(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第2ケース(26;126)は、前記トリップユニットの組立形態において前記貫通オリフィス(34;134)を閉塞可能な2つの側壁(46、48;146、148)を有し、前記シャフト(18;118)は、前記トリップユニットの外側から前記貫通オリフィス(34;134)を介して接近できなくなっていることを特徴とする請求項1に記載のトリップユニット。
前記トリップユニット(10;110)は、前記トリップ部材(20;120)と対応する前記接触端部(62;162、170)との間の距離(D1;D2)であって、前記トリップユニットの組立形態において電気故障が検出された際に前記接触端部(62;162、170)の移動に平行に測定される距離(D1;D2)を調整可能な少なくとも1つの調整装置(76;124)を有していることを特徴とする請求項1または2に記載のトリップユニット。
対応する各々の可動要素(150)のために、前記調整装置(124)は、前記トリップ部材(120)に機械的に協働するとともに、前記トリップユニットの組立形態において、対応する前記接触端部(162)に向かうように、または当該接触端部(162)から離れるように移動可能な調整部材(141)を有していることを特徴とする請求項3に記載のトリップユニット。
前記調整装置(76)は、前記トリップユニットの組立形態において電気故障が検出された際に、前記トリップ部材(20)に向かうように、または当該トリップ部材(20)から離れるように、前記接触端部(62)の移動に平行に各接触端部(62)を移動可能な第1調整部材(24)を有しており、前記第1調整部材(24)は、前記第1ケース(16)の外面(42)から接近可能であることを特徴とする請求項3に記載のトリップユニット。
前記調整装置(76)は、前記トリップユニットの組立形態において電気故障が検出された際に、前記トリップ部材(20)に向かうように、または当該トリップ部材(20)から離れるように、前記接触端部(62)の移動に平行に、対応する前記接触端部(62)を移動可能な、対応する各々の可動要素のための第2調整部材(66)を有していることを特徴とする請求項5に記載のトリップユニット。
前記第1ケース(16;116)は第1穴(36;136)を有し、第2ケース(26;126)は、第2穴(50;145)を有し、前記トリップユニットの組立形態において、前記第1穴(36;136)と前記第2穴(50;145)は、位置合わせされ、前記第1ケース(16;116)を前記第2ケース(26;126)に締結するための締結部材を受容可能であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載のトリップユニット。
前記トリップユニット(10;110)は、対応する可動要素(56;150)の各々のための調整部材(66;141)を有し、組立工程の後に、前記調整部材は、前記トリップユニットの組立形態において電気故障が検出された際に、前記トリップユニットを較正するとともに、前記トリップ部材(20;120)と対応する前記接触端部(62;162)との間の距離(D1;D2)であって、前記接触端部(62;162)の移動に平行に測定される距離(D1;D2)を設定するように使用されることを特徴とする請求項8または9に記載の方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
このため、本発明の目的は、製造することが容易で低い製造コストのトリップユニットを提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的のため、本発明に関するトリップユニットは、回路遮断器に接続可能な、第1ブロックと第2ブロックとを備えたトリップユニットであり、第1ブロックは、シャフトを受け入れるための貫通オリフィスをそれぞれ有する2つの壁を含む第1ケースと、シャフトに機械的に接続され、第1ケースの外側から接近可能な、回路遮断器のトリップ部材と、を備え、第2ブロックは、第2ケースと、電気故障を検出するための少なくとも一つの部材と、を備え、各検出部材が、第2ケース内に配置されるとともに、電気故障を検出した際にトリップ部材に向かうように移動可能な接触端部を有する少なくとも1つの可動要素を含んでいる。本発明によれば、第1ブロックと第2ブロックは、互いに対して別個の2つのブロックであり、第1ケースと第2ケースは、トリップユニットの組立形態において互いに機械的に組立可能であり、各接触端部は、トリップ部材に機械的に協働可能であり、これにより、トリップ部材は、対応する検出部材が電気故障を検出した際に、トリップユニットの組立形態において回路遮断器をトリップ可能である。
