(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。なお、すべての図面において、同様の構成要素には同一の符号を付し、適宜に説明を省略する。また、以下の説明では、「前」「後」「左」「右」「上」「下」とは、特に断りのない限り、
図1に示すように遊技機10を正面側(遊技者側)から見た状態で指称するものとする。
【0011】
[第1実施形態]
<遊技機10の概要について>
まず、遊技機10の概要について、
図1、
図4および
図5を用いて説明する。
図1は、遊技機10の正面図である。
図4は、遊技機10の電気的構成の要部を示すブロック図である。
図5は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
【0012】
遊技機10は、遊技制御手段(メインCPU101)と、演出表示領域(演出表示器
80)と、被読取部700と、を備える。
メインCPU101は、大当りの当否判定を行う遊技を実行する。
演出表示器80は、遊技の実行に伴って演出図柄の組合せを停止表示し、メインCPU101による当否判定に当選した場合、大当りの当選に対応する複数とおりの特定の演出図柄の組合せの中からいずれかを停止表示する。
被読取部700は、外部装置EDに含まれる読取部Rが読み取り可能であって、かつ演出表示器80に停止表示される特定の演出図柄の組合せに応じて異なる作動態様で読取情報を表出する。
【0013】
上記のように構成することで、大当り時に停止表示される図柄揃い(特定の演出図柄の組合せ)に応じて異なる作動態様で読取情報を表して外部装置EDに含まれる読取部Rに読み取らせるので、ホール関係者は、外部装置EDに含まれるホールコンピュータHCを利用することによって大当り時に揃う演出図柄を監視することができる。ここで、ホールコンピュータHCは、読取情報のデータ形式を変換することによって図柄選択情報を生成する機能を備える。以下、読取情報から図柄選択情報を生成する処理を逆変換と称することがある
上述の構成により、ホール関係者(例えば店員)の目視によってラッキーナンバーに係る大当りか否かを監視することなく、ラッキーナンバー制を運用することが可能になる。
【0014】
「遊技」とは、遊技球が始動口に入球した場合の少なくとも一部において特別図柄を変動表示させた後に停止表示させて大当り抽選の当否結果を報知する図柄変動ゲームをいう。
「大当り」とは、特別電動役物を開放させるための抽選に当選することをいう。従って、ここで「大当り」には、特別電動役物を一セットだけ開放させるいわゆる小当りも含む概念である。
「演出図柄」とは、演出表示器80において変動表示される装飾図柄である。
「特定の演出図柄の組合せ」とは、大当りを報知する演出図柄の組合せであり、例えば同種の複数の演出図柄が一列に揃うこと(図柄揃い)である。
外部装置EDとは、主要な制御機能を実現する構成要素が遊技機10の外部に存在する装置であって、
図4に示す構成例ではホールコンピュータHCと読取部Rとが含まれる。ここで読取部Rは外部装置EDの付随的な構成要素であるので、遊技機10の外部または内部のいずれに配設されていてもよい。
従って、例えば、(i)被読取部700と読取部Rとが共に遊技機10の内部に配設される構成、(ii)被読取部700が遊技機10の内部に配設され、かつ、読取部Rが遊技機10の外部に配設される構成、(iii)被読取部700が遊技機10の外部に露出するように設けられ、かつ、読取部Rが遊技機10の外部に配設される構成などを挙げることができる。
「読取情報」とは、サブCPU201による演出図柄の選択処理に用いられる情報(図柄選択情報)のデータ形式が、被読取部700により表出可能なデータ形式に変換されることによって生成される情報である。すなわち、読取情報には、少なくとも図柄選択情報の一部が含まれる。
なお、読取情報には図柄選択情報以外の情報を含めてもよく、そのように構成する場合、読取情報に含める情報の全てのデータ形式を、被読取部700により表出可能なデータ形式に変換する。
また、読取情報は、人間の五感によっては感知できない態様で被読取部700によって表出され、かつ、読取部Rによって読み取られる構成を採ってもよい。
【0015】
<遊技機10の構造について>
図1から
図3を用いて遊技機10の構造について説明する。
なお、
図1は、遊技機10の正面図である。
図2は、遊技機10内に配設された遊技盤を示す図である。
図3は、遊技機10内に配設された図柄表示器90を示す図である。
【0016】
本実施形態の遊技機10は、いわゆるパチンコ機であり、多数の遊技釘(図示せず)が立設された遊技盤50の前面領域(以下、遊技領域50aと称す)に遊技球を発射し、遊技球が特定の入賞口(例えば、大入賞口55等)に入球すると賞球が得られる遊技を行うものである。
【0017】
遊技機10は、前後に開口する矩形枠状の外枠15と、外枠15の開口前面側に遊技盤50を着脱可能に保持する中枠(図示せず)と、遊技盤50(中枠)の前面側を覆うよう構成された前枠20と、を備える。
【0018】
前枠20は、ヒンジ機構21により左端側を回動自在に支持され、中枠に対して開閉可能となっている。なお、前枠20は、シリンダ錠23により施錠・解錠が可能となっている。
前枠20は、遊技領域50aを覆うように配置された透明部材25を備え、透明部材25によって遊技領域50aおよび遊技盤50を透視保護している。
前枠20は、遊技球を貯留する上球受け皿27および下球受け皿29を備え、上球受け皿27と下球受け皿29は上下に離間して前枠20と一体的に設けられている。
前枠20は、下球受け皿29の右側方に操作ハンドル31を備え、操作ハンドル31の回動操作によって、上球受け皿27に貯留された遊技球が遊技領域50aに向けて発射されるようになっている。
【0019】
前枠20の上枠部32の左側と右側にそれぞれ一対のスピーカ33(33a、33b)が配設されている。また、前枠20の上枠部32と左右側枠部34、36は光透過性のカバーにより形成されており、その内部にはそれぞれ照明装置35(35a、35b、35c)が配設されている。スピーカ33や照明装置35は、遊技中に発生する演出やエラー報知等と連動して音声出力または点灯若しくは消灯することができる。
前枠20は、上球受け皿27の前方部にプッシュボタン37が配設されている。プッシュボタン37は、遊技中に発生する演出を切り替えるまたは遊技者が遊技機10に関わる種々の情報を得るために行う遊技者の操作を受け付けることができる。
【0020】
下球受け皿29の下部には、下球受け皿29に貯留された遊技球を下方へ排出する球抜き機構39が設けられている。この球抜き機構39を操作することにより、下球受け皿29の底面に形成された底面口(図示せず)が開口して、当該底面口から遊技球が自然落下して排出される。
【0021】
図柄表示器90は、演出表示器80の右下側など、演出表示器80よりも遊技者が視認しにくい位置に配設される。また、図柄表示器90の表示領域は、演出表示器80の表示領域よりも小さい面積になっている。
図柄表示器90は、複数のランプが配列されている。本実施形態で図柄表示器90に用いられるランプとは、発光ダイオード(以下、LEDと称す)である。図柄表示器90は、発光するLEDの配列によって種々の情報を示し、特別図柄表示部91または普通図柄表示部93を含んでいる。
【0022】
特別図柄表示部91は、複数個のLEDの発光パターンにより特別図柄による図柄変動ゲームの抽選結果を表示する。より詳細には、
図3に示すように、特別図柄表示部91は左側のLED16個から構成される。
ここで特別図柄とは、特別図柄表示部91に表示するために選択されうるデータ群、または特別図柄表示部91に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。
なお、以下、特別図柄のことを「特図」と略して表記する場合がある。
ここで特別図柄による図柄変動ゲームとは、特別電動役物65(いわゆるアタッカー)を開放させるための抽選結果を示すために、特別図柄表示部91を変動表示させた後に特別図柄を停止表示させることをいう。
なお、以下、「特別図柄による図柄変動ゲーム」を、単に「図柄変動ゲーム」と略称する場合がある。
【0023】
普通図柄表示部93は特別図柄表示部91より少ない数(例:2個)のLEDの発光パターンにより普通図柄による図柄変動ゲームの抽選結果を表示する。
ここで普通図柄とは、普通図柄表示部93に表示するために選択されうるデータ群、または普通図柄表示部93に表示されうる図柄(LEDの発光パターン)をいう。なお、以下、普通図柄のことを「普図」と略して表記する場合がある。また、ここで普通図柄による図柄変動ゲームとは、普通電動役物61(いわゆる電動チューリップ)を開放させるための抽選結果を示すために、普通図柄表示部93を変動表示させた後に普通図柄を停止表示させることをいう。
【0024】
なお、本実施形態において図柄表示器90に配列される複数のランプはLEDとして説明しているが、ランプの種別はこれに限定されるものではない。そして、当該ランプの配置についても
図3に図示するものに限らず、多様な配置を採用しうる。
【0025】
なお、
図3に示すように、図柄表示器90は、特別図柄表示部91または普通図柄表示部93の表示に用いられないLEDも含んでおり、特別図柄または普通図柄による図柄変動ゲームの抽選結果の他にも、保留記憶数や大当り遊技のラウンド回数等の情報も表示しうる。
【0026】
また、本実施形態における特別図柄表示部91は、第1始動口58への入球または第2始動口59への入球のいずれを起因とする図柄変動ゲームにおいても変動表示を行う。このとき、変動表示に用いられるLEDが入球した始動口によって異なってもよく、同一であってもよい。
【0027】
演出表示器80は、遊技盤50の略中央に配設されている固定式の液晶装置である。演出表示器80は、特別図柄表示部91における図柄変動ゲームに連動して行われる演出図柄の変動表示を表示することができ、さらに他の各種の演出も表示することができる。ここで演出図柄とは、遊技機10における遊技の興趣をより高めるために表示される図柄であり、具体的には数字や絵柄またはそれらの組み合わせから構成されている。
演出表示器80は、その略中央に演出図柄を表示可能であり、さらに当該演出図柄の上方および下方にもそれぞれ演出図柄が表示されうる。すなわち、演出表示器80には、「左列」「中列」「右列」にそれぞれ演出図柄が表示され、表示された演出図柄が一または複数の列をなしている。
【0028】
本実施形態では、第1始動口58または第2始動口59における保留記憶の最大数(各4個)を上限として、保留記憶に対応している保留表示を表示可能なものとして説明するが、本発明の実施はこの態様に限られない。例えば、始動口に入球した遊技球が当該始動口の内部で振り分けられて異なる領域を通過する構成になっており、単一の始動口に対して8個の保留記憶が許容されるように見える態様の遊技機(いわゆる8個保留タイプ)において本発明が実施される場合、8個の保留表示が表示されてもよい。
【0029】
なお、本実施形態における演出表示器80には、いずれも液晶表示装置が採用されているが、本発明の実施はこれに限るものではない。例えば、ドラム式やドットマトリックス式等、多様な方式の表示装置を演出表示器80として採用しうる。
【0030】
遊技盤50の前面には、多数の遊技釘(図示せず)や風車52、装飾部材といった障害物が配置されていることにより、打ち出された遊技球が転動するように遊技領域50aが画成されている。また、遊技領域50aの左側および上側には、操作ハンドル31の回転操作により発射された遊技球を遊技領域50aの上部に案内するために設けられた湾曲形状の外レール51および内レール53が配置されている。なお、外レール51は、遊技領域50a中央を基準として内レール53より外側に位置している。
ここで風車52とは、遊技球の落下の方向に変化を与えるための機構であって、くぎ状のものをいう。
【0031】
遊技機10は操作ハンドル31の回転操作量(例えば回転角度)の大小によって遊技球の打ち出しの強弱をつけることが可能になっている。また、より弱く打ち出された遊技球が転動する第1流路X(いわゆる左打ち)、より強く打ち出された遊技球が転動する第2流路Y(いわゆる右打ち)、のいずれか一方を遊技球が転動するように各種障害物が遊技領域50aに配置されている。
【0032】
遊技領域50aには、各種の入賞口(例えば大入賞口55等)が配設され、各入賞口の後方には入球した遊技球を検知する各種スイッチ(例えばカウントスイッチSW4等)が配設されている。なお、以下の説明において入賞とは、遊技球が特定の入賞口に入球することをいう。
本実施形態においては、上記の各種スイッチは遊技者が視認できないように配設されており、
図1および
図2においては図示しない。
【0033】
図2には、主要な入賞口として、大入賞口55、第1始動口58、第2始動口59、作動ゲート63、普通入賞口67(67a、67b)を図示する。ここで図示する入賞口は一例であり、その数や配置は適宜変更しても構わない。
【0034】
第1始動口58は、遊技領域50aの中央下部(演出表示器80の下方)に配置されており、一般的に「ヘソ」と呼ばれる。
第1始動口58には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW1が配置されており、第1始動口58に入球した遊技球がカウントスイッチSW1で検知されることにより、図柄変動ゲームを始動させる始動条件と、予め定めた数の遊技球を賞球として払い出す払出条件と、が成立しうる。
【0035】
第2始動口59は、遊技領域50aの右下側(演出表示器80の右下側)に配置されており、第2始動口59には普通電動役物61が付設されている。普通電動役物61は、第2始動口59に遊技球への入球が容易である開放状態または入球が困難である閉鎖状態に可換に遷移する開閉部材であり、アクチュエータAC1の作動により当該開放状態または当該閉鎖状態のいずれかに遷移する。なお、普通電動役物61の制御については、後に詳述する。
第2始動口59には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW2が配設されており、第2始動口59に入球した遊技球がカウントスイッチSW2で検知されることにより、図柄変動ゲームの始動条件と、賞球の払出条件と、が成立しうる。
【0036】
