特許第6346063号(P6346063)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6346063往復動ピストンエンジンの構成要素の磨耗状態監視装置及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346063
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】往復動ピストンエンジンの構成要素の磨耗状態監視装置及び方法
(51)【国際特許分類】
   F01M 11/10 20060101AFI20180611BHJP
   F01M 1/06 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   F01M11/10 B
   F01M1/06 E
【請求項の数】15
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-205529(P2014-205529)
(22)【出願日】2014年10月6日
(62)【分割の表示】特願2012-503951(P2012-503951)の分割
【原出願日】2010年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-42873(P2015-42873A)
(43)【公開日】2015年3月5日
【審査請求日】2014年10月6日
【審判番号】不服2017-4152(P2017-4152/J1)
【審判請求日】2017年3月22日
(31)【優先権主張番号】09157425.1
(32)【優先日】2009年4月6日
(33)【優先権主張国】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】501082602
【氏名又は名称】ヴェルトジィレ シュヴァイツ アクチェンゲゼルシャフト
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ミカリ,フランセスコ
(72)【発明者】
【氏名】スタルク,マティアス
(72)【発明者】
【氏名】ヴェーバー,マルクス
【合議体】
【審判長】 金澤 俊郎
【審判官】 冨岡 和人
【審判官】 粟倉 裕二
(56)【参考文献】
【文献】 特開昭62−243912(JP,A)
【文献】 特開平6−94188(JP,A)
【文献】 特開平5−163919(JP,A)
【文献】 特開2005−54773(JP,A)
【文献】 特開2005−299459(JP,A)
【文献】 特表2003−534528(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01M 11/04
F01M 11/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
往復動ピストンエンジンの構成要素の磨耗状態を監視する監視装置であって、往復動ピストンエンジンは、シリンダカバー、及び、シリンダのシリンダ壁に設けられる走行表面を備えるシリンダを含み、前記シリンダにおいて、ピストンは、前記ピストン、前記シリンダカバー及び前記シリンダ壁が前記シリンダ内に混合気の燃焼用の燃焼スペースを形成するように、上死点と下死点の間で前記走行表面に沿って軸方向前後に移動可能に配置され、油収集デバイスが前記シリンダからの潤滑油の収集用に設けられて、所定の測定された量の潤滑油が前記シリンダから測定装置に供給可能である、監視装置において、
前記油収集デバイスは、前記ピストンの下死点と前記シリンダカバーの間の前記シリンダ壁に設けられる油収集開口を含み、
前記測定された量の潤滑油は、前記シリンダの走行表面から、及び前記ピストンのピストンリングパッケージから、それぞれ前記油収集デバイスに直接供給可能である、監視装置。
【請求項2】
前記往復動エンジンは、掃気スリットを有する長手方向に掃気されるエンジンであって、前記油収集開口は、前記掃気スリットを介して出る潤滑油が前記油収集開口を通って収集可能であるように、前記掃気スリットの領域に配置される、請求項1に記載の監視装置。
【請求項3】
少なくとも2つの油収集開口は、周方向及び/又は軸方向に互いに離間してシリンダに配置される、請求項1または請求項2に記載の監視装置。
【請求項4】
前記測定装置は、収集された測定された量の潤滑油の光学的蛍光特性、光学的反射特性、光学的吸収特性及び/又は光学的透過特性の判断のための光学的測定ユニットを含む、請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の監視装置。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の監視装置を有する2ストローク大型ディーゼルエンジン若しくは4ストロークエンジンとして設計されている往復動ピストンエンジン。
【請求項6】
往復動ピストンエンジンの構成要素の磨耗状態を監視する監視方法であって、往復動ピストンエンジンは、シリンダカバー、及び、シリンダのシリンダ壁に設けられる走行表面を備えるシリンダを含み、前記シリンダにおいて、ピストンは、前記ピストン、前記シリンダカバー及び前記シリンダ壁が前記シリンダ内に混合気の燃焼用の燃焼スペースを形成するように、上死点と下死点の間で前記走行表面に沿って軸方向前後に移動可能に配置され、油収集デバイスが前記シリンダからの潤滑油の収集用に設けられ、作動状態において、所定の測定された量の潤滑油が前記シリンダから測定装置に供給される、監視方法において、
前記油収集デバイスは、前記ピストンの下死点と前記シリンダカバーの間の前記シリンダ壁に設けられる油収集開口を含み、
前記測定された量の潤滑油は、前記シリンダの走行表面から、及び前記ピストンのピストンリングパッケージから、それぞれ前記油収集デバイスに直接供給される、監視方法。
【請求項7】
前記往復動ピストンエンジンは、掃気スリットを有する長手方向に掃気されるエンジンであって、前記油収集開口は、前記掃気スリットを介して出る潤滑油が前記油収集開口を通って収集されるように、前記掃気スリットの領域に配置される、請求項6に記載の監視方法。
【請求項8】
前記測定装置は、光学的測定ユニットを含み、収集された測定された量の潤滑油の光学的蛍光特性、光学的反射特性、光学的吸収特性及び/又は光学的透過特性の判断が実行される、請求項6または請求項7に記載の監視方法。
【請求項9】
赤外線測定ユニット及び/又は紫外線測定ユニットが前記光学的測定ユニットとして使用される、請求項8に記載の監視方法。
【請求項10】
記往復動ピストンエンジンは、収集された測定された量の潤滑油の測定結果に基づいて制御及び/又は調整される、請求項6〜9のうちのいずれか1項に記載の監視方法。
【請求項11】
請求項1に記載の監視装置に使用される測定装置であって、往復動ピストンエンジン用の流体の成分を判断する測定装置において、
前記測定装置が電磁測定ユニットを含む、測定装置。
【請求項12】
