(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346264
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】ポート構造部およびチューニング・エレメントを備えるゴルフ・クラブ・ヘッド、ならびに関連の方法
(51)【国際特許分類】
A63B 53/06 20150101AFI20180611BHJP
A63B 53/04 20150101ALI20180611BHJP
A63B 60/54 20150101ALI20180611BHJP
A63B 60/02 20150101ALI20180611BHJP
A63B 102/32 20150101ALN20180611BHJP
【FI】
A63B53/06 C
A63B53/04 E
A63B60/54
A63B60/02
A63B102:32
【請求項の数】22
【全頁数】22
(21)【出願番号】特願2016-502696(P2016-502696)
(86)(22)【出願日】2014年3月14日
(65)【公表番号】特表2016-515882(P2016-515882A)
(43)【公表日】2016年6月2日
(86)【国際出願番号】US2014028062
(87)【国際公開番号】WO2014143897
(87)【国際公開日】20140918
【審査請求日】2017年2月3日
(31)【優先権主張番号】61/799,057
(32)【優先日】2013年3月15日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/856,700
(32)【優先日】2013年4月4日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】591086452
【氏名又は名称】カーステン マニュファクチュアリング コーポレーション
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】特許業務法人快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャーツソン マーティ アール.
(72)【発明者】
【氏名】ストック ライアン エム.
(72)【発明者】
【氏名】シュバイゲルト ブラドリー ディ.
【審査官】
藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】
特開2008−023348(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3130167(JP,U)
【文献】
特開2001−037929(JP,A)
【文献】
米国特許出願公開第2009/0029791(US,A1)
【文献】
米国特許第07083531(US,B1)
【文献】
米国特許出願公開第2011/0250985(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 49/00−60/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
ストライクフェース、および、前記ストライクフェースの反対側のバックフェースを含むストライクプレートと、
前記ストライクプレートに連結されているソールであって、外側ソール表面、前記外側ソール表面の反対側の内側ソール表面、ソール・フロント・セクション、および、ソール・リア・セクションを含む、ソールと、
ポート構造部であって、前記バックフェースおよび前記ソールによって画定されており、前記ポート構造部のポート周囲部の中にチューニング・エレメントを受け入れるように構成されている、ポート構造部と、を備え、
前記ポート構造部は、
前記バックフェースにあるポート・ベースであって、前記ポート周囲部によって限界を定められている、ポート・ベースと、
前記バックフェースから突出されているポート・リブ壁部であって、前記ポート周囲部に沿って、前記ポート・ベースの上側セクションの境界を定めている、ポート・リブ壁部と、
前記ソールの中へ延在するポート・トレンチと、を含み、
前記ポート・トレンチは、
前記ストライクプレートの前記バックフェースにおいて、前記ポート・ベースの下側セクションによって画定されているトレンチ・フロント壁部と、
前記ソール・フロント・セクションにあるトレンチ・ボトム壁部であって、前記トレンチ・フロント壁部に連結されており、前記ポート周囲部に沿って、前記ポート・ベースの前記下側セクションの境界を定めている、トレンチ・ボトム壁部と、
前記トレンチ・フロント壁部の反対側の前記トレンチ・ボトム壁部に連結されているトレンチ・リア壁部であって、前記ソール・フロント・セクションと前記ソール・リア・セクションとの間で、前記ソールをさらに分割している、トレンチ・リア壁部と、
前記トレンチ・ボトム壁部と前記トレンチ・リア壁部のトップ・エンドとの間で、おおよそ0.75mmからおおよそ6.0mmのポート・トレンチ高さと、
前記トレンチ・フロント壁部と前記トレンチ・リア壁部の前記トップ・エンドとの間で、おおよそ5.0mmからおおよそ18mmのポート・トレンチ・トップ幅と、を含み、
