特許第6345024号(P6345024)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6345024
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】空気調和システム
(51)【国際特許分類】
   F24F 11/79 20180101AFI20180611BHJP
   F24F 5/00 20060101ALI20180611BHJP
   F24F 3/00 20060101ALI20180611BHJP
   F24F 11/74 20180101ALI20180611BHJP
   F24F 13/068 20060101ALI20180611BHJP
   F24F 120/12 20180101ALN20180611BHJP
【FI】
   F24F11/79
   F24F5/00 K
   F24F3/00 Z
   F24F11/74
   F24F13/068 A
   F24F120:12
【請求項の数】4
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-159024(P2014-159024)
(22)【出願日】2014年8月4日
(65)【公開番号】特開2016-35371(P2016-35371A)
(43)【公開日】2016年3月17日
【審査請求日】2017年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000166432
【氏名又は名称】戸田建設株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000164553
【氏名又は名称】空研工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】591219429
【氏名又は名称】空調技研工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099634
【弁理士】
【氏名又は名称】平井 安雄
(72)【発明者】
【氏名】村江 行忠
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 孝彦
(72)【発明者】
【氏名】伊藤 優
(72)【発明者】
【氏名】中島 洋一
(72)【発明者】
【氏名】上野 景太
【審査官】 田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−193947(JP,A)
【文献】 特開平06−317344(JP,A)
【文献】 特開平05−118614(JP,A)
【文献】 特開2003−329294(JP,A)
【文献】 特開2005−201509(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 11/79
F24F 3/00
F24F 5/00
F24F 11/74
F24F 13/068
F24F 120/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和対象の室内空間に面する開口部を有して前記室内空間の床に配設され、床下の空気供給用通路を通じて供給される調和空気を前記開口部から室内空間に吹出す吹出口装置を複数備える空気調和システムにおいて、
前記各吹出口装置ごとにそれぞれ配設され、空気供給用通路から各吹出口装置の開口部へ向かう調和空気の風量を調整する風量調整部と、
各吹出口装置の風量調整部の作動を制御して、風量調整部に調和空気の風量調整を行わせる制御部とを備え、
前記吹出口装置が、
一又は複数の気流案内部を有し、気流案内部に沿って調和空気を進行させて、調和空気を室内空間に拡散状態で吹出す複数の拡散吹出用吹出口装置と、
一又は複数の向き調整可能な気流案内部を有し、気流案内部に沿って調和空気を進行させて、室内空間に対し調和空気を所定方向へ集中的に吹出す複数の局所吹出用吹出口装置とからなり、
前記制御部が、
少なくとも室内空間の温度の状態に基づいて、前記拡散吹出用吹出口装置の風量調整部に調和空気の風量の調整を行わせる拡散吹出用制御部と、
室内空間における使用者の存在状況又は使用者の入力操作に基づいて、局所吹出用吹出口装置の風量調整部を制御し、局所吹出用吹出口装置における調和空気の風量を0とする状態と、局所吹出用吹出口装置における調和空気の風量を所定値とする状態とを切替える局所吹出用制御部とを有し、
前記局所吹出用制御部が、風量調整部を制御し、局所吹出用吹出口装置の風量を0から所定値に切替えると、切替に係る情報が前記拡散吹出用制御部に送られ、
局所吹出用制御部からの情報を受けた拡散吹出用制御部が、拡散吹出用吹出口装置の風量調整部を制御し、拡散吹出用吹出口装置の開口部に向かう調和空気の風量を減らしてあらかじめ設定された所定風量とする風量調整を行わせ
前記局所吹出用制御部が、局所吹出用吹出口装置の風量調整部に、局所吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気を0から所定風量とする風量調整を行わせた後、調和空気を局所吹出用吹出口装置を通じて吹出す状態を第一の所定時間継続させ、続いて、風量調整部に、あらためて局所吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気を0とする状態に、第二の所定時間をかけて徐々に調整を行わせるようにし、
局所吹出用制御部が、室内空間外の気温及び/又は室内空間の温度に基づいて、前記第一の所定時間、及び第二の所定時間を調整制御することを
特徴とする空気調和システム。
【請求項2】
前記請求項1に記載の空気調和システムにおいて、
室内空間にいる使用者の入力操作を受けて、前記局所吹出用制御部に対し、局所吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気を0から所定風量とするよう風量調整部に風量調整を行わせる制御の指示を送る操作用端末を備え、
当該操作用端末が、室内空間における操作用端末近傍の温度を測定する温度センサを有し、当該温度センサで得られた温度情報を前記拡散吹出用制御部に対し風量調整用の情報として送ることを
特徴とする空気調和システム。
【請求項3】
前記請求項1又は2に記載の空気調和システムにおいて、
室内空間に空気調和対象としての複数の単位領域が設定され、各単位領域ごとに、一単位領域に面する一又は複数の拡散吹出用吹出口装置と、当該拡散吹出用吹出口装置の風量調整を行う風量調整部との組がそれぞれ配設され、
前記単位領域ごとに一又は複数配設され、当該単位領域における人の存在の有無を検出する人感センサを備え、
前記拡散吹出用制御部が、前記単位領域ごとの各人感センサの検出情報を入力され、所定の単位領域における全ての人感センサで人の存在を検出しなくなると、前記所定単位領域に対応する拡散吹出用吹出口装置の風量調整部が拡散吹出用吹出口装置内に向かう調和空気の風量を減らして、あらかじめ設定された最小風量とするように、風量調整部の作動制御を実行することを
特徴とする空気調和システム。
【請求項4】
前記請求項に記載の空気調和システムにおいて、
室内空間における全ての人感センサの検出結果に基づいて、人の存在する単位領域が室内空間の全ての単位領域に対し所定割合以下となった場合、人の存在する単位領域の局所吹出用吹出口装置に対応する局所吹出用制御部が、風量調整部に、局所吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気を0から所定風量とする風量調整を行わせると共に、人の存在する単位領域の拡散吹出用吹出口装置に対応する拡散吹出用制御部が、風量調整部に、拡散吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気をあらかじめ設定された所定の最小風量とする風量調整を行わせるようにすることを
特徴とする空気調和システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和対象空間に複数の吹出口装置により調和空気を吹出して空気調和を行うシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
ビル内のオフィス空間等の室内空間に対し空気調和を行う場合、調和空気を空気調和対象の室内空間に吹出す吹出口は、室内空間への調和空気の到達しやすさ等を考慮して天井に配設されることが一般的である。しかしながら、室内空間の天井高さによっては、空気調和に係るエネルギー消費を抑えるために、近年、室内空間の床に吹出口を設置して調和空気を吹出すようにして、人の活動する床から所定高さ範囲の居住域(タスク域)に対する効率のよい空気調和を行う例も増えている。このような場合に用いられる従来の床設置型の吹出口装置の例として、特開2009−127910号公報や実公平8−1397号公報に開示されるものがある。
