(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。
本実施形態の説明において示す方向は、特に断りのない限り、遊技者が遊技機10に正対して視たときの方向、すなわち図に示す遊技機10の正面図における方向とする。
また、以下の説明においては、特に断りのない限り、遊技機10には電源が投入され正常に動作していることを前提として説明する。
【0011】
<遊技機10の概要>
まず、本発明を実施する遊技機10の概要について、
図5、
図6、および
図12を用いて説明する。
図5は、遊技機10の電気構成を示す図である。
図6は、遊技機10の機能ブロック図である。
図12は、メイン基板100が備えるCPU101の構成例を示す図である。
【0012】
遊技機10は、遊技媒体(メダル)を消費して図柄変動ゲームを実行し、実行された図柄変動ゲームの結果の少なくとも一部に対する特典として遊技媒体を獲得しうる遊技機である。
遊技機10は、一または複数の処理装置(CPU101、CPU201)と、乱数回路(乱数回路131、132)と、第一抽選部160aと、第二抽選部160bと、を備える。
CPU101およびCPU201のうち少なくともCPU101は、保持している値が経時的に変動する記憶領域(Rレジスタ101dr)を備え、プログラムの実行によって図柄変動ゲームおよび図柄変動ゲームに関する演出の少なくとも一部を実行する。
乱数回路131、132は、乱数を生成する。
第一抽選部160aは、乱数回路132によって生成された乱数を取得して「第一抽選」を行う。
第二抽選部160bは、第一抽選とは異なる抽選の少なくとも一部である「第二抽選」を行う。
【0013】
「第一抽選」は、当該第一抽選が実行される図柄変動ゲーム、または、当該図柄変動ゲーム以降の期間に実行される図柄変動ゲームについて、特典として獲得しうる遊技媒体の総数の期待値、または、消費する遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる抽選である。すなわち、第一抽選はいわゆる出玉に影響を与えうる抽選である。
第二抽選部160bを実現するCPU101は、Rレジスタ101drの少なくとも一部が示す値を用いて第二抽選を行う。
【0014】
このように、第二抽選には、当該第二抽選を実現するCPU101とは別体である乱数回路131、132を用いずに、CPU101自体が備えるRレジスタ101drの一部が示す値を用いるので、乱数回路131、132の設定に係る処理が不要となるため、当該乱数回路131、132を用いる場合と比較して、CPU101に要求される処理量が軽減されうる。
また、CPU101により行われる抽選が、特典として獲得しうる遊技媒体の総数の期待値、または、消費する遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる抽選であるか否かを基準として、第一抽選と第二抽選とに分類されているので、当該遊技機10の抽選に係るスペックを変化させない設計変更が容易になる。
【0015】
獲得しうる遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる抽選には、入賞に係る抽選、役物の作動に係る抽選(役物連続作動装置に係る抽選を含む)、入賞に係る抽選または役物の作動に係る抽選の当選確率に影響を与えうる抽選、または、設定された当選フラグに対応する入賞を促す報知に係る抽選等が含まれる。
消費する遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる抽選には、再遊技に係る抽選、再遊技に係る抽選の当選確率に影響を与えうる抽選等が含まれる。
また、設定された当選フラグに対応する役物の作動を促す報知に係る抽選は、獲得しうる遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる抽選または消費する遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる抽選のいずれにも含まれうると解せる。
また、ぱちんこ遊技機においては保留上限数という制限があるため、図柄変動ゲームの変動時間が長くなるほど当該制限により無効とされる入球が増加しうるので、図柄変動ゲームの変動時間の長さに影響を与えうる抽選(例えば変動パターンの抽選)は、消費するメダルの総数の期待値に影響を与えうる抽選に含まれうる。一方で、回胴式遊技機においては、図柄変動ゲームの変動時間の長さに影響を与えうる抽選(例えばフリーズ演出の有無の抽選)は、当該制限が無いため、消費するメダルの総数の期待値に影響を与えうる抽選には含まれないと解せる。
「第一抽選とは異なる抽選の少なくとも一部である第二抽選」とは、第二抽選が、当該第二抽選が実行される図柄変動ゲーム、および、当該図柄変動ゲーム以降の期間に実行される図柄変動ゲームについて、特典として獲得しうる遊技媒体の総数の期待値にも消費する遊技媒体の総数の期待値にも影響を与えない抽選であることを意味する。すなわち、第二抽選は、いわゆる出玉に影響を与えない抽選である。従って、上記に第一抽選として列挙した抽選のいずれにも該当しない抽選は、第二抽選に含まれうる。
【0016】
遊技媒体とは、回胴式遊技機である遊技機10においてはメダルである。
遊技媒体を獲得するとは、回胴式遊技機においては入賞の特典としてメダルが付与されることである。
遊技媒体を消費するとは、回胴式遊技機においては保有しているメダルを投入して、またはクレジットを減算させて、図柄変動ゲームを開始させることである。
【0017】
以上に述べた本発明の実施に関する遊技機10を詳細に説明するため、以下に遊技機10が実行する各処理について、具体的に説明する。
【0018】
<遊技機10の構造について>
遊技機10の構造について、
図1から
図4を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、
図1において破線で囲って示す手元領域IIの斜視図である。
図3は、前面扉20の裏面を示す図である。
図4は、前面扉20を除いた遊技機10を示す図である。
【0019】
遊技機10は、前面を開口した直方体状の外枠90と、外枠90の左縁側に対して回動開閉可能に軸支された前面扉20と遊技機本体部60と、を備えている。
より具体的には、外枠90の左縁側には3つのヒンジ部96(96a、96b、96c)が設けられており、上段ヒンジ部96aと下段ヒンジ部96cによって前面扉20が軸支され、上段ヒンジ部96aと中段ヒンジ部96bによって遊技機本体部60が軸支されている。
【0020】
前面扉20の前面側には、
図1または
図2に示すように、上部パネル21と、下部パネル22と、ベットボタン23と、メニュー選択ボタン24と、状態表示LED25と、スタートレバー26と、ストップボタン27と、メダル投入口31と、精算ボタン32と、メダル返却ボタン33と、ドアキー34と、メダル排出口35と、装飾LED36と、下皿37と、スピーカ口38と、が設けられている。
また、前面扉20の裏面側には、
図3に示すように、装飾LED基板41と、状態表示LED基板42と、ストップボタン基板43と、スタートレバーセンサ44と、ベットボタン基板45と、メニュー選択ボタン基板46と、メダルセレクタ47と、設定変更装置48と、スピーカ49と、投入メダル通路51と、払出メダル通路52と、返却メダル通路53と、が設けられている。
また、前面扉20の他にも
図4に示すように、遊技機10は、遊技機本体部60と、電源装置91と、メダル収納庫93と、メダル補助収納庫95と、を備えている。
【0021】
前面扉20を開扉するためには、ドアキー34に所定のキーを差し込んで、前面扉20と外枠90とをロックさせるロック機構(図示せず)を解除する必要がある。
前面扉20を開扉すると、
図4に示すように、遊技機本体部60の下方に電源装置91が備えられている。電源装置91は、遊技機10の各構成要素に対して電力供給するための装置であり、電源スイッチ92の操作によって起動または停止が制御される。
遊技者は、遊技機10の遊技に興じる際には、電源スイッチ92を操作して電源装置91を起動する必要がある。なお、遊技機本体部60は、電源装置91からの電力供給がオフになっても、オフ時に実行していた遊技状態を維持する機能を有していることが好ましい。ボーナス遊技のように遊技者に有利な展開で遊技が進行している最中に電力供給が停止した場合等に、遊技者を失望させないためである。
【0022】
また、開扉した前面扉20の裏面側には設定変更装置48が設けられている。設定変更装置48は、遊技設定値を設定するための装置であり、設定キースイッチ48aと設定変更スイッチ48bと設定表示LED48cと設定キーカバー48dとを含む。設定キースイッチ48aは、所定のキーを差し込んで操作することによって設定変更装置48を操作可能にすることができる。なお、設定キースイッチ48aに差し込む所定のキーは、ドアキー34に差し込む所定のキーとは同一であってもよいし、異なるキーであってもよい。設定変更スイッチ48bは、設定キースイッチ48aに所定のキーを差し込んだ状態において操作可能なスイッチであって、押下することによって遊技設定値を変更することができる。設定表示LED48cは、設定された遊技設定値を表示するためのLEDであり、本実施形態では7セグメントディスプレイになっている。設定キーカバー48dは、設定キースイッチ48aを覆うカバーであり、これをスライドさせて設定キースイッチ48aを開放することによって、設定キースイッチ48aに所定のキーを差し込むことが可能になる。なお、
図3では、設定キーカバー48dが設定キースイッチ48aを覆っている状態を図示している。
ここで遊技設定値とは、遊技者にとって有利な特典(ボーナス遊技等)の付与されやすさを示す値であり、高い値ほど特典が付与されやすく、低い値ほど特典が付与されにくい。なお、遊技者は、遊技機10による遊技を開始する事前に、設定変更装置48を操作して遊技設定値を設定することが好ましい。遊技設定値を変更すると一般的に遊技状態がリセットされてしまうからである。
【0023】
前面扉20は、上部パネル21と下部パネル22とを前面側に有している。
上部パネル21は透明部材で形成されているので、遊技機10の前方に位置する遊技者は、上部パネル21の裏面側に配置されている遊技機本体部60を上部パネル21越しに視認することができる。
また、下部パネル22は、その表面に遊技機10の機種名や機種に関するキャラクター等が表記されており、後方に設置されたバックライト(図示せず)の点灯によって表記された機種名等が視認しやすくなる。
【0024】
遊技機本体部60は、遊技機10によって実行される遊技を制御する主要な構成要素を含んでいる。また、遊技機本体部60は、
図4に図示するとおり、その前面上部に演出表示領域62が形成されており、その前面下部に視認窓64が形成されている。
演出表示領域62は、遊技機本体部60に内蔵された演出表示装置63(
図5参照)の表示画面であり、遊技機10の遊技に関する各種演出または各種情報を表示することができる。なお、当該演出表示装置63としては、例えば、液晶ディスプレイ型の表示装置やドットマトリクス型の表示装置などを採用することができる。演出表示領域62に表示される演出は、スピーカ49からの音声出力や装飾LED36の発光と連動しており、遊技者の興趣を好適に喚起させることができる。なお、演出表示装置63の構成によっては、演出表示領域62はタッチパネルであってもよく、遊技者による操作を受け付ける手段として機能してもよい。
視認窓64は、遊技機本体部60に内蔵された複数のリール65(65L、65C、65R)の前面側に形成された窓枠で、内部領域と外部領域とに区画されている。視認窓64の内部領域は空洞または透明部材によって形成されており、当該内部領域を介して各リール65の一部が視認可能になっている。また、視認窓64の外部領域は不透明部材(半透明部材や透明部材を着色した部材を含む)で形成されており、当該外部領域を介したリール65の視認を困難としている。
【0025】
図柄が配列されたリール65は、
図1や後述する
図8等に示されるように左リール65L、中リール65Cおよび右リール65Rから構成されており、スタートレバー26に対する遊技者の操作(スタートレバー26がオン状態である旨の検知)に起因して回動を開始する。このとき、前回の図柄変動ゲームにおけるリール65の回動開始時から当該図柄変動ゲームにおけるリール65の回動開始時までの時間が所定の遅延時間、いわゆるウェイト時間を超えていることを要する。すなわち、ウェイト時間が経過する前にスタートレバー26が遊技者の操作を受け付けた場合、ウェイト時間が経過するまで待機した後にリール65は回動を開始する。なお、本実施形態におけるウェイト時間は4.1秒に設定されている。
なお、本実施形態における各リール65が回動している場合、原則としてリール65は上から下へと回動する。本明細書において、リールにおける上から下への回動を「順方向」、下から上への回動を「逆方向」と称する。
【0026】
図柄変動ゲームとは、停止表示させた図柄の組合せによって遊技者にとって有利な特典の有無を報知する遊技である。本実施形態における図柄変動ゲームでは、リール65を回動させることによってリール65に表されている複数とおりの図柄を変動表示し、回動しているリール65を停止させることによって図柄の組合せを停止表示する。