前記電磁測定ユニットが、振幅依存、及び/又は、周波数依存、及び/又は、周波数から独立の、所定の測定された量の流体の複素抵抗、複素電導率、AC電導率、DC電導率、透磁率及び/又は静電容量の判断のための測定ユニットである、請求項11に記載の測定装置。
【請求項13】
往復動ピストンエンジン用の流体の成分を判断する測定方法であって、
請求項11に記載の測定装置が使用され、前記測定装置は、電磁測定ユニットを含み、振幅依存、及び/又は、周波数依存、及び/又は、周波数から独立の、収集された測定された量の潤滑油の複素抵抗、複素電導率、AC電導率、DC電導率、透磁率及び/又は静電容量の判断が実行される、測定方法。
【請求項14】
前記測定装置は、光学的測定ユニットを含み、収集された測定された量の流体の光学的蛍光特性、光学的反射特性、光学的吸収特性及び/又は光学的透過特性の判断が実行され、赤外線測定ユニット及び/又は紫外線測定ユニットが前記光学的測定ユニットとして使用される、請求項13に記載の測定方法。
【請求項15】
前記往復動ピストンエンジンは、収集された測定された量の潤滑油の測定結果に基づいて制御及び/又は調整される、請求項13または請求項14に記載の測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、それぞれのカテゴリの独立項のプリアンブルによる往復動ピストンエンジンの構成要素の磨耗状態を監視する監視装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
大型ディーゼルエンジンは、船舶用の駆動集合体として頻繁に使用され、若しくは、例えば電気エネルギの生成用の大型のジェネレータを駆動するため、固定動作でも使用される。この点、エンジンは、概して、動作上の安全性及び利用可能性に関して高い要求を置く連続動作モードで、相当な期間、運転する。このため、特に、整備間の長い間隔、制限された摩耗、燃料の経済的な扱い、動作材料は、機械の作動のためのオペレータにとって中心的な基準である。とりわけ、かかる大型のボアの低速運転大型エンジンのピストンの運転挙動は、整備間の間隔、利用可能性、潤滑油消費により作動コストにも直接的に、それ故に、経済効率に対して、決定的な要因である。このため、大型のディーゼルエンジンの潤滑の複雑な問題は、常に、より重要性が高い。
【0003】
しかし、大型のディーゼルエンジンでは、これに限られないが、ピストンの潤滑は、往復動するピストン内に配設された、若しくは、シリンダ壁内に配設された潤滑装置を介して生じ、これにより、潤滑油は、シリンダ壁の走行表面に付与され、ピストンと走行表面との間の摩擦を最小化し、これにより、走行表面及びピストンリングの磨耗を最小化する。例えば、現在の現代のエンジンに対して、例えばWartsila社のPTAエンジンに対して、走行表面の磨耗は、1000時間の動作期間に対して0.05mmより小さい。かかるエンジンに対して搬送される潤滑油の量は、約1.3kg/kWh以下であり、少なくともコストの理由から更にできるだけ減少されるべきであり、磨耗も同時に最小化されるべきである。
【0004】
現在の潤滑装置自体の特別な設計と潤滑の方法の双方に関して、非常に異なる解決策は、走行表面の潤滑用の潤滑システムとして知られる。例えば、潤滑油が、シリンダ壁の周方向に配列された複数の潤滑開口を通って、潤滑開口を通り過ぎて走行するピストン上に、付与される潤滑装置が知られており、この場合、潤滑油は、ピストンリングにより周方向及び軸方向に分散される。この方法では、潤滑油は、シリンダ壁の走行表面上に大量に付与されないが、ピストンの側方表面上のピストンリング間で選択的に多かれ少なかれ付与される。
【0005】
対応する走行相手上に潤滑油を塗布するために使用される方法から独立して、シリンダ潤滑に関する特別な問題、特にクロスヘッド型大型ディーゼルエンジンの構成要素の磨耗に関する問題は、今日まで未解決のまま存在する。
【0006】
これに関して、ピストン、ピストンリング、出口バルブのようなガス交換バルブ、走行表面、及びエンジンで使用される潤滑油の特別な特性が調べられるエンジンの他の構成要素の磨耗状態を少なくとも粗く判断することは知られている。このため、例えば、長手方向に掃気される2ストローク大型ディーゼルエンジンの場合にピストン底部側のスペースの底部に収集する潤滑油は、容器内に収集され、収集された油は、例えば、鉄粒子の存在下で、調査される。ある量の鉄が、このようにして収集された潤滑油内で判断されるとき、これは、上記のシリンダ構成要素の磨耗状態に関するある粗い結論を可能とする。この点、鉄の含有率の測定は、それ自体知られる態様で磁気方法により行われる。
【0007】
しかし、これらの既知の方法は、しばしば実際の測定結果を酷くゆがめるという一連の欠点がある。
【0008】
例えば、例えばピストン底部側スペースの床に、溜まった潤滑油は、エンジンの燃焼スペースに由来しない多くの他の材料により混ざり合う。例えば、異物は、ターボチャージャーシステムから受けスペースへと搬送され、これは、潤滑油を追加的に混成する。本質的に、ある量の混成された潤滑油も、常に、クランクシャフトスペースからピストン底部側スペースへとスタッフィング・ボックスを通って搬送される。更に、受けスペースに貯蔵される潤滑油は、常に、非常に多くの過去のエンジンサイクルから混成された潤滑油の混合物であり、従って、受けスペース内に溜まる潤滑油は、シリンダライナ内の潤滑油の現在の実際の組成に対応するので、決して潤滑油の現在の組成を表すものでない。
【0009】
これは、受けスペース内に溜まる潤滑油は、対応するシリンダライナから発生したものでなく及び/又は現在の状況に対応しない全体としての一連の残留物を含むことを意味する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
既知の測定方法の更なる重大な欠点は、使用される磁気測定システムは非常に感度が低すぎることにある。これは、比較的大量の潤滑油が収集されなければならない作用を有する。潤滑油は、典型的には、測定が実際に実行できるようになる前に多かれ少なかれ略満タンにされなければならない数10立方センチメートルの容積の容器内に収集される。例えば現代の大型ディーゼルエンジンの潤滑油の消費は、最初に述べたように相当に最小化されており、従って、典型的には、十分な量の潤滑油が収集されるまでに多くの時間を要し、その後、既知の測定システムで調査されることができる。
【0011】
欠点は明白である。現在のエンジン構成要素の磨耗状態を判断することができる意味での実際のオンライン測定は、潤滑油の測定可能なサンプルは長時間に亘って収集されなければならないので、全く可能でない。これは、例えば、シリンダ走行表面でのピストンの焼付き、即ち恐れられるスカッフィンが、しばしば検知可能となるときには遅すぎるという作用を有する。しばしばあまりに遅いと、シリンダ構成要素の多大なダメージはもはや避けなれない。その結果、シリンダライナは、しばしば、作動を停止して取り出され、交換されなければならない。