【0003】
こうした従来の床吹出口は、一般に調和空気の空間への拡散性に優れるタイプを採用することが多かった。一方で、こうした吹出口装置のみでは対応できない空気調和のニーズに応えるため、例えば特開2003−329294号公報に記載の吹出口のように、個人の要求に応じて風量、風向調整が行えるものが用いられることもあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−127910号公報
【特許文献2】実公平8−1397号公報
【特許文献3】特開2003−329294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記特許文献1、2に示されるような従来の吹出口装置を用いたシステムによる空気調和では、床に設けられる吹出口において、居住域でのドラフトが生じない吹出し状態となるようにするのが一般的である。また、近年ではエネルギー消費抑制の観点から空気調和で得られる室内温度と外気温度との差を小さくする傾向にある。このような空気調和状態で、外気温が極端に高い場合や低い場合には、人が外部から室内空間に入ってきて、外気の温度に慣れた状態から室内空気に接して体感する冷感や温感に物足りなさを感じることが多い。
【0006】
しかしながら、従来の拡散性を重視した床吹出口を採用して室内全体を対象とするシステムでは、こうした一部の人の体感する冷感や温感を満足のいくものとするために、局所的に空気調和を行うことはできず、室内空間全体の空気調和状態を調整せざるを得なかった。室内空間全体の空気調和状態の調整では、温度変化を望む使用者の期待する室内温度になるのに時間がかかり、また、室内空間に当初から居て室内温度に慣れた人には、調整の結果不快と感じる温度にもなり得るなど、適切な対応を採りにくい上、空間全体を調整する分、空気調和に投入するエネルギー量が多くなってしまうという課題を有していた。
【0007】
一方、前記特許文献3に記載された吹出口のように、風向調整可能で吹出気流の指向性に優れる吹出口を、使用者に対する局所的な空気調和に用いるようにすれば、使用者近傍へ集中的に達する調和空気により使用者の周囲領域に温度変化を生じさせやすくなり、使用者の好む温度に到達するまでの時間を短縮できるなど、使用者に対するより効果的な空気調和が期待できる。
【0008】
そして、このような指向性の強い吹出口からの局所的吹出しと、室内空間全体を温度調整するための床全面からの均一吹出しを併用して、各人の温度の好みへの適合性を高めたシステムが、前記特許文献3に提案されている。このような従来のシステムは、指向性の強い吹出口を適切に活用することで、使用者の体感を効率的に変化させることが可能となる。
【0009】
こうした従来のシステムでは、室内空間へ吹出される風量は、設定された室内温度に対応して、調和空気を生成し送給する空気調和機や送給経路途中のダンパ等で風量調整されることで、室内温度の調整に見合う適切な量の調和空気が送られるようにされる仕組みである。
【0010】
ただし、指向性の強い吹出口を使用して室内空間へ局所的に調和空気を送り込む場合と、指向性の強い吹出口を使用しない場合とで、室内空間に達する調和空気の風量そのものは特に変化しないことから、指向性の強い吹出口を導入している場合でも空気調和機の稼動状態は従来とほとんど変わりなく、空気調和に係るエネルギーの抑制には至っていない。
【0011】
本発明は前記課題を解消するためになされたもので、室内空間の広い領域を対象とした吹出しと局所的な吹出しを併用すると共に、局所的な吹出しの状態に応じて室内空間への吹出し風量を調整し、室内空間内の使用者に対する空気調和の効果は低下させることなく、調和空気の送給量を適切なものとして省エネルギー化が図れる、空気調和システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明に係る空気調和システムは、空気調和対象の室内空間に面する開口部を有して前記室内空間の床に配設され、床下の空気供給用通路を通じて供給される調和空気を前記開口部から室内空間に吹出す吹出口装置を複数備える空気調和システムにおいて、前記各吹出口装置ごとにそれぞれ配設され、空気供給用通路から各吹出口装置の開口部へ向かう調和空気の風量を調整する風量調整部と、各吹出口装置の風量調整部の作動を制御して、風量調整部に調和空気の風量調整を行わせる制御部とを備え、前記吹出口装置が、一又は複数の気流案内部を有し、気流案内部に沿って調和空気を進行させて、調和空気を室内空間に拡散状態で吹出す複数の拡散吹出用吹出口装置と、一又は複数の向き調整可能な気流案内部を有し、気流案内部に沿って調和空気を進行させて、室内空間に対し調和空気を所定方向へ集中的に吹出す複数の局所吹出用吹出口装置とからなり、前記制御部が、少なくとも室内空間の温度の状態に基づいて、前記拡散吹出用吹出口装置の風量調整部に調和空気の風量の調整を行わせる拡散吹出用制御部と、室内空間における使用者の存在状況又は使用者の入力操作に基づいて、局所吹出用吹出口装置の風量調整部を制御し、局所吹出用吹出口装置における調和空気の風量を0とする状態と、局所吹出用吹出口装置における調和空気の風量を所定値とする状態とを切替える局所吹出用制御部とを有し、前記局所吹出用制御部が、風量調整部を制御し、局所吹出用吹出口装置の風量を0から所定値に切替えると、切替に係る情報が前記拡散吹出用制御部に送られ、局所吹出用制御部からの情報を受けた拡散吹出用制御部が、拡散吹出用吹出口装置の風量調整部を制御し、拡散吹出用吹出口装置の開口部に向かう調和空気の風量を減らしてあらかじめ設定された所定風量とする風量調整を行わせるものである。
【0013】
このように本発明によれば、吹出口装置として局所吹出用吹出口装置と拡散吹出用吹出口装置を有して、拡散吹出用吹出口装置から室内空間に調和空気の気流を広く拡散させる状態を維持しつつ、局所吹出用吹出口装置の使用、不使用を切替えて、必要に応じて局所吹出用吹出口装置からの室内空間の所望位置への調和空気の局所的吹出し状態を得られるようにすると共に、局所吹出用吹出口装置から所定風量の調和空気が局所的に吹出されるように風量調整部が作動制御された場合に、拡散吹出用制御部が拡散吹出用吹出口装置の風量調整部を作動させて調和空気の風量を抑えるようにすることにより、使用者が調和空気の気流を体感でき、空気調和効果をより顕著に与えられる局所的な吹出しの併用時には、使用者が空気調和による快適感を得られる範囲で風量を減らして、調和空気の送給量を抑えられることとなり、使用者の快適感を確保しつつ、調和空気送給に係るエネルギー消費の抑制が図れ、空気調和のコストを抑えられる。
【0014】
また、本発明に係る空気調和システムは必要に応じて、室内空間にいる使用者の入力操作を受けて、前記局所吹出用制御部に対し、局所吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気を0から所定風量とするよう風量調整部に風量調整を行わせる制御の指示を送る操作用端末を備え、当該操作用端末が、室内空間における操作用端末近傍の温度を測定する温度センサを有し、当該温度センサで得られた温度情報を前記拡散吹出用制御部に対し風量調整用の情報として送るものである。
【0015】
このように本発明によれば、局所吹出用吹出口装置を通じての調和空気吹出しの実行指示を操作用端末への入力操作で行えるようにすると共に、一般的に使用者の近くに置かれる操作用端末に温度センサを設けて、室内空間のうち操作用端末のある使用者近くの温度が拡散吹出用制御部に取得されることにより、拡散吹出用制御部が、この温度に基づいて、風量調整による室内空間の温度制御を実行して、使用者の体感する温度を目標温度に近付けていくこととなり、室内空間において使用者の状況に確実に対応した適切な空気調和を実行できる。
【0016】
また、本発明に係る空気調和システムは必要に応じて、前記局所吹出用制御部が、局所吹出用吹出口装置の風量調整部に、局所吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気を0から所定風量とする風量調整を行わせた後、調和空気を局所吹出用吹出口装置を通じて吹出す状態を第一の所定時間継続させ、続いて、風量調整部に、あらためて局所吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気を0とする状態に、第二の所定時間をかけて徐々に調整を行わせるようにし、局所吹出用制御部が、室内空間外の気温及び/又は室内空間の温度に基づいて、前記第一の所定時間、及び第二の所定時間を調整制御するものである。