作動ゲート63は、第2始動口59の右上側(演出表示器80の右側)に配置されている。作動ゲート63には、通過した遊技球を検知するカウントスイッチSW3が配設されており、作動ゲート63を通過した遊技球がカウントスイッチSW3で検知されることにより、普通図柄による図柄変動ゲームの始動条件が成立しうる。
【0037】
なお、本実施形態の遊技機10においては、カウントスイッチSW3の検知は賞球の払出条件に含まれていない。すなわち、本実施形態の作動ゲート63に遊技球が入球しても賞球はゼロである。
また、作動ゲート63は通過した遊技球が通過後再び遊技領域50aを転動する、いわゆるゲートタイプの入賞口であってもよい。この場合において、作動ゲート63を通過することも本明細書では「入球」と称す。
【0038】
大入賞口55は、第2始動口59の下方(演出表示器80の右下側)に配置されている。大入賞口55には、アクチュエータAC2の作動により開閉動作を行う特別電動役物65が付設されている。
また、大入賞口55には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW4が配設されており、大入賞口55に入球した遊技球がカウントスイッチSW4で検知されることにより、賞球の払出条件が成立しうる。
【0039】
閉鎖状態における特別電動役物65は、遊技領域50aの面位置と略一致するように延在しており、当該面位置より奧方の大入賞口55に蓋をする。
また、開放状態における特別電動役物65は、遊技領域50aの面位置より前方に飛び出し、上方から流下してくる遊技球の受け皿として機能するように作動し、受け入れた遊技球を大入賞口55へと誘導する。
本実施形態における特別電動役物65は、大当り遊技の実行中に開放状態となるように作動して大入賞口55への遊技球の入球を許容する。
【0040】
普通入賞口67(67a、67b)は、演出表示器80の左下側に配置されている。普通入賞口67には入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW5が配設されており、普通入賞口67に入球した遊技球がカウントスイッチSW5で検知されることによって賞球の払出条件が成立しうる。
なお、本実施形態においては二つの普通入賞口67a、67bに対して一つのカウントスイッチSW5が設けられている実施例で説明したが、個別にセンサ(カウントスイッチ)を設けてもよい。このとき、それぞれのセンサによって賞球の払出条件が異なってもよく、同一であってもよい。
【0041】
本実施形態における遊技領域50aは、遊技球が第2流路Yから転動したときよりも、遊技球が第1流路Xから転動したときに第1始動口58または普通入賞口67に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、第1始動口58または普通入賞口67は、遊技領域50aの左側を主とする第1流路Xに設けられている。
また、本実施形態における遊技領域50aは、遊技球が第1流路Xから転動したときよりも、遊技球が第2流路Yから転動したときに大入賞口55、第2始動口59または作動ゲート63に入球しやすくなるように、各種障害物が配置されている。つまり、大入賞口55、第2始動口59または作動ゲート63は、遊技領域50aの右側を主とする第2流路Yに設けられている。
【0042】
アウト口69は、遊技領域50aの最下部に配置されている。上述した各入賞口(作動ゲート63を除く)に入球しなかった遊技球はアウト口69に落入し、アウト球として処理される。
【0043】
ここまで、本実施形態における遊技機10の構造について説明してきたが、これらは一例であって、別の構成によって本発明を実施することもできる。
【0044】
<遊技機10の制御構成について>
続いて、
図4を用いて遊技機10の主要な電気的構成について説明する。
図4は、遊技機の電気的構成の要部を示すブロック図である。
以下では、上述した
図1から
図3に図示されている各構成要素に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0045】
遊技機10は、
図4に示すように、主制御基板100とサブ統括制御基板200と払出制御基板230とを自機の内部に備えている。
【0046】
第一伝送経路は、メインCPU101からサブCPU201へのコマンドの伝送経路である。具体的には、第一伝送経路は、主制御基板100とサブ統括制御基板200との間を電気通信可能に接続する第一信号線401と、主制御基板100およびサブ統括制御基板200上の配線(不図示)と、によって構成される。
ここで、遊技機10は、
図4および
図5に示す構成例では、遊技機10に対してホールコンピュータHCを接続するための外部端子板300を備える。外部端子板300とは、遊技機10が備える端子板のうち、遊技機10以外の機械または装置と遊技機10との間の配線と、遊技機10内の配線とを接続するためのものをいう。
第二伝送経路は、メインCPU101からホールコンピュータHCへの電気信号の伝送経路のうち遊技機10に設けられているものである。具体的には、第二伝送経路は、主制御基板100と外部端子板300との間を電気通信可能に接続する第二信号線402と、主制御基板100および外部端子板300上の配線(不図示)と、によって構成される。
ここで、外部端子板300には、遊技機10外の信号線である第三信号線901を介してホールコンピュータHCが接続されている。
上述のように、第二伝送経路を介して、遊技機10からホールコンピュータHCに対して外部出力信号が出力可能に構成されている。
【0047】
なお、外部端子板300には、遊技機10が備える端子板のうち、遊技機10外の遊技球を貸し出すための信号を送信する機械または装置と遊技機10との間の配線と、遊技機10内の配線とを接続するための端子板(いわゆる遊技球等貸出装置接続端子板)も含まれうる。
また、第二伝送経路は、例えばメインCPU101と外部端子板300とを直接接続する経路である必要はなく、他の基板(例えば中継基板)などを経由してメインCPU101と外部端子板300とを接続する経路であってもよい。
【0048】
主制御基板100は、遊技を統括的に制御し、遊技に関連する演出等について他の構成要素(例えば演出制御部210)にコマンドを伝送する。主制御基板100は、遊技の結果に影響を及ぼす機能または及ぼす虞がある機能を有する基板であって、いわゆる主基板として機能する。
より具体的には、主制御基板100は、制御動作を所定の手順で実行するメインCPU101と、当該メインCPU101の制御プログラムを格納するROM103と、必要なデータの書き込みおよび読み出しができるRAM102とを備えている。なお、主制御基板100により実現される機能については後に詳述する。
また、主制御基板100には、上述したカウントスイッチSW1〜カウントスイッチSW5が接続されている。
【0049】
ところで、主制御基板100には、被読取部700が第五信号線405を介して接続されている。
被読取部700は、図柄選択情報の少なくとも一部を含む読取情報を表出する。ここで図柄選択情報とは、サブCPU201による演出図柄の選択処理のために、メインCPU101によって生成される情報である。また、読取情報とは、図柄選択情報のデータ形式が、被読取部700により表出可能なデータ形式に変換されることによって生成される情報である。
すなわち、後述するメインCPU101による図柄変動開始時処理(
図7)によって図柄選択情報である指示情報が生成されてサブCPU201に伝送されるとともに、当該指示情報のデータ形式が変換されることによって生成される読取情報が被読取部700に表出される。
【0050】
詳細には、読取情報は、メインCPU101によって図柄選択情報が「バーコード化」されて成る情報であり、被読取部700はバーコード化された読取情報を表示する表示部である。ここで「バーコード化」とは、データ形式を一次元バーコードまたは二次元バーコード(QRコード(登録商標))へ変換することをいう。以下、一次元バーコードと二次元バーコードとを「バーコード」と総称することがある。
ここで、ホールコンピュータHCは、読取情報を逆変換する機能(読取情報から図柄選択情報を生成する機能)を備える。すなわち、本実施形態において、ホールコンピュータHCは、バーコード化された読取情報から図柄選択情報を生成する。
【0051】
すなわち、被読取部700は、メインCPU101(遊技制御手段)による当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、サブCPU201(演出制御手段)が選択処理に用いる図柄選択情報の少なくとも一部を含むことによって演出表示器80(演出表示領域)に停止表示される図柄揃いを識別可能なデータ構成になっている読取情報、または当該図柄揃いが予め定められた一または複数の図柄揃いが属する所定の演出図柄群(ラッキーナンバーに係る演出図柄群)に含まれるか否かを識別可能なデータ構成になっている読取情報を表出する。
【0052】
このように構成することで、大当り時に停止表示される図柄揃いに応じて異なる作動態様で読取情報を表して外部装置ED(読取部R)に読み取らせるので、ホール関係者は、外部装置ED(ホールコンピュータHC)を利用することによって大当り時に揃う演出図柄を監視することができる。従って、ホール関係者の目視によってラッキーナンバーに係る大当りか否かを監視することなく、ラッキーナンバー制を運用することができる。
【0053】
ところで、被読取部700に表出された読取情報は、外部装置EDに含まれる読取部Rによって読み取られ、外部装置内における電気信号の伝送経路である外部装置内伝送経路951を介してホールコンピュータHCに伝送される。
本実施形態では、被読取部700はバーコードを表示する表示部であり、読取部Rは、被読取部700に表示されたバーコードを撮像する撮像部である。
ここで、遊技機10には、被読取部700に表示されたバーコードを撮像可能な位置に、読取部Rを取り付けるための取付部(不図示)が設けられており、当該取付部を介して読取部Rが遊技機10に対して取り付けられている。
【0054】
換言すれば、遊技機10は、読取部Rを取り付けるための不図示の取付部が設けられているところ、この取付部と被読取部700との距離は、読取部Rによる読取情報の読取許容範囲に収まっている。このように構成することで、読取部Rと被読取部700と間の距離を固定できるため、読取部Rによる読み取り精度を安定させることができる。
なお、取付部は、遊技者が触れることができないように保護されている位置に設けられることが好ましく、このように構成する場合、被読取部700と読取部Rとが共に遊技機10の内部に設けられることになる。この構成によれば、遊技者による読取情報の改変が防止される。
【0055】
ここで、ホールコンピュータHCは、読取部Rから伝送された読取情報を逆変換して図柄選択情報を生成する逆変換機能を有する。本実施形態では、ホールコンピュータHCは、読取部Rによって読み取られて伝送されたバーコードから、図柄選択情報である指示情報を生成する。
【0056】
すなわち、被読取部700は、光学処理によって読取情報を読み取り可能な読取部Rに対して、読取情報を発光出力する。これにより、遊技機10からホールコンピュータHCへの図柄選択情報の伝送が簡易な構成で実現する。
【0057】
ここで、本実施形態では被読取部700を、バーコード化された読取情報を表示する表示部とし、読取部Rを撮像部とする構成を採っているが、他の光学的手段を用いて被読取部700および読取部Rを実現してもよい。
例えば、演出表示器80に停止表示される図柄揃いに応じて異なる点灯パターンで発光するLEDランプを被読取部700とし、当該LEDランプが発した光を受光する光センサを読取部Rとしてもよい。
このように構成する場合、予めRAM102またはROM103に、図柄選択情報とLEDランプの点灯パターンとが対応付けられて成るLEDランプ制御データを格納しておく。そして、メインCPU101は、LEDランプ制御データを参照して、サブCPU201が演出図柄の選択処理で用いる図柄選択情報に対応する点灯パターンでLEDランプを発光させる制御を行う。
なお、LEDランプ制御データはホールコンピュータHCにも備えさせておき、ホールコンピュータHCは当該LEDランプ制御データを参照して、LEDランプの点灯パターンに対応する図柄選択情報を特定する。
【0058】
なお、光学的手段以外の手段を用いて読取情報の授受を可能に、被読取部700および読取部Rを構成してもよい。具体的には、例えば電磁気的手段や熱的手段などを挙げることができる。
【0059】
サブ統括制御基板200は、遊技機10によって行われる遊技(図柄変動ゲームや大当り遊技等)に関連する演出を制御する。サブ統括制御基板200は、サブCPU201と、ROM203と、RAM202とを備える。ここで、サブCPU201が、ROM203から読み出した制御プログラムを実行し、RAM202に種々のデータを書き込む、またはRAM202から種々のデータを読み出すことによって種々の機能が実現される。すなわち、サブCPU201は、演出表示器80(演出表示領域)に停止表示させる演出図柄の組合せを選択する選択処理を実行する。
サブ統括制御基板200には、第一信号線401を介して主制御基板100が接続されている。すなわち、第一信号線401と、主制御基板100およびサブ統括制御基板200上の配線(不図示)とで構成される第一伝送経路を介して、主制御基板100からサブ統括制御基板200に対してコマンドが伝送可能に構成されている。
なお、サブ統括制御基板200の機能については後に詳述する。
【0060】
払出制御基板230は、各入賞口への入賞の特典として付与される賞球の払い出しを制御する。払出制御基板230は、払出CPU231と、ROM233と、RAM232とを備えている。ここで、払出CPU231が、ROM233から読み出した制御プログラムを実行し、RAM232に種々のデータを書き込む、またはRAM232から種々のデータを読み出すことによって種々の機能が実現される
払出制御基板230は、各入賞口への入賞の特典として付与される賞球の払い出しを制御する。払出制御基板230には、発射制御基板250が双方向通信可能に接続されている。発射制御基板250には発射ユニット260が接続されている。発射ユニット260は、発射ソレノイド261と、該発射ソレノイド261に連結される図示しない打球杆とを備える。そして、上球受け皿27から遊技機10内に取り込まれた遊技球は、発射制御基板250による発射ソレノイド261のオン/オフ制御に応じて打球杆が作動することにより、遊技盤50へ向けて打球される。