図柄変動ゲームによって報知されうる特典には、入賞、再遊技、またはボーナス遊技等の有利遊技状態が含まれる。ここで入賞とは、メダルを獲得するために必要な特定の図柄の組合せが表示されることである。また、メダルとは、図柄変動ゲームを実行するために用いられる遊技媒体である。また、再遊技とは、メダルを投入せずに図柄変動ゲームを実行できる遊技状態である。また、ボーナス遊技とは、第一種特別役物、第二種特別役物、またいずれかの特別役物に係る連続役物作動装置のいずれかが作動している遊技状態であり、通常の遊技状態に比べて入賞の確率が高くなる。ボーナス遊技以外の有利遊技状態としては、アシストタイム(AT)、リプレイタイム(RT)、およびアシストリプレイタイム(ART)が挙げられる。
なお、説明の便宜上、AT,RT,ARTについては後に詳述する。
【0027】
リール65の回動制御は、リールセンサ66を用いて実行される。リールセンサ66は、リール65の回動量を検知するセンサである。ここで回動量とは、所定位置を基準とするリール65の回転角度である。
リールセンサ66は各リール65に一つずつ設けられている。具体的には、左リール65Lに対して左リールセンサ66Lが、中リール65Cに対して中リールセンサ66Cが、右リール65Rに対して右リールセンサ66Rが、設けられている。
なお、リール65の回動制御については、後に詳述する。
【0028】
リール65の内部には、リール照明基板67(左リール照明基板67L、中リール照明基板67C、右リール照明基板67R)が設けられており、リール照明基板67に搭載されているLEDの点灯によってリール65に表している各図柄の視認を容易にしている。すなわち、リール照明基板67に搭載されているLEDは、リール65による図柄表示のバックライトとして機能している。
【0029】
スタートレバー26は、図柄変動ゲームにおける変動表示を開始させるための契機として、遊技者の操作を受け付けることができる。スタートレバー26に対する遊技者の操作とは、具体的には初期状態において前面扉20に対して略垂直に設けられているスタートレバー26をいずれかの方向に倒すことである。
スタートレバーセンサ44は、スタートレバー26がオン状態であるかオフ状態であるかを検知することができる。より具体的には、スタートレバーセンサ44は、前面扉20に対して略垂直であるスタートレバー26をオフ状態として検知し、いずれかの方向に倒されているスタートレバー26をオン状態として検知する。すなわち、スタートレバーセンサ44は、図柄変動ゲームにおいて複数のリールを回動させる始動操作を検出する始動操作検出部として機能する。
【0030】
本実施形態において、メダルが所定の投入枚数(以下、規定数ともいう)に達していない場合には、スタートレバー26が遊技者の操作を受け付けたとしても図柄変動ゲームが開始されない。所定の投入枚数(規定数)に到達させるためには、以下の操作または処理の少なくとも一つ、または複数の組合せが必要である。
(i)メダル投入口31からメダルを投入して投入枚数を増やす。
(ii)遊技機10に貯留されているメダルを表すクレジットをベットボタン23の押下によって減算させて投入枚数を増やす。
(iii)前回の図柄変動ゲームにおいて再遊技が付与される図柄の組合せが停止表示された場合、当該図柄変動ゲームにおいて再遊技処理が実行されて投入枚数が増える。この場合、遊技者が(i)や(ii)の操作を行わずとも、自動的に当該図柄変動ゲームにおける投入枚数が前回の図柄変動ゲームの投入枚数になる。
【0031】
ここでメダルの貯留とは、遊技者の所有するメダルの一部または全部に代えて、その数に相当する数値(クレジット)を遊技機10の内部で記憶する機能をいう。メダルが貯留される(クレジットが増大する)場合は、例えば(i)所定の投入枚数を超えてメダル投入口からメダルが投入された場合、(ii)図柄変動ゲームにおいて入賞し、当該入賞の特典としてメダルを獲得した場合、等が挙げられる。
【0032】
上記のメダル投入口31の裏面側には、メダルセレクタ本体47aとメダルブロッカ47bとメダル通過センサ47cとを含むメダルセレクタ47が設けられており、メダル投入口31から投入されたメダルはメダルセレクタ47によって受付可能なメダルと受付不能なメダルとに選別される。
例えば、待機状態(電源が投入されているが図柄変動ゲームが実行されていない状態)である場合等はメダル受付可能であるため、メダルセレクタ本体47aはソレノイドを有するメダルブロッカ47bを作動させる。メダルブロッカ47bが作動すると、投入メダル通路51の中途に突起部(図示せず)が埋没するので、投入メダル通路51はメダル通過を許容する状態になる。このとき、メダル投入口31からメダルが投入されると、当該メダルは投入メダル通路51に流下し、投入メダル通路51の中途に設けられているメダル通過センサ47cによって検知され、収納メダル通路54を通過してメダル収納庫93の中に収納される。
また、図柄変動ゲームの実行中やクレジットが上限値に達した場合等は、メダル受付不能であるため、メダルセレクタ本体47aはメダルブロッカ47bの作動を停止させる。メダルブロッカ47bの作動が停止されると、投入メダル通路51の中途に突起部(図示せず)が突出してメダルの通過を阻害するので、投入されたメダルは投入メダル通路51の中途であって、かつメダル通過センサ47cに検知されない位置に滞留する。投入メダル通路51に滞留しているメダルは、自重によりまたはメダル返却ボタン33の操作により返却メダル通路53に落下してメダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0033】
また、クレジットの上限値を超えてメダルが付与された場合、付与されたメダル数に相当するメダルがメダル収納庫93からメダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0034】
上記のベットボタン23として、遊技機10はベットボタン基板45に搭載されている最大ベットボタン23aと単一ベットボタン23bとを有している。最大ベットボタン23aは1回の押下でクレジットを最大で3つ減算して投入枚数を増やすことができ、単一ベットボタン23bは1回の押下でクレジットを1つ減算して投入枚数を増やすことができる。また、ベットボタン23を押下しても、その図柄変動ゲームにおけるクレジットの減算値が所定の投入枚数に達している場合には、それを超えてクレジットを減算させることはできない。
【0035】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の左側に、メニュー選択ボタン24を備える。メニュー選択ボタン24は、メニュー選択ボタン基板46に搭載されている十字キーボタン24aと十字キーボタン24aの中央に位置する決定ボタン24bによって構成されている。
ここでメニューとは、演出表示領域62に表示される遊技機10の操作方法や遊技の解説情報等を示す画面をいい、遊技者はメニュー選択ボタン24を操作することによって当該画面を閲覧することができる。例えば、待機状態において決定ボタン24bを押下すると、メニューの一覧とカーソルが演出表示領域62に表示される。遊技者が十字キーボタン24aを操作することによって任意のメニューを示す位置までカーソルを移動し、カーソルがいずれかのメニューを示している場合に遊技者が決定ボタン24bを押下すると当該メニューが演出表示領域62に表示される。
【0036】
また、遊技機10は、上記のベットボタン23の右側に、投入されたメダル数や貯留されているメダル数等を表示する状態表示LED25を備える。状態表示LED25は、状態表示LED基板42に搭載されている複数のLEDまたは7セグメントディスプレイによって構成されている。
状態表示LED25のうち投入枚数表示LED25aは、3つのLEDによって構成されており、投入枚数が一枚増えるごとに、点灯するLEDの数が一つずつ増える。
状態表示LED25のうち貯留枚数表示LED25bは、7セグメントディスプレイによって構成されており、貯留されているメダルの数(クレジット)を数字で表す。
状態表示LED25のうち獲得枚数表示LED25cは、7セグメントディスプレイによって構成されており、入賞によって獲得したメダルの数を数字で表す。
状態表示LED25のうち再遊技表示LED25dは、1つのLEDによって構成されており、図柄変動ゲームにおいてリプレイが停止表示された場合に点灯する。
状態表示LED25のうち遊技開始表示LED25eは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によって図柄変動ゲームの開始条件が成立している旨を表す。
状態表示LED25のうち投入可能表示LED25fは、1つのLEDによって構成されており、当該LEDの点灯によってメダルの投入が可能である旨を表す。
【0037】
ストップボタン27は、回動しているリール65が停止するための契機となる遊技者の操作を、遊技者から受け付ける。なお、ストップボタン27は、リール65が回動を開始した後に成立する停止可能条件を契機として、停止操作を受け付けることができる。
ストップボタン27に対する遊技者の操作とは、具体的にはストップボタン27を押下することである。また、ここで停止可能条件とは図柄変動ゲームにおける停止表示を実行するための前提条件であり、具体的には、すべてのリール65(65L、65C、65R)の速度が所定速度に到達している場合に停止可能条件が成立する。
【0038】
複数のストップボタン27(27L、27C、27R)と、各ストップボタン27に対応するストップボタンセンサ(不図示)とは、ストップボタン基板43に搭載されており、各リール65に対して一組ずつ設けられている。具体的には、ストップボタン27Lは、リール65Lを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン27Cは、リール65Cを停止させるための停止操作を受け付ける。ストップボタン27Rは、リール65Rを停止させるための停止操作を受け付ける。また、各ストップボタン27が受け付けた停止操作は、当該ストップボタン27に対応するストップボタンセンサ(不図示)により検出される。
すなわち、ストップボタン27は、図柄変動ゲームにおけるリール65の回動を停止させる停止操作を検出する停止操作検出部として機能する。
ここで挙げたストップボタン27は遊技者の任意の順番で押すことも可能であるが、所定の押し順でストップボタン27を押下しないとペナルティが課される場合もありうる。
【0039】
すべてのストップボタン27について停止可能条件が一旦は同時に成立するが、一のストップボタン27を押下すると所定の時間だけ停止可能条件が解除され、他のストップボタン27の停止操作を受け付けなくなる。そして、当該時間が経過した後に他のストップボタン27に対して再び停止可能条件が成立し、他のストップボタン27の停止操作を受け付けることが可能となる。このとき、停止操作受付済みの一のストップボタン27については停止可能条件が成立しない。
停止可能条件は以上のように成立するので、遊技者はストップボタン27の停止操作を当該時間未満の間隔で行えない。
なお、本実施形態におけるストップボタン27は、LEDランプ(図示せず)を内包し、その周囲を光透過性の部材で覆う構成となっている。そして、ストップボタン27は、LEDランプの点灯色で停止可能条件の成立の可否を遊技者に報知する仕様となっている。
【0040】
ストップボタン27で受け付けた停止操作に起因して、当該停止操作を受け付けたストップボタン27に対応するリール65が停止する。リール65の停止位置は、ストップボタン27の押下時におけるリール65の位置を基準として最大4コマまで移動しうる。ストップボタン27を押下してからリール65が停止するまでの制御を、一般的にはすべり制御という。
ここでコマとは、リール65の外周に示されている図柄の一つに対して与えられている領域であり、一つの当該領域または一つの当該領域の上下方向の寸法をいう。本実施形態において、リール65の外周は21コマに等分されており、各コマにそれぞれ一つずつ図柄が配列されている。
なお、本実施形態においてリール65の停止とは、所定のコマを基準に1コマ未満の変動幅でリール65が揺動している状態も含むものとする。
【0041】
視認窓64の内部領域は縦方向に3コマ分の寸法となっている。また、各リール65は視認窓64の内部領域の縦方向に3個の図柄が収まるように停止制御され、遊技者は当該3個の図柄を視認窓64の内部領域を介して視認できるようになっている。すなわち、リール65が横方向に3つ配置されているので、各リール65が停止している場合において、遊技者が3個の図柄×3リール=9個の図柄を視認可能になっている。
【0042】
上述のように各リール65が停止制御されるとき、各リール65において停止する図柄のうち上段・中段・下段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をそれぞれラインL1・ラインL2・ラインL3と称す。
