(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記制御装置は、前記段ボールシートの情報を取得し、前記段ボールシートのフルートが軟弱なほど前記隙間を広くし、硬質なほど前記隙間を狭くすることを特徴とする請求項4または5に記載の糊付装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
製函機は、一台で種々の厚み、材質の段ボールシートを種々の形状の段ボール箱に加工する。ここで、糊付装置として、接触型のグルーガンを用いた場合、グルーガンノズルと段ボールシートとが接触する力が弱いと、段ボールシートとノズルの間で糊が糸を引き、塗布した糊が周囲に飛散する。また、グルーガンと段ボールシートとが接触する力が強いと、段ボールシートが曲がったり、変形したり、糊が適正位置に塗布できなかったりする。このため、糊付装置は、段ボールシートの厚みや材質が変化した場合でも適切な状態でグルーガンを接触させることが求められる。
【0006】
本発明は上述した課題を解決するものであり、種々の段ボールシートに適切に糊を塗布することができる糊付装置及びこれを有する製函機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するための本発明の糊付装置は、段ボールシートを案内するシートガイドと、前記シートガイドとの相対位置が固定された基部と、前記基部に対して相対移動可能に配置された支持部と、前記支持部の前記シートガイドと対面する位置に固定され、前記シートガイドを通過する前記段ボールシートの側端部の継ぎ代部内の糊付部と接触し糊を塗布するグルーガンと、前記基部と前記支持部との間に配置され、前記支持部を前記シートガイドに近づく方向に付勢する第1付勢機構と、前記基部と前記支持部との間に配置され、前記支持部を前記シートガイドから離れる方向に付勢する第2付勢機構と、前記第1付勢機構と前記基部との間に配置され、前記第1付勢機構が力を付勢する方向に沿った方向の前記支持部の位置を無段階で調整し、前記グルーガンと前記シートガイドとの隙間を調整する位置調整機構と、を有することを特徴とするものである。
【0008】
このように、位置調整機構によりグルーガンとシートガイドとの隙間を無段階で調整できるため、段ボールシートの厚みや材質に対応して隙間を調整することができる。これにより、段ボールシートをグルーガンとシートガイドとで適切に挟み込むことができ、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができることから、種々の段ボールシートに適切に糊を塗布することができる。
【0009】
本発明の糊付装置では、前記位置調整機構は、偏心カムを回転させて前記支持部の位置を調整することを特徴としている。
【0010】
これにより、簡単な構成で位置を無段階で調整することができる。
【0011】
本発明の糊付装置では、前記第1付勢機構は、バネを有し、前記第2付勢機構は、エアシリンダであることを特徴としている。
【0012】
これにより、グルーガンから段ボールシートに作用する付勢力をより好適に調整することができる。
【0013】
本発明の糊付装置では、前記第1付勢機構が力を付勢する方向に沿った方向の前記支持部の位置を検出する位置検出部と、前記位置検出部が検出した位置に基づいて、前記位置調整機構の動作を制御し、前記隙間を調整する制御装置と、を有することを特徴としている。
【0014】
これにより、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができる。
【0015】
本発明の糊付装置では、前記位置検出部が、前記支持部の前記グルーガンが配置されている面とは反対側の面に配置されていることを特徴としている。
【0016】
これにより、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができる。
【0017】
本発明の糊付装置では、前記制御装置が、前記段ボールシートの情報を取得し、前記段ボールシートのフルートが軟弱なほど前記隙間を広くし、硬質なほど前記隙間を狭くすることを特徴としている。
【0018】
これにより、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができる。
【0019】
本発明の糊付装置では、前記グルーガンよりも前記段ボールシートの搬送方向下流側に配置され、前記段ボールシートに塗布された糊を検出する糊検査部を有し、前記制御装置は、前記糊検査部の結果に基づいて前記隙間を調整することを特徴としている。
【0020】
これにより、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができる。
【0021】
本発明の糊付装置では、前記グルーガンよりも前記段ボールシートの搬送方向上流側に配置され、前記段ボールシートに接触して段ボールシートから受ける反力を検出する反力検出装置を有し、前記制御装置は、前記反力検出装置の結果に基づいて前記隙間を調整することを特徴としている。
【0022】
これにより、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができる。
【0023】
本発明の製函機では、段ボールシートを供給する給紙部と、前記段ボールシートに対して印刷を行う印刷部と、前記段ボールシートに対して表面に罫線加工を行うと共に溝切り加工を行う排紙部と、上記のいずれかに記載の糊付装置を有し、前記段ボールシートの側端部の継ぎ代部内の糊付部に糊を塗布し、前記段ボールシートの幅方向の両端部を折り畳むことで、前記段ボールシートの前記幅方向の両端部を接合して箱体を形成するシート折り畳み装置と、前記箱体を計数しながら積み上げた後に所定数ごとに排出するカウンタエゼクタ部と、を備えることを特徴とする。
