【実施例】
【0018】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0019】
本実施例は、
図1に示すような携帯型の水筒に適用したもので、容器本体1の上部開口部2に栓体Sが着脱自在に設けられている。
【0020】
本実施例の栓体Sは、
図2に示すように、容器本体1の上部開口部2に取り付けられる液通路4を備えた飲み口部材3と、この飲み口部材3に取り付けられて前記液通路4を密閉する蓋部材5とから成る。
【0021】
本実施例の飲み口部材3について説明すると、前記容器本体1の上部開口部2に着脱自在に取り付けられる本体部6の上部に、筒状の口当て部7が立設状態に設けられ、この本体部6の下部に、前記上部開口部2内に挿入される取付用挿入部16が垂設状態に設けられている。
【0022】
具体的には、
図3,
図4に示すように、円筒状に一体成形された合成樹脂製の本体部6の上側円筒部が前記口当て部7として構成され、本体部6の下側円筒部が前記取付用挿入部16として構成され、この本体部6,口当て部7,取付用挿入部16を上下方向に貫通する中心貫通孔部が前記液通路4として構成されていると共に、この液通路4の内周面に飲み口側雌螺子8が設けられ(一体成形され)ている。
【0023】
また、この取付用挿入部16の下端の外周面に、前記容器本体1の上部開口部2付近の内周面に密着する例えばシリコンゴム製の漏止パッキン23が周設状態に付設され、この漏止パッキン23より上方側の取付用挿入部16の外周面には、前記上部開口部2の内周面に設けられる容器側雌螺子18に着脱自在に螺着する飲み口側雄螺子17が設けられ(一体成形され)、さらに、この取付用挿入部16の外周に、前記上部開口部2の全周を覆う容器開口用蓋部19が周設されており、前記容器側雌螺子18に前記飲み口側雄螺子17を螺着することで容器本体1の上部開口部2に前記飲み口部材3が取り付けられて、前記容器本体1の上部開口部2の全周が上方から前記容器開口用蓋部19で覆われるように構成されている(
図2,
図6参照)。
【0024】
また、容器開口用蓋部19は、合成樹脂製であって、前記上部開口部2の上縁部全周を上方から覆う平面視リング状の天蓋部分21と、この天蓋部分21の外端部全周から連設状態に垂設されて前記上部開口部2の外周面を外方から覆う側蓋部分22とから成る略リング形状体に一体成形されている(
図4,
図6参照)。
【0025】
本実施例では、前記飲み口部材3に飲み口分解手段20を備えて、この飲み口分解手段20を介して前記本体部6から、この本体部6に周設されるリング状の前記容器開口用蓋部19が分解可能に構成されている。
【0026】
具体的には、飲み口部材3は、円筒状本体部6(口当て部7と取付用挿入部16を含む)に別部材のリング状容器開口用蓋部19が取り付けられて成り、前記飲み口分解手段20は、本体部6に対し容器開口用蓋部19を下動させることによって本体部6から容器開口用蓋部19を分解可能に構成されている。
【0027】
更に詳しくは、前記本体部6の中ほどの外周面の全周に取付用鍔部29が水平外方へ突出状態に一体成形され、この取付用鍔部29の下面に下方から係脱自在に係止する係止面部30が前記容器開口用蓋部19の上部(前記天蓋部分21)全周に設けられ(一体成形され)ていて、係止面部30を取付用鍔部29に係止すると、本体部6に容器開口用蓋部19が取り付けられると共に、本体部6に対して容器開口用蓋部19が上動不能となり、この取付状態から本体部6に対し容器用開口用蓋部19を下動させると、前記取付用鍔部29から前記係止面部30が係脱して本体部6から容器開口用蓋部19を分解可能となるように前記飲み口分解手段20が構成されている(
図4,
図6参照)。
【0028】
また、係止面部30は、前記天蓋部分21の内側部分を下方へ窪ませた凹み部30によって構成され、前記取付用鍔部29は、前記係止面部30に丁度凹凸係合する径寸法に設定構成されていて、この凹み部30と取付用鍔部29との凹凸係合により本体部6に対し容器開口用蓋部19が横ズレしない位置決め状態で取り付けられるように構成されている。
