特許第6345886号(P6345886)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6345886少なくとも4つの異なる状態を有するドライバ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6345886
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】少なくとも4つの異なる状態を有するドライバ
(51)【国際特許分類】
   H05B 37/02 20060101AFI20180611BHJP
【FI】
   H05B37/02 J
【請求項の数】15
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2017-548263(P2017-548263)
(86)(22)【出願日】2016年3月1日
(65)【公表番号】特表2018-511146(P2018-511146A)
(43)【公表日】2018年4月19日
(86)【国際出願番号】EP2016054299
(87)【国際公開番号】WO2016146375
(87)【国際公開日】20160922
【審査請求日】2017年9月13日
(31)【優先権主張番号】15159318.3
(32)【優先日】2015年3月17日
(33)【優先権主張国】EP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516043960
【氏名又は名称】フィリップス ライティング ホールディング ビー ヴィ
(74)【代理人】
【識別番号】110001690
【氏名又は名称】特許業務法人M&Sパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョー イーフェン
(72)【発明者】
【氏名】ブランケン ピーター ゲリット
【審査官】 田中 友章
(56)【参考文献】
【文献】 特表2014−509792(JP,A)
【文献】 特表2012−525110(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 37/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
負荷回路を駆動するドライバであって、
主電源からの供給電流信号を前記負荷回路に提供する供給回路と、
前記負荷回路用のエネルギーを蓄積する蓄積回路と、
前記蓄積回路、前記負荷回路及び前記供給回路に結合されるスイッチ回路と、
を含み、
前記スイッチ回路は、前記蓄積回路、前記負荷回路及び前記供給回路間の結合を、スイッチングにより、前記蓄積回路が、
前記供給電流信号を用いて充電されるか、
バイパスされるか、
前記供給電流信号と共に、前記負荷回路を用いて放電されるか、
前記負荷回路を用いて放電されると同時に、前記主電源を経由する前記供給電流信号が遮断され、これが或る持続時間の間、持続するかの何れかとなるように、スイッチングする、ドライバ。
【請求項2】
前記スイッチ回路は、前記ドライバを、
前記供給電流信号を用いて前記蓄積回路を充電する充電状態と、
前記蓄積回路をバイパスするバイパス状態と、
前記供給電流信号と共に、前記負荷回路を用いて前記蓄積回路を放電させる依存放電状態と、
供給電圧信号が最低レベルを有するときに、前記主電源のゼロ交差付近で遮断される前記供給電流信号とは無関係に、前記負荷回路を用いて前記蓄積回路を放電させる独立放電状態にさせ、
前記独立放電状態の前記持続時間は、前記供給電流信号と、全高調波ひずみの所望値とに依存する、請求項1に記載のドライバ。
【請求項3】
前記供給回路は、供給源回路から交流供給電圧信号を受信する第1の入力部及び第2の入力部を含む整流器回路を含み、
前記ドライバは更に、
前記交流供給電圧信号の2つの続いて起こるゼロ交差間で、前記ドライバを、前記独立放電状態、前記依存放電状態、前記バイパス状態、前記充電状態、前記バイパス状態、前記依存放電状態及び前記独立放電状態に順次的にさせるように、前記スイッチ回路を制御するコントローラを含み、
前記コントローラは、
平均供給電圧が約220ボルトACである場合は、約90ボルトの最低レベル、又は、
平均供給電圧が約110ボルトACである場合は、約45ボルトの最低レベルを、
前記供給源回路における瞬間供給電圧が下回る場合に、前記ドライバを前記独立放電状態にさせるように前記スイッチ回路を制御する、請求項2に記載のドライバ。
【請求項4】
前記供給回路は、前記供給電流信号を提供する第1の出力部及び第2の出力部を含む整流器回路を含み、前記蓄積回路は、第1のブランチにコンデンサを含み、前記スイッチ回路は、第2のブランチに第1のスイッチ及び第2のスイッチを含み、前記スイッチ回路は、第3のブランチに第3のスイッチ及び第4のスイッチを含み、前記第1のブランチ、前記第2のブランチ及び前記第3のブランチは、並列ブランチであり、前記整流器回路の前記第1の出力部は、前記負荷回路の第1の端子に結合され、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの第1の主接点は、互いに結合され、かつ、前記負荷回路の第2の端子に結合され、前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチの第1の主接点は、互いに、かつ、前記整流器回路の前記第2の出力部に結合され、前記スイッチ回路は、前記第1のスイッチの第2の主接点に結合され、前記負荷回路の前記第1の端子に結合される第5のスイッチを含む、請求項2に記載のドライバ。