払出制御基板230には、賞球残数表示基板240が接続されている。賞球残数表示基板240には、未払出球数を表示する賞球残数表示装置241が装着されている。払出制御基板230は、賞球としての遊技球の払出が完了していない未払出球数を計数し、その未払出球数を示す未払出球数信号を、賞球残数表示装置241に出力することにより、賞球残数表示装置241に未払出球数が表示される。なお、賞球残数表示基板240を設ける位置は任意であり、遊技の妨げにならない位置であって、遊技者にとって視認性が良い位置に設ければよい。
【0061】
また、払出制御基板230には、払出部70が双方向通信可能に接続されている。払出CPU231は、上球受け皿27に連通している払出部70を制御し、上球受け皿27へ賞球を払い出させる。
より詳細には、メインCPU101は、各カウントスイッチ(カウントスイッチSW1、カウントスイッチSW2、カウントスイッチSW4、カウントスイッチSW5)による入賞検知に応じて所定の賞球を払い出すように払出制御基板230に対して指令を出力する。そして、払出制御基板230は、メインCPU101から受け付けた指令に基づいて払出部70を制御する。なお、払出部70は中枠(図示せず)の後方に配設されており、前枠20が閉じた状態では視認することができない。
各カウントスイッチに対して予め設定されている所定の賞球の数は、実施の態様に合わせて適宜設定してもよく、一例に限られない。
【0062】
続いて、
図5を用いて遊技機10の制御構成について説明する。
図5は、遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。遊技機10は、
図5に示す構成要素を含む上述の各基板とそれらに電気的に接続している機能部品との処理によって種々の機能を実現している。
【0063】
図5に示すように、主制御基板100は多数の構成要素を有し、これらの構成要素が互いに接続している構成となっているが、ここに図示している構成要素または構成要素間の接続は一例であって、必ずしもこれに限られるものではない。
【0064】
主制御基板100が備える主な構成要素としては、特図抽選制御部130、普図抽選制御部170、遊技状態制御部140、図柄表示制御部150、変動パターン処理部160、情報伝送部110等が挙げられる。
特図抽選制御部130は、特別図柄による図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
普図抽選制御部170は、普通図柄による図柄変動ゲームに関連して他の構成要素を制御する。
遊技状態制御部140は、大当り遊技の制御、確変状態の管理または変短状態の管理を行う。
図柄表示制御部150は、特別図柄または普通図柄を、図柄表示器90において変動表示または停止表示させる。
変動パターン処理部160は、特別図柄による図柄変動ゲームにて図柄表示制御部150が変動表示を開始してから停止表示を行うまでの時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターンを決定する。また、変動パターン処理部160によって決定された変動パターンは、情報伝送部110を介して演出制御部210に出力されて演出表示器80における表示演出(リーチ演出や保留変化演出等)を実行する際にも用いられる。
情報伝送部110は、主制御基板100に含まれる各構成要素にて生成された制御情報(コマンド)を他の構成要素(例えば、演出制御部210等)に伝送する機能を有している。情報伝送部110によって伝送されるコマンドには、上述の変動パターン情報の他にも、特図抽選や普図抽選の結果、確変状態または変短状態の有無、保留記憶に関する情報または大当り遊技の実行に関する情報等が含まれてもよい。なお、情報伝送部110の電気的構成としては、例えば情報の伝送先に応じてそれぞれ別個に設けられる構成を挙げることができる。
【0065】
なお、演出制御部210は、上述のサブ統括制御基板200が備える機能であり、遊技機10によって行われる遊技(図柄変動ゲームや大当り遊技等)に関連する演出を制御する。
ここまで挙げた各構成要素について、以下ではより詳細に説明する。
【0066】
なお、
図5に示す各構成要素は本実施形態の遊技機10を説明する上で必要な構成要素を挙げたものであり、ここに図示しない構成要素を遊技機10に追加してもよい。また、遊技機10はここに図示する構成要素の全部を必ずしも備えなくてもよく、本発明の効果を阻害しない範囲で一部の構成要素が省かれても良い。
また、
図5に示す各構成要素は、一の基板のみで機能する構成要素、複数の基板の間で種々のデータ授受を行うことにより機能する構成要素、基板と当該基板に非搭載の機能部品とが電気的に接続していることにより機能する構成要素等が混在している。これらの各構成要素を実現するためのハードウェア構成は幾通りも存在しうるものであって、必ずしも一つに限定されない。
【0067】
<特図抽選について>
主制御基板100は、特図保留制御部115と、特図抽選制御部130と、を備える。
また、特図抽選制御部130は特別図柄による図柄変動ゲームを司り、当否抽選部131と特図選択部132とを有している。
【0068】
特図保留制御部115は、第1始動口58の入賞を契機として乱数M1を取得して保留記憶させる。また、特図保留制御部115は、第2始動口59の入賞を契機として乱数M2を取得して保留記憶させる。
より具体的には、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW1によって第1始動口58の入賞が検知されると乱数M1を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。また、特図保留制御部115は、カウントスイッチSW2によって第2始動口59の入賞が検知されると乱数M2を取得し、専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。
乱数M1の保留上限数または乱数M2の保留上限数は予め定められており、本実施形態では乱数M1および乱数M2の各々について4個が保留上限数と設定されている。
【0069】
特図保留制御部115は、第1始動口58の入賞を契機として取得される乱数M1と、第2始動口59の入賞を契機として取得される乱数M2と、を区別して保留記憶させる。
特図保留制御部115は、保留記憶させた乱数M1または乱数M2を、保留記憶させた順番で当否抽選部131に処理させてもよいし、一方を他方に優先して当否抽選部131に処理させてもよい。
【0070】
特図保留制御部115は保留記憶されている乱数の数をそれぞれについて監視してもよい。この場合、特図保留制御部115は、監視している乱数の数を、図柄表示器90に表示させるように図柄表示制御部150(特別図柄表示制御部151)に指令を出力してもよい。また、特図保留制御部115は、保留記憶させている乱数の数に相当する数の保留表示を演出表示器80に表示させるように、情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出力してもよい。
【0071】
当否抽選部131は、第1始動口58または第2始動口59への遊技球の入球を契機として取得された乱数M1または乱数M2を用いて大当り遊技の当否抽選を行う。なお、当否抽選部131による当否抽選の当選確率は一例に限らず、適宜変更可能である。
ここで「入球を契機として当否抽選を行う」とは、入球を検知することを一つの条件として、その後に当否抽選が実行されうることをいう。すなわち、入球が検知されたとしても、必ずしも当該当否抽選が実行されなくてもよい。例えば、保留されている乱数M1の数が保留上限数を超えた場合にカウントスイッチSW1によって検知された入球、または保留されている乱数M2の数が保留上限数を超えた場合にカウントスイッチSW2によって検知された入球は、当否抽選の条件にはならない。
【0072】
特図選択部132は、当否抽選部131による当否抽選の結果に基づいて、特別図柄表示部91に表示させる特別図柄を選択する。
特図選択部132によって選択された特別図柄は、図柄変動ゲームの実行中に、後述する特別図柄表示制御部151によって特別図柄表示部91に表示される。
なお、特図選択部132による選択には、当否抽選に用いられた乱数と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって一意に決定される態様も含まれる。
【0073】
<普図抽選について>
遊技機10は、普図保留制御部116と、普図抽選制御部170と、普通電役制御部180と、を備える。
普図抽選制御部170は普通図柄による図柄変動ゲームを司り、開放抽選部171と普図選択部172とを有する。また、普通電役制御部180は、普通電動役物61を制御する機能である。
【0074】
普図保留制御部116は、カウントスイッチSW3によって作動ゲート63の入賞が検知されると、乱数M3を取得して専用の記憶領域に格納(保留記憶)させる。ここで乱数M3は、開放抽選部171による抽選に用いられる乱数である。保留可能な乱数M3の上限数である保留上限数は予め定められている。
普図保留制御部116は、普図抽選制御部170が普通図柄による図柄変動ゲームに係る制御を行っていないとき、保留されている乱数M3を所定の周期で読み出す。
【0075】
普図保留制御部116は保留されている乱数M3の数を監視している。また、普図保留制御部116は、監視している乱数M3の数を、図柄表示器90に表示させるように図柄表示制御部150に指令を出してもよいし、演出表示器80に表示させるように情報伝送部110を介して演出制御部210に指令を出してもよい。
【0076】
開放抽選部171は、普図保留制御部116によって取得された乱数M3を用いて、普通電動役物61を開放状態に遷移させるか否かの開放抽選を行う。なお、開放抽選部171による開放抽選の当選確率は、通常遊技状態であるときは変短状態であるときより低くなっており、変短状態であるときは通常遊技状態であるときより高くなっている。
開放抽選部171による開放抽選に当選したとき、普通電役制御部180はアクチュエータAC1を作動させて所定の開放条件で普通電動役物61を開放させる。
【0077】
普図選択部172は、開放抽選部171による開放抽選の当否結果に基づいて普通図柄を選択し、選択された普通図柄を普通図柄表示制御部153によって普通図柄表示部93に表示させる。普通図柄表示部93に対応している二つのLEDは一方が当選、一方が落選に対応しており、普通図柄表示制御部153は普図選択部172が選択した普通図柄に従っていずれか一方を発光させる。
なお、ここでいう選択とは、特図選択部132による選択と同様に、開放抽選部171による抽選に用いられた乱数M3と、予め用意されている特別図柄の種類が同数であって一意に決定される態様も含まれる。
【0078】
普通電役制御部180は、変短制御部143によって変短状態が付与されているとき、開放状態をとる時間が単位時間あたりで増加するように普通電動役物61を制御する。すなわち、普通電役制御部180の制御は、後述する変短制御部143による変短状態の付与に起因して変動する。
【0079】
<遊技状態制御について>
遊技状態制御部140は大当り遊技、確変状態または変短状態を制御し、確変制御部141、変短制御部143または大当り制御部145を有している。
【0080】
確変制御部141は、確変状態の付与条件が成立したときに通常遊技状態から確変状態へ、または確変状態の解除条件が成立したときに確変状態から通常遊技状態へと移行させることができる。ここで確変状態とは、特別図柄による図柄変動ゲームにおける当選確率が通常遊技状態より高確率になることをいう。
【0081】
確変状態の付与条件は、一般的には(a)一部または全部の当り遊技を条件とする方式と、(b)当り遊技中に所定の領域(入賞口を含む)への遊技球の入球を条件とする方式と、が挙げられる。また、(a)の方式において確変状態の付与条件となる一部の当り遊技を選択する方式としては、特別図柄変動ゲームにて抽選される特別図柄によって決定する方式を採用することが多い。
【0082】
確変状態の方式は、一般的にループ方式・ST方式・転落抽選方式の三種類に大別される。本実施形態における確変制御部141は、これらの三種類の確変状態の方式のいずれかで確変状態を制御する。
ループ方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行し、少なくとも次回大当りまで継続する確変をいう。従って、ループ方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることである。
ST方式の確変とは、「スペシャルタイム確変」または「回数切り確変」等とも称され、確変大当りに係る大当り遊技の後に確変状態に移行した後、所定回数の図柄変動ゲームのうちに大当り抽選に当選しない場合に、通常遊技状態に移行する確変をいう。従って、ST方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることに加えて、所定回数の図柄変動ゲームが行われることが含まれる。
転落抽選方式の確変とは、確変大当りに係る大当り遊技の後に、確変に移行した後に行われる図柄変動ゲームにおいて確変状態から通常遊技状態へ転落するか否かを抽選(転落抽選)し、転落抽選に当選した場合に通常遊技状態へ移行する確変をいう。従って、転落抽選方式の確変の場合、確変状態の解除条件は次回大当りが開始されることに加えて、転落抽選に当選することが含まれる。
なお、本実施形態における確変状態の付与条件は、(a)の方式を採用してもよく、(b)の方式を採用してもよい。
【0083】
変短制御部143は、変短状態の付与条件が成立したときに通常遊技状態から変短状態へと移行させ、変短状態の解除条件が成立したときに変短状態から通常遊技状態へと移行させる機能である。
なお、本実施形態における変短状態の付与条件は、確変状態の付与条件と共通であってもよいし異なってもよい。また、本実施形態における変短状態の解除条件は、確変状態の解除条件と共通であってもよいし異なってもよい。すなわち、確変状態が付与される期間と変短状態が付与される期間は、共通であってもよいし異なってもよい。
【0084】
