特許第6346078号(P6346078)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6346078電波強度特定装置、通信システム及び電波強度特定方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346078
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】電波強度特定装置、通信システム及び電波強度特定方法
(51)【国際特許分類】
   H04B 17/00 20150101AFI20180611BHJP
   H04B 17/40 20150101ALI20180611BHJP
   H04W 16/18 20090101ALI20180611BHJP
   H04W 16/26 20090101ALI20180611BHJP
   H04W 84/12 20090101ALI20180611BHJP
【FI】
   H04B17/00 Z
   H04B17/40
   H04W16/18
   H04W16/26
   H04W84/12
【請求項の数】13
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2014-249250(P2014-249250)
(22)【出願日】2014年12月9日
(65)【公開番号】特開2016-111620(P2016-111620A)
(43)【公開日】2016年6月20日
【審査請求日】2017年8月7日
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166006
【弁理士】
【氏名又は名称】泉 通博
(74)【代理人】
【識別番号】100124084
【弁理士】
【氏名又は名称】黒岩 久人
(74)【代理人】
【識別番号】100145698
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 俊介
(72)【発明者】
【氏名】向井 友宏
(72)【発明者】
【氏名】志村 修一
(72)【発明者】
【氏名】市川 亮平
(72)【発明者】
【氏名】中野 陽介
【審査官】 金子 秀彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開2006−100884(JP,A)
【文献】 特開2013−138277(JP,A)
【文献】 特開2014−168133(JP,A)
【文献】 特開2012−134639(JP,A)
【文献】 特開2008−079226(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 17/00
H04B 17/40
H04W 16/18
H04W 16/26
H04W 84/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置が親機と直接又は中継機を介して無線通信可能な複数の無線ネットワークからそれぞれ取得された、前記通信装置が前記親機から受信した電波の強度である第1電波強度と、前記中継機が前記親機から受信した電波の強度である第2電波強度とを対応づけて、複数記憶する記憶部と、
前記複数の無線ネットワークとは異なる他の無線ネットワークの通信装置が親機から受信した電波の強度である第3電波強度を取得する電波強度取得部と、
前記記憶部に記憶された複数の前記第1電波強度及び前記第2電波強度に基づいて、前記他の無線ネットワークにおける前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定する特定部と、
を備える電波強度特定装置。
【請求項2】
前記特定部が特定した前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を、前記他の無線ネットワークの前記通信装置又は前記親機に送信する送信部を更に備える、
請求項1に記載の電波強度特定装置。
【請求項3】
前記特定部は、前記第3電波強度に対応する複数の前記第2電波強度を特定し、
前記送信部は、特定された前記複数の第2電波強度の平均値又は中央値を、前記他の無線ネットワークの前記通信装置又は前記親機に送信する、
請求項2に記載の電波強度特定装置。
【請求項4】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークの前記通信装置が前記中継機を介して前記親機と通信する際の第1スループットを、前記第1電波強度及び前記第2電波強度に対応づけて更に記憶し、
前記特定部は、前記第3電波強度に対応する複数の前記第2電波強度のうちの、対応する前記第1スループットが最大となる第2電波強度を特定する、
請求項1から3のいずれか1項に記載の電波強度特定装置。
【請求項5】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークの前記中継機が前記親機と通信する際の第2スループットを、前記第1電波強度及び前記第2電波強度に対応づけて更に記憶し、
前記特定部は、前記第2スループットに更に基づいて、前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定する、
請求項4に記載の電波強度特定装置。
【請求項6】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークの前記中継機が前記通信装置と通信する際の第3スループットを、前記第1電波強度及び前記第2電波強度に対応づけて更に記憶し、
前記特定部は、前記第3スループットに更に基づいて、前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定する、
請求項4又は5に記載の電波強度特定装置。
【請求項7】
前記通信装置が前記中継機を介して前記親機へ送信された所定量のデータを、前記データが前記中継機を介して前記通信装置に戻ってくるまでの時間で除算することで求まる前記第1スループット、又は前記通信装置が外部のスループット測定サーバに所定量のデータを送信することで求まる前記第1スループットを取得するスループット取得部を更に備える、
請求項4から6のいずれか1項に記載の電波強度特定装置。
【請求項8】
前記スループット取得部は、前記通信装置が前記中継機を介して前記親機と通信を行う頻度が低い時間帯に前記所定量のデータを送信することで求まる前記第1スループットを取得する、
請求項7に記載の電波強度特定装置。
【請求項9】
前記電波強度取得部は、前記複数の無線ネットワークにおける前記第2電波強度を前記通信装置又は前記親機を介して取得する、