【0024】
このように、位置調整機構によりグルーガンとシートガイドとの隙間を無段階で調整できるため、段ボールシートの厚みや材質に対応して隙間を調整することができる。これにより、段ボールシートをグルーガンとシートガイドとで適切に挟み込むことができ、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができることから、種々の段ボールシートに適切に糊を塗布することができる。これにより生産性を向上させることができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、位置調整機構によりグルーガンとシートガイドとの隙間を無段階で調整できるため、段ボールシートの厚みや材質に対応して隙間を調整することができる。これにより、段ボールシートをグルーガンとシートガイドとで適切に挟み込むことができ、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができることから、種々の段ボールシートに適切に糊を塗布することができる。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下に添付図面を参照して、本発明に係るナイフシリンダ、ロータリダイカッタ、刃物取付台の固定装置、刃物取付台の固定方法の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
【0028】
図1は、本実施形態の製函機を表す概略構成図である。本実施形態の製函機10は、
図1に示すように、段ボールシート(シート)Sを加工することで段ボール箱(箱体)Bを製造するものである。この製函機10は、段ボールシートS及び段ボール箱Bを搬送する方向Dに直線状をなして配置された給紙部11、印刷部21、排紙部31、ダイカット部41、フォールディング部51、カウンタエゼクタ部61とから構成されている。
【0029】
給紙部11は、段ボールシートSを一枚ずつ送り出して一定の速度で印刷部21に送るものである。この給紙部11は、テーブル12と、前当て13と、供給ローラ14と、吸引装置15と、フィードロール16とを有している。テーブル12は、多数枚の段ボールシートSを積み重ねて載置可能であると共に、昇降可能に支持されている。前当て13は、テーブル12上に積み重ねられた段ボールシートSの前端位置を位置決めすることができ、下端部とテーブル12との間に1枚の段ボールシートSが通過可能な隙間が確保されている。供給ローラ14は、テーブル12に対応して段ボールシートSの搬送方向Dに複数配置されており、テーブル12が下降したときに、積み重ねられた多数枚の段ボールシートSのうちの最下位置にある段ボールシートSを前方に送り出すことができる。吸引装置15は、積み重ねられた段ボールシートSを下方、つまり、テーブル12や供給ローラ14側に吸引するものである。フィードロール16は、供給ローラ14により送り出された段ボールシートSを印刷部21に供給することができる。
【0030】
印刷部21は、段ボールシートSの表面に多色刷り(本実施形態では、4色刷り)を行うものである。この印刷部21は、4つの印刷ユニット21A,21B,21C,21Dが直列をなして配置され、段ボールシートSの表面に4つのインキ色を使用して印刷を行うことができる。各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、ほぼ同様に構成され、印刷シリンダ22、インキ供給ロール(アニロックスロール)23、インキチャンバ24、受ロール25を有している。印刷シリンダ22は、その外周部に印版26が取付けられ、回転可能に設けられている。インキ供給ロール23は、印刷シリンダ22の近傍にて印版26に対接するように配置され、回転可能に設けられている。インキチャンバ24は、インキを蓄えるものであり、インキ供給ロール23の近傍に設けられている。受ロール25は、印刷シリンダ22との間で段ボールシートSを挟持することで、所定の印圧を付与しながら搬送するものであり、印刷シリンダ22の下方に対向して回転可能に設けられている。なお、図示しないが、各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dは、その前後に上下一対の送りロールが設けられている。
【0031】
排紙部31は、段ボールシートSに対して、罫線加工を施すと共に溝切り加工を施すものである。この排紙部31は、第1罫線ロール32と、第2罫線ロール33と、スリッタナイフ34と、第1スロッタヘッド35と、第2スロッタヘッド36を有している。
【0032】
第1罫線ロール32は、円形状に形成され、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向に所定間隔で複数(本実施形態では、4個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能となっている。第2罫線ロール33は、円形状に形成され、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向に所定間隔で複数(本実施形態では、4個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能となっている。この場合、下側に配置された第1罫線ロール32は、段ボールシートSの裏面(下面)に罫線加工を施すものであり、下側に配置された第2罫線ロール33は、第1罫線ロール32と同様に、段ボールシートSの裏面(下面)に罫線加工を施すものであり、各罫線ロール32,33に対向する上方位置に、受ロール37,38が同期して回転可能に設けられている。
【0033】
