(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記和ビーム形成は、水平面または仰角面の少なくともいずれか一方にスクイントした一対の和ビームを形成する請求項7記載のパルス圧縮レーダ装置のレーダ信号処理方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、実施形態について、図面を参照して説明する。尚、各実施形態の説明において、同一部分には同一符号を付して示し、重複する説明を省略する。
【0011】
(第1の実施形態)
図1乃至
図3を参照して第1の実施形態を説明する。
【0012】
図1は第1の実施形態に係るパルス圧縮レーダ装置の構成を示すブロック図である。
図1に示すレーダ装置において、アンテナ1は複数のアンテナ素子を配列して大開口アレイを形成してなるフェーズドアレイアンテナであり、送受信器2の送受信部21から繰り返し供給される特定周波数の送信パルス信号(以下、PRF(Pulse Repetition Frequency)信号)を指定方向に送出してその反射波を受信する。送受信器2では、送受信部21において、アンテナ1の複数のアンテナ素子でそれぞれ受信された信号をビーム制御部22からの指示に従って位相制御を施し合成することで、任意の方向に受信ビームを形成してPRF受信信号を取得し、ベースバンドに周波数変換する。このようにして得られたPRF受信信号は信号処理器3に送られる。
【0013】
上記信号処理器3は、AD(Analog-Digital)変換部31、PRI軸FFT(Fast Fourier Transformation)処理部32、レンジ軸FFT処理部33、乗算部34、参照信号生成部35、参照信号FFT処理部36、レンジ軸IFFT処理部37、ドップラ−レンジ出力部38、CFAR検出部39、ドップラ−レンジセル抽出部3A、ドップラIFFT/レンジFFT処理部3B、相関行列(Rxx)演算部3B、MUSIC(Multiple Signal Classification)処理部3C、CFAR検出部3D、速度・レンジ出力部3Eを備える。
【0014】
上記信号処理器3において、送受信部21で周波数変換された受信信号は、AD変換部31によりディジタル信号に変換される。AD変換された信号は、PRI軸FFT処理部32によりPRI軸方向にFFT処理されてドップラ周波数軸の信号に変換され、さらに、レンジ軸FFT処理部33によりレンジ軸についてFFT処理されて、乗算部34に送られる。
【0015】
一方、参照信号生成部35では、パルス圧縮用の参照信号が生成されており、この参照信号は参照信号FFT処理部36にてFFT処理されて上記乗算部34に送られる。乗算部34は、受信信号のレンジ軸FFT処理によって得られた周波数域信号と参照信号のFFT処理によって得られた周波数域信号とを乗算して、周波数域のパルス圧縮信号を生成る。
【0016】
このパルス圧縮信号は、レンジ軸IFFT処理部37にてレンジ軸方向のIFFT処理により時間領域のパルス圧縮信号に変換された後、ドップラ−レンジ出力部38に送られる。このドップラ−レンジ出力部37は、パルス圧縮信号からドップラ周波数軸におけるPRI毎のレンジ信号を取得する。このレンジ信号はCFAR検出部39に送られ、CFAR処理によりスレショルドを超える信号の極大値が検出される。ドップラ−レンジセル抽出部3AはPRI毎に極大値が検出された時間とドップラ周波数を中心にしたレンジセルを抽出してドップラ逆FFT/レンジFFT処理部3Bに送る。
【0017】
上記ドップラ逆FFT/レンジFFT処理部3Bは、抽出されたセルのドップラ周波数軸を逆FFT処理してPRI軸に変換し、レンジ軸をFFT処理してレンジ周波数軸に変換した信号を生成し、これを1次元に並べ替えて相関行列算出部3Cに送る。この相関行列算出部3Cは、PRI−レンジ周波数で表現される信号の共分散行列を相関行列として算出する。この相関行列算出部3Cで算出された相関行列は、MUSIC処理部3Dに送られる。