また、リール65Lの上段と、リール65Cの中段と、リール65Rの下段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL4と称す。リール65Lの下段と、リール65Cの中段と、リール65Rの上段に停止する図柄が形成する略直線(
図1において一点鎖線で示す)をラインL5と称す。
【0043】
各リール65の回動中(図柄変動ゲームの実行中)は、遊技者の関心を惹きつけて遊技興趣を喚起させるため、演出表示領域62に表示される画像、スピーカ49から出力される音声または装飾LED36の点灯や滅灯等によって構成される多様な演出が実行される。
【0044】
各スピーカ49の前方にはスピーカ口38が設けられている。より具体的には、遊技機の正面から見て右上(
図3においては左上)に位置するスピーカ49aの前方にはスピーカ口38aが設けられている。遊技機の正面から見て左上(
図3においては右上)に位置するスピーカ49bの前方にはスピーカ口38bが設けられている。遊技機の正面から見て左下(
図3においては右下)に位置するスピーカ49cの前方にはスピーカ口38cが設けられている。遊技機の正面から見て右下(
図3においては左下)に位置するスピーカ49dの前方にはスピーカ口38dが設けられている。
各スピーカ口38には多数の空洞が設けられており、スピーカ49から出力される音声を適切に出力することができる。
【0045】
装飾LED36は、演出表示領域62または視認窓64を囲うような配置で配置されている。より具体的には、演出表示領域62の右上側には、装飾LED基板41aに搭載されている装飾LED36aと装飾LED基板41bに搭載されている装飾LED36bとが配置されている。また、演出表示領域62の右下側には、装飾LED基板41cに搭載されている装飾LED36cが配置されている。また、視認窓64の右下側には、装飾LED基板41dに搭載されている装飾LED36dが配置されている。また、視認窓64の左下側には、装飾LED基板41eに搭載されている装飾LED36eが配置されている。また、演出表示領域62の左下側には、装飾LED基板41fに搭載されている装飾LED36fが配置されている。また、演出表示領域62の左上側には、装飾LED基板41gに搭載されている装飾LED36gと装飾LED基板41hに搭載されている装飾LED36hとが配置されている。
各装飾LED36は、単色で点灯してもよいし、複数色で点灯可能であってもよい。
【0046】
図柄変動ゲームの結果として入賞に対応する図柄の組合せが所定の有効ラインに停止表示された場合、当該入賞に対して規定されている枚数のメダルが付与される。ここで有効ラインとは、図柄変動ゲームの結果である特典の有無に係る図柄の組合せが停止表示される位置である。本実施形態における有効ラインは、上述のラインL2(リール65Lの中段とリール65Cの中段とリール65Rの中段)のみである。すなわち、本実施形態における図柄変動ゲームにおいてラインL2を除く他のラインに停止表示される図柄の組合せは特典の有無を表すものではない。
なお、当然ながら、有効ラインには、入賞に対応する図柄の組合せのみならず、上述の再遊技やボーナス遊技に対応する図柄の組合せも停止表示されうる。
【0047】
遊技機10は、クレジットが上限値に達した場合、上限値を超える分に相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。また、遊技機10は、精算ボタン32を押下した場合、押下した時点におけるクレジットに相当する枚数のメダルをメダル収納庫93から払い出す。
メダル収納庫93に収容されているメダルを払い出す処理は、メダル収納庫93に内蔵されている払出機構(不図示)によって実行される。より具体的には、払出機構は、メダル収納庫93に収容されているメダルから払出枚数分のメダルを取得し、メダル払出口94から払出メダル通路52に向けて排出させる。払出メダル通路52に排出されたメダルは、メダル排出口35を経由して下皿37に排出される。
【0048】
なお、メダル収納庫93からメダルが溢れ出すことを防止するため、メダル収納庫93の脇にはメダル収納庫93に収容されているメダルの一部が流下するメダル補助収納庫95が設けられている。
また、メダル補助収納庫95に収容されているメダルが所定以上に達することを検知する収納庫エラーセンサ(図示せず)が設けられており、この検知に応じて遊技機10はメダル収納庫93やメダル補助収納庫95に収容されているメダルを回収するように促すエラーを報知する。このエラーの報知のために、上述の演出表示領域62や装飾LED36やスピーカ49が用いられてもよい。
<遊技機10の電気構成および機能構成>
次に、本実施形態における遊技機10の電気構成および機能構成について、主に
図5または
図6を用いて説明する。ただし、先に説明した
図1から
図4に図示される構成要素についても言及するので適宜参照されたい。
なお、
図5は、遊技機10の電気構成を示す図である。また、
図6は、遊技機10の機能ブロック図である。
【0049】
遊技機10は、主要な構成要素としてメイン基板100とサブ基板200とを内蔵している。
図5においてメイン基板100またはサブ基板200は単一の電子基板であるかのように図示しているが、必ずしも単一の電子基板である必要はない。すなわち、メイン基板100またはサブ基板200は、複数の電子基板を組み合わせて実現されてもよい。
【0050】
メイン基板100は、各種センサ40から入力された制御情報に基づいて状態表示LED基板42に含まれる各LEDの表示を制御したり、払出制御基板97を制御してメダル収納庫93にメダルを払い出させたり、サブ基板200に出力するコマンドを生成したりする。メイン基板100には、CPU101、DRAM102またはROM103等の電子部品が実装されており、これらの電子部品や各種センサ40等の間で授受するデータや制御信号の処理を実行することによって、遊技に関する各種機能を実現している。ここで、各種センサには、上述のスタートレバーセンサ44、ストップボタン基板43に搭載されているセンサ(図示せず)、ベットボタン基板45に搭載されているセンサ(図示せず)、メダル通過センサ47c等が含まれる。
サブ基板200は、メイン基板100から入力されたコマンドに基づいて装飾LED基板41、スピーカ49または演出表示装置63等を制御する。サブ基板200も、CPU201、RAM202またはROM203等の電子部品が実装され、情報処理によって各種機能を実現している点においてはメイン基板100と同様である。
【0051】
メイン基板100によって実現される機能構成には、
図6に示すように、遊技状態制御部110、内部抽選部120、フラグ設定部130、回動制御部140、図柄表示判定部150および指令生成部160が含まれる。
また、サブ基板200によって実現される機能構成には、
図6に示すように、サブ統括部210、演出表示部220、音声出力部230およびLED発光部240が含まれる。
なお、
図6に図示する構成要素は、メイン基板100またはサブ基板200に含まれる機能構成のすべてとは限らず、ここに図示されない機能構成が存在してもよい。
【0052】
遊技状態制御部110は、遊技機10によって実行される遊技(図柄変動ゲーム)に係る遊技状態を管理しており、少なくとも以下の処理を実行する。
【0053】
例えば、遊技状態制御部110は、遊技実行が可能であるか否かを監視しており、遊技不能である場合に遊技を停止(中断)させる。ここで遊技不能である場合としては、(i)前面扉20が開扉している場合、(ii)メダル収納庫93の中にメダルが無い場合、(iii)貯留されているクレジットに相当するメダルを、精算ボタン32の押下に起因してメダル排出口35からメダルを排出する処理が行われている場合、等が挙げられる。
【0054】
また、遊技状態制御部110は、クレジットを記憶し、その増減を管理する。
より詳細には、遊技状態制御部110は、最大ベットボタン23aまたは単一ベットボタン23bの押下が検知された場合、記憶しているクレジットから所定の値を減算する。
また、遊技状態制御部110は、停止表示されている図柄の組合せが図柄表示判定部150によって入賞と判定された場合、その入賞の特典として割り当てられているメダル数に相当する値を、記憶しているクレジットに加算する。この加算処理において、記憶しているクレジットが上限値に到達するとき、遊技状態制御部110は、払出制御基板97に働きかけて、超過したメダル数に相当するメダルをメダル収納庫93に払い出させる。また、遊技状態制御部110は、精算ボタン32の押下が検知されたとき、払出制御基板97に働きかけて、記憶しているクレジットに相当するメダルをメダル収納庫93に払い出させる。
【0055】
また、遊技状態制御部110は、状態表示LED基板42に表示される条件、およびストップボタン27に対する停止操作の受付可能条件(上述の停止可能条件)を管理している。ここで、状態表示LED基板42に表示される条件には、メダルの投入枚数、貯留されているメダルの数(クレジット)入賞によって獲得したメダル数、再遊技の有無、図柄変動ゲームの開始可能条件、メダル投入の可能条件が含まれる。
【0056】
また、遊技状態制御部110は、設定変更装置48によって設定される遊技設定値を管理している。遊技設定値は、内部抽選部120によって抽選される入賞役の当選確率、または、サブ基板200によって制御される各種演出の発生確率、等に影響を与える。
【0057】
また、遊技状態制御部110は、通常遊技状態にも、またはボーナス遊技等の遊技者にとって有利な有利遊技状態にも、移行させうる。遊技状態制御部110によって移行されうる有利遊技状態には、第一種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している遊技状態、第二種特別役物に係る役物連続作動装置が作動している遊技状態、上述のAT、RT,またはARTが行われる遊技状態が含まれる。
【0058】
内部抽選部120は、スタートレバー26の操作(開始操作)の検知を契機として、予め定められている複数とおりの入賞役の当否を抽選によって判定する。より詳細には、内部抽選部120は、乱数を取得し、ROM103に予め格納されている抽選テーブルを参照して、取得された乱数がいずれの入賞役に対応付いているかを判定する。
【0059】
本実施形態において、内部抽選部120によって抽選される入賞役を
図7に例示する。
図7は、本実施形態における入賞役と、入賞役に対応するくじ番号とを示す図である。
ここで、くじ番号とは、各入賞役に対応付けられて定められている識別番号である。
また、上位役とはボーナス遊技(RBBまたはCBB)に係る当選の有無を示しており、下位役とは入賞または再遊技(いわゆる小役)に係る当選の有無を示している。
また、RBBとは本実施形態における第一種特別役物に係る役物連続作動装置を示しており、CBBとは本実施形態における第二種特別役物に係る役物連続作動装置を示している。
例えば、くじ番号「0」は、ボーナス遊技も小役も非当選である場合に対応している。また、くじ番号「1」は、ボーナス遊技が非当選であって通常リプレイの当選である場合に対応している。また、くじ番号「13」は、RBBが当選であって小役が非当選である場合に対応している。また、くじ番号「15」は、RBBも通常リプレイも当選である場合に対応している。
このように、本実施形態の遊技機10は、小役にもボーナス遊技にも同一の図柄変動ゲームで当選しうる(同時抽選しうる)遊技性を実現できる。
【0060】
以下、
図7に示す各くじについて詳細に説明する。
内部抽選に用いられる乱数回路131は最大16ビットの乱数を生成する乱数回路であり、65536とおりの乱数を生成しうるところ、各乱数はそれぞれ
図7に示す23種の内部抽選くじのいずれかに振分けられる。この振分けにおける各くじへの振分け数を偏らせることによって、各くじの当選しやすさ(当選しにくさ)を調整しうる。具体的には、例えば遊技設定値や抽選テーブルごとに、各くじへの振分け数を適宜設定することで、各くじの当選しやすさ(当選しにくさ)を調整してもよい。
【0061】
本実施形態において、下位役の入賞役のうち「順押し」が付された名称の入賞役は、当該入賞役に対応する所定の図柄の組合せを有効ラインに停止表示させるためには、ストップボタン27Lを最初に押下操作することが要求される入賞役である。以下、最初に押下操作するストップボタン27を「第一停止ボタン」という。
また、本実施形態において下位役の入賞役のうち「中押し」が付された名称の入賞役は、当該入賞役に対応する所定の図柄の組合せを有効ラインに停止表示させるためには、ストップボタン27Cを第一停止ボタンとすることが要求される入賞役である。
また、本実施形態において下位役の入賞役のうち「右押し」が付された名称の入賞役は、当該入賞役に対応する所定の図柄を有効ラインに停止表示させるためには、ストップボタン27Rを第一停止ボタンとすることが要求される入賞役である。
【0062】
上述した「順押し」、「中押し」、および「右押し」が付された名称の入賞役のように、内部抽選により当選フラグが設定されたとしても、停止操作の態様によっては、設定された当選フラグに対応する入賞役が成立しない場合があるものを、本実施形態では「特定入賞役」と称する。