【請求項5】
前記整流器回路の前記第1の出力部及び前記第2の出力部間に存在する第1の瞬間電圧差から得られる第1の情報に応えて、また、前記コンデンサの接点間に存在する第2の瞬間電圧差から得られる第2の情報に応えて、前記第1のスイッチ、前記第2のスイッチ、前記第3のスイッチ、前記第4のスイッチ及び前記第5のスイッチのうちの少なくとも1つを制御するコントローラを更に含む、請求項4に記載のドライバ。
【請求項6】
前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチそれぞれは、トランジスタを含み、前記充電状態では、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチは、非導通であり、前記バイパス状態では、対応する前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチの一方は非導通であり、もう一方は導通し、前記依存放電状態では、前記第2のスイッチ及び前記第3のスイッチは導通し、前記独立放電状態では、前記第2のスイッチは導通し、前記第3のスイッチは非導通である、請求項4に記載のドライバ。
【請求項7】
前記第1のスイッチ、前記第4のスイッチ及び前記第5のスイッチそれぞれは、ダイオードを含み、前記充電状態では、前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチは導通し、前記第5のスイッチは非導通であり、前記バイパス状態では、対応する前記第1のスイッチ及び前記第4のスイッチの一方は導通し、もう一方は非導通であり、前記第5のスイッチは非導通であり、前記依存放電状態では、前記第1のスイッチ、前記第4のスイッチ及び前記第5のスイッチは非導通であり、前記独立放電状態では、前記第1のスイッチ及び第4のスイッチは非導通であり、前記第5のスイッチは導通する、請求項4に記載のドライバ。
【請求項8】
前記スイッチ回路は更に、第6のスイッチを含み、前記整流器回路の前記第1の出力部は、前記第6のスイッチを用いて、前記負荷回路の前記第1の端子に結合される、請求項4に記載のドライバ。
【請求項9】
前記第6のスイッチは、ダイオードを含む、請求項8に記載のドライバ。
【請求項10】
電流レギュレータと、
前記電流レギュレータを制御するコントローラと、
を更に含み、
前記整流器回路の前記第1の出力部が、前記電流レギュレータを用いて、前記負荷回路の前記第1の端子に結合されるか、前記第1のスイッチ及び前記第2のスイッチの前記第1の主接点が、前記電流レギュレータを用いて、前記負荷回路の前記第2の端子に結合されるか、又は、前記第3のスイッチ及び前記第4のスイッチの前記第1の主接点が、前記電流レギュレータを用いて、前記整流器回路の前記第2の出力部に結合される、請求項4に記載のドライバ。
【請求項11】
前記第2のスイッチ又は前記第3のスイッチは、電流レギュレータを含み、
前記ドライバは更に、
前記電流レギュレータを制御するコントローラを含む、請求項4に記載のドライバ。
【請求項12】
前記供給回路と前記負荷回路との間に結合されるか、前記負荷回路と前記スイッチ回路との間に結合されるか、又は、前記スイッチ回路と前記供給回路との間に結合される電流レギュレータと、
前記電流レギュレータを制御するコントローラと、
を更に含む、請求項1に記載のドライバ。
【請求項13】
前記スイッチ回路は、電流レギュレータを含み、
前記ドライバは更に、
前記電流レギュレータを制御するコントローラを含む、請求項1に記載のドライバ。
【請求項14】
請求項1に記載されるドライバを含み、前記負荷回路を更に含む、デバイス。
【請求項15】
負荷回路を駆動するドライバを動作させる方法であって、
前記ドライバは、供給電流信号を前記負荷回路に提供する供給回路と、前記負荷回路用のエネルギーを蓄積する蓄積回路とを含み、
前記方法は、
前記供給電流信号を用いて、前記蓄積回路を充電するステップと、
前記蓄積回路をバイパスするステップと、
前記供給電流信号と共に、前記負荷回路を用いて前記蓄積回路を放電させるステップと、
或る持続時間の間、前記供給電流信号が遮断されるときに前記負荷回路を用いて前記蓄積回路を放電させるステップと、
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、負荷回路を駆動するドライバに関する。本発明は更に、ドライバを含むデバイスと、ドライバを動作させる方法とに関する。このようなデバイスの例はランプである。
【背景技術】
【0002】