【0017】
このように本発明によれば、局所吹出用吹出口装置を通じての所定風量での調和空気吹出しを継続する時間と、局所吹出用吹出口装置を通じた調和空気吹出しの風量を所定風量から減らして最終的に風量0の状態へ至らせるまでの時間を、それぞれ室内空間外の気温や室内空間温度に基づいて調整し、空気温度に基づく使用者の体感に合わせて局所吹出用吹出口装置を通じて吹出しを行う時間を変化させると共に、局所吹出用吹出口装置を通じた調和空気吹出しの風量を徐々に減らして拡散吹出用吹出口装置からのみ吹出す状態に移行することで、使用者が室内空間の温度に慣れるまでの適切な時間で局所吹出用吹出口装置からの吹出しを実行させ、室内空間に対する空気調和をより効率よく実行できると共に、局所吹出用吹出口装置を通じた調和空気の吹出しを徐々に終了させて使用者の快適感を損なうことがなく、室内空間への拡散吹出用吹出口装置のみを用いた空気調和状態に無理なくスムーズに移行して使用者に違和感を生じさせない。
【0018】
また、本発明に係る空気調和システムは必要に応じて、室内空間に空気調和対象としての複数の単位領域が設定され、各単位領域ごとに、一単位領域に面する一又は複数の拡散吹出用吹出口装置と、当該拡散吹出用吹出口装置の風量調整を行う風量調整部との組がそれぞれ配設され、前記単位領域ごとに一又は複数配設され、当該単位領域における人の存在の有無を検出する人感センサを備え、前記拡散吹出用制御部が、前記単位領域ごとの各人感センサの検出情報を入力され、所定の単位領域における全ての人感センサで人の存在を検出しなくなると、前記所定単位領域に対応する拡散吹出用吹出口装置の風量調整部が拡散吹出用吹出口装置内に向かう調和空気の風量を減らして、あらかじめ設定された最小風量とするように、風量調整部の作動制御を実行するものである。
【0019】
このように本発明によれば、室内空間に人が存在するか否かを検出する人感センサを設け、人感センサで使用者を検出できない状況では、拡散吹出用制御部が風量調整部に風量調整を行わせ、風量を必要最小限にとどめることにより、使用者が室内空間に存在しない場合には、吹出される調和空気の風量を減らして、使用者の存在しない空間への空気調和による無駄なエネルギー消費を抑えられ、空気調和設備の運用コストを低減できる。
【0020】
また、本発明に係る空気調和システムは必要に応じて、室内空間における全ての人感センサの検出結果に基づいて、人の存在する単位領域が室内空間の全ての単位領域に対し所定割合以下となった場合、人の存在する単位領域の局所吹出用吹出口装置に対応する局所吹出用制御部が、風量調整部に、局所吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気を0から所定風量とする風量調整を行わせると共に、人の存在する単位領域の拡散吹出用吹出口装置に対応する拡散吹出用制御部が、風量調整部に、拡散吹出用吹出口装置を通じて吹出される調和空気をあらかじめ設定された所定の最小風量とする風量調整を行わせるようにするものである。
【0021】
このように本発明によれば、室内空間において人感センサで人の存在を検出できる単位領域の数が、全ての単位領域に対し所定の割合以下となり、人の存在を検出できない単位領域の風量が抑えられることで室内空間全体への調和空気の供給量は著しく減少し、人が存在する単位領域への空気調和に、室内空間の他の単位領域が負荷となって影響を及ぼしかねない状態でも、人が存在する単位領域における局所吹出用制御部が、局所吹出用吹出口装置の吹出し状態を、所定風量の調和空気を吹出す状態とし、人の周りの限られた領域のみ局所的に空気調和が行われるようにすることにより、必要最小限の調和空気送給で効率よく人の快適性を確保した空気調和が行え、空間全体の空気調和にとらわれて空気調和が非効率となってしまう事態を回避でき、空気調和に係るコストを抑えられる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の第1の実施形態に係る空気調和システムの概略構成説明図である。
図2】本発明の第1の実施形態に係る空気調和システムの一単位領域分の床への配置状態説明図である。
図3】本発明の第1の実施形態に係る空気調和システムのブロック図である。
図4】本発明の第1の実施形態に係る空気調和システムにおける拡散吹出用吹出口装置の拡散吹出状態説明図である。
図5】本発明の第1の実施形態に係る空気調和システムにおける拡散吹出用吹出口装置の平面図、A−A断面図、及びフェース部のB−B切断面図である。
図6】本発明の第1の実施形態に係る空気調和システムにおける局所吹出用吹出口装置の平面図及び床設置状態の概略側面図である。
図7図6のC−C断面図である。
図8】本発明の第2の実施形態に係る空気調和システムのブロック図である。
図9】本発明の第2の実施形態に係る空気調和システムにおける室内空間の各単位領域ごとの人感センサ検出結果に基づく風量調整部及び各吹出口装置の制御結果説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(本発明の第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態に係る空気調和システムを前記図1ないし図7に基づいて説明する。本実施形態では、空気調和対象の室内空間に面する、いわゆるフリーアクセスフロア(二重床)である床に、吹出口装置を配置して用いるシステムの例について説明する。
【0024】
前記各図において本実施形態に係る空気調和システム1は、室内空間70に面する開口部を有して室内空間の床80に配設され、供給される調和空気を前記開口部から室内空間に吹出す複数の吹出口装置11、12と、各吹出口装置11、12と一体に配設され、各吹出口装置11、12の開口部へ向かう調和空気の風量を調整する風量調整部21、22と、風量調整部21、22の作動を制御して風量調整部21、22に調和空気の風量調整を行わせる制御部31、32と、室内空間70にいる使用者の入力操作を受けて、調和空気の吹出し状態変更指示を送信する操作用端末40と、室内空間に設定される空気調和対象としての複数の単位領域ごとに配設され、人の存在の有無を検出する人感センサ50とを備える構成である。
【0025】
本実施形態の例における室内空間70での空気調和対象の単位領域71は、床80上側の所定範囲とされて、室内空間の空気調和対象となる全ての部位がいずれかの単位領域内に入るようにして複数設定される。そして各単位領域71ごとに、一単位領域に面する複数の吹出口装置11、12と、吹出口装置11、12ごとの風量調整部21、22を制御する制御部31、32との組がそれぞれ設定されている(図3参照)。
【0026】
前記吹出口装置11、12は、前記単位領域71ごとに複数配設され、一単位領域内の全ての箇所がいずれかの吹出口装置11、12の吹出し範囲に位置するようにされる構成である。
吹出口装置は、詳細には、調和空気を室内空間に拡散状態で吹出す複数の拡散吹出用吹出口装置11と、室内空間に対し調和空気を所定方向へ集中的に吹出す複数の局所吹出用吹出口装置12とからなる。
【0027】
前記拡散吹出用吹出口装置11は、室内空間の床80をなすフリーアクセスフロア(二重床)として多数配設される床パネル81の所定箇所に配設され、室内空間側及び床下空間側にそれぞれ連通する開口部を配置されてなる略箱状の吹出口本体13と、この吹出口本体13上側に配設されて床面の一部をなすフェース部14とを備える構成である。
【0028】
前記拡散吹出用吹出口装置11は、床80の所定箇所に配設され、室内空間側及び床下空間側にそれぞれ連通する開口部を配置されてなる略箱状の吹出口本体13と、この吹出口本体13上側で吹出孔14a、14bを複数配置されて床80の一部をなすフェース部14とを備える構成である。
【0029】
前記吹出口本体13は、上端部が床の一部をなして室内空間側に露出する環状の外枠部13aと、一端が閉じた略円筒箱状で外枠部13aの下部内周側に固定される内枠部13bとの組合わせで、全体として上部が開口すると共に底部を有する略箱状体として形成される構成である。
【0030】
この吹出口本体13下部の内枠部13b周側面部分には、内枠部13b内部と床下空間とを連通させる床下側開口部13cが複数穿設され、また、内枠部13b内部には各床下側開口部13cを含む周側面内周に沿う略円筒体のシャッター部23が回動自在に配設される構成である。このシャッター部23が風量調整部21の一部をなす。
【0031】
さらに、吹出口本体13上部の外枠部13a内側は、円形開口断面とされる室内側開口部13dとなっており、この室内側開口部13dを閉塞する状態で、吹出口本体13とは別体となる前記フェース部14が外枠部13aに対し嵌合配設される構成である。室内側開口部13dに面する外枠部13a内周には、フェース部14を載置可能な段部分が形成されており、フェース部14表面を外枠部13a上端部と略同じ高さに支持する仕組みである。
