(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、上記特許文献1の魚道では、堤体を貫通する注水管によって高水路と低位チャンバとを接続し、かつ注水管に注水弁を設けており、当初の設備が複雑である。また、この魚道では、注水弁に枝や葉等の異物が絡み易く、保守点検も面倒である。このため、この魚道では、建設費が未だ過大であるとともに、維持管理も容易ではない。
【0009】
本発明は、上記従来の実情に鑑みてなされたものであって、水生生物を遡上させることができるとともに、建設費を低減でき、かつ維持管理が容易な魚道を提供することを解決すべき課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の魚道は、堤体の上流側に位置する高水路と、前記堤体の下流側に位置する低水路とを接続し、水生生物を前記低水路から前記高水路まで遡上させるための魚道において、
筒状をなして前記高水路から前記低水路まで長さ方向に延び、内部に誘導路を形成する遡上用筒体と、
前記遡上用筒体に前記長さ方向で2箇所以上で設けられ、前記誘導路を開閉可能な制水弁とを備え、
各前記制水弁には、前記誘導路の閉鎖時に上流側と下流側とを連通する連通路が形成されていることを特徴とする。
【0011】
本発明の魚道により水生生物を遡上させる場合、仮に全ての制水弁を閉鎖状態とし、遡上用筒体内の誘導路を3以上のブロックに分けたとしても、各制水弁には上流側と下流側とを連通する連通路が形成されているため、上流から下流まで水を流し続けることができる。水生生物には遡上特性があり、連通路によって水生生物は水の上流側を認識できる。連通路の通路面積は、水の流量や水生生物等に応じて適宜選択される。この魚道では、制水弁の開度を調節することによって、水生生物が遡上し易いように誘導路内の水の流速を変化させることもできる。
【0012】
また、この魚道では、遡上用筒体に長さ方向で2箇所以上の制水弁が設けられ、各制水弁を開閉制御することにより、3以上のブロック内に適宜水を満たすことができる。このため、この魚道も圧力管形式に区分される。そして、水生生物があるブロックの下流側に位置すれば、そのブロックの上流側の制水弁を閉じた状態で、そのブロックの下流側の制水弁を開放し、水生生物をそのブロック内まで遡上させることができる。また、水生生物がそのブロック内に遡上すれば、そのブロックの下流側の制水弁を閉じ、そのブロックの上流側の制水弁を閉じた状態から開放し、水生生物をより上流のブロックまで遡上させることができる。順次これらを繰り返すことが可能である。この際、この魚道では、各ブロックに高速の水の流れができず、各ブロックが水生生物の遊泳場となる。このため、遡上用筒体の傾斜角度にかかわらず、水生生物が遡上可能となる。
【0013】
さらに、この魚道では、堤体を貫通し、注水弁が必要な注水管のような従来の設備が不要であり、当初の設備が簡易になる。
【0014】
また、この魚道では、遡上用筒体に枝や葉等の異物が流入し、各制水弁を閉じた際、切欠きに枝や葉等の異物が絡んだとしても、制水弁を開放すれば、これらの異物は下流側の低水路へと容易に流れる。このため、この魚道では、保守点検も容易である。
【0015】
したがって、本発明の魚道は、水生生物を遡上させることができるとともに、建設費を低減でき、かつ維持管理が容易である。特に、この魚道では、既に構築された堤体に対して容易に付加され得る。なお、連通路は、制水弁の弁体に形成された切欠きによって確保してもよく、弁体周りの遡上用筒体に形成された凹部によって確保してもよい。
【0016】
各制水弁は、弁体を軸支部によって開閉可能なバタフライ弁であり得る。各弁体には、連通路を形成する切欠きが形成されていることが好ましい。この場合、バタフライ弁の弁体以外の場所に連通路を形成するよりも、連通路を形成し易い。このため、この魚道の建設費を確実に低減することができる。
【0017】
なお、各バタフライ弁は、弁体が1個であってもよく、弁体が2個以上であってもよい。例えば、弁体が2個のバタフライ弁が遡上用筒体に長さ方向で2箇所以上で設けられれば、2個ずつの弁体が同時に開閉制御されることとなる。
【0018】
遡上用筒体は、上流側に位置する上流側遡上用筒体と、下流側に位置する下流側遡上用筒体とを有していることが好ましい。そして、上流側遡上用筒体と下流側遡上用筒体との間には、内部に誘導路と連通する休息室を形成するチャンバが設けられていることが好ましい。
【0019】
この場合、低水路と高水路との高さの差が大きくても、下流側遡上用筒体内の誘導路を遡上してきた水生生物がチャンバ内の休息室内で休息することが可能になる。そして、休息室内で遡上の疲れを癒した水生生物が上流側遡上用筒体内の誘導路の遡上を開始することが可能になる。こうして、水生生物は高さの差の大きな低水路と高水路との間で遡上を終えることができる。チャンバは複数個設けてもよい。
