(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
新たな医用画像の配置位置に既に医用画像が配置されている場合に、前記新たな医用画像の指定が前記指定受付部によって受け付けられたとき、前記医用レポート作成部は、前記既に配置された医用画像に置き換えて前記新たな医用画像を配置することを特徴とする請求項2に記載の医用レポート作成装置。
前記医用レポート作成部は、前記所望の医用画像の貼り付け指示を受け付ける貼り付け指示部からの貼り付け指示を受けて、前記配置処理部によって決定された前記配置位置に前記所望の医用画像を配置することにより、前記医用レポートを作成することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の医用レポート作成装置。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら実施形態を説明する。
【0010】
[第1実施形態]
(医用画像診断装置)
第1実施形態における医用画像診断装置は、たとえば、超音波診断装置、X線撮影装置、X線コンピュータ断層撮影(Computed Tomography:CT)装置、磁気共鳴(Magnetic Resonance:MR)装置又は内視鏡装置などが該当する。以下では、一例として、医用画像診断装置が超音波診断装置である場合について説明する。すなわち、超音波画像を医用画像の一例として説明する。なお、「画像」と「画像データ」は一対一に対応するので、以下では、これらを同一視する場合がある。同様に、「医用レポート」と「医用レポートデータ」は一対一に対応するので、以下では、これらを同一視する場合がある。
【0011】
図1に、第1実施形態における医用画像診断装置の概略構成のブロック図を示す。医用画像診断装置1は、超音波プローブ2と、超音波画像生成部3と、データベース部4と、操作部5と、表示部6と、医用画像処理部10とを含んで構成されている。
【0012】
(超音波プローブ)
超音波プローブ2には、複数の超音波振動子が走査方向に1列に配置された1次元アレイプローブ、又は複数の超音波振動子が2次元的に配置された2次元アレイプローブが用いられる。また、走査方向に1列に配置された複数の超音波振動子を、走査方向に直交する揺動方向に揺動させる機械式1次元アレイプローブを用いてもよい。超音波プローブ2は被検体に超音波を送信し、被検体からの反射波を電気信号に変換してエコー信号として受信する。
【0013】
(超音波画像生成部)
図2に、第1実施形態における超音波画像生成部3の構成例のブロック図を示す。超音波画像生成部3は、送信部31と、受信部32と、信号処理部33と、画像生成部34とを含んで構成されている。
【0014】
送信部31は、超音波プローブ2に電気信号を供給して所定の焦点にビームフォームした(つまり送信ビームフォームした)超音波を送信させる。
【0015】
受信部32は、超音波プローブ2によって受信されたエコー信号を受信し、そのエコー信号に対して遅延処理を行うことにより、アナログのエコー信号を整相された(つまり受信ビームフォームされた)デジタルのデータに変換する。受信部32は、たとえば、図示しないプリアンプ回路と、A/D変換器と、受信遅延回路と、加算器とを備えることができる。プリアンプ回路は、超音波プローブ2の各超音波振動子から出力されるエコー信号を受信チャンネルごとに増幅する。A/D変換器は、増幅されたエコー信号をデジタル信号に変換する。受信遅延回路は、デジタル信号に変換されたエコー信号に、受信指向性を決定するために必要な遅延時間を与える。加算器は、遅延時間が与えられたエコー信号を加算する。その加算によって、受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。受信部32から出力される受信信号は、信号処理部33に出力される。
【0016】
信号処理部33は、Bモード処理部を含んで構成されている。Bモード処理部は、受信信号を受信部32から受けて、受信信号の振幅情報の映像化を行う。具体的には、Bモード処理部は、受信信号に対してバンドパスフィルタ処理を行い、その後、出力信号の包絡線を検波し、検波されたデータに対して対数変換による圧縮処理を施す。
【0017】
信号処理部33は、CFM(Color Flow Mapping)処理部を有していてもよい。CFM処理部は、血流情報の映像化を行う。血流情報には、速度、分布、又はパワーなどの情報があり、血流情報は2値化情報として得られる。
【0018】
信号処理部33は、ドプラ処理部を有していてもよい。ドプラ処理部は、受信信号を位相検波することによりドプラ偏移周波数成分を取り出し、FFT(Fast Fourier Transform)処理を施すことにより血流速度を表すドプラ周波数分布を生成する。
【0019】
信号処理部33は、信号処理が施された受信信号(超音波ラスタデータ)を画像生成部34に出力する。
【0020】
画像生成部34は、信号処理部33から出力された信号処理後の受信信号(超音波ラスタデータ)に基づいて超音波画像データを生成する。画像生成部34は、たとえばDSC(Digital Scan Converter:デジタルスキャンコンバータ)を有する。画像生成部34は、走査線の信号列で表される信号処理後の受信信号を、直交座標系で表される画像データに変換する(スキャンコンバージョン処理)。たとえば、画像生成部34は、Bモード処理部によって信号処理が施された受信信号にスキャンコンバージョン処理を施すことにより、被検体の組織の形態を表すBモード画像データを生成する。画像生成部34は、超音波画像データを医用画像処理部10に出力する。
【0021】
超音波プローブ2、及び超音波画像生成部3は、この実施形態に係る「医用画像取得部」の一例に相当する。
【0022】
(データベース部)
図1に示すデータベース部4には、超音波プローブ2において受信されたエコー信号に基づいて生成された医用画像としての超音波画像が保存される。データベース部4に保存される超音波画像には、アノテーションやボディーマークやプローブマークなどの診断情報が付与されてもよい。データベース部4は、この実施形態に係る「記憶部」の一例に相当する。
【0023】
(操作部)
操作部5は、医師などのユーザによる操作を受けて、この操作内容に応じた操作情報を医用画像処理部10に入力する。操作部5は、ジョイスティックやトラックボールなどのポインティングデバイス、操作スイッチ、操作ボタン、操作つまみ、又はキーボードなどにより構成されている。また、操作部5は、ネットワークやメディアを介して信号や情報の入力を受ける機能を有していてもよい。
【0024】
図3に、第1実施形態における操作部5を機能ブロック化した構成例を示す。操作部5は、フリーズ指示部51と、計測指示部52と、アノテーション入力部53と、ボディーマーク入力部54と、画像保存指定部55と、レポート表示指示部56とを含んで構成されている。フリーズ指示部51、計測指示部52、アノテーション入力部53、ボディーマーク入力部54、画像保存指定部55、及びレポート表示指示部56のそれぞれは、ポインティングデバイス、操作スイッチ、操作ボタン、操作つまみ、又はキーボードのいずれかにより構成される。
【0025】
フリーズ指示部51は、超音波プローブ2の停止状態から超音波走査可能状態への移行や、表示部6にリアルタイムに表示される超音波画像の静止及び図示しない記憶部への一時的な保存を、ユーザが指示するために用いられる。計測指示部52は、超音波を用いた被検体の内部の計測開始をユーザが指示するために用いられる。アノテーション入力部53は、超音波画像に重畳させて表示させるアノテーションをユーザが入力するために用いられる。アノテーションは、注釈やコメントなどの文字列であり、たとえば、MR(僧帽弁逆流)やMS(僧帽弁狭窄)やASD(心房中隔欠損)のような文字列がある。ボディーマーク入力部54は、超音波画像に重畳させて表示させるボディーマークをユーザが入力するために用いられる。ボディーマークは、被検体における超音波走査面の位置や向きを示す図形である。
【0026】
画像保存指定部55は、超音波プローブ2において受信されたエコー信号に基づいて生成された超音波画像のうち、データベース部4に保存される超音波画像を1つずつユーザが指定するために用いられる。画像保存指定部55により指定された超音波画像は、必要に応じてアノテーションやボディーマークなどの関連する診断情報(付帯情報)と共にデータベース部4に保存される。また、画像保存指定部55により指定された超音波画像は、後述するように、アノテーションやボディーマークなどの関連する診断情報と共に、医用レポートに設けられた画像配置領域内に配置される。
【0027】