【0008】
本発明によれば、トリップユニットは、各々がトリップユニットの機能要素を含む別個の第1ケースおよび第2ケースを備え、トリップユニットの成形を容易にし、生産が容易で安価なトリップユニットを可能にする。
【0009】
本発明の他の利点によれば、トリップユニットは、単独で、または技術的に許容可能な全ての組合せに従って、1つ以上の以下の特徴を更に備える。
−第2ケースは、トリップユニットの組立形態において貫通オリフィスを閉塞可能な2つの側壁を有し、シャフトは、トリップユニットの外側から貫通オリフィスを介して接近できなくなっている。
−トリップユニットは、トリップ部材と対応する接触端部との間の距離であって、トリップユニットの組立形態において電気故障が検出された際に接触端部の移動に平行に測定される距離を調整可能な少なくとも1つの調整装置を有している。
−対応する各々の可動要素のために、調整装置は、トリップ部材に機械的に協働するとともに、トリップユニットの組立形態において、対応する接触端部に向かうように、または接触端部から離れるように移動可能な調整部材を有している。
−調整装置は、トリップユニットの組立形態において電気故障が検出された際に、トリップ部材に向かうように、またはトリップ部材から離れるように、接触端部の移動に平行に各接触端部を移動可能な第1調整部材を有しており、第1調整部材は、第1ケースの外面から接近可能である。
−調整装置は、トリップユニットの組立形態において電気故障が検出された際に、トリップ部材に向かうように、またはトリップ部材から離れるように、接触端部の移動に平行に、対応する接触端部を移動可能な、対応する各々の可動要素のための第2調整部材を有している。
−第1ケースは第1穴を有し、第2ケースは、第2穴を有し、トリップユニットの組立形態において、第1穴と第2穴は、位置合わせされ、第1ケースを第2ケースに締結するための締結部材を受容可能である。
【0010】
また、本発明に関する方法は、回路遮断器に接続可能な、第1ブロックと第2ブロックとを備えたトリップユニットを製造するための方法であり、第1ブロックは、シャフトを受け入れるための貫通オリフィスをそれぞれ有する2つの壁を含む第1ケースと、シャフトに機械的に接続され、第1ケースの外側から接近可能な、回路遮断器のトリップ部材と、を備え、第2ブロックは、第2ケースと、電気故障を検出するための少なくとも一つの部材と、を備え、各検出部材が、第2ケース内に配置されるとともに、電気故障を検出した際にトリップ部材に向かうように移動可能な接触端部を有する少なくとも1つの可動要素を含んでいる。本発明によれば、この方法は、
a)第1ケース内に、シャフトおよびトリップ部材によって形成された組立体を取り付ける工程と、
b)第2ケース内に検出部材を取り付ける工程と、
c)第1ケースおよび第2ケースを組み立てる工程であって、接触端部がトリップ部材に機械的に協働可能になり、これにより、トリップ部材は、対応する検出部材が電気故障を検出した際に、トリップユニットの組立形態において回路遮断器のトリップを可能にする、工程と、を備えている。
【0011】
有利には、
−工程a)の前に、第1ケースおよび第2ケースは別々に成形される。
−トリップユニットは、対応する可動要素の各々のための調整部材を有し、組立工程の後に、調整部材は、トリップユニットの組立形態において電気故障が検出された際に、トリップユニットを較正するとともに、トリップ部材と対応する接触端部との間の距離であって、接触端部の移動に平行に測定される距離を設定するように使用される。
【0012】
非限定的な例として単に提供され、添付された図面を参照してなされる以下の記述を考慮して、本発明はよりよく理解され、本発明の他の利点がより明瞭になるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1において、図示しない多極の電気回路遮断器に接続可能なトリップユニット10は、互いに組み立てられた第1ブロック12と第2ブロック14とを含んでいる。トリップユニット10は、3つの極を有する3極トリップユニットとなっており、図示しない3相電気設備に設置される3相回路遮断器に接続可能になっている。
【0015】
長手軸Xに平行な、トリップユニット10の幅は、検出部材28の数に基づいて、すなわち相数に基づいて、10mmと300mmとの間、好ましくは27mmと108mmとの間である。
【0016】
組立形態においては、トリップユニット10は、第1ブロック12を第2ブロック14に組み立てるための垂直組立軸Zに平行な所定の高さを有している。この高さは、50mmと500mmとの間、好ましくは80mmと120mmとの間にあり、より一層好ましくは105mmに等しくなっている。