変短状態とは、(i)普通電動役物61の開放抽選の当選確率が通常遊技状態より高確率になる、(ii)普通電動役物61の一回当たりの開放時間が通常遊技状態より延長される、(iii)普通電動役物61の開放抽選の当選に応じて普通電動役物が開放される回数が通常遊技状態より増加される、(iv)普通図柄表示部93における一回あたりの変動表示時間が短縮される、の少なくとも一つが行われることをいう。
本実施形態において変短状態が付与された場合には、上記の四つのいずれも実行されるものとする。なお、上記の(ii)および(iii)の少なくとも一つが行われることを、一般的には"電チューサポート"または"電サポ"等と称する。なお、上記の(iv)が行われることを一般的には時短状態と称する
【0085】
大当り制御部145は、大当り遊技を制御する機能である。
本実施形態における大当り遊技は、具体的には以下のように実行される。
まず、当否抽選部131によって大当り遊技に当選した場合、大当り遊技に対応する特別図柄が特図選択部132によって選択され、選択された特別図柄が特別図柄表示部91に停止表示された後(図柄変動ゲームが終了した後)に、大当り制御部145は大当り遊技を開始させる。
大当り遊技が開始されると、大当り制御部145は演出制御部210に大当り遊技の開始を示すオープニング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(オープニング時間)にわたってオープニング演出を実行する。なお、オープニング演出において遊技者に右打ちを推奨する等して、大入賞口55に向かう第2流路Yへの遊技球の打ち出しを促すことが好ましい。
オープニング演出の終了後には、大入賞口55が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定回数(ラウンド回数)を上限として複数回行われる。ラウンド遊技では、大入賞口55が所定回数(例えば1回)開放される。また、開放された大入賞口55に規定個数の遊技球が入球した後、または規定時間(ラウンド遊技時間)が経過後に、大入賞口55が閉鎖されてそのラウンド遊技が終了する。
ラウンド遊技の終了後には、大入賞口55が所定の時間(インターバル時間)だけ閉鎖され、次のラウンド遊技の開始と共に再び大入賞口55が開放される。
【0086】
大当り制御部145は、前段で述べたように制御するために、ラウンド回数・ラウンド遊技時間・インターバル時間等を制御情報として含む指令を特別電役制御部190に伝送する。
特別電役制御部190は、大当り制御部145から受けた指令に従って、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を開放させる。また、特別電役制御部190は、特別電動役物65を開放させている間、1回のラウンド遊技中に大入賞口55に入球した遊技球の個数をカウントスイッチSW4の検知に基づいて監視している。そして、特別電役制御部190は、入球した遊技球が上限数に達したとき、アクチュエータAC2を作動させて特別電動役物65を閉鎖させる。
【0087】
大当り制御部145は、演出制御部210にラウンド遊技中に係る演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従ってラウンド演出を実行する。
規定のラウンド回数が終了すると、大当り制御部145は情報伝送部110を介して演出制御部210に大当り遊技の終了を示すエンディング演出に関する指令を出す。演出制御部210は大当り制御部145の指令に従い所定時間(エンディング時間)にわたってエンディング演出を実行し、大当り制御部145は大当り遊技を終了させる。
【0088】
<図柄変動ゲームと演出図柄の変動表示について>
遊技機10は、図柄表示制御部150と、演出制御部210と、変動パターン処理部160と、を備える。
図柄表示制御部150は、特別図柄または普通図柄を、図柄表示器90において変動表示または停止表示させる。
演出制御部210は、主に図柄変動ゲームや大当り遊技に関する演出表示を演出表示器80に表示させる。特に、図柄変動ゲームの実行中に関していえば、演出制御部210は、特別図柄表示部91における図柄変動ゲームの変動時間に合わせて、演出表示器80の表示領域の一部に演出図柄の変動表示を行っている。換言すれば、演出制御部210は、特別図柄表示部91における一回の図柄変動ゲームと、演出表示器80における一回の演出表示とを、原則として対応付けて実行する。
【0089】
前段で述べた図柄変動ゲームと演出図柄の変動表示との対応性を担保するため、変動パターン処理部160は変動パターンを定める。
より詳細には、変動パターン処理部160は、図柄変動ゲームにて特別図柄が変動する時間を示す変動時間情報を少なくとも含む変動パターン情報を定め、変動パターン情報を含む指令を図柄表示制御部150(特別図柄表示制御部151)または演出制御部210に出力する。
特別図柄表示制御部151は変動パターンに応じて図柄変動ゲームを実行し、また演出制御部210は変動パターンに応じて演出図柄の変動表示を実行することによって、これらの対応性を担保している。
【0090】
また、上記の説明において、変動パターン処理部160によって定められる変動パターン情報は変動時間情報を少なくとも含む旨を説明した。この他にも、変動パターン情報には、リーチ演出をするかバラケ目にするかを示す情報やリーチ演出の種別を示す情報等が含まれてもよい。
【0091】
なお、上記の説明において、演出制御部210は、演出表示器80の演出表示を制御する旨を説明したが、その他に照明装置35による点灯(点滅)演出、またはスピーカ33による音声演出についても制御することができ、これらの演出表示、点灯演出、音声演出等を組み合わせて遊技者の興趣を喚起することができる。
また、演出制御部210は、プッシュボタン37にて受け付けた遊技者の操作に応じて各種演出を可変に切り替えることもできる。
なお、演出制御部210は、いわゆる装飾可動体(不図示)の移動制御を実行することができてもよい。
【0092】
<各種処理の処理手順について>
次に、上記で説明した各種処理の処理手順について、
図6から
図8を用いて説明する。なお、上述した
図1から
図3に図示されている各構成要素や
図4および
図5に図示されている各構成に触れて説明する場合があるので、これらの図面も適宜参照されたい。
【0093】
図6は、メインCPU101による入球時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図7は、メインCPU101による図柄変動開始時処理の処理手順を示すフローチャートである。
図8は、サブCPU201による図柄変動開始時に行われうる特定演出に係る処理の処理手順を示すフローチャートである。
なお、これらのフローチャートで図示される処理手順は、本発明の処理手順やその実行タイミングを限定するものではない。このため、本発明に関する処理を実施するときには、その複数の処理手順は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数の処理の実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
また、
図6から
図8で図示される各処理は、本発明の説明に必要な主たる処理であって、遊技機10によって実行される全ての処理を示すものではない。
【0094】
まず、メインCPU101による入球時処理について説明する。ここで入球時処理とは、第1始動口58または第2始動口59に対して遊技球が入球した後に実行される一連の処理である。
第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されるまで(ステップS2のNO)、ステップS4以降の処理は行われないまま待機となる。
また、第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されたとしても(ステップS2のYES)、特図保留制御部115による保留数が上限に達していれば(ステップS4のYES)、ステップS6以降の処理は行われないまま待機となる。
【0095】
第1始動口58または第2始動口59への入球が検知されて(ステップS2のYES)、かつ特図保留制御部115による保留数が上限に達していないとき(ステップS4のNO)、特図保留制御部115による保留数が加算される(ステップS6)。また、特図保留制御部115によって乱数M1または乱数M2が取得されて、専用の記憶領域に保留記憶される(ステップS8)。
【0096】
ステップS2からステップS8までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力されて(ステップS10)、その入球時処理は終了となる。
【0097】
以下、図柄変動開始時処理の処理手順について説明する。ここで図柄変動開始時処理とは、図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
本実施形態においてサブCPU201による演出図柄の選択処理に用いられる図柄選択情報は、図柄変動ゲームの結果を報知するタイミングで、演出表示器80に表示させる図柄揃いを演出制御部210に指示する指示情報である。
本実施形態に係る遊技機10では、下記の図柄変動開始時処理が実行されることで、大当り時にいずれの演出図柄が揃うのかをホールコンピュータHCに識別させることが可能な情報である指示情報の少なくとも一部を含む読取情報が、被読取部700に表出される。被読取部700に表出された読取情報は、外部装置EDの読取部Rによって読み取られてホールコンピュータHCに伝送される。
【0098】
図7は、メインCPU101による図柄変動開始時処理(メイン)の処理手順を示すフローチャートである。
まず、特図抽選制御部130は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS102)。ここで変動開始条件とは、(i)ステップS102の判定時において図柄変動ゲームが実行されていないこと、(ii)ステップS102の判定時において大当り遊技が実行されていないこと、(iii)ステップS102の判定時において保留記憶が1個以上存在すること等が挙げられる。
ステップS102の判定が否定されるとき(ステップS102のNO)、ステップS104以降の処理は実行されずに、その開始処理は終了となる。
【0099】
ステップS102の判定が肯定されるとき(ステップS102のYES)、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留されている乱数M1または乱数M2を読み出す(ステップS104)。
ステップS104において、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留記憶されている順番で乱数M1または乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0100】
ステップS104で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される。具体的には、当否抽選部131が当否抽選を実行して大当りであるか否かを判定する(ステップS106)。大当りに当選している場合(ステップS106のYES)、特図選択部132は、特別図柄表示部91に表示させる大当りに対応する特別図柄(以下、当選図柄と称することがある)を、抽選により決定する(ステップS108)。なお、ステップS108における抽選で用いる乱数は、図示しない乱数回路から取得してもよいし、予め特図保留制御部115に保留記憶させておき当該特図保留制御部115から取得してもよい。
続いて、特図選択部132は、サブCPU201に対して大当りを報知する演出図柄の組合せを抽選により決定し、決定した演出図柄の組合せを指示する指示情報を生成する(ステップS112)。なお、ステップS112における抽選で用いる乱数は、図示しない乱数回路から取得してもよいし、予め特図保留制御部115に保留記憶させておき当該特図保留制御部115から取得してもよい。
【0101】
他方、大当りに非当選である場合(ステップS106のNO)、特図選択部132は、特別図柄表示部91に表示させる特別図柄として、ハズレに対応する特別図柄(以下、ハズレ図柄と称することがある)を選択する(ステップS110)。なお、本実施形態においてハズレ図柄は、入球に係る始動口(第1始動口58または第2始動口59)ごとに一とおりずつしか存在しないため、ハズレ図柄はステップS110の処理によって一意に決定される。
ステップS110またはステップS112の処理の後、変動パターン処理部160は、当否抽選部131による判定処理の結果を用いて変動パターンを決定する(ステップS114)。
【0102】
ここで、特別図柄表示制御部151は、ステップS108で決定された当選図柄またはステップS110で決定されたハズレ図柄を表示するように、特別図柄表示部91の点灯処理を行う(ステップS116)。
【0103】
そして、ステップS102からステップS114までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力される(ステップS118)。
ステップS118において出力されるコマンドには、例えば、当否抽選部131による判定処理の結果を示す当否抽選結果情報、指示情報、および変動パターン情報、またはその他の演出に用いられる情報等が含まれてもよい。
サブCPU201は、遊技の実行に伴って演出図柄の組合せを選択する選択処理を実行するところ、当該選択処理に用いられる図柄選択情報である指示情報は、上述の第一伝送経路を通じて、メインCPU101からサブCPU201に伝送される。
さらに、特図選択部132は、ステップS112で生成した指示情報のデータ形式を変換することによって生成した読取情報を被読取部700に伝送し、伝送した読取情報を被読取部700に表出させ(ステップS120)、当該フローチャートの処理は終了となる。
【0104】
ここで、読取情報には図柄選択情報である指示情報の少なくとも一部が含まれる。すなわち、読取情報は、演出表示器80に停止表示される図柄揃いを識別可能なデータ構成になっている。そして、被読取部700に表出された読取情報は、外部装置EDの読取部Rによって読み取られてホールコンピュータHCに伝送され、ホールコンピュータHCによって逆変換されて指示情報が生成される。
