(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ガス圧縮機においては、ガスの圧縮工程での体積変化に関連して圧力脈動が発生する。特許文献1の熱交換器では、圧力脈動によって、ハウジング部材としてのシールバッフルが膨張するとき、シールラインに沿った長手方向において、シールバッフルとシール部材との間に隙間ができ、当該隙間からガスが漏れるおそれがある。
【0005】
したがって、本発明の解決すべき技術的課題は、圧力脈動に起因して、ハウジング部材の膨張が発生しても、シール性能を維持する、ガス圧縮機用の熱交換器を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記技術的課題を解決するために、本発明によれば、以下のガス圧縮機用の熱交換器が提供される。
【0007】
すなわち、ガス圧縮機用の熱交換器は、ガス入口及びガス出口を有するケーシングと、ガスを冷却する冷却部と、前記冷却部を収容するとともに、前記ケーシングの内部を、前記ガス入口につながる上流空間と、前記ガス出口につながる下流空間とに区画するハウジング部材であって、該ハウジング部材の上流側及び下流側のそれぞれにおいて上流開口及び下流開口を有し、該ハウジング部材の長手方向において一側端及び他側端を有する、ハウジング部材と、前記ケーシング内に形成される支持部であって、前記ハウジング部材の被支持面に当接して前記ハウジング部材を前記ハウジング部材の長手方向に支持する支持面を有する支持部と、前記ハウジング部材の前記被支持面と前記支持部の前記支持面との間に形成されて、前記ハウジング部材の長手方向に延びるシールラインと、を備え、前記ハウジング部材が、前記上流開口及び前記下流開口のそれぞれが変形することを規制する上流規制部及び下流規制部を有し、前記ハウジング部材の前記一側端及び前記他側端のそれぞれが、前記上流規制部及び前記下流規制部で変形が規制される部位を除いて変形が規制されないように構成されていることを特徴とする。
【0008】
上記構成によれば、ハウジング部材によってケーシング内部が上流空間と下流空間とに区画されて、ハウジング部材が、ケーシングの支持部で支持されている。そして、ハウジング部材の被支持面と支持部の支持面との間には、シールラインが形成され、上流規制部及び下流規制部によって上流開口及び下流開口のそれぞれの変形が規制されているとともに、ハウジング部材の一側端及び他側端が、上流規制部及び下流規制部で変形が規制される部位を除いて変形が規制されずに、いわゆる自由端になっている。ガス圧縮機が作動したときに発生する圧力脈動に起因して、ハウジング部材が膨張しても、ハウジング部材がその長手方向にわたって一様に膨張する。そして、被支持面と支持面との間に形成されるシールラインがハウジング部材の長手方向に延在することが維持されるため、シールラインのシール性能が維持される。
【0009】
本発明は、上記特徴に加えて次のような特徴を備えることができる。
【0010】
前記ハウジング部材が、前記ケーシングに対して、前記ハウジング部材の長手方向に着脱可能に構成されている。当該構造によれば、冷却部を含むハウジング部材のメンテナンス性を向上させることができる。
【0011】
前記ハウジング部材の前記被支持面が、上流側から下流側に延びるプレート本体を折り曲げることによって形成される下流張出部における下面である。当該構成によれば、下流張出部は、冷却部の載置のために、及び、支持部による支持のために使用される。
【0012】
前記ハウジング部材の前記被支持面が、上流側から下流側に延びるプレート本体から横方向に延びる張出部における下面である。当該構成によれば、ハウジング部材の構造を単純にすることができ、ハウジング部材の製造コストを低減することができる。
【0013】
前記ハウジング部材が、一対のシールプレートと、前記一対のシールプレートの各上流端部を前記長手方向に沿う複数位置で連結する複数の上流連結部材と、前記一対のシールプレートの各下流端部を前記長手方向に沿う複数位置で連結する複数の下流連結部材とを備え、前記上流連結部材及び前記下流連結部材が、それぞれ、前記上流規制部及び前記下流規制部として機能する。当該構成によれば、圧力脈動が発生しても、上流開口及び前記下流開口のそれぞれが変形しないように規制することができ、ハウジング部材がその長手方向に一様に膨張することを可能にするとともに、ハウジング部材の組立作業を容易にする。
【0014】