医用レポートの画像配置領域内の画像の配置は、画像の貼り付け、又は画像のリンク付けにより実現される。画像の貼り付けは、貼り付け対象の画像(画像データ)を画像配置領域内の配置位置(医用レポートのレイアウト情報)に関連付けることにより行われる。たとえば、図示しない記憶部に、配置位置に対応付けられた記憶領域を割り当て、貼り付け対象の画像の画像データが配置位置に対応した記憶領域に格納される。画像のリンク付けは、貼り付け対象の画像(画像データ)を参照するためのアドレス情報を画像配置領域内の配置位置に関連付けることにより行われる。たとえば、図示しない記憶部に、配置位置に対応付けられた記憶領域を割り当て、貼り付け対象の画像の画像データを参照するためのアドレス情報が配置位置に対応した記憶領域に格納される。このとき、当該配置位置において画像がリンクされていることを示すリンク文字列に、アドレス情報がハイパーリンク形式で関連付けられる。ハイパーリンクが設定されたリンク対応範囲の文字列は、色が変更され、且つ、下線が付されて識別表示される。画像保存指定部55は、この実施形態に係る「指定部」の一例に相当する。
【0028】
レポート表示指示部56は、後述するレポート表示処理部106による表示部6への医用レポートの表示をユーザが指示するために用いられる。
【0029】
これらの操作部5を介したユーザの操作内容は、医用画像処理部10における制御部108において判別される。
【0030】
(表示部)
表示部6は、液晶ディスプレイなどの表示装置により構成されている。表示部6は、超音波画像や医用レポートなどの各種画像やその他各種情報を表示する。表示部6は、この実施形態に係る「表示部」の一例に相当する。
【0031】
なお、
図1では、超音波画像生成部3、データベース部4、操作部5、及び表示部6のそれぞれは、医用画像診断装置1の一部を構成しているが、超音波画像生成部3、データベース部4、操作部5、及び表示部6の少なくとも一部は、医用画像処理部10の内部に設けられていてもよい。また、データベース部4、操作部5、及び表示部6の少なくとも一部が、医用画像診断装置1の外部に設けられ、医用画像診断装置1への接続が可能に構成されたものであってもよい。
【0032】
(医用画像処理部)
医用画像処理部10は、医用画像診断装置1の各部の動作を制御する。たとえば、医用画像処理部10は、超音波プローブ2に対する超音波の送受信を制御し、超音波プローブ2において受信されたエコー信号に基づいて超音波画像を生成する。また、医用画像処理部10は、データベース部4に対する超音波画像の保存処理や読み出し処理を行う。更に、医用画像処理部10は、操作部5を介したユーザによる操作を受けて、ユーザの操作内容に応じて、医用画像診断装置1の各部の動作を制御する。更にまた、医用画像処理部10は、医用レポートの作成処理や、生成された超音波画像や医用レポートなどを表示部6に表示させる制御を行う。
【0033】
医用画像処理部10は、超音波画像収集部101と、表示処理部102と、画像保存処理部103と、図形表示処理部104と、計測処理部105と、レポート表示処理部106と、プリセット記憶部107と、制御部108とを含んで構成されている。
【0034】
(超音波画像収集部)
超音波画像収集部101は、制御部108からの指示を受けて、超音波画像生成部3によって生成された超音波画像に対応する超音波画像データを収集し、表示処理部102や画像保存処理部103に出力する処理を行う。
【0035】
(表示処理部)
表示処理部102は、超音波画像収集部101から超音波画像データを受けて、超音波画像データに基づく超音波画像を表示部6に表示させる。また、表示処理部102は、超音波画像以外の各種画像や画像以外の各種情報を、表示部6に表示させることもできる。具体的には、表示処理部102は、超音波画像とアノテーションやボディーマークなどの図形や計測結果とを重畳させて表示部6に表示させることができる。表示処理部102は、表示部6に画像を表示させる「表示制御部」の一例に相当する。
【0036】
(画像保存処理部)
画像保存処理部103は、表示部6に表示された超音波画像(超音波画像データ)をデータベース部4に保存する保存処理を行う。画像保存処理部103は、表示部6に表示された1又は複数の超音波画像のうち画像保存指定部55によってユーザにより指定された超音波画像とその診断情報とを、データベース部4に保存する。
【0037】
(図形表示処理部)
図形表示処理部104は、アノテーション入力部53によってユーザにより入力又は指定されたアノテーションやボディーマーク入力部54によってユーザにより入力されたボディーマークなどのパターンデータを表示処理部102に出力する。表示処理部102は、超音波画像データとパターンデータとを合成することで、超音波画像にアノテーションなどの図形を重畳させて表示部6に表示させることができる。
【0038】
なお、図形表示処理部104は、ユーザにより入力された文字列に対応したグラフィックデータをパターンデータとして生成し、生成されたパターンデータを表示処理部102に出力するようにしてもよい。或いは、図形表示処理部104は、複数種類のアノテーションやボディーマークやプローブマークのパターンデータが予め記憶されたグラフィックメモリを有し、ユーザにより入力又は指定されたアノテーションなどのパターンデータをグラフィックメモリから出力するようにしてもよい。
【0039】
(計測処理部)
計測処理部105は、計測指示部52によるユーザの計測開始の指示を受けて、予め設けられた複数種類の計測機能のうち、操作部5を介してユーザにより指定された計測機能を利用した計測処理を行う。複数種類の計測機能として、たとえば、臓器や病変部位の長さや面積や体積などを計測する機能や、超音波画像に描出された関心領域のサイズなどを計測する機能などがある。このような計測処理部105は、たとえば、フリーズ指示部51によりユーザが静止させた超音波画像に対し、指定された計測処理を行うことができる。
【0040】
(レポート表示処理部)
レポート表示処理部106は、医用レポートの作成処理や作成された医用レポートを表示処理部102により表示部6に表示させる処理を行う。レポート表示処理部106による処理は、ユーザにより指示されたときに起動される。このとき、レポート表示処理部106は、超音波画像上に重畳表示されないように表示処理部102により表示部6に医用レポートを表示させる。
【0041】
図4に、第1実施形態におけるレポート表示処理部106の構成例のブロック図を示す。レポート表示処理部106は、配置処理部1061と、レポート作成部1062とを含んで構成されている。
【0042】
配置処理部1061は、画像保存指定部55によってユーザにより指定された超音波画像について、医用レポートに設けられた画像配置領域内における配置位置を決定する。第1実施形態では、画像配置領域内に予め設けられた複数の配置位置のそれぞれが、画像保存指定部55による超音波画像の指定の順序に対応付けられている。配置処理部1061は、画像保存指定部55によって指定された超音波画像について、その指定の順序に対応した配置位置を決定する。
【0043】
レポート作成部1062は、画像保存指定部55によって指定された超音波画像を、配置処理部1061によって決定された配置位置に配置することにより、当該超音波画像の読影結果に基づく医用レポートを作成する。このとき、レポート作成部1062は、表示処理部102により表示部6に医用レポート作成画面を表示させる。レポート作成部1062は、操作部5を介したユーザの操作入力に基づいて、レポート作成画面内の所定の記入領域への記入内容を受け付けると共に、医用レポート作成画面内の所定の画像配置領域内に、指定された超音波画像(必要に応じてその診断情報を含む)を配置することにより、医用レポートを作成する。
【0044】
図5に、第1実施形態における医用レポート作成画面の一例を示す。
図5に示す医用レポート作成画面G1は、超音波画像表示領域G2と、医用レポート表示領域G3とを含む。医用レポート表示領域G3は、更に、検査情報領域G31と、所見情報領域G32と、診断情報領域G33と、画像配置領域G34とを含む。
【0045】
超音波画像表示領域G2には、フリーズ指示部51によりユーザが必要と判断して静止させた1又は複数の超音波画像が配置される。各超音波画像は、図示しない記憶部に一時的に保存されたものであり、必要に応じて超音波画像に診断情報としてアノテーションやボディーマークや計測結果などの診断情報が付与されたものである。診断情報の付与は、超音波画像データに診断情報が関連付けられることにより行われたり、超音波画像に診断情報が重畳されて画像化されることにより行われたりする。以下では、超音波画像表示領域G2や画像配置領域G34に配置される「超音波画像」は、必要に応じて上記のように超音波画像に診断情報が付与されたものを含むものとする。
【0046】
