【文献】
内山 光弘 MITSUHIRO UCHIYAMA、他,ラグビー中継におけるカメラワークと音作り,放送技術 第53巻・第7号(通巻638号) Hohsoh Gijutsu,兼六館出版株式会社、西村 ▲たま▼江,2000年 7月 1日,第53巻 第7号,129〜134,学術文献等DB
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
球技の試合の審判員が装着し且つハンズフリーで音声を入出力できる音声入出力装置と、前記音声入出力装置と無線通信により接続された得点操作盤と、前記試合の得点を含む各種情報を表示するスコアボードと、を備えたスコアボード音声操作システムであって、
前記音声入出力装置は、
入力された音声を音声データに変換する音声入力手段と、
前記音声入力手段で生成された音声データを前記得点操作盤へ無線で送信し、前記得点操作盤から無線で送信されてきた音声データを受信する第1の無線通信手段と、
前記第1の無線通信手段で受信された音声データを音声にして出力する音声出力手段と、
を有し、
前記得点操作盤は、
前記音声入出力装置の前記第1の無線通信手段との間で、無線で音声データの送受信を行う第2の無線通信手段と、
前記第2の無線通信手段で受信された音声データを言葉として認識する音声認識手段と、
予め登録された複数の登録コマンドの中から、前記音声認識手段で認識された言葉と一致する登録コマンドを検出するコマンド検出手段であって、前記複数の登録コマンドは、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応した登録コマンドと、球技の試合の得点又は球技の試合状況を表すカウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドとを含む、コマンド検出手段と、
前記コマンド検出手段で検出された登録コマンドが、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応する登録コマンドである場合、該登録コマンドに応じた、前記スコアボードの表示内容を変更する指示電文を作成して、該指示電文を前記スコアボードへ出力する電文作成手段と、
前記コマンド検出手段で検出された登録コマンドが、前記得点又は前記カウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドである場合、該登録コマンドに応じた得点又はカウント数を音声データにして前記第2の無線通信手段へ出力する音声データ作成手段と、
を有し、
前記スコアボードは、前記電文作成手段から出力された前記指示電文に応じて前記表示内容を変更し、
前記音声入出力装置は、前記音声データ作成手段から出力されて前記第2の無線通信手段によって送信された前記音声データを前記第1の無線通信手段で受信し、該受信した音声データを前記音声出力手段から出力する、ことを特徴とするスコアボード音声操作システム。
前記音声入出力装置は、前記スコアボードの表示内容が変更される毎に、その結果を音声で前記音声出力手段から出力するように構成されていることを特徴とする請求項1に記載のスコアボード音声操作システム。
前記得点操作盤は、前記審判員が前記音声入出力装置に、前記カウント数の表示内容の変更を指示する所定の言葉を発すると、前記所定の言葉に応じて前記カウント数の表示の変更を指示する指示電文を前記スコアボードへ出力し、
前記スコアボードは、前記指示電文に応じて前記カウント数の表示内容を変更するように構成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のスコアボード音声操作システム。
前記球技は野球であり、前記カウント数は、ボール/ストライク/アウトの各カウント数であり、前記スコアボードは、主に試合の得点を表示するメインのスコアボードと、前記カウント数を表示するサブスコアボードとを含む、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のスコアボード音声操作システム。
球技の試合の審判員が装着し且つハンズフリーで音声を入出力できる音声入出力装置と、前記音声入出力装置と無線通信により接続された得点操作盤と、前記試合の得点を含む各種情報を表示するスコアボードと、を備えたスコアボード音声操作システムにおける、前記得点操作盤であって、
前記音声入出力装置との間で、無線で音声データの送受信を行う無線通信手段と、
前記無線通信手段で受信された音声データを言葉として認識する音声認識手段と、