【0017】
トリップユニット10は、例えば、磁気式トリップユニットである。
【0018】
Yは、トリップユニット10の横方向軸を示している。
【0019】
第1ブロック12は、第1ケース16と、第1軸とも呼ばれる第1シャフト18と、トリップ部材20と、トリップ部材の位置を調整するための第1部材24と、を備えている。
【0020】
第2ブロック14は、第2ケース26と、第2ブロック14の入力部として電流を受け入れ可能な、電流入力ターミナルとも呼ばれる3つの接続パッドE1、E2、E3であって、第2ブロック14の3つの入力部E1、E2、E3を形成する接続パッドE1、E2、E3と、第2ブロック14の出力電流を送り出し可能な、電流出力ターミナルとも呼ばれる3つの接続パッドS1、S2、S3であって、第2ブロック14の3つの出力部S1、S2、S3を形成する接続パッドS1、S2、S3と、電気故障を検出するための3つの部材28と、を備えている。
【0021】
第1ケース16は、2つの壁30および32を有しており、これらの壁30、32には、2つの貫通オリフィス34が、第1シャフト18を受け入れるために形成されている。壁32は、その端部の一方によって
図2において特定されており、2つの貫通オリフィス34のうちの一方だけが、
図2および
図5において視認可能になっている。2つの貫通オリフィス34の軸は、例えば、長手軸Xに平行になっており、壁30、32は、好ましくは、長手軸Xに直交する側壁となっている。
【0022】
また、第1ケース16は、第1ブロック12を第2ブロック14に、すなわち、第1ケース16を第2ケース26に締結するための図示しない部材を受け入れ可能な第1貫通穴36を含んでいる。
【0023】
また、第1ケース16は、外側に全体的に開放された下面38を有しており、トリップ部材20が、下面38から接近可能になっている。
【0024】
第1シャフト18は、長手軸Xに平行に配置され、貫通オリフィス34内に受け入れられている。
【0025】
トリップ部材20は、トリップロッド39とストライカ40とを有している。
【0026】
第1調整部材24は、第1シャフト18に対して、長手軸Xに平行に、トリップ部材20の位置、より詳細にはトリップロッド39の位置を調整可能になっている。第1調整部材24は、下面38とは反対側の、第1ケース16の上側の外面42から接近可能である。
【0027】
第2ケース26は、3つの検出部材28を受け入れ可能な3つのハウジング44を画定している。第2ケース26は、検出部材28の両側に配置された2つの側壁46および48を有している。側壁46、48の幾何形状は、第1ケース16が第2ケース26に機械的に組み立てられるように適合されている。第1ケース16と第2ケース26が機械的に組み立てられた場合、トリップユニットは組立形態となる。また、第2ケース26は、第1ブロック12を第2ブロック14に、すなわち第1ケース16を第2ケース26に締結するための締結部材を受け入れ可能な第2穴50を含んでいる。
【0028】
各検出部材28は、異なる入力部E1、E2、E3と出力部S1、S2、S3と関連付けられている。検出部材28は、各極を流れる、すなわち各相の電流の強さを測定可能になっている。また、各検出部材28は、トリップユニット10に指示を出すためのコイル52を有している。コイル52は、可動磁気コア54を囲み、可動磁気コア54は、可動要素56に機械的に関連付けられている。可動要素56は、カム従動子58と調整要素60とを有し、カム従動子58はトリップロッド39と共に接触端部62を含んでいる。
【0029】
各検出部材28は、第2軸とも呼ばれる第2シャフト64と、指示コイル52に対して可動コア54の位置を、従って可動要素56の位置を調整するための第2部材66と、を有している。
【0030】
トリップロッド39は、第1シャフト18に、スライド自在に揺動する接続で留められている。トリップロッド39は、各極、すなわち各相で共有されている。トリップロッド39は、異なる相にそれぞれ対応するトリップタブ68および調整タブ70を含んでいる。トリップロッド39は、電気故障が現われない場合にはストライカ40を保持可能であり、電気故障が現れた場合にはストライカ40を解放可能である。
【0031】
ストライカ40は、トリップロッド39と協働可能であり、検出部材28の1つによって故障電流が検出された場合に、回路遮断器の接点の開放を引き起こすことを可能にしている。
【0032】
側壁46および48は、トリップユニットの組立構成において、貫通オリフィス34を閉塞可能になっている。これにより、第1シャフト18は、トリップユニットの外側から当該貫通オリフィス34を介して接近できなくなっている。
