特許第6344597号(P6344597)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6344597-細胞増殖抑制剤 図000004
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6344597
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】細胞増殖抑制剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 36/53 20060101AFI20180611BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   A61K36/53
   A61P35/00
【請求項の数】4
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-67176(P2014-67176)
(22)【出願日】2014年3月27日
(65)【公開番号】特開2015-189692(P2015-189692A)
(43)【公開日】2015年11月2日
【審査請求日】2017年3月23日
(73)【特許権者】
【識別番号】518148478
【氏名又は名称】シーシーアイホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】304019399
【氏名又は名称】国立大学法人岐阜大学
(74)【代理人】
【識別番号】110000671
【氏名又は名称】八田国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】岩山 昌弘
(72)【発明者】
【氏名】村瀬 博宣
(72)【発明者】
【氏名】赤尾 幸博
【審査官】 佐々木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】 特表平07−500127(JP,A)
【文献】 特表2001−518072(JP,A)
【文献】 国際公開第00/049115(WO,A1)
【文献】 宮崎県工業技術センター・宮崎県食品開発センター研究報告, 2007, 平成17年度, No.50, pp.87-93
【文献】 Int. J. Food Science and Technology, 2012, Vol.47, pp.2052-2062
【文献】 Oncology Reports, 2007, Vol.17, pp.1525-1531
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 36/00−36/9068
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/WPIDS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ローズマリーの抽出物を含み、
前記抽出物は、前記ローズマリーの、水、または水と、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールとの混合液による抽出物であり、
大腸癌、結腸癌、結腸腺癌または直腸癌の予防および/または治療に使用される、
細胞増殖抑制剤。
【請求項2】
前記抽出物は、前記ローズマリーの水とエタノールとの混合液による抽出物である、請求項1に記載の細胞増殖抑制剤。
【請求項3】
前記抽出物は、前記ローズマリーの50v/v%エタノール水溶液による抽出物である、請求項2に記載の細胞増殖抑制剤。
【請求項4】
結腸腺癌の予防および/または治療に使用される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の細胞増殖抑制剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、細胞増殖抑制剤および癌の予防・治療剤に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、癌は死亡原因の上位であり、また、年々患者数は増加傾向にある。その中で、癌細胞増殖抑制効果の有する天然物由来の抽出物が見出され、従来の抗がん剤と比べ、安全性が高い。このため、副作用の少ない細胞増殖抑制剤およびこれらの成分を含有する抗腫瘍剤(抗癌剤、制癌剤とも呼ばれる)、さらには癌の予防用の健康食食品を提供することが期待されている。
【0003】
例えば、特許文献1では、腫瘍細胞増殖抑制作用を有する乾燥地由来塩生植物であるタマリクス・ガリカ(Tamarix gallica)の抽出物が記載される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−75852号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来公知の抗腫瘍剤に代替しうる新規な細胞増殖抑制(がんの予防・治療剤)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記の問題を解決すべく、鋭意研究を行った結果、ローズマリー、ブドウ、シナモン、アマチャ、アリタソウ、キンカン、ポンカン、マリアアザミおよびレモンバームの抽出物が優れた細胞増殖抑制効果を示すことを見出し、本発明を完成させた。
【0007】
