(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346032
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラム
(51)【国際特許分類】
A61B 6/03 20060101AFI20180611BHJP
【FI】
A61B6/03 360Q
A61B6/03 360G
A61B6/03 377
A61B6/03 371
A61B6/03ZDM
【請求項の数】5
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-169775(P2014-169775)
(22)【出願日】2014年8月22日
(65)【公開番号】特開2016-43066(P2016-43066A)
(43)【公開日】2016年4月4日
【審査請求日】2016年10月28日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000250339
【氏名又は名称】株式会社リガク
(74)【代理人】
【識別番号】100114258
【弁理士】
【氏名又は名称】福地 武雄
(72)【発明者】
【氏名】原 幸寛
(72)【発明者】
【氏名】小池 崇文
(72)【発明者】
【氏名】前澤 稔
【審査官】
伊知地 和之
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2004/0263535(US,A1)
【文献】
特表2014−519953(JP,A)
【文献】
特開2007−007255(JP,A)
【文献】
特開2009−034503(JP,A)
【文献】
特開2006−320722(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2012/0321033(US,A1)
【文献】
特表2015−527909(JP,A)
【文献】
国際公開第2014/009859(WO,A2)
【文献】
特開2012−225905(JP,A)
【文献】
特表2005−518915(JP,A)
【文献】
特開2003−290192(JP,A)
【文献】
特開2007−135843(JP,A)
【文献】
特開2010−264232(JP,A)
【文献】
特開2001−170018(JP,A)
【文献】
特開2011−115562(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2005/0286683(US,A1)
【文献】
米国特許出願公開第2004/0247076(US,A1)
【文献】
特開2010−236913(JP,A)
【文献】
特開2001−051593(JP,A)
【文献】
特開2015−223324(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00 − 6/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の異常部位の特定に用いられる画像処理装置であって、
特定の被検体を撮影することにより得られたX線透視画像および写真画像の各画像から抽出された前記特定の被検体の輪郭データ間について位置合わせデータを算出する算出部と、
前記算出された位置合わせデータを用いて、前記X線透視画像に関連付けられた3次元X線CT画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示する表示処理部と、
前記2次元生体光像における受光面に平行な面で、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成する断面画像生成部と、
ユーザによる前記断面画像上の範囲指定操作を受け付ける操作受付部と、を備え、
前記断面画像生成部は、2次元生体光像の受光面に垂直な方向の所定範囲内について前記3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成し、
前記表示処理部は、前記生成された3次元X線CT画像の断面画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示し、
前記断面画像生成部は、前記重ね合わせた画像の表示後に受け付けた範囲指定操作に基づいて、前記指定された範囲について2次元生体光像の受光面に垂直な方向について前記3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記算出部は、前記X線透視画像および前記写真画像の各画素サイズの比から、前記輪郭データ間についての位置合わせデータとして拡大率を算出することを特徴とする請求項1記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記算出部は、前記拡大率を用いて前記輪郭データ間のサイズを調整した後、前記輪郭データ間の相関値が所定の条件を満たすように、前記輪郭データ間の位置合わせデータとして、平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角を算出することを特徴とする請求項2記載の画像処理装置。
【請求項4】
コンピュータにより実行され、被検体の異常部位の特定に用いられる画像処理方法であって、