請求項1から8のいずれか1項に記載の電波強度特定装置。
【請求項10】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークがそれぞれ構築されている建物の構造に関する建物情報を更に記憶し、
前記特定部は、前記建物情報に更に基づいて、前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定する、
請求項1から9のいずれか1項に記載の電波強度特定装置。
【請求項11】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークがそれぞれ構築されている建物の周辺環境に関する環境情報を更に記憶し、
前記特定部は、前記環境情報に更に基づいて、前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定する、
請求項1から10のいずれか1項に記載の電波強度特定装置。
【請求項12】
通信装置が親機と直接又は中継機を介して無線通信可能な複数の無線ネットワークから電波強度を取得する電波強度特定装置と、
前記電波強度特定装置が特定した電波強度を受信する、前記複数の無線ネットワークとは異なる他の無線ネットワークと、を備える通信システムであって、
前記電波強度特定装置は、
前記複数の無線ネットワークからそれぞれ取得された、前記通信装置が前記親機から受信した電波の強度である第1電波強度と、前記中継機が前記親機から受信した電波の強度である第2電波強度とを対応づけて、複数記憶する記憶部と、
前記他の無線ネットワークの通信装置が親機から受信した電波の強度である第3電波強度を、前記通信装置から受信する第1受信部と、
前記記憶部に記憶された複数の前記第1電波強度及び前記第2電波強度に基づいて、前記他の無線ネットワークにおける前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定する特定部と、
前記特定部が特定した前記第2電波強度を、前記他の無線ネットワークの前記通信装置に送信する第1送信部と、を有し、
前記他の無線ネットワークの前記通信装置は、
当該他の無線ネットワーク内の前記親機から受信した電波の強度である第3電波強度を取得する取得部と、
前記取得部が取得した前記第3電波強度を前記電波強度特定装置に送信する第2送信部と、
前記電波強度特定装置が前記第3電波強度に対応して特定した前記第2電波強度を受信する第2受信部と、
前記取得部が取得した前記第3電波強度と、前記第2受信部が受信した前記第2電波強度とに基づいて、前記親機から受信する電波を中継する中継機を設置した場合の通信品質レベルを推定する推定部と、
を有する通信システム。
【請求項13】
通信装置が親機と直接又は中継機を介して無線通信可能な複数の無線ネットワークから取得された、前記通信装置が前記親機から受信した電波の強度である第1電波強度と、前記中継機が前記親機から受信した電波の強度である第2電波強度とを対応づけて記憶部に複数記憶させるステップと、
前記複数の無線ネットワークとは異なる他の無線ネットワークの通信装置が親機から受信した電波の強度である第3電波強度を取得するステップと、
前記記憶部に記憶された前記複数の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、前記他の無線ネットワークにおける前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定するステップと、
を備える電波強度特定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波強度特定装置、通信システム及び電波強度特定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
無線LANを始めとする無線通信システムにおいては、親機と子機との距離が大きくなると、受信電波強度が小さくなりスループットが低下することが知られている。スループットの低下を防ぐ方法として、親機と子機との間に、データの送受信を中継する中継機を設置する方法が知られている。特許文献1には、無線LANシステムにおいて中継機を設置した場合の効果を測定する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2014−168133号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の方法においては、中継機を設置した後にスループットを実測し、実測したスループットと目標とするスループットとを比較することにより、中継機を設置した効果があったかどうかを表示するので、中継機を設置する前に、中継機を設置する効果を推定することができなかった。したがって、ユーザは、中継機を設置する効果があるかどうかがわからない状況で、中継機を購入する必要があった。その結果、中継機を設置したにもかかわらず、中継機を設置した効果がない場合が発生し、この場合、ユーザが購入した中継機が無駄になってしまうという問題が生じていた。
【0005】
そこで、本発明はこれらの点に鑑みてなされたものであり、中継機を設置する前に、中継機を設置する効果を推定できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様においては、通信装置が親機と直接又は中継機を介して無線通信可能な複数の無線ネットワークからそれぞれ取得された、前記通信装置が前記親機から受信した電波の強度である第1電波強度と、前記中継機が前記親機から受信した電波の強度である第2電波強度とを対応づけて、複数記憶する記憶部と、前記複数の無線ネットワークとは異なる他の無線ネットワークの通信装置が親機から受信した電波の強度である第3電波強度を取得する電波強度取得部と、前記記憶部に記憶された複数の前記第1電波強度及び前記第2電波強度に基づいて、前記他の無線ネットワークにおける前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定する特定部と、を備える電波強度特定装置を提供する。
【0007】
上記の電波強度特定装置は、前記特定部が特定した前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を、前記他の無線ネットワークの前記通信装置又は前記親機に送信する送信部を更に備えてもよい。
【0008】
前記特定部は、前記第3電波強度に対応する複数の前記第2電波強度を特定し、前記送信部は、特定された前記複数の第2電波強度の平均値又は中央値を、前記他の無線ネットワークの前記通信装置又は前記親機に送信してもよい。