【0032】
この吹出口本体13においては、調和空気の供給部を兼ねる床下空間から床下側開口部13cを通じて調和空気が供給されることとなる。この調和空気を、吹出口本体13上部の室内側開口部13dに配置されたフェース部14の吹出孔を介して室内空間に送出す仕組みである。
【0033】
前記フェース部14は、複数の吹出孔14a、14bが穿設される円板状体とされ、円板中心を吹出口本体13の室内側開口部13dの中心位置と一致させて吹出口本体13に着脱可能に嵌合配設される構成である。フェース部14の上面は周囲の床面と略同じ高さ位置とされて床80の一部となる。また、フェース部14の下面周縁部には、位置合せ用の凹凸が形成され、この周縁部の凹凸が吹出口本体13側の凹凸と係合することで、フェース部14が吹出口本体13に対し意図しない回転によってずれることの無いように固定できる仕組みである。
【0034】
フェース部14の複数の吹出孔14a、14bのうち、第一吹出孔14aは、円板状であるフェース部14の中心を配列の中心として、等角度間隔で且つ回転対称をなす配置で複数穿設される、略スリット状の長孔である。また、第二吹出孔14bは、各第一吹出孔14a間の領域に第一吹出孔14aと同じ角度間隔となる配置で、且つ第一吹出孔14aより短い長孔形状としてそれぞれ穿設されるものである。そして、各吹出孔14a、14bはいずれも、フェース部14表裏面において略スリット状の長孔形状とされる孔開口の長手方向延長線がフェース部14中心を通る配置として穿設されている。
【0035】
フェース部14における各吹出孔14a、14bは、いずれも、フェース部14表面と裏面の孔開口位置を、フェース部厚さ方向における重なりが一部のみとなる状態まで、孔長手方向に直交する向きへ互いにずらした配置として穿設される。こうして、各吹出孔14a、14bはその大部分がフェース部表面の垂直方向に対し全体的に傾斜した孔形状となる構成である。
【0036】
吹出口装置全体としての気流の吹出状態は、各吹出孔14a、14bのフェース部14中心について回転対称となる配置、及び孔形状に由来する垂直方向から所定角度傾いた斜め向きとなる気流の吹出方向との関係から、各吹出孔14a、14bから斜め上向きに吹出した気流が互いにぶつかって影響し合い、気流全体が旋回する速度成分を有する状態に合成され、略渦巻状の旋回流となる。こうして、各吹出孔14a、14bを設けられたフェース部14が、気流案内部として、これに沿って調和空気を進行させ、調和空気を旋回流として室内空間に拡散状態で吹出せる仕組みである。
【0037】
そして、この拡散吹出用吹出口装置11と一体に、床下の空気供給用通路から拡散吹出用吹出口装置11の開口部へ向かう調和空気の風量を調整する風量調整部21が配設される。
風量調整部21は、拡散吹出用吹出口装置11の吹出口本体13内部に回転可能として配設されるシャッター部23と、吹出口本体13の外側に配設され、シャッター部23を駆動して吹出口本体13に対し回転させるモータ24とを備える構成である。
【0038】
前記シャッター部23は、モータ24により駆動されて吹出口本体13に対し回転し、床下側開口部13cの吹出口本体13内部に対する連通状態を変化させ、空気供給用通路である床下空間から吹出口本体13内部への調和空気流入量、すなわち、拡散吹出用吹出口装置11を通じて吹出す調和空気の風量を調整する公知の機構であり、詳細な説明は省略する。
【0039】
この風量調整部21は、室内所定箇所に設置されるスイッチ等の操作入力手段を用いて遠隔操作可能とされており、使用者の遠隔操作に基づいて、シャッター部23がモータ24により駆動されて吹出口本体13に対して回転し、風量調整を実行する。
【0040】
前記局所吹出用吹出口装置12は、フリーアクセスフロア(二重床)としての床80を構成している多数の床パネル81の設備用開口81aに挿入配設される略箱状の吹出口本体16と、この吹出口本体16上部に配設されて床面の一部をなすフェース部17とを備える構成である。
【0041】
前記吹出口本体16は、上部が開口する略箱状体として形成され、上端部が外側方へ上から見て方形の鍔状に拡張形成され、この上端部が上側の床80をなす床パネル81における設備用開口81a周縁部に載置されて、設備用開口81aに挿入配設される構成である。なお、床パネル81の設備用開口81aは、床パネル端部の切欠き部を向かい合わせることで生じる、例えばコンセント等の設備の設置を目的とする公知の略方形の開口であり、大きさはほぼ一定(各辺が90mm前後)となっている。
【0042】
この吹出口本体16上部には、略円形開口断面の室内側開口部16aが設けられ、この室内側開口部16aを閉塞する状態で、吹出口本体16とは別体となる前記フェース部17を嵌合される構成である。
【0043】
室内側開口部16aに面する吹出口本体16上部内周には、フェース部17を載置可能な段部分が形成されており、フェース部17表面を吹出口本体16上端部と略同じ高さに支持する仕組みである。
【0044】
また、吹出口本体16下部は、一端が閉じた略円筒箱状に形成され、その周側面部分には、略円形開口断面の吹出口本体内部空間と床パネル下側の床下空間又は床パネル下に設けられた床下ダクトとを連通させる略矩形状の床下側開口部16bが複数穿設される。
【0045】
この吹出口本体16下部の内部には、各床下側開口部16bを含む周側面内周に沿う略円筒体のシャッター部26が回動自在に配設される構成である。このシャッター部26が風量調整部22の一部をなす。
【0046】
この吹出口本体16は、調和空気の供給部となる床下空間又は床下ダクトから床下側開口部16bを通じて調和空気を供給される。この調和空気を、吹出口本体16上部の室内側開口部16aに配置されたフェース部17の孔17aを通じて室内空間に送出す仕組みである。
【0047】
前記フェース部17は、略円弧スリット状の複数の孔17aが上下貫通状態で穿設される方形枠状体とされ、厚みの大きい中央部分を吹出口本体16の室内側開口部16aに着脱可能に嵌合配設される構成である。フェース部17における略円弧スリット状の孔17aは、フェース部内部で一部傾斜した形状とされる。これにより、孔17aを通過する調和空気を室内空間に対し斜め向きに吹出せることとなる。そして、このフェース部17における孔17aのある中央部は、その外側部分に対し回動可能となっており、調和空気の斜め吹出しの向きを360°にわたり調整可能とする仕組みである。こうして、孔17aを設けられたフェース部17が、気流案内部として、孔17aのある中央部の向きを適宜調整されつつ、これに沿って調和空気を進行させ、室内空間に対し調和空気を所望の方向へ集中的に吹出せる仕組みである。
【0048】
この他、フェース部17の周縁部下面側には、吹出口本体16の鍔状の上端部に接した状態となる段部が形成され、フェース部17上面を周囲の床仕上げ面と略同じ高さに位置させると共に、フェース部17に上から加わった力が吹出口本体16上端部を通じて床パネル81に伝わるようにして、フェース部17をずれなく支持可能とする仕組みである。
【0049】
この局所吹出用吹出口装置12と一体に、床下の空気供給用通路から局所吹出用吹出口装置12の開口部へ向かう調和空気の風量を調整する風量調整部22が配設される。
風量調整部22は、局所吹出用吹出口装置12の吹出口本体16内部に回転可能として配設されるシャッター部26と、吹出口本体16の外側に配設され、シャッター部26を駆動して吹出口本体16に対し回転させるモータ27とを備える構成である。
【0050】
前記シャッター部26は、モータ27により駆動されて吹出口本体16に対し回転し、床下側開口部16bの吹出口本体16内部に対する連通状態を変化させ、空気供給用通路としての床下空間から吹出口本体16内部への調和空気流入量、すなわち、局所吹出用吹出口装置12を通じて吹出す調和空気の風量を調整する公知の機構であり、詳細な説明は省略する。
【0051】
この風量調整部22は、室内所定箇所に設置されるスイッチ等の操作入力手段を用いて遠隔操作可能とされており、使用者の遠隔操作に基づいて、シャッター部26がモータ27により駆動されて吹出口本体16に対して回転し、風量調整を実行する。
【0052】
前記制御部31、32は、各吹出口装置11、12ごとに配設される風量調整部21、22と接続され、風量調整部21、22の作動を制御して風量調整部21、22に調和空気の風量調整を行わせるものである。
【0053】
制御部は、詳細には、主に室内空間の温度の状態に基づいて、拡散吹出用吹出口装置11の風量調整部21に調和空気の風量の調整を行わせる拡散吹出用制御部31と、使用者の入力操作に基づいて、局所吹出用吹出口装置12の風量調整部22を制御し、局所吹出用吹出口装置12における調和空気の風量を0とする状態と、局所吹出用吹出口装置12における調和空気の風量を所定値とする状態とを切替える局所吹出用制御部32とからなる。