特定の被検体を撮影することにより得られたX線透視画像および写真画像の各画像から抽出された前記特定の被検体の輪郭データ間について位置合わせデータを算出するステップと、
前記算出された位置合わせデータを用いて、前記X線透視画像に関連付けられた3次元X線CT画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示するステップと、
前記2次元生体光像における受光面に平行な面で、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成するステップと、
を含み、
前記断面画像を生成するステップでは、2次元生体光像の受光面に垂直な方向の所定範囲内について前記3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成し、前記生成された3次元X線CT画像の断面画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示し、
ユーザによる前記断面画像上の範囲指定操作を受け付け、
前記重ね合わせた画像の表示後に受け付けた範囲指定操作に基づいて、前記指定された範囲について2次元生体光像の受光面に垂直な方向について前記3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成することを特徴とする画像処理方法。
【請求項5】
被検体の異常部位の特定に用いられる画像処理プログラムであって、
特定の被検体を撮影することにより得られたX線透視画像および写真画像の各画像から抽出された前記特定の被検体の輪郭データ間について位置合わせデータを算出する処理と、
前記算出された位置合わせデータを用いて、前記X線透視画像に関連付けられた3次元X線CT画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示する処理と、
前記2次元生体光像における受光面に平行な面で、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成する処理と、を含む一連の処理をコンピュータに実行させ、
前記断面画像を生成する処理では、2次元生体光像の受光面に垂直な方向の所定範囲内について前記3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成し、前記生成された3次元X線CT画像の断面画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示し、
ユーザによる前記断面画像上の範囲指定操作を受け付け、
前記重ね合わせた画像の表示後に受け付けた範囲指定操作に基づいて、前記指定された範囲について2次元生体光像の受光面に垂直な方向について前記3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成することを特徴とする画像処理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被検体の異常部位の特定に用いられる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、生体を対象としたイメージング技術が進歩し、マウスやラット等の実験用動物の生体内をリアルタイムにスキャンして画像を取得して、病変部位を特定し、解析することが可能になっている。特に生きた実験動物を用いたin vivoイメージングは、重要な技術として開発が進められている。
【0003】
実験用動物の体内の観察にはX線CT撮影が有効である。X線CT撮影では、被検体に対して測定系を回転させて複数の透視画像データを撮影し、撮影された透視画像データから3次元CT画像を再構成する方法が知られている(例えば、特許文献1)。
【0004】
一方、実験用動物の体内において病変部位を特定し観察するには、蛍光イメージングが有効である。蛍光イメージングは、蛍光ラベル化されたプローブを生体内のターゲット部位に集積させて、プローブの動態を体外からモニタリングする技術であり、蛍光試薬の濃度を光学顕微鏡で検出する方法が知られている(例えば、特許文献2)。
【0005】
そして、上記のようなX線CT撮影と蛍光イメージングとを連携させる技術が研究され、提案されている。例えば、特許文献3記載の装置は、X線CT撮影計画立案用の透過X線画像と対応するRI分布画像とを重ね合わせて表示し、オペレータによるX線CT撮影計画の的確な立案を可能にしている。
【0006】
また、特許文献4記載の画像処理システムは、2次元蛍光像および3DのMR/CT画像を融合または複合の画像として位置合わせしその画像を表示している。その結果、身体ボリュームについて捕捉された生の2次元画像データを別のシステムで得られた3次元ボリュームデータに関連付けて表示することを可能にしている。
【0007】
また、特許文献5記載のシステムは、マイクロX線トモグラフィーのシステムと光学イメージングのシステムとを集積させている。そして、別々のシステム間で被検体を移動させることなく、複数種類の画像を撮影可能にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2013−223643号公報
【特許文献2】特開2010−032338号公報
【特許文献3】特開2007−159769号公報
【特許文献4】特表2008−532612号公報
