【実施例】
【0062】
以下において、本発明を実施例及び比較例によって具体的に説明し、好適な各実施例のデータ及び各実施例と各比較例の対照により、本発明の構成の合理性と優位性及び従来技術に対する卓越性を実証する。
【0063】
二核金属錯体により製造されるオレフィン重合体及び共重合体
本発明において製造されるオレフィン重合体及び共重合体の物性試験方法は以下の通りである。
(1)オレフィン重合体及び共重合体の微細構造
オレフィン重合体及び共重合体の微細構造は、1H−NMRスペクトル及び13C−NMRスペクトルを用いて求めた。
(2)数平均分子量(Mn)及び分子量分布パラメーター(Mw/Mn)はゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)によって、さらに重量平均分子量(Mw)を求め、MwとMnの比、Mw/Mnによって算出した。
(3)融点
融点及びガラス転移温度は、示差走査型熱量計(DSC)により測定した吸熱曲線のピーク温度によって示される。測定にはエスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社社製のDSC(DSC7020)を使用し、次の測定条件で実施した。
試料約5.0mgをアルミパンに詰め、10℃/分で200℃まで上昇し、200℃で5分間保持した後に20℃/分で−100℃まで降温させた。−100℃で5分間保持した後、再度、10℃/分で昇温させる際の吸収曲線を測定し、そのピーク温度を融点とした。
【0064】
(合成例1)環状配位子1の合成
(合成例1−1)(2−ブロモ−4,6−ジメチルフェニル)−カルバミン酸ターシャリーブチルエステル
【0065】
100mLシュレンクフラスコに2−ブロモ−4,6−ジメチルアニリン(関東化学社製)(4.97g、24.9mmol)とジターシャリーブチルジカーボネート(関東化学社製)(13.6g、62.1mmol)をそれぞれ秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(35mL)を加えて溶解した。予め90℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、33時間反応させた。反応終了後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により白色固体の(2−ブロモ−4,6−ジメチルフェニル)−カルバミン酸ターシャリーブチルエステルを単離した(5.10g,17.0mmol,68%)。
【0066】
1H NMR(500MHz, CDCl
3, r.t.): δ 7.24 (s, 1H, Ar−Hm), 6.96 (s, 1H, Ar−Hm), 6.08(br s, 1H, N−H), 2.28 (s, 3H, Ar−Me), 2.26 (s, 3H, Ar-Me), 1.50 (s, 9H, CMe
3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl
3, r.t.): δ153.42 (O=C.), 137.86, 137.82, 131.61, 130.53, 130.43, 122.44, 80.18 (OCMe3), 28.20 (OCMe3), 20.54 (Ar−Me), 18.87 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 301 [M+ + H+].
IR (KBr): 3367, 3231, 3197, 3127, 2977, 2930, 1711, 1563, 1493, 1472, 1453, 1364, 1287, 1254, 1239, 1165, 1128, 1046, 1019, 908, 852, 834, 775, 721, 643, 539, 445 cm
−1.
Anal. Calcd. for C
13H
18BrNO
2: C, 51.75; H, 5.83; Br, 26.33, N, 4.69, O, 10.58. Found: C, 52.01; H, 6.04; Br, 26.62, N, 4.67, O, 10.66.
【0067】
(合成例1−2)(2,4−ジメチル−6−ビニルーフェニル)カルバミン酸ターシャリーブチルエステル
【0068】
100mLオートクレーブにポタシウムビニルトリフルオロボレート(アルドリッチ社製)(2.69g、20.1mmol)、パラジウム(II)クロリド(田中貴金属工業社製)(71.1mg、0.40mmol)、トリフェニルホスフィン(関東化学社製)(316mg、1.20mmol)、炭酸セシウム(和光純薬工業社製)(19.6mg、60.2mmol)と(2−ブロモ−4,6−ジメチルフェニル)−カルバミン酸ターシャリーブチルエステル(3.01g、10.0mmol)をそれぞれ秤量し、テトラヒドロフラン(関東化学社製)と水の混合溶媒(9:1)を加えた。予め80℃に設定したオイルバスにオートクレーブを導入し、17時間反応させた。反応終了後、反応溶液を室温に戻し塩化メチレン(旭硝子社製)(120mL)で希釈した。有機層を蒸留水(75mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=10:1)により白色固体の(2,4−ジメチル−6−ビニルーフェニル)カルバミックアシッドターシャリーブチルエステルを単離した(1.87g、8.03mmol,85%)。
【0069】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 7.21 (s, 1H, Ar−H), 6.97 (s, 1H, Ar−H), 6.88 (m, 1H, CH=CH2), 5.87 (br s, 1H, N−H), 5.67 (d, 1H, J = 17.5, CH=CH2), 5.28 (d, 1H, J = 11.0, 1.5, CH=CH2), 2.30 (s, 3H, Ar−Me), 2.23 (s, 3H, Ar−Me), 1.51 (s, 9H, CMe3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 153.87 (O=C.), 136.62, 136.00, 135.27, 133.115, 130.88, 130.20, 124.10, 115.55,79.90 (OCMe3), 28.30 (OCMe3), 21.03 (Ar−Me), 18.20 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 249 [M + H+].
IR (KBr): 3351, 3236, 3098, 3007, 2981, 2923, 1685, 1481, 1445, 1410, 1390, 1363, 1300, 1254, 1229, 1167, 1047, 1023, 991, 901, 852, 777, 720, 669 cm−1.
Anal. Calcd. for C
15H
21NO
2(H
2O)0.14: C, 72.14; H, 8.69; N, 5.56. Found: C, 72.09; H, 8.59; N, 5.60.