また、内部抽選での当選役が特定入賞役であるとき、当該特定入賞役に係る「特定の停止操作」を含む操作態様を「正操作態様」といい、当該特定入賞役に係る「特定の停止操作」を含まない操作態様を「誤操作態様」という。
本実施形態において「特定の停止操作」とは、複数のリール65を停止操作する順序である操作順序であり、正操作態様は、当該操作順序に従った操作態様であり、誤操作態様は、当該操作順序とは異なる操作順序による操作態様である。
なお、「特定入賞役」の概念には、上記のように停止操作の押し順(操作順序)によって成否が分岐する入賞役の他に、停止操作のタイミングによって成否が分岐する入賞役(例えば、スイカ役、チェリー役等)が含まれる実施態様も採りうるが、本実施形態に限っては押し順によって成否が分岐する入賞役について「特定入賞役」と称する。
【0063】
また、下位役の入賞役のうち「共通」が付された名称の入賞役は、いずれのストップボタンを第一停止ボタンとしても、当該入賞役に対応する所定の図柄が有効ラインに停止表示しうる入賞役である。
【0064】
説明を
図6に戻す。
フラグ設定部130は、内部抽選部120によって抽選された入賞役が成立しうる旨を示す当選フラグを設定する。ここで入賞役が成立するとは、内部抽選部120によって抽選された入賞役に対応している図柄の組合せが、図柄変動ゲームの結果として有効ライン上に停止表示されることをいう。
なお、本明細書において、内部抽選部120によって抽選された入賞役に対応する当選フラグが設定されることを「入賞役の当選」と表現する場合があるが、この表現は入賞役の成立条件の一部である当選フラグの設定が行われており、当該入賞役の成立が許容されている状態を意味する。
【0065】
回動制御部140は、リールモータ68を駆動することによってリール65の回動を制御する。回動制御部140の制御には、図柄変動ゲームにおける図柄の変動表示および停止表示を制御する場合(通常回動制御)と、フリーズ演出における図柄の変動表示および停止表示を制御する場合(特別回動制御)と、がある。
ここでフリーズ演出とは、少なくとも一つのリール65が回動しているにも関わらず、回動している当該リール65に対応するストップボタン27が遊技者の操作を受け付けない状態をいう。フリーズ演出において行われる図柄の変動表示や停止表示は図柄変動ゲームではなく、フリーズ演出が図柄変動ゲームの結果に直接的に影響をおよぼすことはない。
【0066】
そして、回動制御部140は、特定入賞役が当選した場合であって特定の停止操作が検出されたとき、特定入賞役に対応する図柄の組合せを図柄変動ゲームの結果として停止表示させるように、リール65の回動を制御し、特定入賞役が当選した場合であって特定の停止操作が検出されないとき、特定入賞役に対応する図柄の組合せとは異なる図柄の組合せを図柄変動ゲームの結果として停止表示させるように、リール65の回動を制御する。
【0067】
より詳細には、回動制御部140は、図柄の変動表示の実行期間において、各リール65を所定速度で回動させるようにリールモータ68にパルス信号を出力する。リールモータ68は、ステッピングモータであり、回動制御部140が出力するパルス信号を入力することによって、断続的に可変な回動態様で各リール65を回動させることができる。
なお、リール65の回動角度(移動コマ数)は、回動制御部140が出力したパルス信号の長さに比例して増大する。また、リール65の回動速度は、回動制御部140が出力したパルス信号の周波数に比例して増大する。
【0068】
図柄表示判定部150は、図柄変動ゲームにおいて有効ライン上(本実施形態ではラインL2)に停止表示された図柄の組合せが、いずれの入賞役に対応しているか否かを判定する。
図8から
図11に示す図は、本実施形態における入賞役に対応している図柄の組合せの一例である。
【0069】
図8(a)〜(c)は、種々のリプレイ役(再遊技を付与する役)に対応する図柄の組合せの例を示す図である。
「通常リプレイ(
図7に示すくじ番号「1」)」は、その当選フラグが成立した場合、ストップボタン27L,27C,27Rの押し順に関わらず、通常リプレイに対応する図柄が有効ラインに停止表示しうる入賞役である。通常リプレイに対応する図柄の組合せの代表例は、
図8(a)に示すように全てのリール65L、65C、65Rの中段にリプレイ図柄が揃う停止表示である。
【0070】
また、「チャンスリプレイ(
図7に示すくじ番号「2」)」は、その当選フラグが成立した場合、ストップボタン27L,27C,27Rの押し順に関わらず、チャンスリプレイに対応する図柄が有効ラインに停止表示しうる入賞役である。チャンスリプレイに対応する図柄の組合せの代表例は、
図8(b)に示すように左リール65Lおよび中リール65Cの中段にリプレイ図柄、右リール65Rの中段にベル図柄が揃う停止表示である。
また、「チャンスリプレイ」は、再遊技を付与する入賞役であると共に、ARTと称される有利遊技状態への移行の契機となる入賞役である。
【0071】
「順押しリプレイ」および「変則押しリプレイ」は特定入賞役である。順押しリプレイに対応する正操作態様は、ストップボタン27Lを第一停止ボタンとする操作態様である。変則押しリプレイに対応する正操作態様は、ストップボタン27Cまたはストップボタン27Rを第一停止ボタンとする操作態様である。
内部抽選で「順押しリプレイ」または「変則押しリプレイ」に当選した図柄変動ゲームにおいては、正操作態様による操作が成されると、ボーナス役に対応する当選フラグが設定された場合のみ停止表示しうる図柄の組合せであるリーチ目であると共に再遊技が付与される「リーチ目リプレイ」に対応する所定の図柄の組合せ(例えば
図8(c)参照)が有効ラインに停止表示される。
ボーナス役に対応する当選フラグが設定されている場合にのみ内部抽選によって抽選されうるように内部抽選テーブルが構成されているから、「順押しリプレイ」または「変則押しリプレイ」に対応する図柄の組合せはリーチ目と解せる。
他方、「順押しリプレイ」または「変則押しリプレイ」に当選した図柄変動ゲームにおいて誤操作態様による操作が成されると、例えば
図8(a)に示すような通常リプレイに対応する所定の図柄の組合せが有効ラインに停止表示される。
【0072】
つまり、内部抽選で「順押しリプレイ」または「変則押しリプレイ」に当選した図柄変動ゲームにおいては、正操作態様による操作が成されると、リーチ目リプレイに対応する所定の図柄の組合せ(例えば
図8(c)参照)が有効ラインに停止表示され、誤操作態様による操作が成されると、通常リプレイに対応する所定の図柄の組合せが有効ラインに停止表示される。
【0073】
なお、「順押しリプレイ」の当選が下位役として規定されたくじ番号4のくじ、および、「変則押しリプレイ」の当選が下位役として規定されたくじ番号5のくじは、「リーチ目リプレイ」に対応するくじであるので、ボーナス役に当選している場合にのみ当選しうるように抽選テーブルが構成されているか、内部抽選部120によってそのように処理される。
【0074】
同様に「転落リプレイ(
図7に示すくじ番号「3」)」も特定入賞役であり、内部抽選で「転落リプレイ」に当選した図柄変動ゲームにおいては、正操作態様による操作が成されると、遊技状態を転落させる(再遊技の確率が低下するように抽選テーブルを変更する)と共に再遊技が付与される「転落リプレイ」に対応する所定の図柄の組合せが有効ラインに停止表示される。
【0075】
ところで、「順押しベル」、「中押しベル」、および「右押しベル」(以下、「押し順ベル」と総称することがある)も上述したように特定入賞役であり、正操作態様と誤操作態様とで互いに異なる図柄の組合せが有効ラインに停止表示される。
図9(a)は、共通ベル(
図7に示すくじ番号「10」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2に三つのベル図柄が停止表示され、特典としてベル役に応じた枚数のメダル(例えば6枚)が付与される。
また、
図9(a)は押し順ベルに対して正操作態様による操作が成されたときに停止表示されうる図柄の組合せの例でもある。
図9(b)は押し順ベルに対して誤操作態様による操作が成されたときに停止表示されうる図柄の組合せの例を示す図である。
具体的には、「押し順ベル」に対応する所定の図柄の組合せは、
図9(a)に示すように全てのリール65L,65C,65Rの中段にベル図柄が揃うものであり、正操作態様による操作が成されたときに停止表示される。
他方、「押し順ベル」に対して誤操作態様による操作がなされたときには、例えば
図9(b)に示すように全てのリール65L,65C,65Rの上段L1にベル図柄が揃うと共に、有効ラインにはいわゆるベルこぼし役に対応する図柄の組合せ(同図に示す例では左リール65Lの中段にリプレイ図柄、中リール65Cの中段にチェリー図柄、右リール65Rの中段にリプレイ図柄)が停止表示される。
【0076】
図10(a)は、スイカ(
図7に示すくじ番号「11」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL4に三つのスイカ図柄が揃うように停止表示される。ただし、本実施形態における有効ラインはラインL2であるため、図柄表示判定部150においては、ラインL2上のベル図柄・スイカ図柄・リプレイ図柄からなる図柄の組合せによってスイカ役の入賞が判定され、特典としてスイカ役に応じた枚数のメダル(例えば10枚)が付与される。
図10(b)は、チェリー(
図7に示すくじ番号「12」)に対応している図柄の組合せの一例であり、リール65Lの下段にチェリー図柄が停止表示される。ただし、本実施形態における有効ラインはラインL2であるため、図柄表示判定部150においては、ラインL2上のBAR図柄・BAR図柄・スイカ図柄からなる図柄の組合せによってチェリー役の入賞が判定され、特典としてチェリー役に応じた枚数のメダル(例えば1枚)が付与される。
【0077】
図11(a)は、RBB(
図7に示すくじ番号「13」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2に三つの赤7図柄が揃うように停止表示され、特典としてボーナス遊技状態に移行する(第一種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる)。
図11(b)は、CBB(
図7に示すくじ番号「14」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2に青7図柄・青7図柄・赤7図柄の順番で停止表示され、特典としてボーナス遊技状態に移行する(第二種特別役物に係る役物連続作動装置を作動させる)。
【0078】
図11(c)は、フェイクリプレイ(
図7に示すくじ番号「6」)に対応している図柄の組合せの一例であり、ラインL2にベル図柄・赤7図柄・赤7図柄の順番で停止表示され、特典として再遊技が付与される。より詳細には、
図11(c)は、フェイクリプレイの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Rとした場合に停止表示されうる図柄の組合せである。
なお、フェイクリプレイの当選フラグが設定されている図柄変動ゲームにおいて第一停止リールをリール65Lまたはリール65Cとした場合には、
図8(a)に示す図柄の組合せが停止表示され、特典として再遊技が付与される。
【0079】
上述のRBBに対応する当選フラグ、またはフェイクリプレイに対応する当選フラグが設定されている図柄変動ゲームの少なくとも一部において、リール65Rから順に7図柄をラインL2上に停止表示させるように指示する演出(以下、7を狙え演出と称す)が実行される。
この演出が実行された場合であってRBBに対応する当選フラグが設定されており、いずれのリール65においても赤7図柄を狙って停止操作したときには、
図11(a)に示すように停止表示される。また、この演出が実行された場合であってフェイクリプレイに対応する当選フラグが設定されており、いずれのリール65においても赤7図柄を狙って停止操作したときには、
図11(c)に示すように停止表示される。
すなわち、
図11(c)は「7を狙え演出」における失敗パターンとして設けられた停止表示に相当する。
【0080】
指令生成部160は、メイン基板100からサブ基板200に伝送するコマンドを生成する。指令生成部160によって生成されるコマンドには、サブ基板200によって実行される各演出の決定条件や、報知制御部211によって実行される停止操作の報知に係る情報等が含まれる。
詳細には、指令生成部160は、第一抽選部160aと第二抽選部160bとを備え、サブ基板200へ出力するコマンド(デジタル制御信号)を生成するための抽選も行う。
本実施形態では、CPU101が行う抽選は第一抽選または第二抽選に分類されうるところ、第一抽選は内部抽選部120と第一抽選部160aとによって行われ、第二抽選は第二抽選部160bによって行われる。
内部抽選部120は、乱数回路131を用いて、第一抽選のうち「入賞役」の内部抽選を行う。本実施形態で「入賞役」とは、入賞、再遊技、役物、または役物連続作動装置に該当する。すなわち、内部抽選部120は、図柄変動ゲームにおいて成立しうる入賞役の当選について抽選する。
第一抽選部160aは、乱数回路132を用いて、後述するAT指示番号に係る抽選を行う。なお、第一抽選部160aは、第一抽選に該当しうる抽選であれば他の抽選も行ってよい。