すなわち、上記目的は、ローズマリー、ブドウ、シナモン、アマチャ、アリタソウ、キンカン、ポンカン、マリアアザミおよびレモンバームからなる群より選択される少なくとも一種の植物の抽出物を含む細胞増殖抑制剤によって達成できる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来公知の細胞増殖抑制(癌の予防・治療剤)に代替しうる、新規な細胞増殖抑制(癌の予防・治療剤)およびその用途が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施例1〜9で得られた抽出物の細胞増殖抑制効果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態を説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態のみには限定されない。本明細書において、範囲を示す「X〜Y」は「X以上Y以下」を意味し、「重量」と「質量」、「重量%」と「質量%」及び「重量部」と「質量部」は同義語として扱う。また、特記しない限り、操作および物性等の測定は室温(20〜25℃)/相対湿度40〜50%の条件で測定する。
【0011】
本発明の細胞増殖抑制剤は、ローズマリー、ブドウ、シナモン、アマチャ、アリタソウ、キンカン、ポンカン、マリアアザミおよびレモンバームからなる群より選択される少なくとも一種の植物の抽出物を含む。以下、特記しない限り、ローズマリー、ブドウ、シナモン、アマチャ、アリタソウ、キンカン、ポンカン、マリアアザミおよびレモンバームを一括して「植物」または「本発明に係る植物」とも称する。同様にして、特記しない限り、上記植物の抽出物を一括して「植物抽出物」または「本発明に係る植物抽出物」とも称する。
【0012】
本発明の細胞増殖抑制剤の有効成分である植物抽出物は、上記したような植物(全体またはの一部)を適当な溶媒によって抽出されることによって、得られる。
【0013】
ここで、抽出の対象となる植物の部分は、特に制限されず、植物体全体、葉、茎、芽、花(ガク、花弁、めしべ、おしべ等を含む)、木質部、木皮部(樹皮)、果実(花托(果肉)、子房、果皮(内果皮、中果皮、外果皮)等を含む)、種子等の地上部;根、根茎、塊茎等の地下部などの植物体の一部などが挙げられる。また、上記植物の部分は、単独で抽出に供せられてもあるいは2種以上の混合物の形態で抽出に供せられてもよい。これらのうち、細胞増殖抑制/防止効果、安全性などを考慮すると、ローズマリーは、葉を;ブドウは、種子、茎、種皮、葉、花を;シナモンは、葉を;アマチャは、葉、枝先を;アリタソウは、葉、茎を;キンカンは、果実、果皮を;ポンカンは、果実、特に果皮を;マリアアザミは、種子、葉、茎、根を;およびレモンバームは、葉を、それぞれ、抽出することが好ましい。
【0014】
また、抽出の対象となる植物の部分(以下、単に「植物原料」とも称する)は、そのままの形態で抽出に供されてもよいが、抽出に供される前に、予め乾燥および/または粉砕されることが好ましい。これにより、植物から所望の有効成分をより効率よく抽出できる。
【0015】
ここで、植物原料を予め乾燥する際の、乾燥条件は、特に制限されない。粉砕されやすさなどを考慮すると、乾燥温度は、好ましくは20〜60℃であり、より好ましくは20〜40℃である。また、乾燥時間は、好ましくは24〜120時間であり、より好ましくは48〜96時間である。または、植物原料を、凍結乾燥粉末化法、高圧法、超高圧法等の方法によって、乾燥してもよい。このうち、高圧法は、例えば、100〜150℃で2〜10時間(例えば、120℃で4時間)の高圧加熱処理することにより、植物原料中の細胞を加圧破砕する方法である。
【0016】
また、植物原料を予め粉砕する際の、粉砕条件もまた、特に制限されない。抽出効率などを考慮すると、0.5〜10mm程度の大きさ、より好ましくは1〜5mm程度の大きさにまで、所定の植物の部分を粉砕できることが好ましい。粉砕方法としては、裁断機、スライサー、カッター、ピーラー、ジョークラッシャー、ジェットミル、ブレンダーなどで細断する方法などが挙げられる。
【0017】
次に、必要であれば予め乾燥および/または粉砕した植物原料を、適当な溶媒を用いて抽出する。ここで使用できる溶媒は、植物原料から有効成分を抽出できるものであれば特に制限されず、使用される植物や植物の部分に応じて適宜選択される。具体的には、水(水道水、工業用水、蒸留水、逆浸透膜水、濾過水、滅菌水、精製水等を含む);メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール等のアルコール;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル;アセトン等のケトン;エチルエーテル、ホルムアルデヒド、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。上記溶媒は、単独で使用されてもあるいは2種以上の混合溶媒の形態で使用されてもよい。これらのうち、抽出効率、安全性などを考慮すると、水、または水と、メタノール、エタノールおよびイソプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールとの混合液が抽出溶媒として好ましい。すなわち、本発明の好ましい形態では、抽出物は、前記植物の、水、または水と、メタノール、エタノール、イソプロパノールからなる群より選択される少なくとも一種のアルコールとの混合液による抽出物である。