【0070】
(合成例1−3)(E)−2,2‘−ジ(ターシャリーブトキシカルバメート)−3,3’,5,5‘−テトラメチルスチルベン
【0071】
50mLシュレンクフラスコに(2−ブロモ−4,6−ジメチルフェニル)−カルバミン酸ターシャリーブチルエステル(553mg、1.84mmol)、(2,4−ジメチル−6−ビニルーフェニル)カルバミン酸ターシャリーブチルエステル(537mg、2.30mmol)、酢酸パラジウム(Derek H. R. Barton, Jamal Ehamsi, Nubar Ozbalik, Manian Ramesh and Jadab C. Sarma:“On The Various Forms of Palladium Diacetate”:Tetrahedron Letters 1989,30,4661−4664.に記載の方法で合成した)(20.7mg、0.092mmol)とトリス(オルト−トリル)ホスフィン(和光純薬工業社製)(112mg、0.369mol)をそれぞれ秤量し、トリエチルアミン(和光純薬工業社製)(14mL)を加えた。予め90℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、54時間反応させた。反応溶液を室温に戻し塩化メチレン(旭硝子社製)(80mL)と蒸留水(30mL)で希釈した。有機層を蒸留水(30mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:2)により白色固体の(E)−2,2‘−ジ(ターシャリーブトキシカルバメート)−3,3’,5,5‘−テトラメチルスチルベンを単離した(706mg、1.52mmol、82%)。
【0072】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 7.31 (s, 2H, Ar−Hm), 7.17 (s, 2H, C=C−H), 6.97 (br s, 2H, Ar−Hm), 5.86 (br s, 2H, N−H), 2.32 (s, 6H, Ar−Me), 2.26 (s, 6H, Ar−Me), 1.50 (s, 18H, CMe3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 154.58 (O=C.), 136.63, 135.98, 135.41, 135.29, 130.69, 126.43, 124.30, 80.04 (OCMe3), 28.35 (OCMe3), 21.02 (Ar−Me), 18.23 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 467 [M + H+].
IR (KBr): 3337, 2970, 2921, 2739, 2677, 2491, 1697, 1508, 1446, 1390, 1364, 1274, 1247, 1166, 1061, 1046, 1024, 982, 850, 628cm−1.
Anal. Calcd. for C
28H
38N
2O
4(H
2O)0.5: C, 70.84; H, 7.96; N, 5.95. Found: C, 70.71; H, 8.26; N, 5.89.
【0073】
(合成例1−4)N,N‘−ジ(ターシャリーブトキシカルボニル)−4,4’,6,6‘−テトラメチルー2,2’−エチレンジアニリン
【0074】
100mLシュレンクフラスコに(E)−2,2‘−ジ(ターシャリーブトキシカルバメート)−3,3’,5,5‘−テトラメチルスチルベンとパラジウム−活性炭素(Pd 10%)(和光純薬工業社製)(91.4mg)をそれぞれ秤量し、脱水テトラヒドロフラン(関東化学社製)(20mL)を加えた。続いて「凍結脱気を行い水素で満たした3Lのゴム風船を用いて容器内を水素雰囲気下にした」という操作を計2回繰り返した。反応溶液を室温に戻し、予め50℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、66時間反応させた。反応終了後、温かいうちにセライト濾過を行った。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)により白色固体のN,N‘−ジ(ターシャリーブトキシカルボニル)−4,4’,6,6‘−テトラメチルー2,2’−エチレンジアニリンを単離した(742mg、1.59mmol、87%)。
【0075】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 6.91 (s, 2H, Ar−H), 6.89 (s, 2H, Ar−H), 5.36 (br s, 2H, N−H), 2.77 (s, 4H, CH2), 2.27 (s, 6H, Ar−Me), 2.17 (s, 6H, Ar−Me), 1.49 (s, 18H, CMe3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 154.22 (O=C), 139.01 (Ar−C), 136.99 (Ar−C), 136.48 (Ar−C), 131.42 (Ar−C), 129.55 (Ar−Cm), 128.38 (Ar−Cm), 79.72 (OCMe3), 33.75 (Ar−CH2), 28.51 (t−Bu), 21.06 (Ar−Me), 18.37 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 470 [M + H+].
IR (KBr): 3326, 2997, 2965, 2917, 2879,
1696, 1508, 1461, 1444, 1389, 1365, 1268, 1247, 1172, 1058, 1027, 907, 777, 723, 641cm−1.
Anal. Calcd. for C
28H
40N
2O
4: C, 71.76; H, 8.60; N, 5.98, O, 13.66. Found: C, 71.74; H, 8.90; N, 5.96, O, 13.46.
【0076】
(合成例1−5)4,4‘,6,6’−テトラメチルー2,2‘−エチレンジアニリン
【0077】
200mLフラスコにN,N‘−ジ(ターシャリーブトキシカルボニル)−4,4’,6,6‘−テトラメチルー2,2’−エチレンジアニリン(618mg、1.33mmol)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(20mL)に溶解した。続いてトリフルオロ酢酸(東京化成工業社製)(2mL,26.5mmol)を加え、室温下で1時間反応させた。反応終了後、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)で中和し、塩化メチレン(旭硝子社製)(50mL)で2回抽出した。硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)により白色固体の4,4‘,6,6’−テトラメチルー2,2‘−エチレンジアニリンを単離した(326mg、1.23mmol,93%)。
【0078】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 6.85 (s, 2H, Ar−Hm), 6.82 (s, 2H, Ar−Hm), 3.56 ((br s, 4H, N−H2), 2.77 (s, 4H, Ar−CH2), 2.25 (s, 6H, Ar−Me), 2.18 (s, 6H, Ar−Me).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 139.95 (NH2−C), 129.33 (Ar−Cm), 127.78 (Ar−Cm), 127.60 (Ar−C), 126.17 (Ar−C), 122.70 (Ar−C), 31.60 (Ar−CH2), 20.59 (Ar−Me), 17.89 (Ar−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 270 [M + H+].
IR (KBr): 3416, 3350, 3008, 2964, 2920, 2858, 2735, 2722, 1626, 1604, 1486, 1371, 1306, 1252, 1238, 1162, 1117, 1039, 1030, 1011, 857, 690cm−1.
Anal. Calcd. for C
18H
24N
2: C, 80.55; H, 9.01; N, 10.44. Found: C, 80.43; H, 8.76; N, 10.45.
【0079】
(合成例1−6)4,5−ジブロモ−2,3,6,7,9,9−ヘキサメチルキサンテン
【0080】
200mLフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチルキサンテン(Andrew J. Caruso and Julia L. Lee:“A New Reaction of Bisphenol A and Preparation of Polysubstituted 9,9−Dimethylxanthenes”:J. Org. Chem. 1997, 62, 1058−1063.に記載の方法で合成した)(1.85g、6.93mmol)を秤量し、四塩化炭素(関東化学社製)(30mL)に溶解した。反応容器を氷浴へ移し、臭素(和光純薬工業社製)(1mL、19.4mmol)を滴下した。次に、反応溶液を室温まで戻し、24時間反応させた。反応終了後、塩化メチレン(旭硝子社製)(100mL)で希釈し、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(50mL)と蒸留水(50mL)で洗浄した。有機層は硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=20:1)により白色固体の(4,5−ジブロモー2,3,6,7,9,9−ヘキサメチルキサンテンを単離した(2.18g、5.14mmol,74%)。
【0081】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 7.10 (s, 2 H, 1−xn, 8−xn), 2.40 (s, 6 H, 3−xn−CH3, 6−xn−CH3), 2.33 (s, 6 H, 2−xn−CH3, 7−xn−CH3), 1.58 (s, 6 H, 9−xn−CH3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 145.7 (4a−xn), 135.7, 132.0, 128.2, 125.4 (1−xn), 114.0 (CBr), 34.7 (C(CH3)2), 32.1 (C(CH3)2), 21.0 (2−xn−CH3, 7−xn−CH3), 19.5 (3−xn−CH3, 6−xn−CH3).