前記トレンチ・ボトム壁部は、前記トレンチ・リア壁部のトップ・エンドよりも前記外側ソール表面により近い、ゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項2】
前記ストライクプレートが、
前記ポート・リブ壁部の上方において、前記ストライクフェースと前記バックフェースとの間の第1の厚さと、
前記ポート・リブ壁部の下方において、前記ストライクフェースと前記ポート・ベースとの間の第2の厚さと、を含み、
前記第2の厚さが、前記第1の厚さよりも大きい、請求項1に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項3】
前記ストライクフェースによって画定されるロフト平面をさらに含み、
前記ポート・リブ壁部が、前記ロフト平面に対して実質的に非直交である、請求項1または2に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項4】
ロフト直交軸線が、前記ロフト平面に対して直交して延在し、前記バックフェースと前記ポート・リブ壁部との間の接合部と交差しており、
前記ポート・リブ壁部から前記ロフト直交軸線へのポート・リブ角が、おおよそ10度からおおよそ40度である、請求項3に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項5】
前記ポート・リブ角が、おおよそ25度である、請求項4に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項6】
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、グランド平面の上でアドレスの位置にあるときに、
(i)前記ポート・リブ壁部が、前記グランド平面に対して実質的に平行である状態の±35度以内にあること、
(ii)前記ポート・リブ壁部が、ターゲット・インパクト・ヘッド方向に対して実質的に平行であること、のうちの少なくとも1つであり、
前記ターゲット・インパクト・ヘッド方向が、
前記グランド平面に対しておおよそ−45度からおおよそゼロ度のダウンスイング方向角、または、
前記グランド平面に対しておおよそゼロ度からおおよそ15度のアップスイング方向角、のうちの少なくとも1つを含む、請求項1から5のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項7】
前記ソールが、
前記ソール・フロント・セクションにおいて、前記外側ソール表面と前記トレンチ・ボトム壁部との間で測定されるソール・トレンチ厚さと、
前記ソール・リア・セクションにおいて、前記外側ソール表面と前記内側ソール表面との間で測定されるソール最大厚さと、を含み、
少なくとも、
前記ソール・トレンチ厚さが、おおよそ1.0mmからおおよそ5.1mmであり、かつ、前記ソール最大厚さが、おおよそ2.5mmからおおよそ11mmであること、または、
前記ソール最大厚さが、前記ソール・トレンチ厚さよりも少なくとも125%大きいこと、のうちの1つである、請求項1から6のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項8】
前記ストライクフェースが、ストライクフェース中心点を含み、
前記バックフェースが、前記ストライクフェース中心点の反対側のバックフェース中心点を含み、
前記ポート・リブ壁部が、前記バックフェースに沿って、前記バックフェース中心点の6mm以内に延在している、請求項1から7のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項9】
前記トレンチ・リア壁部が、前記トレンチ・フロント壁部に対して非平行である、請求項1から8のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項10】
前記ポート・トレンチが、
前記トレンチ・ボトム壁部と前記トレンチ・フロント壁部との間のボトム・フロント角と、
前記トレンチ・ボトム壁部と前記トレンチ・リア壁部との間のボトム・リア角と、を含み、
前記ボトム・リア角が、前記ボトム・フロント角よりも大きい、請求項1から9のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項11】
前記ポート・トレンチが、おおよそ0.5cm3からおおよそ8cm3のポート・トレンチ体積を備えており、
おおよそ1グラムからおおよそ15グラムの解放される質量が、再分配または排除のために前記ポート構造部によって解放されており、
前記解放された質量が、前記ポート・トレンチ体積によって定義されるトレンチ解放された質量、および、前記ソールの材料のソール密度を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項12】
前記ソールが、おおよそ16mmからおおよそ33mmのソール深さを備える、請求項1から11のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項13】
前記チューニング・エレメントをさらに含み、