【0018】
上記MUSIC処理部3Dは、相関行列をMUSIC処理してMUSICスペクトルを算出する。CFAR検出部3EはMUSICスペクトルでCFAR処理されてスレショルドを超える信号のドップラ周波数とレンジ周波数を表す極大値が抽出される。この抽出結果は速度・レンジ出力部3Fに送られる。この速度・レンジ出力部3Fは、極大値のドップラ周波数とレンジ周波数から目標の速度及びレンジを算出して出力する。
【0019】
上記構成において、
図2及び
図3を参照して信号処理器3の処理動作を説明する。
【0020】
まず、送受信器2では、アンテナ1に目標方向にビームを指向させてPRF信号を送受信する。信号処理器3は、受信されたPRF信号をAD変換部31によりディジタル信号に変換した後、PRI軸FFT処理部32でFFT処理してPRI軸の周波数域信号に変換し、さらに、レンジ軸FFT処理部33でFFT処理してレンジ軸の周波数域信号に変換する。また、参照信号生成部35でパルス圧縮用の参照信号を生成し、参照信号FFT処理部36でFFT処理し周波数域の参照信号を生成して乗算部34に送る。乗算部34は、PRF受信信号の周波数域信号と参照信号の周波数域信号を乗算する。以上の処理を数式にて示す。
【0021】
まず、PRI軸FFT処理部32において、入力したPRI信号sig(n,t)(PRI番号、時間)をPRI軸でFFT処理する(
図2(a))。
【数1】
【0022】
次に、レンジ軸FFT処理部33において、レンジ(時間)軸でFFT処理する(
図2(b))。
【数2】
【0023】
一方、参照信号生成部35でされる参照信号(線形チャープ信号の場合)を表現すると、次式となる。
【数3】
【0024】
この参照信号としては、非線形チャープ信号、符号変調等、他の変調方式でもよいのは言うまでもない(例えば非特許文献1、2参照)。
【0025】
参照信号FFT処理部36では、上記参照信号Sref(t)のサンプル長を入力信号に合わせて0埋めした信号に置き換える。
【数4】
【0026】
これをFFTして、参照信号の周波数軸の信号を得る。
【数5】
【0027】
これにより、乗算部34における周波数領域の乗算後の信号は、次式となる。
【数6】
【0028】
乗算部34は、さらにパルス圧縮後のレンジサイドローブを低減するためのウェイトを算出し、上記乗算結果に算出したウェイトをかける。ウェイトは、レンジサイドローブの設定に応じて、一様ウェイト、テイラーウェイト等(例えば非特許文献3参照)を選定すればよい。
【数7】
【0030】
次に、ドップラ−レンジ出力部38において、次式に示すドップラ周波数軸の時間tとレンジ軸Rの関係式から時間軸の信号S(n,t)からレンジRを換算出力する。
【数9】
【0031】
次に、CFAR処理部39において、時間軸の信号S(n,t)(周波数バンク番号、時間で表記)に対して、CFAR処理(例えば非特許文献4参照)により極大値の検出を行い、ドップラ−レンジセル抽出部3Aにおいて、極大値の検出があった時間tsel(p)と周波数バンク番号に対するドップラ周波数fsel(p)(pは目標番号)を中心にした(N,M)セルを抽出する(
図2(c))。
【0032】
次に、ドップラ逆FFT/レンジFFT処理部3Bにおいて、抽出したセルのドップラ周波数軸を逆FFT処理してpri軸に変換し、時間(レンジ)軸をFFT処理してレンジ周波数軸に変換する(
図2(d))。相関行列算出部3Cは、上記のようにして得られた信号をSw(pri,ω)とし、これを1次元に並べ替えする(
図2(e))。その並べ替えした信号Xをもとに、共分散行列Rxxを算出する(
図3)。以下に定式化する。
【数10】
【0033】