なお、ステップS106の判定結果が否定の場合には、図柄選択情報(指示情報)が生成されていないので、当該ステップS120の処理は実行しなくてもよい。
【0105】
すなわち、メインCPU101(遊技制御手段)は、当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、演出表示器80(演出表示領域)に停止表示させる図柄揃いを、サブCPU201(演出制御手段)に指示する指示情報を生成する(ステップS112)。また、メインCPU101は、生成した指示情報をサブCPU201に伝送し、かつ、生成した指示情報を読取情報として被読取部700から読取部Rに対して出力させる(ステップS120)。
【0106】
以下、サブCPU201によって図柄変動開始時に行われる処理について説明する。
図8は、サブCPU201によって図柄変動開始時に行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。
まず、演出制御部210は、ステップS118において出力されたコマンドが入力されると(ステップS202)、当該コマンドに含まれる当否抽選結果情報に基づいて、当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS204)。当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りであると判定した場合(ステップS204のYES)、演出制御部210は指示情報に従って、図柄揃いを構成する演出図柄を決定する(ステップS206)。
【0107】
他方、当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りでないと判定した場合(ステップS204のNO)、演出制御部210は、ハズレを報知する演出図柄の組合わせを抽選によって決定する(ステップS208)。なお、ステップS208の処理では、演出制御部210は、変動パターン情報を参照して、ハズレを報知する演出図柄の組合せを決定してもよい。
ステップS206またはステップS208の処理で演出図柄を決定した後、演出制御部210は、ステップS202で入力されたコマンドに含まれる変動パターン情報に基づいて、実行する演出の内容を選択する(ステップS210)。例えば、変動パターンと演出の内容とが対応付けられたテーブルがROM103に格納されている場合、演出制御部210は、ステップS202で入力されたコマンドに示されている変動パターン情報に対応する演出内容を、当該テーブルを参照して選択する。
【0108】
そして、演出制御部210は、ステップS206で選択した演出図柄の組合せと、ステップS210で選択した演出の内容とに基づいて、演出図柄の変動表示およびそれに付随する演出を実行する(ステップS212)。すなわち、上述のステップS202からステップS210までの一連の処理結果を制御情報として含む演出指示が、演出表示器80等の演出に係る部材に出力され、当該フローチャートの処理は終了となる。
【0109】
すなわち、サブCPU201(演出制御手段)は、メインCPU101(遊技制御手段)から取得した指示情報を図柄選択情報として用いて選択処理を実行する(ステップS206)。また、サブCPU201は、選択処理によって選択した図柄揃いを演出表示器80(演出表示領域)に停止表示させる(ステップS212)。
【0110】
本実施形態によれば、当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りの場合にはメインCPU101によって指示情報が生成され、生成された指示情報が第一伝送経路を経由してサブCPU201に伝送されると共に、第五信号線405を介して被読取部700に伝送されて表出される。そして、被読取部700に表出された読取情報は、外部装置EDの読取部Rによって読み取られてホールコンピュータHCに伝送され、ホールコンピュータHCによって逆変換されて指示情報が生成される。上述のように構成することで、サブCPU201による指示情報に基づく演出図柄の決定が可能になるとともに、当該決定される演出図柄はホールコンピュータHCを用いてホール関係者が把握可能となる。
すなわち、本実施形態に係る遊技機10が設置されたホールでは、ホール関係者は、各遊技機10を実際に目視で監視せずとも、例えばホールコンピュータHCによる指示情報の出力表示を参照するだけで、大当り時の図柄揃いを構成する演出図柄を容易に把握することができる。従って、ラッキーナンバー制の運用において、従来と比較してホール関係者の労力が軽減される。
さらに、ラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報をホールコンピュータHCに保持させるとともに、指示情報に示される演出図柄がラッキーナンバーに係る演出図柄であるか否かを判定する機能をホールコンピュータHCに備えさせることで、ホールコンピュータHCは、大当りが生じた場合にそれがラッキーナンバーによる大当りであるか否かを判定し、その判定結果をホール関係者に提示することが可能になる。
【0111】
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態に係る遊技機10について説明する。説明の重複を避けるため、第1実施形態に係る遊技機10との相違点を説明し、共通の事項についての説明を省略する。第1実施形態に係る遊技機10との主な相違点の一つは、図柄選択情報として用いる情報である。
【0112】
具体的には、上述の第1実施形態における図柄選択情報は、大当りを報知する演出図柄の組合せをサブCPU201に対して指示する指示情報であり、読取情報は指示情報のデータ形式が変換されることによって生成される情報である。
他方、第2実施形態における図柄選択情報は、特別図柄表示部91に表示させる当選図柄を示す情報(以下、当選図柄を示す情報と略称することがある)であり、読取情報は当選図柄を示す情報である特別図柄表示部91に表示される図柄(LEDの発光パターン)である。すなわち、本実施形態では、特別図柄表示部91が読取情報を表出するため、被読取部700を別途設ける必要がない。これにより、被読取部700を別途設ける構成と比較して、遊技機10の構成を簡略化することができる。
なお、本実施形態において読取部Rは、特別図柄表示部91に表示される図柄(LEDの発光パターン)を遊技者が視認することを妨げないように設置される。
【0113】
第2実施形態では、当選図柄を示す情報に基づいてサブCPU201によって演出図柄が決定されるところ、特別図柄と演出図柄とが対応付けられて成る演出図柄特定テーブル(後に
図9を参照して詳述)が、サブ統括制御基板200のROM203に格納されている。ここで、ホールコンピュータHCも同様の演出図柄特定テーブルを備えており、ホールコンピュータHCは、演出図柄特定テーブルを参照して、サブCPU201により決定される演出図柄を特定する。
【0114】
第2実施形態では、当選図柄を示す情報に基づいて演出図柄が決定されるところ、特別図柄と演出図柄とが対応付けられて成る演出図柄特定テーブル(
図9参照)が、サブ統括制御基板200のROM203に格納されている。なお、以下の説明では、数字を模して図柄化された演出図柄であって、遊技者が数字n(nは整数)を想起しうる演出図柄nが一列に揃うことを、「n揃い」と称することがある。
図9に示す例では、特別図柄Aに対して演出図柄「3揃い」および「7揃い」が対応付けられている。特別図柄Bに対して演出図柄「1揃い」および「5揃い」が対応付けられている。特別図柄Cに対して演出図柄「2揃い」「4揃い」「6揃い」および「8揃い」が対応付けられている。特別図柄Dに対して演出図柄「1揃い」「2揃い」「4揃い」「5揃い」「6揃い」および「8揃い」が対応付けられている。
ここで、特定の特別図柄(本実施形態では特別図柄A)に対して、ラッキーナンバーに係る演出図柄(本実施形態では「3揃い」および「7揃い」)が対応付けられている。
【0115】
本実施形態では、当選図柄を示す情報は、特別図柄AからDのうち特図選択部132によって選択された特定の特別図柄を示す情報である。サブCPU201は、演出図柄特定テーブルを参照して、当選図柄を示す情報に係る特別図柄に対応する演出図柄(または演出図柄群)を特定し、その中から実際に演出に用いる演出図柄を抽選によって選択する。
【0116】
以下、第2実施形態におけるメインCPU101による図柄変動開始時処理、およびサブCPU201による図柄変動開始時処理について詳細に説明する。
図10は、第2実施形態に係る遊技機10のメインCPU101による図柄変動開始時処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示すステップS302からステップS306は、第1実施形態で説明した
図7に示すステップS102からステップS106と同様の処理を行うステップである。また、
図10に示すステップS312からステップS316は、第1実施形態で説明した
図7に示すステップS114からステップS118と同様の処理を行うステップである。従って、それらのステップについては説明を適宜省略することがある。
【0117】
大当りに当選している場合(ステップS306のYES)、特図選択部132は、特別図柄表示部91に表示させる当選図柄を抽選により決定し、当該当選図柄を示す情報を生成する(ステップS308)。
ここで、
図9の演出図柄特定テーブルに示すように、特別図柄と大当りを報知する演出図柄とは対応付けられているので、ステップS308の抽選は、当選図柄を決定する抽選であると同時に、ラッキーナンバーによる大当りとするか否かを決定する抽選でもある。
なお、ステップS308における抽選で用いる乱数は、図示しない乱数回路から取得してもよいし、予め特図保留制御部115に保留記憶させておき当該特図保留制御部115から取得してもよい。
他方、大当りに非当選である場合(ステップS306のNO)、特図選択部132は、特別図柄表示部91に表示させる特別図柄としてハズレ図柄を選択する(ステップS310)。
【0118】
そして、ステップS308またはステップS310の処理の後、変動パターン処理部160は、当否抽選部131による判定処理の結果を用いて変動パターンを決定する(ステップS312)。
ここで、特別図柄表示制御部151は、ステップS308またはステップS310で決定された当選図柄またはハズレ図柄を表示するように、特別図柄表示部91の点灯処理を行う(ステップS314)。ここで、本実施形態において読取情報は、当選図柄を示す情報である特別図柄表示部91に表示される図柄(LEDの発光パターン)であるので、このステップS314の処理が、読取情報を表出する処理に該当する(第1実施形態におけるステップS120に相当する)。
【0119】
そして、上述のステップS302からステップS312までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力され(ステップS316)、当該フローチャートの処理は終了となる。
ステップS316において出力されるコマンドには、例えば、当否抽選部131による判定処理の結果を示す当否抽選結果情報、当選図柄を示す情報、および変動パターン情報、またはこれらに関連して実行される演出に用いられる情報等が含まれてもよい。
サブCPU201は、遊技の実行に伴って演出図柄の組合せを選択する選択処理を実行するところ、当該選択処理に用いられる図柄選択情報(当選図柄を示す情報)は、第一伝送経路を通じて、遊技制御手段(メインCPU101)から演出制御手段(サブCPU201)に伝送される。
【0120】
なお、特別図柄表示部91を被読取部700として用いることなく、被読取部700を別途設ける構成を採る場合、特図選択部132は、ステップS308で生成した当選図柄を示す情報のデータ形式を変換することによって読取情報を生成し、生成した読取情報を被読取部700に伝送し、被読取部700に読取情報を表出させるステップを設ける。
【0121】
上述したように、本実施形態では被読取部700として、メインCPU101(遊技制御手段)による当否判定の結果を、特別図柄の表示出力によって報知する特別図柄表示部91(特別図柄表示装置)を用いることができる。
また、メインCPU101(遊技制御手段)は、当否判定に当選した場合に、大当りを報知する特別図柄である複数とおりの当選図柄のうちいずれかを選択する(ステップS308)。また、メインCPU101は、選択した前記当選図柄を示す情報をサブCPU201(演出制御手段)に伝送し(ステップS316)、かつ、選択した当選図柄を読取情報として被読取部700から読取部Rに対して表示出力させる(ステップS314)。
【0122】
以下、第2実施形態におけるサブCPU201による図柄変動開始時処理について詳細に説明する。
図11は、第2実施形態に係る遊技機10のサブCPU201による図柄変動開始時処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示すステップS402、ステップS404、ステップS410、ステップS412は、第1実施形態で説明した
図8に示すステップS202、ステップS204、ステップS210、ステップS212と同様の処理を行うステップである。従って、それらのステップについては説明を適宜省略することがある。
【0123】
演出制御部210は、ステップS316において出力されたコマンドが入力されると(ステップS402)、当否抽選結果情報に基づいて当否抽選の結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS404)。当否抽選の結果が大当りである場合(ステップS404のYES)には、ステップS402で入力されたコマンドに含まれる当選図柄を示す情報に基づいて、大当りを報知する演出図柄を決定する(ステップS406)。
他方、当否抽選の結果が大当りでないと判定した場合(ステップS404のNO)、演出制御部210は、ハズレを報知する演出図柄の組合わせを抽選によって決定する(ステップS408)。
【0124】
続いて、演出制御部210は、ステップS402で入力されたコマンドに含まれる変動パターン情報に基づいて、実行する演出の内容を決定する(ステップS410)。例えば、変動パターンと演出の内容とが対応付けられたテーブルがROM103または不図示の記憶部に格納されている場合、演出制御部210は、ステップS402で入力されたコマンドに示されている変動パターンに対応する演出内容を、当該テーブルを参照して選択する。