FAB−MS mass spectrum: m/z = 425 (M+H+).
IR (KBr):2968, 2923, 2865, 1444, 1403, 1069, 1002, 922, 882, 816, 779, 718cm−1.
Anal. Calcd. for C
19H
20Br
2O: C, 53.80; H, 4.75; Br, 37.68. Found: C, 53.66; H, 4.47; Br, 37.79.
【0082】
(合成例1−7)2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアミン
【0083】
25mLシュレンクフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアミン(2.03g、4.78mmol)、ヨウ化銅(和光純薬工業社製)(2.73g、14.4mmol)、アジ化ナトリウム (東京化成工業社製)(1.87g、28.4mmol)とN,N‘−ジメチルエチレンジアミン (東京化成工業社製)(1.54mL、14.4mmol)を秤量し、ジメチルスルホキシド(関東化学社製)(13mL)を加えた。予め100℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、24時間反応させた。24時間後、反応溶液を室温に戻し飽和塩化アンモニウム水溶液(10mL)酢酸エチル (10mL) を加え1時間撹拌することで反応を停止した。次にセライト濾過を行い、酢酸エチル(ゴードー社製)(50mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水(25mL)で洗浄し、硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で2時間以上乾燥した。その後、溶媒を除去しシリカカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:6)により白色固体の(2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアミンを単離した(0.54g,1.84mmol,38%)。
【0084】
1H NMR (300 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 6.68 (s, 2 H, 1−xn, 8−xn), 3.74 (br, 4 H, NH2), 2.28 (s, 6 H, 2−xn−CH3, 7−xn−CH3), 2.13 (s, 6 H, 3−xn−CH3, 6−xn−CH3), 1.61 (s, 6 H, 9−xn−CH3).
13C{1H} NMR (125 MHz, CDCl
3, r.t.):δ 136.7 (4a−xn), 132.3, 130.4, 127.0 (4−xn), 119.2, 116.4 (1−xn), 33.7 (C(CH3)2), 32.3 (C(CH3)2), 20.4 (2−xn−CH3), 12.9 (3−xn−CH3).
FAB−MS mass spectrum: m/z = 298 (M+2H+).
IR (KBr):3457 (N−H), 2961, 1619, 1492, 1399, 1305, 1268, 1213, 1186, 1093, 856cm−1.
Anal. Calcd. for C
19H
24N
2O (DMSO)0.1: C, 75.80; H, 8.15; N, 9.21. Found: C, 75.83; H, 8.19; N, 9.21.
【0085】
【0086】
30mLフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアニリン (302 mg、1.02 mmol)、アセナフテンキノン(東京化成工業社製)(186 mg、1.02 mmol)と触媒量のp−トルエンスルホン酸(関東化学社製)を秤量し、1−ブタノール(ナカライテスク社製)(4 mL)を加えた。予め120℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、20時間反応させた。20時間後濾過し、メタノール(和光純薬工業社製)(10mL)と塩化メチレン(関東化学社製)(20mL)で洗浄することにより赤黄色粉末の環状配位子1を単離した(0.35g、0.395 mmol、77%)。
【0087】
1H NMR (500 MHz, CD
2Cl
2, r.t.):δ 7.30 (d, 4H, J = 8.0, Ar−Ho), 7.13 (s, 4H, Ar−Hp), 6.86 (t, 4H, J = 8.0, An−Hm), 6.48 (d, 4H, J = 7.0, An−Hp), 2.27 (s, 12H, Ar−Me), 1.86 (s, 12H, Ar−Me), 1.81(s, 6H, CMe), 1.76 (s, 6H, CMe).
FAB mass spectrum: m/z = 998 [M + H+].
Anal. Calcd. for C
62H
52N
4O
2: C, 83.86; H, 5.91; N, 6.28. Found: C, 84.13; H, 5.92; N, 6.33.
【0088】
【0089】
50 mLフラスコに2,7ージターシャリーブチル−9,9−ジメチル−4,5−キサンテンジアニリン (James S. Nowick, Pablo Ballester, Frank Ebmeyer, and Julius Rebek, Jr.:“Convergent Functional Groups. 9. Complexation in New Molecular Clefts”:J. Am. Chem. Soc.1990,112,8902−8906.及びPhilippe Biihlmann, Seiichi Nishizawa,Kang Ping Xiao and Yoshio Umezawa:“Strong Hydrogen Bond−Mediated Complexation of H2P04− by Neutral Bis−Thiourea Hosts”:Terrahedron 1997,53,1647−1654.に記載の方法で合成した)(202mg、0.574 mmol)、アセナフテンキノン(東京化成工業社製) (105mg、1.02 mmol)と触媒量のp−トルエンスルホン酸(関東化学社製)を秤量し、エタノール(関東化学社製) (4 mL)を加えた。予め100℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、42時間反応させた。42時間後濾過し、メタノール(和光純薬工業社製)(20mL)で洗浄することにより黄色粉末の環状配位子2を単離した(0.22g、0.221 mmol,77%)。
【0090】
1H NMR (500 MHz, CD
2Cl
2, r.t.): δ 7.35 (d, 4H, J = 2.0, Ar−Ho), 7.25 (d, 4H, J = 8.5, An−Ho), 6.87 (t, 4H, J = 7.5, An−Hm), 6.86 (d, 4H, J = 1.5, Ar−Hp), 6.56 (d, 4H, 7.0, An−Hp), 1.90 (s, 6H, CMe), 1.79 (s, 6H, CMe), 1.31 (s, 36H, CMe3).
13C NMR (125 MHz, CDCl
3, 1H gated decoupled): δ161.36, 146.35, 140.43, 138.84, 137.13, 130.45, 130.05, 128.60, 128.42, 127.44, 122.69, 118.64, 115.10, 35.29 (CMe2), 34.96 (CMe3), 33.57 (CMe2), 32.59 (CMe2), 31.62 (CMe3).