前記チューニング・エレメントが、前記ポート・ベースに対して着座させられ、前記ポート・リブ壁部によって拘束されているとき、少なくとも前記トレンチ・リア壁部の大部分が、前記チューニング・エレメントから切り離されている、請求項1から12のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項14】
前記チューニング・エレメントをさらに含み、
前記チューニング・エレメントは、
チューニング・エレメント・トップ・エンドと、
チューニング・エレメント・ボトム・エンドと、を含み、
前記ポート・リブ壁部は、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドの後ろに向かうポート・リブ壁部リア・エンド、を含み、
前記ポート・トレンチが、挿入軸線を画定しており、前記挿入軸線に沿って、前記チューニング・エレメントが、前記ポート・リブ壁部によって遮られずに前記ポート・トレンチの中へ挿入され得、
前記挿入軸線は、前記トレンチ・ボトム壁部から延在しており、前記ポート・リブ壁部または前記トレンチ・リア壁部を横断することなく、前記ポート・リブ壁部を通り過ぎ、
前記チューニング・エレメントが、前記挿入軸線に沿って枢動位置へ挿入可能であり、
前記枢動位置においては、
前記チューニング・エレメント・ボトム・エンドが、前記トレンチ・ボトム壁部に到達しており、
前記チューニング・エレメント・トップ・エンドが、前記ポート・リブ壁部リア・エンドよりも前記ソールにより近い、請求項1から12のいずれか一項に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項15】
前記チューニング・エレメントが前記枢動位置にあるときに、
前記チューニング・エレメントが、前記トレンチ・ボトム壁部に沿って、固定位置に枢動可能であり、
前記固定位置においては、
前記チューニング・エレメントのチューニング・エレメント・フロント・エンドが、前記ポート・ベースに接触しており、
前記チューニング・エレメント・トップ・エンドが、前記ポート・リブ壁部によって拘束されている、請求項14に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項16】
ゴルフ・クラブ・ヘッドであって、
ストライクフェース、および、前記ストライクフェースの反対側のバックフェースを含むストライクプレートと、
前記ストライクフェースによって画定されるロフト平面と、
前記ストライクプレートに連結されているソールであって、外側ソール表面、前記外側ソール表面の反対側の内側ソール表面、ソール・フロント・セクション、および、ソール・リア・セクションを含む、ソールと、
チューニング・エレメントと、
ポート構造部であって、前記バックフェースおよび前記ソールによって画定されており、前記ポート構造部のポート周囲部の中に前記チューニング・エレメントを受け入れるように構成されている、ポート構造部と、を備え、
前記ストライクフェースは、ストライクフェース中心点を備えており、
前記バックフェースは、前記ストライクフェース中心点の反対側のバックフェース中心点を備えており、
前記ポート構造部は、
前記バックフェースにあるポート・ベースであって、前記ポート周囲部によって限界を定められている、ポート・ベースと、
前記バックフェースから突出されているポート・リブ壁部であって、前記ポート周囲部に沿って、前記ポート・ベースの上側セクションの境界を定めている、ポート・リブ壁部と、
前記ソールの中へ延在するポート・トレンチと、を含み、
前記ポート・リブ壁部は、前記ロフト平面に対して実質的に非直交であり、
前記ポート・リブ壁部は、前記バックフェースに沿って、前記バックフェース中心点の6mm以内に延在しており、
前記ポート・トレンチは、
前記ストライクプレートの前記バックフェースにおいて、前記ポート・ベースの下側セクションによって画定されているトレンチ・フロント壁部と、
前記ソール・フロント・セクションにあるトレンチ・ボトム壁部であって、前記トレンチ・フロント壁部に連結されており、前記ポート周囲部に沿って、前記ポート・ベースの前記下側セクションの境界を定めている、トレンチ・ボトム壁部と、
前記トレンチ・フロント壁部の反対側の前記トレンチ・ボトム壁部に連結されているトレンチ・リア壁部であって、前記ソール・フロント・セクションと前記ソール・リア・セクションとの間で、前記ソールをさらに分割している、トレンチ・リア壁部と、を含み、
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドがグランド表面に対してアドレス位置にあるときに、前記トレンチ・ボトム壁部は、前記内側ソール表面に沿う、前記ソール・リア・セクションの任意の点よりも前記グランド表面に近く、
前記トレンチ・ボトム壁部と前記トレンチ・リア壁部との間のトレンチ・ボトム・リア角は、前記トレンチ・ボトム壁部と前記トレンチ・フロント壁部との間のトレンチ・ボトム・フロント角よりも大きく、
前記チューニング・エレメントが、前記ポート・ベースに対して着座させられ、前記ポート・リブ壁部によって拘束されているとき、少なくとも前記トレンチ・リア壁部の大部分が、前記チューニング・エレメントから切り離されており、
前記チューニング・エレメントは、枢動位置から固定位置へ、前記トレンチ・ボトム壁部に沿って枢動可能であり、