予め登録された複数の登録コマンドの中から、前記音声認識手段で認識された言葉と一致する登録コマンドを検出するコマンド検出手段であって、前記複数の登録コマンドは、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応した登録コマンドと、球技の試合の得点又は球技の試合状況を表すカウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドとを含む、コマンド検出手段と、
前記コマンド検出手段で検出された登録コマンドが、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応する登録コマンドである場合、該登録コマンドに応じた、前記スコアボードの表示内容を変更する指示電文を作成して、該指示電文を前記スコアボードへ出力する電文作成手段と、
前記コマンド検出手段で検出された登録コマンドが、前記得点又は前記カウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドである場合、該登録コマンドに応じた得点又はカウント数を音声データにして前記無線通信手段へ出力する音声データ作成手段と、
を有することを特徴とする得点操作盤。
前記コマンド検出手段は、前記音声認識手段で認識された言葉と一致する登録コマンドを検出できない場合、前記言葉を登録コマンドではないノイズと判断することを特徴とする請求項5又は6に記載の得点操作盤。
球技の試合の審判員が装着する音声入出力装置と、前記音声入出力装置と無線通信により接続され且つ前記音声入出力装置から送信された音声データに応じた指示電文を出力する得点操作盤と、前記得点操作盤から出力された前記指示電文に応じて表示内容を変更するスコアボードと、を備えたスコアボード音声操作システムにおけるスコアボード音声操作方法であって、
前記音声入出力装置が、前記音声入出力装置の音声入力部から入力された音声を音声データに変換して無線通信により前記得点操作盤へ送信する第1処理と、
前記得点操作盤が、前記第1処理によって送信された音声データを受信し、該受信した音声データを言葉として認識する第2処理と、
前記得点操作盤が、予め登録された複数の登録コマンドの中から、前記第2処理によって認識された前記言葉と一致する登録コマンドを検出する第3処理であって、前記複数の登録コマンドは、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応した登録コマンドと、球技の試合の得点又は球技の試合状況を表すカウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドとを含む、第3処理と、
前記第3処理によって検出された登録コマンドが、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応する登録コマンドである場合、前記得点操作盤が、該登録コマンドに応じた、前記スコアボードの表示内容を変更する指示電文を作成して、該指示電文を前記スコアボードへ出力する第4処理と、
前記第3処理によって検出された登録コマンドが、前記得点又は前記カウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドである場合、前記得点操作盤が、該登録コマンドに応じた得点又はカウント数を音声データにして前記音声入出力装置へ送信する第5処理と、
を有することを特徴とするスコアボード音声操作方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、操作室に設置された得点操作盤からスコアボードの表示内容を操作する場合には、試合参加メンバから得点操作盤の操作のための人員・労力を割当てることが多く、参加者に負担がかかっていた。一方、グランド内に持ち込んだ携帯通信端末から操作を行う場合には、画面を見ながら操作するため、携帯通信端末の操作中は試合から目を離さなければならず、飛んでくるファウルボールに当たる等の危険があった。
【0006】
そこで、本発明は、参加者に負担をかけることなく、試合から目を離すことなくスコアボードの表示内容を操作することが可能な得点操作盤、スコアボード音声操作システム及びスコアボード音声操作方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1側面のスコアボード音声操作システムは、
球技の試合の審判員が装着し
且つハンズフリーで音声