検査情報領域G31には、操作部5を介したユーザの操作入力によって、被検体の氏名や年齢や病歴や検査内容や検査条件などが記入され、医用レポートの検査情報として登録される。所見情報領域G32には、操作部5を介したユーザの操作入力によって、医用画像についての所見が記入され、医用レポートの所見情報として登録される。診断情報領域G33には、操作部5を介したユーザの操作入力によって、医用画像の所見に基づく診断結果が記入され、医用レポートの診断情報として登録される。
【0047】
画像配置領域G34には、超音波画像表示領域G2に表示された1又は複数の超音波画像のうち、画像保存指定部55により指定された超音波画像の配置が可能に構成される。たとえば、超音波画像表示領域G2に表示された超音波画像UGを画像保存指定部55により指定することにより、画像配置領域G34内への配置が可能となる。配置処理部1061により、画像保存指定部55による超音波画像の指定の順序に対応した配置位置が予め決められている。配置処理部1061は、画像保存指定部55による指定の順序が「1」(最初に指定)の超音波画像を配置位置G341に配置し、指定の順序が「2」(2番目に指定)の超音波画像を配置位置G342に配置する。同様に、配置処理部1061は、画像保存指定部55による指定の順序が「3」(3番目に指定)の超音波画像を配置位置G343に配置し、指定の順序が「4」(4番目に指定)の超音波画像を配置位置G344に配置する。
【0048】
上記のように、レポート作成部1062は、対応する計測処理部105による計測結果を付帯させた超音波画像を画像配置領域G34内に配置することができる。医用レポート作成画面内の所定の記入領域への記入と所定の画像配置領域内への超音波画像などの配置とが終了すると、レポート作成部1062は、医用レポート作成画面を用いて作成された医用レポートの内容を医用レポートデータとして、図示しない記憶部又はデータベース部4に保存する。
【0049】
配置処理部1061は、この実施形態に係る「配置処理部」の一例に相当し、レポート作成部1062は、この実施形態に係る「医用レポート作成部」の一例に相当する。
【0050】
(プリセット記憶部)
プリセット記憶部107は、書き換え可能に構成された不揮発性の記憶手段により構成され、医用画像診断装置1が動作するための各種の初期情報を記憶する。医用画像診断装置1は、プリセット記憶部107に記憶された初期情報を起動時に読み出して、初期情報に従って動作するようになっている。初期情報には、
図5に示す医用レポート作成画面を構成する各領域の種類や形状などを指定する情報が含まれる。このような初期情報は、操作部5を介してユーザによる変更が可能に構成される。
【0051】
(制御部)
制御部108は、医用画像処理部10の全体の制御を行う。制御部108は、操作部5を介したユーザの操作入力の内容を判断する入力判断処理を行い、判断された操作入力の内容に応じて、医用画像処理部10の各部を制御する。制御部108は、この実施形態に係る「指定受付部」の一例に相当する。
【0052】
以上のような構成を有する医用画像処理部10の機能のうち、超音波画像収集部101、表示処理部102、画像保存処理部103、図形表示処理部104、計測処理部105、レポート表示処理部106、及び制御部108の機能は、コンピュータにより実現される。具体的には、医用画像処理部10は、たとえば、処理装置と、記憶装置とを含んで構成されている。記憶装置には、医用画像処理部10を構成する各部の機能を実現するためのプログラムが記憶される。処理装置は、記憶装置から上記プログラムを読み出し、プログラムに対応した処理を実行することで、医用画像処理部10の各部の機能を実現する。このような処理装置として、たとえば、中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)、グラフィックス演算処理装置(Graphics Processing Unit:GPU)、及び特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)の少なくとも1つが用いられる。
【0053】
データベース部4、及び医用画像処理部10は、この実施形態に係る「医用レポート作成装置」の一例に相当する。
【0054】
図6に、第1実施形態における医用画像処理部10による医用レポートへの超音波画像の配置処理例のフロー図を示す。ここでは、医用レポート作成画面G1が表示部6に表示され、その超音波画像表示領域G2内に、ユーザがフリーズ指示部51により静止させた複数の超音波画像(必要に応じて診断情報を含む)が既に表示された状態であるものとする。
【0055】
まず、医用画像処理部10は、ユーザによって画像保存指定部55により保存対象の超音波画像が指定されるまで待機する(ステップS1:N)。具体的には、制御部108は、ユーザによって画像保存指定部55により超音波画像表示領域G2内の複数の超音波画像のいずれかが指定されるまで待機する。
【0056】
画像保存指定部55により超音波画像が指定されたとき(ステップS1:Y)、医用画像処理部10は、指定された超音波画像を取得する(ステップS2)。具体的には、制御部108によって画像保存指定部55により超音波画像表示領域G2内の超音波画像が指定されたとき、画像保存処理部103は、表示処理部102から、超音波画像とこれに重畳して表示されるアノテーションやボディーマークなどの図形や計測結果とを含む画像を取得する。
【0057】
次に、医用画像処理部10は、ステップS2において取得された超音波画像などをデータベース部4に保存すると共に、これらをレポート表示処理部106に出力する(ステップS3)。具体的には、画像保存処理部103は、ステップS2において取得された超音波画像とこれに重畳して表示されるアノテーションやボディーマークなどの図形や計測結果とを含む画像をデータベース部4に保存すると共に、これらをレポート表示処理部106に出力する。
【0058】
次に、医用画像処理部10は、ステップS1における画像保存指定部55による指定の順序に対応した医用レポートの画像配置領域内の配置位置に、ステップS3においてデータベース部4に保存された超音波画像などを配置する(ステップS4)。具体的には、レポート作成部1062は、画像保存指定部55により超音波画像を指定した順序で、医用レポートの画像配置領域内に超音波画像とこれに関連するアノテーションなどを順番に配置することにより医用レポートを作成する。その後、医用画像処理部10は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0059】
(動作例)
図7A及び
図7Bに、第1実施形態における医用画像診断装置1の動作例のシーケンス図を示す。
図7A及び
図7Bは、医用画像診断装置1を構成する各ブロックの処理の流れを矢印と直交する鉛直方向に表すと共に、ブロック間の情報の流れを矢印方向に表す。なお、
図7A及び
図7Bにおいて同一部分には同一符号を付し、
図7Bに示す動作は、
図7Aに示す動作の後に行われるものとする。
図7A及び
図7Bでは、超音波画像収集部については、図示が省略されている。
【0060】
停止状態から超音波走査可能状態に移行された超音波プローブ2は、被検体からの反射波を電気信号に変換してエコー信号として受信する(SQ1)。超音波プローブ2によって受信されたエコー信号は、超音波画像生成部3に出力される。
【0061】
超音波画像生成部3は、超音波プローブ2によって受信されたエコー信号に基づいて超音波画像を生成する(SQ2)。超音波画像生成部3によって生成された超音波画像の画像データは、超音波画像収集部101によって収集され、超音波画像収集部101は、収集した画像データを表示処理部102に出力する。
【0062】
表示処理部102は、超音波画像収集部101によって収集された超音波画像を表示部6に表示させる(SQ3)。このとき、超音波画像は、フリーズ指示部51によってユーザが静止させた超音波画像であってもよいし、表示部6にリアルタイムに表示される画像であってもよい。
【0063】
表示部6に表示された超音波画像を見たユーザは、計測指示部52により計測開始を指示する。計測指示部52により計測開始が指示される(SQ4)と、制御部108は、計測指示部52から操作内容に対応した操作情報を受け、操作情報に基づいて入力判断処理を行い(SQ5)、ユーザから計測開始の指示を受けたことを判別する。そして、制御部108は、計測開始を指示するための制御信号を計測処理部105に対して出力する。
【0064】
制御部108から計測開始を指示する制御信号を受けた計測処理部105は、予めユーザによって設定された内容の計測処理を行う(SQ6)。計測処理部105によって行われた計測処理結果は、表示処理部102に出力される。
【0065】
