特許第6346229号(P6346229)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346229
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】飲料用容器の栓体並びに飲料用容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 47/12 20060101AFI20180611BHJP
   A47J 41/00 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   B65D47/12 100
   A47J41/00 304A
【請求項の数】3
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-176182(P2016-176182)
(22)【出願日】2016年9月9日
(65)【公開番号】特開2018-39546(P2018-39546A)
(43)【公開日】2018年3月15日
【審査請求日】2016年12月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】510189134
【氏名又は名称】田辺 猛夫
(74)【代理人】
【識別番号】100091373
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100097065
【弁理士】
【氏名又は名称】吉井 雅栄
(72)【発明者】
【氏名】田辺 猛夫
【審査官】 宮崎 基樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2014−162544(JP,A)
【文献】 特開2013−240472(JP,A)
【文献】 特開2013−244039(JP,A)
【文献】 特開2009−066056(JP,A)
【文献】 特開2015−120545(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 35/44−35/54
B65D 39/00−55/16
A47J 41/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器本体の上部開口部に取り付けられる液通路を備えた飲み口部材と、この飲み口部材に取り付けられて前記液通路を密閉する蓋部材とから成り、前記飲み口部材は、前記容器本体の上部開口部に着脱自在に取り付けられる本体部と、この本体部の上部に設けられる筒状の口当て部と、この本体部と口当て部とを上下方向に貫通するようにして設けられる前記液通路と、この液通路の内周面に設けられる飲み口側雌螺子とを備えており、前記蓋部材は、前記飲み口部材の液通路に挿入されてこの液通路を密閉する栓部と、この栓部の外周面に設けられ前記飲み口側雌螺子に着脱自在に螺着する蓋側雄螺子と、この栓部の上部外周に周設され前記口当て部の全周を覆う口当て用蓋部とを備えており、前記飲み口側雌螺子に前記蓋側雄螺子を螺着することで、前記飲み口部材に前記蓋部材が取り付けられて前記液通路が前記栓部で密閉されると共に、前記口当て部の全周が上方から前記口当て用蓋部で覆われるように構成されている飲料用容器の栓体において、前記蓋部材に蓋分解手段を備えて、この蓋分解手段を介して蓋部材の中心部に設けられる前記栓部からリング状の前記口当て用蓋部が分解可能に構成され、前記蓋分解手段は、前記栓部の上部外周縁に係合鍔部が設けられ、この係合鍔部に下方から係脱自在に係止する係止部が前記口当て用蓋部の上部に設けられていて、前記栓部に対し前記口当て用蓋部を下動させると、前記係合鍔部から前記係止部が係脱して栓部から口当て用蓋部を分解可能に構成され、前記蓋部材が前記飲み口部材に取り付けられた際に、前記口当て用蓋部の下端を支持可能な支持部が飲み口部材に設けられていて、この支持部に口当て用蓋部の下端が支持されることにより、口当て用蓋部の栓部に対する下動が阻止されて栓部と口当て用蓋部とが分解不能となるように構成されていることを特徴とする飲料用容器の栓体。
【請求項2】