を入出力できる音声入出力装置と、前記音声入出力装置と無線通信により接続された得点操作盤と、
前記試合の得点を含む各種情報を表示するスコアボー
ドと、を備えたスコアボード音声操作システムであって、前記音声入出力装置は、入力された音声を
音声データに変換する音声入力手段と、前記音声入力手段で生成された音声データを前記得点操作盤へ
無線で送信し、
前記得点操作盤から無線で送信されてきた音声データを受信する第1の無線通信手段と、前記第1の無線通信手段で受信された音声データを音声にして出力する音声出力手段と、を有し、前記得点操作盤は、
前記音声入出力装置の前記第1の無線通信手段との間で、無線で音声データの送受信を行う第2の無線通信手段と、前記第2の無線通信手段で受信された音声データを言葉として認識する音声認識手段と、予め登録された複数の登録コマンドの中から、前記音声認識手段で認識された言葉と一致する登録コマンドを検出するコマンド検出手段であって、前記複数の登録コマンドは、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応した登録コマンドと、球技の試合の得点又は球技の試合状況を表すカウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドとを含む、コマンド検出手段と、前記コマンド検出手段で検出された登録コマンドが、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応する登録コマンドである場合、該登録コマンドに応じた、前記スコアボードの表示内容を変更する指示電文を作成して
、該指示電文を前記スコアボードへ出力する電文作成手段と、前記コマンド検出手段で検出された登録コマンドが、前記得点又は前記カウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドである場合、該登録コマンドに応じた得点又はカウント数を音声データにして前記第2の無線通信手段へ出力する音声データ作成手段と、を有し、前記スコアボー
ドは、
前記電文作成手段から出力された前記指示電文に応じて前記表示内容を変更
し、前記音声入出力装置は、前記音声データ作成手段から出力されて前記第2の無線通信手段によって送信された前記音声データを前記第1の無線通信手段で受信し、該受信した音声データを前記音声出力手段から出力する、ことを特徴とする。
【0008】
本発明の第2側面の得点操作盤は、球技の試合の審判員が装着し且つハンズフリーで音声を入出力できる音声入出力装置と、前記音声入出力装置と無線通信により接続された得点操作盤と、前記試合の得点を含む各種情報を表示するスコアボードと、を備えたスコアボード音声操作システムにおける、前記得点操作盤であって、前記音声入出力装置との間で、無線で音声データの送受信を行う無線通信手段と、前記無線通信手段で受信された音声データを言葉として認識する音声認識手段と、予め登録された複数の登録コマンドの中から、前記音声認識手段で認識された言葉と一致する登録コマンドを検出するコマンド検出手段であって、前記複数の登録コマンドは、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応した登録コマンドと、球技の試合の得点又は球技の試合状況を表すカウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドとを含む、コマンド検出手段と、前記コマンド検出手段で検出された登録コマンドが、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応する登録コマンドである場合、該登録コマンドに応じた、前記スコアボードの表示内容を変更する指示電文を作成して、該指示電文を前記スコアボードへ出力する電文作成手段と、前記コマンド検出手段で検出された登録コマンドが、前記得点又は前記カウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドである場合、該登録コマンドに応じた得点又はカウント数を音声データにして前
記無線通信手段へ出力する音声データ作成手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