また、表示部6に表示された超音波画像を見たユーザは、アノテーション入力部53によりアノテーションの入力又は指定を行う。アノテーション入力部53によりアノテーションの入力又は指定が指示される(SQ7)と、制御部108は、アノテーション入力部53から操作内容に対応した操作情報を受け、操作情報に基づいて入力判断処理を行い(SQ8)、ユーザからアノテーションの入力又は指定の指示を受けたことを判別する。そして、制御部108は、入力又は指定されたアノテーションのパターンデータを出力するための制御信号を図形表示処理部104に対して出力する。
【0066】
制御部108からアノテーションのパターンデータを出力するための制御信号を受けた図形表示処理部104は、制御信号に基づいて、ユーザにより入力された文字列に対応したグラフィックデータをパターンデータとして生成したり、ユーザにより指定されたアノテーションに対応したパターンデータをグラフィックメモリから読み出したりする(SQ9)。図形表示処理部104によって生成又は読み出されたパターンデータは、表示処理部102に出力される。
【0067】
計測処理部105からの計測結果、及び図形表示処理部104からのパターンデータを受けた表示処理部102は、計測結果とパターンデータに対応したアノテーションとを超音波画像に重畳させて表示部6に表示させる(SQ10)。SQ10において表示部6に重畳表示させた超音波画像(計測結果及びアノテーションを含む)は、医用レポート作成画面の超音波画像表示領域G2内に表示される。
【0068】
ここで、ユーザが、医用レポート作成画面の超音波画像表示領域G2内に表示される1又は複数の超音波画像のうち、所望の超音波画像(計測結果及びアノテーションを含む)について、画像保存指定部55によりデータベース部4への保存と医用レポートへの配置とを指定するものとする。画像保存指定部55により所望の超音波画像が指定される(SQ11)と、制御部108は、画像保存指定部55から操作内容に対応した操作情報を受け、操作情報に基づいて入力判断処理を行い(SQ12)、ユーザから画像保存が指定されたことを判別する。そして、制御部108は、指定された超音波画像を保存するための制御信号を画像保存処理部103に対して出力する。
【0069】
制御部108から超音波画像を保存するための制御信号を受けた画像保存処理部103は、制御信号に基づいて、表示処理部102に対し、表示部6の超音波画像表示領域G2に表示された複数の超音波画像うち所望の超音波画像の画像データの取得要求を行って、所望の超音波画像の画像データを取得する(SQ13)。
図7Bの場合、重畳表示された画像は、超音波画像と計測結果とアノテーションとを含む。画像保存処理部103は、SQ13において取得された画像(画像データ)を、データベース部4に保存する(SQ14)。更に、画像保存処理部103は、取得された画像(画像データ)又はそのリンク情報をレポート表示処理部106に対して出力する。
【0070】
レポート表示処理部106は、SQ13において取得された画像を医用レポートの画像配置領域内の配置位置に配置することにより医用レポートを作成する(SQ15)。ここで、SQ13において取得された画像は、画像保存指定部55による指定の順序に対応した画像配置領域内の配置位置に配置される。画像保存処理部103から画像(画像データ)を受けた場合、レポート表示処理部106は、たとえば、配置位置に対応した格納領域に画像(画像データ)を格納することにより、配置位置に画像を関連付けた状態で画像の配置を行う。画像保存処理部103から画像のリンク情報を受けた場合、レポート表示処理部106は、リンク情報に基づいて配置位置に画像をリンク付けることにより、画像の配置を行う。この結果、SQ15では、
図5の医用レポート表示領域G3に表示された各領域内のデータを含む医用レポートデータが作成される。
【0071】
次に、ユーザが、SQ15において作成された医用レポートを表示部6に表示させるために、レポート表示指示部56により指示するものとする。レポート表示指示部56により医用レポートの表示が指示される(SQ16)と、制御部108は、レポート表示指示部56から操作内容に対応した操作情報を受け、操作情報に基づいて入力判断処理を行い(SQ17)、ユーザから医用レポートの表示が指示されたことを判別する。そして、制御部108は、医用レポートを表示するための制御信号をレポート表示処理部106に対して出力する。
【0072】
制御部108から医用レポートを表示するための制御信号を受けたレポート表示処理部106は、SQ15において作成された医用レポートデータを表示処理部102に出力し、表示処理部102が、医用レポートを表示部6に表示させる(SQ18)。
【0073】
なお、
図7A及び
図7Bにおいてユーザがアノテーションの入力指示を行う場合について説明したが、ユーザがボディーマークの入力指示を行う場合も同様である。
【0074】
以上のように、第1実施形態における医用画像診断装置1は、画像保存指定部55によりユーザが保存指定した順序に対応した画像配置領域内の配置位置に、指定された超音波画像を順番に配置することにより医用レポートを作成する。そのため、ユーザは超音波画像を手動で貼り付けるという作業から解放され、医用レポートへの超音波画像の貼り付け作業の簡略化により、検査時間の短縮化が可能となる。
【0075】
たとえば、超音波画像の取得と医用レポートの作成とが同一ユーザにより行われる場合、どのタイミングで超音波画像を静止させたかを記憶していることが多い。従って、超音波画像を指定した順序で医用レポートに貼り付けることは、作業の大幅な簡略化に寄与することができる。
【0076】
[第1実施形態の第1変形例]
第1実施形態では、画像保存指定部55により超音波画像の保存及び医用レポートへの配置を指定することにより医用レポートを作成する場合について説明したが、第1実施形態は、これに限定されるものではない。第1実施形態の第1変形例では、医用レポート表示後に、貼り付け指示部からの指示を受けて、表示された医用レポートに画像を貼り付けることにより医用レポートが新たに作成される。以下、第1実施形態の第1変形例について、第1実施形態との相違点を中心に説明する。
【0077】
第1実施形態の第1変形例では、画像保存指定部55は、所望の超音波画像の保存を指定するために用いられる。配置処理部1061は、画像保存指定部55によってユーザにより指定された超音波画像について、医用レポートに設けられた画像配置領域内における配置位置を決定する。また、操作部5は、所望の超音波画像の貼り付け指示を受け付ける貼り付け指示部を更に含んで構成される。レポート作成部1062は、貼り付け指示部からの貼り付け指示を受けて、配置処理部1061によって決定された配置位置に所望の医用画像を配置することにより、医用レポートを作成する。
【0078】
図7Cに、第1実施形態の第1変形例における医用画像診断装置1の動作例の一部のシーケンス図を示す。
図7Cは、医用画像診断装置1を構成する各ブロックの処理の流れを矢印と直交する鉛直方向に表すと共に、ブロック間の情報の流れを矢印方向に表す。
図7Cに示す動作は、
図7Aに示す動作の後に行われる。なお、
図7Cにおいて、
図7Bと同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図7Cにおいても、超音波画像収集部については、図示が省略されている。
【0079】
SQ1〜SQ12までのシーケンスは、
図7A及び
図7Bと同様である。
【0080】
SQ12の後、制御部108から超音波画像を保存するための制御信号を受けた画像保存処理部103は、制御信号に基づいて、表示処理部102に対し、表示部6の超音波画像表示領域G2に表示された複数の超音波画像うち所望の超音波画像の画像データの取得要求を行って、所望の超音波画像の画像データを取得する(SQ13)。
図7Cの場合、重畳表示された画像は、超音波画像と計測結果とアノテーションとを含む。画像保存処理部103は、SQ13において取得された画像(画像データ)を、データベース部4に保存する(SQ14)。
【0081】
ここで、ユーザが、医用レポートを表示部6に表示させるために、レポート表示指示部56により指示するものとする。レポート表示指示部56により医用レポートの表示が指示される(SQ16)と、制御部108は、レポート表示指示部56から操作内容に対応した操作情報を受け、操作情報に基づいて入力判断処理を行い(SQ17)、ユーザから医用レポートの表示が指示されたことを判別する。そして、制御部108は、医用レポートを表示するための制御信号をレポート表示処理部106に対して出力する。
【0082】
レポート表示処理部106は、SQ13において取得された超音波画像以外の所見データ等のデータを医用レポートの所定領域内に配置することにより医用レポートを作成する(SQ21)。SQ21において作成された医用レポートは、たとえば所定のフォーマットの医用レポートに所見データ等が配置されたものであり、SQ13において取得された画像が配置されない。
【0083】
