特許第6345232号(P6345232)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6345232
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】電気ブッシング適用
(51)【国際特許分類】
   H01B 17/58 20060101AFI20180611BHJP
   H01B 17/26 20060101ALI20180611BHJP
   H01L 39/04 20060101ALI20180611BHJP
   H02G 15/34 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   H01B17/58 D
   H01B17/26 Z
   H01L39/04
   H02G15/34
【請求項の数】11
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2016-501397(P2016-501397)
(86)(22)【出願日】2014年3月12日
(65)【公表番号】特表2016-521431(P2016-521431A)
(43)【公表日】2016年7月21日
(86)【国際出願番号】US2014023979
(87)【国際公開番号】WO2014159514
(87)【国際公開日】20141002
【審査請求日】2017年1月20日
(31)【優先権主張番号】13/799,070
(32)【優先日】2013年3月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500239188
【氏名又は名称】ヴァリアン セミコンダクター イクイップメント アソシエイツ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】100161148
【弁理士】
【氏名又は名称】福尾 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100134577
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 雅章
(72)【発明者】
【氏名】カセン ディー テクレットサディク
(72)【発明者】
【氏名】チャールズ エル スタンレー
(72)【発明者】
【氏名】セマーン ファーサン
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス エイ ヴェヌート
(72)【発明者】
【氏名】スコット ニッカーソン
【審査官】 青鹿 喜芳
(56)【参考文献】
【文献】 韓国公開特許第10−2010−0110654(KR,A)
【文献】 米国特許第03865968(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2011/0308078(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2009/0166084(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0119362(US,A1)
【文献】 米国特許第06333462(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B17/58
H02G15/34
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気ブッシングであって、
該電気ブッシングは、
第1及び第2のブッシング部分と、
前記第1及び第2のブッシング部分内に配置された電気導体と、を備え、前記電気導体は、周囲温度にある電気要素に結合するための、前記第1のブッシング部分から延出する第1の端子及び−200℃より低い極低温温度にある超伝導要素に結合するための、前記第2のブッシング部分から延出する第2の端子を有し、
前記第1及び第2のブッシング部分はベース絶縁体部分を備え、前記第1のブッシング部分は前記ベース絶縁体部分の上にのみ配置された環境保護層を更に備え
前記電気ブッシングは、
前記ブッシングを低温保持容器に結合するためのシーリングフランジであって、前記ブッシングの下位肩部と係合する上部表面を有するシーリングフランジと、