本発明の第3側面のスコアボード音声操作方法は、球技の試合の審判員が装着する音声入出力装置と、前記音声入出力装置と無線通信により接続され且つ前記音声入出力装置から送信された音声データに応じた指示電文を出力する得点操作盤と、前記得点操作盤から出力された前記指示電文に応じて表示内容を変更するスコアボードと、を備えたスコアボード音声操作システムにおけるスコアボード音声操作方法であって、前記音声入出力装置が、前記音声入出力装置の音声入力部から入力された音声を音声データに変換して無線通信により前記得点操作盤へ送信する第1処理と、前記得点操作盤が、前記第1処理によって送信された音声データを受信し、該受信した音声データを言葉として認識する第2処理と、前記得点操作盤が
、予め登録された複数の登録コマンドの中から、前記第2処理によって認識された前記言葉と一致する登録コマンドを検出する第3処理であって、前記複数の登録コマンドは、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応した登録コマンドと、球技の試合の得点又は球技の試合状況を表すカウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドとを含む、第3処理と、前記第3処理によって検出された登録コマンドが、前記スコアボードの表示内容を変更する所定の言葉に対応する登録コマンドである場合、前記得点操作盤が、該登録コマンドに応じた、前記スコアボードの表示内容を変更する指示電文を作成して、該指示電文を前記スコアボードへ出力する第4処理と、
前記第3処理によって検出された登録コマンドが、前記得点又は前記カウント数を確認する所定の言葉に対応した登録コマンドである場合、前記得点操作盤が、該登録コマンドに応じた得点又はカウント数を音声データにして前記音声入出力装置へ送信する第5処理と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明のスコアボード音声操作システム、得点操作盤及びスコアボード音声操作方法によれば、得点操作盤が音声認識手段により認識された言葉と一致する登録コマンドを検出すると、検出された言葉と一致する登録コマンドに基づいて、表示内容を変更する指示電文を作成してスコアボードに出力している。これにより、審判員が、自ら装着する音声入出力装置からハンズフリーで音声入力することにより、スコアボードの表示内容を操作することができるので、参加者に負担をかけることなく、試合から目を離すことなくスコアボードの表示内容を操作することが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に本発明の実施形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
(実施形態の構成)
図1は、本発明の実施形態のスコアボード音声操作システムのシステム構成図である。
【0014】
野球場等のグランドには、得点やストライク/ボール/アウトのカウント等の試合に関する多くの情報を表示するスコアボード40と、1イニングのストライク/ボール/アウトのカウントのみを表示するサブスコアボード50と、スコアボード40及びサブスコアボード50の表示内容を操作する得点操作盤10とがコネクタボックス20を介して接続されている。
【0015】
スコアボード40及びサブスコアボード50は、グランド又は客席から見やすい位置に設置され、得点操作盤10及びコネクタボックス20はファールボール等が飛んでこない場所にある操作室内に設置されている。
【0016】
スコアボード40は、両チームの9人の選手名を表示する選手名表示欄41,42と、主審、線審等の審判者名を表示する審判名表示欄43と、時計表示44と、チーム名表示欄45、得点表示エリア46と、合計得点表示欄47と、ヒット数表示欄48と、エラー数表示欄49と、を有している。スコアボード40は、図示しない複数の発光ダイオード(LED)等からなる表示ユニットと、図示しない電源回路及び表示ユニットの点灯駆動回路から構成されている。選手名表示欄41,42には、縦書きで、例えば、背番号「8」、選手名「荒木」といった表示が両チーム合わせて18人分表示できるようになっている。審判名表示欄43には、縦書きで、例えば、PL(主審)「仲間」、1B(1塁塁審)「林」、2B(2塁塁審)「板垣」、3B(3塁塁審)「松田」、3B(三塁塁審)「山本」といった審判名の表示ができるようになっている。時計表示44は現在の時刻を表示する。チーム名表示欄45には、2段の横書きで、例えば、上段「稲城」、下段「大宮」といった対戦チーム名が表示ができるようになっている。得点表示エリア46には、1回から9回までの各イニングの得点の表示ができるようになっている。
【0017】