【0009】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークの前記通信装置が前記中継機を介して前記親機と通信する際の第1スループットを、前記第1電波強度及び前記第2電波強度に対応づけて更に記憶し、前記特定部は、前記第3電波強度に対応する複数の前記第2電波強度のうちの、対応する前記第1スループットが最大となる第2電波強度を特定してもよい。
【0010】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークの前記中継機が前記親機と通信する際の第2スループットを、前記第1電波強度及び前記第2電波強度に対応づけて更に記憶し、前記特定部は、前記第2スループットに更に基づいて、前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定してもよい。
【0011】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークの前記中継機が前記通信装置と通信する際の第3スループットを、前記第1電波強度及び前記第2電波強度に対応づけて更に記憶し、前記特定部は、前記第3スループットに更に基づいて、前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定してもよい。
【0012】
上記の電波強度特定装置は、前記通信装置が前記中継機を介して前記親機へ送信された所定量のデータを、前記データが前記中継機を介して前記通信装置に戻ってくるまでの時間で除算することで求まる前記第1スループット、又は前記通信装置が外部のスループット測定サーバに所定量のデータを送信することで求まる前記第1スループットを取得するスループット取得部を更に備えてもよい。
【0013】
前記スループット取得部は、前記通信装置が前記中継機を介して前記親機と通信を行う頻度が低い時間帯に前記所定量のデータを送信することで求まる前記第1スループットを取得してもよい。
【0014】
前記電波強度取得部は、前記複数の無線ネットワークにおける前記第2電波強度を前記通信装置又は前記親機を介して取得してもよい。
【0015】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークがそれぞれ構築されている建物の構造に関する建物情報を更に記憶し、前記特定部は、前記建物情報に更に基づいて、前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定してもよい。
【0016】
前記記憶部は、前記複数の無線ネットワークがそれぞれ構築されている建物の周辺環境に関する環境情報を更に記憶し、前記特定部は、前記環境情報に更に基づいて、前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定してもよい。
【0017】
本発明の第2の態様においては、通信装置が親機と直接又は中継機を介して無線通信可能な複数の無線ネットワークから電波強度を取得する電波強度特定装置と、前記電波強度特定装置が特定した電波強度を受信する、前記複数の無線ネットワークとは異なる他の無線ネットワークと、を備える通信システムであって、前記電波強度特定装置は、前記複数の無線ネットワークからそれぞれ取得された、前記通信装置が前記親機から受信した電波の強度である第1電波強度と、前記中継機が前記親機から受信した電波の強度である第2電波強度とを対応づけて、複数記憶する記憶部と、前記他の無線ネットワークの通信装置が親機から受信した電波の強度である第3電波強度を、前記通信装置から受信する第1受信部と、前記記憶部に記憶された複数の前記第1電波強度及び前記第2電波強度に基づいて、前記他の無線ネットワークにおける前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定する特定部と、前記特定部が特定した前記第2電波強度を、前記他の無線ネットワークの前記通信装置に送信する第1送信部と、を有し、前記他の無線ネットワークの前記通信装置は、当該他の無線ネットワーク内の前記親機から受信した電波の強度である第3電波強度を取得する取得部と、前記取得部が取得した前記第3電波強度を前記電波強度特定装置に送信する第2送信部と、前記電波強度特定装置が前記第3電波強度に対応して特定した前記第2電波強度を受信する第2受信部と、前記取得部が取得した前記第3電波強度と、前記第2受信部が受信した前記第2電波強度とに基づいて、前記親機から受信する電波を中継する中継機を設置した場合の通信品質レベルを推定する推定部と、を有する通信システムを提供する。
【0018】
本発明の第3の態様においては、通信装置が親機と直接又は中継機を介して無線通信可能な複数の無線ネットワークから取得された、前記通信装置が前記親機から受信した電波の強度である第1電波強度と、前記中継機が前記親機から受信した電波の強度である第2電波強度とを対応づけて記憶部に複数記憶させるステップと、前記複数の無線ネットワークとは異なる他の無線ネットワークの通信装置が親機から受信した電波の強度である第3電波強度を取得するステップと、前記記憶部に記憶された前記複数の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、前記他の無線ネットワークにおける前記第3電波強度に対応する前記第2電波強度を特定するステップと、を備える電波強度特定方法を提供する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、中継機を設置する前に、中継機を設置する効果を推定できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本発明の一実施形態に係る通信システムSの構成の一例を示す図である。
図2】サーバ3の構成の一例を示すブロック図である。
図3】電波強度記憶部33が記憶する情報の一例を示す図である。
図4】特性情報記憶部34が記憶する特性情報の一例を示す図である。
図5】子機22の構成を示すブロック図である。
図6】アプリケーションの表示画面の一例を示す図である。
図7】通信品質レベルに関する情報の表示画面の一例を示す図である。
図8】第1電波強度及び第2電波強度の収集処理を説明するためのフローチャートである。
図9】第3電波強度に対応する第4電波強度の特定処理を説明するためのフローチャートである。
図10】子機22が通信品質レベルを推定する動作を説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0021】
<通信システムの概要>