【0012】
それ故に、本発明の目的は、エンジンの構成要素の磨耗状態を高い信頼性で迅速に、好ましくは実時間のオンライン測定方法で、可能ならばリアルタイムで監視でき、従って、対応する測定、例えば整備の測定や、機械若しくは問題のシリンダの制御の対応するマッチングを不要な時間遅れ無しで実行することができる、往復動ピストンエンジンの構成要素の磨耗状態を監視する改善された監視装置の提供である。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を満足する本発明の主題は、独立項1,14,15,32,37の特徴により特徴付けられる。
【0014】
従属項は、本発明の特に効果的な実施例に関する。
【0015】
本発明は、それ故に、往復動ピストンエンジンの構成要素の磨耗状態を監視する監視装置及び方法に関し、往復動ピストンエンジンは、シリンダカバー、及び、シリンダのシリンダ壁に設けられる走行表面を備えるシリンダを含み、シリンダにおいて、ピストンは、ピストン、シリンダカバー及びシリンダ壁がシリンダ内に混合気の燃焼用の燃焼スペースを形成するように、上死点と下死点の間で走行表面に沿って軸方向前後に移動可能に配置され、油収集デバイスがシリンダからの潤滑油の収集用に設けられて、所定の測定された量の潤滑油がシリンダから測定装置に供給可能である。本発明によれば、測定された量の潤滑油は、シリンダの走行表面から及び/又は燃焼スペースから及び/又はピストンのピストンリングパッケージから油収集デバイスに直接供給可能である。
【0016】
潤滑油の測定量が、受けスペース内に溜まって収集された潤滑油を含んでおらず、シリンダスペースから直接的に現に由来する潤滑油のみが測定に使用され、それ故に、異種材料と混ざっていないという、事実は、本発明による収集された潤滑油が、実質的に、ピストン、ピストンリング、シリンダ走行表面、ガス交換バルブ等のような、シリンダ構成要素の現在の磨耗状態を反映する情報のみを含むことを意味する。
【0017】
このため、初めて、測定時点に相関しない異物やシリンダライナから直接由来しない異物のような、異物の影響無しに、エンジン構成要素の現在の磨耗状態を監視することができる。
【0018】
できるだけリアルタイムの測定を実行するために、請求項に開示するような迅速な測定方法を使用することが好ましい。本発明による最も迅速な測定方法は、それ故に、エンジンの測定を実行するのに適し、特に、測定は、過渡的な動作状態に現にあるエンジンに関して実行されることができ、この場合、過渡的な動作状態は、測定中に変化するエンジンの回転数や、測定中に変化するエンジン負荷、若しくは、測定中に変化するエンジンの回転数及びエンジン負荷の組み合わせに関する。
【0019】
コスト効率が良く、装置の観点から簡易であり、特に、測定用に非常に少量の潤滑油しか必要としない、迅速な測定方法の特に効果的な実施例は、実質的には、測定キャパシタを使用し、測定キャパシタは、単一若しくは少なくとも非常に少ない数のエンジンサイクル中に収集された量の潤滑油が、測定可能な量の潤滑油でキャパシタを満たすのに十分であるように、幾何的に設定される。
【0020】
例えば、小さいプレートの離間距離を有するキャパシタは、例えばプレートキャパシタを使用することができる。
【0021】
円筒形プレートキャパシタも非常に効果的に使用することができ、円筒形プレートキャパシタは、互いにできるだけ近くに配置され互いに対して巻かれる2つのらせん状金属表面を含む。
【0022】
収集された潤滑油は、次いで、測定用の円筒形プレートキャパシタ内に吹き入れられることができ、測定を実行することができる。測定の結論に続いて、円筒形キャパシタは、例えば加圧エアにより、洗浄されることができ、従って、次のサイクルでは、新たに収集された潤滑油は、更なる測定のために円筒形プレートキャパシタ内に吹き入れられることができる。
【0023】
例えばとりわけ知られている測定ブリッジを用いて、好ましくは依然として周波数及び/又は温度に依存性があり、及び/又は、印加された電圧、温度若しくは他のパラメータの変動に依存性がある、複素インダクタンスを測定することができる。結論は、適切な数学的関数の評価により若しくは校正測定による比較によって、水、鉄、クロム、バナジウムのような金属のような異物に関して測定値から直接的に導くことができる。結論は、また、化学的異物、特に、酸化物や塩基等のような、汚染物質や成分を形成する鉄に関して導くことができ、従って、化学的組成の変化はアクセス可能であり、例えば硫黄、燐若しくは他の化学要素若しくは成分の要素濃度を判断することができる。
【0024】
キャパシタは、例えば、とりわけ知られた態様で電気回路内で使用されることができ、この電気回路は、また、所定の電導性のコイルを含み、それ故に、測定精度を増加させるため、従って、究極的には、潤滑油の必要な測定量を低減するため、他の電気要素とは関係なく所定の共振周波数の発信回路を形成する。
【0025】
かかる構成は、共振周波数の変化により非常に感度良くキャパシタの比誘電率若しくはコイルのインダクタンスの誘導率に反応する。これにより、非常に感度の高い測定装置が利用可能であり、これにより、非常に高い測定精度は、異なる物質に関して、かかる構成を持つ本発明により非常に少ないサンプル容積で、達成でき、この場合、異なる共振周波数の複数の振動回路が結合されることができる。
【0026】
この点、潤滑油は、異物に応じて誘導率の変化をもたらす適切に構成されたコイル内に充填されることができることは、本質的に理解されるべきである。本質的には、対応して用意されるキャパシタ若しくはコイルは、測定回路で結合されることができる。
【0027】
更に、またの他の次元、例えば測定周波数や測定振幅は、測定精度を高めるため、若しくは、例えば共振出現のような、ある現象を利用するために、適切に使用されることができる。従って、例えば、電気的若しくは異なる態様で動作される加熱は、測定本体、即ち例えば油が充填されたキャパシタに設けられることができ、従って、測定は、所定の温度で実行されることができ、この場合、例えば、ある緩和過程は特に良好に測定されることができる。更に、操作の対応する方法は、当業者に知られており、その使用により、関心のある次元は、特に良好に判断されることができる。
【0028】
測定精度を高めるために、例えば、他の次元は、とりわけ一般的に知られている適切なセンサにより判断されることができることは、本質的に理解されるべきである。従って、例えば、測定中の温度を監視するセンサ、若しくは、現在の測定のために利用可能な潤滑油の量を自動的に監視するセンサは、設けられることができ、従って、直接的な測定値の大きさは、対応して、必要に応じて補正されることができる。
【0029】