【0081】
ここで、乱数回路131、132は、最大16ビットで65536とおり(0から65535の整数)の乱数を生成しうる乱数生成手段である。乱数回路131、132から乱数を取得する際には、CPU101は、乱数回路131、132に対してビット数や出力チャネルの設定等を行う。また、遊技機10に用いられるCPU101は外部からのデータの取得に厳しい制限が掛けられており、当該データには高い信頼性が要求されるので、その信頼性を担保するための乱数回路131、132の設定も要求される。
よって、CPU101が乱数回路131、132から乱数を取得する際には、ビット数や出力チャネルの設定、およびデータの信頼性を担保するための種々の設定に係る処理が要求される。このため、CPU101に要求される処理量は無視できるほど軽くはない。
なお、本実施形態では
図6に示すように内部抽選部120と第一抽選部160aとで異なる乱数回路131、132を用いる構成としているが、内部抽選部120と第一抽選部160aとで同一の乱数回路を用いて異なるチャネルから乱数を取得する構成としてもよい。
なお、説明の便宜上、第二抽選部160bについては、
図12を参照してCPU101について説明した後に詳述する。
【0082】
サブ統括部210は、メイン基板100から伝送されたコマンドに基づいて演出表示部220、音声出力部230またはLED発光部240を制御する。
演出表示部220は、演出表示装置63を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して表示出力による演出を演出表示装置63に実行させる。
音声出力部230は、スピーカ49を制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して音声出力による演出をスピーカ49に実行させる。
LED発光部240は、装飾LED基板41に搭載されているLEDを制御する機能を有し、メイン基板100によって実行される図柄変動ゲームと連動して発光出力による演出をLEDに実行させる。
【0083】
また、サブ統括部210は、所定の条件を満たすとき(例えば、上述のATの実行時や「7を狙え演出」の実行時)に、遊技者の停止操作を指示する報知制御部211を有している。報知制御部211による指示は、演出表示装置63に表示出力されてもよいし、スピーカ49から音声出力されてもよいし、装飾LED基板41に搭載されたLEDの発光によって表されてもよい。
【0084】
図12は、CPU101の構成例を示す図である。ところで、メイン基板100には、同図に示すようにDRAM(Dynamic Random Access Memory)102とROM(Read Only Memory)103とがCPU101と通信可能に設けられている。
CPU101は、制御回路101aと演算回路101bとクロック101cとレジスタ群101dとを備える。
【0085】
制御回路101aは、ROM103から命令を読み出して解読すると共に、解読結果に基づいて演算処理を行う演算回路を制御する。
演算回路101bは、命令の解読結果に基づいて実際の演算処理を行う。
クロック101cは、各部の動作のタイミングをとるためのクロック信号を生成する。
レジスタ群101dは、種々の演算や制御の目的に応じて設けられた複数のレジスタであり、少なくともR(Refresh)レジスタ101drを備える。
Rレジスタ101drは、8ビットのレジスタであり、8ビットのうち7ビットがDRAM102のリフレッシュに用いられる。
【0086】
詳細には、Rレジスタ101drは、下位7ビット(b
0ビット〜b
6ビット)で経時的に自動でカウントアップしていく数値が、リフレッシュするDRAM102の列を示す値として用いられる。従って、不定の周期でRレジスタ101drの下位7ビットから読み出す値は乱数性を有するといえる。このように、Rレジスタ101drは、保持している値が経時的に変動する記憶領域として機能する。
第二抽選部160bは、Rレジスタ101drの上位7ビット(b
1ビット〜b
7ビット)の値をマスクして、最下位ビットb
0の値のみを乱数として読み出して第二抽選(第一抽選とは異なる抽選の少なくとも一部)に用いる。従って、乱数回路131、132を用いる抽選では抽選ごとに要する当該乱数回路131、132の種々の設定に係る処理が不要となるので、CPU101に要求される処理量が低減される。
【0087】
上述したように、第一抽選を行う第一抽選部160aおよび内部抽選部120と、第二抽選を行う第二抽選部160bとは、いずれもCPU101によって実現される。CPU101が行わなければならない抽選は多数存在する。
そこで、本実施形態では、それら抽選のうち図柄変動ゲームで特典として遊技者が獲得しうるメダルの総数の期待値および消費するメダルの総数の期待値に影響を与えない第二抽選については、乱数回路131、132を用いない簡易な処理で実現することで、当該遊技機10の抽選に係るスペックを変更することなく、CPU101に要求される処理量を軽減させうる。
また、図柄変動ゲームの結果に影響を与えないため設計変更が許容されやすい第二抽選に係る処理について処理量を軽減させることができるので、CPU101に要求される処理量を軽減する設計変更が容易に実現する。
【0088】
<図柄変動ゲームの処理フロー>
次に、本実施形態における図柄変動ゲームのメインフローについて、主に
図13を用いて説明する。
図13は、本実施形態における図柄変動ゲームのメインフローを示すフローチャートである。なお、
図13に示す一連の処理を実行することをもって一回の図柄変動ゲームとする。
【0089】
遊技状態制御部110は、遊技機10が正常に起動中である場合、当該図柄変動ゲームにおける遊技状態や遊技設定値に関する情報を取得し、各種機能に出力して遊技を開始する(ステップS102)。
ここで、前回の図柄変動ゲームにおいてリプレイ役に対応している当選フラグが成立している場合(ステップS104のYES)、遊技状態制御部110は再遊技処理を実行する(ステップS110)。そして、遊技状態制御部110は、スタートレバーセンサ44を作動させて、スタートレバーセンサ44による検知を待機する(ステップS112のNO)。ここで再遊技処理とは、上述した再遊技の特典を付与する処理をいう。
【0090】
また、前回の図柄変動ゲームにおいてリプレイ役に対応している当選フラグが成立していない場合(ステップS104のNO)、遊技状態制御部110は、メダルの投入(メダル通過センサ47cによる検知)またはベットボタン23の押下(ステップS106)を待機する(ステップS106のNO)。これらのいずれかの作動に応じてベット数を増加させ(ステップS106のYES)、ベット数が所定数に達するまで待機する(ステップS108のNO)。そして、ベット数が所定数に達したとき(ステップS108のYES)、開始可能条件が成立し(ステップS111)、スタートレバーセンサ44を作動させて、スタートレバーセンサ44による検知を待機する(ステップS112のNO)。
ここで所定数とは、本実施形態においては、ボーナス遊技状態においては2であり、ボーナス遊技状態を除く遊技状態においては1または3である。
【0091】
スタートレバーセンサ44による検知が行われたとき(ステップS112のYES)、遊技状態制御部110はこの検知に起因して内部抽選部120に内部抽選を実行させる(ステップS114)。また、この内部抽選において抽選された入賞役に対応しているフラグを設定する(ステップS116)。
続いて、遊技状態制御部110は、遊技状態としてアシストタイム(AT)を実行中であるか否かを判定する(ステップS118)。ステップS118をYESに分岐する場合、「AT指示抽選」の処理を実行する(ステップS120)。
【0092】
本実施形態におけるATとは、報知制御部211による指示が発生する確率が、通常遊技状態に比べて高く設定されており、かつボーナス遊技状態を除く遊技状態をいう。
また、本実施形態におけるRTとは、内部抽選部120の抽選に用いられる抽選テーブルにおいて再遊技を特典とする入賞役に割り振られている乱数の総数が、通常遊技状態に比べて大きい遊技状態をいう。
また、ATとRTの双方に滞在している遊技状態をアシストリプレイタイム(ART)という。
AT指示抽選とは、ATを実行中に遊技者に報知する操作態様を決定する抽選である。AT指示抽選の詳細については後に詳述する。
【0093】
ATを実行中ではないと判定したとき(ステップS118のNO)、または、ステップS120のAT指示抽選に係る処理を完了したとき、遊技状態制御部110は、その時点でウェイト時間が経過しているか否かを判定し(ステップS124)、ウェイト時間が経過しているならば(ステップS124のYES)、そのまま当該図柄変動ゲームにおける変動表示が実行される(ステップS126)。
他方、ウェイト時間が経過していないのであれば(ステップS124のNO)、ウェイト時間が経過するまで待機した後に、当該図柄変動ゲームにおける変動表示が実行される(ステップS126)。
【0094】
図柄表示判定部150はステップS126で停止させた各リール65の停止パターンを判別し、ステップS116で設定した当選フラグに対応している図柄の組合せが入賞ラインに停止しているか否か(入賞しているか否か)を判定する(ステップS128)。
【0095】
詳細には、ステップS128では、まず有効ラインに停止表示した図柄の組合せが入賞に対応しているか否かを判定し、入賞に対応している場合、当該入賞に対して規定されている枚数のメダルを特典として付与し、当該図柄表示判定処理を終了する。
他方、有効ラインに停止表示した図柄の組合せが入賞に対応していない場合、有効ラインに停止表示した図柄の組合せがリプレイ役に対応するものであるか否かを判定し、リプレイ役である場合、次回の図柄変動ゲームを再遊技で実行できる状態で、当該図柄表示判定処理を終了する。
また、有効ラインに停止表示した図柄の組合せがリプレイ役(再遊技を付与する役)に対応するものでない場合、有効ラインに停止表示した図柄の組合せがボーナス役に対応するものであるか否かを判定し、ボーナス役に対応するものである場合、ボーナス遊技を付与し、当該図柄表示判定処理を終了する。他方、有効ラインに停止表示した図柄の組合せがボーナス役に対応しない場合、当該図柄表示判定処理を終了する。
【0096】
ステップS128における図柄表示判定処理を終了すると、CPU101は、メダルの払出しが必要であるか否かを判定する(ステップS130)。具体的にはステップS130では、CPU101は、クレジットの上限値を超えてメダルが付与されたか否かを判定する。メダルの払出しが必要である場合(ステップS130のYES)、CPU101は、払出制御基板97に働きかけて、払出制御基板97がメダル収納庫93の払出機構(不図示)を動作させ、クレジットの上限値を超えて付与された分のメダル数に相当するメダルを下皿37に排出させ(ステップS132)、当該一連の処理を終了する。また、メダルの払出しが必要でない場合(ステップS130のNO)も、当該一連の処理を終了する。
【0097】
<図柄変動ゲームにおける変動表示の制御について>
次に、回動制御部140によって実行される変動表示の制御について、主に
図14のフローチャートを用いて説明する。
なお、
図14は、図柄変動ゲームにおける変動表示の処理手順を示すフローチャートである。
【0098】
回動制御部140は、全てのリール65L、65C、65Rが所定速度で順方向に回動するように、リールモータ68に駆動信号を出力する(ステップS152)。
【0099】
また、回動制御部140は、全てのリール65L、65C、65Rの回動速度が所定速度に到達するまでは停止可能条件を否定しつつ待機する(ステップS154のNO)。また、回動制御部140は、全てのリール65L、65C、65Rの回動速度が所定速度に到達したとき(ステップS154のYES)は停止可能条件を成立させる(ステップS156)。
なお、ステップS156における停止可能条件の成立は、全てのリール65L、65C、65Rについて同時に行われる。
【0100】
回動制御部140は、停止可能条件を成立させた状態で、いずれかのストップボタン27が押下され、当該押下が検知されるまで待機する(ステップS158のNO)。最初の停止操作(第1停止操作)が検知されたとき(ステップS158のYES)、回動制御部140は、第1停止操作に対応しているリール65を停止させる(ステップS160)。
ここでステップS160の停止処理において、最大4コマまでリールが移動しうる制御(すべり制御)を行うため、ストップボタン27の押下の検知からリール65の停止までにはタイムラグが生じうる。なお、当該タイムラグは190ms以下になるように設定されている。
【0101】
回動制御部140は、停止可能条件を成立させた状態で、次の停止操作(第2停止操作)が検知されるまで待機する(ステップS162のNO)。また、第2停止操作が検知されて通知されたとき(ステップS162のYES)、回動制御部140は、第2停止操作に対応しているリール65を停止させる(ステップS164)。