この相関行列Rxxを用いて、MUSIC処理部3DにおいてMUSIC処理し、次式によりMUSICスペクトルを算出する(非特許文献5参照)。
【数11】
【0034】
以上の処理の説明を
図3に示す。
図3において、(a)はPnRmで示されるPRI−レンジ周波数データのPRI軸とレンジ周波数軸における配列を示しており、(b)は(a)に示す配列データを1次元ベクトルXに変換し、Xより相関行列Rxxを演算する様子を示している。
【0035】
このMUSICスペクトルSmusicにおいて、例えばCFAR処理(非特許文献4参照)によりスレショルドを超える信号の極大値Ω(ft,ωt)を抽出する。
【0036】
最後に、速度・レンジ出力部3Fにおいて、ドップラ周波数ftとレンジ周波数ωtより、次式の換算により目標の速度VtとレンジRtを算出する(
図2(f))。
【数12】
【0038】
以上のように、第1の実施形態に係るレーダ装置は、N(N≧1)パルスをPRI軸方向に送受信する場合に、NパルスのPRF受信信号をFFT処理し、さらにパルス圧縮した後のドップラ−レンジ軸の信号を用いてCFAR処理することによりP個の極値を検出し、検出した極値を持つドップラ−レンジセルを中心に、(±Pr1,±Pr2)個のセルに対応する信号を抽出する。ドップラfd軸は逆FFT処理してpri軸に変換し、時間(レンジr)軸はFFT処理して周波数軸に変換し、pri軸及び周波数軸に変換した信号より行列Rxxm(pri,ω)を算出し、この行列Rxxmを縦列(横列)方向に並べた1次元ベクトルに変換した信号Xを用いて相関行列Rxx(pri,ω)を算出し、MUSIC処理等の高分解能処理により、速度軸とレンジ軸で目標を分離して検出する。
【0039】
上記構成によるレーダ装置によれば、ドップラ−レンジ軸で検出したセル付近を抽出し、抽出した信号について、ドップラ周波数軸とレンジ軸の両者を1次元に並べた信号による相関行列を用いてMUSIC処理を施すことにより、ドップラ周波数軸とレンジ軸の2次元において、高分解能に目標を分離することができる。
【0040】
(第2の実施形態)
図4乃至
図6を参照して第2の実施形態を説明する。
【0041】
図4は第2の実施形態に係るパルス圧縮レーダ装置の構成を示すブロック図、
図5及び
図6は信号処理器3の処理動作を説明するための図である。
図4において、
図1と同一部分には同一符号を付して示し、ここでは重複する説明を省略する。また、
図5及び
図6はそれぞれ
図2及び
図3に対応するが、
図5(e)、
図6(a)はそれぞれ
図2(e)及び
図3(a)とは異なる。
【0042】
図4に示すレーダ装置において、
図1に示したレーダ装置の構成と異なる点は、信号処理器3において、相関行列算出部3Cを平均相関行列算出部3Gに置き換えた点にある。
【0043】
すなわち、第1の実施形態では、目標信号間の相関が小さい場合について述べた。これに対して、第2の実施形態では、レーダ装置の送受信による複数の目標信号は、互いに相関をもつため、(10)式のRxxの相関成分を抑圧するために、平均化処理を行う。このために、
図5(e)、
図6(a)に示すようにPRI−レンジ周波数軸の行列データにおいて部分行列Swmを抽出し、そのたびにRxxmの算出を行い、その要素毎の平均値の行列をRxxとする。
【数14】
【0044】
本実施形態は、この平均相関行列Rxxを用いて、(11)〜(13)式により、目標の速度と距離を算出する。
【0045】
本実施形態は、2次元の信号をもとに、相関行列の平均値を求めてMUSIC処理するのが主旨であり、平均化の手法は、各相関行列の平均値や、Forward-Backward空間平均法(非特許文献6参照)等、他の手法でもよいのは言うまでもない。
【0046】