【0033】
各指示コイル52は、そこを流れる電流に基づいて、対応する可動コア54の移動を指示可能になっている。
【0034】
各可動磁気コア54は、対応する可動要素56に機械的に接続され、その移動を駆動可能になっている。各可動コア54は、第1ケース16および第2ケース26の垂直組立軸Zに平行に移動可能になっている。
【0035】
各可動要素56は、対応する第2シャフト64共に回動するように留められており、対応する可動コア54が移動した際に第2シャフト64の周りを回動可能になっている。トリップユニット10の組立形態において、各可動要素56は、垂直軸Zに沿って、トリップ部材20の下方に配置されている。より詳細には、トリップユニット10が組立形態となっている際には、各接触端部62は、対応するトリップタブ68に向かい合っている。
【0036】
各可動要素56と対応する可動コア54の位置は、対応する指示コイル52を流れる電流に依存している。
【0037】
各カム従動子58は、対応する第2シャフト64に対して回動するように留められている。
【0038】
各調整要素60は、対応する第2シャフト64に対して回動するように留められ、対応するカム従動子58に機械的に接続されている。各調整要素60は、トリップユニットが組立形態となっている際には、対応する調整タブ70と共に接触面72を含んでいる。
【0039】
各接触端部62は、対応する検出部材28が電気故障を検出した際、トリップ部材20と機械的に協働可能になっている。より詳細には、トリップユニット10の組立形態において、各接触端部62は、対応する検出部材28が電気故障を検出した際にトリップロッド39を作動させるように、対応するトリップタブ68に接触可能になっている。
【0040】
各第2シャフト64は、第1シャフト18に平行に配置されている。
【0041】
各第2調整部材66は、調整要素60およびカム従動子58、すなわち可動要素56の位置と、垂直軸Zに沿った可動コア54の位置とを固定可能なスクリューである。
【0042】
各調整タブ70は、トリップユニットの組立形態において、対応する調整要素60の位置を固定可能になっている。つまり、調整要素60は、第2シャフト64の回動によって、対応する調整タブ70に対して当接可能になっている。
【0043】
各接触面72は、第1シャフト18および長手軸Xに対して傾斜した部分74を含んでいる。
【0044】
トリップユニット10が
図1に示すように組立形態になっており、かつ電気故障が、ある相に現れた場合、故障電流が対応するコイル52を流れ、コイル52によって生成する磁場の変化が起こる。このことが、対応する可動コア54の移動を引き起こす。これにより、可動コア54が垂直軸Zに沿って、第1ケース16とは反対側に移動し、対応する第2シャフト64の周りを対応する可動要素56が回動する。その後、接触端部62が、対応するトリップタブ68に接触し、トリップロッド39の回動移動を引き起こす。トリップロッド39の移動は、ストライカ40の解放を引き起こし、回路遮断器の開放をトリップする。
【0045】
可動要素56の位置は、可動磁気コア52の位置と、電気故障の有無とに基づいて変化する。より詳細には、検出部材28が、1つの相における電気故障を検出して、対応する可動要素56が、対応するトリップタブ68に接触してトリップロッド39をトリップさせるのに十分となっている。ストライカ40は、その後解放され、回路遮断器の接点の開放をトリップする、すなわち回路遮断器をトリップする。
【0046】
第1の穴36と第2の穴50は、トリップユニット10の組立形態において位置合わせされ、第1ケース16を第2ケース26に締結するための締結部材を受け入れ可能になっている。
【0047】
トリップユニット10が組立形態であって、第1調整部材24が使用される場合、トリップロッド39が第1シャフト18に沿って平行移動し、長手軸Xに沿う、各調整タブ70の位置の同時修正を可能にする。各調整タブ70の位置のこの修正は、調整要素60、そして可動要素56および可動コア54の位置の修正を可能にする。つまり、調整の間、調整タブ70は、調整タブ70に当接する傾斜部分74に沿って平行移動する。
【0048】
調整タブ70の平行移動に基づいて、調整要素が、より大きな角度またはより小さな角度で第2シャフト64の周りを回動し、調整タブ70に当接する。これにより、第1調整部材24は、トリップユニット10を較正して、その結果、調整要素60の位置を調整し、機械的な接続によってトリップ部材20に対する可動要素56の位置を調整可能になっている。接触端部62とトリップ部材20との間の第1の距離D1は調整される。第1の距離D1は、トリップユニット10の組立形態において電気故障が検出される場合の接触端部62の移動に平行に測定される。