前記飲み口部材は、前記本体部の下部に設けられ前記容器本体の上部開口部内に挿入される取付用挿入部と、この取付用挿入部の外周面に設けられ前記上部開口部の内周面に設けられている容器側雌螺子に着脱自在に螺着する飲み口側雄螺子と、前記本体部の外周に周設され前記上部開口部の全周を覆う容器開口用蓋部とを備えており、前記容器側雌螺子に前記飲み口側雄螺子を螺着することで、容器本体の上部開口部に前記飲み口部材が取り付けられて前記容器本体の上部開口部の全周が上方から前記容器開口用蓋部で覆われるように構成されており、前記飲み口部材に飲み口分解手段を備えて、この飲み口分解手段を介して前記本体部からリング状の前記容器開口用蓋部が分解可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の飲料用容器の栓体。
【請求項3】
容器本体の上部開口部に、前記請求項1,2のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体を着脱自在に取り付けて成ることを特徴とする飲料用容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水筒などの飲料用容器の栓体並びに飲料用容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の飲料用容器の栓体としては、容器本体の上部開口部に取り付けられる液通路を備えた飲み口部材と、この飲み口部材に取り付けられて前記液通路を密閉する蓋部材とから成り、前記飲み口部材は、前記容器本体の上部開口部に着脱自在に取り付けられる本体部の上部に、筒状の口当て部が立設状態に設けられ、この本体部と口当て部とを上下方向に貫通するようにして前記液通路が設けられ、この液通路の内周面に飲み口側雌螺子が設けられており、前記蓋部材は、前記飲み口部材の液通路に挿入されてこの液通路を密閉する栓部の外周面に、前記飲み口側雌螺子に着脱自在に螺着する蓋側雄螺子が設けられ、この栓部の上部外周に、前記口当て部を覆う口当て用蓋部が設けられており、前記飲み口側雌螺子と前記蓋側雄螺子とを螺合することで、前記飲み口部材に前記蓋部材が取り付けられて前記液通路が前記栓部で密閉されると共に、前記口当て部が前記口当て用蓋部で覆われるように構成されているものがある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第5503039号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記従来の飲料用容器の栓体の改良に係るもので、蓋部材を栓部と口当て用蓋部とに分解でき、口当て用蓋部に覆われる栓部の上部も口当て用蓋部の内部もきれいに洗浄できて衛生さを保つことが容易に可能となる実用性に優れた飲料用容器の栓体並びにこの飲料用容器の栓体を備えた飲料用容器を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0006】
容器本体1の上部開口部2に取り付けられる液通路4を備えた飲み口部材3と、この飲み口部材3に取り付けられて前記液通路4を密閉する蓋部材5とから成り、前記飲み口部材3は、前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取り付けられる本体部6と、この本体部6の上部に設けられる筒状の口当て部7と、この本体部6と口当て部7とを上下方向に貫通するようにして設けられる前記液通路4と、この液通路4の内周面に設けられる飲み口側雌螺子8とを備えており、前記蓋部材5は、前記飲み口部材3の液通路4に挿入されてこの液通路4を密閉する栓部9と、この栓部9の外周面に設けられ前記飲み口側雌螺子8に着脱自在に螺着する蓋側雄螺子10と、この栓部9の上部外周に周設され前記口当て部7の全周を覆う口当て用蓋部11とを備えており、前記飲み口側雌螺子8に前記蓋側雄螺子10を螺着することで、前記飲み口部材3に前記蓋部材5が取り付けられて前記液通路4が前記栓部9で密閉されると共に、前記口当て部7の全周が上方から前記口当て用蓋部11で覆われるように構成されている飲料用容器の栓体Sにおいて、前記蓋部材5に蓋分解手段12を備えて、この蓋分解手段12を介して蓋部材5の中心部に設けられる前記栓部9からリング状の前記口当て用蓋部11が分解可能に構成され、前記蓋分解手段12は、前記栓部9の上部外周縁に係合鍔部14が設けられ、この係合鍔部14に下方から係脱自在に係止する係止部15が前記口当て用蓋部11の上部に設けられていて、前記栓部9に対し前記口当て用蓋部11を下動させると、前記係合鍔部14から前記係止部15が係脱して栓部9から口当て用蓋部11を分解可能に構成され、前記蓋部材5が前記飲み口部材3に取り付けられた際に、前記口当て用蓋部11の下端を支持可能な支持部13が飲み口部材3に設けられていて、この支持部13に口当て用蓋部11の下端が支持されることにより、口当て用蓋部11の栓部9に対する下動が阻止されて栓部9と口当て用蓋部11とが分解不能となるように構成されていることを特徴とする飲料用容器の栓体に係るものである。