前記ハウジング部材が、一対のシールプレートと、前記一対のシールプレートの各上流端をつなぐ上流プレートと、前記一対のシールプレートの各下流端をつなぐ下流プレートとを備え、前記上流プレートが上流フレーム部及び前記上流開口を備え、前記下流プレートが下流フレーム部及び前記下流開口を備え、前記上流フレーム部及び前記下流フレーム部が、それぞれ、前記上流規制部及び前記下流規制部として機能する。当該構成によれば、圧力脈動が発生しても、上流開口及び前記下流開口のそれぞれが変形しないように規制することができ、ハウジング部材がその長手方向に一様に膨張することを可能にするとともに、ハウジング部材の剛性が向上する。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、圧力脈動に起因して、ハウジング部材の膨張が発生しても、シール性能を維持することができる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態に係る熱交換器10について、
図1乃至6を参照しながら説明する。
【0018】
まず、熱交換器10の概略構成について説明する。熱交換器10は、エア源として使用される空気圧縮機等のガス圧縮機に組み込まれて、圧縮機本体から吐出される圧縮ガスを冷却するために使用される。
図1は熱交換器10の平面図であり、本実施形態で例示している熱交換器10は、インタークーラ20(第1ガスクーラ)とアフタークーラ50(第2ガスクーラ)とが並んで配置された構成をしている。インタークーラ20が低段側スクリュ圧縮機と高段側スクリュ圧縮機との間のガス経路に設けられ、アフタークーラ50が高段側スクリュ圧縮機の下流側のガス経路に設けられる。
【0019】
ケーシング12は、略直方体状に形成され、第1ケーシング21及び第2ケーシング51を有する。ケーシング12の上壁には、第1ケーシング21内にガスを導入するための第1ガス入口28と、第1ケーシング21内のガスを排出するための第1ガス出口32とが設けられている。ケーシング12の上壁には、第2ケーシング51内にガスを導入するための第2ガス入口58が設けられ、ケーシング12のアフタークーラ50側の側壁には、第2ケーシング51内のガスを排出するための第2ガス出口62が設けられている。
【0020】
ケーシング12の一端側の側面では、第1管板36及び第2管板66を介して、一端カバー93が取り付けられている。一端カバー93の下面には、第1流入ポート及び第2流入ポートが設けられ、第1流入ポート及び第2流入ポートを通じて、冷却水がインタークーラ20及びアフタークーラ50にそれぞれ供給される。一端カバー93の上面には、第1流出ポート39及び第2流出ポート69が設けられている。第1流出ポート39及び第2流出ポート69を通じて、インタークーラ20及びアフタークーラ50からの冷却水がそれぞれ排出される。また、ケーシング12の他端側の側面では、第1閉止板37及び第2閉止板67を介して、他端第1カバー94A及び他端第2カバー94Bが取り付けられている。したがって、第1管板36と第2管板66と一端カバー93とがケーシング12の一端側に付随する他の部材として設けられ、第1閉止板37と第2閉止板67と他端第1カバー94Aと他端第2カバー94Bとがケーシング12の他端側に付随する他の部材として設けられている。
【0021】
熱交換器10は、インタークーラ20とアフタークーラ50とが並んで配置された一体構造でなくてもよく、それぞれが個別であってもよい。また、一端カバー93は、インタークーラ20及びアフタークーラ50で共通の一体構造でなくてもよく、第1管板36及び第2管板66に対してそれぞれ個別の一端カバーを設ける別体構造であってもよい。他端第1カバー94A及び他端第2カバー94Bは、インタークーラ20及びアフタークーラ50で共通の一体構造でなくてもよい。
【0022】
図3は、第1冷却部35及び第2冷却部65を、それぞれ、ハウジング部材14と共に第1ケーシング21及び第2ケーシング51内に装填する様子を示す斜視図である。
図4は、
図3の部分拡大斜視図である。
図5は、第1冷却部35を含むハウジング部材14が第1ケーシング21内に装填される様子を説明する概略断面図である。なお、第1冷却部35及びハウジング部材14は、ハウジング部材14の長手方向(以下、単に、長手方向という。)に延びている。なお、一端第2開口57を通じて、第2冷却部65を含むハウジング部材14が第2ケーシング51内に装填される構成は、一端第1開口27を通じて、第1冷却部35を含むハウジング部材14が第1ケーシング21内に装填される構成と同様であるので、その説明を省略する。
【0023】