潤滑油は、好ましくは、シリンダ壁の適切な開口を通って収集され、従って、サンプルは、位置及び/又は時間に応じて取られることができる。これは、例えば起こることができ、これにより、潤滑油は、シリンダ壁の開口を通って収集システムに及び/又はシリンダ内及び/又はリングパッケージ内に存在する、環境に対する正圧に起因して測定システムに供給される。リングパッケージ内に存在する、環境に対する正圧は、2ストローク構成タイプ及び4ストローク構成タイプによる往復動ピストンエンジンに対して起こり、従って、本発明による測定原理は、2ストローク往復動ピストンエンジン及び4ストローク往復動ピストンエンジンの双方に対して使用することができる。
【0030】
しかし、また、掃気スリットを介した潤滑油の抽出は、効果的に可能である。ピストンが、下死点に向けた方向の移動時に受けスペースに開口する掃気スリットを通過するとき、ある量の潤滑油が常に保存されるピストンリング溝及び/又はピストンリングパッケージからの潤滑油は、ピストンリングパッケージ内の正圧により、潤滑油雲状物の形態で受けスペースに吹き入れられ、潤滑油は、次いで、適切な収集デバイスにより潤滑油雲状物から受けスペース内に収集される。
【0031】
当業者には知られているように、ガス圧は、ラビリンスシールにおいてのようにピストンリングを通過し、ピストンリングパッケージ内に存在する潤滑油と共にそこで保存され、次いで、ピストンリングパッケージがシリンダ壁の走行表面にシールした態様で存在する限り、実際に漏れ出ることができない。ピストンが、次いで、下死点UTに向けた方向のその圧縮移動時に掃気スリットを通過する場合、ピストンリングパッケージ内に貯められた潤滑油と共にピストンリングパッケージに貯められたガスが潤滑油雲状物の形態で掃気スリットを介して受けスペース内に急峻に漏れることができ、これにより、受けスペースは、本質的には、潤滑油で相当に汚染される。
【0032】
この一般的に負の側面の効果は、本発明により積極的に利用される。
【0033】
しかし、2ストロークタイプ及び4ストロークタイプによる非ターボチャージ型往復動エンジンに対する燃焼に続く膨張ストロークの終了時には、ピストンリングパッケージ内のガス圧が、環境圧より実質的に高くなくなる条件が生じ、従って、本発明により十分な大量の油が油収集デバイスにおいて生じないだろう。この環境は、負圧は、外部から印加されることができることで対処されることができ、例えば、使用される油/空気セパレータの出口空気側のブロアによりもたらされることができる。これから、十分な大きな圧力差は、再び、ピストンリングパッケージと、使用される油/空気セパレータの出口空気側との間で生まれ、これにより、油収集システム及び測定システムの機能も非ターボチャージ型往復動エンジンに対して保証される。
【0034】
本発明による監視装置の好ましい実施例では、油収集デバイスは、ピストンの下死点とシリンダカバーの間のシリンダ壁に設けられる油収集開口を含む。この点、油収集デバイスは、特に、制御デバイスにより作動可能な油収集バルブを含む。
【0035】
この点、往復動ピストンエンジンは、掃気スリットを有する長手方向に掃気されるエンジンであって、特に低速に稼動する2ストローク大型ディーゼルエンジンであることができ、油収集開口は、好ましくは、掃気スリットを介して出る潤滑油が油収集開口へと収集されるように、掃気スリットの領域に配置される。この点、往復動ピストンエンジンは、4ストローク原理で動作するエンジンであることもできることは、本質的に理解されるべきである。
【0036】
往復動エンジンが4ストローク往復動ピストンエンジンであるとき、油収集開口は、好ましくは、潤滑油が油収集開口を通ってシリンダから収集可能であるように、上死点でのピストンのクラウンの位置と下死点でのピストンの底側の位置との間でシリンダに配置される。特に好ましくは、シリンダでの油収集デバイスの適切な油開口は、上死点でのピストンクラウンの位置と下死点でのピストンのピストンリングパッケージの最も下側のリングとの間にある。潤滑油は、本質的には、シリンダ壁の油収集デバイスの開口のかかる構成によって、油収集デバイスを介して比較的ウエット化された4ストロークエンジンのピストンリングの全体の走行表面から収集可能である。
【0037】
油収集デバイスは、特に好ましくは、シリンダ壁と一体部分である、油収集スペースを含み、油収集スペース内に収集された潤滑油は、油収集開口を介して測定装置に供給可能である。
【0038】
しばしば、少なくとも2つの油収集開口は、周方向及び/又は軸方向に互いに離間してシリンダに配置され、特定の実施例では、油収集開口は、潤滑油の流量が設定可能となるように設計される。
【0039】
この点、効果的には、測定システムは、電磁測定ユニットを含み、特に、振幅依存、及び/又は、周波数依存、及び/又は、周波数から独立の、収集された測定された量の潤滑油の複素抵抗、複素電導率、AC電導率、電導率、透磁率及び/又は静電容量の判断のための測定ユニットを含み、監視装置は、好ましくは、小型化されてシリンダ壁内に直接設けられる。
【0040】
本発明の異なる実施例では、測定装置は、X線測定ユニットを含み、特に、収集された測定された量の潤滑油の蛍光特性、反射特性、吸収特性及び/又は透過特性の判断のためのX線測定ユニットを含む。
【0041】
更なる実施例では、測定システムは、収集された測定された量の潤滑油の光学的蛍光特性、光学的反射特性、光学的吸収特性及び/又は光学的透過特性の判断のための光学的測定ユニットを含み、光学的測定ユニットは、好ましくは、赤外線測定ユニット及び/又は紫外線測定ユニットである。
【0042】
実際には、測定システムは、特に、収集された測定された量の潤滑油の化学成分の判断のための化学的測定ユニットであることができ、この場合、測定システムは、収集された測定された量の潤滑油の硫黄、燐の含有率の判断のため、及び/又は、水、及び/又は、金属、特にバナジウム、クロム、及び/又は鉄の含有率の判断のための測定装置を含む。
【0043】
本発明は、更に、本発明による監視装置を有する往復動ピストンエンジン、特に2ストローク大型ディーゼルエンジン若しくは4ストロークエンジンに関し、また、往復動ピストンエンジンの構成要素の磨耗状態を監視する監視方法に関する。
【0044】
本発明による監視方法は、往復動ピストンエンジンを監視する監視方法に関し、往復動ピストンエンジンは、シリンダカバー、及び、シリンダのシリンダ壁に設けられる走行表面を備えるシリンダを含み、シリンダにおいて、ピストンは、ピストン、シリンダカバー及びシリンダ壁がシリンダ内に混合気の燃焼用の燃焼スペースを形成するように、上死点と下死点の間で走行表面に沿って軸方向前後に移動可能に配置される。この点、油収集デバイスがシリンダからの潤滑油の収集用に設けられ、作動状態において、所定の測定された量の潤滑油がシリンダから測定装置に供給される。本発明によれば、測定された量の潤滑油は、シリンダの走行表面から及び/又は燃焼スペースから及び/又はピストンのピストンリングパッケージから油収集デバイスに直接供給される。
【0045】
本発明による監視方法を実行するために、油収集デバイスは、好ましくは、ピストンの下死点とシリンダカバーの間のシリンダ壁に設けられる油収集開口を含む。
【0046】
油収集デバイスは、特に、制御デバイスにより作動可能な油収集バルブを含み、作動状態において、所定の量の潤滑油がシリンダから出て離れるように導かれることができる。