図1は、本発明の一実施形態に係る通信システムSの構成の一例を示す図である。
図1に示すように、通信システムSは、複数の第1無線ネットワーク1−a、1−b、・・・(以下、総称して、第1無線ネットワーク1と呼ぶ)と、第2無線ネットワーク2と、サーバ3と、通信網4とを有する。なお、図1では、第2無線ネットワーク2が一つのみ示されているが、これに限定されず、例えば第2無線ネットワーク2が複数あってもよい。
【0022】
複数の第1無線ネットワーク1は、それぞれ建物内等に構築された無線LAN(Local Area Network)である。複数の第1無線ネットワーク1は、それぞれ、親機11、子機12、及び中継機13を有する。
親機11は、電波を発信する機能を有しており、例えば無線LANのアクセスポイントである。子機12は、親機11と直接又は中継機13を介して無線により通信可能な通信装置であり、例えばスマートフォン又はタブレット等の携帯端末である。中継機13は、親機11から受信した電波を増幅してから子機12に送信し、子機12から受信した電波を増幅してから親機11に送信する。中継機13を設置することで、親機11と子機12の間の通信品質を向上させることができる。
【0023】
第2無線ネットワーク2も、建物内等に構築された無線LANである。第2無線ネットワーク2は、親機21と子機22を有する。
親機21は、例えば無線LANのアクセスポイントである。子機22は、親機21と無線により通信可能な通信装置であり、例えばスマートフォン又はタブレット等の携帯端末である。第2無線ネットワーク2には、第1無線ネットワーク1とは異なり、中継機が設置されていない。
【0024】
サーバ3は、通信網4を介して、複数の第1無線ネットワーク1と第2無線ネットワーク2とに通信可能に接続されている。サーバ3は、複数の第1無線ネットワーク1及び第2無線ネットワーク2の間で、データの送受信を行う。
【0025】
ところで、第2無線ネットワーク2においても、中継機を設置することで親機21と子機22の間の通信品質が改善される。本実施形態に係る通信システムSは、第2無線ネットワーク2に中継機を設置する前に下記の動作を行うことで、中継機を設置することによる効果や、中継機の適した設置位置を推定できる。
【0026】
まず、複数の第1無線ネットワーク1のそれぞれにおいて、子機12が、親機11から受信した電波の強度である第1電波強度を取得し、中継機13が、親機11から受信した電波の強度である第2電波強度を取得する。そして、複数の第1無線ネットワーク1は、それぞれ、第1電波強度及び第2電波強度をサーバ3に送信する。サーバ3は、第1無線ネットワーク1毎に、受信した第1電波強度及び第2電波強度を対応づけて記憶する。
【0027】
次に、ユーザが中継機を設置したい第2無線ネットワーク2において、子機22が、親機21から受信した電波の強度である第3電波強度を取得し、サーバ3へ送信する。サーバ3は、複数の第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、第2無線ネットワーク2の第3電波強度に対応する第2電波強度(すなわち、第2無線ネットワーク2に中継機を設置した場合に該中継機が親機21から受信する電波の強度である電波強度)を特定する。以下では、説明の便宜上、第3電波強度に対応する第2電波強度を第4電波強度と呼ぶ。
【0028】
次に、サーバ3は、第4電波強度を第2無線ネットワーク2の子機22に送信する。子機22は、第3電波強度及び第4電波強度に基づいて、第2無線ネットワーク2に中継機を設置する前に、中継機を設置することによる効果や、中継機の適した設置位置を推定する。そして、子機22は、推定結果を表示部に表示させる。これにより、ユーザは、中継機の設置前に、中継機を設置することによる効果や、中継機の適した設置位置を確認できる。
以下において、第4電波強度を特定するサーバ3の詳細構成等について説明する。
【0029】
<サーバ3の構成>
本実施形態では、サーバ3が、複数の第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、第2無線ネットワーク2の第3電波強度に対応する第4電波強度を特定する。係るサーバ3の構成について、図2を参照しながら説明する。
【0030】
図2は、サーバ3の構成の一例を示すブロック図である。図2に示すように、サーバ3は、通信部31と、記憶部32と、電波強度記憶部33と、特性情報記憶部34と、制御部35とを有する。
【0031】
(通信部31)
通信部31は、第1無線ネットワーク1及び第2無線ネットワーク2の間で、データの送受信を行う。例えば、通信部31は、複数の第1無線ネットワーク1から、子機12が親機11から受信した電波の強度である第1電波強度と、中継機13が親機11から受信した電波の強度である第2電波強度とを受信する。通信部31は、第1電波強度及び第2電波強度を、第1無線ネットワーク1の親機11及び子機12の双方又はいずれか一方から受信する。通信部31は、受信した第1電波強度及び第2電波強度を制御部35へ出力する。
【0032】
通信部31は、複数の第1無線ネットワーク1から、子機12が中継機13を介して親機11と通信する際のスループット(以下、第1スループットと呼ぶ)を受信し、第1スループットを制御部35へ出力する。第1スループットは、子機12が中継機13を介して親機11へ送信された所定量のデータを、前記データが中継機13を介して子機12に戻ってくるまでの時間で除算することで求まる。なお、第1スループットは、子機12が中継機13を介して親機11と通信を行う頻度が低い時間帯に前記所定量のデータを送信することで求められた値であってもよい。また、第1スループットは、子機12から外部のスループット測定用サーバに所定量のデータを送信することにより算出してもよい。
【0033】
また、通信部31は、複数の第1無線ネットワーク1から、中継機13が親機11と通信する際のスループット(以下、第2スループットと呼ぶ)、及び中継機13が子機12と通信する際のスループット(以下、第3スループットと呼ぶ)の少なくともいずれか一方を受信して、制御部35へ出力してもよい。第2スループット及び第3スループットは、第1スループットと同様に求まる。
【0034】
通信部31は、第2無線ネットワーク2(具体的には子機22)から、子機22が親機21から受信した電波の強度である第3電波強度を受信する。通信部31は、受信した第3電波強度を制御部35へ出力する。
【0035】
通信部31は、制御部35により特定された第3電波強度に対応する第4電波強度を、第2無線ネットワーク2(具体的には、第3電波強度をサーバ3へ送信した子機22)へ送信する。
【0036】
(記憶部32)