スリッタナイフ34及び第1スロッタヘッド35は、円形状に形成され、段ボールシートSの搬送方向Dに直交する水平方向に所定間隔で複数(本実施形態では、5個)配置され、図示しない駆動装置により回転可能となっている。スリッタナイフ34は、1個で構成され、搬送される段ボールシートSにおける幅方向の端部に対応して設けられており、この段ボールシートSにおける幅方向の端部を切断することができる。第1スロッタヘッド35は、4個で構成され、搬送される段ボールシートSにおける幅方向の所定の位置に対応して設けられており、この段ボールシートSにおける所定の位置に溝切り加工を行うことができる。第2スロッタヘッド36は、同様に4個で構成され、搬送される段ボールシートSにおける幅方向の所定の位置に対応して設けられており、この段ボールシートSにおける所定の位置に溝切り加工を行うことができる。この場合、スリッタナイフ34及び第1、第2スロッタヘッド35,36は、対向する下方位置に下刃39,40が同期して回転可能に設けられている。
【0034】
ダイカット部41は、段ボールシートSに対して、手穴用の穴開け加工を施すものである。このダイカット部41は、上下一対の送り駒42と、アンビルシリンダ43及びナイフシリンダ44を有している。送り駒42は、段ボールシートSを上下から挟持して搬送するものであり、回転可能に設けられている。アンビルシリンダ43及びナイフシリンダ44は、それぞれ円形状に形成され、図示しない駆動装置により同期して回転可能となっている。この場合、アンビルシリンダ43は、外周部にアンビルが形成される一方、ナイフシリンダ44は、外周部における所定の位置に刃物取付台が設けられている。
【0035】
フォールディング部51は、段ボールシートSを搬送方向Dに移動させながら折り畳み、幅方向の両端部を接合して扁平状の段ボール箱Bを形成するものである。
【0036】
次に、
図2および
図3を参照して、上述した製函機10のフォールディング部51について詳細に説明する。
図2は、本実施例に係るフォールディング部の概略構成図である。
図3は、本実施例に係るフォールディング部を搬送方向に直交する面で切ったときの断面図である。本実施例のフォールディング部51は、糊付けされた段ボールシートSを折り畳んで、扁平状の段ボール箱Bを成形するものである。このフォールディング部51は、上搬送ベルト52と、下搬送ベルト53と、成形ベルト54と、一対のフォールディングバー82と、複数のゲージローラ55と、糊付装置56と、メインフレーム57と、糊フレーム58と、移動機構59と、を備えている。
【0037】
上搬送ベルト52は、鉛直方向の上方側に設けられ、フォールディング部51の搬送方向Dの全長に亘って設けられている。上搬送ベルト52は、無端ベルトであり、複数のプーリに巻き掛けられることで周回可能に構成される。周回する上搬送ベルト52は、その下方側が搬送方向Dへ向かって移動し、その上方側が搬送方向Dと逆方向に向かって移動する。
【0038】
下搬送ベルト53は、上搬送ベルト52の搬送方向の上流側に設けられ、上搬送ベルト52に対向して設けられている。下搬送ベルト53は、上搬送ベルト52と同様に、無端ベルトであり、複数のプーリに巻き掛けられることで周回可能に構成される。周回する下搬送ベルト53は、その上方側が搬送方向Dへ向かって移動し、その下方側が搬送方向Dと逆方向に向かって移動する。このため、フォールディング部51の搬送方向Dの上流側において、フォールディング部51に供給された段ボールシートSは、上搬送ベルト52と下搬送ベルト53との間に挟まれながら、搬送方向Dの上流側から下流側へ向けて搬送される。
【0039】
成形ベルト54は、下搬送ベルト53の搬送方向Dの下流側に、搬送方向Dに亘って設けられ、段ボールシートSの幅方向の両端部が折り曲げられて形成される折り曲げ面、すなわち第1面および第4面に当接させて設けられている。成形ベルト54は、その一方が段ボールシートSの第1面に当接し、その他方が段ボールシートSの第4面に当接する。成形ベルト54は、上搬送ベルト52および下搬送ベルト53と同様に、無端ベルトであり、複数のプーリに巻き掛けられることで周回可能に構成される。各プーリは、フォールディング部51のメインフレーム57に固定されている。そして、成形ベルト54は、段ボールシートSの幅方向両側の第1面および第4面に当接しながら、各成形ベルト54の傾斜角度を搬送方向Dに沿って段ボールシートSの第1面および第4面を折り畳むように傾斜させている。
【0040】
一対のフォールディングバー82は、フォールディング部51の搬送方向Dの下流側に設けられている。また、一対のフォールディングバー82は、段ボールシートSの折り曲げ面、すなわち第1面S1および第4面S4に当接させて設けられている。つまり、一対のフォールディングバー82は、その一方のフォールディングバー82が段ボールシートSの第1面に当接し、その他方のフォールディングバー82が段ボールシートSの第4面に当接する。そして、一対のフォールディングバー82は、段ボールシートSの幅方向両側の第1面および第4面に当接しながら、各フォールディングバー82の位置を搬送方向Dに沿って段ボールシートSの第1面および第4面を折り畳むように湾曲させている。
【0041】
複数のゲージローラ55は、下搬送ベルト53の搬送方向Dの下流側に設けられ、搬送方向Dに沿って複数並べて設けられている。複数のゲージローラ55は、折り畳んで搬送される段ボールシートSの幅方向の両端側、すなわち、段ボールシートSの第2面および第3面の幅方向の両端側に設けられている。このため、複数のゲージローラ55は、折り畳んで搬送される段ボールシートSの幅方向の両端側を把持しながら、すなわち、第1面と第2面との間の部位および第3面と第4面との間の部位を把持しながら、搬送方向Dの上流側から下流側へ向けて搬送する。
【0042】