【0007】
また、前記飲み口部材3は、前記本体部6の下部に設けられ前記容器本体1の上部開口部2内に挿入される取付用挿入部16と、この取付用挿入部16の外周面に設けられ前記上部開口部2の内周面に設けられている容器側雌螺子18に着脱自在に螺着する飲み口側雄螺子17と、前記本体部6の外周に周設され前記上部開口部2の全周を覆う容器開口用蓋部19とを備えており、前記容器側雌螺子18に前記飲み口側雄螺子17を螺着することで、容器本体1の上部開口部2に前記飲み口部材3が取り付けられて前記容器本体1の上部開口部2の全周が上方から前記容器開口用蓋部19で覆われるように構成されており、前記飲み口部材3に飲み口分解手段20を備えて、この飲み口分解手段20を介して前記本体部6からリング状の前記容器開口用蓋部19が分解可能に構成されていることを特徴とする請求項1記載の飲料用容器の栓体に係るものである。
【0008】
また、容器本体1の上部開口部2に、前記請求項1,2のいずれか1項に記載の飲料用容器の栓体Sを着脱自在に取り付けて成ることを特徴とする飲料用容器に係るものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明は上述のように構成したから、栓体の蓋部材を、蓋分解手段を介して栓部とリング状の口当て用蓋部とに分解でき、これにより口当て用蓋部に覆われる栓部の上部外周も、口当て用蓋部の内部もきれいに洗浄できて衛生さを保つことが容易に可能となる極めて実用性に優れた飲料用容器の栓体並びに飲料用容器となる。
【0010】
また、本発明においては、栓部に対し口当て用蓋部を下動させるだけの簡易操作で、栓部から口当て用蓋部を分解可能となる蓋分解手段を簡易構成にして容易に設計実現可能となり、しかも、蓋部材を飲み口部材に取り付けた状態では栓部と口当て用蓋部とが勝手に分解されてしまう不都合がないなど、一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【0011】
また、請求項記載の発明においては、容器本体に対して容易に着脱可能な飲み口部材を簡易構成にして容易に設計実現可能となり、しかも、飲み口部材の容器開口用蓋部を飲み口分解手段を介して本体部から分解でき、これにより容器開口用蓋部に覆われる本体部や取付用挿入部の外周も、容器開口用蓋部の内部もきれいに洗浄できて衛生さを保つことが容易に可能となるなど、一層実用性に優れた構成の飲料用容器の栓体となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本実施例を示す、容器本体を一部省略した斜視図である。
図2】本実施例を示す、飲み口部材から蓋部材を取り外した状態の斜視図である。
図3】本実施例を示す、飲み口部材を容器本体の上部開口部から取り外した状態の斜視図である。
図4】本実施例の飲み口部材を示す、本体部と容器開口用蓋部とに分解した状態の斜視図である。
図5】本実施例の蓋部材を示す、栓部と口当て用蓋部とに分解した状態の斜視図である。
図6】本実施例の要部を示す、部分拡大側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好適と考える本発明の実施形態を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0014】
容器本体1の上部開口部2に飲み口部材3を取り付け、飲み口部材3の液通路4に蓋部材5の栓部9を挿入し、飲み口部材3に対し蓋部材5を回転させて液通路4の内周面に設けられている飲み口側雌螺子8に栓部9の外周面に設けられている蓋側雄螺子10を螺着すると、前記飲み口部材3に前記蓋部材5が取り付けられて前記液通路4が前記栓部9で密閉されると共に、飲み口部材3の本体部6の上部に立設状態に設けられている筒状の口当て部7の全周が、蓋部材5の栓部9の上部外周に周設されている口当て用蓋部11で覆われる。