【0020】
遡上用筒体は、少なくとも上流側が可撓性を有していることが好ましい。この場合、遡上用筒体の上流側は、高水路における水位の変動に追従することができる。遡上用筒体の下流側も可撓性を有している場合、遡上用筒体の下流側は、低水路における水位の変動に追従することができるとともに、低水路の川底に沿うこともできる。遡上用筒体の全体が可撓性を有している場合、地形や堤体の形状に合わせて遡上用筒体を設置することができる。例えば、遡上用筒体の途中を山状、谷状等に変形することも可能である。可撓性を有する構造としては、蛇腹を採用することができる。
【0021】
本発明の魚道は、遡上用筒体が山状に配置される山状部を有し得る。山状部には、誘導路を大気に開く大気開放弁が設けられていることが好ましい。山状部内の水位が高水路の水位よりも高くなる場合、山状部の内部に空気が溜まる場合がある。この場合、例えば真空ポンプを用いて遡上用筒体に高水路の水を供給しつつ、大気開放弁が山状部内の空気を排出することにより、誘導路内を水で満たすことが可能となる。このため、遡上用筒体は、サイホン管としての機能を発揮することができる。
【0022】
大気開放弁には、真空ポンプ等の排気装置が接続されていることが好ましい。山状部内の水位が高水路の水位よりも高くなる場合において、山状部内に空気が溜まり、遡上用筒体がサイホン管として機能しなくなったとしても、排気装置が山状部内の空気を排出し、誘導路内を水で満たすことが可能となる。このため、この遡上用筒体も、サイホン管としての機能を発揮することができる。また、この魚道では、山状部内の水位が高水路の水位よりも低い場合でも、山状部内に生じた空気を排気装置によって排出できるため、その機能を再び発揮することができる。この魚道では、高水路と低水路との高低差が大きい場合に、本発明の作用効果をより発揮し易い。
【0023】
本発明の魚道は、各制水弁を開閉制御可能な制御装置が設けられ得る。この場合、水生生物を自動的に遡上させることができる。制御装置は、少なくとも一つの制水弁の弁体が誘導路を閉じているように、各制水弁を開閉制御することが好ましい。この場合、高水路と低水路との落差によって誘導路内の水の流速が過剰に大きくなることがなく、水生生物が遡上を容易に行うことができる。
【0024】
本発明の魚道は、筒状をなして高水路から低水路まで長さ方向に延び、内部に発電用水路を形成する発電用筒体と、発電用水路を流れる水によって電気を生じる水力発電機とを備えていることが好ましい。そして、各制水弁及び制御装置は、その水力発電機によって生じた電気によって駆動されていることが好ましい。この場合、各制水弁及び制御装置を駆動するための電気を水力発電機で賄うことができる。水力発電機には、各制水弁及び制御装置が稼動していない間に、生じた電気を充電しておくことが可能な蓄電池が接続されていることが好ましい。
【0025】
遡上用筒体と発電用筒体とを2連水路にすれば、遡上用筒体とともに発電用筒体を設置すればよく、遡上用筒体と発電用筒体とを別々の敷地に設置するよりも安価な費用で設置することができる。このため、工事の施工効率が上がるとともに費用の高騰化を防止することができる。
【0026】
なお、複数の遡上用筒体と発電用筒体とにより、3連水路以上の連水路とすることもできる。口径の大きな遡上用筒体を設置すれば、コストが高騰化し易いが、3連水路以上の連水路により、口径の小さな遡上用筒体を設けることにより、より一層コストの高騰化を防止することができる。
【0027】
制御装置は、一定時間毎に各制水弁を開閉することが好ましい。この場合、継続的に水生生物を低水路から高水路に遡上させることができる。
【0028】
遡上用筒体内には、水生生物を検知可能なセンサが設けられ得る。制御装置は、センサの出力信号によって各制水弁を開閉することが好ましい。この場合、魚道を遡上しようとする水生生物が存在する場合にその水生生物を確実に遡上させることができる。
【0029】
遡上用筒体内には、光によって水生生物を誘引可能な誘引手段が設けられていることが好ましい。この場合、誘引手段の光によって、水生生物の遡上を誘導することができる。誘引手段としては、例えば、遡上用筒体の少なくとも一部を透明又は半透明として太陽光等が誘導路内に導かれるようにすることの他、太陽光や照明光を伝達する光ファイバや発光体等を採用することができる。発光体を用いれば、水生生物は夜間でも遡上を行うことができる。発光体としては、LED照明、蛍光灯、蓄光材料等を採用することができる。
【発明の効果】
【0030】
本発明の魚道は、水生生物を遡上させることができるとともに、建設費を低減でき、かつ維持管理が容易である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明を具体化した実施例1〜5について図面を参照しつつ説明する。
【0033】
(実施例1)