糊付装置56は、上搬送ベルト52及び下搬送ベルト53の搬送方向Dの上流側に設けられ、段ボールシートSの第1面に糊を塗布する。糊付装置56は、糊付装置本体102と糊タンク104とを有する。糊付装置56は、糊タンク104から糊付装置本体102に糊が供給され、糊付装置本体102から所定のタイミングで糊を吐出することで、段ボールシートSにおける所定の位置に糊付けを行うことができる。糊付装置56については、後述する。
【0043】
メインフレーム57は、上搬送ベルト52、下搬送ベルト53、成形ベルト54、ゲージローラ55を支持する。糊フレーム58は、糊付装置本体102を支持する。移動機構59は、対面する段ボールシートSの表面に平行でかつ搬送方向Dに直交する方向、つまり、段ボールシートSの幅方向に糊フレーム58を移動させることで、糊付装置本体102を移動させる。移動装置59は、段ボールシートSの幅に応じて、糊付装置本体102を移動させることで、段ボールシートSの幅方向の任意の位置に糊を塗布可能とする。
【0044】
カウンタエゼクタ部61は、段ボール箱Bを計数しながら積み重ねた後、所定数のバッチに仕分けした後、排出するものである。このカウンタエゼクタ部61は、ホッパ装置62を有している。このホッパ装置62は、段ボール箱Bが積み重ねられる昇降自在なエレベータ63を有し、このエレベータ63には、成形手段としての図示しない前当板と整角板とが設けられている。なお、ホッパ装置62の下方に、搬出コンベア64が設けられている。
【0045】
ここで、上述した本実施形態の製函機10にて、段ボールシートSから段ボール箱Bを製造する動作を説明する。
【0046】
本実施形態の製函機10の給紙部11にてテーブル12上に積み重ねられている多数枚の段ボールシートSは、まず、前当て13により位置決めされ、次に、テーブル12が下降することで、複数の供給ローラ14により最下位置にある段ボールシートSが送り出される。すると、この段ボールシートSは、一対のフィードロール16により所定の一定速で、印刷部21に供給される。
【0047】
印刷部21にて、各印刷ユニット21A,21B,21C,21Dでは、インキ供給ロール23の表面にインキチャンバ24からインキが供給されており、印刷シリンダ22及びインキ供給ロール23が回転すると、インキ供給ロール23の表面のインキが印版26に転移される。そして、印刷シリンダ22と受ロール25との間に段ボールシートSが搬送されると、この段ボールシートSが印版26と受ロール25とにより挟持され、この段ボールシートSに印圧が付与されることでその表面に印刷が施される。印刷された段ボールシートSは、送りロールにより排紙部31に搬送される。
【0048】
排紙部31にて、まず、段ボールシートSが第1、第2罫線ロール32,33を通過するとき、段ボールシートSに罫線が形成される。次に、この罫線が形成された段ボールシートSがスリッタナイフ34を通過するとき、段ボールシートSにおける端部が切断位置で切断される。そして、段ボールシートSが第1スロッタヘッド35を通過するとき、罫線の位置に溝が形成されると共に、端部が切断される。また、段ボールシートSが第2スロッタヘッド36を通過するとき、罫線の位置に溝が形成されると共に、端部が切断されて糊代片が形成される。その後、罫線の位置に溝と糊代片が形成された段ボールシートSは、ダイカット部41に搬送される。
【0049】
ダイカット部41にて、段ボールシートSがアンビルシリンダ43とナイフシリンダ44との間を通過するとき、手穴が形成される。そして、手穴が形成された段ボールシートSは、フォールディング部51に搬送される。
【0050】
フォールディング部51にて、段ボールシートSは、上搬送ベルト52及び下搬送ベルト53により搬送方向Dに移動されながら、糊付装置56により糊代片に糊が塗布されてから、成形ベルト54により罫線を基点として下方に折り畳まれる。この折り畳みが180度近くまで進むと折り畳み力が強くなり、糊代片とこの糊代片に重なる段ボールシートSの端部とが押えられて互いに密着され、段ボールシートSの両端部が接合され、段ボール箱Bとなる。そして、この段ボール箱Bは、カウンタエゼクタ部61に搬送される。
【0051】
カウンタエゼクタ部61にて、段ボール箱Bは、ホッパ装置62に送られる。このホッパ装置62に送られた段ボール箱Bは、搬送方向Dの先端部が前当板に当たり、整角板により成形された状態でエレベータ63上に積み重ねられる。そして、所定数の段ボール箱Bがエレベータ63上に積み重ねられると、このエレベータ63が下降し、所定数の段ボール箱Bが1バッチとなって搬出コンベア64により排出され、製函機10の後行程に送られる。
【0052】
次に、
図4から
図7を用いて、本実施形態の糊付装置56について詳細に説明する。
図4は、糊付装置の概略構成図である。
図5は、糊付装置本体の概略構成図である。
図6は、糊付装置本体と糊検出装置の構成を示す正面図である。
図7は、
図6のA−A線断面図である。
【0053】
図4に示すように、糊付装置56は、上述した糊付装置本体102、糊タンク104に加え、糊検出装置106と、反力検出装置108と、制御装置110と、操作装置111とを有する。糊付装置本体102は、段ボールシートSの糊付部に糊を塗布する。なお、糊付装置56は、反力検出装置108を設けなくてもよい。まず、糊付装置本体102以外の構成について説明する。
【0054】
糊タンク104は、糊を貯留しており、貯留している糊を糊付装置本体102に供給する。
【0055】
糊検出装置106は、搬送方向Dにおいて、糊付装置本体102よりも下流側に配置されている。糊検出装置106は、糊付装置本体102によって段ボールシートSに塗布された糊の状態を検出する。糊検出装置106は、撮影部106aと、糊量検出部106bとを有する。撮影部106aは、対面する位置を通過する段ボールシートSを撮影し、段ボールシートS上で糊が塗布されている位置を検出する。糊量検出部106bは、対面する位置を通過する段ボールシートSに塗布されている糊量または水分量を検出する。