【0047】
この点、往復動ピストンエンジンは、例えば、掃気スリットを有する長手方向に掃気されるエンジンであって、特に低速に稼動する2ストローク大型ディーゼルエンジンであり、油収集開口は、動作状態において掃気スリットを介して出る潤滑油が油収集開口を通って収集されるように、掃気スリットの領域に配置される。本発明による監視方法は、本質的に、4ストローク原理で動作するエンジンに対しても満足のいく態様で使用されることができることは、本質的に理解されるべきである。
【0048】
油収集デバイスは、特に好ましくは、本発明による監視方法を実行するために油収集スペースを含み、油収集スペースは、好ましくはシリンダ壁と一体部分であり、油収集スペース内に収集された潤滑油は、測定装置に供給可能であり、特に油収集開口を介して供給されることもできる。
【0049】
実際に、一般的に少なくとも2つの油収集開口は、シリンダの異なる位置から潤滑油のサンプルを取ることができるように、周方向及び/又は軸方向に互いに離間してシリンダに配置され、従って、サンプルの潤滑油は、シリンダ内の異なる位置から取ることができ、この場合、油収集開口は、潤滑油の流量が設定されることができるように、好ましくは、潤滑油の流量が自動的に設定されることができるように、設計される。
【0050】
本発明による監視方法を実行するために、測定システムは、特に好ましくは、電磁測定ユニットを含み、特に、振幅依存、及び/又は、周波数依存、及び/又は、周波数から独立の、収集された測定された量の潤滑油の複素抵抗、複素電導率、AC電導率、DC電導率、透磁率及び/又は静電容量の判断が実行される。
【0051】
更なる実施例では、測定システムは、X線測定ユニットを含み、特に、収集された測定された量の潤滑油の蛍光特性、反射特性、吸収特性及び/又は透過特性の判断が実行される。
【0052】
更なる特別な実施例では、測定システムは、光学的測定ユニットを含み、特に、収集された測定された量の潤滑油の光学的蛍光特性、光学的反射特性、光学的吸収特性及び/又は光学的透過特性の判断が実行され、赤外線測定ユニット及び/又は紫外線測定ユニットが好ましくは光学的測定ユニットとして使用される。
【0053】
実際には、測定システムは、しばしば、化学的測定ユニットを含み、収集された測定された量の潤滑油の化学成分の判断が実行され、この場合、収集された測定された量の潤滑油の硫黄、燐の含有率、及び/又は、水、及び/又は、金属、特にバナジウム、クロム、及び/又は鉄の含有率が、特に好ましくは測定ユニットにより判断される。
【0054】
測定装置で記録されたデータは、評価され、特に、ルックアップテーブル、及び/又は、所定の数学関数、及び/又は、校正により評価され、特に、往復動エンジンの構成要素の磨耗状態が判断され、特に、ピストン、ピストンリング、シリンダ壁の走行表面、ガス交換バルブ、及び/又は異なるエンジン構成要素の磨耗状態が判断される。
【0055】
収集された測定された量の潤滑油の測定の評価は、特に好ましくは、エンジンサイクル毎に実行され、所定の測定された量の潤滑油は、特に好ましくは、所定数のエンジンサイクル中に収集され、測定は、所定の測定された量の潤滑油に基づいて、実行され、評価される。
【0056】
完全な測定データの評価を通して、例えば所定のエンジン構成要素の整備のための整備時点は、好ましくは、自動的に判断される。
【0057】
往復動ピストンエンジンは、本質的には、収集された測定された量の潤滑油の測定結果に基づいて制御及び/又は調整されることができる。
【0058】
実際に特に関連する本発明の特別な実施例は、“自己調整潤滑システム”であり、即ち、実際に全ての動作条件下で、シリンダライナの周方向及び軸方向の双方において、油膜の非常に均一で効率的な特性を保証すると共に、油膜への負荷を減らし油膜の劣化を防ぐ実質的に電子制御された潤滑シリンダである。
【0059】
本発明は、対応する潤滑膜特性が所定のパラメータ境界に一致し若しくはそれより下方又は上方に越えた場合に、例えば潤滑油供給速度、潤滑油の鉛直及び/又は水平方向の分布、噴射周期等のような、潤滑シリンダの動作パラメータの一定の新しい調整に着目する。更に、潤滑及び潤滑油膜の品質及び/又は性能は、例えば負荷、掃気される空気の湿度、燃料内の硫黄の含有率、燃料の品質、潤滑油の品質等のような、エンジンが動作する動作条件に依存する。
【0060】
例えば、2つ以上の油収集開口が、周方向及び/又は軸方向に互いに離間してシリンダに配置される、例えば、シリンダの異なる位置でシリンダライナの走行表面から若しくはピストンメインパッケージから直接的に潤滑油を収集し、そこから潤滑油を解析し、本発明による測定装置によりシリンダの全体の走行表面に亘って潤滑油膜の特性の分布の“マップ”の類を生成することができる。この際、潤滑油膜の均一な性能及び品質がシリンダの全体の走行表面に亘って永久的且つ自動的に保証されるように、シリンダの走行表面への潤滑油の供給は、適切な制御及び/又は調整を介して得られた測定データから時間及び/又は位置に応じて制御及び/又は調整されることができる。
【0061】
図1に概略的に示すように、潤滑油9は、好ましくは、第1油収集開口81にて上側領域OBからと、シリンダ3の第2油収集開口82にて下側領域UBから別々に収集され、このようにして収集された潤滑油9の特性、例えばアルカリ度(BN値)、鉄含有率、水含有率等は、2つの測定装置M1,M2で別々に解析され、データ取得ユニットを備えるデータ処理設備DVに供給される。本例では、下側の第2油収集開口81は、掃気スリット11の領域にあり、従って、潤滑油9は、下側の第2油収集開口81を介してピストンリングパッケージから収集される一方、上側の第1油収集開口は、シリンダ3の走行表面から直接的に潤滑油を収集する。
【0062】
この点、シリンダ3は、明瞭化のために図1では図示されないが、とりわけ知られた態様で設けられる複数の潤滑油ノズルを有し、これにより、新鮮な潤滑油は、所定の方式でシリンダ3の走行表面51に付与されることができる。この点、複数の潤滑油ノズルは、シリンダ3にて互いに離間して周方向及び鉛直方向の双方に設けられる。
【0063】
データ処理設備DVは、例えば潤滑油の量、シリンダ内への潤滑油の供給頻度等のような、潤滑油に対する新しい供給パラメータZPを、シリンダライナ3の位置に応じてシリンダライナ3におけるピストン3のピストンリングパッケージの潤滑油9の別々に測定された特性から決定し、これにより、所定の正規値パラメータからの潤滑油膜の偏差が再び補償され、従って、潤滑油膜は、本発明により各時点及びシリンダ3の走行表面51上の各位置で最適化されることができる。新たに決定された新しい供給パラメータZPは、更に、潤滑油コントローラSKに供給され、潤滑油コントローラSKは、複数の潤滑ノズルを介した潤滑油9の更なる供給を設定し、従って、潤滑油膜は、上述のようにシリンダ3の全体の走行表面51に亘って最適化される。
【0064】