回動制御部140は、停止可能条件を成立させた状態で、最後の停止操作(第3停止操作)が検知されるまで待機する(ステップS166のNO)。また、第3停止操作が検知されたとき(ステップS166のYES)、回動制御部140は、第3停止操作に対応しているリール65を停止させる(ステップS168)。
ステップS164またはステップS168の停止処理において、すべり制御が行われるのは、第1停止操作のときと同様である。
【0102】
以下、AT指示抽選について詳細に説明する。
AT指示抽選は、メイン基板100からサブ基板200へ出力するデジタル制御信号(コマンド)の一部であるAT指示番号を設定するための処理である。AT指示番号は、遊技者に報知する操作態様をサブ基板200に指示するコマンドに対応する番号である。当該AT指示番号を含むコマンドは、CPU101によって生成され、メイン基板100からサブ基板200へ出力される。
【0103】
図15は、各AT指示番号に対応する指示内容を示す図である。
図15に示すように、AT指示番号「0」は、操作態様を遊技者に報知しないことを指示するAT指示番号である。AT指示番号「1」は、遊技者に報知する操作態様として、ストップボタン27Lを第一停止ボタンとする左押し操作態様を指定するAT指示番号である。AT指示番号「2」は、遊技者に報知する操作態様として、ストップボタン27Cを第一停止ボタンとする中押し操作態様を指定するAT指示番号である。AT指示番号「3」は、遊技者に報知する操作態様として、ストップボタン27Rを第一停止ボタンとする右押し操作態様を指定するAT指示番号である。AT指示番号「4」は、7図柄を揃える操作をすべき旨を遊技者に報知することを指示するAT指示番号である。
【0104】
以下、AT指示番号について詳細に説明する。
図16(a)、(b)は、AT指示番号の概念を示す図である。
サブ基板200はメイン基板100から出力されるコマンドに基づいて動作するところ、当該コマンドはCPU101により生成されるデジタル制御信号である。
すなわち、
図15を参照して説明したAT指示番号「0」〜「4」は10進数による表現であり、AT指示番号は実際には
図16(a)、(b)に示すように3個のビットB
3,B
2,B
1を用いて設定されるデジタル制御信号の一部である。
【0105】
詳細には、「0」〜「4」で表現されるAT指示番号と、ビットB
3,B
2,B
1を用いて表現されるAT指示番号とは下記の関係にある。
AT指示番号「0」は、ビットB
3=0、B
2=0、B
1=0の設定に対応する。
AT指示番号「1」は、ビットB
3=0、B
2=0、B
1=1の設定に対応する。
AT指示番号「2」は、ビットB
3=0、B
2=1、B
1=0の設定に対応する。
AT指示番号「3」は、ビットB
3=0、B
2=1、B
1=1の設定に対応する。
AT指示番号「4」は、ビットB
3=1、B
2=0、B
1=0の設定に対応する。
【0106】
上述したように第二抽選ではRレジスタ101drのビットb
0の値を用いてAT指示番号を設定するところ、具体的には当該ビットb
0の値を、コマンドのビットB1に書き込むことでAT指示番号を設定する。
すなわち、第二抽選部160bを実現するCPU101は、Rレジスタ101drの少なくとも一部(最下位ビットb
0)が示す値を用いて、AT指示番号を設定する第二抽選を行う。
ここで、第二抽選でAT指示番号を「2」または「3」に設定する例を、
図16(a)、(b)を参照して説明する。
Rレジスタ101drのビットb
0の値は「0」または「1」であり、CPU101はコマンドの生成処理において、当該コマンドのビットB
1にビットb
0の値である「0」または「1」を書き込む。
【0107】
ここで、AT指示番号を「2」または「3」のいずれかに設定する場面(例えば、後述する
図22のステップS214)を検討する。AT指示番号を「2」または「3」に設定するには、コマンドのビットB
2の値を「1」に設定する必要がある。このためには主として下記の3とおりの方法が挙げられる。
(方法1)加減算
例えば、ビットB
2の値に「1」を加算する。なお、2進数表記で「000」に「010」を加算して求まるAT指示番号「010」は、10進数表記で「0」に「2」を加算して求まるAT指示番号「2」と同義である。すなわち、ビットB
2の値に「1」を加算することは、10進数表記のAT指示番号においては「2」を加算することと同義である。
(方法2)ビット演算
例えば、ビットB
3=0、B
2=0、B
1=0の場合、それら3ビットの値「000」に対して「010」をOR演算することで、「010」すなわちビットB
3=0、B
2=1、B
1=0を得ることができる。
(方法3)初期設定
例えば、第二抽選でAT指示番号を「2」または「3」に設定する際には前処理として、予めコマンドのビットB
2の値を「1」に設定しておくことで、Rレジスタ101drのビットb
0から取得した値をそのままコマンドのビットB1に書き込むだけで、AT指示番号を設定することができる。
すなわち、本実施形態では、CPU101は、Rレジスタ101drのビットb
0が示す値を取得し、当該値または当該値に対してビット演算または加減算して求まる値を、デジタル制御信号の一部として用いる。
これにより、一般的な抽選では当該抽選に用いるために取得した乱数についてテーブル照合等による判定処理が必要であるところ、本実施形態の第二抽選では当該判定処理が不要となるため、それが必要な構成と比較して、CPU101の処理量がさらに低減される。
【0108】
以下、上述のAT指示番号に対応する具体的な報知例について説明する。
図17は、AT指示番号「1」に対応する操作態様の報知例を示す図である。具体的には、AT指示番号「1」は、例えば
図17に示すように演出表示領域62のうち左リール65Lの近傍部分に、1番最初に停止させるべきリールであることを示す第一停止アシスト表示301を表示させるAT指示番号である。
これにより、遊技者は、左リール65Lに対応するストップボタン27Lを最初に押すべきであること(第一停止ボタンとすべきこと)を認識する。
【0109】
なお、第一停止アシスト表示301は、当該第一停止アシスト表示301によって、遊技者が第一停止ボタンとすべきストップボタン27を認識可能なものであれば、どのような表示であってもよい。また、第一停止ボタンとすべきストップボタン27の報知に、必ずしも演出表示領域62を用いる必要はなく、例えばスピーカ49を用いて音声によって第一停止ボタンとすべきストップボタン27を報知してもよいし、当該ストップボタン27が内包するLEDランプの点灯や点滅等によって第一停止ボタンとするストップボタン27を報知してもよい。
【0110】
なお、上述したように本実施形態において特定入賞役に規定されているのは第一停止ボタンとするストップボタン27のみであるため、二番目または三番目に押下するストップボタン27はいずれでもよい。従って、
図17に示すように、二番目または三番目に押下するストップボタン27については遊技者に報知せず、演出表示領域62のうち第一停止ボタン以外に対応するリールの近傍部分に、押し順不問であることを示すany表示302を表示させる。
【0111】
図18に示すように、指示番号「2」は、ストップボタン27Cを第一停止ボタンとすべきである旨を遊技者に報知させるAT指示番号である。
図18は、AT指示番号「2」に対応する操作態様の報知例を示す図である。具体的には、AT指示番号「2」は、例えば
図18に示すように演出表示領域62のうち中リール65Cの近傍部分に第一停止アシスト表示301を表示させるAT指示番号である。これにより、遊技者は、中リール65Cに対応するストップボタン27Cを第一停止ボタンとすべきであることを認識する。
【0112】
図19は、AT指示番号「3」に対応する操作態様の報知例を示す図である。具体的には、AT指示番号「3」は、例えば
図19に示すように演出表示領域62のうち右リール65Rの近傍部分に第一停止アシスト表示301を表示させるAT指示番号である。これにより、遊技者は、右リール65Rに対応するストップボタン27Rを第一停止ボタンとすべきであることを認識する。
【0113】
図20は、AT指示番号「4」に対応する操作態様の報知例を示す図である。具体的には、AT指示番号「4」は、例えば
図20に示すように演出表示領域62の略中央部分に、7図柄を揃えることを要請する『7を狙え!』との狙え表示304を表示させるAT指示番号である。これにより、遊技者は、当該図柄変動ゲームにおいては7図柄を揃えるべきであることを認識する。
【0114】
図21および
図22は、CPU101によるAT指示抽選に係る処理のフローチャートを示す図である。
まず、CPU101は、AT指示番号の設定をクリアし(ステップS200)、特定入賞役の当選フラグが設定されているか否かを判定する(ステップS202)。
特定入賞役の当選フラグが設定されていない場合(ステップS202のNO)、CPU101は、当該AT指示抽選に係る処理を終了させる。他方、特定入賞役の当選フラグが設定されている場合(ステップS202のYES)、CPU101は、「所定の条件」が成立したか否かを判定する(ステップS203)。ここで、「所定の条件」には、リーチ目リプレイの当選フラグが設定されているか否かが含まれている。
【0115】
リーチ目リプレイの当選フラグが設定されていない場合(ステップS203のNO)、CPU101は、設定されている当選フラグに対応する特定入賞役(例えば押し順ベル)の正操作態様に対応するAT指示番号を設定し(ステップS220)、当該AT指示抽選に係る処理を終了する。ここで、正操作態様は特定入賞役ごとに一意的に定まるため、当該正操作態様を決定するために抽選は不要である。従って、CPU101は、例えば、各特定入賞役に係るくじ番号と、各特定入賞役に係る正操作態様を示すAT指示番号とを対応付けたテーブルを参照して、設定する指示番号を決定する。
【0116】
リーチ目リプレイの当選フラグが設定されている場合(ステップS203のYES)、CPU101(第一抽選部160a)は、乱数回路132の設定を行い(ステップS206)、当該乱数回路132から乱数を取得する(ステップS208)。このステップS208で取得した乱数を用いて、CPU101(第一抽選部160a)は、遊技者に誤操作態様を報知するか否かを決定する抽選を行い、当該抽選に当選したか否かを判定する(ステップS210)。
【0117】
ここで、リーチ目リプレイに当選したときに誤操作態様による操作を行うと、上述したようにリーチ目リプレイに対応する図柄の組合せ(例えば
図8(c)参照)ではなく、通常リプレイに対応する図柄の組合せ(例えば
図8(a)参照)が停止表示される。
そして、内部抽選でリーチ目リプレイに当選したときに、誤操作態様を報知するか、操作態様について何も報知しないかのいずれかを決定する抽選は、遊技者にリーチ目を報知するか否かを決定する抽選であるといえる。
この報知により、遊技者がボーナス図柄を揃える停止操作をすべき状況にあると理解すると、当該遊技者がボーナス図柄以外の図柄を揃えようとして無駄に図柄変動ゲームを消化してしまうことが防止されるので、消費する遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる。従って、ステップS206〜ステップS210による抽選は上述の第一抽選に分類され、第一抽選部160aにより行われる。
【0118】
遊技者に誤操作態様を報知するか否かを決定する抽選に落選した場合(ステップS210のNO)、CPU101は、AT指示番号の設定をクリアし(ステップS224)、当該AT指示抽選に係る処理を終了する。これにより、当該図柄変動ゲームにおいて遊技者には正操作態様も誤操作態様も報知されないこととなる。
他方、遊技者に誤操作態様を報知することに当選した場合(ステップS210のYES)、CPU101は、当選フラグが設定された特定入賞役が「ストップボタン27Lを第一停止ボタンとする旨が規定された順押し役」であるか否かを判定する(ステップS212)。
【0119】
当選フラグが設定された特定入賞役が順押し役でない(変則押し役である)場合(ステップS212のNO)、CPU101は、AT指示番号を順押し操作に対応する「1」に設定する(ステップS222)。これにより、変則押し役に対する順押し操作という誤操作態様が遊技者に報知される。すなわち、ステップS222は、AT指示番号を順押し操作に対応する「1」に設定するステップである。
【0120】
他方、当選フラグが設定された特定入賞役が順押し役である場合(ステップS212のYES)、誤操作態様は、ストップボタン27Cを第一停止ボタンとする操作態様と、ストップボタン27Rを第一停止ボタンとする操作態様との2とおり存在する。
しかしながら、上記の2とおりの操作態様のいずれによる操作を行っても、当該図柄変動ゲーム以降の図柄変動ゲームについて、遊技者が獲得または消費するメダル数に影響はない。従って、上記の2とおりの操作態様のいずれを遊技者に報知するかを決定する抽選(ステップS214)は、上述の第二抽選に分類され、CPU101の第二抽選部160bによって行われる。
換言すれば、遊技者に報知されうる誤操作態様に適合する停止操作が複数とおり存在するとき、複数とおりの適合する停止操作のいずれかを決定する抽選は、第二抽選部160bが乱数回路131、132を用いない第二抽選として行う。