サブスコアボード50は、3つの点灯素子から構成されているボールカウント表示51と、2つの点灯素子から構成されているストライクカウント表示52と、2つの点灯素子から構成されているアウトカウント表示53と、を有している。ボール/ストライク/アウトをカウントする点灯素子の点灯色は、例えば、青/黄/赤等区別しやすい色とすると好適である。サブスコアボード50も、スコアボード40と同様に、図示しない電源回路及び点灯素子の駆動回路を含んで構成されている。尚、点灯素子としては、LED、電球、有機EL(electroluminescence)等が考えられる。
【0018】
得点操作盤10は、音声入出力装置1からの電波を受信するアンテナ11aを含み、電波を変復調する機能を有する無線通信部11と、音声を解析して言葉として認識する音声解析部12と、認識された言葉と一致する登録コマンドがあるか否かを判断するコマンド判断部13と、得点のデータを参照する得点データ参照部14と、ボール/ストライク/アウトのカウントを参照するBSOカウント参照部15と、得点及びボール/ストライク/アウトのカウントの参照結果に基づいて音声データを作成する音声データ作成部16と、スコアボード40及びサブスコアボード50の表示内容を一致した登録コマンドに基づいて表示内容を変更する指示電文を生成して出力する電文出力部17と、音声データ作成部16で作成した音声を無線通信部11へ出力する音声出力部18と、審判肉声データベース19a及び登録コマンドデータベース19bと、を有している。
【0019】
音声入出力装置1は、グランドにいる主審が頭部に装着して使用するハンズフリーの例えば、インカムのようなトランシーバにより構成され、得点操作盤10との間で無線通信により音声の送受信を行う機能を有している。
【0020】
図2は、
図1中の音声入出力装置の概略を示す機能ブロック図である。
音声入出力装置1は、例えば、マイク等の音声入力部2と、スピーカ、イヤホン等の音声出力部3と、音声入力部2から入力される音声の変調を掛けると共に復調した音声を音声出力部3へ出力する変復調部4と、変復調部4から入力された変調信号を増幅・周波数変換してアンテナ6から送信すると共にアンテナ6から受信した受信波を増幅・周波数変換して変復調部4へ出力する無線通信部5と、を有している。変復調部4における変復調方式は、周波数変調(FM変調)、振幅変調(AM変調)、その他の変復調方式を採用することができる。
【0021】
特に、音声入力部2は、ハンズフリー機能を有しており、例えば、マイクから入力される音声の音圧が閾値を超えると、音声周波数帯域の増幅器がオン状態になる機能を有している。このようなハンズフリー機能を有する音声入出力装置1を使用すると、操作画面を見ることなく、音声入力により得点操作盤10を介してスコアボード40及びサブスコアボード50の表示内容を操作することができる。
【0022】
主審が、例えば、「ストライク」という音声を発すると、主審の頭部に装着されている音声入出力装置1を介して無線通信により、得点操作盤10内の音声解析部12へ「ストライク」という音声が入力される。音声解析部12は、審判肉声データベース19aを参照して「ストライク」という音声を「ストライク」という言葉として認識する。次に、コマンド判断部13は、認識された「ストライク」という言葉が登録コマンドデータベース19bに登録された登録コマンドと一致するかを判断する。即ち、コマンド判断部13及び登録コマンドデータベース19bにより、認識された言葉と一致する登録コマンドを検出するコマンド検出手段が構成される。
【0023】
コマンド判断部13が一致する登録コマンドを検出した場合には、一致した登録コマンドに基づいて、得点データ参照部14がスコアボード40における得点データを参照し、BSOカウント参照部15がサブスコアボード50におけるボール/ストライク/アウトのカウント数を参照し、得点データ及びカウント数の参照結果に基づいて、表示変更の指示電文を電文出力部17が作成して出力する。即ち、得点データ参照部14、BSOカウント参照部15及び電文出力部17により、表示内容を変更する指示電文を作成して出力する電文作成手段が構成される。電文出力部17には、登録コマンドに基づいて、得点データ及びカウント数から表示内容を変更することに関する野球のルールブックに知識を記憶している。
【0024】