国際特許公開WO2012/131592A1に、整流器ユニット、蓄積ユニット及びブリッジスイッチングユニットを含むドライバが開示されている。このドライバは優れた性能を有する。このドライバは、3つのモード、即ち、蓄積ユニットがバイパスされるモード、蓄積ユニットが供給電流によって充電されるモード、及び、蓄積ユニットが、供給電流と共に、負荷を用いて放電するモードを有する。しかし、幾つかの法令によって、ドライバによって引き起こされる全高調波ひずみを更に低減することが求められている。
【0003】
図8aは、主電源入力電圧の正弦波形と、供給電流のブロック波形とを示し、ここでの定電流源は負荷側にある。これは、0.91の力率と46.8%のTHDとを有する。供給電流のブロック波形は、主電源入力電圧の正弦波形に対して大幅に歪むので、THDが比較的高い。更に、力率をより一層改善することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、改良型ドライバを提供することを目的とする。このような改良型ドライバでは、例えば全高調波ひずみが低減される。本発明は更に、デバイス及び改良された方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施形態の基本的な考えは、電流波形に実質的にゼロの供給電流を形成してTHDを低減するように、供給電流が遮断/カットオフされるかなりの持続時間を有するもう1つのモードを提供することである。このモードにおいて、連続負荷電流を提供するためには、蓄積回路は、負荷を用いて依然として放電する。図8bは、上記遮断されたゼロ供給電流を有する供給電流波形と、主電源入力電圧の正弦波形とを示す。PF及びTHDは、0.96及び27.7%まで改善されている。
【0006】
第1の態様によれば、負荷回路を駆動するドライバが提供される。当該ドライバは、
‐主電源からの供給電流信号を負荷回路に提供する供給回路と、
‐負荷回路用のエネルギーを蓄積する蓄積回路と、
‐蓄積回路、負荷回路及び供給回路に結合されるスイッチ回路と、
を含み、
スイッチ回路は、蓄積回路、負荷回路及び供給回路間の結合を、スイッチングにより、蓄積回路が、
‐供給電流信号を用いて充電され、
‐バイパスされ、
‐供給電流信号と共に、負荷回路を用いて放電され、
‐負荷回路を用いて放電されると同時に、主電源を経由する供給電流信号が遮断され、これがかなりの持続時間の間、持続するように、スイッチングする。
【0007】
供給回路は、供給電流信号を負荷回路に提供し、蓄積回路は、負荷回路用のエネルギーを蓄積し、スイッチ回路は、ドライバを、少なくとも4つの可能な状態のうちの1つにさせる。これらの状態の1つにおいて、蓄積回路は、負荷回路を流れる供給電流信号を用いて充電される。これらの状態の別の1つにおいて、スイッチ回路は、蓄積回路をバイパスする。これらの状態の別の1つにおいて、蓄積回路は、負荷回路を流れる供給電流信号を用いて放電される。これらの状態の別の1つにおいて、蓄積回路は、供給電流信号を用いてではなく、負荷回路を用いて放電される。
【0008】
つまり、蓄積回路は、供給電流信号を用いて放電可能であり、このためには、負荷回路が関与し、また、蓄積回路は、負荷回路を用いて放電可能であり、このためには、供給電流信号が関与しない。
【0009】
したがって、通常の状態に加えて、蓄積回路が、供給電流信号を用いてではなく、負荷回路を用いて放電される更なる状態が作り出されている。この状態の間、負荷回路は、供給電流信号が関与することなく、蓄積回路を用いて供給される。結果として、ドライバによって引き起こされる全高調波ひずみが更に低減される。これは大きな技術的利点である。
【0010】
スイッチ回路が、ドライバを、供給電流信号を用いて蓄積回路を充電する充電状態と、蓄積回路をバイパスするバイパス状態と、供給電流信号と共に、負荷回路を用いて蓄積回路を放電させる依存放電状態と、供給電圧信号が最低レベルを有するときに、主電源のゼロ交差付近で遮断される供給電流信号とは無関係に、負荷回路を用いて蓄積回路を放電させる独立放電状態にさせ、独立放電状態のかなりの持続時間は、供給電流信号と、全高調波ひずみの所望値とに依存するドライバの一実施形態が規定される。
【0011】
通常の充電状態、通常のバイパス状態及び通常の依存放電状態に加えて、蓄積回路が負荷回路を用いて、また、供給電流信号とは無関係に放電される独立放電状態が作り出されている。負荷回路を介する蓄積回路の放電、即ち、供給電流信号とは無関係の蓄積回路を介する負荷回路の給電は、THDを更に低減する大きな技術的利点である。
【0012】
供給回路が、供給源回路から交流供給電圧信号を受信する第1及び第2の入力部を含む整流器回路を含み、また、交流供給電圧信号の2つの続いて起こるゼロ交差間で、ドライバを、独立放電状態、依存放電状態、バイパス状態、充電状態、バイパス状態、依存放電状態及び独立放電状態にこの順序で順次的にさせるように、スイッチ回路を制御するコントローラを更に含むドライバの一実施形態が規定される。
【0013】