続いて、制御部108は、医用レポートを表示するための制御信号をレポート表示処理部106に対して出力する。制御部108から医用レポートを表示するための制御信号を受けたレポート表示処理部106は、SQ15において作成された医用レポートデータを表示処理部102に出力し、表示処理部102が、医用レポートを表示部6に表示させる(SQ22)。
【0084】
ここで、ユーザが、表示部6に表示された医用レポートに超音波画像の貼り付けを指示するために、貼り付け指示部により指示するものとする。貼り付け指示部により超音波画像の貼り付けが指示される(SQ23)と、制御部108は、貼り付け指示部から操作内容に対応した操作情報を受け、操作情報に基づいて入力判断処理を行い(SQ24)、ユーザから超音波画像の貼り付けが指示されたことを判別する。そして、制御部108は、超音波画像を医用レポートに貼り付けるための制御信号をレポート表示処理部106に対して出力する。
【0085】
レポート表示処理部106は、SQ13において取得された画像を医用レポートの画像配置領域内の配置位置に配置する(すなわち、医用レポートを作成する)(SQ25)。ここで、SQ13において取得された画像は、第1実施形態と同様に、画像保存指定部55による指定の順序に対応した画像配置領域内の配置位置に配置されるが、後述する実施形態又はその変形例により決定された画像配置領域内の配置位置に配置されてもよい。画像保存処理部103から画像(画像データ)を受けた場合、レポート表示処理部106は、たとえば、配置位置に対応した格納領域に画像(画像データ)を格納することにより、配置位置に画像を関連付けた状態で画像の配置を行う。画像保存処理部103から画像のリンク情報を受けた場合、レポート表示処理部106は、リンク情報に基づいて配置位置に画像をリンク付けることにより、画像の配置を行う。この結果、SQ25では、
図5の医用レポート表示領域G3に表示された各領域内のデータを含む医用レポートデータが作成される。
【0086】
続いて、制御部108は、医用レポートを表示するための制御信号をレポート表示処理部106に対して出力する。制御部108から医用レポートを表示するための制御信号を受けたレポート表示処理部106は、SQ25において超音波画像が貼り付けられた医用レポートデータを表示処理部102に出力し、表示処理部102が、医用レポートを表示部6に表示させる(SQ26)。
【0087】
以上のように、第1実施形態の第1変形例では、所望の超音波画像の貼り付け指示を受け付ける貼り付け指示部が設けられる。これにより、ユーザが、超音波画像の保存は行うが医用レポートには貼り付けたくない場合にも適用可能できるようになる。また、ユーザが、超音波画像を保存した後に所望の超音波画像を医用レポートに貼り付けたい場合に、医用レポートへの超音波画像の貼り付け作業を簡略化することが可能になる。
【0088】
[第1実施形態の第2変形例]
第1実施形態では、画像保存指定部55により超音波画像の保存及び医用レポートへの配置を指定するものとして説明したが、第1実施形態は、これに限定されるものではない。第1実施形態の第2変形例では、指定部としての画像保存指定部55に代えて、超音波画像の保存を指定する第1指定部と、超音波画像の保存及び配置を指定する第2指定部とが設けられる。
【0089】
第1実施形態の第2変形例における医用画像診断装置が第1実施形態における医用画像診断装置1と異なる主な点は、操作部と、操作部における操作内容を判断する医用画像処理部の制御部である。以下、これらの点を中心に説明する。
【0090】
図8に、第1実施形態の第2変形例における操作部を機能ブロック化した構成例を示す。
図8において、
図2と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
図1に示す医用画像診断装置1において、操作部5に代えて、
図8に示す操作部5aが設けられる。
【0091】
操作部5aは、フリーズ指示部51と、計測指示部52と、アノテーション入力部53と、ボディーマーク入力部54と、保存指定部551と、貼り付け指定部552と、レポート表示指示部56とを含んで構成されている。保存指定部551、及び貼り付け指定部552のそれぞれは、ポインティングデバイス、操作スイッチ、操作ボタン、操作つまみ、又はキーボードのいずれかにより構成される。
【0092】
保存指定部551及び貼り付け指定部552のそれぞれは、超音波プローブ2において受信されたエコー信号に基づいて生成された超音波画像のうち、データベース部4に保存される超音波画像を1つずつユーザが指定するために用いられる。保存指定部551及び貼り付け指定部552のそれぞれにより指定された超音波画像は、アノテーションやボディーマークなどの関連する診断情報と共にデータベース部4に保存される。また、貼り付け指定部552により指定された超音波画像は、アノテーションやボディーマークなどの関連する診断情報と共に、医用レポートに設けられた画像配置領域内の配置位置に配置される。
【0093】
第1実施形態の第2変形例における医用画像診断装置を構成する医用画像処理部の制御部は、保存指定部551の操作情報を受け、操作情報に基づいて画像保存処理部を制御する。また、制御部は、貼り付け指定部552の操作情報を受け、第1実施形態と同様に、操作情報に基づいて画像保存処理部及びレポート表示処理部を制御する。具体的には、保存指定部551により所望の超音波画像の指定が制御部によって受け付けられたとき、制御部は、画像保存処理部を制御して、所望の超音波画像をデータベース部4に保存する。
【0094】
一方、貼り付け指定部552により所望の超音波画像の指定が制御部によって受け付けられたとき、レポート表示処理部(レポート作成部)が、画像配置領域内に貼り付け指定部552によって指定された所望の超音波画像を配置することにより医用レポートを作成すると共に、画像保存処理部を制御して、所望の超音波画像をデータベース部4に保存する。
【0095】
たとえば、検査部位における異常発見と正常確認の両方を目的とした健康診断においては、超音波画像の保存は必要である一方、医用レポートへの貼り付けが不要なケースが多くなることが考えられる。第1実施形態の第2変形例によれば、データベース部への保存を指定する第1指定部と、データベース部への保存と医用レポートへの貼り付けを指定する第2指定部とを設けるようにしたので、ユーザが2種類の指定部を使い分けることにより、ユーザの作業の効率化に寄与することができるようになる。
【0096】
[第2実施形態]
第1実施形態又はその変形例では、保存を指定した順序で超音波画像が順番に医用レポートに配置されるものとして説明したが、第2実施形態では、指定された超音波画像のうち予め決められた条件に合致した超音波画像が医用レポートに配置される。
【0097】
第2実施形態における医用画像診断装置が第1実施形態における医用画像診断装置1と異なる主な点は、画像保存処理部と、レポート表示処理部である。以下、これらの点を中心に説明する。
【0098】
第2実施形態における画像保存処理部は、画像保存指定部55により指定された超音波画像をデータベース部4に保存する処理を行う。第2実施形態におけるレポート表示処理部は、画像保存処理部によってデータベース部に保存される超音波画像のうち予め設定された条件に合致した超音波画像を医用レポートに配置することにより医用レポートを作成する。
【0099】
図9に、第2実施形態におけるレポート表示処理部の構成例のブロック図を示す。
図1に示す医用画像診断装置1において、レポート表示処理部106に代えて、
図9に示すレポート表示処理部106bが設けられる。
【0100】
レポート表示処理部106bは、配置処理部1061と、レポート作成部1062bを含んで構成されている。レポート作成部1062bは、条件設定部110bと、判定部111bとを含んで構成されている。判定部111bは、判定部の一例に相当する。
【0101】
条件設定部110bには、画像保存指定部55により指定された超音波画像を医用レポートの画像配置領域内に配置するための条件が予め設定されている。この条件は、たとえば、超音波画像が予め登録されたオブジェクトを含むことである。ここで、オブジェクトは、医用画像に対して付与された画像情報である。この画像情報は、ボディーマーク、アノテーション、及び計測ラベルの少なくとも1つを含むことが可能である。ユーザは、操作部5を介して、条件設定部110bに対し、超音波画像を医用レポートの画像配置領域内に配置するための条件を追加、削除、又は変更することができる。
【0102】
図10に、第2実施形態における条件設定部110bに設定される条件の一例を示す。条件設定部110bには、たとえば、検索対象のオブジェクトを識別するためのオブジェクト識別子(Identifier:ID)に対応付けられたオブジェクトの画像データ(