図1による特別な実施例において、重要なことは、潤滑油9は、シリンダ3の上側領域OBとシリンダ3の下側領域UBとから別々に収集され、解析されることである。シリンダ3の上側領域OBで収集される潤滑油9は、例えば、走行表面51から直接的に由来する。それにより、シリンダ3の上側領域OBにおける油収集開口81は、ピストン6が油収集開口81を通過しないときに潤滑油9のサンプルを取ることが保証される。これに対して、掃気スリット11での下側の油収集開口81は、次いで、ピストン6が掃気スリット11を通過するときに潤滑油9のサンプルを正確に収集する。それにより、シリンダ3の下側領域UBに収集された潤滑油9のサンプルは、ピストン6のピストンリングパッケージから直接由来する。これは、ピストンリングパッケージ内の正圧は、掃気スリット11を介して排出され、これに伴い、ピストンリングパッケージ内に収集された潤滑油9は、ピストンリングパッケージ外に噴き出され、従って、潤滑油9のサンプルは、下側領域UBの油収集開口81を通ってピストンリングパッケージ外へと噴出される潤滑油9から取ることができるためである。
【0065】
例えば、シリンダ内の潤滑油のBN値が最適化されるべきである場合、これは、次の態様で達成されることができる。潤滑油のBN値は、当業者に知られるように、潤滑油のアルカリ挙動の指標、即ちアルカリ度の指標である。この点、潤滑油は、あるアルカリ度を有さなければならない。これは、非常に攻撃性のある酸は、例えば、燃焼プロセスに起因して、シリンダ内に発生し、この酸は、できるだけ中和される必要があり、従って、この酸が、ピストン、走行表面、ピストンリング、出口バルブ等のような、シリンダ内の個々の構成要素をできるだけ攻撃しないようにするためである。
【0066】
このため、特別なエンジン、動作条件及び他の動作パラメータに依存することができるシリンダ内の潤滑油の最小のBN値が必要とされる。
【0067】
この点、本発明による監視方法の特別な実施例では、例えばピストンリングパッケージ内に収集された潤滑油に対する、BN値は、例えば所定の正規値BN=5を有することができる所定の最小BN値へと初期調整される。この所定の正規値BN=5は、本質的には、異なる動作条件に対して若しくは異なるエンジンにおいて、BN=5以外の非常に異なる値を有することができる。
【0068】
この点、例えばBN=5の、所定の正規値は、可能な場合は、超えられるべきでない。これは、正規値は、供給される潤滑油の量に対する指標であり、コスト単独の理由で、同時に最適化及び/又は最小化されるべきであるためである。ピストンリングに存在する潤滑油は、膨張ストローク時に走行表面からシリンダライナの全体の高さに亘って収集されるので、BN値は、ピストンリングパッケージから由来する潤滑油の軸方向の走行表面の高さに亘るBN値の分布の特定の平均値を表す。
【0069】
このため、BN値は、実質的に、シリンダ軸に沿った鉛直方向でシリンダライナの高さに亘って均一に設定されることができ、この場合、掃気スリットの領域のピストンリングパッケージから噴き出される潤滑油のBN値にできるだけ等しくなるように、シリンダの上側領域から由来する潤滑油のBN値を設定するように試みられる。理想的には、シリンダの上側領域からの潤滑油のBN値は、掃気スリットの領域で測定されるとき、ピストンリングパッケージからの潤滑油のBN値と等しい。この場合、シリンダ軸に沿ったBN値は、実質的に等しくなければならない。
【0070】
この点、BN値の調整は、供給パラメータの設定を介して、即ち、好ましくは個々に作動可能であり若しくはそれぞれの特別な集合で別々に作動可能である潤滑油ノズルを介した潤滑油の供給の調整を介して、生じる。
【0071】
複数の油収集開口は、シリンダライナの周方向に設けられるので、BN値は、周方向に均一に設定されることもできることは、必然的に理解されるべきである。
【0072】
従って、潤滑油のBN値は、初めて、本発明により周方向と鉛直方向の双方で、シリンダの全体の走行表面上で実質的に同一の値を均一に設定することができ、この場合、所定の最適なBN値、例えばBN=5に同時に調整されるので、潤滑油消費の最小化及び最適化が追加的に達成される。
【0073】
また、潤滑油の他のパラメータは、本発明により、走行表面に亘って均一に、同様の態様で所定値に同様に完全に最適化されることができることは、必然的に理解されるべきである。
【0074】
更に、当業者には本質的に直ぐに明確であるが、最適化方法の上述のステップは、単なる例であり、特に、各ステップは異なる順序で発生してもよく、若しくは、追加のステップが導入されてもよく、若しくは、他の簡易な場合は、特別な最適化ステップは省略されてもよい。
【0075】
本発明は、更に、流体、特に油、具体的には往復動ピストンエンジン用の燃料若しくは潤滑油の成分を判断する測定装置に関する。この点、本発明による測定装置は、電磁測定ユニットを含み、特に、振幅依存、及び/又は、周波数依存、及び/又は、周波数から独立の、所定の測定された量の流体の複素抵抗、複素電導率、AC電導率、DC電導率、透磁率及び/又は静電容量の判断のための測定ユニットを含む。
【0076】
異なる実施例では、測定装置は、X線測定ユニットを含み、特に、測定された量の流体の蛍光特性、反射特性、吸収特性及び/又は透過特性の判断のためのX線測定ユニットを含む。
【0077】
更なる実施例では、測定装置は、測定された量の流体の光学的蛍光特性、光学的反射特性、光学的吸収特性及び/又は光学的透過特性の判断のための光学的測定ユニットを含み、光学的測定ユニットは、好ましくは、赤外線測定ユニット及び/又は紫外線測定ユニットである。
【0078】
実際には、測定装置は、しばしば、収集された測定された量の流体の化学成分の判断のための化学的測定ユニットを含み、この場合、特別な実施例では、測定システムは、収集された測定された量の流体の硫黄、燐の含有率の判断のための測定装置、及び/又は、水、及び/又は、金属、特にバナジウム、クロム、及び/又は鉄の含有率の判断のための測定装置である。
【0079】
本発明は、更に、流体、特に油、具体的には往復動ピストンエンジン用の燃料若しくは潤滑油の成分を判断する測定方法に関する。この点、本発明によれば、測定装置が使用され、測定装置は、電磁測定ユニットを含み、特に、振幅依存、及び/又は、周波数依存、及び/又は、周波数から独立の、収集された測定された量の潤滑油の複素抵抗、複素電導率、AC電導率、DC電導率、透磁率及び/又は静電容量の判断が実行されることができる。
【0080】
本発明による測定方法の異なる実施例では、測定装置は、X線測定ユニットを含み、特に、測定された量の流体の蛍光特性、反射特性、吸収特性及び/又は透過特性の判断が実行されることができる。
【0081】
更なる実施例では、測定装置は、電磁測定ユニットとして光学的測定ユニットを含み、特に、収集された測定された量の流体の光学的蛍光特性、光学的反射特性、光学的吸収特性及び/又は光学的透過特性の判断が実行されることができ、赤外線測定ユニット及び/又は紫外線測定ユニットが好ましくは光学的測定ユニットとして使用される。
【0082】