【特許文献5】米国特許出願公開第2012/0321033号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、これらのX線CT撮影と蛍光イメージングとを融合させる技術では、負担のかかる処理手順が適用されており、簡易かつ正確に被検体の異常部位の特定や解析ができない。例えば特許文献4記載のシステムでは、2D画像データがまず3D画像データに位置合わせされており、必ずしも簡易とはいえない処理が行われている。
【0010】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、被検体の断面画像に3次元X線CT画像および2次元蛍光像を自動的に重ね合わせて表示でき、簡易かつ正確に被検体の異常部位の特定や解析が可能となる画像処理装置、画像処理方法および画像処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記の目的を達成するため、本発明の画像処理装置は、被検体の異常部位の特定に用いられる画像処理装置であって、特定の被検体を撮影することにより得られたX線透視画像および写真画像の各画像から抽出された前記特定の被検体の輪郭データ間について位置合わせデータを算出する算出部と、前記算出された位置合わせデータを用いて、前記X線透視画像に関連付けられた3次元X線CT画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示する表示処理部と、を備えることを特徴としている。
【0012】
これにより、被検体の断面画像に3次元X線CT画像および2次元生体光像を自動的に重ね合わせて表示でき、簡易かつ正確に被検体の異常部位の特定や解析が可能となる。
【0013】
(2)また、本発明の画像処理装置は、前記2次元生体光像における受光面に平行な面で、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成する断面画像生成部を更に備えることを特徴としている。これにより、3次元X線CT画像の断面画像を表示でき、最大値投影法を適用してさらに病変部位を正確に特定できる。
【0014】
(3)また、本発明の画像処理装置は、前記断面画像生成部が、2次元生体光像の受光面に垂直な方向の所定範囲内について前記3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成することを特徴としている。これにより、自動で最大値投影法を適用した3次元X線CT画像の断面画像を表示できるため、正確に被検体の異常部位を特定できる。
【0015】
(4)また、本発明の画像処理装置は、ユーザにより前記断面画像上の範囲指定操作を受け付ける操作受付部を更に備え、前記断面画像生成部は、前記指定された範囲について2次元生体光像の受光面に垂直な方向について前記3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、前記3次元X線CT画像の断面画像を生成することを特徴としている。これにより、複数の病変部があったときに使用者は必要に応じて部分的にCT最大値投影法を用いることで簡便な操作で病変部位を特定しやすくし、利便性を向上できる。
【0016】
(5)また、本発明の画像処理装置は、前記算出部が、前記X線透視画像および前記写真画像の各画素サイズの比から、前記輪郭データ間についての位置合わせデータとして拡大率を算出することを特徴としている。これにより、輪郭データ間についての位置合わせデータとして拡大率を正確に算出することができる。
【0017】
(6)また、本発明の画像処理装置は、前記算出部が、前記拡大率を用いて前記輪郭データ間のサイズを調整した後、前記輪郭データ間の相関値が所定の条件を満たすように、前記輪郭データ間の位置合わせデータとして、平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角を算出することを特徴としている。これにより、輪郭データ間についての位置合わせデータとして尤もらしい平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角を算出することができる。
【0018】
(7)また、本発明の画像処理方法は、コンピュータにより実行され、被検体の異常部位の特定に用いられる画像処理方法であって、特定の被検体を撮影することにより得られたX線透視画像および写真画像の各画像から抽出された前記特定の被検体の輪郭データ間について位置合わせデータを算出するステップと、前記算出された位置合わせデータを用いて、前記X線透視画像に関連付けられた3次元X線CT画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示するステップと、を含むことを特徴としている。これにより、簡易かつ正確に被検体の異常部位の特定や解析が可能となる。
【0019】