第1冷却部35は、内部を流通する冷却媒体(例えば、水)と外部を流通するガス(例えば、空気)とで熱交換する複数の冷却管40を備えている。本実施形態では、複数の冷却管40は、その内部を冷却水が流通して空気を冷却する冷却水流路を構成している。冷却水流路は、例えば、冷却管40の直線部分と、他端第1カバー94A内に設けられた折り返し部分(不図示)と、からなる蛇行した形状をしている。直線部分の各冷却管40は、互いに離間して配置されている。当該構成によれば、各冷却管40の間には、ガスが流れるためのガス流路が形成されている。
図3,4,5に示すように、一端第1開口27は、被支持面42S,42Sが一対の支持面26A,26Aに対して摺動しながら一対のハウジング部材14,14を着脱可能とする形に形成されている。第1冷却部35を含むハウジング部材14が、一端第1開口27を通じて、第1ケーシング21内に着脱可能に収容される。当該構成によれば、第1冷却部35を含むハウジング部材14のメンテナンス性が向上する。
【0024】
図5に例示する第1冷却部35は、複数の冷却管40と、複数の冷却管40に一体化された複数のフィン41とを備える。複数のフィン41は、上流側から下流側に延びる薄い板状体であり、長手方向に離間して配置されている。各冷却管40の一端部は、第1管板36の各挿通穴に挿入されて、各冷却管40の他端部は、第1閉止板37の各挿通穴に挿入されている。
【0025】
図4及び5に示されるように、第1冷却部35がハウジング部材14内に収容されている。そして、
図5及び6に示すように、ハウジング部材14は、長手方向に延びる一対のシールプレート42,42と、複数の上流連結部材71と、複数の下流連結部材75とによって構成されている。
【0026】
各シールプレート42,42は、長手方向に延びる、上流端部42A,42Aと上流張出部42B,42Bと中央縦部42C,42Cと下流張出部42D,42Dと下流端部42E,42Eとを備える。すなわち、各シールプレート42,42は、
図5に示すように、長手直交方向から見て、上流側から下流側に延びるプレート本体を複数段に折り曲げた構造をしている。各シールプレート42,42は、例えば、厚みが1mm程度のステンレス鋼からなる。
【0027】
上流端部42Aは、シールプレート42の上流側に位置して下流方向に延びる部分である。上流張出部42Bは、上流端部42Aの下流側の端部から水平横方向(以下、単に横方向という。)外方に折り曲げて横方向に延びる部分である。中央縦部42Cは、上流張出部42Bの外側の端部から下流方向に折り曲げて下流方向に延びる部分である。下流張出部42Dは、中央縦部42Cの下流側の端部から横方向の内方に折り曲げて横方向に延びる部分である。下流張出部42Dの上面は、第1冷却部35を載置するための載置面として用いられる。下流張出部42Dの下面は、支持部26で支持される被支持面42Sとして用いられる。すなわち、下流張出部42Dは、第1冷却部35の載置のために、及び、支持部26による支持のために使用される。下流端部42Eは、下流張出部42Dの内側の端部から下流方向に折り曲げて下流方向に延びる部分である。ここで、外方というのは、ハウジング部材14の中心を基準にして、該中心から遠ざかる方向を意味し、内方というのは、該中心に向かう方向を意味する。各シールプレート42,42は、5mm程度の曲率半径で折り曲げられている。
【0028】
一対のシールプレート42,42の各上流端部42A,42Aは、複数の上流連結部材71によって連結固定されている。例えば、各上流端部42A,42Aにおいて、長手方向に沿って複数の取付穴を形成し、複数の上流連結部材71(例えば、タイロッド)の両端に形成されたネジ穴を各取付穴に対向配置して、各上流連結部材71の両端をシールプレート42,42を介してボルトで締め付けることによって、各上流端部42A,42Aを連結固定することができる。同様に、一対のシールプレート42,42の各下流端部42E,42Eも、複数の下流連結部材75(例えば、タイロッド)によって連結固定されている。
【0029】
各上流端部42A,42Aの上流側の端部と、複数の上流連結部材71とで画定される領域は、ガスをハウジング部材14内に導入する複数の上流開口73を形成する。また、各下流端部42E,42Eの下流側の端部と、複数の下流連結部材75とで画定される領域は、ガスをハウジング部材14の外に排出する複数の下流開口77を形成する。上流連結部材71及び下流連結部材75は、それぞれ、圧力脈動が発生しても、上流開口73及び下流開口77の変形を規制するように働いている。したがって、上流連結部材71及び下流連結部材75のそれぞれは、上流規制部及び下流規制部として機能している。上流連結部材71及び下流連結部材75を用いて一対のシールプレート42,42を連結固定する構成は、ハウジング部材14の組立作業を容易にする。
【0030】