サブスコアボード50におけるボール/ストライク/アウトのカウント数が、例えば、2ボール/1ストライク/1アウトのときに、主審が発した「ストライク」の音声を音声解析部12が「ストライク」の言葉として認識した場合、電文出力部17は、サブスコアボード50のストライクカウント表示52の点灯を1つ点灯から2つ点灯へ変更する指示電文を作成し、作成した指示電文をコネクタボックス20を介してサブスコアボード50へ出力する。サブスコアボード50のストライクカウント表示52の2つ目の表示素子が点灯し、2つの表示素子が点灯する。
【0025】
電文出力部17は、コマンド判断部13で一致すると判断された登録コマンドの内容に応じ、参照される得点データ及びカウント数の参照結果に基づいて、スコアボード40及びサブスコアボード50の表示変更を指示する指示電文を作成する。
【0026】
図3は、
図1中の審判肉声データベース19aの一例を示す図である。
審判肉声データベース19aには、例えば、A氏の肉声、B氏の肉声、男性の肉声の平均(例えば、男性100人から声をサンプリングした平均)、女性の肉声の平均、少年の肉声の平均、青年の肉声の平均、中年男性の肉声の平均等が考えられる。
【0027】
上述したように、審判肉声データベース19aは、主審の発する音声を言葉として認識するために用いられる。そのため、例えば、主審を務めるA氏の肉声の音声データを審判肉声データベース19aに登録しておけば、音声解析部12における音声認識を精度良く行える。尚、音声解析部12及び審判肉声データベース19aにより音声を言葉として認識する音声認識手段が構成されている。
【0028】
又、少年野球の試合であり、少年野球のチーム内から主審を選出する場合等には、審判肉声データベース19aに登録されている「少年の肉声の平均」を用いることにより音声認識を精度良く行える。
【0029】
図4は、
図1中の登録コマンドデータベース19bの一例を示す図である。
登録コマンドデータベース19bには、例えば、「ボール」、「ストライク」、「アウト」、「ダブルプレー」、「ランナーアウト」、「ヒット」、「エラー」、「フィルダーズチョイス」、「ホームイン」、「チェンジ」、「ファウル」、「得点」、「カウント」といった主審が発するであろう音声が登録されている。
【0030】
登録コマンドの内、「ボール」、「ストライク」、「ファウル」及び「アウト」は、サブスコアボード50のボールカウント表示51、ストライクカウント表示52、及びアウトカウント表示53の表示内容の変更に関係するコマンドである。
【0031】
登録コマンドの内、「ダブルプレー」及び「ランナーアウト」は、サブスコアボード50のアウトカウント表示53の表示内容の変更に関係するコマンドである。登録コマンドの内、「ヒット」、「エラー」及び「フィルダーズチョイス」は、スコアボード40のヒット数表示欄48及びエラー数表示欄49の表示内容の変更に関係するコマンドである。登録コマンドの内、「ホームイン」及び「チェンジ」は、主に、スコアボード40の得点表示エリア46及び合計得点表示欄47の表示内容の変更に関係するコマンドである。
【0032】
登録コマンドデータベース19bに登録されている各言葉は、各言葉に対応する処理内容と紐付けられて記憶されている。例えば、サブスコアボード50におけるボールカウント数が2以下のときに、認識された言葉と一致する登録コマンドが「ボール」である場合には、電文出力部17はボールカウント表示51の点灯素子数を1つ増やす指示電文を作成して出力する。一方、サブスコアボード50におけるボールカウント数が3のときに、認識された言葉と一致する登録コマンドが「ボール」である場合には、電文出力部17はボールカウント表示51及びストライクカウント表示52の点灯素子数を共に0に変更する指示電文を作成して出力する。サブスコアボード50におけるボールカウント数が3のときに、主審が「ボール」の判定をした場合には、打者はフォアボールとなり、1塁へ行き、次の打者に交代するためである。
【0033】
又、例えば、サブスコアボード50におけるストライクカウント数が2のときに、認識された言葉と一致する登録コマンドが「ストライク」である場合には、電文出力部17はストライクカウント表示52の点灯素子数を0とし、アウトカウント表示53の点灯素子数を1つ増やす指示電文を作成して出力する。ストライクカウント数が2のときに、主審が「ストライク」の判定をした場合には、3ストライクとなり打者は三振となり、アウトカウントが1つ増えるためである。
【0034】
尚、変更前のアウトカウント表示53の点灯素子数が2である場合には、電文出力部17はストライクカウント表示52及びアウトカウント表示53の点灯素子数を0とする指示電文を作成して出力する。
【0035】