FAB mass spectrum: m/z = 998 [M+ + H+].
Anal. Calcd. forC
70H
68N
4O
2(CHCl
3)0.09: C,83.51; H, 6.80; N, 5.44.Found: C, 83.
50; H, 6.81; N, 5.56.
【0091】
【0092】
30 mLフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアニリン (99.2 mg、0.335 mmol)、ジアセチル(東京化成工業社製) (0.29 ml、0.335 mmol)と触媒量のp−トルエンスルホン酸Cを秤量し、1−ブタノール(ナカライテスク社製) (1.5 mL)を加えた。予め120℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、22時間反応させた。22時間後濾過し、メタノール(和光純薬工業社製)(20mL)で洗浄することにより黄色粉末の環状配位子3を単離した(0.08g、0.116 mmol、69%)。
【0093】
1H NMR (300 MHz, CD
2Cl
2, r.t.):δ 6.99 (s, 4H, Ar−H), 2.28 (s, 12H, N=CMe), 2.01 (s, 12H, Ar−Me), 1.90 (s, 12H, Ar−Me), 1.67 (s, 6H, CMe), 1.60 (s, 36H, CMe3).
【0094】
【0095】
25mLシュレンクフラスコに環状配位子1(150mg、0.169mmol)とPdMeCl(cod)(J.Chatt, L. M. Vallarino, L. M. Venanzi:“Olefin co−ordination compounds. Part V. Some diene complexes of palladium(II) and their alkoxy−derivatives” J. Chem. Soc.1957, 3413−3416.及びR.E.Rulke,J.M.Ernsting,A.L.Spek,C.J.Elsevier,P.W.N.M.van Leeuwen,K.Vrieze:“NMR study on the coordination behavior of dissymmetric terdentate trinitrogen ligands on methylpalladium(II) compounds”:Inorg. Chem.1993,32, 5769−5778.に記載の方法で合成した)(90.1mg、0.339mmol) を秤量し、脱水THF(関東化学社製)(10mL)を加え、室温で12時間反応させた。反応12時間後濾過し、脱水THFで洗浄することにより黒赤色粉末を単離した(164mg、0.137mmol、81%)。
【0096】
1H NMR (400 MHz, CD
2Cl
2, r.t.): δ 8.03−7.96, 7.53−7.39 (m, 4H, Ar−Ho), 7.37−7.26 (m, 4H, Ar−Hp), 7.13−6.84 (m, 4H, An−Hm), 6.79−6.31 (m, 4H, An−Hp), 2.34−1.76 (36H, Ar−Me and CMe), 0.85, 0.74, −0.51, −0.56 (s, 6H, Pd−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 1163 [M+−Cl], 1148 [M+−ClMe], 1133[M+−ClMe2] .
Anal. Calcd. for C
64H
58Cl
2N
4O
2Pd
2: C, 64.20; H, 5.12; N, 4.57. Found: C, 64.11; H, 4.88; N, 4.67.
【0097】
【0098】
窒素雰囲気下のグローブボックス中で、25mLシュレンクフラスコに環状配位子1(52.4mg、0.059mmol)と[PdMe(MeCN)(cod)][BARF](WO9623010(A2)―1996−08−01に記載の方法で合成した)(134 mg、0.118mmol)を秤量し、脱水アセトニトリル(和光純薬工業社製)(10 mL)を加え、室温で13時間撹拌した。13時間後、脱水ヘキサン(関東化学社製)(10 mL)で4回洗浄した。洗浄後、溶媒を除去することにより橙色粉末を単離した。(146 mg、0.498mmol、84%)。
【0099】
1H NMR (400 MHz, CD
2Cl
2, r.t.):δ 7.69 (s, 16H, BARF: Ho), 7.62 (d, 2H, J = 8.5, An−Ho), 7.52 (s, 8H, BARF: Hp), 7.52 (d, 2H, overlapped with signal oF BARF: Hp, An−Ho), 7.48 (s, 2H, Ar−Hp), 7.40 (s, 2H, Ar−Hp), 7.15 (t, 2H, J = 7.5, An−Hm), 7.00 (t, 2H, J = 7.5, An−Hm), 6.64 (d, 2H, J = 8.5, An−Hp), 6.58 (d, 2H, J = 8.5, An−Hp), 2.35 (s, 6H, Ar−Me), 2.31 (s, 6H, Ar−Me), 2.16 (s, 6H, Ar−Me), 2.11 (s, 6H, Ar−Me), 1.87 (s, 3H, CMe), 1.80 (s, 3H, CMe), 1.80 (s, 6H, NCMe), 0.84 (s, 3H, Pd−Me), 0.78 (s, 3H, Pd−Me).
13C{1H} NMR (125 MHz, CD2Cl2, r.t.):δ 176.40 (C=N), 169.17 (C=N), 162.72 (BARF), 162.32 (BARF), 161.93 (BARF), 161.53 (BARF), 144.81, 138.57, 137.87, 135.17 (BARF), 134.81, 134.23, 133.21, 132.15, 131.36, 130.55, 130.47, 129.63−128.88 (BARF), 128.28, 128.21, 128.17, 127.92, 127.41, 127.26, 126.04, 125.13 (BARF), 124.90 (BARF), 124.49, 124.29, 123.87, 121.71 (NCMe), 121.47, 117.87 (BARF), 117.84 (BARF), 117.80 (BARF), 34.48 (CMe or CMe), 34.26 (CMe or CMe), 31.83 (CMe or CMe), 20.03 (Ar−Me), 20.01 (Ar−Me), 14.53 (Ar−Me), 14.31 (Ar−Me), 5.98 (NCMe), 2.77 (Pd−Me).
HRMS−ESI (m/z): [M]2+ calcd for C
66H
64N
6O
2Pd
2: 605.2259. Found: 605.1590.