実際に特に関連する実施例では、測定装置は、化学的測定ユニットを含み、収集された測定された量の流体の化学成分の判断が実行されることができ、収集された測定された量の流体の硫黄、燐の含有率、及び/又は、水、及び/又は、金属、特にバナジウム、クロム、及び/又は鉄の含有率が特に好ましくは測定装置により判断される。
【0083】
具体的には、測定装置で記録されたデータは、評価され、特に、ルックアップテーブル、及び/又は、所定の数学関数、及び/又は、校正により評価され、結果として、往復動エンジンの構成要素の磨耗状態がそれから判断され、特に、特に、ピストン、ピストンリング、シリンダ壁の走行表面、ガス交換バルブ、及び/又は異なるエンジン構成要素の磨耗状態が判断される。
【0084】
好ましい実施例では、収集された測定された量の流体の測定の評価は、エンジンサイクル毎に実行されるが、若しくは、所定の測定された量の流体は、所定数のエンジンサイクル中に収集され、測定は、所定の測定された量の潤滑油に基づいて、実行され、評価される。
【0085】
本発明の測定方法の使用時、例えば、所定のエンジン構成要素の整備のための整備時点は、好ましくは、自動的に判断されることができ、若しくは、往復動ピストンエンジンは、また、収集された測定された量の潤滑油の測定結果に基づいて制御及び/又は調整されることができる。
【図面の簡単な説明】
【0086】
図1】シリンダ走行表面上の潤滑油膜を最適化する装置の図。
図2】本発明による監視装置の第1の簡易な実施例の図。
図3】シリンダの上側領域に追加の油収集開口を有する図2による第2実施例の図。
図4】掃気スリットの領域に複数の油収集開口を有する図2による異なる実施例の図。
図5】ppmでの潤滑油サンプルの鉄含有率の図。
図6】潤滑油サンプル1gあたりのmg KOHによる潤滑油サンプルの残アルカリ度の図。
図7】サンプル質量のパーセントで潤滑油サンプルの水含有率を示す第1の例の図。
図8】サンプル質量のパーセントで潤滑油サンプルの水含有率を示す第2の例の図。
【発明を実施するための形態】
【0087】
以下、概略的な図が示される更なる図面を参照して、本発明の詳細な説明を行う。
【0088】
図1は既に詳説したので、図2の説明から続ける。
【0089】
本発明による監視装置の第1の簡易な実施例は、図2を参照して概略的に図示され、以下では、参照符号1を用いて全体が称される。
【0090】
往復動ピストンエンジン2の構成要素の磨耗状態を監視する図2の監視装置1は、シリンダカバー4、及び、シリンダ3のシリンダ壁5に設けられるシリンダ走行表面51を備えるシリンダ3を含む。ピストン6は、ピストン6、シリンダカバー4及びシリンダ壁5がシリンダ3内に混合気の燃焼用の燃焼スペース7を形成するように、上死点と下死点の間で走行表面51に沿って軸方向Aに前後に移動可能に配置される。この点、油収集デバイス8は、シリンダ3からの潤滑油9の収集用に設けられて、所定の測定された量91の潤滑油9がシリンダから測定装置10に供給可能である。この点、唯一の収集デバイス8は、図2の簡易な実施例では、掃気スリット11の領域内でシリンダ3の下側領域UBに模範的に設けられる。図2では、ピストン6は、現に掃気ステップ11の領域内にある。明確に分かるように、潤滑油9の雲状物は、ピストン6のピストンリングパッケージから掃気スリット11を介してシリンダマントルZMのスペース内へ噴き出され、シリンダマントルZMのスペースは、検査ドアITを介してとりわけ知られた態様でアクセス可能である。参照符号KUは、ピストン底部側の鉛直領域を指す。ここで、測定された量91、即ち潤滑油9の潤滑油サンプル91は、ピストン6のピストンリングパッケージから油収集デバイス8に直接供給され、図1を参照して説明したように、解析制御システムにより解析され、この解析結果によって、シリンダ3への潤滑油の供給が調整及び/又は制御されることができる。
【0091】
図3は、シリンダ3の上側領域OBにおける追加の油収集開口81を有する図2による第2実施例を示す。図3の例は、それ故に、図1と略同一である。それ故に、図3による実施例によれば、潤滑油9は、シリンダの下側領域UBとシリンダの上側領域OBの双方で収集されることができる。
【0092】
この点で明示的に注記すべきこととして、下側領域UBにおける油収集開口81は、掃気スリット11の領域に必ずしも配置される必要はなく、特別な場合、例えば、掃気スリット11の上方に配置されることもできる。特に、本発明による監視装置1は、掃気スリット無しでエンジンに設けられることができる。例えば、吸気バルブを有する4ストロークエンジン若しくは2ストロークエンジンである。
【0093】
掃気スリット11の領域内に複数の油収集開口81を有する図2による異なる実施例は、図4を参照して概略的に図示され、ここでは、3つの潤滑油ポイントSTは、この例では模範的にシリンダ3の上側領域OBにおいて明示的に図示されており、この図示は、残りの図の明瞭化の理由無しになされている。図4の実施例の場合と同様、複数の油収集開口81が周方向に設けられるとき、本発明により、特に周方向において、潤滑油の量及び/又は潤滑油のパラメータの均一な分布を実現することができ、特に良好には、複数の潤滑油ポイントSTが設けられ、シリンダ3の周方向に分布されるときである。
【0094】
続く図5ないし図8は、異なる試験室の試験における本発明による監視装置により達成された幾つかの特定の測定結果を示す。
【0095】
図5は、ppm(百万分率)での潤滑油サンプルの鉄含有率EGを示し、潤滑油サンプルは、シリンダ3のシリンダ壁WPNの油収集開口81にて収集された。この点、MP1は、ピストンストローク方向で潤滑スタブよりも下方でない掃気スリット11に位置する測定位置1である。MP2は、ピストンストローク方向で潤滑ノズルよりも下方に配置された掃気スリットの測定位置2である。MP3は、ピストンストローク方向で潤滑ノズルよりも下方でない掃気スリット11に位置する測定位置3である。
【0096】
KURAにより指示される測定ポイントは、ピストン下側スペースドレンに対応する。
【0097】
図5は、特定の潤滑システム、特定システムのピストンリング及びそれに適合するシリンダライナ処理を備えた特定のエンジンタイプに対して、エンジンの回転数とエンジン負荷の特定の組み合わせで、潤滑システムの特定の設定で数千時間の動作時間の特定時間に亘って稼動された場合に、潤滑油サンプル内の鉄含有率がエンジンの何処からサンプルが取られたかにどのように依存するかを示す。潤滑油サンプル内の鉄含有率は、エンジン動作中に生じる研磨及び腐食性の磨耗の組み合わせを表す。ピストン下側スペースドレンKURAにて取られたサンプルは、最も低い鉄含有率を有する一方、それぞれの掃気スリットで取られた、測定位置MP1からMP3からの全てのサンプルは、図中の3つの×により示すように、相当により高い値を有し、シリンダ壁における抽出開口から取られたサンプルは、最も高い値を有する。図5の例での測定精度は、略5ppmにある。これから解釈されることとして、シリンダ壁における直接的に抽出開口からのサンプルは、シリンダ壁の潤滑油の状態に最も対応する一方、それぞれの掃気スリットの測定位置MP1−MP3から取られたサンプルは、ある量の未使用の油と既に混じっており、この油は、掃気スリットへと下方に、シリンダライナの上側1/3に位置する潤滑ポイントからピストンリングを通って各ピストンストロークにより搬送されたものである。新鮮な潤滑油は、たった約7ppmの鉄含有率を有するためである。測定位置MP1、MP2、MP3での異なる鉄含有率が示すことは、潤滑油が、考慮されるケースに対してシリンダライナにおける潤滑ポイントの位置に対して測定位置がどのように振舞うかに依存して、異なる品質を有していることである。ピストン下側スペースドレンからのサンプルは、最も低い鉄含有率を有し、これは、新鮮な未使用の潤滑油とのより強い混合を示し、サンプルは、また、隣接するシリンダからの潤滑油とも更に混合されることができる。