供給回路は、例えば主電源から来る50Hz又は60Hz電圧信号といった供給源回路からの交流供給電圧信号を受信する第1及び第2の入力部を有する整流器回路を含む。ドライバは更に、交流供給電圧信号の2つの続いて起こるゼロ交差間で、ドライバを、独立放電状態、依存放電状態、バイパス状態、充電状態、バイパス状態、依存放電状態及び独立放電状態にこの特定の順序でさせるように、スイッチ回路を制御するコントローラを含む。ゼロ交差付近において、交流供給電圧信号が、最低レベルを有するときに、蓄積回路が、供給電流信号とは無関係に負荷回路を用いて放電される独立放電状態が導入される。つまり、交流供給電圧信号が、最低レベルを有するときに、負荷回路は、供給電流信号とは無関係に蓄積回路を放電させることによって給電される。これは大きい技術的な利点である。
【0014】
ここで、上記特定の順序は、電圧レベルによって要求される場合に、すでに列挙されている状態よりも多くの状態を含んでよいことに留意しなければならない。したがって、続いて起こる状態のこのリストは、最小限で、非排他的なリストであり、より多くの状態があってよく、上記された種類のうちの1つのそれぞれがあってよい。上記特定の順序以外の順序も可能であり、除外されない。
【0015】
供給回路が、供給電流信号を提供する第1及び第2の出力部を含む整流器回路を含み、蓄積回路が、第1のブランチにコンデンサを含み、スイッチ回路が、第2のブランチに第1及び第2のスイッチを含み、スイッチ回路が、第3のブランチに第3及び第4のスイッチを含み、第1、第2及び第3のブランチは、並列ブランチであり、整流器回路の第1の出力部は、負荷回路の第1の端子に結合され、第1及び第2のスイッチの第1の主接点は、互いに結合され、かつ、負荷回路の第2の端子に結合され、第3及び第4のスイッチの第1の主接点は、互いに、かつ、整流器回路の第2の出力部に結合され、スイッチ回路が、第1のスイッチの第2の主接点に結合され、負荷回路の第1の端子に結合される第5のスイッチを含むドライバの一実施形態が規定される。
【0016】
この単純で、低価格及びロバストな実施形態によれば、スイッチ回路は、国際特許公開WO2012/131592A1におけるブリッジスイッチングユニットでも開示されている4つのスイッチを含み、スイッチ回路は更に、独立放電状態を実現させる第5のスイッチを含む。
【0017】
整流器回路の出力部間に存在する第1の瞬間電圧差から得られる第1の情報に応えて、また、コンデンサの接点間に存在する第2の瞬間電圧差から得られる第2の情報に応えて、スイッチのうちの少なくとも1つを制御するコントローラを更に含むドライバの一実施形態が規定される。
【0018】
コントローラは、例えば整流器回路の出力間に存在する第1の瞬間電圧差から得られる第1の情報に応えて、また、例えばコンデンサの両端間に存在する第2の瞬間電圧差から得られる第2の情報に応えて、スイッチのうちの少なくとも1つを制御する。この単純で、低価格及びロバストな実施形態によれば、ドライバは、1つ以上の瞬間電圧差によって規定される時間における適切な瞬間に適切な状態にされる。
【0019】
第2及び第3のスイッチそれぞれが、トランジスタを含み、充電状態では、第2及び第3のスイッチは、非導通であり、バイパス状態では、対応する第2及び第3のスイッチの一方は非導通であり、もう一方は導通し、依存放電状態では、第2及び第3のスイッチは導通し、独立放電状態では、第2のスイッチは導通し、第3のスイッチは非導通であるドライバの一実施形態が規定される。この単純で、低価格及びロバストな実施形態によれば、スイッチのうちの2つのみが、制御される必要のあるトランジスタの形である。トランジスタの形の第2及び第3のスイッチを制御することによって、各状態を簡単に実現することができる。
【0020】
第1、第4及び第5のスイッチそれぞれが、ダイオードを含み、充電状態では、第1及び第4のスイッチは導通し、第5のスイッチは非導通であり、バイパス状態では、対応する第1及び第4のスイッチの一方は導通し、もう一方は非導通であり、第5のスイッチは非導通であり、依存放電状態では、第1、第4及び第5のスイッチは非導通であり、独立放電状態では、第1及び第4のスイッチは非導通であり、第5のスイッチは導通するドライバの一実施形態が規定される。この単純で、低価格及びロバストな実施形態によれば、スイッチのうちの3つが、制御される必要のないダイオードの形である。充電状態、バイパス状態及び依存放電状態では、ダイオードの形の第5のスイッチは非導通であり、独立放電状態においてのみ、ダイオードの形の第5のスイッチは導通する。
【0021】
スイッチ回路が更に、第6のスイッチを含み、整流器回路の第1の出力部が、第6のスイッチを用いて、負荷回路の第1の端子に結合されるドライバの一実施形態が規定される。この単純で、低価格及びロバストな実施形態によれば、第6のスイッチは、例えば整流器回路の出力部間の瞬間電圧差を測定できるように導入される。
【0022】
第6のスイッチが、ダイオードを含むドライバの一実施形態が規定される。この単純で、低価格及びロバストな実施形態によれば、第6のスイッチは、整流器回路の出力部間の瞬間電圧差を測定できるように、制御される必要のないダイオードの形にある。
【0023】