【0100】
【0101】
25mLシュレンクフラスコに環状配位子2(95.2mg、0.095mmol)とPdMeCl(cod)(J.Chatt, L. M. Vallarino, L. M. Venanzi:“Olefin co−ordination compounds. Part V. Some diene complexes of palladium(II) and their alkoxy−derivatives” J. Chem. Soc.1957, 3413−3416.及びR.E.Rulke,J.M.Ernsting,A.L.Spek,C.J.Elsevier,P.W.N.M.van Leeuwen,K.Vrieze:“NMR study on the coordination behavior of dissymmetric terdentate trinitrogen ligands on methylpalladium(II) compounds”:Inorg. Chem.1993,32, 5769−5778.に記載の方法で合成した)(50.6mg、0.191mmol)を秤量し、脱水THF(関東化学社製)(5mL)を加え、室温で11時間反応させた。反応11時間後濾過し、脱水THFで洗浄することにより黒赤色粉末を単離した(112mg、0.085mmol、89%)。
【0102】
1H NMR (400 MHz, CD
2Cl
2, r.t.):δ 7.57−7.51 (m, 4H, Ar−Ho), 7.48−7.36 (m, 4H, An−Ho), 7.18−7.09 (m, 3H, Ar−Hp), 7.08−6.84 (m, 6H, Ar−Hp, An−Hm and An−Hp), 6.81, 6.52, 6.35 (m, 3H, An−Hp), 1.89−1.86 (m, 12H, CMe), 1.36−1.29 (m, 48H, CMe3), 0.89, 0.84 (s, 6H, Pd−Me).
13C{1H} NMR (125 MHz, CD2Cl2, r.t.): δ 171.72 (C=N), 166.18 (C=N), 152.86, 147.32, 146.28, 142.98, 139.47, 139.45, 133.30, 133.13, 131.23, 130.36, 130.18, 129.92, 128.09, 127.05, 126.11, 124.03, 123.56, 121.84, 121.61, 119.73, 119.09, 35.61 (CMe2), 35.18 (CMe3), 32.87 (CMe2), 31.74 (CMe2), 31.52 (CMe3), 3.78 (Pd−Me), 1.13 (Pd−Me).
FAB mass spectrum: m/z = 1275 [M+ − Cl], 1260 [M+ − Cl−Me], 1245 [M+ − Cl−2Me].
Anal. Calcd. for C
72H
74Cl
2N
4O
2Pd
2: C, 65.68; H, 5.48; N, 4.23; Cl, 5.49. Found: C, 65.96; H, 5.69; N, 4.27; Cl, 5.41.
【0103】
【0104】
25mLシュレンクフラスコに環状配位子1(150mg、0.169mmol)とNiBr
2DME(アルドリッチ社製)(105mg、0.339mmol)を秤量し、脱水THF(関東化学社製)(10mL)を加え、室温で12時間反応させた。反応12時間後濾過し、脱水THFで洗浄することにより濃橙色粉末を単離した(198mg、0.150mmol、88%)。
【0105】
FAB mass spectrum: m/z = 1241 [M+ − Br], 1162 [M+ − 2Br], 1081 [M+ − 3Br].
Anal. Calcd. for C
62H
52Br
4N
4O
2Ni
2(H
2O)
4: C, 53.37; H, 3.99; N, 3.92. Found: C, 53.41; H, 4.34; N, 4.02.
【0106】
【0107】
25mLシュレンクフラスコに環状配位子2(100mg、0.100mmol)とNiBr
2DME(アルドリッチ社製)(62.0mg、0.201mmol)を秤量し、脱水THF(関東化学社製)(2.5mL)を加え、室温で11時間反応させた。反応11時間後濾過し、脱水ジエチルエーテル(関東化学社製)で洗浄することにより濃橙色粉末を単離した(130mg、0.091mmol、90%)。
【0108】
FAB mass spectrum: m/z = 1353 [M+ −Br], 1274 [M+ −2Br], 1193[M + −3Br] .
【0109】
【0110】
50mLフラスコに2,3,6,7,9,9−ヘキサメチル−4,5−キサンテンジアミン(100mg、0.378mmol)、アセナフテンキノン(東京化成工業社製) (68.9mg、0.378 mmol)と塩化亜鉛(II)(関東化学社製)(56.7mg、0.416mmol)を秤量し、酢酸(ナカライテスク社製)(2mL)を加えた。予め120℃に設定したオイルバスに反応容器を導入し、3時間反応させた。3時間後濾過し、酢酸(5mL)メタノール(和光純薬工業社製)(10mL)で洗浄することにより橙色粉末を単離した(169mg、0.153 mmol、81%)。
【0111】
1H NMR (300 MHz, CD
2Cl
2, r.t.):δ 8.15 (d, 4H, J = 8.5, An−Ho), 7.57 (t, 4H, J = 7.4, An−Hm), 7.29 (s, 4H, Ar−Hm), 7.04 (s, 4H, Ar−Hm), 6.99 (d, 4H, J = 7.4, An−Hp), 3.31 (m, 4H, Ar−HCH), 2.69 (m, 4H, Ar−HCH), 2.46 (s, 12H, CMe), 2.02 (s, 12H, CMe).
FAB mass spectrum: m/z = 1065 [M +−Cl].
【0112】
(合成例10)環状二核錯体7の合成
【0113】
25mLシュレンクフラスコに環状配位子2(100mg、0.100mmol)と塩化鉄(II)(25.6mg、0.202mmol)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え、室温で13時間反応させた。反応13時間後、塩化メチレンを留去し、脱水ジエチルエーテル(関東化学社製)で洗浄することにより、濃紫色粉末を定量的に単離した。
【0114】
(合成例11)環状二核錯体8の合成
【0115】
25mLシュレンクフラスコに環状配位子2(100mg、0.100mmol)と塩化コバルト(II)(26.0mg、0.200mmol)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え、室温で13時間反応させた。反応13時間後、塩化メチレンを留去し、脱水ジエチルエーテル(関東化学社製)で洗浄することにより、濃茶色粉末を定量的に単離した。
【0116】
次の環状二核錯体を実施例において使用する:
【0117】
次の単核錯体を比較例において使用する:
【0118】
〔実施例1−1〕
環状二核錯体1によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
【0119】
〔実施例1−2〕
環状二核錯体3によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体3(0.010mmol、13.1mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
【0120】
〔比較例1−1〕
単核錯体1によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体1(0.020mmol、11.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
【0121】
〔比較例1−2〕
単核錯体2によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
【0122】
〔比較例1−3〕
単核錯体3によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.020mmol、11.5mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間撹拌した。1分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表1に示す。
【0123】
【表1】
【0124】
〔実施例2−1〕
エチレン重合における環状二核錯体1の触媒寿命(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.0025mmol、3.0mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。その後、デカンテーションすることにより溶媒を取り除いた。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表2に示す。
【0125】
〔比較例2−1〕
エチレン重合における単核錯体2の触媒寿命(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.005mmol、2.3mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表2に示す。
【0126】
〔比較例2−2〕
エチレン重合における単核錯体3の触媒寿命(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol、2.1mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表2に示す。
【0127】
【表2】
【0128】
〔実施例3−1〕
エチレン重合における環状二核錯体1の触媒寿命(60℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.0025mmol、3.0mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.51mmol、0.322g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。その後、デカンテーションすることにより溶媒を取り除いた。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表3に示す。
【0129】
〔比較例3−1〕
エチレン重合における単核錯体2の触媒寿命(60℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.005mmol、2.3mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表3に示す。
【0130】
〔比較例3−2〕
エチレン重合における単核錯体3の触媒寿命(60℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol、2.1mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.53mmol,0.324g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表3に示す。
【0131】
【表3】
【0132】
〔実施例4−1〕
エチレン重合における環状二核錯体1の触媒寿命(80℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.0025mmol、3.0mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.53mmol、0.324g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表4に示す。
【0133】
〔比較例4−1〕
エチレン重合における単核錯体2の触媒寿命(80℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.005mmol、2.3mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表4に示す。
【0134】
〔比較例4−2〕
エチレン重合における単核錯体3の触媒寿命(80℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol、2.1mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.53mmol、0.324g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表4に示す。
【0135】
【表4】
【0136】
〔実施例5−1〕
エチレン重合における環状二核錯体1の触媒寿命(100℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.0025mmol、3.0mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表5に示す。
【0137】
〔比較例5−1〕
エチレン重合における単核錯体2の触媒寿命(100℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.005mmol、2.3mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表5に示す。
【0138】
〔比較例5−2〕
エチレン重合における単核錯体3の触媒寿命(100℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol,2.1mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(M.Brookhart, B.Grant and A.F.Volpe,Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.006mmol、5.2mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(2.52mmol、0.323g)をそれぞれ秤量し、モノクロロベンゼン(関東化学社製)(15mL)を加え2分間撹拌した。2分後、凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応溶液を室温に戻し撹拌することにより重合を開始した。反応時間0.5、1、3、5、7、9、12、24時間でそれぞれサンプリングを行った。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(200mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表5に示す。
【0139】
【表5】