【0018】
なお、必要であれば、植物原料を酸性またはアルカリ性条件下で抽出してもよい、即ち、酸性またはアルカリ性の溶媒を使用してもよい。ここで、酸性溶媒を調製する際に使用できる酸としては、特に制限されないが、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、コハク酸、ギ酸、プロピオン酸等の有機酸などが挙げられる。また、アルカリ性としては、溶媒を調製する際に使用できるアルカリとしては、特に制限されないが、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムなどが挙げられる。植物原料を酸性またはアルカリ性条件下で抽出する際の溶媒のpHは、使用される植物及び植物の部分の種類、抽出条件などを考慮して、適宜選択される。また、酸性溶媒またはアルカリ性溶媒を使用した場合には、抽出後に、抽出液を中性(pH=7±1程度)になるように中和することが好ましい。
【0019】
溶媒の添加量は、植物原料から有効成分を抽出できるものであれば特に制限されない。具体的には、溶媒を、植物原料10gに対して、10〜1000mlの量、より好ましくは50〜500mlの量を添加することが好ましい。
【0020】
また、抽出条件もまた、植物原料から有効成分を抽出できるものであれば特に制限されない。具体的には、抽出温度は、好ましくは40〜200℃、より好ましくは60〜150℃である。また、抽出時間は、好ましくは30分〜6時間、より好ましくは1〜4時間である。このような条件であれば、植物原料から有効成分を効率よく抽出できる。
【0021】
上記抽出工程後は、植物原料及び溶媒の混合液から、固形物(植物原料残渣)を除去して、抽出液を分離する。ここで、分離方法としては、特に制限されないが、濾過、遠心分離などが挙げられる。さらに、この抽出液は、そのまま使用してもよいが、必要であれば、希釈液による希釈形態、濃縮によるエキス、ペースト若しくは固体形態、凍結による凍結物形態、凍結乾燥による乾燥粉末物形態など、様々な形態(抽出物)に変換してもよい。ここで、変換方法は、単独で適用してもあるいは2種以上を組み合わせて適用してもよい。好ましくは、抽出液を適当な濃度になるまで濃縮(例えば、減圧濃縮)し、得られた濃縮物を凍結した後、凍結乾燥する方法が好ましく使用される。
【0022】
また、抽出液または抽出物はさらに精製してもよい。ここで、精製方法としては、特に制限されず、公知の精製方法が使用できる。具体的には、塩化セチルピリジニウムなどの4級アンモニウム塩を添加して沈殿物を得、この沈殿物を適当な溶媒(例えば、水、アルコール)で洗浄する方法、陰イオン交換イオン交換クロマトグラフィー、陽イオン交換イオン交換クロマトグラフィー、ホスホセルロースクロマトグラフィー、疎水性反応によるクロマトグラフィー、アフィニティークロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーやレクチンクロマトグラフィーなどを用いたクロマトグラフィーを用いる方法、再結晶法などが挙げられる。
【0023】
上記で得られた本発明に係る植物抽出物は、細胞増殖抑制効果を有する。したがって、本発明に係る植物抽出物は、細胞増殖抑制剤に好適に使用できる。
【0024】
ここで、細胞増殖抑制剤の治療対象は、特に制限されないが、哺乳動物や鳥類、好ましくは癌に罹患した哺乳動物や鳥類である。ここで、哺乳動物は、ヒト、サル、ゴリラ、チンパンジー、オランウータン等の霊長類、ならびにマウス、ラット、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ウマ、ヒツジ、ラクダ、ヤギなどの非ヒト哺乳動物双方を包含する。鳥類としては、ニワトリ、ウズラ、ハトなどが挙げられる。これらのうち、好ましくは、ヒト、ハムスター、モルモット、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタであり、より好ましくは、ウサギ、イヌ、ネコ等のペット動物である。
【0025】
本発明の細胞増殖抑制剤は、癌の治療/予防に効果がある。このため、本発明の細胞増殖抑制剤は、癌治療/予防剤としても有用である。本明細書において、「癌の治療/予防」とは、癌に罹患した患者の癌の進行を抑制すること、癌や腫瘍を消失させること、癌や腫瘍の増大を抑制すること、癌の発症を予防すること、および癌の再発を予防することの少なくとも一つを満足することを意味する。ゆえに、本明細書において、「癌治療/予防剤」とは、癌の治療に用いた際に上記癌の治療/予防効果を示す薬剤を意味する。
【0026】
ここで、細胞増殖抑制剤(癌治療/予防剤)の対象となる癌の種類は、特に限定されない。例えば、脳腫瘍、頚癌、甲状腺癌、副甲状腺癌、舌癌、肺癌、乳癌、膵癌、消化器癌(例えば、食道癌、胃癌、肝癌、胆道癌、脾臓癌、大腸癌、小腸癌、十二指腸癌、結腸癌、結腸腺癌、直腸癌など)、膀胱癌、腎癌、前立腺癌、子宮癌、卵巣癌、精巣癌、肉腫、リンパ腫、メラノーマ、血液癌(例えば、急性または慢性骨髄性白血病、急性前骨髄性白血病、急性または慢性リンパ性白血病等の白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫、骨髄異形成症候群、原発性骨髄線維症など)などが挙げられる。これらのうち、本発明の細胞増殖抑制剤は、消化器癌、血液癌に対してより高い効果を有する。