記憶部32は、ROM及びRAMを有する。記憶部32は、制御部35により実行される電波強度特定用プログラム等のアプリケーションプログラムを記憶している。また、記憶部32は、制御部35が処理に用いる各種情報を記憶している。
【0037】
(電波強度記憶部33)
電波強度記憶部33は、通信部31が複数の第1無線ネットワーク1からそれぞれ受信した第1電波強度及び第2電波強度を対応づけて複数記憶する。
【0038】
図3は、電波強度記憶部33が記憶する情報の一例を示す図である。図3に示すように、電波強度記憶部33は、第1無線ネットワーク1毎に、第1電波強度及び第2電波強度と、第1スループット、第2スループット、第3スループット、及び建物の構造情報とを対応づけて記憶する。
【0039】
第1電波強度、第2電波強度、第1スループット、第2スループット、及び第3スループットは、通信部31が複数の第1無線ネットワーク1からそれぞれ受信したデータに対応している。第1電波強度、第2電波強度、第1スループット、第2スループット、及び第3スループットは、例えば、サーバ3からの要求に応じて、第1無線ネットワーク1の親機11又は子機12から送信されてくる。
【0040】
建物の構造情報は、第1無線ネットワーク1が構築されている建物の構造に関する情報である。構造情報は、例えば、建物が木造であるか鉄筋コンクリートであるかという工法情報、又は建物の間取り(1LDK、3LDK等)を特定する間取り情報を含む。間取り情報には、親機11、中継機13の設置位置に関する情報が含まれてもよい。
【0041】
電波強度記憶部33は、第1無線ネットワーク1がそれぞれ構築されている建物の周辺環境に関する環境情報を更に記憶してもよい。環境情報は、例えば第1無線ネットワーク1に対する外部からの干渉に大きさに関する情報を含む。また、電波強度記憶部33は、構造情報が示す建物の工法又は間取りごとに、第1電波強度と第2電波強度とを関連付けて記憶してもよい。
【0042】
(特性情報記憶部34)
特性情報記憶部34は、複数の第1無線ネットワーク1で使用されている親機11、子機12、中継機13の特性情報を記憶する。
【0043】
図4は、特性情報記憶部34が記憶する特性情報の一例を示す図である。図4(a)は親機11の特性を示し、図4(b)は子機12の特性を示し、図4(c)は中継機13の特性を示している。
図4に示すように、親機11の特性、子機12の特性及び中継機13の特性は、それぞれが対応している無線通信の規格、それぞれが通信可能な周波数、それぞれが有するアンテナの本数等である。図4の「対応規格」の欄における「11g」はIEEE802.11gに対応していることを示しており、「11a/b/g/n」はIEEE802.11a、IEEE802.11b、IEEE802.11g、IEEE802.11nに対応していることを示している。また、図4の「対応周波数」の欄における「2.4G」は、2.4GHz帯の周波数で通信可能であることを示しており、「2.4G/5G」は、2.4GHz帯の周波数及び5GHz帯の周波数で通信可能であることを示している。
【0044】
なお、特性情報記憶部34は、第2無線ネットワーク2の親機21、子機22の特性情報や、第2無線ネットワーク2に設置される中継機の特性情報を記憶してもよい。
【0045】
図2に戻り、制御部35は、例えばCPUである。制御部35は、記憶部32に記憶されたプログラムを実行することにより、電波強度取得部351、スループット取得部352、建物情報取得部353、特性取得部354、及び特定部355として機能する。
【0046】
(電波強度取得部351)
電波強度取得部351は、通信部31が複数の第1無線ネットワーク1から受信した第1電波強度及び第2電波強度を取得する。電波強度取得部351は、一の第1無線ネットワーク1から第1電波強度及び第2電波強度を取得した後に、当該一の第1無線ネットワーク1の親機11や中継機13の設置位置が変更された場合には、第1電波強度及び第2電波強度を再度取得してもよい。電波強度取得部351は、取得した第1電波強度及び第2電波強度を電波強度記憶部33へ出力する。
【0047】
また、電波強度取得部351は、通信部31が第2無線ネットワーク2から受信した第3電波強度を取得する。電波強度取得部351は、取得した第3電波強度を特定部355へ出力する。
【0048】
(スループット取得部352)
スループット取得部352は、通信部31が複数の第1無線ネットワーク1から受信した第1スループットを取得する。スループット取得部352は、例えば電波強度取得部351による第1電波強度及び第2電波強度の取得と同じタイミングで、第1スループットを取得してもよい。スループット取得部352は、第1スループットを電波強度記憶部33へ出力する。
【0049】
また、スループット取得部352は、通信部31を介して、複数の第1無線ネットワーク1から第2スループット及び第3スループットの少なくともいずれか一方を取得して、電波強度記憶部33へ出力してもよい。
【0050】
(建物情報取得部353)
建物情報取得部353は、複数の第1無線ネットワーク1がそれぞれ構築されている建物の建物情報を取得する。建物情報は、前述した建物の構造情報や環境情報を含む。建物情報取得部353は、取得した建物情報を電波強度記憶部33へ出力する。
【0051】
また、建物情報取得部353は、第2無線ネットワーク2が構築されている建物の建物情報を取得し、特定部355へ出力してもよい。なお、建物情報は、それぞれ第1無線ネットワーク1や第2無線ネットワーク2から取得してもよいし、他の外部サーバから取得してもよいし、ユーザの入力により取得してもよい。
【0052】
(特性取得部354)
特性取得部354は、第1無線ネットワーク1の親機11の特性、子機12の特性、及び中継機13の特性の少なくともいずれかを取得する。特性取得部354は、例えば、親機11及び子機12から親機11及び子機12の特性を取得し、外部サーバ等から中継機13の特性を取得する。特性取得部354は、取得した特性を示す情報を特性情報記憶部34へ出力する。
また、特性取得部354は、第2無線ネットワーク2の親機21の特性、及び子機22の特性の少なくともいずれかを取得してもよい。
【0053】
(特定部355)
特定部355は、電波強度記憶部33に記憶された、複数の第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、第2無線ネットワーク2の第3電波強度に対応する第4電波強度を特定する。例えば、特定部355は、第3電波強度と同じ大きさの第1電波強度に対応付けられた第2電波強度、又は第3電波強度との差が所定値以下の第1電波強度に対応付けられた第2電波強度を、第4電波強度として特定する。これにより、事前に収集された複数の第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度を参照して、第2無線ネットワーク2に中継機を設置した場合に、該中継機が親機21から受信する電波の強度を推定できる。特定部355は、特定した第4電波強度を第2無線ネットワーク2へ送信すべく通信部31へ出力する。