【0140】
〔実施例6−1〕
環状二核錯体4によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体4(0.002mmol、2.6mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
【0141】
〔実施例6−2〕
環状二核錯体5によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体5(0.002mmol、2.9mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
【0142】
〔比較例6−1〕
単核錯体5によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体5(0.004mmol、2.6mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
【0143】
〔比較例6−2〕
単核錯体6によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体6(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.004mmol、2.5mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
【0144】
〔比較例6−3〕
単核錯体7によるエチレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体7(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.004mmol、2.5mg)を秤量し、脱水トルエン(関東化学社製)(18.5mL)を加えた。凍結脱気を行いエチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、約5分間撹拌した。その後、MAO(東ソー社製)(1.5mL)を加え重合を開始した。1時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表6に示す。
【0145】
【表6】
【0146】
〔実施例7−1〕
環状二核錯体1によるプロピレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.012mmol、15.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0288mmol、25.2mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え1分間撹拌した。1分後、上記の溶液中の5mLをあらかじめ3Lの風船を用いてプロピレンで満たした25mLシュレンク管へ移し、重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリプロピレンを回収した。重合条件及び重合結果を表7に示す。
【0147】
〔比較例7−1〕
単核錯体2によるプロピレンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.024mmol、14.8mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0288mmol、25.2mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え1分間撹拌した。1分後、上記の溶液中の5mLをあらかじめ3Lの風船を用いてプロピレンで満たした25mLシュレンク管へ移し、重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表7に示す。
【0148】
【表7】
【0149】
〔実施例8−1〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
【0150】
〔実施例8−2〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol,2.5mL)を加えて重合を開始した。72時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
【0151】
〔実施例8−3〕
環状二核錯体3による1−ヘキセンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体3(0.010mmol、13.1mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
【0152】
〔実施例8−4〕
環状二核錯体2による1−ヘキセンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体3(0.010mmol、13.1mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。72時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
【0153】
〔比較例8−1〕
単核錯体1による1−ヘキセンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体1(0.020mmol、11.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1.5分間撹拌した。1.5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
【0154】
〔比較例8−2〕
単核錯体1による1−ヘキセンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体1(0.020mmol、11.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。72時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
【0155】
〔比較例8−3〕
単核錯体2による1−ヘキセンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1.5分間撹拌した。1.5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
【0156】
〔比較例8−4〕
単核錯体2による1−ヘキセンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。72時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表8に示す。
【0157】
【表8】
【0158】
〔実施例9−1〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.008mmol、9.6mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0096mmol、8.4mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.40mmol、0.052g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。3時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
【0159】
〔実施例9−2〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.008mmol、9.6mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0192mmol、16.8mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.41mmol、0.052g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
【0160】
〔実施例9−3〕
環状二核錯体1による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.008mmol、9.6mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.040mmol、35mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.41mmol、0.051g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。1.5時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
【0161】
〔実施例9−4〕
環状二核錯体2による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体2(0.004mmol、11.7mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.41mmol、0.052g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol,1mL)を加えて重合を開始した。5時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
【0162】
〔比較例9−1〕
単核錯体2による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.008mmol、4.9mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0096mmol、8.4mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.40mmol、0.051g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。25時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
【0163】
〔比較例9−2〕
単核錯体3による1−ヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.008mmol、4.6mg)、テトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0096mmol、8.4mg)とナフタレン(東京化成工業社製)(0.41mmol、0.052g)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(2mL)を加え2分間撹拌した。2分後、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)を加えて重合を開始した。3時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表9に示す。
【0164】
【表9】
【0165】
〔実施例10−1〕
環状二核錯体1による1−ブテンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.012mmol、15.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0288mmol、25.2mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え1分間撹拌した。1分後、上記の溶液中の5mLをあらかじめ3Lの風船を用いて1−ブテンで満たした25mLシュレンク管へ移し、重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ブテンを回収した。重合条件及び重合結果を表10に示す。
【0166】
〔実施例10−2〕
環状二核錯体1による1−オクテンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1.5分間撹拌した。1.5分後、1−オクテン(和光純薬工業社製)(20mmol、3.1mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。沈殿した重合体を濾過し、メタノールで洗浄後、60℃で8時間以上減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−オクテンを回収した。重合条件及び重合結果を表10に示す。
【0167】
〔比較例10−1〕
単核錯体2による1−ブテンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.024mmol、14.8mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.0288mmol、25.2mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え1分間撹拌した。1分後、上記の溶液中の5mLをあらかじめ3Lの風船を用いて1−ブテンで満たした25mLシュレンク管へ移し、重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ブテンを回収した。重合条件及び重合結果を表10に示す。
【0168】
〔比較例10−2〕
単核錯体2による1−オクテンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1.5分間撹拌した。1.5分後、1−オクテン(和光純薬工業社製)(20mmol、3.1mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−オクテンを回収した。重合条件及び重合結果を表10に示す。
【0169】
【表10】
【0170】
〔実施例11−1〕
環状二核錯体4による1−ヘキセンの重合(MMAO)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、脱水トルエン(関東化学社製)(15mL)、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)とMMAO(東ソー社製)(0.5mL)を加えた。上記の溶液へ予め調製しておいた触媒溶液(環状二核錯体4(0.002mmol、5.2mg)/脱水塩化メチレン(関東化学社製)(4mL))の内の2mLを加え、重合を開始した。4時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(200mL)に注いだ。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表11に示す。
【0171】
〔実施例11−2〕
環状二核錯体4による1−ヘキセンの重合(Et