電流レギュレータと、電流レギュレータを制御するコントローラとを更に含み、整流器回路の第1の出力部が、電流レギュレータを用いて、負荷回路の第1の端子に結合されるか、第1及び第2のスイッチの第1の主接点が、電流レギュレータを用いて、負荷回路の第2の端子に結合されるか、又は、第3及び第4のスイッチの第1の主接点が、電流レギュレータを用いて、整流器回路の第2の出力部に結合されるドライバの一実施形態が規定される。
【0024】
この実施形態によれば、整流器回路の第1及び第2の出力部間にある直列ブランチ内の電流レギュレータが、負荷電流信号の値を調節する。この負荷電流信号は、整流器回路によって提供される供給電流信号であっても、独立放電状態において、コンデンサによって提供される放電電流信号であってもよい。コントローラは、負荷電流信号の瞬間値を制御する。
【0025】
第2のスイッチ又は第3のスイッチが、電流レギュレータを含み、電流レギュレータを制御するコントローラを更に含むドライバの一実施形態が規定される。
【0026】
この実施形態によれば、第2及び第3のスイッチの少なくとも1つが、電流レギュレータの形の特定のスイッチを流れるスイッチ電流信号の値を調節する電流レギュレータを含む。このスイッチ電流信号は、整流器回路によって提供される供給電流信号であっても、独立放電状態において、コンデンサによって提供される放電電流信号であってもよい。コントローラは、スイッチ電流信号の瞬間値を制御する。
【0027】
供給回路と負荷回路との間に結合されるか、負荷回路とスイッチ回路との間に結合されるか、又は、スイッチ回路と供給回路との間に結合される電流レギュレータと、当該電流レギュレータを制御するコントローラとを更に含むドライバの一実施形態が規定される。
【0028】
この実施形態によれば、負荷回路を更に含む直列ブランチにおける電流レギュレータが、負荷電流信号の値を調節する。この負荷電流信号は、整流器回路によって提供される供給電流信号であっても、独立放電状態において、コンデンサによって提供される放電電流信号であってもよい。コントローラは、負荷電流信号の瞬間値を制御する。
【0029】
スイッチ回路が、電流レギュレータを含み、電流レギュレータを制御するコントローラを更に含むドライバの一実施形態が規定される。
【0030】
この実施形態によれば、スイッチ回路は、スイッチ回路(の一部)を流れるスイッチ電流信号の値を調節する電流レギュレータを含む。このスイッチ電流信号は、供給回路によって提供される供給電流信号であっても、独立放電状態において、コンデンサによって提供される放電電流信号であってもよい。コントローラは、スイッチ電流信号の瞬間値を制御する。
【0031】
第2の態様によれば、ドライバを含むデバイスが提供される。当該デバイスは更に、負荷回路を含む。負荷回路は、例えば照明回路を含む。照明回路は、例えばどの種類でも、どの組み合わせでもよい1つ以上の発光ダイオードを含む発光ダイオード回路を含む。照明回路は、例えば上記電流レギュレータを1つ以上すでに含むか又は上記電流レギュレータに直列結合されるタップラインLEDを含んでよい。
【0032】
第3の態様によれば、負荷回路を駆動するドライバを動作させる方法が提供される。ドライバは、供給電流信号を負荷回路に提供する供給回路と、負荷回路用のエネルギーを蓄積する蓄積回路とを含む。上記方法は、
‐供給電流信号を用いて、蓄積回路を充電するステップと、
‐蓄積回路をバイパスするステップと、
‐供給電流信号を用いて、蓄積回路を放電させるステップと、
‐負荷回路を用いて、蓄積回路を放電させるステップとを含む。
【0033】
デバイスの実施形態と方法の実施形態とは、ドライバの実施形態に対応する。ドライバの様々な実施形態は任意に組み合わせることができる。
【0034】
基本的な考え方は、負荷回路を駆動するドライバにおいて、蓄積回路が、供給電流信号を介する充電と、パイパスと、供給電流信号を介する放電と、負荷回路を介する放電とにスイッチングされることである。
【0035】
全高調波ひずみが低減される改良型ドライバを提供するという目的は達成された。更なる利点は、当該ドライバは、効率も向上させ、また、単純で、低価格及びロバストである点である。
【0036】
本発明のこれらの及び他の態様は、以下に説明される実施形態から明らかとなり、また、当該実施形態を参照して説明される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1図1は、ドライバの一実施形態を示す。
図2図2は、コントローラの一実施形態を示す。
図3図3は、独立放電状態を示す。
図4図4は、依存放電状態を示す。
図5図5は、バイパス状態を示す。
図6図6は、充電状態を示す。
図7図7は、ドライバの別の実施形態を示す。
図8a図8aは、供給電流及び供給電圧波形を示し、ここでは、供給電流は遮断されていない。
図8b図8bは、供給電流及び供給電圧波形を示し、ここでは、供給電流は、本発明の一実施形態に従って、かなりの持続時間の間、遮断されている。
図9図9は、本発明の一実施形態による波形を示す。
【発明を実施するための形態】
【0038】