【0054】
前記拡散吹出用制御部31は、一単位領域に面する複数の拡散吹出用吹出口装置11の風量調整部21とそれぞれ接続されて、単位領域71ごとにそれぞれ対応させて配設され、室内空間の温度情報を入力され、拡散吹出用吹出口装置11と一体の風量調整部21がその拡散吹出用吹出口装置11内に流入する調和空気の風量を、得られた温度と空気調和の目標温度とを一致させる適正量に調整するように、風量調整部21の風量調整制御を行う構成である。この拡散吹出用制御部31が受け取る室内空間の温度情報としては、各局所吹出用吹出口装置12に対応する操作用端末40に内蔵された温度センサ41の検出した温度の情報が用いられる。
【0055】
拡散吹出用制御部31の風量調整に係る制御については、具体的には、温度センサ41から得られた温度と空気調和の目標温度との差が大きい場合は、拡散吹出用制御部31は、風量調整部21が拡散吹出用吹出口装置11に向かう調和空気の風量を大きくするように制御を行う。また、温度センサ41から得られた温度が空気調和の目標温度に近いか一致する場合には、拡散吹出用制御部31は、風量調整部21が拡散吹出用吹出口装置11に向かう調和空気の風量を、室内空間の温度を目標温度に維持可能となる所定量に維持するように、風量調整部21の制御を行う。
【0056】
こうした温度情報に基づく風量調整制御の他に、拡散吹出用制御部31は、後述する局所吹出用制御部32が風量調整部22を制御して、局所吹出用吹出口装置12における調和空気の吹出し状態をそれまでと風量の異なるものに移行させる際に、局所吹出用制御部32から送信される吹出し状態切替に係る情報を受け、風量調整部21で拡散吹出用吹出口装置11を通じて吹出される調和空気の風量を局所吹出用吹出口装置12の吹出し状態に対応する風量に調整する制御も行う仕組みである。
【0057】
また、拡散吹出用制御部31は、各単位領域71ごとに複数設けられる人感センサ50の検出情報を入力され、単位領域におけるいずれかの人感センサで人の存在を検出している場合は、その単位領域で、風量調整部21が拡散吹出用吹出口装置11に向かう調和空気の風量を温度センサの検出温度に対応して調整する状態とする。一方、単位領域71におけるいずれの人感センサでも人の存在を検出できない場合は、単位領域71の各風量調整部21が拡散吹出用吹出口装置11に向かう調和空気の風量をあらかじめ設定された所定の最小風量とするように、各風量調整部21の制御を行う。この最小風量としては、拡散吹出用吹出口装置11から吹出される調和空気で、室内空間の空気の一部を外部に流出させて換気を行える必要最小限の風量、をあらかじめ設定されている。
【0058】
拡散吹出用制御部31は、こうした人感センサ50の検出情報の入力を受け、人の存在検出の有無に基づく風量調整部21の調和空気風量調整に係る制御を、所定の時間間隔(例えば、数分に一回)で実行している。すなわち、この制御の間隔で、拡散吹出用制御部31により各単位領域71における人の存在に基づく空気調和の状態が更新されることとなる。
【0059】
なお、室内空間の使用形態、例えばオフィスとしての使用、に基づいて既知となっている、就業時間以外など、人の移動の起り得る状況から人が存在せず動きのない状況への移行に合わせて、人感センサ50側からの信号送信とこれに基づく拡散吹出用制御部31での風量調整部21の制御実行の頻度を少なくする、すなわち、制御実行の時間間隔をより長いもの(例えば、十数分に一回)に変えるようにすることもできる。
【0060】
前記局所吹出用制御部32は、各局所吹出用吹出口装置12ごとに配設され、吹出口本体16と一体の風量調整部22のモータ27と電気的に接続されて、室内空間に在室する使用者の各局所吹出用吹出口装置12に対応したリモコン等の操作用端末40から、操作情報の信号を受信し、信号に基づいて風量調整部22のモータ27の作動を制御し、風量調整部22に局所吹出用吹出口装置12を通じての調和空気の吹出し状態の調整を行わせるものである。
【0061】
局所吹出用制御部32は、局所吹出用吹出口装置12から調和空気が吹出されていない風量0の状態で、使用者が操作用端末40に対し局所的吹出しの指示操作を行った場合に、操作用端末40から発信された信号を受け、風量調整部22を作動させてシャッター部26を回転させ、吹出口本体16周側面の床下側開口部16bが、吹出口本体16内部空間に連通して、床下空間に対し内部空間を開放状態とする。
【0062】
これにより、床下空間からの調和空気が局所吹出用吹出口装置12に向かうようになり、局所吹出用吹出口装置12側へ調和空気を向かわせ、調和空気を局所吹出用吹出口装置12を通じて吹出す状態が得られる。この状態では、調和空気は局所吹出用吹出口装置12からスムーズに吹出されて、居住域の所望の領域に調和空気の気流を局所的に到達させられることとなる。
【0063】
そして、局所吹出用制御部32は、この局所吹出用吹出口装置12を通じて調和空気を吹出す状態を、室内空間外の気温及び室内空間の温度に基づいて、詳細には、室内空間外の気温(外気温)と室内空間の温度との差に応じて、適宜設定される第一の所定時間分継続させる仕組みである。温度差が大きい場合は、操作用端末40の操作で局所吹出用吹出口装置12を通じた調和空気の吹出しを選択した使用者が、例えば、外から室内空間に入ってきて室内空間全体の空気調和状態に慣れるのに時間がかかる状況等を考慮して、第一の所定時間を長めに設定する。逆に温度差が小さい場合は、外から室内空間に入ってきた使用者が室内空間全体の空気調和状態に馴染みやすいことに伴って、第一の所定時間は短く設定される。
【0064】
加えて、局所吹出用制御部32は、この第一の所定時間が経過したら、局所吹出用吹出口装置12の風量調整部22に対し、局所吹出用吹出口装置12を通じて調和空気を所定風量吹出す状態から、あらためて調和空気の風量を0として局所吹出用吹出口装置12からは調和空気を吹出さない状態に、第二の所定時間をかけて徐々に移行させるように制御する仕組みである。
【0065】
この第二の所定時間も、室内空間外の気温(外気温)と室内空間の温度との差に応じて、その長さを適宜設定される。例えば、温度差が大きい場合は、前記第一の所定時間が長くなるため、局所吹出用吹出口装置12を通じて吹出される調和空気との接触に慣れた使用者が、短時間で調和空気を局所吹出用吹出口装置12からは吹出さない状態に移行した場合に違和感を感じやすい状況等を考慮して、第二の所定時間を長めに設定する。逆に温度差が小さい場合は、前記第一の所定時間が短くなるため、短時間での移行に違和感を感じにくくなることに伴って、第二の所定時間は短く設定される。
【0066】
第二の所定時間で、局所吹出用吹出口装置12を通じて調和空気を吹出す状態から調和空気を吹出さない状態への移行を徐々に実行する局所吹出用制御部32の具体的な制御としては、風量調整部22のモータ27でシャッター部26を徐々に回転移動させ、吹出口本体16における床下側開口部16bの吹出口本体16内側空間に対する開放度合いを少しずつ減少させることで、局所吹出用吹出口装置12を通じての吹出風量を減らしていく制御が実行される。
【0067】
一方、局所吹出用制御部32は、風量調整部22を制御して、局所吹出用吹出口装置12を当初の風量と異なる風量で調和空気が吹出される状態に移行させた際には、この吹出し状態の移行に係る所定の情報を拡散吹出用制御部31に送信する。拡散吹出用制御部31はこの局所吹出用制御部32からの情報を受けて、拡散吹出用吹出口装置11の風量調整部21を制御し、拡散吹出用吹出口装置11の開口部に向かう調和空気の風量を、局所吹出用吹出口装置12での吹出し状態に応じてあらかじめ設定された所定風量に調整する。
【0068】
具体的には、拡散吹出用制御部31は、局所吹出用制御部32から、局所吹出用吹出口装置12における、風量0状態から調和空気が所定風量で吹出される状態への移行に係る所定の情報を受けると、風量調整部21に、拡散吹出用吹出口装置11に向かう調和空気の風量を減らしてあらかじめ設定された所定風量とする風量調整を行わせる。また、拡散吹出用制御部31は、局所吹出用制御部32から、局所吹出用吹出口装置12を調和空気の吹出しのない風量0の状態へ移行させたことを示す情報を受けると、拡散吹出用吹出口装置11の風量調整部21に、調和空気の風量を減らした状態を解除するような風量調整を行わせることとなる。
【0069】