【0054】
特定部355は、第3電波強度に対応する複数の第4電波強度を特定してもよい。例えば、特定部355は、第2無線ネットワーク2が構築された建物と構造が似た建物に構築された複数の第1無線ネットワークの第2電波強度を、それぞれ第4電波強度として特定する。そして、特定部355は、特定した複数の第4電波強度の平均値又は中央値を通信部31へ出力する。通信部31は、複数の第4電波強度の平均値又は中央値を、第2無線ネットワーク2へ送信する。これにより、精度バラツキの小さい第4電波強度を第2無線ネットワーク2へ送信できる。
【0055】
特定部355は、更に第1無線ネットワーク1の第1スループットに基づいて、第4電波強度を特定してもよい。例えば、特定部355は、第3電波強度に対応する複数の第2電波強度のうちの、関連付けられた第1スループットが最大となる第2電波強度を、第4電波強度として特定してもよい。複数の第1無線ネットワーク1において、中継機13の位置によっては、第1電波強度が同じ大きさでも、中継機13と子機12の間の電波強度が異なることで第1スループットが異なるケースがある。かかる場合には、複数の同一大きさの第1電波強度のそれぞれに対応する第2電波強度のうちの第1スループットが最大となる第2電波強度が、中継機13が最適な位置に位置したときの電波強度となる。このため、特定部355は、中継機13が最適な位置に位置する場合に対応する第4電波強度を特定することになる。
【0056】
特定部355は、第1スループットに加えて、第2スループット及び第3スループットの双方又はいずれか一方に更に基づいて、第3電波強度に対応する第4電波強度を特定してもよい。かかる場合には、第1スループットと、第2スループット及び第3スループットの少なくとも一方とを参照することで、第2スループットと第3スループットのいずれがボトルネックになっているかが分かる。中継機13が最適な位置に設置されている場合には、第1スループット、第2スループット及び第3スループットの差が小さいので、特定部355は、互いに差が小さい第1スループット、第2スループット及び第3スループットに関連付けられた第2電波強度を、第4電波強度として特定する。
【0057】
特定部355は、建物情報に更に基づいて、第3電波強度に対応する第4電波強度を特定してもよい。例えば、特定部355は、複数の第1無線ネットワーク1の中から、第2無線ネットワーク2が構築されている建物と工法又は間取りが同一の第1無線ネットワーク1を選択する。そして、特定部355は、選択した第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、第3電波強度に対応する第4電波強度を特定する。これにより、第2無線ネットワーク2が構築されている建物と同じ工法又は間取りの建物に構築された第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度を参照することになるので、特定された第4電波強度が、実際に中継機を設置した場合の電波強度に近いものとなる。この結果、第2無線ネットワーク2の第4電波強度を高精度に特定できる。
【0058】
特定部355は、環境情報(外部からの干渉の大きさの外部環境等)に更に基づいて、第3電波強度に対応する第4電波強度を特定してもよい。例えば、特定部355は、複数の第1無線ネットワーク1の中から、第2無線ネットワーク2の外部環境と似た外部環境の第1無線ネットワーク1を選択し、選択した第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、第3電波強度に対応する第4電波強度を特定する。これにより、第2無線ネットワーク2の外部環境を考慮して第4電波強度を特定するので、第4電波強度を高精度に特定できる。
【0059】
特定部355は、特性情報記憶部34に記憶された親機、子機、中継機の特性情報に更に基づいて、第3電波強度に対応する第4電波強度を特定してもよい。これにより、使用している装置に応じた第4電波強度を高精度に特定できる。また、特定部355は、第2無線ネットワーク2が接続される通信網4の回線速度を考慮して、第4電波強度を特定してもよい。
【0060】
<第2無線ネットワーク2の子機22の構成>
本実施形態では、第2無線ネットワーク2の子機22が、中継機の設置前に、サーバ3が特定した第4電波強度を参照して、中継機を設置することによる効果や、中継機の適した設置位置を推定する。係る子機22の構成について、図5を参照しながら説明する。
【0061】
図5は、子機22の構成を示すブロック図である。子機22は、通信部210と、表示部220と、記憶部230と、制御部240とを有する。
【0062】
通信部210は、親機21との間で無線によるデータの送受信を行うためのアンテナ、高周波モジュール、変調回路及び復調回路等を有する。通信部210は、親機21から電波を受信し、受信した電波の強度に対応するRSSIを出力する。また、通信部210は、制御部240から入力されたデータを電波に乗せて親機21に送信し、電波に乗せて親機21から送信されたデータを制御部240へと出力する。
【0063】
通信部210は、親機21やサーバ3との間でデータの送受信を行う。例えば、通信部210は、制御部240が取得した、子機22が親機21から受信した電波の強度である第3電波強度をサーバ3に送信する。また、通信部210は、サーバ3が第3電波強度に対応して特定した第4電波強度を、サーバ3から受信する。通信部210は、受信した第4電波強度を制御部240へ出力する。
【0064】
表示部220は、ディスプレイであり、制御部240から入力された文字及び画像を表示する。表示部220の上にはタッチパネルが設けられており、タッチパネルは、ユーザが表示部220にタッチした位置の座標値を制御部24に通知する。
【0065】
記憶部230は、ROM及びRAMを有する。記憶部230は、制御部240により実行される通信品質推定用プログラム等のアプリケーションプログラムを記憶している。また、記憶部230は、制御部240が処理に用いる各種情報を記憶している。記憶部230は、例えば、子機22が親機21と通信をする際の通信品質レベルを推定するために必要な情報として、子機22が受信した電波の強度とスループットとの関係を示すテーブルを記憶している。