また、本発明の細胞増殖抑制剤がローズマリー、マリアアザミ、ポンカン、ブドウ、シナモンおよびキンカンからなる群より選択される少なくとも一種の植物の抽出物を含む場合には、消化器癌に対して特に高い効果を有する。ゆえに、本発明の好ましい態様によると、本発明の細胞増殖抑制剤は、ローズマリー、マリアアザミ、ポンカン、ブドウ、シナモンおよびキンカンからなる群より選択される少なくとも一種の植物の抽出物を含み、消化器癌の予防および/または治療に使用される。または、本発明の細胞増殖抑制剤がローズマリー、ブドウ、レモンバームおよびシナモンからなる群より選択される少なくとも一種の植物の抽出物を含む場合には、白血病に対して特に高い効果を有する。ゆえに、本発明の他の好ましい態様によると、本発明の細胞増殖抑制剤は、ローズマリー、ブドウ、レモンバームおよびからなる群より選択される少なくとも一種の植物の抽出物を含み、白血病の予防および/または治療に使用される。
【0027】
本発明の細胞増殖抑制剤は、本発明に係る植物抽出物を有効成分を含む以外は、従来と同様の剤形で使用できる。すなわち、本発明の細胞増殖抑制剤は、賦形剤などの製薬上許容できる添加剤と混合して非経口投与、経口投与または外部投与に適した、医薬品、医薬部外品、食品、化粧品の形態で使用することができる。食品においては、油脂製品や乳化製品、清涼飲料等に添加することができる。医薬品では経口剤、外用剤、注射剤、吸入剤、点鼻・点眼剤等に添加することができ、これらの使用方法に応じて、錠剤、液剤、注射剤、軟膏、クリーム、ローション、エアゾール剤、座剤等の所望の剤型にすることができる。また、必要に応じて賦形剤、基剤、乳化剤、安定剤、溶解助剤、矯味剤、保存剤、芳香剤、着色剤、コーティング剤などを適宜配合することができる。医薬部外品・化粧品としては、化粧水、乳液、クリーム等に添加することができ、必要に応じて油分、保湿剤、紫外線吸収剤、水溶性高分子、酸化防止剤、界面活性剤、金属イオン封鎖剤、抗菌防腐剤等が配合できる。
【0028】
本発明の細胞増殖抑制剤を医薬品として利用する場合の投与量は、投与経路;患者の病気の性質;患者のサイズ、体重、表面積、年齢および性別;投与される他の薬剤;ならびに主治医の判断などによって異なる。適当な投与量(植物抽出物の乾燥重量換算)は、1日当たり、10〜100mg/kg 体重である。様々な利用できる組成物および様々な投与経路の異なる有効性を考慮すると、必要な投与量は広範に変化しうると予想される。これらの投与量レベルの変動は、当該分野において既知の最適に関する標準的な経験上の手順を用いて調節できる。特に経口によるデリバリーでは、適当なデリバリーベヒクル(例えば、ポリマーミクロ粒子または移植可能な装置)への組成物のカプセル化により、デリバリー効率が上がる。また、上記投与量は、1日1回または複数回に分けてもよい。または、場合によっては、より低い頻度(例えば、週もしくは月単位)で投与されてよい。加えて、同一患者であっても、患者の症状や重篤度に応じて、投与量は変化しうる。
【0029】
医薬品に使用する場合、治療上有効な量の1つまたは複数の植物抽出物が、1つまたは複数の薬学的に許容できる担体(添加剤)および/または希釈剤とともに処方される。すなわち、本発明は、本発明に係る植物抽出物および製薬上許容できる添加剤(例えば、賦形剤、担体など)を含む薬剤組成物をも提供する。本発明の薬剤組成物は、以下で詳細に説明するように、固体または液体での投与のために具体的に処方することができる。経口投与として、例えば、水薬(水溶液もしくは非水溶液または懸濁液)、錠剤、巨丸剤、粉末薬、顆粒剤、舌に塗布するためのペーストを例示することができる。非経口投与としては、例えば、滅菌溶液もしくは懸濁液として例えば皮下、筋内もしくは静脈内注射のための製剤、あるいは、局所用として、例えば皮膚に応用されるクリーム、軟膏またはスプレーとして、または、膣内または直腸内に、例えば膣座薬、クリームまたは発泡剤として製剤化することができる。
【0030】
本明細書において、「治療上有効な量」とは、本明細書で使用される場合、いずれの医療にも適用可能な妥当な便益/リスク比で、何らかの所望の治療効果を生じるために有効な作用物質または組成物の量を意味する。例えば、本発明の細胞増殖抑制剤の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、癌の治療/予防目的で本発明の細胞増殖抑制剤を経口投与する場合、容量は対象となる者の体重等の条件によって容易に変動しうるため、当業者によって適宜選択されうる。また、最終的には、主治医が患者の症状や重篤度などを考慮して、適宜選択する。
【0031】
本明細書において、「製薬上許容できる」とは、正しい医学的判断の範囲内で、妥当な便益/リスク比に見合って、過剰な毒性、刺激、アレルギー反応等の問題や合併症なしに、治療対象(ヒト、哺乳動物など)の組織に接触しての使用に好適な、化合物、材料、組成物、および/または投薬形態を指すために使用される。
【0032】
