2の出力端子に接続される位相補償回路7のキャパシタC1に破壊耐圧以上の電圧が印加されないようにクランプしている。
【0029】
定常動作時には、差動増幅回路AMP1及び増幅回路AMP2の各出力電圧は、入力される電源電圧Vddに近い電圧になっており、このときの該各出力電圧にダイオードD1及びD2による各電圧クランプが対応してかかっても特に問題はない。差動増幅回路AMP1及び増幅回路AMP2の各出力電圧をこのように電圧クランプさせることにより、位相補償回路7を構成するキャパシタC1をゲート酸化膜の比較的薄い低耐圧トランジスタで作製することができる。また、キャパシタC1にゲート酸化膜の薄い低耐圧トランジスタを使用することにより単位面積当たりの容量を大きくすることができ、チップ面積を小さくすることができる。この容量値は、位相設計において非常に重要となる。この容量値はミラー効果の影響により、実際の容量値にAMP2の増幅率を掛けた値に1を加算した値の容量値が等価的にAMP1の出力に付く。このことにより、AMP1の出力抵抗と出力容量が作る極を低周波側に当てることができ、位相余裕を確保することができる。
【0030】
実施形態2.
図2は実施形態2にかかる定電圧回路1Aの構成例を示す回路図である。図1の実施形態1にかかる定電圧回路1では、入力される電源電圧Vddは正電圧であり、定電圧回路1は正電圧の出力電圧Voutを生成して出力する場合を示した。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、負の入力電圧−Vddから負の定電圧を生成して出力する定電圧回路においても適用することができる。この場合を実施形態2にかかる定電圧回路1A(図2)に示す。
【0031】
図2の定電圧回路1Aは、図1の定電圧回路1と比較して以下の相違点がある。
【0032】
(1)図1のPMOSトランジスタをすべてNMOSトランジスタに置き換え、図1のNMOSトランジスタをすべてPMOSトランジスタに置き換えた。
(2)入力される電源電圧Vddを負の入力電圧−Vddとし、基準電圧Vref及び分圧電圧Vfbをそれぞれ負電圧とした。
(3)ダイオードD1のカソードが差動増幅回路AMP1の出力端子に、ダイオードD2のアノードが増幅回路AMP2の出力端子にそれぞれ接続され、ダイオードD1及びD2の各カソードがそれぞれ負の入力電圧−Vddに接続された。
【0033】
なお、キャパシタC1は例えば、図6のキャパシタ回路71で構成される。図7において、キャパシタ回路71は、抵抗R3と、ソース、ドレイン及びバック基板端子が接続されたPMOSトランジスタM31とを備えて構成される。
【0034】
以上の定電圧回路1Aの動作は、図1の各電圧が負電圧になるとともに各NMOSトランジスタをPMOSトランジスタに、各PMOSトランジスタをNMOSトランジスタにそれぞれ置き換えた動作になる以外は定電圧回路1の動作と同様である。従って、その説明を省略する。
【0035】
なお、定電圧回路1Aは、差分増幅回路AMP1A及び増幅回路AMP2Aを含む演算増幅回路3Aと、ドライバトランジスタであるMOSトランジスタM2とを含む。差動増幅回路AMP1Aは、MOSトランジスタM11〜M24と、定電流源21とを備えて構成される。増幅回路AMP2Aは、MOSトランジスタM25と、定電流源22とを備えて構成される。
【0036】
以上の実施形態1、2にかかる定電圧回路1,1Aの説明では、電圧クランプ回路5,6にツェナーダイオードD1,D2を使用した場合を例にして示した。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、当該電圧クランプ回路5,6が演算増幅回路3,3Aにおける差動増幅回路AMP1,AMP1A及び増幅回路AMP2,AMP2Aの各出力端子の電圧範囲が所定値以下になるように制限する電圧制限回路であればよい。
【0037】
なお、実施形態1、2では、演算増幅回路3,3Aが2つの増幅回路からなる2段構成をなす場合を例にして説明した。しかし、本発明はこれに限定するものではなく、差動増幅回路に複数の増幅回路を直列にした多段構成の演算増幅回路に対して適用するものである。また、前記説明では、演算増幅回路を定電圧回路に使用した場合を例にして示したが、これは一例であり、本発明はこれに限定するものではなく、演算増幅回路を使用したすべての回路に適用することができる。
【0038】
実施形態3.
図3は実施形態3にかかる定電圧回路1Bの構成例を示す回路図である。図3において、実施形態3にかかる定電圧回路1Bは、図1の実施形態1にかかる定電圧回路1に比較して以下の点が異なる。
(1)演算増幅回路3に代えて、公知のトランスコンダクタンスアンプ(以下、OTAという)4で構成した。ここで、OTA4は、MOSトランジスタM11〜M18と、定電流源11とを備えて構成される。
【0039】
図3において、OTA4は、MOSトランジスタM11〜M14及び電流源11からなる差動増幅回路と、MOSトランジスタM16,M18からなる入力段の電流対と、MOSトランジスタM15,M17からなる出力段の電流対とを備えて構成される。ここで、MOSトランジスタM18とM17はカレントミラー回路を構成する。位相補償回路7は前記差分増幅回路の出力端子と、出力段の電流対の出力端子との間に接続される。また、電圧クランプ回路5は電源電圧Vddと、差分増幅回路の出力端子との間に接続され、電圧クランプ回路6は電源電圧Vddと、出力段の電流対の出力端子との間に接続される。
【0040】
以上のように構成された定電圧回路1Bは、図1の実施形態1にかかる定電圧回路1と同様に動作し、同様の作用効果を有する。また、変形例も同様である。
【0041】
実施形態4.