【0029】
従って、飲み口解手段20を介して飲み口部材3を円筒状本体部6とリング状容器開口用蓋部19とに分解すると、本体部6に容器開口用蓋部19が取り付けられた状態では容器開口用蓋部19に覆われている本体部6(取付用挿入部16の上部外周)も、容器開口用蓋部19の内部も露出させることができ、これらの部位をきれいに洗浄して飲み口部材3の衛生さを保つことが容易に可能となるように構成されている。
【0030】
また、前記取付用鍔部29の外縁対向位置には係合凹所31が設けられ(一体成形され)、この係合凹所31に凹凸係合する係止凸起32が前記係止面部30の対向位置に設けられ(一体成形され)て、この係合凹所31と係止凸起32の凹凸係合により、本体部6に対し容器開口用蓋部19が回り止め状態で取り付けられるように構成されている(
図2参照)。即ち、これにより容器開口用蓋部19を掴んで飲み口部材3を容器本体1に対し回動着脱操作可能となるように構成されている。
【0031】
また、取付用挿入部16の上部外周面の全周には、係合溝部34が設けられ(一体成形され)、この係合溝部34に圧入係合する係止凸条35が前記容器開口用蓋部19の開口内縁の上部寄り全周に設けられ(一体成形され)ていて、この係止凸条35を前記係合溝部34にパチンと圧入(圧接)係止することにより、取付用挿入部16に容器開口用蓋部19が取り付けられた状態が保持されて簡単には分解できず、この圧入係止力に抗して前記本体部6に対し前記容器開口用蓋部19を下動させることにより、本体部6から容器開口用蓋部19を分解可能に構成されている。また、図面は、この係止凸条35の上面が前記係止面部30として構成されている。
【0032】
また、本実施例では、前記飲み口部材3が前記容器本体1の上部開口部2に取り付けられた際に、前記容器開口用蓋部19の下端を支持可能な支持段差33が容器本体1の上方側に設けられていて、この支持段差33に容器開口用蓋部19の下端が支持されることにより、容器開口用蓋部19の本体部6に対する下動が阻止されて本体部6と容器開口用蓋部19とが分解不能となるように構成されている。
【0033】
具体的には、前記容器本体1の上部がそれより下方部分の外径よりも一回り径小となる形状に形成され、この径小上部と径大下部の間の段差部33が前記支持段差33として構成されている。
【0034】
従って、飲み口部材3を容器本体1に取り付けた状態では本体部6と容器開口用蓋部19とが勝手に分解されてしまう不都合を生じることがないように構成されている。
【0035】
本実施例の蓋部材5について説明すると、前記飲み口部材3の液通路4に前記口当て部7側(上方側)から挿入されてこの液通路4を密閉する栓部9の上部外周に、前記口当て部7の全周を覆う口当て用蓋部11が周設されている。
【0036】
具体的には、栓部9は、合成樹脂製であって
図2,
図5,
図6に示すような略円柱形に一体成形されており、前記口当て用蓋部11は、合成樹脂製であって
図5,
図6に示すような前記口当て部7の上縁部全周を上方から覆う平面視リング状の天覆部分24と、この天覆部分24の外端部全周から連設状態に垂設されて前記口当て部7の外周面を外方から覆う側覆部分25とから成る略リング形状体に一体成形されている。
【0037】
また、この栓部9の中ほどの外周面に、前記液通路4の中ほどの内周面に密着する止水パッキン26が周設状態に付設され、この止水パッキン26より下方の栓部9外周面には、前記飲み口側雌螺子8に着脱自在に螺着する蓋側雄螺子10が設けられ(一体成形され)ており、前記飲み口側雌螺子8に前記蓋側雄螺子10を螺着することで、前記飲み口部材3に前記蓋部材5が取り付けられて前記液通路4が前記栓部9で密閉されると共に、前記口当て部7の全周が上方から前記口当て用蓋部11で覆われるように構成されている(