製薬上許容できる担体とは、体の一器官または一部から体の別の器官または一部へ本発明の細胞増殖抑制剤を運搬または輸送することに関与する液体または固体の充填剤、希釈剤、補形薬、溶剤またはカプセル化材料のような、製薬上許容できる材料、組成物または賦形剤を意味する。各担体は、剤形の他の成分と適合し、患者に有害でないという意味で「許容できる」ものでなければならない。製薬上許容できる担体としては、以下に制限されないが、ラクトース、グルコースおよびスクロースのような糖;トウモロコシデンプンおよびバレイショデンプンのようなデンプン;カルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースおよび酢酸セルロースのようなセルロースおよびその誘導体;粉末トラガカント;麦芽;ゼラチン;タルク;ココアバターおよび座薬ワックスのような補形薬;落花生油、綿実油、ベニバナ油、ゴマ油、オリーブ油、トウモロコシ油およびダイズ油のような油;プロピレングリコールのようなグリコール;グリセリン、ソルビトール、マンニトールおよびポリエチレングリコールのようなポリオール;オレイン酸エチルおよびラウリン酸エチルのようなエステル;寒天;水酸化マグネシウムおよび水酸化アルミニウムのような緩衝剤;アルギン酸;パイロジェンフリー水;等張食塩液;リンガー溶液;エチルアルコール;リン酸緩衝溶液;ならびに薬物処方で使用される他の非毒性の適合物質が挙げられる。いくつかの実施形態では、薬物製剤は非発熱性である。すなわち、患者の体温を上昇させないものが望ましい。その他、ラウリル硫酸ナトリウムおよびステアリン酸マグネシウムのような湿潤剤、乳化剤および潤滑剤、ならびに着色剤、放出剤、被覆剤、甘味料、香味剤および香料、保存料および酸化防止剤が本発明の薬剤組成物中に含まれてもよい。
【0033】
製薬上許容できる酸化防止剤としては、以下に制限されないが、アスコルビン酸、塩酸システイン、硫酸水素ナトリウム、二亜硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウム等のような水溶性酸化防止剤;パルミチン酸アスコルビル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、レシチン、没食子酸プロピル、α−トコフェロール等のような油溶性酸化防止剤;ならびにクエン酸、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ソルビトール、酒石酸、リン酸等のような金属キレート剤が挙げられる。
【0034】
本発明の細胞増殖抑制剤または薬剤組成物は、経口、経鼻、局所(口内および舌下を含む)、直腸、膣および/または非経口投与に等の様々な剤形で使用できる。剤形は、単位投薬形態で都合よく差し出されてもよく、薬学分野で周知のいかなる方法によって調製されてもよい。担体材料と組み合わせて単一投薬形態を作製することができる活性成分の量は、治療されるホスト、特定の投与方式に応じて変わるであろう。担体材料と組み合わせて単一投薬形態を作製することができる活性成分の量は一般に、治療効果を生じる化合物の量であるが、一般に、活性成分(植物抽出物)の量は、細胞増殖抑制剤または薬剤組成物 100重量部に対して、約0.1〜約99重量部であり、好ましくは約1重量部〜約70重量部であり、より好ましくは約5重量部〜約50重量部である。
【0035】
これらの剤形または組成物を調製する方法は、本発明の1つまたは複数の細胞増殖抑制剤(植物抽出物)を担体と、随意に1つまたは複数の副成分と結びつけるステップを含む。一般に、剤形は本発明の1つまたは複数の作用物質を液体担体、もしくは微粉化した固体担体、またはその両方と均一かつ緊密に結びつけ、必要であれば製品を整形することによって調製される。
【0036】
例えば、経口投与に好適な本発明の剤形は、カプセル、サシェ(sachet)、丸薬、錠剤、ロゼンジ(味付けされた主薬、通常はスクロースおよびアラビアゴムまたはトラガカント、を用いる)、粉末、顆粒の形態でもよく、または水性もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、または水中油もしくは油中水液体乳剤として、またはエリキシルもしくはシロップとして、または香錠(ゼラチンおよびグリセリン、またはスクロースおよびアラビアゴムのような不活性基剤を用いる)および/または含嗽剤等としてでもよく、それぞれ活性成分として所定量の本発明の化合物を含む。本発明の作用物質は、巨丸剤、舐剤、またはペーストとして投与されてもよい。
【0037】
経口投与のための本発明の固体投薬形態(カプセル、錠剤、丸薬、糖衣錠、粉末薬、顆粒剤等)では、活性成分(植物抽出物)は、クエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムのような1つまたは複数の製薬上許容できる担体、および/または以下のもののいずれかと混合される:デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール、および/またはケイ酸のような充填剤または増量剤;例えばカルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロースおよび/またはアラビアゴムのような粘結剤;グリセロールのような保湿剤;寒天、炭酸カルシウム、バレイショまたはタピオカデンプン、アルギン酸、ある特定のケイ酸塩、および炭酸ナトリウムのような崩壊剤;パラフィンのような溶解遅延剤;4級アンモニウム化合物のような吸収促進剤;セチルアルコールおよびモノステアリン酸グリセロールのような湿潤剤;カオリンおよびベントナイト粘土のような吸収剤;タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム、およびそれらの混合物のような潤滑剤;ならびに着色剤。カプセル、錠剤および丸薬の場合、薬剤組成物は緩衝剤を含んでもよい。同様の種類の固体組成物が、ラクトースまたは乳糖のような補形薬と、高分子量ポリエチレングリコール等とを用いたソフトおよびハード充填ゼラチンカプセル内の充填剤としても使用可能である。