その他、登録コマンドデータベース19bに登録されている登録コマンドが意味する野球のルールに従って、電文出力部17が指示電文を作成して出力する。
【0036】
更に、登録コマンドの内、「得点」及び「カウント」は、主審が現在の得点及びカウント数を確認したときに発する言葉に対応した登録コマンドである。コマンド判断部13が、例えば、認識された言葉と一致する登録コマンドが「得点」である場合、得点データ参照部14が得点データを参照して、音声データ作成部16が現在の得点を読み上げた音声データを作成する。音声出力部18は、作成された音声データ、例えば、「稲城3対大宮2」を無線通信部11へ出力し、音声入出力装置1を介して主審に現在の得点が伝えられる。
【0037】
(実施形態の動作)
図5は、本発明の実施形態のスコアボード音声操作方法の処理を示すフローチャートである。
【0038】
図1〜
図4を参照しつつ、
図5に示されたフローチャートに沿って、本発明の実施形態のスコアボード音声操作方法の処理について説明する。
【0039】
処理が開始されると、ステップS1へ進む。ステップS1において、得点操作盤10の電源がオフでなければ(N)、ステップS2へ進み、電源がオフであれば(Y)、処理を終了する。
【0040】
ステップS2において、音声解析部12に無線通信部11を介して音声入出力装置1から音声が入力されると、ステップS3へ進む。ステップS3において、音声解析部12は、入力された音声を審判肉声データベース19aに登録されている音声サンプルに基づいて音声認識し、ステップS4に進む。
【0041】
ステップS4において、コマンド判断部13は、音声認識した音声が登録コマンドデータベース19bに登録されたどの登録コマンドと一致するかを判断し、一致する登録コマンドがないときは(N)、ステップS5へ進み、一致する登録コマンドがあるときは(Y)、ステップS6へ進む。ステップS5に進むと、コマンド判断部13は、音声認識した音声が登録コマンドではなくノイズであると判断し、ステップS1へ戻る。
【0042】
ステップS6において、コマンド判断部13は、一致した登録コマンドがスコアボード40又はサブスコアボード50への表示指示か否かを判断し、スコアボード40又はサブスコアボード50への表示指示でなければ(N)、ステップS7へ進み、スコアボード40又はサブスコアボード50への表示指示であれば(Y)、ステップS9へ進む。ここで、スコアボード40又はサブスコアボード50への表示指示でない登録コマンドは、「得点」、「カウント」等であり、スコアボード40又はサブスコアボード50への表示指示である登録コマンドとしては、例えば、「ボール」、「ストライク」等である。
【0043】
ステップS7において、得点データ参照部14により得点を参照すると共に、BSOカウント参照部15によりボール/ストライク/アウトのカウント数を参照し、ステップS8へ進む。ステップS8において、音声
データ作成部16は、得点及びボール/ストライク/アウトのカウント数の音声を合成し、音声出力部18及び無線通信部11を介して、無線通信で、主審が装着している音声入出力装置1の音声出力部3から音声を出力し、ステップS1へ戻る。ステップS8において、例えば、「3回の裏「稲城」1点に対し「大宮」2点、3ボール/2ストライク/2アウト」といった内容の音声が合成される。
【0044】
ステップS9において、電文出力部17は、スコアボード40の表示内容を変更する指示電文を作成し、ステップS10へ進む。ステップS10において、スコアボード40は、得点操作盤10から与えられる指示電文に従って表示内容を変更し、ステップS1へ戻る。
【0045】
(その他の実施形態)
主審が、試合から目を離すことなく、現在の得点及びボール/ストライク/アウトのカウント数を確認した
いときがある。
【0046】
例えば、登録コマンドデータベース19bに、「得点」を登録コマンドとして登録しておき、コマンド判定部13が音声解析部12が認識した言葉が「得点」と一致すると判断したとき、得点データ参照部14により得点データを参照し、音声データ作成部16が参照した得点データに基づいて両チームの得点を読み上げて音声データを作成し、音声出力部18が作成された音声データを無線通信部11に出力する。得点データ参照部14が参照したことにより得点データが、例えば、「稲城」3点対「大宮」2点の場合、音声データ作成部16は、「稲城3対大宮2」といった音声データを作成し、音声出力部18がこの音声データを無線通信部11を介して音声入出力装置1へ送信する。これにより、審判員は、頭部に装着された音声入出力装置1の音声出力部3から「稲城3対大宮2」の音声を聞くことができる。