図10では、ビットマップ形式の画像データ)が予め設定されている。たとえば、心室の拡張期を示すアノテーションには、オブジェクトIDとして「Anno_Diastole」が割り当てられ、当該オブジェクトの画像データのファイル名が「aaa.bmp」である。従って、超音波画像に心室の拡張期を示すアノテーションが付加されている場合には、当該超音波画像にファイル名が「aaa.bmp」の画像データが含まされる。そのため、超音波画像の画像データに対しファイル名「aaa.bmp」の画像データを含むか否かを検出することにより、心室の拡張期を示すアノテーションが当該超音波画像に付加されているか否かを検出することが可能である。また、例えば、左室の断面を示すボディーマークには、オブジェクトIDとして「BodyMark_LV4CH」が割り当てられ、当該オブジェクトの画像データのファイル名が「bbb.bmp」である。従って、超音波画像に左室の断面を示すボディーマークが付加されている場合には、当該超音波画像にファイル名が「bbb.bmp」の画像データが含まされる。そのため、超音波画像の画像データに対しファイル名「bbb.bmp」の画像データを含むか否かを検出することにより、左室の断面を示すボディーマークが当該超音波画像に付加されているか否かを検出することが可能である。
【0103】
判定部111bは、画像保存指定部55により指定された所望の超音波画像、画像保存指定部55により指定された所望の超音波画像に上記のオブジェクトが付加された画像、又は画像保存指定部55により指定された所望の超音波画像に上記のオブジェクトが重畳された画像に対し、次のような判定処理を行う。以下では、画像保存指定部55により指定された所望の超音波画像、画像保存指定部55により指定された所望の超音波画像に上記のオブジェクトが付加された画像、又は画像保存指定部55により指定された所望の超音波画像に上記のオブジェクトが重畳された画像を、適宜、判定対象画像と称する。
【0104】
画像保存指定部55による所望の超音波画像の指定が制御部によって受け付けられたとき、判定部111bは、判定対象画像が条件設定部110bに予め設定された条件に合致するか否かを判定する。判定部111bにより、判定対象画像が条件設定部110bに予め設定された条件に合致すると判定されたとき、レポート表示処理部106bは、判定対象画像を医用レポートの画像配置領域内に配置する。
【0105】
具体的には、判定対象画像は、データベース部4に保存される。そこで、判定部111bは、データベース部4に保存された判定対象画像内を検索し、たとえば、公知のパターマッチング技術により、
図10に示すファイル名により特定されるオブジェクトの画像データを含むか否かを判定する。なお、オブジェクトが判定対象画像内の予め決められた座標位置に配置される場合、判定部111bは、この座標位置により特定された画像が
図10に示すオブジェクトがあるか否かを判定することができる。
【0106】
第2実施形態における医用画像診断装置の構成は、上記の点を除いて、第1実施形態における医用画像診断装置の構成とほぼ同様である。そのため、以下では、説明の便宜上、
図1の符号を適宜用いて説明する。
【0107】
図11に、第2実施形態における医用画像処理部による医用レポートへの超音波画像の配置処理例のフロー図を示す。ここでは、
図6と同様に、医用レポート作成画面が表示部6に表示され、その超音波画像表示領域内に、ユーザがフリーズ指示部により静止させた複数の超音波画像(必要に応じて診断情報を含む)が既に表示された状態であるものとする。
【0108】
まず、医用画像処理部は、ユーザによって画像保存指定部55により保存対象の超音波画像が指定されるまで待機する(ステップS11:N)。画像保存指定部55により超音波画像が指定されたとき(ステップS11:Y)、医用画像処理部は、指定された超音波画像とこれに重畳して表示されるアノテーションやボディーマークなどの図形や計測結果とを含む画像を取得する(ステップS12)。
【0109】
次に、医用画像処理部は、ステップS12において取得された超音波画像などをデータベース部4に保存する(ステップS13)。具体的には、画像保存指定部55は、ステップS12において取得された超音波画像とこれに重畳して表示されるアノテーションやボディーマークなどの図形や計測結果とを含む画像をデータベース部4に保存する。
【0110】
次に、医用画像処理部は、ステップS13においてデータベース部4に保存された超音波画像について、予め設定された1又は複数の条件のうち最初の条件を参照する(ステップS14)。具体的には、レポート作成部1062bにおいて、判定部111bが条件設定部110bに予め設定された1又は複数の条件のうち最初の条件を参照する。
【0111】
次に、医用画像処理部10は、ステップS13においてデータベース部4に保存された超音波画像について、ステップS14において参照した条件に合致するか否かを判定する(ステップS15)。具体的には、判定部111bは、上記の判定対象画像内を検索して、条件設定部110bにおいて予め設定されたオブジェクがあるか否かを判定する。
【0112】
判定対象画像内に予め設定されたオブジェクトがあると判定されたとき、予め設定された条件に合致したと判断され(ステップS15:Y)、医用画像処理部は、医用レポートの画像配置領域内の配置位置に判定対象画像を配置する(ステップS16)。具体的には、医用画像処理部は、ステップS15において条件に合致した順序に対応した医用レポートの画像配置領域内の配置位置に、判定対象画像を配置する。たとえば、最初に条件に合致した判定対象画像が、
図5に示す画像配置領域G34内の配置位置G341に配置され、2番目に条件に合致した判定対象画像が、
図5に示す画像配置領域G34内の配置位置G342に配置される。同様に、3番目に条件に合致した判定対象画像が、
図5に示す画像配置領域G34内の配置位置G343に配置され、4番目に条件に合致した判定対象画像が、
図5に示す画像配置領域G34内の配置位置G344に配置される。
【0113】
判定対象画像内に予め設定されたオブジェクトがないと判断されたとき(ステップS15:N)、又はステップS16に続いて、医用画像処理部は、条件設定部110bに次の条件が設定されているか否かを判別する(ステップS17)。次の条件があると判別されたとき(ステップS17:Y)、医用画像処理部は、ステップS14に移行し、次の条件について処理を継続する。ステップS17において次の条件がないと判別されたとき(ステップS17:N)、医用画像処理部は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0114】
このように、画像保存指定部55により指定された超音波画像(判定対象画像)のそれぞれが、予め設定された条件の少なくとも1つに合致したことを条件に医用レポートの画像配置領域内の配置位置に順番に配置される。なお、条件に合致しない判定対象画像については医用レポートに配置されないため、データベース部4に保存される判定対象画像のうち医用レポートへの貼り付け対象から除外する指定が可能な医用画像診断装置を提供することができる。
【0115】
なお、第2実施形態において、判定部111bは、予め設定されたオブジェクトがあるか否かを判定するために判定対象画像内を画像検索するものとして説明したが、これに限定されるものではない。たとえば、超音波画像内にアノテーションやボディーマークなどのオブジェクトを入力する際に付与した情報(付帯情報)に基づいて、判定部111bが、判定対象画像内に所望のオブジェクトがあるか否かを判定するようにしてもよい。
【0116】
以上のように、第2実施形態における医用画像診断装置は、画像保存指定部55によりユーザが指定した超音波画像(判定対象画像)について、予め設定された条件に合致したことを条件に、医用レポートの画像配置領域内の配置位置に順番に配置することにより医用レポートを作成する。すなわち、超音波画像内の特徴又はその付帯情報に基づいて、医用レポートへの貼り付けが可能となる。そのため、ユーザは超音波画像を手動で貼り付けるという作業から解放され、医用レポートへの超音波画像の貼り付け作業の簡略化により、検査時間の短縮化が可能となる。
【0117】
たとえば、規模の大きな医療機関などで検査する順序が予め決まっている場合に、読影する医師などは、長い時間をかけることなく超音波画像の貼り付け作業を進め、効率良く医用レポートを作成することができるようになる。
【0118】
[第3実施形態]
第1実施形態又はその変形例や第2実施形態では、超音波画像の指定の順序又は予め設定された条件に合致した順序に対応した配置位置に超音波画像を配置するものとして説明した。これに対し、第3実施形態では、予め設定された条件に対応付けられた画像配置領域内の配置位置に、当該条件に合致した超音波画像を配置する。
【0119】
第3実施形態における医用画像診断装置が第2実施形態における医用画像診断装置と異なる主な点は、レポート表示処理部の処理内容である。以下、この点を中心に説明する。
【0120】