第1冷却部35を収容するハウジング部材14は、一対の支持部26,26によって支持されている。第1ケーシング21の下部では、第1ケーシング21の各側壁の内面から横方向内方に延びるとともに長手方向に延びる一対の支持部26,26が配設されている。各支持部26,26の上面は、それぞれ、長手方向に直線的に延びる支持面26A,26Aとして使用される。各下流張出部42D,42Dの下面は、それぞれ、長手方向に直線的に延びる被支持面42S,42Sとして使用される。ハウジング部材14が各支持部26,26によって支持されているとき、ハウジング部材14の各下流張出部42D,42Dの各被支持面42S,42Sは、長手方向にわたって各支持部26,26の各支持面26A,26Aに当接している。そして、互いに当接する各被支持面42S,42Sと各支持面26A,26Aとの間には、長手方向に延びるシールライン30,30がそれぞれ形成されている。
【0031】
そして、ハウジング部材14の各一側端42J,42J及び各他側端42K,42Kが、それぞれ、上流連結部材71及び下流連結部材75で圧力脈動に伴う変形が規制される部位を除いて変形が規制されず、自由端となっている。そのため、第1冷却部35を内装するハウジング部材14は、各上流端42I,42I側および各下流端42L,42L側を除いて連結固定されていない。すなわち、ガス圧縮機が作動したときに発生する圧力脈動に起因して、ハウジング部材が膨張しても、ハウジング部材がその長手方向に亘って一様に膨張することができる。換言すると、第1冷却部35を内装するハウジング部材14において、長手方向の各一側端42J,42J及び各他側端42K,42Kでの上記膨張による変形が、第1管板36及び第1閉止板37で規制されない。したがって、ガス圧縮機が作動したときに発生する圧力脈動に起因して、ハウジング部材14が膨張する場合には、ハウジング部材が一側端から他側端にわたって長手方向と直交する方向に膨張することができる。これにより、長手方向に延びる被支持面42S,42S側のシールライン30,30は、膨張の影響を受けることが無いため、各支持面26A,26Aから浮き上がることがなく当接状態を維持することができる。
【0032】
このように、各シールライン30,30がハウジング部材14の長手方向に延在するとともに、長手方向の各一側端42J,42J及び各他側端42K,42Kのいずれもが圧力脈動に起因する膨張を規制しない。つまり、そのような膨張を許容するため、圧力脈動が発生しても、各シールライン30,30がハウジング部材14の長手方向に延在することが維持されるので、各シールライン30,30のシール性能を維持することができる。
【0033】
第1冷却部35を含むハウジング部材14が第1ケーシング21に収容されるとき、第1ケーシング21の内部空間は、ハウジング部材14によって、第1ガス入口28につながる上流空間22と、ガス出口32につながる下流空間23とに区画されている。側壁24と、シールプレート42の上流端部42A、上流張出部42B及び中央縦部42Cとで囲まれた空間であって支持部26よりも上流側に位置する空間には、側空間25が形成されている。側空間25は、被支持面42Sと支持面26Aとの間に形成されたシールライン30によって、下流空間23からシール状態で分離されている。そして、側空間25は、ハウジング部材14と支持部26との間でのシール構造によって閉止されている。したがって、上流空間22に導入されて側空間25に回り込んだガスが、被支持面42Sと支持面26Aとの間の隙間から下流空間23に流入することが防止されている。
【0034】
次に、
図1、2及び5を参照しながら、上記構成の熱交換器10の動作を説明する。なお、
図1、2及び5における矢印は、ガスの流れを模式的に示している。
【0035】
図2は、
図1に示した熱交換器10のケーシング12のII−II線断面図であり、インタークーラ20の第1ケーシング21の断面を示している。低段側スクリュ圧縮機の吐出側からインタークーラ20の第1ガス入口28を通じて第1ケーシング21内にガス(例えば、圧縮空気)が導入される。第1ケーシング21に導入されたガスの大部分は、上流空間22を流れる。導入されたガスの一部は、側空間25に流れようとするが、シールライン30によって側空間25が閉止されているので、上流空間22を流れるガスと合流する。上流空間22を流れるガスは、第1冷却部35を流れ、第1冷却部35の冷却管40の外面及びフィン41と接触することで冷却される。第1冷却部35で冷却されたガスは、下流空間23に移動し、第1ガス出口32を通じて、高段側スクリュ圧縮機の吸込側へ送られる。
【0036】