【0056】
反力検出装置108は、搬送方向Dにおいて、糊付装置本体102よりも上流側で、かつ、製造される段ボール箱の糊付部の紙厚が厚くならないように、継ぎ代部及びその反対側の側板の端縁部の圧縮処理を行う位置よりも下流側に配置されている。反力検出装置108は、例えばロードセル等であり、段ボールシートSの圧縮処理が行われた糊付部に接触し、段ボールシートSの反力を検出する。
【0057】
制御装置110は、CPU等の演算処理部と、メモリー等の記憶部と、を有し、糊付装置56の各部の動作を制御する。なお制御装置110は、製函機10の動作を制御する制御装置と一体としてもよいし、糊付装置56のみを制御する制御装置としてもよい。制御装置110は、記憶部に記憶された条件、糊検出装置106で検出した結果、反力検出装置108で検出した結果、オペレータによって入力された操作等に応じて、後述する位置調整機構132の動作を制御する。また、制御装置110は、後述するグルーガン126の動作も制御する。
【0058】
操作装置111は、オペレータが糊付装置56に操作を入力する装置である。操作装置111は、タッチパネル、ボタン、キーボード等である。操作装置111は、製函装置10の段ボールシートSが搬送されている区域から離れており、段ボール箱の製造中でもオペレータが立ち入ることができ、操作できる位置に配置されている。なお操作装置111は、複数の位置に配置されてもよく、一部が段ボール箱の製造中にオペレータが立ち入ることが禁止されている位置に配置されていてもよい。操作装置111は、入力された操作を制御装置110に送る。
【0059】
次に、糊付装置本体102について説明する。糊付装置本体102は、
図4から
図7に示すように、基部120と、シートガイド122と、支持部124と、グルーガン126と、シートガイド127と、第1付勢機構128と、第2付勢機構130と、位置調整機構132と、位置検出部134と、を有する。
【0060】
基部120は、糊フレーム58に固定されている部材であり、糊付装置本体102の土台となる。シートガイド122は、1対のレールであり、糊を塗布する位置に向けて段ボールシートSを案内する。支持部124は、基部120に対して移動可能な状態で支持されている。具体的には、支持部124は、第1付勢機構128及び第2付勢機構130を介して基部120に支持されている。
【0061】
グルーガン126は、支持部124に固定されており、搬送方向Dにおいて、シートガイド122よりも下流側に配置されている。グルーガン126は、先端にノズル140が設けられており、ノズル140から糊を噴射する。グルーガン126は、接触式であり、ノズル140を段ボールシートSに接触させた状態で糊を噴射する。
【0062】
シートガイド127は、基部120に固定されており、グルーガン126のノズル140に対面する位置に配置されている。糊付装置56は、ノズル140とシートガイド127とで、段ボールシートSを挟み込み、ノズル140と段ボールシートSとを接触させる。
【0063】
第1付勢機構128は、基部120と支持部124との間に配置され、基部120に対して支持部124を所定の方向に、具体的には、ノズル140がシートガイド127に近づく方向F
1に付勢している。第1付勢機構128は、固定部150と、可動部152と、バネ154と、連結部156と、を有する。固定部150は、基部120に固定されている。可動部152は、支持部124に固定されている。バネ154は、固定部150と可動部152との間に配置され、固定部150と可動部152の支持部124側の端部とが離れる方向に付勢している。これにより、第1付勢機構128は、支持部124を方向F
1に付勢する。また、第1付勢機構128は、後述する位置調整機構132と連結する連結部156が可動部152に連結されている。
【0064】
第2付勢機構130は、基部120と支持部124との間に配置され、基部120に対して支持部124を所定の方向に、具体的には、ノズル140がシートガイド127から離れる方向、つまり、第1付勢機構128とは反対側の方向F
2に付勢している。第2付勢機構130は、エアシリンダであり、固定部160と、可動部162と、空気供給部164と、を有する。固定部160は、基部120に固定されている。可動部162は、支持部124に固定されている。空気供給部164は、固定部160と可動部162との間に供給する空気を調整することで、固定部160に対する可動部162の位置を調整することができ、方向F
2に付勢する力を調整することができる。
【0065】
位置調整機構132は、偏心カム機構を用いて、第1付勢機構128の位置を移動させ、支持部124の位置を移動させる機構である。位置調整機構132は、連結部156と連結した止め板180と、基部120に回転自在に支持された軸182と、軸182に固定され、止め板180と接触する偏心カム184と、軸182を回転させるモータ186と、を有する。
【0066】
位置調整機構132は、モータ186で軸182を回転させ、偏心カム184を回転させることで、偏心カム184と接している止め板180の位置を可動部152の移動方向に沿って移動させることができる。これにより、位置調整機構132は、偏心カム184の回転を制御することで、偏心カム184の止め板180と接触している端部と軸182との距離d
1を無段階で調整することができる。偏心カム184は、硬質クロームメッキを施すことが好ましい。これにより、偏心カム184の変形を抑制でき、長期間高精度な隙間調整を行うことができる。
【0067】
糊付装置56は、位置調整機構132で距離d
1を調整することで、止め板180に連結された可動部152の位置を移動させることができる。これにより連結部152に固定された支持部124及びグルーガン126を力F