前記ブッシング内の半径方向溝内に配置されたロック板であって、前記シーリングフランジに留め具で固定し得るロック板と、を更に備え、
前記ブッシングを前記シーリングフランジに固定するために前記シーリングフランジが前記ブッシングの肩部と前記ロック板との間に挟持される、電気ブッシング。
【請求項2】
前記第1のブッシング部分と係合され、前記電気導体を前記第1のブッシング部分に固定するグランドシールを更に備える、請求項1記載のブッシング。
【請求項3】
前記シーリングフランジの前記上部表面と前記ブッシングの前記下位肩部との間に配置された第1のシールと、前記シーリングフランジの内部円周表面と前記ブッシングの対向外表面との間に配置された第2のシールとを更に備える、請求項記載のブッシング。
【請求項4】
前記第1及び第2のシールは前記シーリングフランジと前記ブッシングの少なくとも一つに形成された対応する凹部内に配置される、請求項記載のブッシング。
【請求項5】
前記第1及び第2のブッシング部分は前記ベース絶縁体部分の別個のピースを備える、請求項1記載のブッシング。
【請求項6】
前記第1及び第2のブッシング部分は前記ベース絶縁体部分の単一ピースを備える、請求項1記載のブッシング。
【請求項7】
電気ブッシングであって、
該電気ブッシングは、
第1及び第2のブッシング部分とそれらの中に配置された電気導体とを備え、
前記電気導体は、前記第1のブッシング部分に隣接した位置に第1の電気要素に結合するための第1の端子と、前記第2のブッシング部分から延出する第2の電気要素に結合するための第2の端子とを含み、
前記第1の電気要素は周囲温度にあり、前記第2の電気要素は−200℃より低い極低温温度にある超伝導障害電流制限器であり、
前記第1及び第2のブッシング部分は単一ベース絶縁体部分を備え、前記第1のブッシング部分は前記ベース絶縁体部分の上にのみ配置された環境保護層を更に備え
前記電気ブッシングは、
前記ブッシングを低温保持容器に結合するためのシーリングフランジであって、前記ブッシングの下位肩部と係合する上部表面を有するシーリングフランジと、
前記ブッシング内の半径方向溝内に配置されたロック板であって、前記シーリングフランジに留め具で固定し得るロック板と、を更に備え、
前記ブッシングを前記シーリングフランジに固定するために前記シーリングフランジが前記ブッシングの肩部と前記ロック板との間に挟持される、電気ブッシング。
【請求項8】
前記第1のブッシング部分と係合され、前記電気導体を前記第1のブッシング部分に固定するグランドシールを更に備える、請求項記載のブッシング。
【請求項9】
前記シーリングフランジの前記上部表面と前記ブッシングの前記下位肩部との間に配置された第1のシールと、前記シーリングフランジの内部円周表面と前記ブッシングの対向外表面との間に配置された第2のシールとを更に備える、請求項記載のブッシング。
【請求項10】
前記第1及び第2のシールはOリングを備える、請求項記載のブッシング。
【請求項11】
前記第1及び第2のブッシング部分は前記ベース絶縁体部分の単一ピースを備える、請求項記載のブッシング。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電ブッシングに関し、より詳しくは超伝導装置を含む高電圧及び極低温用途に使用される電ブッシングに関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導障害電流制限器(SCFCL)は、極低温で動作するクラスの装置であり、多くの場合高電圧及び高電流を受ける送電線又は配電線で使用される。SCFCLは多くの場合、例えば電力伝送網において電流サージから保護するために使用される。
【0003】
SCFCLは極低温で動作するため、SCFCLの超伝導要素とそれに接続された外部装置との間に大きな温度差が経験されることが多い。例えば、極低温温度は約−200℃になり得るが、外部装置は一般に周囲温度である。従って、熱損失も最小にしながら、温度転移を調整するために超伝導要素と外部装置との間に接続構造を設けなければならない。
【0004】
従来の高電圧ブッシングは、超伝導温度で使用されるとき、故障し得る。その主な故障メカニズムは周囲温度と極低温温度との間の大きな温度差による熱応力である。SCFCL、変圧器、発電機、電動機、エネルギー貯蔵装置等を含む超伝導装置の成功のためには信頼できる高電圧ブッシングが重要である。従って、極低温用の改良された高電圧ブッシングが必要とされている。
