【実施例】
【0014】
  (実施例1)
  以下、本発明の実施例の小物清掃装置G
1は、1次清掃として回転盤式小物清掃装置10を有し、2次清掃として回転ブラシ清掃装置G
0を設けた例である。以下、この実施例を図面に基づいて説明する。
図1〜10に示す実施例1の回転ブラシ清掃装置G
0は上下対向の回転ブラシ2,3を3組メダルの搬送路1に沿って配置し、回転ブラシを上下対向した回転ブラシ清掃装置G
0を設け、その回転ブラシ2,3の上下位置にブラシ研磨装置8を設けている。ブラシ研磨装置8のブラシ研磨板8
1は回転ブラシ2,3の上下に配置し、圧縮スプリング8
5による回転ブラシ方向の近接方向に動かす付勢力と、ONで離反方向にブラシ研磨板8
1を動かす電磁ソレノイド8
6のON・OFF通電制御で、15秒回転毎に5秒間だけブラシ研磨板8
1を回転ブラシ2,3と接触して、ブラシ毛2
3,3
3の毛先を研磨する。併せて、同ブラシ毛に付着したゴミ・汚れ・破片を同ブラシ毛から分離し、空気中に剥離物として飛散させる。そして、メダルmの第1次清掃装置として、水を加えて洗滌する回転盤式1次小物清掃装置10を設けている。その構造は、公知の水平な回転盤上面の外周領域に植生した回転するブラシ毛の植毛帯と、固定のその上方のブラシ毛帯との間を、メダルが回転盤の回転力による遠心力の力を受けて半径方向に移動通過する際上下のブラシ毛間でメダルを清掃・研磨する。その1次清掃したメダルmを回転ブラシ清掃装置G
0の上下対向の回転ブラシ間のメダルの搬送路1に沿って送り出す例である。噴射する洗滌水はゴミ・汚れ・粒子の水の粘性と流速で剥離力を高め、又ブラシ毛の摩擦熱による発熱を防ぐことにある。G
0は回転ブラシ清掃装置であり、下記1〜6の構成を有する。
【0015】
  (実施例1の符号の説明)
  G
1は実施例1の小物清掃装置、1はメダルの搬送路、2,3は上下対向した回転ブラシ、2
1,3
1は回転ブラシ2,3の植毛される円筒ロール、2
2,3
2は回転ブラシ2,3の回転軸、2
3,3
3は円筒ロール2
1,3
1の外周面に一定の巾で且つその巾が螺旋状となるように多数本植毛されたブラシ毛、2
4,3
4は回転軸2
2,3
2の軸着された平ギアで、互に噛合して回転軸2
2,3
2を反対方向に回転させる。2
5は回転軸2
2に軸着されたベルト車、4はモータ5の動力をベルト車2
5,5
9,5
10へ伝達する伝動ベルト、5は回転ブラシ2,3を回動させるモータ、6は搬送路1の排出シュート部である。
【0016】
  (吸水ローラ関係)
  回転ブラシ清掃装置G
0は、メダルmの表面の水の乾燥・吸水のための吸水ローラが設けられている。
  5
1,5
2は2組(2列)設けた上下対向した吸水ローラ、5
3,5
4は同吸水ローラの回転軸に軸着した平ギア、5
5,5
6は各組の吸水ローラ5
2に圧接して吸水ローラ5
2から水分を絞り出す硬質絞り円筒体、5
7,5
8は同硬質絞り円筒体の回転軸に軸着した平ギアである。5
9,5
10は同硬質絞り円筒体の回転軸に軸着したベルト車である。吸水ローラ5
1,5
2,硬質絞り円筒体5
5,5
6の回動は、モータ5の伝動ベルトが回転ブラシ2,3の平ギア2
4のベルト車2
5,ベルト車5
9,5
10に掛かっていることから、モータ5の回動力はベルト車2
5,5
9,5
10及び上下噛合した平ギア2
4,3
4,5
3,5
4,5
7,5
8を介して回転ブラシ2,3,吸水ローラ5
1,5
2,硬質絞り円筒体5
5,5
6が互に逆方向に回転するようになっている。
【0017】
  (水回収装置と水噴出装置)
  吸水ローラによって吸水された水を絞り出して、吸水ローラが常に吸水力を保持できるように、水回収装置が設けられている。吸水ローラ5
1,5
2に吸水された汚れた水は、硬質絞り円筒体5
5,5