(8)また、本発明の画像処理プログラムは、被検体の異常部位の特定に用いられる画像処理プログラムであって、特定の被検体を撮影することにより得られたX線透視画像および写真画像の各画像から抽出された前記特定の被検体の輪郭データ間について位置合わせデータを算出する処理と、前記算出された位置合わせデータを用いて、前記X線透視画像に関連付けられた3次元X線CT画像および前記写真画像に関連付けられた2次元生体光像を重ね合わせて表示する処理と、を含む一連の処理をコンピュータに実行させることを特徴としている。これにより、簡易かつ正確に被検体の異常部位の特定や解析が可能となる。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、被検体の断面画像に3次元X線CT画像および2次元生体光像を自動的に重ね合わせて表示でき、簡易かつ正確に被検体の異常部位の特定や解析が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の撮影装置および画像処理装置を示す概略図である。
【
図2】(a)、(b)それぞれ撮影装置のX線CT撮影用の構成および蛍光イメージング用の構成を示す概略図である。
【
図3】本発明の画像処理装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】第1の実施形態の画像処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図5】(a)、(b)それぞれ透視画像および輪郭が抽出された画像を示す図である。
【
図6】(a)、(b)それぞれ写真画像および輪郭が抽出された画像を示す図である。
【
図7】各輪郭が抽出された画像の重ね合わせの手順を示す図である。
【
図8】CT画像と蛍光像の重ね合わせの処理を示す図である。
【
図9】(a)〜(c)それぞれ生体光像の冠状面図、重ね合わせの最大値投影画像の矢状面図および冠状断面図である。
【
図10】第2の実施形態の画像処理装置の動作の一例を示すフローチャートである。
【
図11】重ね合わせの処理後の画面を示す図である。
【
図12】指定された範囲について最大値投影法を適用した処理後の画面を示す図である。
【
図13】位置合わせの微調整後の合成画像を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。説明の理解を容易にするため、各図面において同一の構成要素に対しては同一の参照番号を付し、重複する説明は省略する。
【0023】
[第1の実施形態]
(撮影装置および画像処理装置によるシステム構成)
図1は、撮影装置50および画像処理装置100を示す概略図である。撮影装置50は、被検体M(特定の被検体)に対してX線CT撮影および蛍光イメージング(生体光イメージング)を行うことができる。撮影装置50で撮影されたX線CT画像および生体光像は、画像処理装置100により画像処理され、統合して表示されることが可能である。なお、生体光イメージングには、蛍光イメージングおよび発光イメージングが含まれる。
【0024】
(撮影装置の構成)
図2(a)、(b)は、それぞれ撮影装置のX線CT撮影用の構成および蛍光イメージング用の構成を示す概略図である。
図2(a)は、撮影装置50内の被検体MのX線CT像を撮影するための構成を示している。撮影装置50は、X線CT撮影用の構成としてガントリ61と、制御部62とを有している。ガントリ61は、回転アーム63、ステージ64、X線管65、2次元検出器66およびアーム回転モータ67を備えている。
【0025】
回転アーム63には、ステージ64に保持される被検体Mを中心として、X線管65および2次元検出器66が互いに対向して固定されている。回転アーム63は、被検体Mに対して回転可能となるよう、ガントリ61内に設置されている。
【0026】
X線管65は、コーンビームとなるX線を放射し、このX線が被検体Mに照射され、被検体Mを透過したX線を2次元検出器66が検出する。2次元検出器66は、X線を検出する検出面を有し、被検体Mを透過するX線を透視画像データとして検出する。アーム回転モータ67は、回転アーム63を回転させ、それにより、ガントリ61全体を連続的に回転させる。このようにして、撮影装置50は、X線透視画像データを検出することができる。
【0027】
図2(b)は、撮影装置50内の被検体Mの蛍光像を撮影するための構成を示す図である。
図2(b)に示すように撮影装置50は、蛍光イメージング撮影用の構成として、対物レンズ系72、光源74、フィルター74a、76a、CCDカメラ76、ダイクロイックミラー78を備えている。このような構成によりプローブが施された被検体Mの蛍光イメージングの撮影が可能となる。
【0028】
光源74は、励起光または照明光を照射し、ダイクロイックミラー78は照射光を反射する。対物レンズ系72は、反射光を被検体Mの観察部位に集光する。そして、対物レンズ系72は、観察部位のプローブから発せられる蛍光を集光し、ダイクロイックミラー78を透過した蛍光をCCDカメラ76は、受光面で受光し被検体Mの蛍光像を生成する。
【0029】
光源74に励起光の光路および試料からCCDカメラ76への検出光の光路には、それぞれ、特定の波長を選択的に透過するフィルター74a、76aが配置されている。制御部62は、光源74とCCDカメラ76の動作を制御し、CCDカメラ76で取得された画像を処理する。このようにして、撮影装置50は、2次元蛍光像を撮影することができる。また、撮影装置50は、励起光等を用いずに2次元生体光イメージングの撮影時と同じ角度から写真画像を得ることもできる。そして、撮影装置50で得られたX線透視画像、写真画像および2次元蛍光像の画像データは、画像処理装置100へ送出され、画像処理装置100で適宜処理され、蓄積される。
【0030】
(画像処理装置の構成)