【発明の概要】
【0005】
この概要は、発明の実施形態の形態において以下で更に説明されるコンセプトの選択を簡略化した形で導入するために与えられる。この概要は請求の範囲に記載される発明の要旨の重要な特徴又は本質的な特徴を特定することを意図するものでなく、請求の範囲に記載される発明の要旨を特定するのに役立つことを意図するものでもない。
【0006】
電気ブッシングが開示される。この電気ブッシングは、第1のブッシング部分及び第2のブッシング部分と、前記第1及び第2のブッシング部分内に軸方向に配置された電気導体とを含む。前記電気導体は、前記第1のブッシング部分から延出する第1の端子及び前記第2のブッシング部分から延出する第2の端子を有する。前記第1の端子は周囲温度にある第1の電気要素に結合することができ、前記第2の端子は極低温温度にある第2の電気要素に結合することができる。前記第1及び第2のブッシング部分はベース絶縁体部分を備える。前記ベース絶縁体部分は前記ベース絶縁体部分の前記第1のブッシング部分上にのみ配置された環境保護層を更に備える。
【0007】
電気ブッシングが開示され、この電気ブッシングは、第1及び第2のブッシング部分と、前記第1及び第2のブッシング部分内に配置された電気導体とを備える。前記電気導体は、前記第1のブッシング部分から延出し、周囲温度にある電気要素に結合する第1の端子を有する。前記電気導体は、前記第2のブッシング部分から延出し極低温温度にある超伝導要素に結合する第2の端子を有する。前記第1及び第2のブッシング部分はベース絶縁体を備えるとともに、前記第1のブッシング部分は前記ベース絶縁体上のみに配置された環境保護層を更に備える。
【0008】
電気ブッシングが開示され、この電気ブッシングは、第1及び第2のブッシング部分と、それらの中に配置された電気導体とを備える。前記電気導体は、前記第1のブッシング部分に隣接した位置に第1の電気要素に結合するための第1の端子及び前記第2のブッシング部分に隣接した位置に第2の電気要素に結合するための第2の端子を有する。前記第1の電気要素は周囲温度にあるものとすることができ、前記第2の電気要素は極低温温度にある超伝導障害電流制限器とすることができる。前記第1及び第2のブッシング部分は単一ベース絶縁体を備えるが、前記第1のブッシング部分は前記ベース絶縁体の上にのみ配置された環境保護層を更に備えることができる。
【0009】
添付図面は、本発明の原理の実用化のために考案された開示の方法の好ましい実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】開示のブッシングの一実施形態を組み込んだ代表的な電流制限システムを示す。
図2】複数の開示のブッシングを用いた代表的な超伝導障害電流制限器の一部分の等角断面図である。
図3図2の代表的な超伝導障害電流制限器の、図2の3−3線上の、断面図である。
図4】(a)〜(c)は開示のブッシングの一実施形態を製造する一連のステップを示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下において、本発明の実施形態を示す添付の図面を参照して本発明をより詳細に説明する。しかしながら、本発明は多くの異なる形態に実施することが可能であり、本明細書に記載する実施形態にのみ限定されるものと解釈すべきではない。むしろ、これらの実施形態は、本開示を徹底的且つ完全なものとし、本発明の要旨を当業者に十分に伝えるために設けられている。図面において、同等の番号は全図を通して同等の要素を示す。
【0012】
上述したブッシングの欠陥のいくつかに対処するために、一端が極低温環境内で動作し、他端が周囲環境内で動作する高電圧ブッシングについて記載する。このブッシングは周囲温度と極低温温度との間の大きな温度差により生じる熱応力を受け入れることができる。このブッシングはまた、周囲又は屋外用途においても確実に動作し、気象変化(雨、雪、砂)や他の自然及び人工環境の障害などの環境ストレスに耐えることができる。
【0013】
図1を参照すると、開示のブッシング2の一実施形態を使用する代表的なSCFCLシステムの一般的な構造が示されている。ブッシング2は代表的なSCFCLに対する用途に関して説明するが、その使用はこのような用途に限定されない点に注意されたい。むしろ、開示のブッシング2は、電流搬送構成要素間に大きな温度差が経験される様々な用途の何れかに使用することができる。