1が働く方向に沿って移動させることができる。これにより、グルーガン126のノズル140をシートガイド127に対して移動させることができ、ノズル140とシートガイド127との距離d
2を無段階で調整することができる。
【0068】
位置検出部134は、位置調整機構132で移動させる部材の位置を検出する装置である。
図5では、止め板180の位置を計測する場合を示し、
図6及び
図7では、止め板180と連動して移動する偏心カム194の位置を計測する場合を示している。位置検出部134は、止め板180の位置を計測しても偏心カム194の位置を計測してもよい。以下、偏心カム194の位置を計測する場合について説明する。
【0069】
位置検出部134は、位置センサ190と、偏心カム194と、を有する。偏心カム194は、軸182に固定されており、偏心カム184と同じ形状であり、かつ同じ位相に配置されている。偏心カム194は、基部120及び支持部124のグルーガン126が配置されている面とは反対側の面に配置されている。つまり、偏心カム194とグルーガン126との間には、基部120及び支持部124が配置されている。
【0070】
位置センサ190は、移動量を電圧に変換するポテンショメータ等であり、棒状の可動部192を有する。位置センサ190は、可動部192が偏心カム194の端面と接している。位置センサ190は、偏心カム194が回転し、可動部192と接している位置の端面の軸182からの距離が変化するとその変化に応じて、可動部192の軸方向に沿って移動する。位置センサ190は、可動部192の移動を検出することで、偏心カム194の角度位置を検出する。糊付装置56は、偏心カム194の位置に基づいて、同期して回転する偏心カム184の位置を検出し、その位置に基づいて止め板180の位置を検出し、距離d
1を検出する。
【0071】
糊付装置56は、以上のように、第1付勢機構128と第2付勢機構130とで相反する方向に力を作用させることで、ノズル140とシートガイド127との間で働く力を調整することができる。さらに、糊付装置56は、位置調整機構132を用いて、ノズル140とシートガイド127との隙間を無段階で調整できることで、多様なフルート種類(A、B、AB、C、E、CB、AA、BB、EB等)、原材料の坪量、段繰り率、段ボールシートの強度等で、グルーガン126に到達する位置での特性が異なる種々の種類の段ボールシートSに合わせてノズル140とシートガイド127との隙間を調整することができる。これにより、段ボールシートをグルーガンとシートガイドとで適切に挟み込むことができ、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができることから、種々の段ボールシートに適切に糊を塗布することができる。これにより、生産性を向上させることができ、製品の品質も高くすることができる。
【0072】
糊付装置56は、位置検出部134にて位置調整機構132で変化する位置を検出することで、ノズル140とシートガイド127との隙間をより高い精度で制御することができ、段ボールシートにグルーガンを押し付ける力を適切な力にすることができる。また、支持部124を介してグルーガン126が配置されている位置とは反対側に位置検出部134を設けることで、位置検出部134に異物が混入することを抑制でき、検出精度を高く維持することができる。
【0073】
糊付装置56は、操作装置111を製函機10の稼働中も使用可能な位置に設け、モータによって位置を調整できる機構とすることで、製函機10の運転を止めずにノズル140とシートガイド127との隙間を調整することができる。これにより、生産性を向上させることができる。
【0074】
ここで、上記実施形態では、バネ154で力を付与する第1付勢機構128と、エアシリンダで力を付与する第2付勢機構130と、を用いたがこれに限定されない。第1付勢機構128は、ノズル140をシートガイド127に押し付ける方向に力を付与することができればよく、所定の方向に力を付与する種々の付勢機構を用いることができる。また、第2付勢機構130は、ノズル140がシートガイド127から離れる方向に力を付与することができればよく、所定の方向に力を付与する種々の付勢機構を用いることができる。付勢機構としては、カウンターウエイトを用いる機構、バネ以外の弾性部材を用いる機構等、種々の機構を用いることができる。
【0075】
ここで、上記実施形態では、偏心カムを用いた位置調整機構を用いたがこれに限定されない。位置調整機構は、第1付勢機構128を無段階で調整し、シートガイド127とグルーガン126のノズル140との隙間を無段階で調整できる機構であればよい。
【0076】
図8は、変形例の糊付装置の概略構成図である。
図8に示す糊付装置56aは、位置調整機構132aを有する。なお、糊付装置56aの位置調整機構132a以外の構成は、糊付装置56と同様であるので説明を省略する。
【0077】
位置調整機構132aは、ラックアンドピニオン機構を用いて、止め板180の位置を移動させることにより、支持部124の位置を移動させ、隙間を調整する機構である。位置調整機構132aは、止め板180と、止め板180と接触するラック202と、ラック202とかみ合うピニオン204と、ピニオン204に固定され、基部120に回転自在に支持された軸206と、軸206を回転させるモータ208と、を有する。
【0078】
位置調整機構132aは、モータ208で軸206を回転させ、ピニオン204を回転させることで、ラック202の位置を矢印方向に移動させることができる。また、軸206の回転方向を切り換えることで、ラック202の移動方向を切り換えることができる。これにより、位置調整機構132bは、ピニオン204の回転を制御することで、ラック202の止め板180と接触している端部と軸206との距離d
1を無段階で調整することができる。位置調整機構132bは、距離d