【0066】
制御部240は、例えばCPUである。制御部240は、記憶部230に記憶されたプログラムを実行することにより、電波強度取得部241、特定強度取得部242、推定部243、及び表示制御部244として機能する。
【0067】
電波強度取得部241は、親機21から受信した電波の強度である第3電波強度を取得する。例えば、電波強度取得部241は、通信部210が出力するRSSI値を第3電波強度として取得し、取得した第RSSI値を第3電波強度として記憶部230に記憶させる。電波強度取得部241は、所定時間内に複数のRSSI値を取得し、取得した複数のRSSI値の平均値又は中央値を第3電波強度として記憶部230に記憶してもよい。また、電波強度取得部241は、取得した第3電波強度を通信部210へ出力する。通信部210は、第3電波強度をサーバ3へ送信する。
【0068】
図6は、電波強度取得部241が第3電波強度を取得する動作を開始するためにユーザにより用いられるアプリケーションの表示画面の一例を示す図である。子機22を持ったユーザが、子機22を使用する予定の位置に移動して「測定開始」ボタンをタッチすると、電波強度取得部241は第3電波強度を取得する。
【0069】
上記の説明においては、電波強度取得部241が、通信部210から出力されるRSSIを電波強度として取得するものとしたが、電波強度取得部241は、親機21との間で通信した際のビット誤り率、スループット、RSRQ(Reference Signal Received Quality)、RSRP(Reference Signal Received Power)、SIR(Signal to Interference Ratio)等の他の情報を、電波強度を示す情報として取得してもよい。
【0070】
特定強度取得部242は、通信部210がサーバ3から受信した、第3電波強度に対応して特定された第4電波強度を取得する。特定強度取得部242は、第4電波強度を推定部243へ出力する。なお、特定強度取得部242は、第4電波強度と共に第1スループット、第2スループット、及び第3スループットを、サーバ3から取得してもよい。
【0071】
推定部243は、通信部210がサーバ3から受信した第4電波強度に基づいて、親機21から受信する電波を中継する中継機を設置した場合の通信品質レベルを推定する。ここで、通信品質レベルは、中継機を設置した状態において子機22が中継機を介して親機21と通信する際のスループットの大きさに対応しており、例えばスループットの値、ビット誤り率、受信電波強度等のいずれかを用いて示される。
【0072】
また、推定部243は、中継機の設置予定の位置において子機22が親機21から受信した電波の強度と、第4電波強度とに基づいて、中継機の設置予定位置が、適切な位置か否かを推定してもよい。具体的には、推定部243は、中継機の設置予定位置において測定した電波強度と第4電波強度との差が所定値よりも小さい場合に、設置予定位置が適切であると推定し、中継機の設置予定位置において測定した電波強度と第4電波強度との差が所定値以上である場合に、設置予定位置が不適切であると推定する。かかる場合には、子機22のユーザは、中継機の設置前に、子機22にて中継機の代わりに電波強度を測定することで、中継機の適した設置位置を把握することができる。
【0073】
表示制御部244は、推定部243の推定結果に基づいて、中継機を設置することで通信レベルがどの程度改善するかを表示部220に表示させる。また、表示制御部244は、中継機を設置するのに適した位置を示す情報を表示部220表示させてもよい。
【0074】
図7は、表示制御部244が表示部220に表示させる通信品質レベルに関する情報の表示画面の一例を示す図である。図7に示す画面には、「30Mbpsから100Mbpsに改善」と表示されており、中継機を設置する効果があることを示している。なお、図7には示されていないが、表示画面に中継機の適した設置位置を示してもよい。
【0075】
<サーバ3の動作例>
サーバ3が、予め収集した複数の第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、第2無線ネットワーク2の第3電波強度に対応する第4電波強度の特定する際の動作例について説明する。以下においては、第1電波強度及び第2電波強度の収集処理、第4電波強度の特定処理の順に説明する。
【0076】
(第1電波強度及び第2電波強度の収集処理)
図8は、第1電波強度及び第2電波強度の収集処理を説明するためのフローチャートである。
まず、電波強度取得部351は、第1無線ネットワーク1から、子機12が親機11から受信した電波の第1電波強度を取得する(ステップS101)。例えば、電波強度取得部351は、子機12から第1電波強度を取得し、電波強度記憶部33に記憶させる。
【0077】
また、電波強度取得部351は、第1無線ネットワーク1から、中継機13が親機11から受信した電波の第2電波強度を取得する(ステップS102)。例えば、電波強度取得部351は、親機11又は子機12を介して第2電波強度を取得し、電波強度記憶部33に記憶させる。また、第1電波強度及び第2電波強度の取得の第1無線ネットワーク1からサーバ3への送信は、サーバ3からの要求に基づいて、又は所定タイミングで行われる。
【0078】
次に、スループット取得部352は、第1無線ネットワーク1から、子機12が中継機13を介して親機11と通信する際の第1スループットを取得する(ステップS103)。例えば、スループット取得部352は、子機12から第1スループットを取得し、第1電波強度及び第2電波強度と関連づけて電波強度記憶部33に記憶させる。スループット取得部352は、中継機13が親機11と通信する際の第2スループット、及び中継機13が子機12と通信する際の第3スループットを更に取得してもよい。
【0079】
次に、建物情報取得部353は、第1無線ネットワーク1が構築されている建物の建物情報(建物の構造情報等)を取得する(ステップS104)。例えば、建物情報取得部353は、例えば第1無線ネットワーク1又は外部サーバから建物情報を取得し、第1電波強度及び第2電波強度と関連づけて電波強度記憶部33に記憶させる。
【0080】
サーバ3は、複数の第1無線ネットワーク1のうちの一の第1無線ネットワーク1に対して上記のステップS101〜S104の処理を行うと、他の第1無線ネットワーク1に対してもステップS101〜S104の処理を行う(ステップS105:No)。これにより、複数の第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度等が、電波強度記憶部33に記憶される。