図1に示すように、河川には堤体としてのダム2が構築されている。ダム2には、実施例1の魚道1Aが設けられている。この魚道1Aは、ダム2の上流側に位置する高水路としてのダム湖3と、ダム2の下流側に位置する低水路4とを接続している。
【0034】
魚道1Aは、上流側遡上用筒体51と、チャンバ11と、下流側遡上用筒体52と、第1〜7バタフライ弁71〜77とを備えている。上流側遡上用筒体51及び下流側遡上用筒体52が遡上用筒体である。
【0035】
上流側遡上用筒体51は、
図2に示すように、長さ方向に直交する方向の断面が円形である円筒状をなしている。上流側遡上用筒体51は、
図1に示すように、内部にダム湖3に連通する上流側誘導路51iを形成している。上流側遡上用筒体51は、上流筒体51aと、第1中流筒体51bと、第1下流筒体51cからなる。上流筒体51aは、ダム2の上流側でダム2内を水平に延びている。第1中流筒体51bは、上流筒体51aの下流側と接続され、第1下流筒体51cの上流側までダム2の下流側の壁面に沿って傾斜している。第1下流筒体51cは、チャンバ11から水平に延びている。
【0036】
下流側遡上用筒体52も、
図2に示すように、長さ方向に直交する方向の断面が円形である円筒状をなしている。下流側遡上用筒体52は、
図1に示すように、内部に低水路4に連通する下流側誘導路52iを形成している。下流側遡上用筒体52は、第2中流筒体52aと、第2下流筒体52bとからなる。第2中流筒体52aは、チャンバ11からダム2の下流側の壁面に沿って傾斜している。第2下流筒体52bは、第2中流筒体52aの下流側と接続され、低水路4内まで水平に延びている。上流側誘導路51i及び下流側誘導路52iが誘導路5iである。
【0037】
チャンバ11は、中空の容器状をなしている。チャンバ11は上流側遡上用筒体51と下流側遡上用筒体52との間に設けられている。チャンバ11は、内部に休息室11iを形成している。休息室11iの上部は上流側誘導路51i及び下流側誘導路52iと連通している。チャンバ11の一方の側面には、休息室11iと外部とを連通する余水吐11yが形成されている。余水吐11yよりも高位の水は余水吐11yから排出される。このため、休息室11iの上部には、余水吐11yから取り入れられた空気が存在する。余水吐11yには、水生生物としての魚類10が流出しないように網状のスクリーン54が設けられている。
【0038】
上流筒体51aには、第1バタフライ弁71が設けられている。第1下流筒体51cには、第2、3バタフライ弁72、73が上流側から順次設けられている。第2下流筒体52bには、第4〜7バタフライ弁74〜77が長さ方向で上流側から順次設けられている。第4〜7バタフライ弁74〜77は互いに所定間隔で隔てられている。
【0039】
第1〜7バタフライ弁71〜77は、
図5〜8に示すように、誘導路5i及び休息室11iを8つのブロック61〜68で区画している。すなわち、第2下流筒体52bの下流端から第7バタフライ弁77までを第1ブロック61とする。第7バタフライ弁77から第6バタフライ弁76までを第2ブロック62とする。第6バタフライ弁76から第5バタフライ弁75までを第3ブロック63とする。第5バタフライ弁75から第4バタフライ弁74までを第4ブロック64とする。第4バタフライ弁74から第3バタフライ弁73までを第5ブロック65とする。第3バタフライ弁73から休息室11iを含み、第2バタフライ弁72までを第6ブロック66とする。第2バタフライ弁72から第1バタフライ弁71までを第7ブロック67とする。第1バタフライ弁71から上流筒体51aの上流端までを第8ブロック68とする。
【0040】
図2に示すように、第1〜7バタフライ弁71〜77は、それぞれ弁体41と、軸支部42と、駆動部43とを有している。各弁体41は、上流側遡上用筒体51及び下流側遡上用筒体52の長さ方向に直交する方向の断面で見て、略円形をなしている。各弁体41の下端側には、連通路として水等を挿通することが可能な半円状の切欠き41aが形成されている。各弁体41は、閉鎖時に切欠き41aを除いて誘導路5iを閉鎖可能である。各軸支部42は、上流側遡上用筒体51及び下流側遡上用筒体52の長さ方向に直交する方向の断面で見て、弁体41の直径方向である水平方向に延び、弁体41を開閉可能に支持している。各駆動部43は、モータを内蔵しており、電力が供給されることによって軸支部42を90°揺動させることが可能となっている。駆動部43は、第1〜8ブロック61〜68に急激に水が流れ込まないように、低速度で揺動するように設定されている。
【0041】