【0014】
図示のSCFCLシステム1は、SCFCL4と、分路リアクタ6と、絶縁システム8とを含み、分路リアクタ6は通常の分路リアクタとすることができる。動作状態において、SCFCLシステム1は、入力点12と出力点14の間を流れる電流を制限することで障害電流保護をもたらす。正常動作モードにおいて、負荷電流は、周期的に、時々、又は連続的にSCFCLシステム1を経て流れ得る。正常動作モードにおける負荷電流は、超伝導要素16が超伝導状態に維持される電流レベルを示すため、負荷電流はSCFCL4を通過する際ゼロ抵抗値の超伝導要素を通過する。過大な負荷電流が急速に発生する障害状態時には、超伝導要素16は過大な負荷電流に応答して超伝導状態から有限抵抗状態に変化し、過大な負荷電流に大きな総合インピーダンスを与え、それによって障害状態時の負荷電流を制限する。その後、超伝導要素16は超伝導状態に戻り、将来の障害発生時に電流を制限して電流負荷を調整することができる。
【0015】
図に示すように、SCFCLシステム1は、入力点12と出力点14との間で分岐する2つの並列の電気通路18、20を形成する。従って、SCFCL4及び分路リアクタ6はSCFCLシステム1内においてそれぞれの電気通路18及び20に沿って電気的に並列に配置される。正常動作モード下では、SCFCLシステムは、負荷電流のほぼ100パーセントをSCFCL4を経て流し、ほぼゼロパーセントを分路リアクタ6を経て流すように構成される。しかしながら、障害状態又は障害イベントの発生時には、分路リアクタ6が負荷電流の大部分を流し、それによってSCFCL4を通過する電流を制限するように構成される。
【0016】
SCFCLの超伝導要素16は一般的に極低温媒体内に沈められ、超伝導要素に隣接するブッシング2の少なくとも一部分は、SCFCLが取り付けられる外部電気装置より(約200℃だけ)低い温度にさらされる。図2は、低温保持容器22の外部に配置された第1のブッシング部分2a及び低温保持容器22の内部に配置された第1のブッシング部分2bを有する複数のブッシング2を含む図1のSCFCLの一部分を示す。
【0017】
一実施形態では、低温保持容器22は超伝導要素16にふさわしい温度を維持するように温度及び圧力制御され、特に極低温に冷却される。この温度は液体窒素又は他の適切な液体寒剤で維持することができることは理解されよう。一般的に、ブッシング2は外部の電力発生、伝送及び配電装置に電気的に結合されるが、低温保持容器22の内部ではブッシング2は超伝導要素16に電気的に結合する。ブッシング2の各々は、図1と関連して記載したように、SCFCLの超伝導要素16(極低温温度にある)を外部装置(周囲温度にある)に結合する導体24を包囲する。導体24は銅、アルミニウム、又は他の適切な材料とすることができる。低温保持容器22は、動作中、第1のブッシング部分2aは周囲環境にさらされるが、第2のブッシング部分2bは極低温温度にさらされるように、この容器の内部極低温部分を外部周囲環境から分離する上部フランジ26を含む。このブッシング2は、超伝導要素16を冷却する低温液体の沸騰及び/又は超伝導要素の冷却コストの増加を避けるために、熱伝導による損失が小さくなるようにしながら、上述した温度転移を受け入れるように構成すべきである。
【0018】
図3は、液体窒素低温媒体などの低温媒体28を含む低温保持容器22と関連する図2のブッシング2の一つの内部構造を示す。上述したように、ブッシング2の第1の部分2aは周囲(即ち、外部)環境にさらされるが、ブッシング2の第2の部分2bは少なくとも部分的に低温媒体内に沈められる。ブッシング2は、前述したように、ブッシングの全長を貫通してSCFCLの超伝導要素16を外部装置に結合する導体24を包囲する。
【0019】
図に示すように、ブッシング2は、低温保持容器22を満たす低温媒体28と適合するベース絶縁体部分30を含む。一実施形態では、ベース絶縁体部分30は極低温セラミック材料とすることができる。ベース絶縁体部分30の他の適切な材料の非限定的な代表例としては、グラスファイバ、テフロン(登録商標)、デルリン、又は極低温温度及び媒体と適合する他の任意の誘電体材料が含まれる。ブッシング2の第1の部分2aには環境保護32を設けることができる。この環境保護32はブッシング2を雨や雪や日光等の過酷な屋外環境から保護することができる。一実施形態では、環境保護32はシリコンゴム化合物よりなる。環境保護32の他の適切な材料の非限定的な代表例としては、磁器、ガラス、ゴム、又はブッシング用に一般に使用されている他の任意の材料が含まれる。ブッシング2の第2の部分2bは、ベース絶縁体部分30が低温保持容器内の極低温媒体28に直接さらされるように、環境保護32は含まない。