このように、拡散吹出用吹出口装置11から吹出される調和空気の風量を、検出した温度に合わせる通常の調整に加えて、局所吹出用吹出口装置12の吹出し状態にも対応させて調整することで、各吹出口装置の吹出し態様により異なる、使用者の空気調和効果の体感しやすさに見合った適切な風量に調整して調和空気を吹出せる。特に、使用者が調和空気の気流を体感しやすく、空気調和効果をより顕著に与えられる局所的な吹出し状態では、使用者が空気調和による快適感を得られる範囲で拡散吹出用吹出口装置11での吹出し風量を減らし、調和空気の送給量を抑えることで、使用者の快適感を確保しつつ、調和空気送給に係るエネルギー消費の抑制が図れる。
【0070】
この他、局所吹出用制御部32は、局所吹出用吹出口装置12から局所的に吹出しを行っている状況においても、風量調整部22のシャッター部26の回転による開度調整を行って、局所吹出用吹出口装置12から吹出される調和空気の風量を調整して使用者近傍への到達度合いを変えるようにすることもできる。
【0071】
さらに、局所吹出用制御部32は、局所吹出用吹出口装置12から調和空気を吹出している状態で、使用者が操作用端末40に対し局所的吹出し停止の指示操作を行った場合に対応して、操作用端末40から発信された信号を受け、強制的に風量調整部22を作動させて床下空間と吹出口本体内部が連通しない閉止状態として、調和空気の局所吹出用吹出口装置12を通じた吹出しを停止し、調和空気が拡散吹出用吹出口装置11からのみ吹出されるようにすることもできる。
【0072】
なお、局所吹出用制御部32は、風量調整部22の制御に特化したものに限られず、局所吹出用吹出口装置12上方の天井等に配置される照明等の制御部、例えば、使用者からの操作用端末を介した指示で照明をON・OFFしたり明るさを変化させる制御部、を兼ねる構成とすることもできる。
【0073】
前記操作用端末40は、局所吹出用吹出口装置12ごとに対応させて設けられ、使用者の入力操作を受けて、各局所吹出用吹出口装置12に対応する局所吹出用制御部32に対し局所吹出用吹出口装置12での調和空気の吹出し状態をそれまでと風量の異なるものに移行させる指示を送るものである。具体的には、調和空気を局所吹出用吹出口装置12を通じて所定風量吹出す状態の開始を、使用者によるスイッチ等の操作に基づき送信指示することとなる。また、操作用端末40は、局所吹出用吹出口装置12を通じて調和空気を吹出す状態を停止し、調和空気を拡散吹出用吹出口装置11のみを通じて吹出す状態に強制的に切替えるスイッチ等を有するようにしてもよい。
【0074】
この操作用端末40は、室内空間における操作用端末40近傍の温度を測定する温度センサ41を有しており、この温度センサ41で得られた温度情報を、拡散吹出用制御部31に対し風量調整用の情報として送信する。なお、操作用端末40は、この操作用端末が使用者の近傍にない状況や、温度センサ部分が室内空間の空気に直接触れていない状況における、温度の誤った検出を防止するために、使用者が操作用端末40を持ってその操作を行う時にのみ、温度情報を風量制御部30に対し送信する構成とすることもできる。
また、操作用端末40は、局所吹出用吹出口装置12ごとに割り当てられたリモコンに限られず、汎用の携帯通信端末やパーソナルコンピュータ等の機器でもよい。
【0075】
そして、操作用端末40と拡散吹出用制御部31との通信は、リモコン等で一般的な赤外線式や電波式の他、例えばIEEE 802.11シリーズやIEEE 802.15シリーズの規格方式に代表される無線通信を用いることもできる。
【0076】
前記人感センサ50は、単位領域71ごとに複数配設され、各単位領域71における人の存在の有無を検出するものである。詳細には、人感センサ50は、各単位領域71における室内空間に面する天井等の所定箇所に、検出部分を下方に向けて取り付けられ、単位領域71におけるセンサ検出範囲が、互いに近接しながらも重ならないようにして、一単位領域内の全ての部位が複数のセンサのいずれかの検出範囲に含まれる配置とされるものである。
【0077】
この人感センサ50は、単位領域71ごとに設けられる拡散吹出用制御部31と有線又は無線で通信可能に接続され、拡散吹出用制御部31に検出情報の信号を送信し、この検出情報の信号が拡散吹出用制御部31に入力されることで、拡散吹出用制御部31で単位領域に存在する人の有無に応じた調和空気の風量制御が行えるようにしている。なお、人感センサ50は、人の動きに伴う入射赤外線の変化を検出して電気信号を出力する公知の焦電型の人体検出用センサであり、詳細な説明を省略する。
【0078】
次に、前記構成に基づく空気調和システムによる室内空間への空気調和状態について説明する。前提として、通常の状況では拡散吹出用吹出口装置11のみを通じて室内空間に調和空気が吹出され、使用者の操作用端末40による遠隔操作により、局所吹出用吹出口装置12を通じた調和空気の局所的な吹出しが併用される状態が得られるものとする。
【0079】
使用者が特に操作を行わない場合、拡散吹出用吹出口装置11のみを通じて調和空気を拡散させて吹出す状態で吹出しが実行される。この場合、風量調整部21のシャッター部23は、拡散吹出用吹出口装置11の床下側開口部13cを閉塞せず吹出口本体13の内部空間と連通させる位置にあり、吹出口本体内部空間が床下側開口部13cを通じて床下空間に対し開放状態となっている。
【0080】
床下空間から供給された調和空気は、拡散吹出用吹出口装置11の床下側開口部13cを通じてスムーズに吹出口本体13の内部空間へ進行し、吹出口本体13内部を上昇する。そして、吹出口本体上部の室内側開口部13dに達した調和空気は、さらにフェース部14に到達し、各吹出孔14a、14bを通過する。調和空気の気流は、孔延長方向が垂直方向から傾斜している各吹出孔14a、14bの、フェース部14中心について回転対称となる配置に基づき、各吹出孔14a、14bを出た後合成され、旋回流となって室内空間に至る。
【0081】
こうして、拡散吹出用吹出口装置11から調和空気の気流を、旋回流として室内空間へそれぞれ吹出して(図4参照)、気流を旋回速度成分に基づいて拡散させ、室内空間の広範囲の領域に、調和空気を確実に到達させて空気調和を行い、室内空間を一様に温度調節する状態が得られる。
【0082】
一方、使用者が局所吹出用吹出口装置12からも調和空気の吹出しを行う状態を、操作用端末40の操作で選択した場合、これに基づいて、局所吹出用制御部32が風量調整部22を作動させ、モータ27の駆動によりシャッター部26を回転させて、床下側開口部16bを通じて吹出口本体内部空間と床下空間が連通した開放状態とする。またこの時、局所吹出用制御部32は、局所吹出用吹出口装置12を風量0の状態から所定風量で調和空気が吹出される状態に移行させたことを示す所定の情報を、拡散吹出用制御部31に送信する。
【0083】
局所吹出用吹出口装置12において、床下空間から供給された調和空気は、吹出口本体16の床下側開口部16bを通じて吹出口本体16の内部空間へ進行する。そして、調和空気は吹出口本体16上部のフェース部17に達し、フェース部17の一部傾斜形状の孔17aを通じて室内空間に至る。
【0084】
このようにして、局所吹出用吹出口装置12から使用者の存在する室内空間の特定の狭い領域に向けて調和空気が局所的に吹出される。そして、局所吹出用吹出口装置12から室内空間の狭い範囲へ調和空気が集中的に吹出されることで、居住域の使用者の位置まで調和空気を到達させられ、使用者の体に当たる気流から涼しさ又は暖かさを使用者に直接体感させられるなど、使用者を快適な状態に早期に移行させる優れた体感温度調整状態を得ることができる。
【0085】
この状態では、拡散吹出用制御部31が、局所吹出用制御部32からの吹出し状態の移行に係る情報を受けて、風量調整部21に、拡散吹出用吹出口装置31に流入する調和空気の風量を、あらかじめ設定された所定風量に減らす風量調整も行わせている。このため、使用者が調和空気の局所的に吹出される気流と接して、空気調和に基づく快適感を得られる状態が確保される一方で、室内空間に吹出される調和空気の総風量を適度に抑えたものにでき、調和空気の送給に係るエネルギーを抑制して、空気調和コストの低減が図れる。
【0086】
なお、局所吹出用吹出口装置12のフェース部17における孔17aのある中央部を、フェース部外側部分や吹出口本体16に対し回動可能に配設していることで、フェース部17中央部を回動調整して、傾斜した孔17aの向きを変化させ、調和空気の吹出方向を変えることができる。使用者は局所吹出用吹出口装置の室内空間に露出しているフェース部17中央部を適宜回転させ、調和空気の吹出す向きを任意に調整できる。吹出方向を居住域における使用者の状況に対応して適切に設定でき、効率よく空気調和を行える。
【0087】
使用者の操作に基づいて、調和空気を局所吹出用吹出口装置12からも吹出す状態となった後、局所吹出用制御部32は、この局所吹出用吹出口装置12を通じて調和空気を吹出す状態を、外気温等に基づいて設定される第一の所定時間分継続させる。
【0088】