図1に、ドライバの一実施形態が示される。負荷回路100を駆動するドライバ1−10は、負荷回路100に供給電流信号を提供する供給回路1を含む。ドライバ1−10は更に、負荷回路100用のエネルギーを蓄積する蓄積回路2と、蓄積回路2をスイッチングするスイッチ回路3−8とを含む。スイッチングされた蓄積回路2は、供給電流信号を用いて充電され、バイパスされ、供給電流信号を用いて放電され、また、負荷回路100を用いて放電される。
【0039】
スイッチ回路3−8は、ドライバ1−10を、供給電流信号を用いて蓄積回路2を充電する充電状態と、蓄積回路2をバイパスするバイパス状態と、供給電流信号を用いて蓄積回路2を放電させる依存放電状態と、供給電流信号とは独立して負荷回路100を用いて蓄積回路2を放電させる独立放電状態とにさせる。
【0040】
供給回路1は、例えば図示されていない供給源回路から交流供給電圧信号を受信する第1及び第2の入力部を含む整流器ブリッジといった整流器回路を含む。ドライバ1−10は更に、スイッチ回路3−8を制御するコントローラ10を含む。制御されたスイッチ回路3−8は、交流供給電圧信号の2つの続いて起こるゼロ交差間で、ドライバ1−10を、独立放電状態、依存放電状態、バイパス状態、充電状態、バイパス状態、依存放電状態及び独立放電状態にこの特定の順序でさせる。これにより、追加の状態が除外されず、上記4種類のうちの1つのそれぞれがある。しかし、上記特定の順序以外の順序も可能であり、除外されない。
【0041】
例えば整流器ブリッジといった整流器回路は、負荷回路100に供給電流信号を提供する第1の(正)出力部及び第2の(負)出力部を含む。蓄積回路2は、第1のブランチに、例えばどの種類でもよい単一のコンデンサを含む。しかし、どの種類でも、どの組み合わせでもよい2つ以上のコンデンサも除外されない。スイッチ回路3−8は、第2のブランチに、例えば第1のスイッチ3及び第2のスイッチ4を含み、また、第3のブランチに、例えば第3のスイッチ5及び第4のスイッチ6を含む。第1、第2及び第3のブランチは、並列ブランチであってよい。整流器回路の第1の出力部は、負荷回路100の第1の端子に結合されてよい。第1のスイッチ3及び第2のスイッチ4の第1の主接点は、互いに結合され、かつ、負荷回路100の第2の端子に結合されてよい。第3のスイッチ5及び第4のスイッチ6の第1の主接点は、互いに、かつ、整流器回路の第2の出力部に結合されてよい。
【0042】
スイッチ回路3−8は、例えば第1のスイッチ3の第2の主接点に結合され、負荷回路100の第1の端子に結合される第5のスイッチ7を含む。コントローラ10は更に、これらのスイッチ3乃至7の少なくとも1つを制御する。スイッチ回路3−8は更に、例えば第6のスイッチ8を含む。整流器回路の第1の出力部は、第6のスイッチ8を用いて、負荷回路100の第1の端子に結合される。
【0043】
ドライバ1−10は更に、電流レギュレータ9を含んでよい。整流器回路の第1の出力部は、電流レギュレータ9を用いて、負荷回路100の第1の端子に結合される(図示せず)か、第1のスイッチ3及び第2のスイッチ4の第1の主接点は、電流レギュレータ9を用いて、負荷回路100の第2の端子に結合される(図示せず)か、又は、第3のスイッチ5及び第4のスイッチ6の第1の主接点は、電流レギュレータ9を用いて、整流器回路の第2の出力部に結合されてよい(図示せず)。コントローラ10は更に、電流レギュレータ9を制御してもよい。
【0044】
これらの6つのスイッチ3乃至8の各スイッチは、任意の種類のスイッチであってよい。好適な実施形態によれば、第2のスイッチ4及び第3のスイッチ5は、それぞれ、どの種類でもよいトランジスタを含む。第2のスイッチ4及び第3のスイッチ5は、充電状態では、非導通である。パイパス状態では、対応する第2のスイッチ4及び第3のスイッチ5の一方(「対応する」について、スイッチ3、6も参照されたい)は非導通であり、他方は導通する。依存放電状態では、第2のスイッチ4及び第3のスイッチ5は、導通する。独立放電状態では、第2のスイッチ4が導通し、第3のスイッチ5が非導通である。
【0045】
好適な実施形態によれば、第1のスイッチ3、第4のスイッチ6、第5のスイッチ7及び第6のスイッチ8は、それぞれ、図示されるように、ダイオードを含む。充電状態では、第1のスイッチ3、第4のスイッチ6及び第6のスイッチ8は導通し、第5のスイッチ7は非導通である。バイパス状態では、対応する第1のスイッチ3及び第4のスイッチ6の一方は導通し、他方は非導通であり(「対応する」について、スイッチ4、5も参照されたい)、第5のスイッチ7は非導通であり、第6のスイッチ8は導通する。依存放電状態では、第1のスイッチ3、第4のスイッチ6及び第5のスイッチ7は非導通であり、第6のスイッチ8は、導通する。独立放電状態では、第1のスイッチ3、第4のスイッチ6及び第6のスイッチ8は非導通であり、第5のスイッチ7は導通する。これらの状態については、図3乃至図6を考慮して詳細に説明される。
【0046】
図1では、第1のスイッチ3の第1の主接点は、アノードである。第1のスイッチ3のカソードは、第5のスイッチ7のアノードに結合される。第5のスイッチ7のカソードは、第6のスイッチ8のカソードに結合され、かつ、負荷回路100の第1の端子に結合される。第6のスイッチ8のアノードは、整流器回路の第1の出力部に結合される。図1では、第4のスイッチ6の第1の主接点は、カソードである。しかし、他の種類の接点及び他の種類の極性も可能である。