収集対象の全ての第1無線ネットワーク1から第1電波強度及び第2電波強度等を収集すると(ステップS105:Yes)、本処理が完了する。
【0081】
(第4電波強度の特定処理)
図9は、第3電波強度に対応する第4電波強度の特定処理を説明するためのフローチャートである。
まず、電波強度取得部351は、第2無線ネットワーク2から、子機22が親機21から受信した電波の第3電波強度を取得する(ステップS111)。例えば、電波強度取得部351は、第2無線ネットワーク2の子機22から第3電波強度を取得し、特定部355へ出力する。
【0082】
次に、特定部355は、電波強度記憶部33に記憶された複数の第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度を読み出す(ステップS112)。この際、特定部355は、第1電波強度及び第2電波強度に関連付けられた第1スループット等も読み出してもよい。
【0083】
次に、特定部355は、第1電波強度、第2電波強度及び第3電波強度に基づいて、第2無線ネットワーク2に中継機を設置した場合に、中継機が親機21から受信する電波の強度である第4電波強度を特定する(ステップS113)。例えば、特定部355は、第3電波強度と同じ大きさの第1電波強度に対応付けられた第2電波強度、又は第3電波強度との差が所定値以下の第1電波強度に対応付けられた第2電波強度を、第4電波強度として特定する。
【0084】
次に、特定部355は、特定した第4電波強度を第2無線ネットワーク2に送信する(ステップS114)。例えば、特定部355は、通信部31を介して子機22に、第4電波強度を送信する。なお、特定部355は、特定された第4電波強度となった第2電波強度に関連付けられた第1スループットも、子機22に送信してもよい。
【0085】
<子機22の動作例>
子機22が、第3電波強度とサーバ3が特定した第4電波強度とに基づいて、中継機を設置した場合の通信品質レベルを推定する際の動作例について説明する。
【0086】
図10は、子機22が通信品質レベルを推定する動作を説明するためのフローチャートである。
まず、第2無線ネットワーク2の子機22の電波強度取得部241は、親機21から受信した電波の強度である第3電波強度を取得する(ステップS201)。電波強度取得部241は、取得した第3電波強度を記憶部230に記憶させる。
【0087】
次に、子機22の通信部210は、電波強度取得部241が取得した第3電波強度をサーバ3へ送信する(ステップS202)。サーバ3は、前述したように、第3電波強度に対応する第4電波強度を特定する。そして、通信部210は、サーバ3が特定した第4電波強度を、サーバ3から受信する(ステップS203)。
【0088】
次に、推定部243は、記憶部230に記憶された第3電波強度と、通信部210が受信した第4電波強度とに基づいて、中継機を設置した場合の通信品質レベルを推定する(ステップS204)。
【0089】
次に、表示制御部244は、推定部243の推定した通信品質レベルに基づく情報を、表示部220に表示させる(ステップS205)。例えば、表示制御部244は、中継機を設置することで通信レベル(例えばスループット)がどの程度改善するかを表示部220に表示させたり、中継機を設置するのに適した位置を示す情報を表示部220に表示させたりする。
【0090】
具体的には、子機22は、中継機を設置しない状態で、子機22が親機21から第3電波強度の電波を受信する場合に得られるスループットの推定値、及び親機21から受信する電波の強度が第4電波強度に等しい位置に中継機を設置した場合に得られるスループットの推定値を表示部220に表示させる。また、子機22は、親機21から受信する電波の強度と第4電波強度との差の大きさを示す情報を表示部220に表示させてもよい。このようにすることで、子機22のユーザは、親機21から受信する電波の強度と第4電波強度との差が最も小さくなる位置に中継機を設置すればよいことを認識することができる。子機22は、親機21から受信する電波の強度と第4電波強度との差に基づいて、親機21のもっと近くに中継機を設置するべきか、親機21からもっと遠くに中継機を設置するべきかを表示部220に表示させてもよい。
【0091】
<本実施形態における効果>
以上説明したように、本実施形態に係るサーバ3は、複数の第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度をそれぞれ記憶している。そして、サーバ3は、第2無線ネットワーク2(例えば子機22)から第3電波強度を取得すると、記憶している第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、第2無線ネットワーク2に中継機を設置した場合に該中継機が親機21から受信する電波の強度である第4電波強度を特定する。
かかる場合には、第2無線ネットワーク2への中継機の設置前に、第2無線ネットワーク2とネットワーク環境が類似した第1無線ネットワーク1の第1電波強度及び第2電波強度に基づいて、第2無線ネットワーク2の中継機の適した設置位置を特定できる。また、スループット等を参照することで、第2無線ネットワーク2への中継機の設置前に、中継機を設置した場合の効果を確認できる。
【0092】
また、第2無線ネットワーク2の子機22は、サーバ3に送信した第3電波強度と、サーバ3が特定した第4電波強度とに基づいて、中継機を設置した場合の通信品質レベルを推定し、表示部220に表示させる。これにより、ユーザは、中継機の設置前に、中継機を設置することによる効果や、中継機の適した設置位置を確認できる。
【0093】
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施の形態に記載の範囲には限定されない。上記実施の形態に、多様な変更又は改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。特に、装置の分散・統合の具体的な実施形態は以上に図示するものに限られず、その全部又は一部について、種々の付加等に応じて、又は、機能負荷に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。
【符号の説明】
【0094】
1 第1無線ネットワーク
2 第2無線ネットワーク
3 サーバ
11、21 親機
12、22 子機
13 中継機
31 通信部
33 電波強度記憶部
210 通信部
241 電波強度取得部
243 推定部
351 電波強度取得部
352 スループット取得部
355 特定部
S 通信システム
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10