【0020】
ブッシング2は、その第1の部分2aが低温保持容器22の外部に配置され、第2の部分2bが低温保持容器22の内部に配置されるように、低温保持容器22の上部フランジ26にその中点又はその近くで結合される。ブッシング2は、上部フランジ26に溶接又は他の方法で固定されるシーリングフランジ34によって上部フランジ26に気密に結合される。シーリングフランジ34は上面36を有し、その上にブッシング2の肩部38が載る。それらの両面を密閉するために上面36と肩部38との間に第1のシール40を配置することができる。シーリングフランジ34の円周内表面44とブッシングの対向外表面46との間に第2のシール42を配置することができる。第1及び第2のシール40、42は、シーリングフランジ34及び/又はブッシング2に形成した適切な凹部に配置されるOリング又はガスケットとすることができる。一つ以上のロック板48をブッシング2の対応する半径方向溝50内に配置することができる。ロック板48はソケットヘッドキャップネジ等の留め具2によりシーリングフランジ34に固定することができる。このように配置されたシーリングフランジ34はブッシングの肩部38とロック板48との間に挟持され、ブッシングを低温保持容器22の上部フランジ26に固定し、密閉する。
【0021】
先に述べたように、導体24はSCFCLの超伝導要素16を図1に関連して記載した外部装置に結合する。従って、導体24はブッシングの第1の部分2aから延出する第1の端子24a及びブッシングの第2の部分2bから延出する第2の端子24bを有する。図示の実施形態では、第2の端子24bは低温保持容器22内に配置され、SCFCLの超伝導要素16に結合する。導体24の第1の端子24aに隣接する部分はブッシング2の第1の部分2aに固定し、封止することができる。一実施形態では、グランドシール54によりブッシングの第1の部分2aを導体24に固定し封止することができる。グランドシール54はグランドナット56と、ガスケット又はOリングなどのシール58とを含むことができる。グランドナット56は、グランドナット56を締め付けると、シール58が導体をブッシングに固定し封止するように、ブッシング2の端凹部60に螺合することができる。この構成は導体とブッシングの伸縮差を許容してシステムコンポーネントに及ぼされる応力を最小にすることもできる。
【0022】
図4A−4Cは開示のブッシング2を製造する製造工程を示す。最初に、ベース絶縁体材料30をモールド成形、機械加工又は他の適切な技術によって製造する(図4A)。先に述べたように、ベース絶縁体材料30は極低温流体と適合し、極低温温度に耐えることができる極低温セラミック材料とすることができる。第1及び第2の部分2a,2bは単一ピースとして形成することができる。代わりに、第1及び第2の部分は別個のピースを互いに結合してなるものとすることもできる。次に、ブッシングの第1の部分2a(即ち、周囲(屋外)環境にさらされる部分)は外表面62を粗面にするために化学的表面処理を施すことができる(図4B)。次に、環境保護32を第1の部分2aの用意された表面に被着することができる。一実施形態では、環境保護は、ブッシング2の第1の部分2aのエッチングされた外表面62にキャスティング、モールディング又は他の方法で被着することができるシリコンゴム材料である。一実施形態では、ブッシング2が約45kVで動作するように構成される場合、完成した第1の部分2aは約8インチの外径を有するが、完成した第2の部分2bは約6インチの外径を有するものとし得る。しかしながら、完成寸法、比率及び材料はブッシングの個々の装置により決まることは理解されよう。
【0023】
本発明を特定の実施形態を参照して開示したが、添付の請求の範囲で特定される本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、開示の実施形態に対する多くの改変、変更及び変形が可能である。従って、本発明は開示の実施形態に限定されず、添付の請求の範囲の語句で特定される全範囲及びその均等範囲も含むことが意図されている。
図1
図2
図3
図4