そして、演出制御部210は、ステップS406で選択した演出図柄の組合せと、ステップS410で選択した演出の内容とに基づいて、大当りまたはハズレを報知する演出を実行する(ステップS412)。すなわち、上述のステップS402からステップS412までの一連の処理結果を制御情報として含む演出指示が、演出表示器80等の演出に係る部材に出力され、当該フローチャートの処理は終了となる。
【0125】
すなわち、サブCPU201(演出制御手段)は、メインCPU101(遊技制御手段)から取得した当選図柄を示す情報を図柄選択情報として用いて選択処理を実行する(ステップS406)。
また、サブCPU201は、選択処理によって選択した図柄揃いを演出表示器80(演出表示領域)に停止表示させる(ステップS412)。
ここで、
図9に示す演出図柄特定テーブルに示すように、一の当選図柄を示す情報を図柄選択情報として用いて選択処理が実行される場合には選択され、かつ一の当選図柄とは異なる他の当選図柄を示す情報を図柄選択情報として用いて選択処理が実行される場合には選択されない図柄揃いが、選択処理(ステップS406)によって選択されうる演出図柄の組合せの中に含まれている。
【0126】
本実施形態によれば、メインCPU101によって当選図柄を示す情報が生成され、生成された当選図柄を示す情報が第一伝送経路を経由してサブCPU201に伝送されると共に、読取情報として特別図柄表示部91に表示された図柄が読取部Rによって読み取られてホールコンピュータHCに伝送される。
ここで、サブCPU201が設けられたサブ統括制御基板200には上述の演出図柄特定テーブル(
図9参照)が格納されたROM203が設けられている。また、ラッキーナンバー制が導入されたホールでは、特定の特別図柄(本実施形態では特別図柄A)に対応する演出図柄(本実施形態では「3」および「7」)がラッキーナンバーに係る演出図柄であるとホール関係者によって認識される。
上述のように構成することで、サブCPU201による当選図柄を示す情報に基づく演出図柄の決定が可能になるとともに、当該決定される演出図柄はホールコンピュータHCを用いてホール関係者が把握可能となる。
すなわち、本実施形態に係る遊技機10が設置されたホールでは、ホール関係者は、各遊技機10を実際に目視で監視することなく、例えばホールコンピュータHCの出力表示を参照するだけで、大当り時に揃う演出図柄を容易に把握することができる。従って、ラッキーナンバー制の運用において、従来と比較してホール関係者の労力が軽減される。
【0127】
なお、ホールコンピュータHCが当選図柄を示す情報を出力表示する構成を採ってもよいし、当該当選図柄に対応する演出図柄を出力表示する構成を採ってもよい。前者の構成を採る場合には、ホール関係者が演出図柄特定テーブルの内容を把握しておくことで、サブCPU201により決定される演出図柄の特定が可能となる。後者の構成を採る場合には、ホールコンピュータHCに演出図柄特定テーブルを備えさせた上で、当該演出図柄特定テーブルを用いた演出図柄の特定処理をホールコンピュータHCに実行させることで、大当りを報知する図柄揃いを構成する演出図柄がホールコンピュータHCによって特定される。
【0128】
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態に係る遊技機10について説明する。説明の重複を避けるため、第1実施形態に係る遊技機10との相違点を説明し、共通の事項についての説明を省略する。第1実施形態に係る遊技機10との主な相違点の一つは、図柄選択情報として用いる情報である。
具体的には、上述の第1実施形態における図柄選択情報は、大当りを報知する演出図柄の組合せをサブCPU201に対して指示する指示情報であり、読取情報は指示情報のデータ形式を変換することによって生成される情報である。
他方、第3実施形態における図柄選択情報は、大当りを報知する演出図柄をラッキーナンバーに係る演出図柄とするか否かの抽選(以下、LN抽選と称する)の結果を示すラッキーナンバー情報(以下、LN情報と称する)であり、読取情報はLN情報のデータ形式を、被読取部700により表出可能な形式に変換することによって生成される情報である。
第3実施形態では、サブ統括制御基板200のRAM202またはROM203に、ラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報が格納されている。なお、ラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報がRAM202に格納される構成を採る場合、当該ラッキーナンバーに係る演出図柄を、例えばホール関係者が任意に設定できる構成が実現する。
【0129】
すなわち、第3実施形態において、メインCPU101は、図柄選択情報であるLN情報を含むコマンドをサブ統括制御基板200に出力すると共に、LN情報のデータ形式を変換することによって生成される読取情報を被読取部700に表出させる。
【0130】
以下、第3実施形態におけるメインCPU101による図柄変動開始時処理、およびサブCPU201による図柄変動開始時処理について詳細に説明する。
図12は、第3実施形態に係る遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、第3実施形態に係る遊技機10では、ラッキーナンバーに係る演出図柄を設定するためのLN設定部38が演出制御部210(サブCPU201)に対して電気的に接続されて設けられている。遊技機10が設置されたホールの関係者は、LN設定部38を用いて、所望の演出図柄をラッキーナンバーに係る演出図柄として設定しうる。LN設定部38を用いて設定されたラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報は、RAM202に格納される。
なお、ラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報を予めROM203に格納しておく構成を採ってもよい。
【0131】
図13は、第3実施形態に係る遊技機10のメインCPU101による図柄変動開始時処理(メイン)の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図13に示すステップS502からステップS510は、第1実施形態で説明した
図7に示すステップS102からステップS110と同様の処理を行うステップであり、
図13に示すステップS516からステップS522は
図7に示すステップS114からステップS120と同様の処理を行うステップである。従って、それらのステップについては説明を適宜省略することがある。
【0132】
ステップS508の処理で、特別図柄表示部91に表示させる当選図柄が特図選択部132による抽選で決定されると、当否抽選部131は、大当りを報知する演出図柄をラッキーナンバーに係る演出図柄とするか否かを決定するLN抽選を実行し(ステップS512、LN抽選の結果を示すLN情報を生成する(ステップS514)。なお、ステップS512におけるLN抽選で用いる乱数は、図示しない乱数回路から取得してもよいし、予め特図保留制御部115に保留記憶させておき当該特図保留制御部115から取得してもよい。
他方、大当りに非当選である場合(ステップS506のNO)、特図選択部132は、特別図柄表示部91に表示させる特別図柄として、ハズレ図柄を選択する(ステップS510)。
ステップS514またはステップS510の処理の後、変動パターン処理部160は、当否抽選部131による判定処理の結果を用いて変動パターンを決定する(ステップS516)。
【0133】
ここで、特別図柄表示制御部151は、ステップS508またはステップS510で決定された当選図柄またはハズレ図柄を表示するように、特別図柄表示部91の点灯処理を行う(ステップS518)。
【0134】
そして、ステップS502からステップS516までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力される(ステップS520)。
【0135】
さらに、特図選択部132は、ステップS514で生成した指示情報のデータ形式を変換して読取情報を生成し、生成した読取情報を被読取部700に伝送し、被読取部700に読取情報を表出させ(ステップS522)、当該フローチャートの処理は終了となる。
【0136】
ここで、読取情報には図柄選択情報であるLN情報の少なくとも一部が含まれる。すなわち、読取情報は、演出表示器80に停止表示される図柄揃いが予め定められた一または複数の図柄揃いが属する所定の演出図柄群に含まれるか否かを識別可能なデータ構成になっている。また、被読取部700に表出された読取情報は、外部装置EDの読取部Rによって読み取られてホールコンピュータHCに伝送され、ホールコンピュータHCによって逆変換されて指示情報が生成される。
なお、ステップS506の判定結果が否定の場合には、図柄選択情報(LN情報)が生成されていないので、当該ステップS522の処理は実行しなくてもよい。
【0137】
すなわち、メインCPU101(遊技制御手段)は、当否判定(ステップS506)に当選した場合の少なくとも一部において、選択処理(後述するステップS606)において選択される図柄揃いを所定の演出図柄群の中から選択するか否かをLN抽選(ステップS512)によって決定する。
また、メインCPU101は、LN抽選の結果(LN情報)をサブCPU201(演出制御手段)に伝送し、かつLN情報のデータ形式を変換することによって生成した読取情報を被読取部700に表出することで読取部Rに出力する(ステップS522)。
【0138】
以下、サブCPU201によって図柄変動開始時に行われる処理について説明する。
図14は、第3実施形態に係る遊技機10のサブCPU201による図柄変動開始時処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、同図に示すステップS602、ステップS604、ステップS608からステップS612は、第1実施形態で説明した
図8に示すステップS202、ステップS204、ステップS208からステップS212と同様の処理を行うステップである。従って、それらのステップについては説明を適宜省略することがある。
【0139】
当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りである場合(ステップS604のYES)、演出制御部210は、コマンドに含まれるLN情報に基づいて、大当りを報知する演出図柄を決定する(ステップS606)。具体的には、LN情報がLN抽選に当選したことを示す情報である場合、演出制御部210は、RAM202またはROM203に格納されているラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報を参照して、当該ラッキーナンバーに係る演出図柄を選択する。他方、LN情報がLN抽選に非当選であることを示す情報である場合、演出制御部210は、RAM202またはROM203に格納されているラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報を参照して、当該ラッキーナンバーに係る演出図柄以外の演出図柄を選択する。
【0140】
すなわち、サブCPU201(演出制御手段)は、メインCPU101(遊技制御手段)から取得したLN抽選の結果(LN情報)を図柄選択情報として用いて選択処理(ステップS606)を実行し、当該LN情報が所定の演出図柄群の中から選択することを肯定する場合には所定の演出図柄群の中から図柄揃いを選択し、当該LN情報が所定の演出図柄群の中から選択することを否定する場合には所定の演出図柄群に含まれない図柄揃いを選択する。
また、サブCPU201は、選択処理(ステップS606)で選択した図柄揃いを演出表示器80(演出表示領域)に停止表示させる。
【0141】
本実施形態によれば、メインCPU101によってLN情報が生成され、生成されたLN情報が第一伝送経路を経由してサブCPU201に伝送されると共に、LN情報のデータ形式を変換することによって生成された読取情報が被読取部700に表出される。この読取情報は読取部Rによって読み取られ、ホールコンピュータHCに伝送される。
ここで、サブCPU201が設けられたサブ統括制御基板200は、ラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報が格納されたRAM202またはROM203を備えている。そして、サブCPU201は、LN情報がLN抽選の当選を示す情報である場合には、ラッキーナンバーに係る演出図柄を選択する。他方、サブCPU201は、LN情報がLN抽選の非当選を示す情報である場合には、ラッキーナンバーに係る演出図柄以外の演出図柄を選択する。
上述のように構成することで、サブCPU201によるLN情報に基づく演出図柄の決定が可能になるとともに、LN情報が入力されたホールコンピュータHCを用いてLN抽選における当選の有無をホール関係者が把握可能となる。
すなわち、本実施形態に係る遊技機10が設置されたホールでは、ホール関係者は、各遊技機10を実際に目視で監視せずとも、例えばホールコンピュータHCの出力表示を参照するだけで、ラッキーナンバーによる大当りであるか否かを容易に把握することができる。従って、ラッキーナンバー制の運用において、従来と比較してホール関係者の労力が軽減される。
【0142】
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態に係る遊技機10について説明する。
第4実施形態における特定抽選は、第3実施形態と同様にLN抽選が該当する。説明の重複を避けるため、第3実施形態に係る遊技機10との相違点を説明し、共通の事項についての説明を省略する。第3実施形態に係る遊技機10との主な相違点の一つは、特定抽選を実行する主体および読取情報を生成する主体である。
【0143】
上述の第3実施形態では、当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りである場合にはメインCPU101がLN抽選を実行する構成を採るが、第4実施形態ではサブCPU201がLN抽選を実行し、LN抽選の結果を示すLN情報を生成する。