これにより、第二抽選については乱数回路131、132を用いないため、全ての抽選に乱数回路131または乱数回路132を用いる構成と比較して、乱数回路131、132の設定に要する処理の分だけ、CPU101に要求される処理量を低減することができる。
また、CPU101が行う抽選のうち第二抽選に分類されうる抽選を、乱数回路131、132を用いずに行う構成とするができるため、当該CPU101に要求される処理量を軽減する設計変更が容易となる上に当該設計変更の前後で遊技機10の抽選に係るスペックが変化しない。
【0121】
具体的には、当選フラグが設定された特定入賞役が順押し役である場合(ステップS212のYES)、CPU101(第二抽選部160b)は、Rレジスタ101drのビットb
0の値を読み出して取得し(ステップS214)、当該値を用いて指示番号を設定し(ステップS216)、当該AT指示抽選に係る処理を終了する。
ステップS216においては、具体的には下記の処理によりAT指示番号を設定する。
【0122】
具体的には、ステップS214でRレジスタのビットb
0から取得する値は「0」または「1」であるので、ステップS216の処理で得られる値は「2」または「3」である。
従って、ステップS216で設定されるAT指示番号は「2」または「3」となる。上述の
図15に示すように、AT指示番号「2」の指示内容は中押し操作態様(ストップボタン27Cを第一停止ボタンとする操作態様)であり、AT指示番号「3」は右押し操作態様(ストップボタン27Rを第一停止ボタンとする操作態様)である。
上述のステップS214およびステップS216の処理により、ストップボタン27Lを第一停止ボタンとする旨が規定された順押し役に対して、中押し操作態様(ストップボタン27Cを第一停止ボタンとする操作態様)または右押し操作態様(ストップボタン27Rを第一停止ボタンとする操作態様)という誤操作態様を遊技者に報知することとなる。
具体的には演出表示装置63と報知制御部211とが協働することで、特定の停止操作が規定されている入賞役である特定入賞役が、内部抽選部120による抽選で当選した場合の少なくとも一部において、第二抽選によって決定された停止操作を遊技者に報知する報知部として機能する。
なお、報知部が遊技者に報知する操作態様は誤操作態様に限られず、正操作態様の報知に報知部を用いてもよい。
【0123】
ここで、ステップS214による第二抽選は、ステップS206からステップS210による第一抽選によって誤操作態様の報知が決定された場合であって、当該誤操作態様に適合する複数とおりの停止操作のいずれを遊技者に報知するかを決定する抽選である。
すなわち、ステップS206からステップS210による第一抽選と、ステップS214およびステップS216による第二抽選とによって2段階の抽選が構成され、一段階目で行われる第一抽選では乱数回路132が用いられ、二段階目で行われる第二抽選ではRレジスタ101drが用いられる。
この2段階の抽選は、上述したように第一抽選部160aと第二抽選部160bとにより行われるところ、種々の態様の2段階の抽選が行われうる。すなわち、第一抽選部160aは、特定入賞役が内部抽選部120による抽選で当選した場合の少なくとも一部において、正操作態様または誤操作態様の少なくとも一方(本実施形態では誤操作態様)を報知することを決定しうる抽選を第一抽選として行うことができる。第二抽選部160bは、第一抽選によって正操作態様または誤操作態様(本実施形態では誤操作態様)の報知が決定された場合であって、決定された正操作態様または誤操作態様(本実施形態では誤操作態様)に適合する停止操作が複数とおり存在するとき、複数とおりの適合する停止操作のいずれかを決定する抽選を第二抽選として行うことができる。
【0124】
そして、スタートレバーセンサ44によって、図柄変動ゲームにおいてリール65を回動させるスタートレバー26に対する遊技者の始動操作が検出されてから、ストップボタン27による停止操作の受付(ストップボタン基板43に搭載されているストップボタンセンサによる検出)が可能となるまでの期間に、2段階の抽選が行われる。
【0125】
そこで、上述したように乱数回路132とRレジスタ101drとを併用することで、両抽選に乱数回路132を用いる場合と比較して、CPU101に要求される処理量が低減すると共に、両抽選が同期してしまうことで不具合が生じる可能性が低減する。
この効果は、スタートレバーセンサ44によってスタートレバー26に対する遊技者の操作が検出されてから直ちに2段階の抽選を行わなければならない場合(CPU101の処理が短時間に集中し、CPU101に要求される処理量が過度に増大しやすい場合)に、より好適に作用する。
【0126】
なお、ステップS203の判定に係る「所定の条件」には、少なくとも「リーチ目リプレイの当選フラグが設定されていること」が含まれていればよく、さらに他の条件が含まれていてもよい。例えば、「ボーナス役の当選フラグが設定された図柄変動ゲーム以降でリーチ目リプレイに対応する図柄の組合せが停止表示されたこと」や「ATの残りゲーム数が所定値以下であること」を、「所定の条件」に含めてもよい。
【0127】
<本発明の変形例について>
ここまで
図1から
図22を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0128】
[第一変形例]
上述したように押し順が規定された特定入賞役では、第一停止ボタンとするストップボタン27のみが規定されている。換言すれば、押し順が規定された入賞役について、二番目に押下操作する第二停止ボタンや、三番目に押下操作する第三停止ボタンについて制限は無く、いずれのストップボタン27を第二停止ボタンまたは第三停止ボタンとしても、当該図柄変動ゲームの結果に影響はない。
従って、押し順が規定された特定入賞役の一例である押し順ベルの当選フラグが設定された場合であって、ATを実行中に遊技者に第二停止ボタンまたは第三停止ボタンを報知する際に、第二停止ボタンまたは第三停止ボタンとして報知するストップボタン27を決定する抽選は、第二抽選に該当する。
よって、第二抽選部160bは、押し順ベルのような押し順が規定された入賞役の当選フラグが設定された場合であって、押し順を遊技者に報知する場合の第二停止ボタンまたは第三停止ボタンとするストップボタン27を決定する抽選を行ってもよい。これにより、CPU101が別体の乱数回路から乱数を取得して当該抽選を行う構成と比較して、CPU101に要求される処理量が軽減されうる。
[第二変形例]
上述したように「転落リプレイ(
図7に示すくじ番号「3」)」も特定入賞役であるところ、内部抽選で「転落リプレイ」に当選した図柄変動ゲームにおいては、正操作態様による操作が成されると、遊技状態を転落させる(再遊技の確率が低下するように抽選テーブルを変更する)と共に再遊技が付与される「転落リプレイ」に対応する所定の図柄の組合せが有効ラインに停止表示される。他方、誤操作態様による操作が成されると、「通常リプレイ」に対応する所定の図柄の組合せが有効ラインに停止表示され、「通常リプレイ」と同様に単に再遊技が付与されるのみであり、遊技状態は転落させられない。
従って、ATを実行中に「転落リプレイ」に当選した図柄変動ゲームにおいて、遊技者に正操作態様を報知するか誤操作態様を報知するかを決定する抽選は、遊技状態を転落させるか否かを決定する抽選であるとも解せるので、出玉に影響を与えうる抽選(第一抽選)であるといえる。
ところで、仮に「転落リプレイ」に対応する誤操作態様が複数とおり存在する場合には、複数とおり存在する誤操作態様のいずれによる操作が成されても出玉には影響を与えないので、内部抽選で「転落リプレイ」に当選した図柄変動ゲームにおいて、複数とおり存在する誤操作態様のいずれを遊技者に報知するかを決定する抽選は、第二抽選として実行することができる。
なお、再遊技の確率が変化するように抽選テーブルを変更する入賞役であって、操作順序が規定されていれば、「転落リプレイ」に限られず、抽選テーブルを昇格させるような入賞役(例えば上述の実施形態でいえば「チャンスリプレイ」)についても、「転落リプレイ」と同様に本変形例を適用できる。この場合には、当該入賞役に対応する図柄の組合せを停止表示させるか否かを決定する抽選は第一抽選として実行できる。また、当該入賞役に対応する正操作態様が複数とおり存在する場合に、いずれの操作態様を遊技者に報知するかを決定する抽選は第二抽選として実行できる。
【0129】
[第三変形例]
上述の実施形態では、図柄変動ゲームで特典として遊技者が獲得しうる遊技媒体の総数の期待値、または、消費する遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる抽選であるか否かを基準として、CPU101による抽選を第一抽選と第二抽選とに分類しているといえるが、別の観点からは、図柄変動ゲームの結果として表示される図柄に影響を与えうる抽選であるか否かを基準として、CPU101による抽選を第一抽選と第二抽選とに分類しているとも解せる。
すなわち、上述のステップS206〜ステップS210は図柄変動ゲームの結果として表示される図柄に影響を与えうる第一抽選であり、上述のステップS214は図柄変動ゲームの結果として表示される図柄に影響を与えない第二抽選であるとも解せる。
従って、上述した実施形態における遊技機10は、乱数回路によって生成された乱数を取得して、図柄変動ゲームの結果として表示される図柄に影響を与えうる第一抽選を行う第一抽選部と、第一抽選とは異なる抽選の少なくとも一部である第二抽選を行う第二抽選部と、を備え、第二抽選部を実現する一の処理装置は、記憶領域の一部が示す値を用いて第二抽選を行う遊技機であるともいえる。
ここで、「図柄に影響を与えうる抽選」とは、回胴式遊技機においては図柄変動ゲームの結果として異なる当選役またはハズレ役に対応する図柄の組合せに成りうる抽選をいい、ぱちんこ遊技機においては図柄変動ゲームの結果として特別図柄表示部に表示される当選図柄またはハズレ図柄に影響を与えうる抽選をいう。
【0130】
[第四変形例]
第一抽選または第二抽選に該当しうる抽選としては、上述の実施形態で挙げた抽選以外にも、具体的には例えば下記の抽選を挙げることができる。
まず、第一抽選に該当しうる抽選について列挙する。
・「内部抽選の抽選テーブルを変更するか否かを決定する抽選」
内部抽選の抽選テーブルを変更すれば、出玉に影響が生じうるからである。すなわち、入賞役に係る当選確率が互いに異なる内部抽選の抽選テーブルが複数設けられている構成において、当該内部抽選の抽選テーブルを変更することは第一抽選に該当しうる。
・「当該図柄変動ゲームにおいてATを実行するか否か決定する抽選」
ATを実行することで、遊技者は入賞役のうち当選フラグが設定された特定入賞役に対応する図柄の組合せを揃えやすくなるので、出玉に影響が生じうるからである。
・「ATを実行する図柄変動ゲームの数を決定する抽選」
有利遊技状態の一つであるATを実行する図柄変動ゲームの数が多いほど、特典として遊技者が獲得しうるメダルの総数の期待値が上がるからである。
・「ボーナス遊技の当選フラグが設定された旨の報知画面(ボーナス確定画面)を表示するか否かの抽選」
いわゆるボーナス確定画面を遊技者が視認し、ボーナス遊技の当選フラグが設定されたことを認識すると、当該遊技者はボーナス図柄を揃える停止操作をすべき状況にあると理解する。これにより、当該遊技者がボーナス図柄以外の図柄を揃えようとして無駄に図柄変動ゲームを消化してしまうことが防止されるので、消費する遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうるからである。
以下、第二抽選に該当しうる抽選について列挙する。
・「当選フラグや有利遊技状態の有無を示唆しない演出の内容である演出パターンを決定する抽選」
上記のような演出パターンによる演出を実行しても、以降の図柄変動ゲームで特典として遊技者が獲得しうるメダルの総数の期待値および消費するメダルの総数の期待値に影響を与えないからである。上記のような演出パターンに該当するのであれば、例えばフリーズ演出のような稀に実行されうる演出に係る抽選であっても、第二抽選に該当しうる。このように稀に実行されうる演出であっても単に遊技者の興趣を喚起するに留まる(遊技者の内心への影響のみの)演出については、その演出パターンを決定する抽選は第二抽選に該当しうるので、当選フラグに関わらず実行されうる演出用抽選は第二抽選に該当しうる。
【0131】
[第五変形例]
上述の実施形態では、遊技機10として回胴式遊技機を想定してこれまで説明した。しかし、上述の抽選に係る処理を、ぱちんこ遊技機において同様に実行することも可能である。以下、ぱちんこ遊技機に本発明を応用する変形例について説明するが、各構成要素の図示は省略する。
【0132】
ぱちんこ遊技機においては、遊技媒体とは遊技球である。
ぱちんこ遊技機においては、遊技媒体を獲得するとは、入賞口への入球の特典として賞球が付与されることである。
ぱちんこ遊技機においては、遊技媒体を消費するとは、保有している遊技球を遊技領域上に打ち出すことである。
図23は、メイン基板のCPU(以下、メインCPUという)による入球時の保留表示処理の処理手順を示すフローチャートである。