上流側遡上用筒体51、チャンバ11及び下流側遡上用筒体52の隣には、これらと平行に発電用筒体7が設けられている。発電用筒体7も、長さ方向に直交する方向の断面が円形である円筒状をなし、ダム湖3と低水路4とを接続している。発電用筒体7は内部に発電用水路7iを形成している。発電用筒体7は上流端と下流端とが開いている。発電用筒体7の上流端には、魚類10や枝、葉等の異物が入り込まないように、図示しない網状をしたスクリーンが取り付けられている。こうして、この魚道1Aでは、上流側遡上用筒体51、チャンバ11及び下流側遡上用筒体52と発電用筒体7とで2連水路とされている。
【0042】
図3に示すように、発電用筒体7の下流側には、発電用水路7iを流れる水によって電気を生じる水力発電機9が設けられている。発電用筒体7は、水力発電機9よりも下流側の水の勢いによって第2下流筒体52bの下流に屯する魚類10に影響を与えないように、水力発電機9よりも下流側が第2下流筒体52bの下流端から離れるようにS字型に屈曲している。魚類10が発電用水路7iから流れる水により誘引されて迷走するおそれがあるためである。なお、発電用筒体7の下流側において、第2下流筒体52bの下流に魚類10を呼び込むため、下流側遡上用筒体52の下流端付近の低水路4に放水する呼水管が設けられていてもよい。
【0043】
図1に示すように、水力発電機9には蓄電池24が接続されており、蓄電池24と第1〜7バタフライ弁71〜77の駆動部43とは電線20で接続されている。また、蓄電池24には電線23によって制御装置22が接続されている。制御装置22と第1〜7バタフライ弁71〜77とは信号線25によって接続されている。制御装置22内には、
図4に示すフローチャートに従って第1〜7バタフライ弁71〜77を開閉制御するためのプログラムが格納されている。制御装置22は、このプログラムにより、第1、3、5、7バタフライ弁71、73、75、77と、第2、4、6バタフライ弁72、74、76とを一定時間経過するごとに交互に開閉を行うことが可能とされている。こうして、実施例1の魚道1Aが構成されている。
【0044】
この魚道1Aにおいて、
図5〜8に示すように、低水路4に存在していた魚類10がダム湖3に向って遡上を行う場合を説明する。第1〜8ブロック61〜68は満水状態とされている。但し、休息室11i内の余水吐11yより上方には空気が存在している。
【0045】
まず、
図4に示すように、制御装置22では、ステップS1が実行され、初期設定が行われる。初期設定では、第1〜7バタフライ弁71〜77を全て閉鎖させる等の処理を行う。続くステップS2では、第1、3、5、7バタフライ弁71、73、75、77を開操作する。これにより、
図5(A)に示すように、ダム湖3内の水は第2バタフライ弁72によって堰き止められる。第7、8ブロック67、68内の水は第2バタフライ弁72の弁体41の切欠き41aから下流に徐々に流れる。また、チャンバ11の休息室11iには水が貯留される。休息室11iから溢れた水は、第4、6バタフライ弁74、76の各々の弁体41の切欠き41aから下流に徐々に流れる。この状態において、遡上特性により、低水路4において切欠き41aによって水の上流側を認識した魚類10は、低水路4から第1ブロック61内に進入し、第1ブロック61から第2ブロック62に遡上し、第6バタフライ弁76の切欠き41a付近に誘引される。
【0046】
図4に示すように、続くステップS3では、一定時間が経過した後、第1、3、5、7バタフライ弁71、73、75、77を閉操作する。この後、ステップS4では、第2、4、6バタフライ弁72、74、76を開操作する。これにより、
図5(B)に示すように、ダム湖3内の水は第1バタフライ弁71によって堰き止められる。第8ブロック68内の水は第1バタフライ弁71の弁体41の切欠き41aから下流に徐々に流れ、第6、7ブロック66、67内の水は第3バタフライ弁73の弁体41の切欠き41aから下流に徐々に流れる。また、チャンバ11の休息室11iに水が貯留される。休息室11iから溢れた水は、第5、7バタフライ弁75、77の各々の弁体41の切欠き41aから下流に徐々に流れる。このため、第2ブロック62に存在していた魚類10は、第3ブロック63に遡上し、第5バタフライ弁75の切欠き41a付近に誘引される。また、低水路4から進入してきた魚類10は、第1ブロック61に遡上し、第7バタフライ弁77の切欠き41a付近に誘引される。
【0047】
図4に示すように、続くステップS5では、一定時間が経過した後、第2、4、6バタフライ弁72、74、76を閉操作する。この後、ステップS2に戻る。
【0048】
このため、
図6(A)に示すように、第3ブロック63に存在していた魚類10は、第4ブロック64に遡上し、第4バタフライ弁74の切欠き41a付近に誘引される。また、第1ブロック61に存在していた魚類10は、
図5(A)と同様、第2ブロック62に遡上し、第6バタフライ弁76の切欠き41a付近に誘引される。
【0049】
また、
図6(B)に示すように、第4ブロック64に存在していた魚類10は、第5ブロック65に遡上する。この魚類10は、チャンバ11の休息室11i内で休憩するか、第3バタフライ弁73の切欠き41a付近に誘引される。また、第2ブロック62に存在していた魚類10は、