【0015】
容器本体1内の飲料を飲みたい時は、飲み口部材3に対し蓋部材5を上記と逆方向に回転させて飲み口側雌螺子8から蓋側雄螺子10を螺脱すると、飲み口部材3から蓋部材5を取り外しでき、これによって露出する飲み口部材3の前記口当て部7に口を当てて容器本体1を傾けることにより、飲み口部材3の本体部6と口当て部7とを上下方向に貫通するようにして設けられている液通路4を介して注出される飲料を飲むことができる。
【0016】
また、本発明の蓋部材5は、蓋分解手段12を介して蓋部材5の中心部に設けられる前記栓部9から、この栓部9に周設されるリング状の前記口当て用蓋部11を分解可能である。
【0017】
そのため、分解により口当て用蓋部11に覆われる栓部9の上部外周も、口当て用蓋部11の内部も露出させることができるので、これらの部位をきれいに洗浄して蓋部材5の衛生さを保つことが容易に可能となる。
【実施例】
【0018】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0019】
本実施例は、図1に示すような携帯型の水筒に適用したもので、容器本体1の上部開口部2に栓体Sが着脱自在に設けられている。
【0020】
本実施例の栓体Sは、図2に示すように、容器本体1の上部開口部2に取り付けられる液通路4を備えた飲み口部材3と、この飲み口部材3に取り付けられて前記液通路4を密閉する蓋部材5とから成る。
【0021】
本実施例の飲み口部材3について説明すると、前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取り付けられる本体部6の上部に、筒状の口当て部7が立設状態に設けられ、この本体部6の下部に、前記上部開口部2内に挿入される取付用挿入部16が垂設状態に設けられている。
【0022】
具体的には、図3図4に示すように、円筒状に一体成形された合成樹脂製の本体部6の上側円筒部が前記口当て部7として構成され、本体部6の下側円筒部が前記取付用挿入部16として構成され、この本体部6,口当て部7,取付用挿入部16を上下方向に貫通する中心貫通孔部が前記液通路4として構成されていると共に、この液通路4の内周面に飲み口側雌螺子8が設けられ(一体成形され)ている。
【0023】
また、この取付用挿入部16の下端の外周面に、前記容器本体1の上部開口部2付近の内周面に密着する例えばシリコンゴム製の漏止パッキン23が周設状態に付設され、この漏止パッキン23より上方側の取付用挿入部16の外周面には、前記上部開口部2の内周面に設けられる容器側雌螺子18に着脱自在に螺着する飲み口側雄螺子17が設けられ(一体成形され)、さらに、この取付用挿入部16の外周に、前記上部開口部2の全周を覆う容器開口用蓋部19が周設されており、前記容器側雌螺子18に前記飲み口側雄螺子17を螺着することで容器本体1の上部開口部2に前記飲み口部材3が取り付けられて、前記容器本体1の上部開口部2の全周が上方から前記容器開口用蓋部19で覆われるように構成されている(図2図6参照)。
【0024】
また、容器開口用蓋部19は、合成樹脂製であって、前記上部開口部2の上縁部全周を上方から覆う平面視リング状の天蓋部分21と、この天蓋部分21の外端部全周から連設状態に垂設されて前記上部開口部2の外周面を外方から覆う側蓋部分22とから成る略リング形状体に一体成形されている(図4図6参照)。
【0025】
本実施例では、前記飲み口部材3に飲み口分解手段20を備えて、この飲み口分解手段20を介して前記本体部6から、この本体部6に周設されるリング状の前記容器開口用蓋部19が分解可能に構成されている。
【0026】
具体的には、飲み口部材3は、円筒状本体部6(口当て部7と取付用挿入部16を含む)に別部材のリング状容器開口用蓋部19が取り付けられて成り、前記飲み口分解手段20は、本体部6に対し容器開口用蓋部19を下動させることによって本体部6から容器開口用蓋部19を分解可能に構成されている。
【0027】
更に詳しくは、前記本体部6の中ほどの外周面の全周に取付用鍔部29が水平外方へ突出状態に一体成形され、この取付用鍔部29の下面に下方から係脱自在に係止する係止面部30が前記容器開口用蓋部19の上部(前記天蓋部分21)全周に設けられ(一体成形され)ていて、係止面部30を取付用鍔部29に係止すると、本体部6に容器開口用蓋部19が取り付けられると共に、本体部6に対して容器開口用蓋部19が上動不能となり、この取付状態から本体部6に対し容器用開口用蓋部19を下動させると、前記取付用鍔部29から前記係止面部30が係脱して本体部6から容器開口用蓋部19を分解可能となるように前記飲み口分解手段20が構成されている(図4図6参照)。