6で絞り出され、下方に滴下する。これを水回収シュート9
1で集め、水管9
2でタンク9
3へ送られ、同タンク9
3に一時貯えられる。そして、タンク9
3内の水は交換式フィルターを用いた水浄化器9
7を介して電動のポンプ9
4によって、メダルmの投入口13
1へ給水管9
5を経てその先端のノズル9
6から投入口13
1に向けて噴水できるようになっている。ポンプ9
4は起動・停止のポンプ操作ボタン(図示せず)があり、水を使用しない作動も可能としている。
【0018】
  (ブラシ研磨装置)
  8は本発明の要部であるブラシ研磨装置であり、8
1は平板状のブラシ研磨体であるブラシ研磨板、8
12は同ブラシ研磨板の表面に形成された研磨層、8
2はブラシ研磨板8
1を固定フレーム8
3に対し上下動自在に取付けるブラシ研磨板8
1に取付けた上下案内ピン、8
3は固定フレーム、8
4は欠番、8
5はブラシ研磨板8
1を回転ブラシ2,3の方向へ付勢する圧縮スプリング、8
6は固定フレーム8
3の中央部に設けた電磁ソレノイド、8
7はブラシ研磨板8
1の中央に固着した磁性板(鉄片)、電磁ソレノイド8
6は15秒通電されて作動して磁性板8
7を吸着し、ブラシ研磨板8
1を回転ブラシ2,3から遠くに離す。その後5秒非通電して電磁吸着力をなくして、ブラシ研磨板8
1を圧縮スプリング8
5の付勢力で回転ブラシ2,3に接触させ、ブラシ毛を5秒間接触させるようにしている。その電気制御部は図示していない。
【0019】
  図中、10は1次清掃の回転盤式1次小物清掃装置、11はその回転盤、11
1は回転盤11の中央領域のメダル受面、11
2は回転盤11の回転軸、12は回転盤11の上面の外周領域に上方に向けて植毛された環状の下側のブラシ毛、13は装置ケーシング、13
1はメダルmの投入口、13
2は回転盤上面の外周領域の上側のブラシ毛14を下方向に向けて植生する固定フレーム、14は同固定フレームの下面に下向きに植生された上側ブラシ毛、15は回転盤11の回転軸11
2を回転させるモータ、15
1は伝動ベルト、16は装置ケーシング13の環状ケーシング部13
3の一部を開口して搬送路1にメダルmを送り込むメダル送出口である。
【0020】
  (実施例1の動作)
  実施例1では、使用されたメダルmは回転盤式1次小物清掃装置10の投入口13
1からランダムに投入する。投入されたメダルmは回転盤11の中央領域のメダル受面11
1で受けられる。回転盤11はモータ15で高速回転していて回転盤11のメダル受面11
1及びその外周領域に置かれたメダルmは回転による遠心力が作用し、メダルmは半径方向に(螺旋的軌跡でもって)加速されて、回転盤11の下側のブラシ毛12と固定フレーム13
2の上側のブラシ毛14との間を通過して又環状ケーシング部13
3の内面に拘束されて、ブラシ毛12,14によってブラッシングを受けて一次的に清掃され、適当なタイミングでメダル送出口16からメダルを速度をもって搬送路1へ送り出される。
  この回転盤式1次小物清掃装置10によってメダルmは1次的にかなり清掃される。
【0021】
  回転ブラシ清掃装置G
0の回転ブラシ2,3の回動は
図3に示している。モータ5の出力軸に取付けたベルト車2
5と回転軸2
2又は3
2に取付けたベルト車2
5とを伝動ベルト4で伝動し、上下の回転ブラシ2,3はその円筒ロール2
1,3
1の回転軸2
2,3
2に軸着した平ギア2
4,3
4の噛合で、上下一対の回転ブラシ2,3は互に反対方向に回転させている。
【0022】
  搬送路1に送り込まれたメダルmは上下対向の回転ブラシ2,3のブラシ毛間の搬送路1を通過する過程で、上下のブラシ毛2
3,3
3によってメダルmの表面・裏面の凹凸の隅までブラシ毛の先端が刺し込まれてこの隅にある1次清掃で除去されないで残っているゴミ・汚れ・粒子をブラシ毛2