前記固定位置においては、
前記チューニング・エレメントのチューニング・エレメント・フロント・エンドが、前記ポート・ベースに接触しており、
前記チューニング・エレメントのチューニング・エレメント・トップ・エンドが、前記ポート・リブ壁部によって境界を定められている、ゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項17】
ロフト直交軸線が、前記ロフト平面に対して直交して延在し、前記バックフェースと前記ポート・リブ壁部との間の接合部と交差しており、
前記ポート・リブ壁部から前記ロフト直交軸線へのポート・リブ角が、おおよそ10度からおおよそ40度である、請求項16に記載のゴルフ・クラブ・ヘッド。
【請求項18】
ゴルフ・クラブ・ヘッドを提供するための方法であって、前記方法は、
ストライクプレートを提供するステップであって、前記ストライクプレートは、
ストライクフェースと、
前記ストライクフェースの反対側のバックフェースと、を含む、ステップと、
前記ストライクプレートに連結されているソールを提供するステップであって、前記ソールは、
外側ソール表面と、
前記外側ソール表面の反対側の内側ソール表面と、
ソール・フロント・セクションと、
ソール・リア・セクションと、を含む、ステップと、
チューニング・エレメントを提供するステップと、
ポート構造部を提供するステップであって、前記ポート構造部は、前記バックフェースおよび前記ソールによって画定されており、前記ポート構造部のポート周囲部の中に前記チューニング・エレメントを受け入れるように構成されている、ステップと、
前記チューニング・エレメントを前記ポート構造部に連結するステップと、を含み、
前記ポート構造部は、
前記バックフェースにあるポート・ベースであって、前記ポート周囲部によって限界を定められている、ポート・ベースと、
前記バックフェースから突出されているポート・リブ壁部であって、前記ポート周囲部に沿って、前記ポート・ベースの上側セクションの境界を定めている、ポート・リブ壁部と、
前記ソールの中へ延在するポート・トレンチと、を含み、
前記ポート・トレンチは、
前記ストライクプレートの前記バックフェースにおいて、前記ポート・ベースの下側セクションによって画定されているトレンチ・フロント壁部と、
前記ソール・フロント・セクションにあるトレンチ・ボトム壁部であって、前記トレンチ・フロント壁部に連結されており、前記ポート周囲部に沿って、前記ポート・ベースの前記下側セクションの境界を定めている、トレンチ・ボトム壁部と、
前記トレンチ・フロント壁部の反対側の前記トレンチ・ボトム壁部に連結されているトレンチ・リア壁部であって、前記ソール・フロント・セクションと前記ソール・リア・セクションとの間で、前記ソールをさらに分割している、トレンチ・リア壁部と、を含み、
前記トレンチ・リア壁部は、前記トレンチ・フロント壁部に対して非平行であり、
前記ポート・リブ壁部は、前記ストライクフェースによって画定されるロフト平面に対して実質的に非直交である、ゴルフ・クラブ・ヘッドを提供するための方法。
【請求項19】
前記ゴルフ・クラブ・ヘッドが、グランド平面の上でアドレスの位置にあるときに、前記ポート・リブ壁部が、前記グランド平面に対して実質的に平行である状態の±35度以内にある、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記ソールが、
前記ソール・フロント・セクションにおいて、前記外側ソール表面と前記トレンチ・ボトム壁部との間で測定される、おおよそ1.0mmからおおよそ5.1mmのソール・トレンチ厚さと、
前記ソール・リア・セクションにおいて、前記外側ソール表面と前記内側ソール表面との間で測定される、おおよそ2.5mmからおおよそ11mmのソール最大厚さと、を含む、請求項18または19に記載の方法。
【請求項21】
前記ストライクフェースが、ストライクフェース中心点を含み、
前記バックフェースが、前記ストライクフェース中心点の反対側のバックフェース中心点を含み、
前記ポート・リブ壁部が、前記バックフェースに沿って、前記バックフェース中心点の6mm以内に延在している、請求項18から20のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記ポート・トレンチが、挿入軸線を画定しており、前記挿入軸線に沿って、前記チューニング・エレメントが、前記ポート・リブ壁部によって遮られずに前記ポート・トレンチの中へ挿入可能であり、
前記挿入軸線は、前記トレンチ・ボトム壁部から延在しており、前記ポート・リブ壁部または前記トレンチ・リア壁部を横断することなく、前記ポート・リブ壁部を通り過ぎ、
前記チューニング・エレメントを前記ポート構造部に連結するステップが、
前記挿入軸線に沿って枢動位置へ前記チューニング・エレメントを挿入する段階であって、
前記枢動位置においては、
前記チューニング・エレメントのボトム・エンドが、前記トレンチ・ボトム壁部に到達しており、
前記チューニング・エレメントのトップ・エンドが、前記ポート・リブ壁部のリア・エンドよりも前記ソールにより近い、段階と、
前記チューニング・エレメントを前記トレンチ・ボトム壁部に沿って、固定位置に枢動させる段階であって、