なお、LN抽選で用いる乱数は、サブ統括制御基板200に設けられた図示しない乱数回路から演出制御部210が取得する。
【0144】
また、上述の第3実施形態では、読取情報はメインCPU101によって生成されて被読取部700に伝送される構成を採るが、第4実施形態では読取情報はサブCPU201によって生成されて被読取部700に伝送される。
【0145】
図15は、第4実施形態に係る遊技機10の電気的構成の要部を示すブロック図である。
図16は、第4実施形態に係る遊技機10の主要な制御構成を示す機能ブロック図である。
図15および
図16に示すように、遊技機10には、サブCPU201から被読取部700へ読取信号を伝送するための第七信号線407が設けられており、サブCPU201によって生成された読取情報が被読取部700に伝送される。
【0146】
ここで、第4実施形態においてLN設定部38は、第3実施形態におけるそれとは機能が異なり、遊技機10が設置されたホールの関係者は、LN設定部38を用いて、(i)ラッキーナンバーに係る演出図柄の選択、(ii)LN抽選の当選確率(ラッキーナンバーの大当りの発生確率)の設定と、(iii)演出図柄の選択処理においていずれの図柄揃いが選択されるかの選択確率の設定と、を行いうる。
【0147】
LN設定部38を用いて設定されたラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報、LN抽選の当選確率を示す情報、および図柄揃いの選択確率を示す情報は、RAM202に格納され、演出制御部210によるLN抽選の処理または演出図柄の選択処理に用いられる。
なお、ラッキーナンバーに係る演出図柄、LN抽選の当選確率、または図柄揃いの選択確率が予め定められており、それらを示す情報がROM203に格納されている構成を採ってもよい。
【0148】
上述のように構成することで、ラッキーナンバー用の抽選確率をホール関係者が設定変更可能となり、ラッキースタートの確率をホール関係者が自在に変えることが可能となる。また、メインCPU101による当否判定に当選した場合に行われる演出図柄の選択処理において、いずれの図柄揃いが選択されるかの確率(選択確率)をホール関係者が任意に設定変更可能となり、ラッキースタートの確率をホール関係者が自在に変えることが可能となる。また、ラッキーナンバーに係る演出図柄の組合せを、ホール関係者が任意に設定可能になる。
【0149】
以下、図柄変動開始時処理の処理手順について説明する。ここで図柄変動開始時処理とは、図柄変動ゲームを開始させる際に行われる一連の処理である。
図17は、メインCPU101による図柄変動開始時処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図17に示すステップS702からステップS710、ステップS712からステップS716は、第3実施形態で説明した
図13に示すステップS502からステップS510、ステップS516からステップS520と同様の処理を行うステップである。従って、それらのステップについては説明を適宜省略することがある。
【0150】
まず、特図抽選制御部130は、変動開始条件が成立しているか否かを判定する(ステップS702)。ステップS702の判定が否定されるとき(ステップS702のNO)、ステップS704以降の処理は実行されずに、その開始処理は終了となる。
ステップS702の判定が肯定されるとき(ステップS702のYES)、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留されている乱数M1または乱数M2を読み出す(ステップS704)。ステップS704において、当否抽選部131は、特図保留制御部115に保留記憶されている順番で乱数M1または乱数M2を読み出してもよいし、一方を他方に優先して読み出してもよい。
【0151】
ステップS704で乱数が読み出されることを契機として各判定処理が実行される。具体的には、当否抽選部131が当否抽選を実行して大当りであるか否かを判定する(ステップS706)。大当りに当選している場合(ステップS706のYES)、特図選択部132は、特別図柄表示部91に表示させる当選図柄を抽選により決定する(ステップS708)。
他方、大当りに非当選である場合(ステップS706のNO)、特図選択部132は、特別図柄表示部91に表示させる特別図柄として、ハズレ図柄を選択する(ステップS710)。
ステップS708またはステップS710の処理の後、変動パターン処理部160は、当否抽選部131による判定処理の結果を用いて変動パターンを決定する(ステップS712)。
ここで、特別図柄表示制御部151は、ステップS708で決定された当選図柄またはステップS710で決定されたハズレ図柄を表示するように、特別図柄表示部91の点灯処理を行う(ステップS714)。
【0152】
そして、上述のステップS702からステップS712までの一連の処理結果を制御情報として含むコマンドが、情報伝送部110から演出制御部210に対して出力され(ステップS716)、当該フローチャートの処理は終了となる。
【0153】
以下、サブCPU201によって図柄変動開始時に行われる処理について説明する。
図18は、サブCPU201によって図柄変動開始時に行われる処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図18に示すステップS802、ステップS804、ステップS810からステップS816は、第3実施形態で説明した
図14に示すステップS602、ステップS604、ステップS606からステップS612と同様の処理を行うステップである。従って、それらのステップについては説明を適宜省略することがある。
【0154】
演出制御部210は、当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りであると判定した場合(ステップS804のYES)、図柄揃いを構成する演出図柄をラッキーナンバーに係る演出図柄とするか否かを決定するLN抽選を実行し(ステップS806)、LN抽選の結果を示すLN情報を生成する(ステップS808)。なお、ステップS806におけるLN抽選で用いる乱数は、サブ統括制御基板200に設けられた図示しない乱数回路から取得してもよい。
【0155】
また、演出制御部210は、ステップS808で生成したLN情報のデータ形式を変換することによって読取情報を生成し、生成した読取情報を被読取部700に伝送し、被読取部700に読取情報を表出させる(ステップS818)。
なお、ステップS804の判定結果が否定の場合には(ステップS804のNO)、図柄選択情報であるLN情報が生成されていないので、当該ステップS818の処理は実行しなくてもよい。
【0156】
すなわち、サブCPU201(演出制御手段)は、当否判定に当選した場合(ステップS706のYES)の少なくとも一部において、選択処理(ステップS810)において選択される図柄揃いを所定の演出図柄群の中から選択するか否かをLN抽選によって決定する(ステップS806)。
また、サブCPU201は、LN抽選の結果(LN情報)を図柄選択情報として用いて選択処理を実行し、当該LN情報が所定の演出図柄群の中から選択することを肯定する場合には所定の演出図柄群の中から図柄揃いを選択し、当該LN情報が所定の演出図柄群の中から選択することを否定する場合には所定の演出図柄群に含まれない図柄揃いを選択する。
サブCPU201は、選択処理(ステップS810)で選択した図柄揃いを演出表示器80(演出表示領域)に停止表示させ、かつLN情報のデータ形式を変換することによって生成した読取情報を被読取部700に表出させる(ステップS818)。被読取部700に表出された読取情報は外部装置EDの読取部Rによって読み取られ、ホールコンピュータHCに出力される。
【0157】
本実施形態によれば、サブCPU201によってLN情報が生成され、生成されたLN情報のデータ形式を変換することによって生成された読取情報が被読取部700に表出される。被読取部700に表出された読取情報は読取部Rによって読み取られてホールコンピュータHCに伝送される。
ここで、サブCPU201が設けられたサブ統括制御基板200は、ラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報が格納されたRAM202またはROM203を備えている。そして、サブCPU201は、LN情報がLN抽選の当選を示す情報である場合には、ラッキーナンバーに係る演出図柄を選択する。他方、サブCPU201は、LN情報がLN抽選の非当選を示す情報である場合には、ラッキーナンバーに係る演出図柄以外の演出図柄を選択する。
上述のように構成することで、サブCPU201によるLN抽選とその結果に基づく演出図柄の決定が可能になるとともに、当該LN抽選の結果を示すLN情報が入力されたホールコンピュータHCを用いて当該LN抽選における当選の有無をホール関係者が把握可能となる。
すなわち、本実施形態に係る遊技機10が設置されたホールでは、ホール関係者は、各遊技機10を実際に目視で監視せずとも、例えばホールコンピュータHCの出力表示を参照するだけで、ラッキーナンバーによる大当りであるか否かを容易に把握することができる。従って、ラッキーナンバー制の運用において、従来と比較してホール関係者の労力が軽減される。
【0158】
[第5実施形態]
以下、本発明の第5実施形態に係る遊技機10について説明する。説明の重複を避けるため、第4実施形態に係る遊技機10との相違点を説明し、共通の事項についての説明を省略する。第4実施形態に係る遊技機10との主な相違点の一つは、読取情報の生成に用いられる情報である。
具体的には、上述の第4実施形態においては、図柄選択情報であるLN情報のデータ形式を変換することによって読取情報を生成し、生成した読取情報をホールコンピュータHCに伝送する構成を採ることで、ホール関係者がホールコンピュータHCを用いて大当り時に揃う演出図柄を監視することを可能としている。
他方、第5実施形態においては、「図柄識別情報」のデータ形式を変換することによって読取情報を生成し、生成した読取情報をホールコンピュータHCに伝送する構成を採る。ここで「図柄識別情報」とは、メインCPU101による当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、サブCPU201が選択した図柄揃いに係る演出図柄を、外部装置(ホールコンピュータHC)に識別させることが可能な情報である。
本実施形態では、図柄識別情報は、サブCPU201による演出図柄の選択処理(後述するステップS906)の結果として生成される(後述するステップS908)。なお、図柄識別情報は、当該選択処理(ステップS906)に先だって生成される情報であってもよい。
【0159】
以下、第5実施形態におけるサブCPU201による図柄変動開始時処理について詳細に説明する。
図19は、第5実施形態に係る遊技機10のサブCPU201による図柄変動開始時処理の処理手順を示すフローチャートである。なお、
図19に示すステップS902、ステップS904、ステップS912からステップS916は、第4実施形態で説明した
図18に示すステップS802、ステップS804、ステップS814からステップS818と同様の処理を行うステップである。従って、それらのステップについては説明を適宜省略することがある。
【0160】
演出制御部210は、ステップS716において出力されたコマンドが入力されると(ステップS902)、当該コマンドに含まれる当否抽選結果情報に基づいて、当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りであるか否かを判定する(ステップS904)。当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りであると判定した場合(ステップS904のYES)、演出制御部210は、当該コマンドに含まれる当選図柄を示す情報に基づいて、図柄揃いを構成する演出図柄を決定する(ステップS906)。そして、演出制御部210は、ステップS906の処理で決定した演出図柄を識別可能な情報である図柄識別情報を生成する(ステップS908)。
【0161】
他方、当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りでないと判定した場合(ステップS904のNO)、演出制御部210は、ハズレを報知する演出図柄の組合わせを抽選によって決定する(ステップS910)。なお、ステップS910の処理では、演出制御部210は、変動パターン情報を参照して、ハズレを報知する演出図柄の組合せを決定してもよい。
【0162】
そして、ステップS908の処理で図柄識別情報を生成した後、またはステップS910の処理でハズレを報知する演出図柄を決定した後、演出制御部210は、ステップS902で入力されたコマンドに含まれる変動パターン情報に基づいて、実行する演出の内容を選択する(ステップS912)。例えば、変動パターンと演出の内容とが対応付けられたテーブルがROM103に格納されている場合、演出制御部210は、ステップS902で入力されたコマンドに示されている変動パターン情報に対応する演出内容を、当該テーブルを参照して選択する。
【0163】
続いて、演出制御部210は、ステップS906またはステップS910で選択した演出図柄の組合せと、ステップS912で選択した演出の内容とに基づいて、演出図柄の変動表示およびそれに付随する演出を実行する(ステップS914)。すなわち、上述の一連の処理結果を制御情報として含む演出指示が、演出表示器80等の演出に係る部材に出力される。
そして、演出制御部210は、図柄揃いを構成する演出図柄を示す情報(ステップS908で生成した図柄識別情報)のデータ形式を変換することによって読取情報を生成し、生成した読取情報を被読取部700に伝送し、被読取部700に読取情報を表出させる(ステップS916)。
なお、ステップS904の判定結果が否定の場合には(ステップS904のNO)、図柄選択情報であるLN情報が生成されていないので、当該ステップS916の処理は実行しなくてもよい。
【0164】
すなわち、遊技機10は、演出表示器80(演出表示領域)に停止表示させる演出図柄の組合せを選択する選択処理を実行するサブCPUC201(演出制御手段)を備える。