図3は、画像処理装置100の機能的構成を示すブロック図である。画像処理装置100は、特に被検体の異常部位(例えば、病変部位)の特定に用いられ、3次元データ再構成部105、CT画像データ蓄積部110、生体光像データ蓄積部120、算出部130、断面画像生成部140、表示処理部150および操作部160を備えている。
【0031】
3次元データ再構成部105は、撮影装置50で撮影されたX線透視画像データから3次元X線CT画像データを再構成する。CT画像データ蓄積部110は、撮影装置50で撮影されたX線透視画像データおよび再構成処理により得られた3次元X線CT画像データを蓄積する。特定の被検体に対する一連の撮影データとしてX線透視画像データと3次元X線CT画像データとは対応付けられている。
【0032】
生体光像データ蓄積部120は、撮影装置50で撮影された写真画像データおよび2次元生体光像データを蓄積する。なお、生体光像には、蛍光像だけでなく発光像も含まれる。特定の被検体に対する一連の撮影データとして写真画像データと2次元生体光像データとは対応付けられている。
【0033】
算出部130は、特定の被検体を撮影することにより得られたX線透視画像および写真画像の各画像から抽出された特定の被検体の輪郭データ間について位置合わせデータを算出する。位置合わせデータとしては、輪郭画像の一方から他方に対する拡大率、平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角が挙げられる。
【0034】
算出部130は、X線透視画像および写真画像の各画素サイズの比から、輪郭データ間についての位置合わせデータとして拡大率を算出する。これにより、輪郭データ間の拡大率を正確に算出することができる。
【0035】
そして、拡大率を用いて輪郭データ間のサイズを調整した後、平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角を変えながら、各輪郭画像データの相関値を計算する。そして、輪郭データ間の相関値が所定の条件を満たすように、輪郭データ間の位置合わせデータとして、平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角を算出する。これにより、輪郭データ間についての位置合わせデータとして尤もらしい平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角を算出することができる。なお、上記の所定の条件としては、例えば、最も相関値が高いことや相関値が所定値以上であることが挙げられる。
【0036】
断面画像生成部140は、写真画像に関連付けられた2次元生体光像における受光面に平行な面(例えば、被検体の冠状面)で、X線透視画像に関連付けられた3次元X線CT画像の断面画像を生成する。
【0037】
また、断面画像生成部140は、指定された範囲について2次元生体光像の受光面に垂直な方向について3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、3次元X線CT画像の断面画像を生成することが好ましい。これにより、複数の病変部位があったときに使用者は必要に応じて部分的にCT最大値投影法を用いることで簡便な操作で病変部位を特定しやすくし、利便性を向上できる。
【0038】
表示処理部150は、算出された位置合わせデータを用いて、断面画像に3次元X線CT画像および2次元生体光像を重ね合わせて表示する。これにより、被検体の3次元X線CT画像から得られた断面画像に2次元生体光像を自動的に重ね合わせて表示できる。
【0039】
操作部160は、ユーザにより断面画像上の範囲指定操作を受け付ける。操作部160は、例えばマウスのようなポインティング・デバイスである。操作部160により断面画像上に円や四角を描くことで範囲指定が可能になる。
【0040】
(画像処理装置の動作)
図4は、画像処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。まず、画像処理装置100は、撮影済みの透視画像データおよび3次元X線CT画像データを読み込む(ステップS1)。そして、読み込んだ透視画像データから被検体の輪郭を抽出する(ステップS2)。一方で、撮影済みの写真画像データおよび2次元生体光像データを読み込む(ステップS3)。そして、写真画像データから被検体の輪郭を抽出する(ステップS4)。
【0041】
次に、2つの輪郭画像を用いて、位置合わせデータを計算する(ステップS5)。そして、位置合わせデータを用いて3次元X線CT画像データと2次元生体光像データとを重ね合わせる(ステップS6)。
【0042】
重ね合わせて得られた画像データの任意の断面画像に対して、ユーザのドラッグによる範囲指定を受け付ける(ステップS7)。そして、指定された範囲に最大値投影法を適用する(ステップS8)。その結果、得られた部分的に最大値投影法を適用された断面画像を表示する(ステップS9)。このようにして、被検体の病変部位を特定することが容易になる。このような動作における各処理の詳細を以下に説明する。
【0043】
(各輪郭画像の生成)
図5(a)、(b)は、それぞれ透視画像および輪郭が抽出された画像を示す図である。
図5(a)に示す透視画像201は、被検体のマウスを一定方向(0°)から撮影されたものである。そして、
図5(b)に示す輪郭画像202は、透視画像201からマウスの輪郭を抽出したものである。
【0044】