図1,
図6参照)。
【0038】
本実施例は、前記蓋部材5に蓋分解手段12を備えて、この蓋分解手段12を介して蓋部材5の中心部に設けられる前記栓部9から、この栓部9に周設されるリング状の前記口当て用蓋部11が分解可能に構成されている。
【0039】
具体的には、蓋部材5は、円柱状栓部9に別部材のリング状口当て用蓋部11が取り付けられて成り、前記蓋分解手段12は、栓部9に対し口当て用蓋部11を下動させることによって栓部9から口当て用蓋部11を分解可能に構成されている。
【0040】
更に詳しくは、前記栓部9の上部外周縁の全周に係合鍔部14が水平外方へ突出状態に一体成形され、この係合鍔部14の下面に下方から係脱自在に係止する係止部15としての係止平坦面15が前記口当て用蓋部11の上部(前記天覆部分24)全周に設けられ(一体成形され)ていて、係止部15を係合鍔部14に係止すると、栓部9に口当て用蓋部11が取り付けられると共に、栓部9に対して口当て用蓋部11が上動不能となり、この取付状態から栓部9に対し口当て用蓋部11を下動させると、前記係合鍔部14から前記係止部15が係脱して栓部9から口当て用蓋部11を分解可能となるように前記蓋分解手段12が構成されている(
図5,
図6参照)。
【0041】
また、係合鍔部14は、その下面内側部分が外側部分より下方へ突出する段差面14に形成(一体成形)され、これに対応させて前記係止部15は、その内側部分が外側部分より下方へ窪む段差面15に形成(一体成形)されていて、この段差面14・15同士の係合係止により、栓部9に対し口当て用蓋部11が横ズレしない位置決め状態で取り付けられるように構成されている。
【0042】
従って、蓋分解手段12を介して蓋部材5を円柱状栓部9とリング状口当て用蓋部11とに分解すると、栓部9に口当て用蓋部11が取り付けられた状態では口当て用蓋部11に覆われている栓部9の上部外周も、口当て用蓋部11の内部も露出させることができ、これらの部位をきれいに洗浄して蓋部材5の衛生さを保つことが容易に可能となるように構成されている。
【0043】
また、前記係合鍔部14の下方へ突出する下面内側部分の対向位置に、下面外側部分と面一状態となる係合凹部27が設けられ(一体成形され)、この係合凹部27に凹凸係合する係止凸部28が、前記係止部15の下方へ窪む内側部分の対向位置に、係止部15外側部分と面一状態となるようにして設けられ(一体成形され)ていて、この係合凹部27と係止凸部28の凹凸係合により、栓部9に対し口当て用蓋部11が回り止め状態で取り付けられるように構成されている(
図5参照)。即ち、これにより口当て用蓋部11を掴んで蓋部材5を飲み口部材3に対し回動着脱操作可能となるように構成されている。
【0044】
尚、図示していないが、前記飲み口分解手段20と同様に、口当て用蓋部11が栓部9に圧入(圧接)状態に取り付けられて、分解可能ではあるが簡単には分解されない構成の蓋分解手段12を採用しても良い。
【0045】
また、本実施例では、前記蓋部材5が前記飲み口部材3に取り付けられた際に、前記口当て用蓋部11の下端を支持可能な支持部13が前記飲み口部材3に設けられていて、この支持部13に口当て用蓋部11の下端が支持されることにより、口当て用蓋部11の栓部9に対する下動が阻止されて栓部9と口当て用蓋部11とが分解不能となるように構成されている。
【0046】
具体的には、前記容器開口用蓋部19の天蓋部分21の外周部全周が、前記側蓋部分22の外径よりも一回り径小となる段差形状に形成(一体成形)されて、この段差部13が前記支持部13として構成されている。
【0047】
従って、蓋部材5を飲み口部材3に取り付けた状態では、栓部9と口当て用蓋部11とが勝手に分解されてしまう不都合を生じることがないように構成されている。
【0048】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。