【0098】
図6において、潤滑油サンプル1gあたりのmg KOHで潤滑油サンプルの残アルカリ度が図示される。
【0099】
この点、VAは、潤滑油サンプル1gあたりのmg KOHによる潤滑油サンプルの残アルカリ度(塩基数)であり、WPNは、シリンダの壁における油収集デバイスによる壁サンプル抽出であり、MP1は、ピストンストローク方向で潤滑ノズルよりも下方に配置されない測定位置1である。MP2は、ピストンストローク方向で潤滑ノズルよりも下方に配置された測定位置2である。MP3は、ピストンストローク方向で潤滑ノズルよりも下方でない測定位置3である。MP1、MP2、MP3は、図5に類似して図6の図で×により示される。この例では、KURAは、同様に、ピストン下側スペースドレンである。
【0100】
図6は、特定の潤滑システム、特定システムのピストンリング及びそれに適合するシリンダライナ処理を備えた特定のエンジンタイプに対して、エンジンの回転数とエンジン負荷の特定の組み合わせで、潤滑システムの特定の設定で数千時間の動作時間の特定時間に亘って稼動された場合に、潤滑油サンプル内の残アルカリ度がエンジンの何処からサンプルが取られたかにどのように依存するかを示す。図6の例で添加物として潤滑油に付加されるアルカリ度は、潤滑油の6から70mg KOH/gであり、多く硫黄を含有する燃料の燃焼のためのエンジン動作中に生じる硫酸HSOの中和のために機能する。潤滑油サンプルにおける残アルカリ度は、硫酸の中和のための油の依然として固有の特性を表す。潤滑油における残アルカリ度の値がゼロを下回る若しくはゼロに向かって下降する場合、中和が不十分か全く生じておらず、シリンダライナの材料が腐食し始め、これにより、潤滑油内の鉄含有率が増加される。ピストン下側スペースドレンで取られたサンプルは、最も高い依然として残るアルカリ度を示す一方、それぞれの掃気スリットの測定位置1から3から取られた全てのサンプルは、相当に低い値を有し、シリンダ壁の抽出開口からのサンプルは略ゼロである。図2の例に対する測定精度は、潤滑油サンプル1gあたり約1.5mg KOHである。この結果から解釈されることとして、シリンダ壁における直接的に抽出開口からのサンプルは、シリンダ壁の潤滑油の状態に最も近い一方、それぞれの掃気スリットの測定位置MP1−MP3から取られたサンプルは、ある量の未使用の油と既に混じっており、この油は、掃気スリットへと下方に、シリンダライナの上側1/3に位置する潤滑ポイントからピストンリングにより各ピストンストロークにより搬送されたものであ李、この理由により、残アルカリ度が増加される。測定位置MP1、MP2、MP3での異なる残アルカリ度が示すことは、潤滑油が、考慮されるケースに対してシリンダライナにおける潤滑ポイントの位置に対して測定位置がどのように振舞うかに依存して、異なる品質を有していることである。ピストン下側スペースドレンからのサンプルは、最も高い残アルカリ度を有し、これは、新鮮な未使用の潤滑油とのより強い混合を示し、サンプルは、また、隣接するシリンダからの潤滑油とも更に混合されることができる。
【0101】
図7は、サンプル質量のパーセントで潤滑油サンプルの水含有率の第1の例を示す。
【0102】
この点、図7の記号は、次の意味を有する。
WG:サンプル質量のパーセントによる油サンプルの水含有率
S1:船舶エンジン組み合わせ1
S2:船舶エンジン組み合わせ2
S3:船舶エンジン組み合わせ3
S4:船舶エンジン組み合わせ4
V1:シリンダ潤滑変形例1
V2:シリンダ潤滑変形例2
V3:シリンダ潤滑変形例3
V4:シリンダ潤滑変形例4
V5:シリンダ潤滑変形例5
図7が明らかに示すことは、図1及び2で説明した測定位置MP1からMP3のサンプルの平均値から形成される潤滑油サンプルの水含有率は、往復動エンジンの動作に対して使用される環境空気の湿度に相関し、実際には、測定のために選択された船舶に依存し(計4つの異なる船舶)、特定の潤滑システム、それに適合するシリンダライナ処理及び潤滑システムの設定を含む選択された船舶の表面に実装されたシリンダ潤滑の変形例から独立することである。“S3、V4”の場合を除いて、エンジン回転数とエンジン負荷の組み合わせは、図7に示す全ての場合に対して類似し、ここでは、潤滑油サンプルにおける水含有率の負荷依存性が示されうる。
【0103】
最後に、サンプル質量のパーセントで潤滑油サンプルの水含有率の第2の例の測定が図8に図示され、WGは、同様に、サンプル質量のパーセントによる油サンプルの水含有率である。ZS1は、未使用のシリンダ潤滑油であり、ZS2は、定常動作状態におけるシリンダ潤滑油であり、ZS3は、負荷が増加する過渡動作状態におけるシリンダ潤滑油である。
【0104】
図8が明白に示すことは、図1及び2で説明した測定位置MP1からMP3のサンプルの平均値から形成される潤滑油サンプルの水含有率は、往復動エンジンの動作に対して周囲空気の一定の湿度に対してエンジンに負荷されるエンジン負荷の種類に相関することである。測定は、潤滑システムの一定に維持された設定に対して実行され(定常状態でのシリンダ潤滑油)、エンジンは、プロペラ法則によるノミナル負荷の20%から50%で負荷され、負荷は、次いで40分維持され、エンジンは、次いで、プロペラ法則によるノミナル負荷の50%から75%まで負荷され、負荷は、次いで40分維持され、最後に、ノミナル負荷の100%まで負荷され、全体で四時間かかった。エンジンは、同日、同一のエンジン及び同一の設定(負荷が増加する過渡動作状態におけるシリンダ潤滑油)で異なる測定のために約40分かけてノミナル負荷の25%から100%まで連続的に負荷された。エンジンのより速い負荷は、シリンダライナの磨耗特性に不利とされる潤滑油サンプルにおけるより高い水分含有率をもたらすことが示された。
【0105】
本質的に理解されるべきこととして、本願の枠組みで記載された全ての実施例は、単に例により理解されるべきであり、特に、当業者にとって明らかな各適切な組み合わせ及び/又は各拡張は、本発明の請求項によりカバーされる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8