図5(B)と同様、第3ブロック63に遡上し、第5バタフライ弁75の切欠き41a付近に誘引される。さらに、低水路4から進入してきた魚類10は、第1ブロック61に遡上し、第7バタフライ弁77の切欠き41a付近に誘引される。
【0050】
さらに、
図7(A)に示すように、第5ブロック65に存在していた魚類10は、第6ブロック66に遡上し、第2バタフライ弁72の切欠き41a付近に誘引される。また、
図6(A)と同様、第3ブロック63に存在していた魚類10は、第4ブロック64に遡上し、第4バタフライ弁74の切欠き41a付近に誘引される。さらに、
図5(A)と同様、第1ブロック61の魚類10は、第2ブロック62に遡上し、第6バタフライ弁76の切欠き41a付近に誘引される。
【0051】
また、
図7(B)に示すように、第6ブロック66に存在していた魚類10は、第7ブロック67に遡上する。また、
図6(B)と同様、第4ブロック64に存在していた魚類10は、第5ブロック65に遡上し、第3バタフライ弁73の切欠き41a付近に誘引される。さらに、
図5(B)と同様、第2ブロック62に存在していた魚類10は、第3ブロック63に遡上し、第5バタフライ弁75の切欠き41a付近に誘引される。また、低水路4から進入してきた魚類10は、第1ブロック61に遡上し、第7バタフライ弁77の切欠き41a付近に誘引される。
【0052】
そして、
図8に示すように、第7ブロック67に存在していた魚類10は、第8ブロック68を通過し、ダム湖3に遡上する。また、
図7(A)と同様、第5ブロック65に存在していた魚類10は、第6ブロック66に遡上し、第2バタフライ弁72の切欠き41a付近に誘引される。さらに、
図6(A)と同様、第3ブロック63に存在していた魚類10は、第4ブロック64に遡上し、第4バタフライ弁74の切欠き41a付近に誘引される。また、
図5(A)と同様、第1ブロック61に存在していた魚類10は、第2ブロック62に遡上し、第6バタフライ弁76の切欠き41a付近に誘引される。こうして、魚類10は連続して遡上することが可能である。
【0053】
以上のように、この魚道1Aでは、第1〜7バタフライ弁71〜77の弁体41に切欠き41aがあるため、上流から下流まで水を流し続けることができる。このため、遡上特性のある魚類10が水の上流側を認識できる。
【0054】
また、この魚道1Aでは、上流側遡上用筒体51及び下流側遡上用筒体52に長さ方向で第1〜7バタフライ弁71〜77が設けられ、第1〜7バタフライ弁71〜77の弁体41を開閉制御することにより、第1〜8ブロック61〜68内に流水を満たすことができる。そして、第1〜8ブロック61〜68には高速の水の流れができず、第1〜8ブロック61〜68が魚類10の遊泳場となり、上流側遡上用筒体51及び下流側遡上用筒体52の角度によらずに魚類10が遡上可能となる。
【0055】
特に、制御装置22は、上流側遡上用筒体51における少なくとも一つの第1〜3バタフライ弁71〜73の弁体41が誘導路5iを閉じているように、第1〜3バタフライ弁71〜73を開閉制御する。また、制御装置22は、下流側遡上用筒体52における少なくとも一つの第4〜7バタフライ弁74〜77の弁体41が誘導路5iを閉じているように、第4〜7バタフライ弁74〜77を開閉制御する。実施例1では、第1、3、5、7バタフライ弁71、73、75、77と第2、4、6バタフライ弁72、74、76と一定時間ごとに交互に開閉することとしている。このため、この魚道1Aでは、ダム湖3と低水路4との落差によって誘導路5i内の水の流速が過剰に大きくなることがない。このため、魚類10を自動的に遡上させることができる。
【0056】
また、この魚道1Aでは、低水路4とダム湖3との高さの差が大きくても、低水路4から下流側誘導路52iを遡上してきた魚類10がチャンバ11内の休息室11i内で休息することが可能である。そして、休息室11i内で遡上の疲れを癒した魚類10が上流側誘導路51iの遡上を開始することが可能になる。こうして、魚類10は高さの差の大きな低水路4とダム湖3との間で遡上を終えることができる。
【0057】
そして、この魚道1Aでは、ダム2を貫通し、注水弁が必要な注水管のような従来の設備が不要であり、当初の設備が簡易になる。
【0058】
また、この魚道1Aでは、各弁体41に切欠き41aが形成されているため、第1〜7バタフライ弁71〜77の弁体41以外の場所に連通路を形成するよりも、それらの切欠き41aによって連通路を容易に確保できる。このため、この魚道1Aの建設費を確実に低減することができる。
【0059】
さらに、この魚道1Aでは、第1〜7バタフライ弁71〜77の弁体41が誘導路5iを閉じた際、切欠き41aに枝や葉等の異物が絡んだとしても、第1〜7バタフライ弁71〜77の弁体41を開放する等、弁体41の開度を調節すれば、これらの異物は下流側の低水路4へと容易に流れる。このため、この魚道1Aでは、保守点検も容易である。