図6(a)、(b)は、それぞれ写真画像および輪郭が抽出された画像を示す図である。
図6(a)に示す写真画像211は、被検体のマウスを所定方向(=透視画像の撮影方向)から撮影されたものである。そして、
図6(b)に示す輪郭画像212は、写真画像211からマウスの輪郭を抽出したものである。
【0045】
(位置合わせデータの算出)
図7は、各輪郭が抽出された画像の重ね合わせの手順を示す図である。まず、各輪郭画像の大きさを調整する。
図7に示す例では、透視画像から抽出された輪郭画像202より写真画像から抽出された輪郭画像212の方が小さいため、輪郭画像212を輪郭画像202と重なる大きさに調整する。具体的には、拡大率は、X線透視画像の画素サイズと写真画像の画素サイズとの比から得られる。
【0046】
輪郭画像212の拡大処理の後、重ね合わせは、平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角を変えて、輪郭データ間の相関値が最も高くなる組み合わせを算出する。このようにして得られた平面上の相対位置、特定の軸回りの回転角が、輪郭データ間の位置合わせデータである。例えば、2次元蛍光像に対して重ね合わせにx:+3.5、y:−12.5、拡大率112%の調整が必要である場合にこれらの数値が位置合わせデータとなる。
【0047】
(重ね合わせ)
図8は、CT画像と2次元蛍光像の重ね合わせの処理を示す図である。上記のようにして得られた位置合わせデータを用いて、3次元X線CT画像データ231と2次元蛍光像データ241とを重ね合わせ、断面画像251を得ることができる。
【0048】
[第2実施形態]
上記の実施形態では、3次元X線CT画像および2次元生体光像を重ね合わせた画像において任意の断面上でユーザが範囲指定し最大値投影法を適用しているが、予め3次元X線CT画像に所定の範囲で最大値投影法を自動で適用し、当初からユーザにある程度の精度で被検体の異常部位を特定できる断面を提示することとしてもよい。
【0049】
本実施形態の場合、断面画像生成部140は、2次元生体光像の受光面に垂直な方向の所定範囲内について3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用し、3次元X線CT画像の断面画像を生成する。これにより、自動で最大値投影法を適用した3次元X線CT画像の断面画像を表示できるため、被検体の異常部位を容易かつ正確に特定できる。
【0050】
(最大値投影法)
図9(a)〜(c)は、それぞれ2次元生体光像の冠状面図、最大値投影画像の矢状面図および冠状断面図である。
図9(a)では、被検体内に蛍光262、263が表示されている。
図9(b)に示す矢状面図は、矢状面から見た被検体270の所定の範囲272の中で最大値をとる断面273を投影することで
図9(c)に示す冠状断面図が得られることを示している。被検体270に異常部位274、275がある場合に、範囲272で最大値投影法を適用し、断面273で表示すると、異常部位275が検知されない。そのため、さらに局所的な最大値投影法の適用が有効となる。
【0051】
(画像処理装置の動作)
図10は、画像処理装置100の動作の一例を示すフローチャートである。ステップT1〜T5までは、第1の実施形態におけるステップS1〜S5と同様であり、2つの輪郭画像を用いて位置合わせデータを計算する。次に、3次元X線CT画像データに最大値投影法を適用して得られた断面画像データを準備する(ステップT6)。そして、位置合わせデータを用いて断面画像データと2次元生体光像データとを重ね合わせる(ステップT7)。
【0052】
[実施例]
次に、実際に重ね合わせの処理を行ったときの画面表示を説明する。
図11は、重ね合わせの処理後の画面を示す図である。
図11において、画像P1〜P4は、それぞれ被検体の冠状断面、矢状断面、体軸断面、蛍光像面を示している。
図11の例では、重ね合わせ画像の右上段の矢状断面P2においてマウス等のポインティング・デバイスで円の範囲R1が指定されている。また、右中段の体軸断面P3において円の範囲R2が指定されている。
【0053】
図12は、指定された範囲について3次元X線CT画像に対して最大値投影法を適用した処理後の冠状断面の画像を示す図である。上記で指定された範囲R1、R2について部分的に最大値投影法を適用したことで冠状断面の画像が表示されている。
【0054】
図13は、位置合わせの微調整後の合成画像を示す図である。部分的な範囲に対して最大値投影法を適用したCT断面画像に2次元蛍光像を合成して表示している。病変部位が強調され、分かりやすく表示されている。
【符号の説明】
【0055】
50 撮影装置
61 ガントリ
62 制御部
63 回転アーム
64 ステージ
65 X線管
66 2次元検出器
67 アーム回転モータ
72 対物レンズ系
74 光源
74a フィルター
76 カメラ
78 ダイクロイックミラー
100 画像処理装置
105 3次元データ再構成部
110 画像データ蓄積部
120 生体光像データ蓄積部
130 算出部
140 断面画像生成部
150 表示処理部
160 操作部
201 透視画像
202 輪郭画像
211 写真画像
212 輪郭画像
231 画像データ
241 生体光像データ
251 断面画像
262、263 蛍光
270 被検体
272 範囲
273 断面
274、275 異常部位
R1、R2 範囲
M 被検体