【0047】
図2に、コントローラの一実施形態が示される。コントローラ10は、例えばスイッチ回路3―8(の少なくとも一部)を制御し、及び/又は、スイッチ3乃至8(の1つ以上)を制御する。この制御は、整流器回路の出力部間に存在する第1の瞬間電圧差から得られる第1の情報と、コンデンサの接点間に存在する第2の瞬間電圧差から得られる第2の情報とに応えて行われる。更に、コントローラ10は、整流器回路の第1の出力部に結合される入力部を有する第1の電圧分配器11と、コンデンサの正接点に結合される入力部を有する第2の電圧分配器12とを含む。電圧分配器11、12の出力部は、例えばマイクロコントローラといったプロセッサ13の入力部に結合される。プロセッサ13の第1及び第2の出力部は、必要ならば、プロセッサ13の基準端子の選択に応じて、例えば図示されないレベルシフタ又は光学カプラを用いて、第2のスイッチ4及び第3のスイッチ5を制御するために使用される。プロセッサ13の第3の出力部は、例えば光学カプラ14を用いて、又は、図示されないレベルシフタを用いて、電流レギュレータ9を制御するためにバッファ/フィルタ15に結合される。第1の電圧分配器11、第2の電圧分配器12及びプロセッサ13の電圧基準端子は、コンデンサの負接点であってよいが、他の電圧基準端子も除外されない。
【0048】
図3に、独立放電状態が示される。この状態では、スイッチ3は非導通であり、スイッチ4は導通し(したがって、スイッチ3は、コンデンサの両端間に存在する電圧差によって逆バイアスされる)、スイッチ5は非導通であり、スイッチ7は導通し、スイッチ6及び8の少なくとも1つは非導通であり、これにより、供給電流信号は遮断される。この場合、コンデンサは、供給電流信号とは無関係に、スイッチ7、負荷回路100及びスイッチ4を用いて放電される。このモードでは、第4のモードの特徴は次の通りである。
‐連続負荷電流I
‐エネルギーは、蓄積要素によって供給される:I=−I
‐AC源に結合するブリッジ整流器の入力側における供給電流は実質的にゼロである。
‐供給電流がゼロである間に、連続負荷電流(及び蓄積コンデンサ電流)を可能とするために、追加の要素が使用され、本実施形態では、これらの追加の要素は、ダイオード7及び8である。
【0049】
図4に、依存放電状態が示される。この状態では、スイッチ3は非導通であり、スイッチ4は導通し(したがって、スイッチ3は、コンデンサの両端間に存在する電圧差によって逆バイアスされる)、スイッチ5は導通し、スイッチ6及び7は非導通であり、スイッチ8は導通し、これにより、供給電流信号は遮断されない。この場合、コンデンサは、(供給電流信号が、コンデンサをその負接点からその正接点へ流れることにより)、供給電流信号を使用しつつ、スイッチ5、整流器回路、スイッチ8、負荷回路100及びスイッチ4を用いて放電される。
【0050】
図5に、バイパス状態が示される。この状態では、スイッチ3は導通し、スイッチ4は非導通であり、スイッチ5は導通し、スイッチ6及び7は非導通であり、スイッチ8は導通し、これにより、供給電流信号は遮断されない。この場合、コンデンサはバイパスされ、供給電流信号は、コンデンサを無視しつつ、整流器回路から、スイッチ8、負荷回路100、スイッチ3及びスイッチ5を用いて流れ、整流器回路に戻る。図示されるバイパス状態は、いわゆるトップバイアス状態である。明らかに、代わりに、スイッチ3及び5が非導通であり、スイッチ4及び6が導通するボトムバイパス状態が作成されてもよい。
【0051】
図6に、充電状態が示される。この状態では、スイッチ3は導通し、スイッチ4は非導通であり、スイッチ5は非導通であり、スイッチ6は導通し、スイッチ7は非導通であり、スイッチ8は導通し、これにより、供給電流信号は遮断されない。この場合、コンデンサは、(供給電流信号が、コンデンサをその正接点からその負接点へ流れることにより)、供給電流信号を使用しつつ、スイッチ6、整流器回路、スイッチ8、負荷回路100及びスイッチ3を用いて充電される。
【0052】
好適には、整流器回路の入力部に供給される交流供給電圧信号の2つの続いて起こるゼロ交差間で、ドライバ1−10は、独立放電状態(図3)、依存放電状態(図4)、バイパス状態(図5)、充電状態(図6)、バイパス状態(図5)、依存放電状態(図4)及び独立放電状態(図3)にこの特定の順序でされる。これにより、追加の状態が除外されず、上記4種類のうちの1つのそれぞれがある。上記特定の順序以外の順序も除外されない。充電状態では、コンデンサは、十分な量の電荷が、放電状態の際に放電可能となるように存在し続けるように充電される。
【0053】
一般に、第2(第3)のブランチにおいて、スイッチ3、4(5、6)の一方が導通する場合、他方は非導通であり、その反対も同様である。一般に、ダイオードの形のスイッチ3、5、7、8が導通する(順方向バイアス)又は非導通(逆バイアス)であるかは、電圧環境に依存し、また、この電圧環境は、トランジスタの形のスイッチ4、5がスイッチングされるやり方に依存する。一般に、コンデンサの両端間に存在する電圧差は、正常な状況におけるダイオードの順方向バイアス電圧値よりも大きい。図3乃至図6では、電流レギュレータ9は、明瞭さのために省かれている。一般に、このような電流レギュレータ9によって、制御オプションの数が増える。