調和空気を局所吹出用吹出口装置12を通じて吹出す状態が継続する第一の所定時間は、局所吹出用制御部32において、例えば、室内空間外の気温(外気温)と室内空間の温度との差に応じて設定される。温度差が大きい場合はこの第一の所定時間を長めに設定することで、外部から室内空間に入ってきた使用者に、局所的な気流との接触で快適感を与えつつ、室内空間の空気調和状態に慣れる十分な期間を提供できる。逆に温度差が小さい場合は、第一の所定時間を短く設定しても、外部から室内空間に入ってきた使用者を室内空間の空気調和状態に容易に馴染ませることができる。いずれの場合も、調和空気の局所的な気流の活用で、調和空気を拡散吹出用吹出口装置11を通じて吹出す状態に比べて効率よく使用者の快適な状態を得ることができる。
【0089】
そして、第一の所定時間が経過すると、この局所吹出用吹出口装置12を通じて調和空気を所定風量で吹出す状態から、局所吹出用吹出口装置12を通じての風量が0となって、通常の拡散吹出用吹出口装置11を通じてのみ調和空気を吹出す状態に復帰する過程が開始し、局所吹出用制御部32は、第二の所定時間をかけて、調和空気の風量を0とする状態への移行を徐々に実行させる。具体的には、局所吹出用制御部32は、風量調整部22のモータ27によりシャッター部26を回転させて、床下側開口部16bを通じた吹出口本体16内部空間と床下空間との連通を少なくし、最終的に連通しない状態とする過程を、第二の所定時間で徐々に実行させることとなる。
【0090】
局所吹出用制御部32が、第一の所定時間の後に、第二の所定時間をかけて局所吹出用吹出口装置12を通じての吹出し風量を0とし、調和空気を拡散吹出用吹出口装置11を通じてのみ吹出す状態に徐々に移行させることで、局所的な調和空気の気流は徐々に弱まることとなり、局所吹出用吹出口装置12を通じて吹出される局所的な調和空気の気流との接触に慣れた使用者が、局所的な気流が急激に減衰する場合のような違和感を感じずに済み、空気調和による快適感を維持しやすい。
【0091】
切替後の、調和空気を拡散吹出用吹出口装置11を通じてのみ吹出す状態では、前記同様、調和空気の気流を旋回流として拡散吹出用吹出口装置11から広い範囲に吹出して、室内空間の広範囲の領域に、調和空気を確実に拡散させて空気調和を行える。
【0092】
また、局所吹出用吹出口装置12での異なる吹出し状態への移行に際して、局所吹出用制御部32は、調和空気の風量を0にする状態への移行を行ったことを示す情報を、拡散吹出用制御部31に送信する。そして、拡散吹出用制御部31は、局所吹出用制御部32からの情報を受けると、風量調整部21に、以前の吹出し状態移行に応じて調和空気の風量を減らした状態を解除する(風量を元に戻す)ような風量調整を行わせる。このため、調和空気を拡散吹出用吹出口装置11からのみ吹出す状態に復帰した後では、十分な風量の調和空気を拡散吹出用吹出口装置11から拡散させて吹出して、拡散吹出用吹出口装置11に対応する単位領域の各部に、調和空気を確実に到達させることができる。
【0093】
また、こうした空気調和の実行中、拡散吹出用制御部31では、操作用端末40に内蔵された温度センサ41の検出した、室内空間の温度情報を受け取り、拡散吹出用吹出口装置11に向かう調和空気の風量を、得られた室内空間の実測温度と、空気調和の目標温度とを一致させられる適正量となるように、風量調整部21に風量調整を行わせている。温度センサ41から得られた温度と空気調和の目標温度との差が大きい場合は、拡散吹出用制御部31は、風量調整部21に調和空気の風量を大きくするようにさせ、室内空間に調和空気の温度の影響を強力に与え、室内空間の温度を目標温度に速やかに近付けていく。
【0094】
また、温度センサ41から得られた温度が空気調和の目標温度に近いか一致する場合には、拡散吹出用制御部31は、風量調整部21が拡散吹出用吹出口装置11に流入する調和空気の風量を、極端に変化させず適量に維持して、室内空間の温度が目標温度に保たれるように制御を行う。
【0095】
居住域の使用者が活動する位置の温度を操作用端末40の温度センサ41で測定し、得られた温度情報を拡散吹出用制御部31に送信して、この温度情報に基づいて風量調整部21での風量調整制御を実行することから、使用者に近い位置の温度に基づく制御で使用者の実感に合った温度調整が行え、室内空間の快適性を向上させられる。
【0096】
さらに、拡散吹出用制御部31は、人感センサ50の検出情報も受け取って、風量調整に係る制御を実行しており、対応する各拡散吹出用吹出口装置11のある単位領域71におけるいずれかの人感センサ50で人の存在を検出している場合には、通常通り温度センサ41の検出温度に対応した風量調整部21での風量調整を実行させる。ただし、単位領域71にある全ての人感センサ50で人の存在を検出できなくなった場合には、その情報を受けた拡散吹出用制御部31は、風量調整部21が拡散吹出用吹出口装置11に流入する調和空気の風量をあらかじめ設定された最小風量とするよう、制御を行い、室内空間の単位領域における必要最小限の換気状態は確保しつつ、調和空気の不要な供給を防いで無駄なエネルギー消費を抑える。これにより、空気調和をより効率よく進められる。
【0097】
このように、本実施形態に係る空気調和システムにおいては、吹出口装置として拡散吹出用吹出口装置11と局所吹出用吹出口装置12とを有して、拡散吹出用吹出口装置11から室内空間に調和空気の気流を広く拡散させる状態を維持しつつ、局所吹出用吹出口装置12の使用、不使用を切替えて、必要に応じて局所吹出用吹出口装置12からの室内空間の所望位置への調和空気の局所的吹出し状態を得られるようにすると共に、局所吹出用吹出口装置12から所定風量の調和空気が局所的に吹出されるように風量調整部22が作動制御された場合に、拡散吹出用制御部31が拡散吹出用吹出口装置11の風量調整部21を作動させて調和空気の風量を抑えるようにすることから、使用者が調和空気の気流を体感でき、空気調和効果をより顕著に与えられる局所的な吹出しの併用時には、使用者が空気調和による快適感を得られる範囲で風量を減らして、調和空気の送給量を抑えられることとなり、使用者の快適感を確保しつつ、調和空気送給に係るエネルギー消費の抑制が図れ、空気調和のコストを抑えられる。
【0098】
なお、前記実施形態に係る空気調和システムにおいては、室内空間の一単位領域に四つの拡散吹出用吹出口装置11と六つの局所吹出用吹出口装置12とを一定間隔で配設する構成としているが、拡散吹出用吹出口装置と局所吹出用吹出口装置の数や配置はこれに限られず、室内空間の状況や用途に応じて、各吹出口装置を適宜配置するようにしてかまわない。
【0099】
また、前記実施形態に係る空気調和システムにおいては、局所吹出用吹出口装置12と一対一に対応する局所吹出用制御部32を用い、この局所吹出用制御部32が使用者側の操作用端末40からの信号を受け、局所吹出用吹出口装置12の風量調整部22の作動制御を行う構成となっているが、この他、室内に在室している使用者の携帯電話やスマートフォン等の通信端末やコンピュータ等から、電話回線網やネットワークを通じて操作情報の信号を代表して受信する通信制御部と、室内の複数の局所吹出用吹出口装置にそれぞれ対応して作動制御を行う作動制御部とを備えて、通信制御部が各作動制御部のうち、通信端末から操作した使用者の位置に対応する局所吹出用吹出口装置の作動制御部に対し、作動指令の信号を送る構成とすることもでき、所定の吹出口装置専用のリモコン以外の、一般的な携帯通信端末等からでも、使用者が吹出口での局所的吹出しの実行を指示操作可能となり、さらに利便性を向上させられる。
【0100】
この場合、まず通信制御部が、室内空間の居住域における所定の使用者の例えば携帯電話等の通信端末から送信された操作情報の信号を受信し、この操作情報の信号から通信制御部が送信元の通信端末とその使用者を認識して、あらかじめ使用者に対応付けられた室内所定箇所における操作対象の局所吹出用吹出口装置の位置を割出すこととなる。そして、通信制御部は、この操作対象位置にある局所吹出用吹出口装置に対応する作動制御部に作動指令信号を送り、これを受けた作動制御部が、風量調整部の作動制御を行うこととなる。
【0101】
また、前記実施形態に係る空気調和システムにおいては、局所吹出用制御部32が使用者の操作に基づいて、調和空気の吹出し状態を、局所吹出用吹出口装置12を風量0の状態から所定風量の調和空気を吹出す状態に移行させた後、第一の所定時間が経過すると、自動的に、局所吹出用吹出口装置12の風量を0として拡散吹出用吹出口装置11を通じてのみ吹出す状態に復帰させる構成としているが、これに限らず、使用者が、前記第一の所定時間の経過に関わりなく、操作用端末の操作を行うと、これを受けた局所吹出用制御部が、風量調整部を作動させて、局所吹出用吹出口装置を通じて調和空気の吹出しを行う状態を強制停止する構成とすることもできる。