【0060】
また、この魚道1Aでは、第1〜7バタフライ弁71〜77及び制御装置22を駆動するための電気を水力発電機9で賄うことができる。
【0061】
さらに、この魚道1Aでは、上流側遡上用筒体51、チャンバ11及び下流側遡上用筒体52と発電用筒体7とが2連水路とされている。このため、この魚道1Aでは、上流側遡上用筒体51、チャンバ11及び下流側遡上用筒体52とともに発電用筒体7を設置すればよく、これらを別々の敷地に設置するよりも安価な費用で設置することができる。このため、工事の施工効率が上がるとともに費用の高騰化を防止することができる。
【0062】
したがって、この魚道1Aは、魚類10を遡上させることができるとともに、建設費を低減でき、かつ維持管理が容易である。
【0063】
また、この魚道1Aは、第1〜7バタフライ弁71〜77を全て開くことにより、河川維持用水の放流施設とすることができる。さらに、この魚道1Aでは、ダム2の構築と同時に施工する必要は無く、既に構築されたダム2に対して容易に付加できる。
【0064】
(実施例2)
実施例2の魚道1Bでは、
図9に示すように、第2下流筒体52b内に第1〜7センサ31〜37が設けられている。第1〜7センサ31〜37は第1〜7バタフライ弁71〜77における下流側の上方に位置している。第1〜7センサ31〜37は、第1〜7バタフライ弁71〜77の切欠き41a付近に誘導された魚類10を検知することが可能である。
【0065】
第1〜7センサ31〜37と蓄電池24とは図示しない電線で接続されている。また、第1〜7センサ31〜37は、図示しない信号線によって制御装置22と接続されている。第1〜7センサ31〜37は、魚類10の存在を検知して制御装置22に出力信号を送信する。制御装置22は、第1〜7センサ31〜37の少なくとも1つからの出力信号を受信すれば、第1〜7バタフライ弁71〜77を開閉することが可能である。
【0066】
この魚道1Bにおいて、低水路4に存在する魚類10がダム湖3に向って遡上を行う場合を説明する。この際、制御装置22では、
図10に示すように、まずステップS101を実行し、初期設定を行う。初期設定では、第1〜7バタフライ弁71〜77を全て閉鎖させる等の処理を行う。続くステップS102では、第1〜7バタフライ弁71〜77の少なくとも一つの切欠き41a付近に魚類10が存在する場合を考慮し、これらからの出力信号を受信する。
【0067】
ステップS103では、第2、4、6バタフライ弁72、74、76を閉操作する。続くステップS104では、第1、3、5、7バタフライ弁71、73、75、77を開操作する。そして、続くステップS105において、第1、3、5、7バタフライ弁71、73、75、77を閉操作する。そして、ステップS106において、第2、4、6バタフライ弁72、74、76を開操作する。この後、ステップS102に戻る。他の構成は実施例1と同様である。
【0068】
この魚道1Bでは、第1〜7センサ31〜37が魚類10を検知するため、魚道1Bを遡上しようとする魚類10が存在する場合にその魚類10を確実に遡上させることができる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0069】
(実施例3)
図11に示すように、実施例3の魚道1Cは、実施例1の魚道1Aよりも高低差が低く設定されており、実施例1のようなチャンバ11を設けていない。魚道1Cは、上流筒体251と、中流筒体252と、下流筒体253とを有している。上流筒体251、中流筒体252及び下流筒体253が遡上用筒体である。
【0070】
上流筒体251には、第1、2バタフライ弁271、272が長さ方向で設けられている。中流筒体252には、第3〜5バタフライ弁273〜275が長さ方向で上流側から順次設けられている。第3〜5バタフライ弁273〜275は、上流側から等間隔に設けられている。下流筒体253には、第6、7バタフライ弁276、277が長さ方向で上流側から順次設けられている。
【0071】
魚道1Cの誘導路53i内の下部には、上流側から下流側まで延びる誘引手段80が設けられている。誘引手段80は、第1〜7バタフライ弁71〜77が閉鎖するときに切欠き41aを挿通するように配置されている。誘引手段80は、チューブ81と、チューブ81に設けられて点滅可能な複数個のLEDライト82とからなる。LEDライト82は、チューブ81内に等間隔に設けられている。LEDライト82は、蓄電池24と図示しない電線で接続されている。他の構成は実施例1と同様である。
【0072】
誘引手段80のLEDライト82は、点滅することで、魚類10の遡上を誘導する。魚類10は、誘引手段80によって昼夜を問わずに遡上することができる。実施例3の魚道1Cにおいても、実施例1と同様の作用効果を奏することが可能である。