アフタークーラ50における構成および動作が、インタークーラ20と同様であるので、その詳細な説明を省略するが、アフタークーラ50では、高段側スクリュ圧縮機の吐出側から第2ガス入口58にガスが導入される。導入されたガスは、第2冷却部65を流れることで冷却される。第2冷却部65で冷却されたガスは、第2ガス出口62を通じて、圧縮ガスの供給先(不図示)に供給される。
【0037】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、
図7を参照しながら説明する。なお、第2実施形態において、上記第1実施形態での構成要素と同じ機能を有する構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0038】
第2実施形態に係る熱交換器10では、ハウジング部材14の各シールプレート42,42が、折り曲げられることなく、全体として平面状に延びる板状体である。すなわち、各シールプレート42,42は、それぞれ、プレート本体42F,42Fと外フランジ部42G,42Gと内フランジ部42P,42Pとを有する。プレート本体42Fは、上流側から下流側に延びる板状部分である。外フランジ部42Gは、プレート本体42Fの下流側に設けられてプレート本体42Fの外側面から外方に延びる部分である。内フランジ部42Pは、プレート本体42Fの下流側に設けられてプレート本体42Fの内側面から内方に延びる部分である。外フランジ部42Gの下面は、支持部26で支持される被支持面42Sとして用いられる。内フランジ部42Pの上面は、第1冷却部35を載置するための載置面として用いられる。外フランジ部42G及び内フランジ部42Pは、例えば、溶接によってプレート本体42Fに固定される。なお、内フランジ部42Pを無くしても第1冷却部35は下流連結部材75によって支持することができるため、内フランジ部42Pは省略することができる。当該構成によれば、上流開口73や下流開口77の開口面積を可及的に大きく確保することができる。
【0039】
各プレート本体42F,42Fの上流部は、第1実施形態と同様に、複数の上流連結部材71によって連結固定されている。同様に、各プレート本体42F,42Fの下流部も、複数の下流連結部材75(例えば、タイロッド)によって連結固定されている。
【0040】
各プレート本体42F,42Fの上流側の端部と、複数の上流連結部材71とで画定される領域は、ガスをハウジング部材14内に導入する複数の上流開口73を形成する。また、各プレート本体42F,42Fの下流側の端部と、複数の下流連結部材75とで画定される領域は、ガスをハウジング部材14の外に排出する複数の下流開口77を形成する。上流連結部材71及び下流連結部材75は、それぞれ、圧力脈動が発生しても、上流開口73及び下流開口77の変形を規制するように働いている。したがって、上流連結部材71及び下流連結部材75のそれぞれは、上流規制部及び下流規制部として機能している。
【0041】
ハウジング部材14が各支持部26,26によって支持されているとき、ハウジング部材14の各外フランジ部42G,42Gの各被支持面42S,42Sは、長手方向にわたって各支持部26,26の各支持面26A,26Aに当接している。そして、互いに当接する各被支持面42S,42Sと各支持面26A,26Aとの間には、長手方向に延びるシールライン30,30がそれぞれ形成されている。
【0042】
そして、第1冷却部35を内装するハウジング部材14の各一側端(
図7では不図示)及び各他側端(
図7では不図示)が、それぞれ、各上流端42I,42I側および各下流端42L,42L側を除いて連結固定されていない。すなわち、
図7に示したハウジング部材14においても、長手方向の各一側端及び各他側端が、それぞれ、圧力脈動に起因する膨張を規制しない、いわゆる自由端になっている。したがって、圧力脈動に起因して、ハウジング部材14が膨張した場合でも、長手方向に延びる被支持面42S,42S側のシールライン30,30は、膨張の影響を受けることが無いため、各支持面26A,26Aから浮き上がることがなく当接状態を維持することができる。本実施形態においても第1実施形態と同様に、圧力脈動が発生しても、各シールライン30,30がハウジング部材14の長手方向に延在することが維持されるので、各シールライン30,30のシール性能を維持することができる。
【0043】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、
図8を参照しながら説明する。なお、第3実施形態において、上記第1実施形態での構成要素と同じ機能を有する構成要素には同じ符号を付して、重複する説明を省略する。
【0044】