以上のように、第2の実施形態に係るレーダ装置は、N(N≧1)パルスをPRI軸方向に送受信する場合に、NパルスのPRF受信信号をFFT処理し、さらにパルス圧縮した後のレンジ−ドップラ周波数軸の信号を用いてCFAR処理することによりP個の極値を検出し、検出した極値を持つドップラ−レンジセルを中心に、(±Pr1,±Pr2)個のセルに対応する信号を抽出する。ドップラ周波数軸fdは逆FFT処理してpri軸に変換し、時間(レンジr)軸はFFT処理して周波数軸に変換し、pri軸及び周波数軸に変換したた信号より行列Rxxm(pri,ω)を算出する。この行列Rxxmを、pri軸とω軸に対して各々Mr1及びMr2セルずつスライディングさせ、これによって選定した行列を縦列(横列)方向に並べた1次元ベクトルに変換した信号Xを用いて相関行列Rxx(m)(m=1〜Mr1×Mr2)を演算し、その平均値のRxxavg(pri,ω)を用いて、MUSIC処理等の高分解能処理により、速度軸とレンジ軸で目標を分離して検出する。
【0047】
上記構成によるレーダ装置によれば、ドップラ−レンジ軸で検出したセル付近を抽出し、抽出した信号について、ドップラ周波数軸とレンジ軸の両方の軸で移動平均した信号を1次元に並べた信号による相関行列を用いたMUSIC処理を施すことにより、目標間で相関がある場合でも、ドップラ周波数軸とレンジ軸の2次元において、高分解能に目標を分離することができる。
【0048】
(第3の実施形態)
図7及び
図8を参照して第3の実施形態を説明する。
【0049】
図7は第3の実施形態に係るパルス圧縮レーダ装置の構成を示すブロック図、
図8はその処理動作を説明するための図である。本実施形態は、検出用のΣビームと測角用のΣ2ビームを用いてAz及びELの測角を行う手法に特徴がある。本実施形態では、測角のために、位相モノパルス信号(Σ、Δ:非特許文献7参照)を用いる。
【0050】
図7に示すレーダ装置において、送受信器2では、PRF受信信号から位相モノパルス信号を生成して和ビームΣと差ビームΔそれぞれの成分を取り出す。信号処理器3では、送受信器2で得られた位相モノパルス信号Σ,Δを取り込んでAD変換部31でディジタル信号に変換し、S1,S2生成部3Hで開口2分割の第1信号S1と第2信号S1を生成する。位相モノパルス信号Σ,Δはそれぞれ以下のように定義される。
【数15】
【0051】
したがって、位相モノパルスの出力信号をΣとΔとすると、次式で第1信号S1と第2信号S2を算出することができる。
【数16】
【0052】
この第1信号S1及び第2信号S2はそれぞれΣ形成部3I、Σ2形成部3I′に送られる。これらのΣ形成部3I、Σ2形成部3I′は、
図8(a)に示すように、それぞれ入力信号S1,S2にビーム指向方向を決める位相θ1,θ2を設定する。これにより、Σ系統とΣ2系統で互いに異なる指向方向を持つΣビームb1とΣ2ビームb2を形成することができる。
【数17】
【0053】
これらのビームb1,b2の信号をそれぞれ入力信号sig1,sig2とする。入力信号sig1については、第1及び第2の実施形態で示したPRI軸FFT処理部32、レンジ軸FFT処理部33、乗算器34、レンジ軸IFFT処理部37、ドップラ−レンジ出力部38、CFAR検出部39、ドップラ−レンジセル抽出部3A、ドップラ逆FFT/レンジFFT処理部3B、平均相関行列3G、MUSIC処理部3D、CFAR検出部3Eにより、各々のMUSICスペクトルの極値を検出し、速度レンジ算出部3Fによりドップラ周波数に基づく速度からレンジrを算出する。一方、入力信号sig2については、上記sig1側と同等のPRI軸FFT処理部32′、レンジ軸FFT処理部33′、乗算器34′、レンジ軸IFFT処理部37′、ドップラ−レンジ出力部38′、CFAR検出部39′、ドップラ−レンジセル抽出部3A′、ドップラ逆FFT/レンジFFT処理部3B′、平均相関行列3G′、MUSIC処理部3D′により、各々のMUSICスペクトルを検出し、セル検出部3Kにおいてsig1側のCFAR検出部3Eで検出された極値に基づいて対応するセルを検出する。セル検出結果は、上記速度レンジ算出部3Fで得られたレンジrと共に測角値算出部3Lに送られる。