【0073】
(実施例4)
図12に示すように、河川には堤体としてのダム302が構築されている。ダム302の近辺には、岩304等が存在している。実施例4の魚道1Dは、上流側がダム302内に固定され、下流側が岩304等の上を沿うように設けられている。
【0074】
魚道1Dは、上流側遡上用筒体351と、中流側遡上用筒体352と、下流側遡上用筒体353と、第1〜4バタフライ弁371〜374とを備えている。上流側遡上用筒体351、中流側遡上用筒体352及び下流側遡上用筒体353が遡上用筒体である。
【0075】
上流側遡上用筒体351はダム302内に設けられ、その上流側はダム湖3と接続している。上流側遡上用筒体351内には、第1、2バタフライ弁371、372が設けられている。
【0076】
中流側遡上用筒体352及び下流側遡上用筒体353は、可撓性を有する蛇腹等で構成されている。中流側遡上用筒体352は、岩304等に沿って、谷状に配置される谷状部352aと、谷状部352aの下流側に位置して山状に配置される山状部352bとを有している。谷状部352aの上流側は、上流側遡上用筒体351の下流側と接続している。谷状部352aの下流側は、山状部352bの上流側と接続している。山状部352bの下流側は、下流側遡上用筒体353の上流側と接続している。
【0077】
下流側遡上用筒体353内には、第3、4バタフライ弁373、374が設けられている。下流側遡上用筒体353の下流側は、低水路4と接続している。
【0078】
山状部352bの頂上には、誘導路352i内と大気とを繋ぐ大気開放管355が接続されている。大気開放管355には、これを開閉可能な大気開放弁354が設けられている。大気開放弁354は、ダム湖3の水位よりも低い位置に存在している。他の構成は実施例1と同様である。
【0079】
この魚道1Dでは、谷状部352aの下流側に山状部352bが形成され、大気開放弁354がダム湖3の水位よりも低い位置に存在している。このため、この魚道1Dでは、山状部352bの内部に空気が溜まる場合がある。この場合、大気開放弁354を開放することにより、山状部352bの内部に溜まっている空気が大気に向かって排出される。これにより、誘導路352i内を水で満たすことが可能となる。このため、魚道1Dがサイホン管として機能しなくなったとしても、その機能を再び発揮することができる。
【0080】
また、この魚道1Dでは、中流側遡上用筒体352及び下流側遡上用筒体353が可撓性を有しているため、地形やダム302の形状に合わせて魚道1Dを設置することができる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0081】
(実施例5)
図13に示すように、実施例5の魚道1Eは、第1上流側遡上用筒体450と、第2上流側遡上用筒体451と、中流側遡上用筒体452と、下流側遡上用筒体453と、第1〜4バタフライ弁471〜474とを備えている。第1上流側遡上用筒体450、中流側遡上用筒体452及び下流側遡上用筒体453は、可撓性を有する蛇腹等で構成されている。第2上流側遡上用筒体451には、硬質な素材が用いられている。
【0082】
第2上流側遡上用筒体451は、ダム402の上でダム湖3の水面よりも高い位置に載置されている。第1上流側遡上用筒体450の上流側は、ダム湖3と接続している。第1上流側遡上用筒体450の下流側は、第2上流側遡上用筒体451の上流側と接続している。第2上流側遡上用筒体451の下流側は、中流側遡上用筒体452の上流側と接続している。中流側遡上用筒体452の下流側は、下流側遡上用筒体453の上流側と接続している。下流側遡上用筒体453の下流側は、低水路4と接続している。
【0083】
第2上流側遡上用筒体451内には、第1、2バタフライ弁471、472が設けられている。また、第2上流側遡上用筒体451には、第2バタフライ弁472の下流側に誘導路452i内と大気とを繋ぐ大気開放管455が接続されている。大気開放管455には、大気開放弁454が接続されている。大気開放弁454には、排気装置としての真空ポンプ456が接続されている。
【0084】
下流側遡上用筒体453内には、第3、4バタフライ弁473、474が設けられている。他の構成は実施例1と同様である。
【0085】
この魚道1Eでは、第1上流側遡上用筒体450が可撓性を有しているため、第1上流側遡上用筒体450がダム湖3における水位の変動に追従することができ、低水路における川底に沿うこともできる。また、この魚道1Eでは、下流側遡上用筒体453も可撓性を有しているため、下流側遡上用筒体453が低水路4における水位の変動に追従することもできる。
【0086】