【0047】
又、登録コマンドデータベース19bに、「カウント」を登録コマンドとして登録しておき、コマンド判定部13が音声解析部12が認識した言葉が「カウント」と一致すると判断したとき、BSOカウント参照部15によりボール/ストライク/アウトのカウント数を参照し、音声データ作成部16が参照したカウント数に基づいて現在のボール/ストライク/アウトのカウント数を読み上げて音声データを作成し、音声出力部18が作成された音声データを無線通信部11に出力する。BSOカウント参照部15が参照したボール/ストライク/アウトのカウント数が、例えば、ボールカウント数“3”、ストライクカウント数“2”、アウトカウント数“2”の場合、音声データ作成部16は、「2ストライク3ボール、アウトカウント2」といった音声データを作成し、音声出力部18がこの音声データを無線通信部11を介して音声入出力装置1へ送信する。これにより、審判員は、頭部に装着された音声入出力装置1の音声出力部3から現在のボール/ストライク/アウトのカウント数を確認することができる。
【0048】
更に、主審が、カウント状況を確認した結果、サブスコアボード50のカウントの表示内容に誤りを発見し、カウントを修正したい場合がある。このような要請に応えるため、得点操作盤10の電文出力部17を、主審が発する所定の言葉に応じて、カウントの表示を修正する指示電文を作成してサブスコアボード50へ出力するように構成することができる。この場合、主審が発する所定の言葉、例えば、「修正」、「カウント変更」等を登録コマンドデータベース19bに登録コマンドとして登録しておくことになる。
【0049】
(実施形態の効果)
本発明の得点操作盤10によれば、音声解析部19aが審判肉声データベース19aに登録されている審判肉声データに基づいて審判員の発する音声を言葉として認識するので、審判員の発する音声以外の音を言葉として誤認することが少ない。
【0050】
又、コマンド判断部13が音声解析部19aで認識された言葉と一致する登録コマンドを検出して、電文出力部17が一致する登録コマンドに基づいて、表示内容を変更する指示電文を作成して出力するので、審判員の発した音声に対応するコマンドに基づいて、スコアボードの表示内容を操作することができる。
【0051】
審判員が装着する音声入出力装置1は、ハンズフリーで音声入力できるので、操作画面等を見ることなく、スコアボードの表示内容を操作することができる。これにより、参加者に負担をかけることなく、審判員が試合から目を離すことなくスコアボードの表示内容を操作することが可能になる。
【0052】
登録コマンドデータベース19bに、主審が試合中に確認したい「得点」、「カウント」といった登録コマンドを登録しておき、この登録コマンドに応じた確認内容に基づいて、音声データ作成部16で、確認内容の音声データを作成する。これにより、主審は、試合から目を離すことなく、現在の得点及びボール/ストライク/アウトのカウント数を確認することができる。
【0053】
(変形例)
本発明の変形例として、以下の(a)〜(c)のようなものが考えられる。
(a) 本発明の実施形態の説明では、説明の都合上野球を例にして説明したが、スコアボードにより得点等を表示する球技であって、審判が試合に集中しないと球が当たる虞のある他の球技、例えば、バスケットボールのスコアボードの操作にも適用可能である。
(b) 本発明の実施形態のスコアボード音声操作システムのシステム構成の説明では、スコアボードとサブスコアボートとが別々にあるとして説明したが、ボール/ストライク/アウトのカウント数を表示するサブスコアボートの機能をスコアボードに組み入れた一体型のスコアボードにも適用可能である。
(c) 本発明の実施形態のスコアボード音声操作システムについて、
図1の中の得点操作盤10の機能ブロックに基づいて説明したが、得点操作盤10はハードウェアで構成しても、図示しないメモリに記憶したプログラムをCPU(中央演算処理装置:Central Processing Unit)に読み込ますことにより、
図1中の得点操作盤10の機能を実現するように構成しても良い。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、以上に述べた実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内で種々の構成又は実施形態を取ることができる。