【0028】
また、係止面部30は、前記天蓋部分21の内側部分を下方へ窪ませた凹み部30によって構成され、前記取付用鍔部29は、前記係止面部30に丁度凹凸係合する径寸法に設定構成されていて、この凹み部30と取付用鍔部29との凹凸係合により本体部6に対し容器開口用蓋部19が横ズレしない位置決め状態で取り付けられるように構成されている。
【0029】
従って、飲み口解手段20を介して飲み口部材3を円筒状本体部6とリング状容器開口用蓋部19とに分解すると、本体部6に容器開口用蓋部19が取り付けられた状態では容器開口用蓋部19に覆われている本体部6(取付用挿入部16の上部外周)も、容器開口用蓋部19の内部も露出させることができ、これらの部位をきれいに洗浄して飲み口部材3の衛生さを保つことが容易に可能となるように構成されている。
【0030】
また、前記取付用鍔部29の外縁対向位置には係合凹所31が設けられ(一体成形され)、この係合凹所31に凹凸係合する係止凸起32が前記係止面部30の対向位置に設けられ(一体成形され)て、この係合凹所31と係止凸起32の凹凸係合により、本体部6に対し容器開口用蓋部19が回り止め状態で取り付けられるように構成されている(図2参照)。即ち、これにより容器開口用蓋部19を掴んで飲み口部材3を容器本体1に対し回動着脱操作可能となるように構成されている。
【0031】
また、取付用挿入部16の上部外周面の全周には、係合溝部34が設けられ(一体成形され)、この係合溝部34に圧入係合する係止凸条35が前記容器開口用蓋部19の開口内縁の上部寄り全周に設けられ(一体成形され)ていて、この係止凸条35を前記係合溝部34にパチンと圧入(圧接)係止することにより、取付用挿入部16に容器開口用蓋部19が取り付けられた状態が保持されて簡単には分解できず、この圧入係止力に抗して前記本体部6に対し前記容器開口用蓋部19を下動させることにより、本体部6から容器開口用蓋部19を分解可能に構成されている。また、図面は、この係止凸条35の上面が前記係止面部30として構成されている。
【0032】
また、本実施例では、前記飲み口部材3が前記容器本体1の上部開口部2に取り付けられた際に、前記容器開口用蓋部19の下端を支持可能な支持段差33が容器本体1の上方側に設けられていて、この支持段差33に容器開口用蓋部19の下端が支持されることにより、容器開口用蓋部19の本体部6に対する下動が阻止されて本体部6と容器開口用蓋部19とが分解不能となるように構成されている。
【0033】
具体的には、前記容器本体1の上部がそれより下方部分の外径よりも一回り径小となる形状に形成され、この径小上部と径大下部の間の段差部33が前記支持段差33として構成されている。
【0034】
従って、飲み口部材3を容器本体1に取り付けた状態では本体部6と容器開口用蓋部19とが勝手に分解されてしまう不都合を生じることがないように構成されている。
【0035】
本実施例の蓋部材5について説明すると、前記飲み口部材3の液通路4に前記口当て部7側(上方側)から挿入されてこの液通路4を密閉する栓部9の上部外周に、前記口当て部7の全周を覆う口当て用蓋部11が周設されている。
【0036】
具体的には、栓部9は、合成樹脂製であって図2図5図6に示すような略円柱形に一体成形されており、前記口当て用蓋部11は、合成樹脂製であって図5図6に示すような前記口当て部7の上縁部全周を上方から覆う平面視リング状の天覆部分24と、この天覆部分24の外端部全周から連設状態に垂設されて前記口当て部7の外周面を外方から覆う側覆部分25とから成る略リング形状体に一体成形されている。
【0037】
また、この栓部9の中ほどの外周面に、前記液通路4の中ほどの内周面に密着する止水パッキン26が周設状態に付設され、この止水パッキン26より下方の栓部9外周面には、前記飲み口側雌螺子8に着脱自在に螺着する蓋側雄螺子10が設けられ(一体成形され)ており、前記飲み口側雌螺子8に前記蓋側雄螺子10を螺着することで、前記飲み口部材3に前記蓋部材5が取り付けられて前記液通路4が前記栓部9で密閉されると共に、前記口当て部7の全周が上方から前記口当て用蓋部11で覆われるように構成されている(図1図6参照)。