【0049】
第1調整部材24は、オペレータによって操作され得て、トリップユニット10の、すなわち回路遮断器の保護率(protection rating)を調整可能になっている。
【0050】
第1調整部材24と第2調整部材66は、第1の距離D1を調整可能な調整装置76を形成している。
【0051】
各第2調整部材66は、対応する調整要素60の、従って対応する可動要素56および対応する可動コア54の位置を固定可能になっている。これは、トリップユニットを較正して、各相で、すなわち各検出部材28で同じトリップ率を持たせるための、工場において行われる相毎の個々の調整である。このようにして、垂直軸Zに沿った、コイル52に対する可動コア54の初期アイドル位置が決定される。このため、機械的な接続によって、各第2調整部材66は、各トリップタブ68およびトリップロッド39に対する、対応する移動要素56と、対応する接触端部62の位置を固定可能になっている。従って、接触端部62とトリップ部材20との間の第1の距離D1は、調整される。
【0052】
図7は、本発明の第2の実施の形態によるトリップユニット110を示している。トリップユニット110は、図示しない多極の電気回路遮断器に接続可能になっている。
【0053】
トリップユニット110は、第1ブロック112と第2ブロック114とを有している。トリップユニット110は、磁気熱式トリップユニットを含んでいる点、すなわち、電気故障の磁気検出と熱検出の両方を実行可能である点で、第1の実施の形態のトリップユニット10とは異なっている。
【0054】
第1ブロック112は、第1ケース116と、第1軸とも呼ばれる第1シャフト118と、トリップ部材120と、トリップ部材120の位置を調整するための調整装置124と、を備えている。
【0055】
第2ブロック114は、第2ケース126と、第2ブロック114の入力電流を受け入れ可能な、電流入力ターミナルとも呼ばれる3つの接続パッドE4、E5、E6であって、第2ブロック114の3つの入力部E4、E5、E6を形成可能な接続パッドE4、E5、E6と、第2ブロック114の出力電流を送り出し可能な、電流出力ターミナルとも呼ばれる3つの接続パッドであって、第2ブロック114の3つの出力部を形成し、
図8ではS4だけが示されている、接続パッドと、電気故障を検出するための3つの部材128と、を備えている。
【0056】
第1ケース116は、第1の実施の形態で述べたのと同様に、2つの壁130および132を有している。2つの壁130および132では、2つの貫通オリフィス134が、第1シャフト118を受け入れるために形成されている。そのうちの1つだけが
図9に示されている。また、第1ケース116は、第1ケース116を第2ケース126に締結するための、図示しない締結部材を受け入れ可能な第1貫通穴136と、第1ケース116の外側に全体的に開放された下面138と、を含んでいる。これにより、トリップ部材120は、下面138から接近可能になっている。
【0057】
第1シャフト118は、貫通オリフィス134内に配置され、長手軸Xに沿って延びている。
【0058】
トリップ部材120は、トリップロッド139とストライカ140とを有している。
【0059】
調整装置124は、
図8では1つだけが示されている、調整部材とも呼ばれる3つの可動スラグ(slug)141を有している。調整装置124は、トリップ部材120と機械的に協働し、横軸Yに沿って、壁130および132に全体的に平行に、可動スラグ141の位置を固定可能になっている。
【0060】
第2ケース126は、電気故障を検出するための3つの検出部材128を受け入れ可能な3つのハウジング144を画定している。第2ケース126は、検出部材128の両側に配置された2つの側壁146および148を有している。側壁146、148の幾何形状は、第1ケース116が第2ケース126に機械的に組み立てられるように適合されている。第1ケース116が第2ケース126に組み立てられた場合、トリップユニット110は組立形態となる。
【0061】
第2ケース26は、第1ブロック112を第2ブロック114に、すなわち第1ケース116を第2ケース126に締結するための部材を受け入れ可能な第2穴145を含んでいる。
【0062】
第1ケース116を第2ケース126に組み立てるための組立軸は、例えば垂直軸Zに平行になっている。
【0063】