【0054】
測角値算出部3Lでは、上記レンジrに基づいて、次式により電力(b1、b2に対応してS1とS2)を算出する(非特許文献5参照)。
【数18】
【0055】
この行列S(S1とS2)の第p番目の対角成分から、p番目の目標に対する受信電力(P1とP2)が得られ、この平方根により受信振幅(E1とE2)が得られる。これを用いて、次式により誤差電圧εを算出する。
【数19】
【0056】
この誤差電圧と角度については、
図8(b)に示すように、予め角度に対する誤差電圧εをテーブル化しておき、誤差電圧テーブルを作成しておく。(19)式により算出したεにより、テーブルを用いて角度θを算出する(引用文献7)。
【0057】
以上のように、第3の実施形態に係るレーダ装置は、アンテナ開口を2分割して和(Σ)と差(ΔAZまたはΔEL)ビームによりパルスを送受信するパルス圧縮レーダ装置において、ΣとΔ信号より左右(上下)の開口信号を生成し、その信号により所定の方向にビームを向ける位相を与えて2本のΣビーム(ΣとΣ2)を形成し、ΣとΣ2により第1及び第2の実施形態で説明した処理を実施してMUSICスペクトルの対応するドップラ−レンジセルを抽出し、ΣとΣ2のMUSICスペクトル等の高分解能処理により算出した振幅比による誤差電圧を用いて測角する。
【0058】
上記構成によれば、ドップラ周波数軸−レンジ軸の移動平均による相関行列を用いた2次元MUSIC処理により、高分解能に分解した信号を用いて、Σ及びΔのモノパルス出力を用いた2ビームの出力により測角を行うことができる。
【0059】
(第4の実施形態)
図9を参照して第4の実施形態を説明する。
【0060】
第3の実施形態では、ΣとΔビームを用いて、検出用のΣビームと測角用のΣ2ビームを算出し、モノパルス方式により測角する手法について述べた。第4の実施形態は、その他のビームとして、ΣビームとΣ2ビームをAZ面またはEL面の少なくともいずれか一方に、スクイントさせて形成する方式を採用したことを特徴とする。
【0061】
図9は第4の実施形態に係るパルス圧縮レーダ装置の構成を示すブロック図である。本実施形態では、送受信器2においてΣとΣ2ビ−ムを形成し、信号処理器3において、Σ、Σ2の信号をそれぞれAD変換部31でデジタル信号に変換した後は、その信号を(16)式のS1とS2として、第3の実施形態の(17)〜(19)式と同様に処理する。
【0062】
以上のように、第4の実施形態に係るレーダ装置は、AZ面またはEL面の少なくともいずれか一方にスクイントしたΣとΣ2ビームによりパルスを送受信するパルス圧縮レーダ装置において、ΣとΣ2により第1及び第2の実施形態と同様の処理を実行してMUSICスペクトルの対応するレンジセルを抽出し、ΣとΣ2のMUSICスペクトル等の高分解能処理により算出した振幅比による誤差電圧を用いて測角する。
【0063】
上記構成によれば、ドップラ周波数軸−レンジ軸の移動平均による相関行列を用いた2次元MUSIC処理により、高分解能に分解した信号を用いて、Σ及びΣ2のモノパルス出力を用いた2ビームの出力により測角を行うことができる。
【0064】
尚、3次元レーダの場合は、AZ面及びEL面に対して、それぞれ、上述の方式を用いればよいのは言うまでもない。また、本実施形態は、相関行列Rxxを算出してMUSIC手法について述べたが、処理規模削減のために、既知の手法であるROOT−MUSICや、ESPRIT(非特許文献5参照)法等を用いてもよいのは言うまでもない。
【0065】
その他、本実施形態は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。