2AlCl)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、脱水トルエン(関東化学社製)(16.4mL)、1−ヘキセン(東京化成工業社製)(8.02mmol、1mL)と1.8M Et
2AlClトルエン溶液(アルドリッチ社製)(0.58mL)を加えた。上記の溶液へ予め調製しておいた触媒溶液(環状二核錯体4(0.002mmol、7.8mg)/脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL))の内の2mLを加え、重合を開始した。4時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(200mL)に注いだ。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−1−ヘキセンを回収した。重合条件及び重合結果を表11に示す。
【0172】
【表11】
【0173】
〔実施例12−1〕
環状二核錯体1による4−メチル−1−ペンテンの重合(40℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間40℃で撹拌した。1分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
【0174】
〔実施例12−2〕
環状二核錯体1による4−メチル−1−ペンテンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間室温で撹拌した。1分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
【0175】
〔実施例12−3〕
環状二核錯体1による4−メチル−1−ペンテンの重合(0℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
【0176】
〔実施例12−4〕
環状二核錯体1による4−メチル−1−ペンテンの重合(−20℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(0.010mmol、12.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を−20℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
【0177】
〔実施例12−5〕
環状二核錯体3による4−メチル−1−ペンテンの重合(0℃)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体3(0.010mmol、13.1mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加えた。凍結脱気を行いアルゴンで満たした3Lの風船を用いて容器内をアルゴン雰囲気下にし、反応容器を0℃に設定した恒温槽に移し、5分間撹拌した。5分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol,2.5mL)を加えて重合を開始した。24時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
【0178】
〔比較例12−1〕
単核錯体2による4−メチル−1−ペンテンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体2(0.020mmol、12.3mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.024mmol、21.0mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え1分間室温で撹拌した。1分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(20.1mmol、2.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
【0179】
〔比較例12−2〕
単核錯体3による4−メチル−1−ペンテンの重合(室温)
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.012mmol,6.9mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.014mmol、12.6mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(3mL)を加え1分間室温で撹拌した。1分後、4−メチル−1−ペンテン(アルドリッチ社製)(12mmol、1.5mL)を加えて重合を開始した。2時間後、激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)/塩化メチレン(関東化学社製)(1:1)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリ−4−メチル−1−ペンテンを回収した。重合条件及び重合結果を表12に示す。
【0180】
【表12】
【0181】
〔実施例13−1〕
環状二核錯体1によるエチレンの単独重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(10mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後エチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0182】
〔実施例13−2〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=0.6M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(5.55mmol、0.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0183】
〔実施例13−3〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.1M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(11.1mmol、1mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0184】
〔実施例13−4〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.7M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13、14と15に示す。
【0185】
〔実施例13−5〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=2.2M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(22.2mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0186】
〔実施例13−6〕
環状二核錯体2によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.7M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体2(0.005mmol、14.7mg)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0187】
〔実施例13−7〕
環状二核錯体2によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=2.2M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体2(0.005mmol、14.7mg)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(22.2mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0188】
〔実施例13−8〕
環状二核錯体2によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=5.6M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体2(0.005mmol、14.7mg)を秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(55.5mmol、5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0189】
〔比較例13−1〕
単核錯体3によるエチレンの単独重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol,5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(10mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。後エチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリエチレンを回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0190】
〔比較例13−2〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=0.6M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol,5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(5.55mmol、0.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0191】
〔比較例13−3〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.1M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol,10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(11.1mmol、1mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0192】
〔比較例13−4〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.7M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13、14と15に示す。
【0193】
〔比較例13−5〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=2.2M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(22.2mmol,2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0194】
〔比較例13−6〕
単核錯体4によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=1.7M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体4(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、4.8mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0195】
〔比較例13−7〕
単核錯体4によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(MA=2.2M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体4(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol,4.8mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(22.2mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表13に示す。
【0196】
【表13】
【0197】
〔実施例14−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(エチレン=5気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(5気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表14に示す。
【0198】
〔実施例14−2〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(エチレン=20気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(20気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表14に示す。
【0199】
〔比較例14−1〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(エチレン=5気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(5気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表14に示す。
【0200】
〔比較例14−2〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(エチレン=20気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol,1.5mL)とエチレン(20気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表14に示す。
【0201】
【表14】
【0202】
〔実施例15−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(重合温度=60℃)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間60℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を60℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表15に示す。
【0203】
〔比較例15−1〕
単核錯体3によるエチレン/メチルアクリレート(MA)共重合