【0054】
同様に、第2(第3)のスイッチ4(5)は、電流レギュレータ(図示せず)を含み、スイッチ回路3−8は、電流レギュレータ(図示せず)を含み、これにより、コントローラ10は、これらの電流レギュレータを制御してもよい。ここでも、このような電流レギュレータによって、制御オプションの数が増える。2つ以上の電流レギュレータが導入されてよい。ダイオードの形のスイッチ3、6も、例えば充電状態において供給電流信号を制御できるように、電流レギュレータを用いて実現されてもよい。充電状態では、スイッチ4及び5は非導通であり、したがって、オフサイド位置にある。或いは、充電状態において供給電流信号を制御できるように、電流レギュレータが、コンデンサと直列に、第1のブランチに挿入されてもよい。
【0055】
図7に、ドライバの別の実施形態が示される。この実施形態は、図1に示される実施形態とは、電流レギュレータ9が省略され、負荷回路100及びスイッチ7、8が、ここでは、コンデンサの右側に置かれている点で異なる。図1では、負荷回路100及びスイッチ7、8は、コンデンサの左側に置かれている。
【0056】
第1及び第2の要素が、第3の要素を用いて、間接的に結合されても、第3の要素を間に有さずに、直接的に結合されてもよい。プロセッサ13は、所望の電流波形を作成するために、式又はルックアップテーブルを使用して供給電流信号を形作る。実験によって、20%未満の全高調波ひずみ及び0.1未満のフリッカインデックスが、単純、低価格及びロバストな環境において可能であることが分かった。
【0057】
主電源電流は、次式によって簡単に変調される:
SET=IDC(a+(1−a)×sin(2πft))
ここで、aは、0乃至1の実数値であり、fは、主電源周波数である。これは、正弦波成分にDC成分を合わせたものと考えることができる。
【0058】
上記式の背後にある論拠は、aが0である場合、負荷が利用可能である電力は、純粋正弦波であることである。DC成分が高いほど(式において1に近づく場合)、LEDの利用が多くなる。しかし、高DC成分を有することは、高THDをもたらす。EUの主電源220V ACの場合、aが0.5である場合、THDは26.4%であると計算することができる。ゼロ交差付近で、主電源電流の一部をカットオフすることによって、THDを再び下げることができる。遮断された供給電流の持続時間は、長すぎても短すぎてもよくない。EUの主電源について、カットオフ閾値は、例えば90Vと決定することができる。この場合、THDは、18.3%まで下げることができる。或いは、USの主電源110V ACについて、カットオフ閾値は、例えば45ボルトと決定することができる。
【0059】
図9は、本発明の一実施形態の波形を示す。第1の列において、正弦波形は、整流された主電源入力電圧であり、もう1つの波形は、負荷電圧である。第2の列は、負荷電力を示す。第3の列は、負荷電流を示し、第4の列は、主電源供給電流を示す。負荷電流と主電源供給電流とを比較することによって、主電源供給電流はゼロとして遮断されているが、コンデンサは、主電源入力電圧のゼロ交差付近において、負荷回路を用いて依然として放電していることが見て取れる。
【0060】
要約するに、負荷回路100を駆動するドライバ1−10は、供給電流信号を負荷回路100に提供する供給回路1と、負荷回路100用のエネルギーを蓄積する蓄積回路2と、蓄積回路2をスイッチングするスイッチ回路3−8とを含む。スイッチングされた蓄積回路2は、充電状態では、供給電流信号を用いて充電され、バイパス状態では、バイパスされ、依存放電状態では、供給電流信号を用いて放電され、独立放電状態では、供給電流信号とは無関係に、負荷回路100を用いて放電される。ドライバ1−10は更に、供給回路1に供給される信号の2つの続いて起きるゼロ交差間で、ドライバ1−10を、独立放電状態、依存放電状態、バイパス状態、充電状態、バイパス状態、依存放電状態及び独立放電状態にこの特定の順序でさせるように、スイッチ回路3−8を制御するコントローラ10を含む。これらのドライバ1−10では、全高調波ひずみが低減される。
【0061】
本発明は、図面及び上記説明において詳細に例示及び説明されたが、当該例示及び説明は、例示であって、限定と解釈されるべきではない。本発明は、開示された実施形態に限定されない。開示された実施形態の他の変形態様は、図面、開示内容及び添付の請求項の検討から、請求項に係る発明を実施する当業者によって理解され、実施される。請求項において、「含む」との用語は、他の要素又はステップを排除するものではなく、また、「a」又は「an」との不定冠詞も、複数形を排除するものではない。特定の手段が相互に異なる従属請求項に記載されることだけで、これらの手段の組み合わせを有利に使用することができないことを示すものではない。請求項における任意の参照符号は、範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8a
図8b
図9