図12に、第3実施形態における条件設定部に設定される条件の一例を示す。第3実施形態における条件設定部には、たとえば、医用レポートの画像配置領域内の配置位置と、検索対象のオブジェクトを識別するためのオブジェクトIDと、そのオブジェクトの画像データとが予め設定されている。たとえば、オブジェクトIDが「Anno_Diastole」の画像データのファイル名が「aaa.bmp」であり、配置位置は「1」である。また、たとえば、オブジェクトIDが「BodyMark_LV4CH」の画像データのファイル名が「bbb.bmp」であり、配置位置は「2」である。
【0121】
図13に、第3実施形態における医用レポート作成画面の医用レポート表示領域を模式的に示す。
図13において、
図5と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0122】
画像配置領域G34は、第1実施形態と同様に、配置位置G341〜G344が設けられている。第3実施形態では、配置位置G341〜G344のそれぞれには、レイアウト位置として「1」〜「4」が割り当てられている。
【0123】
第3実施形態における判定部は、第2実施形態と同様に、判定対象画像が、条件設定部に予め設定された条件に合致するか否かを判定する。判定部により、判定対象画像が条件設定部に予め設定された条件に合致すると判定されたとき、レポート表示処理部は、当該条件に対応付けられた医用レポートの画像配置領域内の配置位置に、判定対象画像を配置する。具体的には、レポート作成部が備える配置処理部が、判定部の判定結果を受けて条件設定部に設定された条件に対応付けられた配置位置を参照して、当該条件に合致したと判定された超音波画像の配置位置を決定する。たとえば、判定部が、画像保存指定部55により指定された超音波画像について、「aaa.bmp」と同じオブジェクトがあると判定したとき、配置処理部は、判定部の判定結果を受けて条件設定部に設定された条件に対応付けられた配置位置を参照して、当該超音波画像の配置位置を、医用レポートの画像配置領域内のレイアウト位置が「1」である配置位置G341に決定する。また、判定部が、画像保存指定部55により指定された超音波画像について、「bbb.bmp」と同じオブジェクトがあると判定したとき、配置処理部は、判定部の判定結果を受けて条件設定部に設定された条件に対応付けられた配置位置を参照して、当該超音波画像の配置位置を、医用レポートの画像配置領域内のレイアウト位置が「2」である配置位置G342に決定する。そして、レポート作成部が、配置処理部によって決定された配置位置に当該超音波画像を配置することにより、医用レポートを作成する。
【0124】
第3実施形態における医用画像診断装置の構成は、上記の点を除いて、第2実施形態における医用画像診断装置の構成とほぼ同様である。そのため、以下では、説明の便宜上、
図1の符号を用いて説明する。
【0125】
図14に、第3実施形態における医用画像処理部による医用レポートへの超音波画像の配置処理例のフロー図を示す。ここでは、
図6と同様に、医用レポート作成画面が表示部6に表示され、その超音波画像表示領域内に、ユーザがフリーズ指示部により静止させた複数の超音波画像(必要に応じて診断情報を含む)が既に表示された状態であるものとする。
【0126】
まず、医用画像処理部は、ユーザによって画像保存指定部55により保存対象の超音波画像が指定されるまで待機する(ステップS21:N)。画像保存指定部55により超音波画像が指定されたとき(ステップS21:Y)、医用画像処理部は、指定された超音波画像とこれに重畳して表示されるアノテーションやボディーマークなどの図形や計測結果とを含む画像を取得する(ステップS22)。
【0127】
次に、医用画像処理部は、ステップS22において取得された超音波画像などをデータベース部4に保存する(ステップS23)。次に、医用画像処理部は、ステップS23においてデータベース部4に保存された超音波画像について、予め設定された1又は複数の条件のうち最初の条件を参照する(ステップS24)。
【0128】
次に、医用画像処理部は、ステップS23においてデータベース部4に保存された超音波画像について、ステップS14において参照した条件に合致するか否かを判定する(ステップS25)。
【0129】
次に、医用画像処理部は、ステップS25において合致した条件に対応した配置位置に、既に別の超音波画像が配置されているか否かを判別する(ステップS26)。ステップS26は、たとえば、レイアウト表示処理部のレポート作成部により行われる。
【0130】
既に別の超音波画像が配置されていると判別されたとき(ステップS26:Y)、レポート作成部は、別の超音波画像に置換して、ステップS25において条件に合致したと判定された新たな超音波画像を配置する(ステップS27)。一方、既に別の超音波画像が配置されていると判別されなかったとき(ステップS26:N)、レポート作成部は、ステップS25において条件に合致したと判定された新たな超音波画像を、当該条件に対応付けられた配置位置に配置する(ステップS28)。
【0131】
条件に合致したと判別されなかったとき(ステップS25:N)、ステップS27又はステップS28に続いて、医用画像処理部は、条件設定部に次の条件が設定されているか否かを判別する(ステップS29)。次の条件があると判別されたとき(ステップS29:Y)、医用画像処理部は、ステップS24に移行し、次の条件について処理を継続する。ステップS29において次の条件がないと判別されたとき(ステップS29:N)、医用画像処理部は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0132】
このように、画像保存指定部55により指定された超音波画像は、予め設定された条件に合致したとき、この条件に対応付けられた医用レポートの画像配置領域内の配置位置に配置される。このとき、新たな超音波画像の配置位置に既に別の超音波画像が配置されている場合に、画像保存指定部55による新たな超音波画像の指定が制御部によって受け付けられたとき、レポート作成部は、別の超音波画像に置き換えて新たな超音波画像を配置する。
【0133】
以上のように、第3実施形態における医用画像診断装置は、画像保存指定部55によりユーザが指定した超音波画像について、予め設定された条件に合致したとき、医用レポートの画像配置領域内で上記条件に対応付けられた配置位置に配置することにより医用レポートを作成する。そのため、第3実施形態では、保存された順番に関係なく医用レポートに貼り付けられるが、配置位置ごとに超音波画像の種別が予め決められている場合に、医用レポートへの超音波画像の貼り付け作業を簡略化することができる。
【0134】
[第3実施形態の第1変形例]
第3実施形態では、条件に合致した超音波画像の配置位置に既に別の超音波画像が配置されているとき、そのまま置換して配置するものとして説明したが、これに限定されるものではない。第3実施形態の第1変形例では、条件に合致した超音波画像の配置位置に既に別の超音波画像が配置されているとき、その旨をユーザに報知する。
【0135】
第3実施形態の第1変形例における医用画像診断装置が第3実施形態における医用画像診断装置と異なる主な点は、レポート表示処理部の処理内容である。以下、この点を中心に説明する。
【0136】
図15に、第3実施形態の第1変形例におけるレポート表示処理部の構成例のブロック図を示す。
図1に示す医用画像診断装置1において、レポート表示処理部106に代えて、
図15に示すレポート表示処理部106cが設けられる。
図15において、
図9と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0137】
レポート表示処理部106cは、配置処理部1061cと、レポート作成部1062cを含んで構成されている。レポート作成部1062cは、条件設定部110cと、判定部111cと、報知部112cとを含んで構成されている。報知部112cは、この実施形態に係る「報知部」の一例に相当する。
【0138】
条件設定部110cには、画像保存指定部55により指定された超音波画像を医用レポートの画像配置領域内に配置するための条件が予め設定されている。また、ユーザは、操作部5を介して、条件設定部110cに対し、超音波画像を医用レポートの画像配置領域内に配置するための条件を追加、削除、又は変更することができる。画像保存指定部55による所望の超音波画像の指定が制御部によって受け付けられたとき、判定部111cは、画像保存指定部55により指定された超音波画像が、条件設定部110cに予め設定された条件に合致するか否かを判定する。判定部111cにより、画像保存指定部55により指定された超音波画像が条件設定部110cに予め設定された条件に合致すると判定されたとき、レポート表示処理部106cは、超音波画像を医用レポートの画像配置領域内で指定された配置位置に配置する。