図24は、メインCPUによる図柄変動開始処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、
図23および
図24に示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0133】
まず、
図23を参照して入球時処理について説明する。ここで入球時処理とは、始動口に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
図23に示すように、メインCPUによる入球時処理においては、始動口への入球が検知されるまで(ステップS302のNO)、ステップS304以降の処理は行わないまま待機となる。
また、始動口への入球を検知したとしても(ステップS302のYES)、「保留数」が上限に達していれば(ステップS304のYES)、ステップS306以降の処理は行わないまま待機となる。
ここで、メインCPUは、遊技球が始動口に入球することをもって始動条件の成立として乱数を取得し、取得した乱数を保留記憶するところ、保留記憶する個数を「保留数」といい、保留数には上限がある。
【0134】
始動口への入球を検知して(ステップS302のYES)、かつ保留数が上限に達していないとき(ステップS304のNO)、保留数を加算する(ステップS306)。また、乱数を取得して、専用の記憶領域に保留記憶する(ステップS308)。すなわち、ステップS302の肯定とステップS304の否定とが、上記の始動条件の成立を意味する。
【0135】
次に、乱数を保留したことを契機として、メインCPUは「事前判定処理」を行う(ステップS310)。「事前判定処理」とは、保留記憶した乱数に起因して大当り遊技に当選するか否かを判定する処理である。
【0136】
上述のステップS308とステップS310とによる一連の処理は、乱数を取得して当該乱数に基づいて判定を行うという処理内容の観点からは抽選とみなすことができる。
続いて、メインCPUは、ステップS310の抽選結果に基づいて演出条件の指示抽選を行う(ステップS312)。具体的には、ステップS312で行われる抽選は、例えば保留表示の表示態様(例えば色)を変化させるか否かを決定する抽選であり、この場合、当該抽選は第二抽選に該当する。
ここで、ぱちんこ遊技機においては、特別図柄による図柄変動ゲームにて特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報に影響を与える抽選は第一抽選に該当し、変動時間情報に影響を与えない抽選は第二抽選に該当するとも解せる。なぜならば、ぱちんこ遊技機においては保留上限数という制限があるため、図柄変動ゲームの変動時間が長くなるほど当該制限により無効とされる入球が増加しうるので、図柄変動ゲームの変動時間の長さに影響を与えうる抽選(例えば変動パターンの抽選)は、消費する遊技球の総数の期待値に影響を与えうる抽選に含まれうる。
【0137】
上述のステップS312で行われる抽選が仮に第一抽選であれば、ステップS308とステップS310とによる一連の処理も第一抽選であるとみなすことができる。これは、ステップS312で行われる抽選は、ステップS308およびステップS310による処理結果に基づいて行われるものだからである。
他方、ステップS312で行われる抽選は、ステップS308およびステップS310による一連の処理が変動時間情報に影響を与えるか否かに関わらず、第一抽選にも第二抽選にも該当しうる。これは、ステップS312の抽選が変動時間情報に影響を与えるか否かは、単純にステップS312で抽選される内容により定まるからである。
【0138】
ステップS302からステップS312までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドを、サブ基板に出力し(ステップS314)、当該入球時の保留表示処理を終了する。
【0139】
次に、
図24を参照して図柄変動開始処理の処理手順について説明する。ここで図柄変動開始処理とは、特別図柄による図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
ステップS402の判定が否定されるとき(ステップS402のNO)、ステップS404以降の処理は実行されずに、当該図柄変動開始処理は終了となる。
【0140】
ステップS402の判定が肯定されるとき(ステップS402のYES)、メインCPUは、保留している乱数M1または乱数M2を読み出す(ステップS404)。なお、ステップS404において、メインCPUは、保留記憶している順番で乱数M1または乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0141】
続いて、メインCPUは、ステップS404で読み出した乱数M1または乱数M2に基づいて大当り遊技の付与の可否について抽選を行う(ステップS406)。この抽選は、当該抽選が実行される図柄変動ゲーム以降の期間に実行される図柄変動ゲームについて、特典として獲得しうる遊技媒体(遊技球)の総数の期待値に影響を与えうる抽選であるので、第一抽選に該当する。
【0142】
ここでメインCPUは、ステップS406の抽選の結果、大当り遊技に当選したか否かを判定する(ステップS408)。大当り遊技に当選した場合(ステップS408のYES)、図柄変動ゲームの結果として特別図柄表示部に表示する当選図柄を決定する抽選を行う(ステップS410)。当選図柄に応じて確変状態または変短状態の有無が決定される仕様であれば、ステップS410で行う抽選は、当該抽選が実行される図柄変動ゲーム以降の期間に実行される図柄変動ゲームについて、特典として獲得しうる遊技媒体(遊技球)の総数の期待値に影響を与えうる抽選であるので、第一抽選に該当する。
【0143】
ところで、大当り遊技に当選しなかった場合(ステップS408のNO)、図柄変動ゲームの結果として特別図柄表示部に表示させるハズレ図柄を決定する(ステップS412)。なお、ハズレ図柄は一意的に定まる仕様であれば、ハズレ図柄の決定に抽選は不要である。
【0144】
続いて、メインCPUは、図柄変動ゲームにおいて液晶表示部に表示させる演出図柄の組合せを、リーチ目またはバラケ目に決定する抽選を行う(ステップS414)。ステップS414で行われる抽選の結果は変動時間情報に影響を与えるので、当該抽選は第一抽選に該当する。
【0145】
上述したステップS410またはステップS414の処理を終えると、メインCPUは、変動時間情報を決定する抽選を行う(ステップS416)。ステップS416で行われる抽選の結果は変動時間情報に影響を与えるので、当該抽選は第一抽選に該当する。
続いて、メインCPUは、ステップS416で決定した変動時間情報に基づいて、演出条件の指示抽選を行う(ステップS418)。具体的には、ステップS418で行われる抽選は、サブ基板による演出に課す条件の内容を決定する抽選である。
【0146】
ここで、ステップS418の抽選は、ステップS416で変動時間情報を決定した後に実行する処理であるので、当該図柄変動ゲームについては変動時間情報に影響を与えるものでない抽選であるので、当該抽選は第二抽選として実行できる。
なお、ステップS418の抽選結果を保持して、当該抽選結果が、後の図柄変動ゲームの結果に影響を与えるような仕様である場合には、ステップS418の抽選は第一抽選として実行してもよい。
【0147】
そして、メインCPUは、ステップS402からステップS418までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドを、サブ基板に出力し(ステップS420)、当該図柄変動開始処理を終了する。
【0148】
上記の実施形態および変形例の説明において、
図6に図示する機能構成を前提として説明したが、本発明の各構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよい。従って、本発明の遊技機の各構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0149】
上記の各実施形態の説明において複数のフローチャートを用いた。これらのフローチャートは、順番に記載された複数のステップを含むものであるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番やタイミングを、図示した一つの態様に限定するものではない。このため、本発明を実施するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数のステップの実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
【0150】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)遊技媒体を消費して図柄変動ゲームを実行し、実行された前記図柄変動ゲームの結果の少なくとも一部に対する特典として前記遊技媒体を獲得しうる遊技機であって、保持している値が経時的に変動する記憶領域を備え、プログラムの実行によって前記図柄変動ゲームおよび前記図柄変動ゲームに関する演出の少なくとも一部を実行する一または複数の処理装置と、乱数を生成する乱数回路と、前記乱数回路によって生成された乱数を取得して第一抽選を行う第一抽選部と、前記第一抽選とは異なる抽選の少なくとも一部である第二抽選を行う第二抽選部と、を備え、前記第一抽選は、当該第一抽選が実行される前記図柄変動ゲーム、または、当該図柄変動ゲーム以降の期間に実行される前記図柄変動ゲームについて、前記特典として獲得しうる前記遊技媒体の総数の期待値、または、消費する前記遊技媒体の総数の期待値に影響を与えうる抽選であり、前記第二抽選部を実現する一の前記処理装置は、前記記憶領域の少なくとも一部が示す値を用いて前記第二抽選を行う遊技機。
(2)前記図柄変動ゲームにおいて成立しうる入賞役の当選について抽選する内部抽選部と、前記図柄が配列され、回動可能に設けられた複数のリールと、前記図柄変動ゲームにおける前記リールの回動を停止させる停止操作を検出する停止操作検出部と、特定の停止操作が規定されている前記入賞役である特定入賞役が、前記内部抽選部による抽選で当選した場合の少なくとも一部において、前記特定の停止操作を含む正操作態様または前記特定の停止操作を含まない誤操作態様を遊技者に報知する報知部と、前記特定入賞役が当選した場合であって前記特定の停止操作が検出されたとき、前記特定入賞役に対応する前記図柄の組合せを前記図柄変動ゲームの結果として停止表示させるように、前記リールの回動を制御し、前記特定入賞役が当選した場合であって前記特定の停止操作が検出されないとき、前記特定入賞役に対応する前記図柄の組合せとは異なる前記図柄の組合せを前記図柄変動ゲームの結果として停止表示させるように、前記リールの回動を制御する回動制御部と、を含み、前記報知部によって報知されうる前記正操作態様または前記誤操作態様に適合する停止操作が複数とおり存在するとき、複数とおりの適合する停止操作のいずれかを決定する抽選を、前記第二抽選部が前記第二抽選として行い、前記報知部は、前記第二抽選によって決定された前記停止操作を報知する(1)に記載の遊技機。
(3)前記第一抽選部は、前記特定入賞役が前記内部抽選部による抽選で当選した場合の少なくとも一部において、前記第一抽選部は、前記正操作態様または前記誤操作態様の少なくとも一方を報知することを決定しうる抽選を前記第一抽選として行い、前記第二抽選部は、前記第一抽選によって前記正操作態様または前記誤操作態様の報知が決定された場合であって、決定された前記正操作態様または前記誤操作態様に適合する停止操作が複数とおり存在するとき、複数とおりの適合する停止操作のいずれかを決定する抽選を前記第二抽選として行う(2)に記載の遊技機。
(4)前記図柄が配列され、回動可能に設けられた複数のリールと、前記図柄変動ゲームにおいて前記複数のリールを回動させる始動操作を検出する始動操作検出部と、前記図柄変動ゲームにおける前記リールの回動を停止させる停止操作を検出する停止操作検出部と、を含み、前記第一抽選および前記第二抽選は、前記始動操作検出部によって前記始動操作が検出されてから、前記停止操作検出部による前記停止操作の検出が可能となるまでの間に行われる(1)から(3)のいずれか一に記載の遊技機。
(5)前記一の処理装置は、前記記憶領域の一部が示す値を取得し、当該値または当該値に対してビット演算または加減算して求まる値を、デジタル制御信号の一部として用いる(1)から(4)のうちいずれか一に記載の遊技機。
(6)前記第一抽選部および前記第二抽選部は共に前記一の処理装置によって実現される(1)から(5)のいずれか一に記載の遊技機。
(A)保持している値が経時的に変動する記憶領域を備える一または複数の処理装置によるプログラムの実行によって図柄変動ゲームおよび前記図柄変動ゲームに関する演出の少なくとも一部を実行する遊技機であって、乱数を生成する乱数回路と、前記乱数回路によって生成された乱数を取得して、前記図柄変動ゲームの結果として表示される図柄に影響を与えうる第一抽選を行う第一抽選部と、前記第一抽選とは異なる抽選の少なくとも一部である第二抽選を行う第二抽選部と、を備え、前記第二抽選部を実現する一の前記処理装置は、前記記憶領域の一部が示す値を用いて前記第二抽選を行う遊技機。