ここで、メインCPU101(遊技制御手段)による当否判定に当選した場合(ステップS706のYES)の少なくとも一部において、サブCPU201(演出制御手段)によって選択された図柄揃いを識別可能なデータ構成、または当該図柄揃いが予め定められた一または複数の図柄揃いが属する所定の演出図柄群に含まれるか否かを識別可能なデータ構成になっている読取情報が被読取部700によって表出される(ステップS916)。
換言すれば、サブCPU201(演出制御手段)は、メインCPU101(遊技制御手段)による当否判定に当選した場合(ステップS706のYES)の少なくとも一部において、選択処理(ステップS906)において選択した図柄揃いを識別可能な読取情報を生成し、生成した読取情報を被読取部700に表出させる。これにより、被読取部700に表出された読取情報が読取部Rによって読み取られ、ホールコンピュータHCに伝送される。
【0165】
本実施形態によれば、当否抽選部131による当否抽選の結果が大当りの場合にはサブCPU201によって図柄識別情報が生成され、生成された図柄識別情報のデータ形式を変換することによって生成された読取情報が被読取部700に表出される。被読取部700に表出された読取情報は読取部Rによって読み取られてホールコンピュータHCに伝送される。上述のように構成することで、遊技機10が設置されたホールでは、ホール関係者が、サブCPU201により決定された演出図柄を、ホールコンピュータHCを用いて監視可能となる。
すなわち、本実施形態に係る遊技機10が設置されたホールでは、ホール関係者は、各遊技機10を実際に目視で監視せずとも、例えばホールコンピュータHCによる指示情報の出力表示を参照するだけで、大当り時の図柄揃いを構成する演出図柄を容易に把握することができる。従って、ラッキーナンバー制の運用において、従来と比較してホール関係者の労力が軽減される。
【0166】
さらに、ラッキーナンバーに係る演出図柄を示す情報をホールコンピュータHCに保持させるとともに、図柄識別情報に示される演出図柄がラッキーナンバーに係る演出図柄であるか否かを判定する機能をホールコンピュータHCに備えさせることで、ホールコンピュータHCは、大当りが生じた場合にそれがラッキーナンバーによる大当りであるか否かを判定し、その判定結果をホール関係者に提示することが可能になる。
【0167】
<本発明の変形例について>
ここまで
図1から
図19を用いて説明される実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的が達成される限りにおける種々の変形、改良等の態様も含む。
【0168】
読取情報を被読取部700に表出させるタイミングは、上述の第1実施形態から第5実施形態の図柄変動開始時処理のフローチャート(
図7、
図10、
図13、
図18、および
図19)に示す例に限られない。すなわち、読取情報は、当該読取情報が生成された時点以降、どのようなタイミングで被読取部700に表出させてもよい。
【0169】
また、ラッキーナンバー制の運用形態は種々存在するところ、上述の第1実施形態から第5実施形態は、ラッキーナンバー制のどのような運用形態に対しても適用することができる。
例えばラッキーナンバーに係る大当りの後にアンラッキーナンバーに係る大当りに当選した場合に、賞球を遊技に用いることの制限(賞球の払出しの制限)を復活させる運用形態に対しても、上述の第1実施形態から第5実施形態を適用することができる。このようなラッキーナンバー制の運用形態においては、大当りに当選した場合であって、ホールコンピュータHCに入力された読取情報が、ラッキーナンバーに係る大当りであることを示す情報でない場合には、アンラッキーナンバーに係る大当りに当選したとみなすことが考えられる。
また、例えば一営業日のうち最初のラッキーナンバーに係る大当りに対してのみ賞球の使用制限を解除する運用形態に対しては、当該最初のラッキーナンバーに係る大当りが生じた場合には読取情報の生成を行わない構成としてもよい。
【0170】
上述の第2実施形態において、特別図柄と演出図柄とが対応付けられて成る演出図柄特定テーブル(
図9参照)は、一の特別図柄に対して二以上の演出図柄が対応付けられた構成を採っているが、演出図柄特定テーブルの構成はこの例に限られない。
すなわち、演出図柄特定テーブルは、一の特別図柄に対して一の演出図柄が対応付けられた構成としてもよいし、二以上の特別図柄に対して一の演出図柄が対応付けられた構成としてもよいし、二以上の特別図柄に対して二以上の演出図柄が対応付けられた構成としてもよい。
【0171】
上述の各実施形態および各変形例においては、外部装置としてホールコンピュータHCを想定しているが、外部装置はホールコンピュータHCに限られない。例えば、いわゆるパーソナルシステムが適用された島設備を、外部装置として想定してもよい。
本変形例における島設備は、ホールに設置された遊技機10との間で遊技球を循環させる遊技球循環装置と、遊技機10と遊技球循環装置との間に設けられた遊技球の流路と、この流路を通じて遊技球循環装置へ流下する遊技球(賞球の総数)を計数する計数部と、遊技球の貸し出しに係る処理を実行する遊技球貸出部と、遊技者が獲得した賞球を遊技球として払い出す払出部と、賞球の総数を管理するとともに払出部による払い出しを規制または許可する賞球数管理部と、を有し、賞球数管理部は、遊技機10から入力された読取情報に基づいて、払出部による払出を規制するか許可するかを決定する。
ここで、読取情報は、図柄選択情報の少なくとも一部を含むことによって選択処理において選択される図柄揃いを識別可能なデータ構成、または当該図柄揃いが予め定められた一または複数の図柄揃いが属する所定の演出図柄群に含まれるか否かを識別可能なデータ構成になっている。
なお、遊技球貸出部に対しては、遊技機10の遊技球等貸出装置端子板(不図示)を介してメインCPU101が接続される。また、遊技球数管理部に対しては、遊技機10の外部端子板300を介してメインCPU101およびサブCPU201が接続される。
上述のように構成することで、賞球の数は数値として記録媒体等に記録されて管理され、当該賞球を遊技球として払出すことが禁止されるところ、ラッキーナンバーによる大当りが生じると、賞球を遊技球として払出すことが許可される。従って、本変形例を適用した島設備によれば、ラッキーナンバー制の運用において、目視で遊技機10を監視していた従来と比較してホール関係者の労力が軽減される。
【0172】
上記の実施形態の説明においては各図に図示する機能構成を前提として説明したが、本発明の各構成要素は、その機能を実現するように形成されていればよい。従って、本発明の遊技機の各構成要素は、個々に独立した存在である必要はなく、複数の構成要素が一個の部材として形成されていること、一つの構成要素が複数の部材で形成されていること、ある構成要素が他の構成要素の一部であること、ある構成要素の一部と他の構成要素の一部とが重複していること、等を許容する。
【0173】
上記の実施形態の説明において複数のフローチャートを用いた。これらのフローチャートは、順番に記載された複数のステップを含むものであるが、その記載の順番は複数のステップを実行する順番やタイミングを、図示した一つの態様に限定するものではない。このため、本発明を実施するときには、その複数のステップの順番は内容的に支障のない範囲で変更することができ、また複数のステップの実行タイミングの一部または全部が互いに重複していてもよい。
例えば、遊技機10が読取情報を表出する(ステップS120、ステップS522、ステップS818、ステップS916)タイミングは、図柄変動の開始時から大当り遊技の終了時までの間のいずれの時点としてもよく、好ましくは(i)図柄変動の開始時、(ii)図柄変動の停止時、または(iii)大当り遊技の開始時などを挙げることができる。ここで、大当り遊技の開始時は、大当り遊技のオープニング演出の開始時やアタッカーの開放時のいずれであってもよい。
【0174】
本実施形態は以下の技術思想を包含する。
(1)大当りの当否判定を行う遊技を実行する遊技制御手段と、前記遊技の実行に伴って演出図柄の組合せを停止表示し、前記遊技制御手段による前記当否判定に当選した場合、大当りの当選に対応する複数とおりの特定の演出図柄の組合せの中からいずれかを停止表示する演出表示領域と、外部装置に含まれる読取部が読み取り可能であって、かつ前記演出表示領域に停止表示される前記特定の演出図柄の組合せに応じて異なる作動態様で読取情報を、表出する被読取部と、を備える遊技機。
(2)前記演出表示領域に停止表示させる演出図柄の組合せを選択する選択処理を実行する演出制御手段を、備え、前記被読取部は、前記遊技制御手段による前記当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、前記演出制御手段が前記選択処理に用いた図柄選択情報の少なくとも一部を含むことによって前記演出表示領域に停止表示される前記特定の演出図柄の組合せを識別可能なデータ構成、または当該特定の演出図柄の組合せが予め定められた一または複数の前記特定の演出図柄の組合せである所定の演出図柄群に含まれるか否かを識別可能なデータ構成になっている前記読取情報を表出する(1)に記載の遊技機。
(3)前記演出表示領域に停止表示させる演出図柄の組合せを選択する選択処理を実行する演出制御手段を、備え、前記遊技制御手段による前記当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、前記演出制御手段によって選択された前記特定の演出図柄の組合せを識別可能なデータ構成、または当該特定の演出図柄の組合せが予め定められた一または複数の前記特定の演出図柄の組合せである所定の演出図柄群に含まれるか否かを識別可能なデータ構成になっている前記読取情報を表出する(1)に記載の遊技機。
(4)前記読取部を取り付けるための取付部が設けられており、前記取付部と前記被読取部との距離が、前記読取部による前記読取情報の読取許容範囲に収まっている(1)から(3)のいずれか一つに記載の遊技機。
(5)前記被読取部は、光学処理によって前記読取情報を読み取り可能な前記読取部に対して、前記読取情報を発光出力する(1)から(4)のいずれか一つに記載の遊技機。
(a)前記遊技制御手段は、前記当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、前記演出表示領域に停止表示させる前記特定の演出図柄の組合せを、前記演出制御手段に指示する指示情報を生成し、生成した前記指示情報を前記演出制御手段に伝送し、かつ、生成した前記指示情報を前記読取情報として前記被読取部から前記読取部に対して出力させ、前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から取得した前記指示情報を前記図柄選択情報として用いて前記選択処理を実行し、前記選択処理によって選択した前記特定の演出図柄の組合せを前記演出表示領域に停止表示させる(1)に記載の遊技機。
(b)前記被読取部は、前記遊技制御手段による前記当否判定の結果を、特別図柄の表示出力によって報知する特別図柄表示装置であり、前記遊技制御手段は、前記当否判定に当選した場合に、大当りを報知する特別図柄である複数とおりの当選図柄のうちいずれかを選択し、選択した前記当選図柄を示す情報を前記演出制御手段に伝送し、かつ選択した前記当選図柄を前記読取情報として前記被読取部から前記読取部に対して表示出力させ、前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から取得した前記当選図柄を示す情報を前記図柄選択情報として用いて前記選択処理を実行し、前記選択処理によって選択した前記特定の演出図柄の組合せを前記演出表示領域に停止表示させ、一の前記当選図柄を示す情報を前記図柄選択情報として用いて前記選択処理が実行される場合には選択され、かつ前記一の当選図柄とは異なる他の前記当選図柄を示す情報を前記図柄選択情報として用いて前記選択処理が実行される場合には選択されない前記特定の演出図柄の組合せが、前記選択処理によって選択されうる演出図柄の組合せの中に含まれていることを特徴とする(1)に記載の遊技機。
(c)前記遊技制御手段は、前記当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、前記選択処理において選択される前記特定の演出図柄の組合せを前記所定の演出図柄群の中から選択するか否かを特定抽選によって決定する特定抽選を行い、前記特定抽選の結果を前記演出制御手段に伝送し、かつ前記特定抽選の結果を前記読取情報として前記被読取部から前記読取部に対して出力させ、前記演出制御手段は、前記遊技制御手段から取得した前記特定抽選の結果を前記図柄選択情報として用いて前記選択処理を実行し、当該特定抽選の結果が前記所定の演出図柄群の中から選択することを肯定する場合には前記所定の演出図柄群の中から前記特定の演出図柄の組合せを選択し、当該特定抽選の結果が前記所定の演出図柄群の中から選択することを否定する場合には前記所定の演出図柄群に含まれない前記特定の演出図柄の組合せを選択し、前記選択処理で選択した前記特定の演出図柄の組合せを前記演出表示領域に停止表示させる(1)に記載の遊技機。
(d)前記演出制御手段は、前記当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、前記選択処理において選択される前記特定の演出図柄の組合せを前記所定の演出図柄群の中から選択するか否かを特定抽選によって決定する特定抽選を行い、前記特定抽選の結果を前記図柄選択情報として用いて前記選択処理を実行し、当該特定抽選の結果が前記所定の演出図柄群の中から選択することを肯定する場合には前記所定の演出図柄群の中から前記特定の演出図柄の組合せを選択し、当該特定抽選の結果が前記所定の演出図柄群の中から選択することを否定する場合には前記所定の演出図柄群に含まれない前記特定の演出図柄の組合せを選択し、前記選択処理で選択した前記特定の演出図柄の組合せを前記演出表示領域に停止表示させ、かつ前記特定抽選の結果を前記読取情報として前記被読取部から前記読取部に対して出力させる(1)に記載の遊技機。
(e)前記演出制御手段は、前記遊技制御手段による前記当否判定に当選した場合の少なくとも一部において、前記選択処理において選択した前記特定の演出図柄の組合せを識別可能な前記読取情報を生成し、生成した前記読取情報を前記被読取部から前記読取部に対して出力させる(2)に記載の遊技機。