【0038】
また、錠剤は、圧縮または成形によって、随意に1つまたは複数の副成分とともに、作製されうる。圧縮された錠剤は、粘結剤(例えば、ゼラチンもしくはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、保存料、崩壊剤(例えば、グリコール酸ナトリウムデンプンもしくは架橋型カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤または分散剤を用いて調製されうる。成形タブレットは、不活性液体希釈剤で湿潤化された粉末化合物の混合物を好適な機械で成形することによって作製されうる。
【0039】
糖衣錠、カプセル、丸薬および顆粒剤のような、本発明の薬剤組成物の錠剤等の固体投薬形態は、随意に、刻み目を付けられ、または薬物調剤分野において周知の腸溶性被膜等の被膜および殻を用いて調製されてもよい。それらは、例えば、所望の放出プロフィールを提供するための種々の比率でのヒドロキシプロピルメチルセルロース、他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを用いて、内部の活性成分の徐放性または制御された放出を提供するように調剤されてもよい。それらは、例えば、細菌保持フィルターを通す濾過によって、または使用直前に滅菌水等の滅菌注射可能媒質に溶解することができる滅菌固体組成物の形態で滅菌剤を組み込むことによって、滅菌してもよい。これらの組成物は、随意に乳白剤を含んでもよく、胃腸管のある特定の部分のみで、またはそこで優先的に、随意に遅延したやり方で、1つまたは複数の活性成分を放出する組成であってもよい。使用可能な埋込み組成物の例として、ポリマー物質およびワックスがある。活性成分は、適当であれば1つまたは複数の上記の補形薬とともに、マイクロカプセル化された形態であってもよい。
【0040】
本発明の細胞増殖抑制剤または薬剤組成物の経口投与のための液体投薬形態としては、製薬上許容できる乳剤、マイクロエマルジョン、溶液、懸濁液、シロップおよびエリキシルがある。液体投薬形態は、活性成分に加えて、例えば水や他の溶媒のような当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブタジエングリコール、油(特に、綿実油、落花生油、トウモロコシ油、胚油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリエチレングリコールおよびソルビタンの脂肪酸エステルのような可溶化剤および乳化剤、およびそれらの混合物を含んでもよい。また、不活性希釈剤の他に、経口組成物は、湿潤剤、乳化剤および懸濁剤、甘味料、香味剤、着色剤、香料および保存剤のような補助薬を含んでもよい。懸濁液は、活性化合物に加えて、例えば、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、ならびにそれらの混合物のような懸濁剤を含んでもよい。
【0041】
直腸または膣投与のための本発明の細胞増殖抑制剤または薬剤組成物の剤形は、座薬として提示されうる。この座薬は、例えば、ココアバター、ポリエチレングリコール、座薬ワックスまたはサリチル酸塩を含む1つまたは複数の好適な非刺激性補形薬または担体と、本発明の1つまたは複数の作用物質を混合することによって調製することが可能であり、室温で固体であるが、体温では液体であるため、直腸または膣腔で融解し、活性化合物を放出することになる。膣投与に好適な剤形はまた、当技術分野で適当であることが知られているような担体を含むペッサリー、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、発泡またはスプレー剤形も含む。
【0042】
本発明の1つもしくは複数の細胞増殖抑制剤または本発明の薬剤組成物の局所的または経皮的投与の投薬形態は、粉末、スプレー、軟膏、ペースト、クリーム、ローション、ゲル、溶液、パッチおよび吸入薬を含む。活性成分(植物抽出物)は、製薬上許容できる基材と、および必要であれば保存料、緩衝液、または推進剤と、滅菌条件下で混合してもよい。軟膏、ペースト、クリームおよびゲルは、活性成分(植物抽出物)に加えて、動物脂または植物脂、油、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、ケイ酸、タルクおよび酸化亜鉛、またはそれらの混合物のような補形薬を含んでもよい。
【0043】
粉末およびスプレーは、活性成分(植物抽出物)に加えて、ラクトース、タルク、ケイ酸、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物のような補形薬を含んでもよい。スプレーは、塩化フッ化炭化水素や、ブタンおよびプロパンのような揮発性非置換炭化水素のような通例の高圧ガスをさらに含んでもよい。
【0044】
経皮的パッチは、本発明の細胞増殖抑制剤または薬剤組成物を、体に制御して配送するという更なる利点を有する。このような投薬形態は、適当な媒質に本発明の細胞増殖抑制剤を溶解または分散させることによってなされうる。吸収増進剤を用いて、皮膚を横切る本発明の細胞増殖抑制剤を含有する物質のフラックスを上昇させることも可能である。このようなフラックスの速さは、速さ制御膜を設けるか、またはポリマーマトリックスもしくはゲル中に化合物を分散させるかのいずれかによって制御することができる。