各検出部材128は、異なる入力部E1、E2、E2と電流出力部S4に関連付けられている。各検出部材128は、対応する極を流れる電流、すなわち、対応する相に関連付けられた電流の強さを測定可能になっている。また、各検出部材128は、第1可動要素150と、第2可動要素152と、固定磁気ブロック154と、を有している。
【0064】
トリップロッド139は、第1シャフト118と共に回動するように留められている。トリップロッド139は、各極、すなわち各相で共有されている。トリップロッド139は、異なる相にそれぞれ対応する3つのトリップタブ160を有している。また、トリップロッド139は、電気故障が現れない場合にはストライカ140を保持可能であり、電気故障が現れた場合にはストライカ140を解放可能である。
【0065】
ストライカ140は、トリップロッド139で開放を可能にし、検出部材128の一つによって故障電流が検出された場合に、回路遮断器の接点の開放を引き起こすことを可能にしている。
【0066】
側壁146および148は、トリップユニット110の組立形態において、貫通オリフィス134を閉塞可能にしている。これにより、第1シャフト118は、トリップユニットの外側から当該貫通オリフィス134を介して接近できなくなっている。
【0067】
各第1可動要素150は、電流故障が現れた場合に変形され得るバイメタルストリップであり、可動スラグ141とともに第1接触端部162を有している。
【0068】
各第2可動要素152は、可動磁気ブロック164と、第2シャフト168と共に回動するように留められた、第2軸とも呼ばれる、第1シャフト118と平行な接触ブロック166と、を有している。
【0069】
各固定磁気ブロック154は、トリップユニット110が回路遮断器に関連付けられた場合に、電流が流れることが可能になっている。回路遮断器は、図示しない電気設備に接続されている。そこに、その電流が流れた場合、各固定磁気ブロック154は、対応する固定磁気ブロック154に対する、対応する第2可動要素152の位置に影響を及ぼすことが可能な磁場を生成可能になっている。
【0070】
各第1接触端部162は、電流故障が現れた場合に、可動スラグ141に接触して移動可能になっている。
【0071】
接触ブロック166は、電流故障が現れた場合に、対応するトリップタブ160に接触可能な第2接触端部170を有している。
【0072】
バネ172が、第2可動要素152に第2ケース126を接続している。バネ172の寸法は、固定磁気ブロック154によって生成される磁場の値を決定する。固定磁気ブロック154からは、可動磁気ブロック164が移動する。
【0073】
調整装置124は、トリップ部材120、とりわけ可動スラグ141と対応する第1接触端部162との間の第2の距離D2を調整可能になっている。第2の距離D2は、トリップユニット110の組立形態において、電気故障が現れた場合に、第1の接触端部162の移動に平行に測定される。
【0074】
電気設備における過負荷に対応して、電気故障がある相に現れた場合、バイメタルストリップ、すなわち対応する第1可動要素150が、加熱され、対応する可動スラグ141に接触するまで変形する。このことは、対応する可動スラグ141とトリップロッド139との間の機械的接続によって、トリップロッド139の移動を引き起こし、ストライカ140を解放する。その後、ストライカ140は、回路遮断器の接点の開放をトリップする、すなわち、回路遮断器を再びトリップする。
【0075】
電気設備における短絡に対応して、電気故障がある相に現れた場合、対応する固定磁気部材154に、非常に大きい電流が流れ、磁場が生成される。これにより、対応する可動磁気要素164は、移動して、対応する固定磁気要素154に接触する。可動磁気要素164の移動は、対応する第2シャフト168の周りにおける対応する接触部材166の回動を引き起こす。その後、対応する第2接触端部170は、対応するトリップタブ160に接触する。このことは、トリップロッド139の回動を引き起こし、ストライカ140を解放し、回路遮断器の接点の開放をトリップする。
【0076】
トリップユニット110の高さと幅は、第1の実施の形態のトリップユニット10の高さと幅と、実質的に同一である。
【0077】