1を調整することで、ノズル140とシートガイド127との距離d
2を無段階で調整することができる。
【0079】
図9は、変形例の糊付装置の概略構成図である。
図9に示す糊付装置56bは、位置調整機構132bを有する。なお、糊付装置56bの位置調整機構132b以外の構成は、糊付装置56と同様であるので説明を省略する。
【0080】
糊付装置56bは、位置調整機構132bにボールねじ機構を用い、ねじ軸を回転させることで、止め板212の位置を移動させることにより、支持部124の位置を移動させ、隙間を調整する機構である。位置調整機構132bは、止め板212と、止め板212のねじ溝が形成された孔に挿入されたねじ軸214と、ねじ軸214を回転させるモータ216と、止め板212に挿入され、ねじ軸214と平行に配置されたガイド棒218と、を有する。
【0081】
位置調整機構132bは、モータ216でねじ軸214を回転させることで、止め板212を移動させることができる。また、ねじ軸214の回転方向を切り換えることで、止め板212の移動方向を切り換えることができる。また、位置調整機構132bは、ガイド棒218を設けることで、止め板212が回転することを抑制でき、ねじ軸214の回転方向における姿勢を一定に維持することができる。これにより、位置調整機構132bは、ねじ軸214の回転を制御することで、止め板212とねじ軸214のモータ216側の端部との距離d
1を無段階で調整することができる。位置調整機構132bは、距離d
1を調整することで、ノズル140とシートガイド127との距離d
2を無段階で調整することができる。
【0082】
糊付装置は、以上のように、位置調整機構として、
図8に示す位置調整機構132a、
図9に示す位置調整機構132bのような機構を用いた場合でも、ノズル140とシートガイド127との距離d
2を無段階で調整することができる。
【0083】
次に、
図10から
図13を用いて、糊付装置の制御動作、具体的には、シートガイド127とノズル140との隙間を調整する動作の一例について説明する。
図10は、糊付装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図10に示す処理は、制御装置110で実行することで実現することができる。
【0084】
制御装置110は、段ボールシートSの情報を取得する(ステップS12)。具体的には、製造する段ボール箱に対応した情報や、供給する段ボールシートの情報として入力、記憶された情報を取得する。
【0085】
制御装置110は、段ボールシートSの情報を取得したら、段ボールシートSの材質に基づいて隙間、つまり、ノズル140とシートガイド127との距離を決定する(ステップS14)。制御装置110は、材質、具体的には段ボールシートSの硬さと隙間との関係が記憶されており、記憶されている関係と、供給される段ボールシートSの材質とに基づいて隙間を決定する。ここで、段ボールシートSの硬さと隙間との関係は、例えば、硬さが超軟弱、軟弱、普通、硬質、超硬質の5段階で設定され、超軟弱、軟弱、普通、硬質、超硬質の順で隙間が狭くなる設定が例示される。
【0086】
制御装置110は、隙間を決定したら、決定した隙間に基づいて、位置調整機構132の動作を制御し、ノズル140とシートガイド127との距離が決定した隙間の距離となるように調整する(ステップS16)。
【0087】
このように、糊付装置56は、段ボールシートの材質に基づいて、隙間を調整することで、材質に適した隙間とすることができる。同じ厚みの段ボールシートであっても材質に応じて、隙間を変化させることができ、適切な圧力でノズル140を段ボールシートSに接触させることができ、糊を好適に塗布することができる。また、上記実施形態では、材質としたが段ボールシートのフルートを基準に隙間を設定してもよい。この場合も同様の処理を行うことで、フルートに対応した適切な隙間に設定することができる。また、糊付装置56は、段ボールシートの厚みを基準とし、この厚みに対する調整量を、材質、フルートに応じて調整するようにしてもよい。
【0088】
次に、
図11を用いて、制御動作の他の一例について説明する。
図11は、糊付装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図11に示す処理は、グルーガン126を通過し、段ボールシートSに塗布された糊の状態を検出し、糊の状態に基づいて、隙間を調整する処理の一例である。
【0089】
制御装置110は、糊検出装置106の検出結果を取得する(ステップS22)。具体的には、糊検出装置106の撮影部106aで取得した糊の塗布位置と、糊量検出部106bで取得した糊の塗布量の情報を取得する。
【0090】
制御装置110は、検出結果を取得したら、糊線がまがっているかを判定する(ステップS24)。制御装置110は、撮影部106aで取得した糊の塗布位置に基づいて糊線がまがっているかを判定する。
【0091】
制御装置110は、糊線がまがっている(ステップS24でYes)と判定した場合、隙間を広く設定する(ステップS26)。つまり現状の隙間をより広くした隙間に設定する。
【0092】
制御装置110は、ステップS26の処理を行った場合、または、糊線がまがっていない(ステップS24でNo)と判定した場合、糊が飛散しているかを判定する(ステップS28)。具体的には、制御装置110は、糊量検出部106bの検出結果に基づいて、規定の量が塗布されているかを検出し、塗布量が下限値より少ない場合、または上限値より多い場合、糊が飛散していると判定する。
【0093】
制御装置110は、糊が飛散している(ステップS28でYes)と判定した場合、隙間を狭く設定する(ステップS30)。つまり現状の隙間をより狭くした隙間に設定する。
【0094】