第3実施形態は、ハウジング部材14の各シールプレート42,42が、上流プレート81及び下流プレート86によって連結固定されている点で第1実施形態と異なっている。すなわち、上流プレート81及び下流プレート86は、それぞれ、長手方向に平面状に延び、金属のような剛性を持った部材から構成されている。上流プレート81は、複数の枠形状部分を構成する上流フレーム部82と、上流フレーム部82以外の部分を切欠くことによって形成された複数の上流開口83とを有する。同様に、下流プレート86は、複数の枠形状部分を構成する下流フレーム部87と、下流フレーム部87以外の部分を切欠くことによって形成された複数の下流開口88とを有する。また、各シールプレート42,42は、第1実施形態で説明したものと大略同じ形状であって、それぞれ、長手方向に平面状に延びる、上流端部42A,42Aと上流張出部42B,42Bと中央縦部42C,42Cと下流張出部42D,42Dと下流端部42E,42Eとを備える。例えば、上流フレーム部82及び下流フレーム部87は、それぞれ、溶接によって、各シールプレート42,42の上流端部42A,42A及び下流端部42E,42Eに連結固定されている。すなわち、各上流端42I,42I間を連結固定している上流フレーム部82が上流規制部を構成しており、各下流端42L,42L間を連結固定している下流フレーム部87が下流規制部を構成している。
【0045】
なお、各シールプレート42,42と上流プレート81とをネジ留めで連結固定することもできる。例えば、上流プレート81の各長手上流端部は、下流方向に折り曲げ加工し、折り曲げ部分において、長手方向に沿う複数の位置で各上流端部42A,42Aに対するネジ留めを行ってもよい。同様に、下流プレート86の各長手下流端部を上流方向に折り曲げ加工し、折り曲げ部分において、長手方向に沿う複数の位置で各下流端部42E,42Eに対するネジ留めを行ってもよい。
【0046】
上流プレート81に形成された複数の上流開口83を通じて、ガスがハウジング部材14内に導入される。また、下流プレート86に形成された複数の下流開口88を通じて、ガスがハウジング部材14の外に排出される。上流フレーム部82及び下流フレーム部87は、それぞれ、圧力脈動が発生しても、上流開口83及び下流開口88の変形を規制するように働いている。したがって、上流フレーム部82及び下流フレーム部87は、それぞれ、上流規制部及び下流規制部として機能している。上流フレーム部82及び下流フレーム部87を用いて一対のシールプレート42,42を連結固定する構成は、ハウジング部材14の剛性が向上する。
【0047】
ハウジング部材14が各支持部26,26(
図5に図示)によって支持されているとき、ハウジング部材14の各下流張出部42D,42Dの各被支持面42S,42Sは、各支持部26,26の各支持面26A,26Aに当接している。そして、互いに当接する各被支持面42S,42Sと各支持面26A,26Aとの間には、長手方向に延びるシールライン30,30がそれぞれ形成されている。
【0048】
そして、第1冷却部35を内装するハウジング部材14の各一側端42J,42J及び各他側端42K,42Kが、それぞれ、各上流端42I,42I側および各下流端42L,42L側を除いて連結固定されていない。すなわち、
図8に示したハウジング部材14においても、長手方向の各一側端42J,42J及び各他側端42K,42Kが、圧力脈動に起因する膨張を規制しない、いわゆる自由端になっている。したがって、圧力脈動に起因して、ハウジング部材14が膨張した場合でも、長手方向に延びる被支持面42S,42S側のシールライン30,30は、膨張の影響を受けることが無いため、各支持面26A,26Aから浮き上がることがなく当接状態を維持することができる。本実施形態においても第1実施形態と同様に、圧力脈動が発生しても、各シールライン30,30がハウジング部材14の長手方向に延在することが維持されるので、各シールライン30,30のシール性能を維持することができる。
【0049】
なお、第3実施形態で説明した上流プレート81及び下流プレート86による連結構造は、第2実施形態で説明した全体として平面状に延びる一対のシールプレート42,42にも適用することができる。また、第3実施形態では、上流プレート81及び下流プレート86における複数の下流フレーム部87及び下流フレーム部87によって長手方向に並ぶ複数の矩形の上流開口83および下流開口88を形成しているが、このような態様に限られない。上流開口83および下流開口88は、例えば、複数の三角形の開口が長手方向に並ぶトラス状に形成してもよく、複数の矩形が長手方向および幅方向に並ぶ網目状に形成してもよい。