【0102】
この場合も、前記同様に風量調整部の作動により吹出口本体内部へ調和空気が流入しない状態となり、局所吹出用吹出口装置12の風量は0となる。この状態で、床下空間から供給される調和空気は、拡散吹出用吹出口装置へのみ進行し、調和空気の気流を拡散吹出用吹出口装置から旋回流として吹出して、室内空間の広範囲の領域に、調和空気を確実に拡散させて空気調和を行える。
【0103】
また、前記実施形態に係る空気調和システムにおいては、操作用端末40の温度センサ41で取得した温度情報を拡散吹出用制御部31での風量調整に係る制御に用いる構成としているが、この他、操作用端末40の温度センサ41で得た温度情報を局所吹出用制御部にも送信して局所吹出用吹出口装置の風量調整に利用してもよく、局所吹出用制御部で例えば使用者の近傍領域の温度が目標温度を大きく超える場合に、風潮調整部のシャッター部を動かして吹出口本体内部空間と床下空間との連通度合いを下げるなどして、居住域に局所的に到達する調和空気の気流を弱めるといった風量調整制御を実行するようにしてもよい。
【0104】
さらに、前記実施形態に係る空気調和システムにおいては、使用者の操作用端末40の操作に基づいて局所吹出用制御部32が風量調整部22を作動させて局所吹出用吹出口装置を通じて調和空気が吹出される状態にいったん移行させたら、前記第一の所定時間が経過するまで、局所吹出用制御部32は風量調整部22を作動させず吹出し状態を維持する構成としているが、これに限らず、拡散吹出用吹出口装置11に対応する人感センサ50、及び/又は操作用端末40の一部に設けた人感センサで人の存在を検出した情報を用いるようにし、局所吹出用吹出口装置12からの調和空気吹出しの対象となる、居住域の所定領域における人の不在を人感センサで識別したら、局所吹出用制御部が風量調整部を作動させて局所吹出用吹出口装置から調和空気を吹出さない状態にする構成とすることもできる。
【0105】
この場合、局所吹出用吹出口装置を通じて調和空気を局所的に吹出す状態のまま、調和空気の気流を到達させる対象領域から使用者が所定時間以上離れると、速やかに拡散吹出用吹出口装置を通じてのみ調和空気を吹き出すようにし、調和空気を拡散吹出用吹出口装置から室内空間に広く拡散させる吹出し状態に移行させることで、一部の領域へ局所的に吹出されようとしていた調和空気を、室内空間全体を対象とした空気調和に有効に活用でき、室内空間に対し効率よく空気調和が行えることとなる。
【0106】
こうした人感センサの他に、操作用端末40の一部に設けた温度センサ41を活用し、局所吹出用吹出口装置からの調和空気吹出しの対象となる、居住域の所定領域における温度を温度センサ41で測定し、得られた温度が室内全体の空気調和における目標温度から大きく外れている場合には、局所吹出用制御部が局所吹出用吹出口装置からの局所的吹出しを停止するよう風量調整部を制御する構成とすることもでき、空気調和をしばらく停止していた室内空間に対しあらためて空気調和を開始した直後など、室内空間の温度がまだ一様でない不十分な空気調和状況では、室内空間全体を対象とする空気調和を優先して、できるだけ短時間に室内空間を全体的に快適な温度状態に移行させるようにすることができる。
【0107】
(本発明の第2の実施形態)
前記第1の実施形態に係る空気調和システムにおいては、室内空間70を複数の単位領域71に分けて、単位領域71ごとに人の存在の有無を人感センサ50で検出して、単位領域に人が存在しない場合は風量調整部21で拡散吹出用吹出口装置11に向かう調和空気の風量を絞って、拡散吹出用吹出口装置11からの調和空気の吹出しを、必要最小限の最小風量状態となるように、拡散吹出用制御部31が制御を行う構成としているが、この他、第2の実施形態として、図8及び図9に示すように、室内空間の全ての人感センサの検出情報を受取り、室内空間の全ての単位領域における人の存在状況に基づく制御を行う総合制御部35を備えて、室内空間における全ての人感センサ50の検出結果に基づいて、人の存在する単位領域71が室内空間の全ての単位領域に対し所定割合以下となった場合に、人の存在する単位領域71での各吹出口装置の吹出し状態を、調和空気が主に局所吹出用吹出口装置12を通じて吹出す状態となるようにする構成とすることもできる。
【0108】
前記総合制御部35は、拡散吹出用制御部31や局所吹出用制御部32に制御指示を与えるより上位の制御部分として、室内空間70の全ての人感センサ50の検出情報を受け取り、人感センサ50で人の存在を検出できた単位領域71が、室内空間70の全ての単位領域に対し所定の割合(例えば、25%)以下になると、その単位領域における局所吹出用吹出口装置11の局所吹出用制御部32に対し、局所吹出用吹出口装置12における吹出し状態を風量の異なる別の吹出し状態へ移行させる指示を送信する一方、拡散吹出用制御部31に対しては、拡散吹出用吹出口装置11を通じた調和空気の吹出し風量を抑える指示を送信するものである。
【0109】
そして、人の存在する単位領域71の局所吹出用吹出口装置12に対応する局所吹出用制御部32が、風量調整部22に、局所吹出用吹出口装置12を通じて吹出される調和空気を風量0から所定風量とする風量調整の制御を行う。また、同じ単位領域71の拡散吹出用吹出口装置11に対応する拡散吹出用制御部31が、風量調整部21に、拡散吹出用吹出口装置11を通じて吹出される調和空気をあらかじめ設定された所定の最小風量とする風量調整の制御を行う。
【0110】
人感センサ50による検出の結果、人感センサ50で人の存在を検出できる単位領域の数が、室内空間の全ての単位領域に対し所定の割合以下になる、すなわち、人の存在しない単位領域が室内空間の大部分を占める状態では、前記第1の実施形態同様、人感センサ50で人の存在を検出できない単位領域の風量が抑えられて最小風量となることで、室内空間全体への調和空気の供給量は著しく減少する。この場合、人が存在する単位領域71への通常の拡散吹出用吹出口装置11を通じた吹出しによる領域全体を対象とする空気調和のみでは、十分な調和空気を供給していない他の単位領域があることに伴う室内空間全体の空気調和負荷の影響で、人が存在する単位領域への空気調和が十分に行えないおそれがある。
【0111】
この時、人が存在する単位領域71における局所吹出用吹出口装置12に対応する局所吹出用制御部32が風量調整部22を制御し、局所吹出用吹出口装置12の吹出し状態を風量0から調和空気が所定風量吹出される状態に移行させ(既に局所吹出用吹出口装置12を通じて調和空気が所定風量吹出される状態の場合はそのまま)、且つ拡散吹出用制御部31が風量調整部21を制御して、拡散吹出用吹出口装置11を通じて吹出される調和空気の風量を抑えて、拡散吹出用吹出口装置11を通じた吹出しによる単位領域の空間全体をターゲットとした空気調和を一旦停止して、人の周りの限られた領域のみ局所的に空気調和が行われるようにすれば、必要最小限の調和空気送給で効率よく人の快適性を確保した空気調和が行える。これにより、あくまで空間全体の空気調和を目指し、負荷に対する空気調和能力を補うために人が存在しない単位領域の空気調和を行い、かえって非効率となるのを防ぐことができる。
【0112】
この場合、使用者に適切な空気調和効果がもたらされるように、局所吹出用吹出口装置12が調和空気を所定風量で吹出す状態への吹出し状態変化を、使用者に何らかの通知手段で通知して、必要に応じ局所吹出用吹出口装置12の吹出し方向を使用者に正しく向ける調整を使用者に促すことが望ましい。
【0113】
なお、総合制御部35をはじめ、拡散吹出用制御部31や局所吹出用制御部32については、三種のうちいずれか二種、もしくは全部を統合して、一つの制御部分としてまとまったものが複数の制御機能を有する構成とすることもできる。また、局所吹出用吹出口装置12の局所吹出用制御部32についても、一吹出口装置ごとに個別配設とせず、複数の吹出口装置ごとにまとめて配設するようにしてもかまわない。
【符号の説明】
【0114】
1 空気調和システム
11 拡散吹出用吹出口装置
12 局所吹出用吹出口装置
13 吹出口本体
13a 外枠部
13b 内枠部
13c 床下側開口部
13d 室内側開口部
14 フェース部
14a、14b 吹出孔
16 吹出口本体
16a 室内側開口部
16b 床下側開口部
17 フェース部
17a 孔
21、22 風量調整部
23、26 シャッター部
24、27 モータ
31 拡散吹出用制御部
32 局所吹出用制御部
35 総合制御部
40 操作用端末
41 温度センサ
50 人感センサ
70 室内空間
71 単位領域
80 床
81 床パネル
81a 設備用開口
82 床下空間
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9