第1の実施の形態と第2の実施の形態によるトリップユニット10、110の製造方法は、以下のさまざまなステップを備えている。第1ステップは、第1ケース16、116内にストライカ40、140を取り付け、続いて、第1シャフト18、118にトリップロッド39、139が機械的に接続され、次に、トリップロッド39、139と第1シャフト18、118とによって形成された組立体が第1ケース16、116に取り付けられ、すなわち、貫通オリフィス34、134に第1シャフト18、118が配置されて、トリップロッド39、139がストライカ40に機械的に関連付けられ、トリップ部材20、120を形成することで構成される。第2ステップは、第2ケース26、126内に検出部材28、128を取り付けることで構成される。第1ステップと第2ステップの後、それは、組み立てられ得る第1ケース16、116と第2ケース26、126とを有している。そして、第3ステップは、第1ケース16、116と第2ケース26、126を組み立てることで構成され、各可動要素56、150、152が、トリップ部材20、120と機械的に協働可能な接触端部62、162、170を備え、これにより、トリップユニット10、110の組立形態において、対応する検出部材18、118が電気故障を検出した場合に、トリップ部材20、120が、回路遮断器の接点の開放をトリップする。
【0078】
また、第1ステップの前の、第1ケース16、116と第2ケース26、126の製造の間、第1ケース16、116と第2ケース26、126は別々に成形される。
【0079】
2パートのトリップユニット10、110が、第1ケース16、116と第2ケース26、126を別々に成形することを可能にしているため、2つのケースは、全体的に簡素な形状を有する。第1ケース16、116と第2ケース26、126は、生産するのに安価な部品となり、大きさの点で高精度が要求されなくなる。トリップユニット10、110が第1ケース16、116と第2ケース26、126とを有するという事実は、トリップユニット10、110の動作のために必要とされる大きさの精度を、単一ピースのトリップユニット10、110よりも容易に得ることを可能にする。
【0080】
第1の実施の形態においては、第3ステップの後の第4ステップは、各第2調整部材66を使用して、対応するトリップタブ68に対する、対応する可動コア54と対応する可動要素56の位置を固定することで構成される。より詳細には、この調整は、トリップユニットを較正すること、すなわち、トリップ部材20に対する接触端部62の位置を固定することを可能にする。従って、トリップユニットの組立形態において、電気故障が現れた場合に接触端部62の移動方向に平行に測定される、対応する接触端部62とトリップ部材20との間の第1の距離D1が、調整される。
【0081】
第2の実施の形態において、第3ステップと一体にされる第5ステップは、調整装置124を使用しながら、横軸Yに沿って、各調整部材、すなわち各可動スラグ141を移動することで構成される。その後、各可動スラグ141の位置は、トリップユニットの所望の率に対応する位置で、一度溶接によって固定される。従って、トリップユニットの組立形態において電気故障が現れた場合に、接触端部の移動に平行に測定される第2の距離D2が、トリップ部材120と対応する接触端部162との間で固定される。
【0082】
また、第1調整部材24は、クライアントが、第1ケース16および第2ケース26を分解することなくトリップユニットを較正することを可能にする。従って、各相で、同時に、トリップロッド39と可動要素56との間の第1の距離D1を調整し、これにより、トリップユニットの率を調整することを可能にしている。
【0083】
第2調整部材66は、相毎の個々の調整を可能にし、第1ケース16と第2ケース26の組立体の間のばらつきを、寸法の点で補償する。このことは、第1ケースと第2ケースの成形体間における製造精度を、従来の単一ピースのトリップユニットの場合よりも低くすることを可能にする。
【0084】
第1ケース16、116と第2ケース26、126の各々は、2つのケースの成形を、単一ピースの解決策に比べて簡素化することを可能にする機能要素を有している。
【0085】
第1ブロック12、112と第2ブロック14、114との間の接続は、例えばガイドウェイ、ストッパおよびねじのシステムなどのような、安定した機械的組立を使用してなされる。
【0086】
また、調整装置124と第1調整部材24は、トリップユニット、すなわち回路遮断器の保護率を調整可能になっている。
【0087】
最後に、第2ブロック14、114、より詳細には第2ケース26、126は、最終製品の幅を尊重しながら、第1シャフト18、118をケースの外側から電気的に絶縁可能にしている。従って、貫通オリフィスを生産することが可能になり、第1ケース内にシャフトを取り付け、複雑な操作または複雑な構成が必要とされることなく、容易にそれらを閉塞することを可能にしている。
【0088】
提示されたトリップユニットの極の数は、本発明では限られることはない。すなわち、トリップユニットは、例えば代替えの単相トリップユニットである。この場合、それは、単一の検出部材28、128を備える。