【0038】
本実施例は、前記蓋部材5に蓋分解手段12を備えて、この蓋分解手段12を介して蓋部材5の中心部に設けられる前記栓部9から、この栓部9に周設されるリング状の前記口当て用蓋部11が分解可能に構成されている。
【0039】
具体的には、蓋部材5は、円柱状栓部9に別部材のリング状口当て用蓋部11が取り付けられて成り、前記蓋分解手段12は、栓部9に対し口当て用蓋部11を下動させることによって栓部9から口当て用蓋部11を分解可能に構成されている。
【0040】
更に詳しくは、前記栓部9の上部外周縁の全周に係合鍔部14が水平外方へ突出状態に一体成形され、この係合鍔部14の下面に下方から係脱自在に係止する係止部15としての係止平坦面15が前記口当て用蓋部11の上部(前記天覆部分24)全周に設けられ(一体成形され)ていて、係止部15を係合鍔部14に係止すると、栓部9に口当て用蓋部11が取り付けられると共に、栓部9に対して口当て用蓋部11が上動不能となり、この取付状態から栓部9に対し口当て用蓋部11を下動させると、前記係合鍔部14から前記係止部15が係脱して栓部9から口当て用蓋部11を分解可能となるように前記蓋分解手段12が構成されている(図5図6参照)。
【0041】
また、係合鍔部14は、その下面内側部分が外側部分より下方へ突出する段差面14に形成(一体成形)され、これに対応させて前記係止部15は、その内側部分が外側部分より下方へ窪む段差面15に形成(一体成形)されていて、この段差面14・15同士の係合係止により、栓部9に対し口当て用蓋部11が横ズレしない位置決め状態で取り付けられるように構成されている。
【0042】
従って、蓋分解手段12を介して蓋部材5を円柱状栓部9とリング状口当て用蓋部11とに分解すると、栓部9に口当て用蓋部11が取り付けられた状態では口当て用蓋部11に覆われている栓部9の上部外周も、口当て用蓋部11の内部も露出させることができ、これらの部位をきれいに洗浄して蓋部材5の衛生さを保つことが容易に可能となるように構成されている。
【0043】
また、前記係合鍔部14の下方へ突出する下面内側部分の対向位置に、下面外側部分と面一状態となる係合凹部27が設けられ(一体成形され)、この係合凹部27に凹凸係合する係止凸部28が、前記係止部15の下方へ窪む内側部分の対向位置に、係止部15外側部分と面一状態となるようにして設けられ(一体成形され)ていて、この係合凹部27と係止凸部28の凹凸係合により、栓部9に対し口当て用蓋部11が回り止め状態で取り付けられるように構成されている(図5参照)。即ち、これにより口当て用蓋部11を掴んで蓋部材5を飲み口部材3に対し回動着脱操作可能となるように構成されている。
【0044】
尚、図示していないが、前記飲み口分解手段20と同様に、口当て用蓋部11が栓部9に圧入(圧接)状態に取り付けられて、分解可能ではあるが簡単には分解されない構成の蓋分解手段12を採用しても良い。
【0045】
また、本実施例では、前記蓋部材5が前記飲み口部材3に取り付けられた際に、前記口当て用蓋部11の下端を支持可能な支持部13が前記飲み口部材3に設けられていて、この支持部13に口当て用蓋部11の下端が支持されることにより、口当て用蓋部11の栓部9に対する下動が阻止されて栓部9と口当て用蓋部11とが分解不能となるように構成されている。
【0046】
具体的には、前記容器開口用蓋部19の天蓋部分21の外周部全周が、前記側蓋部分22の外径よりも一回り径小となる段差形状に形成(一体成形)されて、この段差部13が前記支持部13として構成されている。
【0047】
従って、蓋部材5を飲み口部材3に取り付けた状態では、栓部9と口当て用蓋部11とが勝手に分解されてしまう不都合を生じることがないように構成されている。
【0048】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【符号の説明】
【0049】
1 容器本体
2 上部開口部
3 飲み口部材
4 液通路
5 蓋部材
6 本体部
7 口当て部
8 飲み口側雌螺子
9 栓部
10 蓋側雄螺子
11 口当て用蓋部
12 蓋分解手段
13 支持部
14 係合鍔部
15 係止部
16 取付用挿入部
17 飲み口側雄螺子
18 容器側雌螺子
19 容器開口用蓋部
20 飲み口分解手段
S 栓体
図1
図2
図3
図4
図5
図6