【0139】
報知部112cは、判定部111cによって予め設定された条件に合致したと判定された新たな超音波画像の配置位置に既に別の超音波画像が配置されているとき、たとえば、ユーザに報知する。報知部112cによる報知は、たとえば、別の超音波画像が配置されている旨を表示部6に表示させたり、音を出力させたりすることにより行われる。
【0140】
配置処理部1061cは、判定部111cの判定結果を受けて、条件設定部110cに設定された条件に対応付けられた配置位置を参照して、当該条件に合致したと判定された超音波画像の配置位置を決定する。
【0141】
第3実施形態の第1変形例では、条件に合致した超音波画像の配置位置が定められるため、既に別の超音波画像が配置されていても、新たな超音波画像が置換して配置される。このとき、報知部112cによりユーザに報知することにより、過去の超音波画像の置換をユーザに認識させることができる。なお、報知部112cによる報知の後、ユーザによる承認が得られたことを条件に、新たな超音波画像が置換して配置されるようにしてもよい。
【0142】
図16に、第3実施形態の第1変形例における医用画像処理部による医用レポートへの超音波画像の配置処理例のフロー図を示す。
図16において、
図14と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0143】
図16に示すフローが
図14に示すフローと異なる点は、ステップS31が追加された点である。具体的には、ステップS31が、ステップS26とステップS27との間に追加されている。すなわち、既に別の超音波画像が配置されていると判別されたとき(ステップS26:Y)、報知部112cは、その旨をユーザに報知する(ステップS31)。その後、レポート作成部1062cは、別の超音波画像に置換して、ステップS25において条件に合致したと判定された新たな超音波画像に置換する(ステップS27)。
【0144】
以上のように、第3実施形態の第1変形例では、予め設定された条件に合致した超音波画像が医用レポートに配置される際に既に別の超音波画像が配置されているとき、報知部112cによりユーザに報知するようにしている。これにより、ユーザが医用レポートに配置した超音波画像が、ユーザが気付かない間に別の超音波画像に置き換えられるといった事態を回避することができる。
【0145】
[第3実施形態の第2変形例]
第3実施形態又はその第1変形例では、既に配置された超音波画像を新たな超音波画像に置換するものとして説明したが、これに限定されるものではない。第3実施形態の第2変形例では、既に配置された超音波画像をリンク付けした後、当該配置位置に新たな超音波画像を配置する。
【0146】
第3実施形態の第2変形例における医用画像診断装置が第3実施形態における医用画像診断装置と異なる主な点は、レポート表示処理部の処理内容である。以下、この点を中心に説明する。
【0147】
図17に、第3実施形態の第2変形例における医用画像処理部による医用レポートへの超音波画像の配置処理例のフロー図を示す。
図17において、
図14と同様の部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
【0148】
図17に示すフローが
図14に示すフローと異なる点は、ステップS27及びステップS28が削除された点と、ステップS41及びステップS42が追加された点である。
【0149】
すなわち、既に別の超音波画像(過去の超音波画像)が配置されていると判別されたとき(ステップS26:Y)、レポート作成部は、別の超音波画像をリンク付けする(ステップS41)。具体的には、レポート作成部は、別の超音波画像を参照するためのアドレス情報を取得し、配置位置においてこの超音波画像がリンクされていることを示すリンク文字列に、アドレス情報をハイパーリンク形式で関連付ける。このとき、ハイパーリンクが設定されたリンク対応範囲の文字列は、色が変更され、且つ、下線が付されて識別表示される。
【0150】
既に別の超音波画像が配置されていると判別されなかったとき(ステップS26:N)、又はステップS41に続いて、レポート作成部は、ステップS25において条件に合致したと判定された新たな超音波画像を、当該配置位置に配置する(ステップS42)。
【0151】
条件に合致したと判別されなかったとき(ステップS25:N)、又はステップS29に続いて、医用画像処理部10は、条件設定部に次の条件が設定されているか否かを判別する(ステップS29)。次の条件があると判別されたとき(ステップS29:Y)、医用画像処理部は、ステップS24に移行し、次の条件について処理を継続する。ステップS29において次の条件がないと判別されたとき(ステップS29:N)、医用画像処理部は、一連の処理を終了する(エンド)。
【0152】
以上のように、第3実施形態の第2変形例では、予め設定された条件に合致した超音波画像が医用レポートに配置される際に既に別の超音波画像が配置されているとき、別の超音波画像をリンク付けすると共に、新たな超音波画像を当該配置位置に配置する。これにより、リンク付けされた別の超音波画像についても必要に応じて参照可能な医用レポートを作成することができるようになる。
【0153】
[第4実施形態]
この実施形態では、配置処理部が、指定された所望の超音波画像(医用画像)の種類に対応した画像配置領域内で配置位置を決定し、レポート作成部が、配置処理部によって決定された配置位置にその超音波画像を配置することにより、医用レポートを作成する。超音波画像の種類は、取得部位(腹部、胸部など)によって定義される。これにより、レポート作成部は、指定された所望の超音波画像がその取得部位に対応した画像配置領域内に配置された医用レポートを作成することが可能になる。
【0154】
たとえば、超音波画像の取得部位ごとに、画像配置領域内の配置位置が予め決められる。所定の第1取得部位の超音波画像は、第1取得部位に予め対応付けられた画像配置領域内の配置位置に配置され、所定の第2取得部位の超音波画像は、第2取得部位に予め対応付けられた画像配置領域内の配置位置に配置される。
【0155】
また、超音波画像の種類は、各取得部位において、更に超音波画像の取得方向によって定義されてもよい。これにより、レポート作成部は、指定された所望の超音波画像がその取得部位および取得方向に対応した画像配置領域内に配置された医用レポートを作成することが可能になる。
【0156】
たとえば、超音波画像の取得部位の取得方向ごとに、画像配置領域内の配置位置が予め決められる。所定の第1取得部位における第1取得方向の超音波画像は、第1取得部位における第1取得方向に予め対応付けられた画像配置領域内の配置位置に配置され、第1取得部位における第2取得方向の超音波画像は、第1取得部位における第2取得方向に予め対応付けられた画像配置領域内の配置位置に配置される。同様に、所定の第2取得部位における第1取得方向の超音波画像は、第2取得部位における第1取得方向に予め対応付けられた画像配置領域内の配置位置に配置され、第2取得部位における第3取得方向の超音波画像は、第2取得部位における第3取得方向に予め対応付けられた画像配置領域内の配置位置に配置される。
【0157】
これにより、取得部位やその取得部位の取得方向ごとに、医用画像が画像配置領域内で予め決められた配置位置に配置された医用レポートの作成が容易になる。従って、所定の取得部位やその取得部位の取得方向ごとに医用画像を容易に貼り付けることが可能になり、エビデンスとして有用な医用レポートを容易に作成することが可能になる。
【0158】
なお、所望の超音波画像の種類に対応した画像配置領域内の配置位置において、上記の実施形態のように、超音波指定の順序又は予め設定された条件に合致した順序で超音波画像を配置するようにしてもよい。
【0159】
[その他の変形例]
配置位置に既に別の超音波画像が配置されているとき、別の超音波画像のサイズを縮小することにより、限られた画像配置領域内で、より多くの超音波画像の配置が可能な医用レポートを作成するようにしてもよい。
【0160】
また、配置位置に既に別の超音波画像が配置されているとき、別の超音波画像をリンク付けしたリンクリストを作成し、当該配置位置に関連付けて表示させることにより、限られた画像配置領域内で、より多くの超音波画像の配置が可能な医用レポートを作成するようにしてもよい。
【0161】
なお、第1実施形態〜第4実施形態又はこれらの変形例において説明した構成を任意に組み合わせることが可能である。
【0162】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これら実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると共に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。