【0045】
非経口投与に好適な本発明の細胞増殖抑制剤または薬剤組成物は、本発明に係る植物抽出物とともに、1つまたは複数の製薬上許容できる滅菌等張水溶液または非水溶液、分散剤、懸濁液もしくは乳剤、または使用直前に滅菌注射可能溶液または分散剤中で戻すことが可能な滅菌粉末を含み、これは酸化防止剤、緩衝剤、静菌剤、調剤を目的レシピエントの血液と等張にする溶質、または懸濁剤もしくは濃縮剤を含みうる。
【0046】
本発明の細胞増殖抑制剤または薬剤組成物で使用可能な好適な水性および非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール等)、およびそれらの好適な混合物、オリーブ油のような植物油、ならびにオレイン酸エチルのような注射可能有機エステルがある。固有の流動性は、例えば、レシチンのような被覆材料の使用によって、分散剤の場合には必要な粒子サイズの維持によって、および界面活性剤の使用によって、維持することができる。
【0047】
本発明の細胞増殖抑制剤または薬剤組成物は、保存料、湿潤剤、乳化剤および分散剤のような補助薬を含んでもよい。微生物の活動の防止は、例えば、パラベン、クロロブタノール、ソルビン酸フェノール等の種々の抗菌剤および抗真菌剤の含有によって確保しうる。糖、塩化ナトリウム等の等張剤を組成物に含めると望ましいかもしれない。さらに、注射可能薬物形態の持続性吸収が、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンのような吸収を遅延させる作用物質の含有により引き起こされうる。
【0048】
また、本発明の細胞増殖抑制剤は、食品(食品組成物)としても利用することができる。この際、本発明に係る植物抽出物をそのまま用いてもよく、液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばジュース、清涼飲料、茶、スープ、豆乳、サラダ油、ドレッシング、ヨーグルト、ゼリー、プリン、ふりかけ、育児用粉乳、ケーキミックス、粉末状または液状の乳製品、パン、クッキー等に添加したり、必要に応じてデキストリン、乳糖、澱粉等の賦形剤や香料、色素等とともにペレット、錠剤、顆粒等に加工したり、またゼラチン等で被覆してカプセルに成形加工して健康食品や栄養補助食品等として利用できる。これらの食品類あるいは食用組成物における本発明の細胞増殖抑制剤の配合量は、当該食品や組成物の種類や状態等により一律に規定しがたいが、食品の全重量に対して、0.01〜90重量%、より好ましくは0.1〜80重量%である。このような配合量であれば、風味を損なうことなく、植物抽出物による効能を十分発揮できる。また、食品を容易に調製できる。
【0049】
さらに、本発明の細胞増殖抑制剤は、化粧品(化粧料組成物)としても利用することができる。この際、化粧品(化粧用組成物)の形態としては、ローション、乳液、クリーム、パウダーなどが挙げられるが、特にこれらに限定はされない。本発明の細胞増殖抑制剤を含有するこのような化粧品(化粧料組成物)は、当業者に公知の手法を用いて製造されうる。本発明の細胞増殖抑制剤を化粧品(化粧料組成物)として用いられる場合の形態としては、ローション、乳液、クリーム、パウダーなどが挙げられるが、特にこれらに限定はされない。本発明の細胞増殖抑制剤を含有するこのような化粧料組成物は、当業者に公知の手法を用いて製造されうる。
【実施例】
【0050】
本発明の効果を、以下の実施例および比較例を用いて説明する。ただし、本発明の技術的範囲が以下の実施例のみに制限されるわけではない。なお、下記実施例において、特記しない限り、操作は室温(25℃)で行われた。また、特記しない限り、「%」および「部」は、それぞれ、「重量%」および「重量部」を意味する。
【0051】
実施例1:アマチャ抽出物の調製
乾燥したアマチャの葉を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール水溶液を100ml加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物2.8gを得た。
【0052】
実施例2:アリタソウ抽出物の調製
乾燥したアリタソウの葉を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し精製水を100ml加え、100℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物3.2gを得た。
【0053】
実施例3:キンカンの果実抽出物の調製
乾燥したキンカンの果実を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し精製水100mlを加え、100℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物5.5gを得た。
【0054】
実施例4:キンカンの果実と果皮抽出物の調製
乾燥したキンカンの果実と果皮を重量比3:2で混合したものを、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール水溶液100mlを加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物4.5gを得た。
【0055】
実施例5:ブドウ抽出物の調製