3,3
3の毛先で掻き出してこれら付着物をメダルmから剥離し、又そのブラシ毛2
3,3
3の変形による弾性力で剥離物を外周へ飛散・放出させる。
  この上下の回転ブラシ2,3は搬送路1に沿って水分で濡れていて、水を洗滌水としてメダルmの清掃力を高める。
【0023】
  回転ブラシ2,3のブラシ毛2
3,3
3は、使用開始時は
図9(a)の如くブラシ毛2
3,3
3の毛先はブラシ毛を直角に切断面を有し、エッジ2
31,3
31を有しているが、使用していると
図9(b)の如くエッジ2
31,3
31にゴミ・汚れが付着したり、又丸味を帯びてきてブラシ毛2
3,3
3の剥離力が低下する。
【0024】
  本実施例では、電気制御部(図示せず)は15秒間電磁ソレノイド8
6に通電し、電磁ソレノイド8
6の吸磁力を発生させて、ブラシ研磨板8
1に固着した磁性板(鉄片)8
7を圧縮スプリング8
5の付勢力に抗して固定フレーム8
3側に引き寄せてブラシ研磨板8
1を回転ブラシ2,3のブラシ毛2
3,3
3の毛先と接触しないように遠ざける。15秒間遠ざけた後、電気制御部は電磁ソレノイド8
6への通電を停止して約5秒間程非通電とする。これによって、電磁吸着力が失われてブラシ研磨板8
1は圧縮スプリング8
5の付勢力でブラシ研磨板8
1の研磨層8
12が回転しているブラシ毛2
3,3
3の毛先に5秒間程接触し、ブラシ毛2
3,3
3のエッジ2
31,3
31に付着したゴミ・汚れを剥離除去する。15秒ONし、5秒OFFを繰り返し行う。これによって、ブラシ毛2
3,3
3の丸味2
33,3
33を帯びたエッジを研磨して、エッジ2
31,3
31を回復して
図9(c)の如く鋭いエッジ2
31,3
31を有する状態にする。
  これによって、ブラシ毛2
3,3
3の毛先の付着物2
32,3
32の除去とエッジ2
31,3
31の回復によってブラシ毛の剥離力を高く且つ長時間維持できる。
【0025】
  3組の回転ブラシ2,3でメダルmの表面に付着したゴミ・汚れ・粒子は、ブラシの毛先とブラシのしなりによって付着物を剥離する。剥離物に水分が付着して剥離物同士が水で連結していく。
【0026】
  回転盤式小物清掃装置10による1次、回転ブラシ2,3による2次の清掃されたメダルmはその搬送路1の下流に送られるが、表面は水分で濡れている。
  このメダルmは2組の上下のスポンジで吸水力を有する素材の吸水ローラ5
1,5
2の間に送られ、メダルmの表面を濡らしている水分は2組の上下対の吸水ローラ5
1,5
2によって吸水され、メダルmは水拭きされて排出シュート部6から排出される。
【0027】
  そして、下方側の吸水ローラ5
1,5
2は使用されて水分を多く含むようになるが、下方の吸水ローラ5
1,5
2は硬質絞り円筒体5
5,5
6によって加圧されて、吸水ローラ5
1,5
2に含んだ水はこの硬質絞り円筒体5
5,5
6のローラの加圧によって水分が絞り出され、下方に水が滴下する。これを水回収シュート9
1が受け入れて、水管9
2を介してタンク9
3へ送り込む。
  このように、吸水ローラ5
1,5
2の吸水された水分は、常時(1回転毎に)硬質絞り円筒体5
5,5
6により脱水されるので、吸水率は低い状態となってメダルmの表面の水分を吸水ローラ5
1,5
2は吸水できる状態にする。尚、上下対向する吸水ローラ5
1,5
2は上下互に接触していることで、水分は乾燥した下方の吸水ローラ5
1,5
2へ移動し、上下ともに吸水率は低く抑えられ、吸水可能に維持できる。
【0028】
  集められたタンク9
3の水はフィルター等の浄水器(図示せず)を介してポンプ9
4で揚げられ、水噴出装置9の給水管9
5・ノズル9
6を介してメダルmの投入口13
1へ噴出できるようにして、水の循環使用を可能としている。