制御装置110は、ステップS30の処理を行った場合、または、糊が飛散していない(ステップS28でNo)と判定した場合、決定した隙間に基づいて、位置調整機構132の動作を制御し、ノズル140とシートガイド127との距離が決定した隙間の距離となるように調整する(ステップS32)。
【0095】
糊付装置56は、以上のように、糊検出装置106の検出結果に基づいて、糊線が曲がっているか、糊が飛散しているかを検出することで、押付力が強くなっており、段ボールシートSの位置がずれている場合は、隙間を広くする。また、押付力が弱くなっており、ノズル140と段ボールシートSが適切に接触していない場合、隙間を狭くすることができる。これにより、適切な圧力でノズル140を段ボールシートSに接触させることができ、糊を好適に塗布することができる。
【0096】
次に、
図12を用いて、制御動作の他の一例について説明する。
図12は、糊付装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。
図12に示す処理は、反力検出装置108で検出した結果に基づいて、隙間を調整する処理の一例である。また、
図12に示す処理は、隙間が設定されており、その隙間を調整する処理として実行することが好ましい。
【0097】
制御装置110は、段ボールシートSの反力を検出する(ステップS40)。具体的には、反力検出装置108で検出した結果を取得する。
【0098】
制御装置110は、反力を検出したら、段ボールシートSの反力に基づいて隙間、つまり、ノズル140とシートガイド127との距離を決定する(ステップS42)。具体的には、制御装置110は、現状の隙間を基準とし、反力に基づいて、隙間の変化量を決定する。
【0099】
制御装置110は、隙間を決定したら、決定した隙間に基づいて、位置調整機構132の動作を制御し、ノズル140とシートガイド127との距離が決定した隙間の距離となるように調整する(ステップS44)。
【0100】
糊付装置56は、以上のように、反力検出装置108の検出結果に基づいて、隙間を調整することで、適切な圧力でノズル140を段ボールシートSに接触させることができ、糊を好適に塗布することができる。つまり、糊付装置56は、段ボールシートSの材質、硬軟の程度、紙厚、気象条件、製造タイミングによって変化する特性を、反力検出装置108の反力検出値から判定し、その結果に基づいて隙間を調整することで、適切な圧力でノズル140を段ボールシートSに接触させることができ、糊を好適に塗布することができる。
【0101】
次に、
図13を用いて、制御動作の他の一例について説明する。
図13は、糊付装置の制御動作の一例を示すフローチャートである。段ボール箱の製造時に実行される処理の一例である。
【0102】
制御装置110は、製造する段ボール箱の情報を取得する(ステップS50)。製造する段ボール箱の情報は、オペレータによって入力された情報である。制御装置110は、製造する段ボール箱の情報を取得したら製造したデータがあるか、つまり過去に同じ段ボール箱を製造したことがあるかを判定する(ステップS52)。
【0103】
制御装置110は、製造したデータがある(ステップS52でYes)と判定した場合、データに基づいて隙間を設定する(ステップS54)。制御装置110は、過去に製造した際のシートガイド127とノズル140との隙間の値に設定する。
【0104】
制御装置110は、製造したデータがない(ステップS52でNo)と判定した場合、段ボールシートの材質に基づいて隙間を決定する(ステップS56)。つまり、上述した
図10の処理を実行する。なお、制御装置110は、材質に加え、フルートの種類や厚みも加味して隙間を決定することが好ましい。制御装置110は、隙間を決定したら、決定した隙間を対象の段ボール箱の情報に記憶する(ステップS58)。
【0105】
制御装置110は、ステップS54またはステップS58の処理を行ったら、決定した隙間に基づいて、位置調整機構132の動作を制御し、ノズル140とシートガイド127との距離が決定した隙間の距離となるように調整する(ステップS60)。
【0106】
制御装置110は、隙間を調整したら、段ボール箱の製造を開始する。制御装置110は、製造を開始したら、隙間の変更処理があるかを判定する(ステップS62)。制御装置110は、
図11や
図12の処理で隙間を変更する処理を実行したかを判定する。
【0107】
制御装置110は、隙間の変更処理があり(ステップS62でYes)と判定した場合、変更した隙間を対象の段ボール箱の情報に記憶する(ステップS64)。つまり、隙間を変更した場合、段ボール箱の情報に対応付けられている隙間の情報を上書きする。
【0108】
制御装置110は、ステップS64の処理を行った場合、または隙間の変更処理がない(ステップS62でNo)と判定した場合、製造を終了したかを判定する(ステップS66)。制御装置110は、製造終了ではない(ステップS66でNo)と判定した場合、ステップS62に戻り、判定処理を続ける。制御装置110は、製造終了である(ステップS66でYes)と判定した場合、本処理を終了する。
【0109】
糊付装置56は、
図13に示すように、製造する段ボール箱の情報に隙間の情報を対応付け、かつ、隙間が調整される毎に情報を更新することで、製造する段ボール箱毎に適切な隙間を設定することができる。また、毎回新たに隙間を調整する必要が無くなり、処理が簡単になる。糊付装置56は、上述した
図10から
図13の処理を組み合わせて実行してもそれぞれ別々の処理として実行してもよい。
【0110】
また、上述した各実施形態では、製函機10を、給紙部11、印刷部21、排紙部31、ダイカット部41、フォ0ルディング部51、カウンタエゼクタ部61により構成したが、この構成に限定されるものではなく、乾燥部や不良品除去部などを設けてもよい。また、カウンタエゼクタ部61がないものでもよい。