図4は実施形態4にかかる定電圧回路1Cの構成例を示す回路図である。図4において、実施形態4にかかる定電圧回路1Cは、図2の実施形態2にかかる定電圧回路1Aに比較して以下の点が異なる。
(1)演算増幅回路3Aに代えて、公知のOTA4Aで構成した。ここで、OTA4Aは、MOSトランジスタM21〜M28と、定電流源21とを備えて構成される。
【0042】
図4において、OTA4Aは、MOSトランジスタM21〜M24及び定電流源21からなる差分増幅回路と、MOSトランジスタM26,M28からなる入力段の電流対と、MOSトランジスタM25,M27からなる出力段の電流対とを備えて構成される。ここで、MOSトランジスタM28とM27はカレントミラー回路を構成する。位相補償回路7は前記差分増幅回路の出力端子と、出力段の電流対の出力端子との間に接続される。また、電圧クランプ回路5は電源電圧Vddと、差分増幅回路の出力端子との間に接続され、電圧クランプ回路6は電源電圧Vddと、出力段の電流対の出力端子との間に接続される。
【0043】
以上のように構成された定電圧回路1Bは、図1の実施形態1にかかる定電圧回路1と同様に動作し、同様の作用効果を有する。また、変形例も同様である。
【0044】
変形例.
図8図1図4の各ツェナーダイオードD1,D2に代わる、少なくとも複数個のダイオードD21〜D23が互いに同一の方向で接続されて構成された変形例3にかかる回路の構成例を示す回路図である。図1図4の各ツェナーダイオードD1,D2は公知の逆方向降伏電圧を利用する。これに代えて、少なくとも1つのダイオードD21〜図23図8)を用いて構成してもいい。もしくは、図8では、少なくとも複数個のダイオードD21〜D23を用いて順方向電圧でクランプすることで耐電圧を増大させることができる。
【0045】
図9図8の各ダイオードD21〜D23に代わる、ゲートとドレインが接続されて構成されたPチャネルMOSトランジスタM33の回路の構成例を示す回路図である。図9に示すように、PN接合形ダイオードを、ゲートとドレインが接続されたPチャネルMOSトランジスタM33で構成してもよい。
【0046】
本発明と特許文献1との相違点.
特許文献1には、定電圧回路において、チップ面積を削減することを目的で、単位面積当たりの容量値が大きい、ゲート酸化膜厚が薄い容量を使用すると同時に、容量両端に破壊耐圧以上にならないような構成が開示されている。
【0047】
これに対して、本発明によれば、
(1)入力された2個の入力電圧の電圧差を増幅して出力する差動増幅回路を含む第1の増幅回路部と、前記差分増幅回路の後段に設けられた第2の増幅回路部とを含む演算増幅回路と、
(2)前記第1の増幅回路部の出力端子と、前記第2の増幅回路部の出力端子との間に接続された位相補償回路とを備えた定電圧回路であって、
(3)前記位相補償回路は、少なくとも前記演算増幅回路を構成するトランジスタの耐圧よりも低い耐圧を有する容量を含み、
(4)前記定電圧回路は、前記位相補償回路の両端の電圧が所定の電圧以上にならないように電圧を制御する電圧制限回路であって、前記第1の増幅回路部の出力端子と電源との間と、前記第2の増幅回路部の出力端子と電源との間とにそれぞれ設けられた2個の電圧制限回路を備えた
ことを特徴とする。
【0048】
従って、本発明は以上の構成を有することで、ゲート酸化膜が薄いトランジスタで容量を構成することができ、位相補償の安定性を確保しやすくなり、定電圧回路の低消費化ができる。また、ゲート酸化膜が薄いトランジスタで容量を構成する事ができるのと同時に、演算増幅回路の出力にN領域からP−Subに抜ける電流パスを形成することなく構成することができる。それ故、引用文献1においては、特に、意図しないダイオードの接合容量が付いてしまう課題や高温時PNジャンクションのリークによる演算増幅回路のオフセットが付くという問題は解消できていない。
【符号の説明】
【0049】
1,1A〜1D…定電圧回路、
2…定電圧源、
3…演算増幅回路、
4,4A…トランスコンダクタンスアンプ(OTA)、
5,6…電圧クランプ回路、
7…位相補償回路、
10…負荷、
11,12,21,22…定電流源、
AMP1,AMP1A…差分増幅回路、
AMP2,AMP2A…増幅回路、
C1…キャパシタ、
D1,D2…ツェナーダイオード、
D11,D12,D21〜D23…ダイオード、
M1〜M33…MOSトランジスタ、
R1,R2…分圧抵抗、
R3,R4…抵抗、
T1…入力端子、
T2…出力端子。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0050】
【特許文献1】特開2015−5054号公報
【要約】
【課題】ゲート酸化膜が薄いトランジスタで容量を構成した場合、酸化膜破壊を防ぐと同時に、低消費電流でも安定動作が可能な定電圧回路を提供する。
【解決手段】定電圧回路は、入力された2個の入力電圧の電圧差を増幅して出力する差動増幅回路を含む第1の増幅回路部と、第1の増幅回路部の後段に設けられた第2の増幅回路部とを含む演算増幅回路と、第1の増幅回路部の出力端子と、第2の増幅回路部の出力端子との間に接続された位相補償回路とを備える。位相補償回路は、少なくとも演算増幅回路を構成するトランジスタの耐圧よりも低い耐圧を有する容量を含み、定電圧回路は、位相補償回路の両端の電圧が所定の電圧以上にならないように電圧を制御する電圧制限回路であって、第1の増幅回路部の出力端子と電源との間と、第2の増幅回路部の出力端子と電源との間とにそれぞれ設けられた2個の電圧制限回路を備える。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9