この魚道1Eは、既存のダム402に対して容易に後付けで設けられる。また、この魚道1Eでは、第2上流側遡上用筒体451内の水位がダム湖3の水位よりも高いため、第2上流側遡上用筒体451の内部に空気が溜まる場合がある。この場合、第1、2バタフライ弁471、472を開放し、真空ポンプ456を用いて誘導路452i内にダム湖3の水を供給しつつ、大気開放弁454を開放して第2上流側遡上用筒体451内の空気を排出する。これにより、誘導路452i内を水で満たすことが可能となる。このため、魚道1Eは、サイホン管としての機能を発揮することができる。他の作用効果は実施例1と同様である。
【0087】
(参考例)
図14に参考例の魚道1Fを示す。この魚道1Fは、ダム湖3と低水路4との高低差が小さい場所に用いる。ダム502は、実施例5のダム402よりも低く設定されている。この魚道1Fでは、実施例5のように、第1〜4バタフライ弁471〜474は設けられていない。他の構成は実施例5と同様である。
【0088】
この魚道1Fでは、ダム湖3と低水路4との高低差が小さいため、誘導路552i内の水の流速が大きくなることがない。このため、この魚道1Fでは、例えば実施例5のような第1〜4バタフライ弁471〜474を設けなくても魚類10を自動的に遡上させることができる。他の作用効果は実施例5と同様である。
【0089】
以上において、本発明を実施例1〜5に即して説明したが、本発明は上記実施例1〜5に制限されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更して適用できることはいうまでもない。
【0090】
例えば、遡上用筒体は円筒状に限定されず、四角筒状等であってもよい。また、発電用筒体は、水力発電機よりも下流側でさほどの水の勢いがない場合には、水力発電機よりも下流側も直線状であってもよい。
【0091】
魚道は、低水路と高水路とを接続さえしていれば、堤体を迂回するように堤体の側方に設けられる等、いかなるルートで設置されていてもよい。このため、実施例1において、上流筒体51aは、ダム2内に設けられている必要はなく、ダム湖3と連通しつつダム2の側方の道路内等に埋設されていてもよい。また、第1、2中流筒体51b、52aは、ダム2の壁面に沿っていなくてもよく、ダム2の側方の道路内等に埋設されていてもよい。
【0092】
バタフライ弁の数は、遡上用筒体に長さ方向で2箇所以上で設けられておれば足り、実施例1〜5の場合に限定されない。また、制御装置は、少なくとも一つのバタフライ弁の弁体が誘導路を閉じているように、各バタフライ弁を開閉制御することが好ましく、各バタフライ弁の開閉制御は実施例1〜5の場合に限定されない。制水弁は、バタフライ弁の他に種々の弁を採用してもよい。
【0093】
また、誘導路が部分的に水で満たされず、空気層を有するように、遡上用筒体に適宜大気穴や大気開放弁を設けてもよい。また、連通路は、制水弁の弁体に形成された切欠きだけでなく、弁体周りの遡上用筒体に形成された凹部によって確保してもよい。また、切欠きの形状は、いかなる形状でもよく、弁体に複数個所に形成されていてもよく、弁体のいかなる位置でもよい。さらに、切欠きには、遡上した魚類等が逆流しないような部材(魚返し)が設けられていてもよい。このような部材としては、水が流れさえすれば、網目状、櫛状等種々の形状のものを採用することができる。
【0094】
魚道において、チャンバを複数個設けてもよい。例えば、上流側に位置する第1チャンバと、下流側に位置する第2チャンバとを設ける場合、第1チャンバの上流側に位置する遡上用筒体が上流側遡上用筒体となり、第1チャンバの下流側かつ第2チャンバの上流側に位置する遡上用筒体が下流側遡上用筒体かつ上流側遡上用筒体となり、第2チャンバの下流側に位置する遡上用筒体が下流側遡上用筒体となる。
【0095】
チャンバによって遡上用筒体を分断している場合、チャンバの上流側の遡上用筒体と、チャンバの下流側の遡上用筒体との両方において、少なくとも一つのバタフライ弁の弁体が誘導路を閉じているように、各バタフライ弁を開閉制御することが好ましい。
【0096】
また、実施例1において、魚道における制御装置22の初期設定として、上流側遡上用筒体51における少なくとも一つの第1〜3バタフライ弁71〜73と、下流側遡上用筒体52における少なくとも一つの第4〜7バタフライ弁74〜77とが閉鎖状態であれば、それぞれが異なる任意の開度からスタートすることができる。
【0097】
さらに、各バタフライ弁は、弁体を同一方向にゆっくり回動させてもよい。この場合、各弁体が下流側の魚類等を下流側から上流側に送り込むように回動することが好ましい。さらに、蓄電池は、外部電源と接続されていてもよい。また、魚道には誘引手段を設けてもよい。
【0098】
また、この魚道では、遡上用筒体の全体を可撓性を有している素材にしてもよい。また、第2上流側遡上用筒体451として、第1、2バタフライ弁471、472、大気開放管455を設ける部分だけを硬質な素材にしてもよい。