(重合温度=60℃)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間60℃で撹拌した。2分後、メチルアクリレート(東京化成工業社製)(16.7mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を60℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/メチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表15に示す。
【0204】
【表15】
【0205】
〔実施例16−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=1.4M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(13.8mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16と17に示す。
【0206】
〔実施例16−2〕
環状二核錯体1によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=2.1M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(7mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(20.7mmol、3mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16に示す。
【0207】
〔実施例16−3〕
環状二核錯体1によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=2.8M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(27.6mmol、4mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16に示す。
【0208】
〔比較例16−1〕
単核錯体3によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=1.4M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(13.8mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16と17に示す。
【0209】
〔比較例16−2〕
単核錯体3によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=2.1M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(7mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(20.7mmol、3mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16に示す。
【0210】
〔比較例16−3〕
単核錯体3によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(TBA=2.8M)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(6mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(27.6mmol、4mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表16に示す。
【0211】
【表16】
【0212】
〔実施例17−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(エチレン=20気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(13.8mmol、2mL)とエチレン(20気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表17に示す。
【0213】
〔比較例17−1〕
単核錯体3によるエチレン/ターシャリーブチルアクリレート(TBA)共重合(エチレン=20気圧)
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol、5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、ターシャリーブチルアクリレート(東京化成工業社製)(13.8mmol、2mL)とエチレン(20気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表17に示す。
【0214】
【表17】
【0215】
エチレンと種々の極性基含有モノマー種(FG)との共重合
〔実施例18−1〕
環状二核錯体1によるエチレン/アクリロニトリル(AN)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(9mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、アクリロニトリル(東京化成工業社製)(15.3mmol、1mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
【0216】
〔実施例18−2〕
環状二核錯体1によるエチレン/メチルメタクリレート(MMA)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、メチルメタクリレート(東京化成工業社製)(14.1mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にポリマーを回収した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
【0217】
〔実施例18−3〕
環状二核錯体1によるエチレン/酢酸ビニル(VAc)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8.5mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、酢酸ビニル(東京化成工業社製)(16.3mmol、1.5mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/酢酸ビニル共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
【0218】
〔実施例18−4〕
環状二核錯体1によるエチレン/2−メトキシエチルアクリレート(MEA)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、環状二核錯体1(0.005mmol、6.0mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、2−メトキシエチルアクリレート(東京化成工業社製)(15.6mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、クロロホルム(旭硝子社製)(100mL)に反応溶液を注ぎ、反応を停止した。次に活性炭(3g)を加え、しばらく放置した。その後、セライト濾過し、溶媒を除去することによりポリマーを得た。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/2−メトキシエチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
【0219】
〔比較例18−1〕
単核錯体3によるエチレン/2−メトキシエチルアクリレート(MEA)共重合
充分にアルゴン置換した50mLオートクレーブに、単核錯体3(Lynda K. Johnson, Christopher M. Killian and Maurice Brookhart:“New Pd(II)− and Ni(II)−Based Catalysts for Polymerization of Ethylene and a−Olefins”:J. Am. Chem. Soc. 1995,117,6414−6415.に記載の方法で合成した)(0.01mmol,5.7mg)とテトラキス[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992,11,3920−3922.に記載の方法で合成した)(0.012mmol、10.5mg)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(関東化学社製)(8mL)を加え2分間40℃で撹拌した。2分後、2−メトキシエチルアクリレート(東京化成工業社製)(15.6mmol、2mL)とエチレン(10気圧)を加えて重合を開始した。反応中は温度を40℃に保ち、圧力が保持されるように連続的にエチレンを供給した。反応18時間後、反応を停止した。溶媒を除去した後ヘキサン(関東化学社製)で抽出し、シリカカラムクロマトグラフィーにより精製した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより最終的にエチレン/2−メトキシエチルアクリレート共重合体を回収した。重合条件及び重合結果を表18に示す。
【0220】
【表18】
【0221】
実施例16−2で得たエチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体(TBA=5.2mol%)の加水分解
〔実施例19−1〕
充分にアルゴン置換した100mL二口フラスコに、エチレン/ターシャリーブチルアクリレート共重合体(実施例16−2)(TBA=5.2mol%)(0.2505g)を秤量し、脱水クロロホルム(関東化学社製)(30mL)を加えて共重合体を溶解させた。次にヨードトリメチルシリル(アルドリッチ社製)(0.12mL、0.862mmol)を加え、40℃で14時間撹拌した。14時間後、反応溶液を室温に戻しテトラヒドロフラン/水混合溶液(8:2)(5mL)を加え、反応を停止した。次に、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液(5mL)、1N塩酸水溶液(50mL×2)と蒸留水(50mL)でそれぞれ洗浄した。硫酸マグネシウム(ナカライテスク社製)で乾燥させ、溶媒を除去することによりエチレン/アクリル酸共重合体(0.188g、収率85%、Mn=31100,Mw/Mn=4.03)を得た。
【0222】
[実施例20−1、20−2、20−3]
環状二核錯体1によるエチレンとヘキセンの共重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(11.5mg、0.01mmol)とテトラキス[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)ナトリウム塩(21.0mg,0.024mmol)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(5mL)を加え、室温で2分間撹拌した。反応液の凍結脱気を行い、エチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を室温に戻し、30分間撹拌した。その後、1−ヘキセン(2.5mL)を加え重合を開始した。所定時間の反応後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより生成物を回収した。重合条件及び重合結果を表19に示す。
【0223】
[実施例20−4]
環状二核錯体1によるヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、環状二核錯体1(11.5mg、0.01mmol)とテトラキス[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)ナトリウム塩(21.0mg,0.024mmol)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(5mL)を加え、室温で30分間撹拌した。その後、1−ヘキセン(2.5mL)を加え重合を開始した。2時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより生成物を回収した。重合条件及び重合結果を表19に示す。
【0224】
[比較例20−1]
単核錯体3によるエチレンとヘキセンの共重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(5.7mg、0.01mmol)とテトラキス[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)ナトリウム塩(21.0mg,0.024mmol)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(5mL)を加え、室温で2分間撹拌した。反応液の凍結脱気を行い、エチレンで満たした3Lの風船を用いて容器内をエチレン雰囲気下にした。反応容器を室温に戻し、30分間撹拌した。その後、1−ヘキセン(2.5mL)を加え重合を開始した。2時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより生成物を回収した。重合条件及び重合結果を表19に示す。
【0225】
[比較例20−2]
単核錯体3によるヘキセンの重合
充分にアルゴン置換した25mLシュレンク管に、単核錯体3(5.7mg、0.01mmol)とテトラキス[[3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル]]ボレート(Brookhart.M, Grant.B and Volpe.A.F.Jr.:“[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+[(3,5−(CF
3)
2C
6H
3)
4B]−[H(OEt
2)
2]
+: A Convenient Reagent for Generation and Stabilization of Cationic, Highly Electrophilic Organometallic Complexes”:Organometallics 1992, 11, 3920−3922.に記載の方法で合成した)ナトリウム塩(21.0mg,0.024mmol)をそれぞれ秤量し、脱水塩化メチレン(5mL)を加え、室温で30分間撹拌した。その後、1−ヘキセン(2.5mL)を加え重合を開始した。2時間後、反応溶液を激しく撹拌したメタノール(和光純薬工業社製)/塩酸(和光純薬工業社製)(4:1)溶液(100mL)に注いだ。得られた白色固体をろ過し、メタノールで洗浄した。60℃で8時間以上、減圧乾燥することにより生成物を回収した。重合条件及び重合結果を表19に示す。
【0226】
【表19】