乾燥したブドウの種子を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール水溶液を100ml加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物1.5gを得た。
【0056】
実施例6:ポンカン抽出物の調製
乾燥した乾燥したポンカンの果皮を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール水溶液を100ml加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物3.6gを得た。
【0057】
実施例7:マリアアザミ抽出物の調製
乾燥したマリアアザミの種子を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール水溶液を100ml加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物1.9gを得た。
【0058】
実施例8:レモンバーム抽出物の調製
乾燥したレモンバームの葉を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール水溶液を100ml加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物2.8gを得た。
【0059】
実施例9:ローズマリー抽出物の調製
乾燥したローズマリーの葉を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール水溶液を100ml加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物2.3gを得た。
【0060】
実施例10:シナモン抽出物の調製
乾燥したシナモンの葉を、ブレンダーで1〜5mm程度に裁断し、その10gに対し50v/v%のエタノール水溶液を100ml加え、80℃で2時間加温し抽出した。その後濾過を行い、固形物を取り除き抽出液を得た。得られた抽出液を減圧濃縮後、−30℃で一晩凍結させた後、凍結乾燥することで抽出物1.0gを得た。
【0061】
上記実施例1〜10で得られた各抽出物について、以下の細胞増殖抑制効果を試験した。その結果を図1に示す。
【0062】
[抗がん活性評価]
(白血病由来細胞に対する細胞増殖抑制効果)
各抽出物を、濃度50mg/mlとなるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して、それぞれ抽出物溶液(サンプル)を調製する。
【0063】
ヒト慢性骨髄性白血病由来K562細胞を、10%FBS含有RPMI1640培地を用いて、5体積%CO下で37℃で培養する。この培養細胞を、24ウェルプレートに1ウェルあたり5×10個になるように播種した後、上記で調製された各抽出物溶液を、抽出物の最終濃度が50μg/mlになるように添加する。なお、コントロールは、溶媒のDMSOのみを1μl添加する。各抽出物溶液/DMSOを添加してから48時間、K562細胞を、5体積%CO下で37℃で培養する。所定時間培養後、生存細胞数をトリパンブルー染色法により測定し、下記に示す式(1)により各サンプルの細胞増殖率(%)を算出する。なお、下記式(1)において、「各サンプルの生存細胞数」は各抽出物溶液(サンプル)を添加・培養した際のK562細胞の生存細胞数を示し、「コントロールの生存細胞数」は、DMSOを添加・培養した際のK562細胞の生存細胞数を示す。
【0064】
【数1】
【0065】
(癌由来細胞に対する細胞増殖抑制効果)
各抽出物を、濃度50mg/mlとなるようにジメチルスルホキシド(DMSO)に溶解して、それぞれ抽出物溶液(サンプル)を調製する。
【0066】
ヒト結腸腺癌由来DLD−1細胞を、10%FBS含有RPMI1640培地を用いて、5体積%CO下で37℃で培養する。この培養細胞を、12ウェルプレートに1ウェルあたり1×10個になるように播種した。5体積%CO下で37℃で24時間、DLD−1細胞を培養した後、上記で調製された各抽出物溶液を、抽出物の最終濃度が50μg/mlになるように添加する。なお、コントロールは、溶媒のDMSOのみを1μl添加する。各抽出物溶液/DMSOを添加してから48時間、DLD−1細胞を、5体積%CO下で37℃で培養する。所定時間培養後、生存細胞数をトリパンブルー染色法により測定し、下記に示す式(2)により各サンプルの細胞増殖率(%)を算出する。なお、下記式(2)において、「各サンプルの生存細胞数」は各抽出物溶液(サンプル)を添加・培養した際のDLD−1細胞の生存細胞数を示し、「コントロールの生存細胞数」は、DMSOを添加・培養した際のDLD−1細胞の生存細胞数を示す。
【0067】
【数2】
【0068】
図1に示される結果から、本発明に係る抽出物はすべて、ヒト慢性骨髄性白血病由来細胞及びヒト結腸腺癌由来細胞に対して、細胞増殖抑制効果が認められた。
【0069】
また、図1から、ローズマリー抽出物、ブドウ抽出物、レモンバーム抽出物およびシナモン抽出物は特に白血病(K562細胞)に対してより優れた細胞増殖抑制効果を示すことが、さらにはローズマリー抽出物、マリアアザミ抽出物、ポンカン抽出物、ブドウ抽出物、シナモン抽出物およびキンカン抽出物は特に消化器癌(DLD−1細胞)に対してより優れた細胞増殖抑制効果を示すことが、分かる。
図1