前記固定位置においては、
前記チューニング・エレメントのフロント・エンドが、前記ポート・ベースに接触しており、
前記チューニング・エレメントのトップ・エンドが、前記ポート・リブ壁部によって境界を定められている、段階と、を含む、請求項18から21のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2013年4月4日に出願された米国非仮特許出願第13/856,700号の利益を主張し、2013年3月15日に出願された米国仮特許出願第61/799,057号の利益を主張する。米国非仮特許出願第13/856,700号は、米国仮特許出願第61/799,057号の利益を主張する。米国非仮特許出願第13/856,700号および米国仮特許出願第61/799,057号の開示の内容は、その全体が、参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、概して、スポーツ器具に関し、より具体的には、ポート構造部およびチューニング・エレメントを備えるゴルフ・クラブ・ヘッド、ならびに、関連の方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ゴルフ・クラブ・ヘッドは、ゴルフ・クラブ・ヘッドの1つまたは複数の性質を改善するように設計または構成され得る異なる特徴を含むことが多い。たとえば、チューニング・エレメントは、ゴルフ・ボールとのインパクトのときの衝撃振動を調節または制限するために、および/または、ゴルフ・クラブのいくつかの特徴を強化するために、加えることが可能である。しかし、そのようなチューニング・エレメントを加えることは、余剰の質量を加えることなどによって、および/または、ゴルフ・クラブ・ヘッドの重心を1つまたは複数の望ましくない場所に向けて再位置決めすることなどによって、ゴルフ・クラブ・ヘッドのいくつかの性質に悪影響を与える可能性がある。
【0004】
上記を考慮すると、ゴルフ・クラブ・チューニング・エレメントの位置決めに関するさらなる開発が、ゴルフ・クラブの性能を強化することとなる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示は、添付の図と併せて、実施形態の例の以下の詳細な説明を読むことから、より良好に理解され得る。
【0006】
【
図1】本開示によるポート構造部およびチューニング・エレメントを有するゴルフ・クラブ・ヘッドの背面図である。
【0007】
【
図2】
図1のラインII−IIに沿ったゴルフ・クラブ・ヘッドの側断面図であり、ポート構造部から切り離されているチューニング・エレメントを示す図である。
【0008】
【
図3】チューニング・エレメントなしの、
図1〜
図2のゴルフ・クラブ・ヘッドの背面図である。
【0009】
【
図4】チューニング・エレメントがポート構造部における枢動位置へ挿入されている、ゴルフ・クラブ・ヘッドの別の側断面図である。
【0010】
【
図5】
図1のラインII−IIに沿ったゴルフ・クラブ・ヘッドのさらなる側断面図であり、チューニング・エレメントが、ポート構造部における固定位置へ枢動されていることを示す図である。
【0011】
【
図6】本開示によるゴルフ・クラブ・ヘッドを提供し、形成し、および/または製造するために使用され得る方法のためのフローチャートである。
【0012】
【
図7】クラブ・ヘッドのポート構造部に焦点を当てている、
図2の一部分の詳細図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
例証の簡素性および明確性のために、図表は構造物の概略的様式を例証し、公知の特性および技術の、説明および詳細は、本開示を不必要に曖昧にすることを避けるために、省略され得る。さらに、図表内の要素は、必ずしも正しい縮尺で描かれない。例えば、本開示の実施形態の理解の改善に役立つために、図内の要素のいくつかの寸法は、他の要素に対して誇張されてよい。異なる図における同じ参照番号は、同じ要素を示す。
【0014】
説明内および請求項内の、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」等の用語は、もしあれば、類似する要素の区別に使用され、必ずしも特定の逐次的または経時的順序の記載に使用されない。そのように使用される用語は、適切な状況下では交換可能であり、よって、本明細書に記載される実施形態は、例えば、本明細書に例証されるまたは他の方法で記載されるものとは異なる順序で操作可能である。さらに、「含む」および「有する」という用語ならびにそれらの任意の変化形は、非排他的包含を網羅することが意図され、よって、要素の一覧を含む、プロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置が、それらの要素に必ずしも限られず、明示的に列記されない、または、かかるプロセス、方法、システム、物品、デバイス、もしくは装置に固有の他の要素を含んでよい。
【0015】
説明内および請求項内の、「左」、「右」、「前」、「後」、「上部」、「下部」、「〜の上」、「〜の下」等の用語は、もしあれば、説明目的に使用され、必ずしも永久相対位置を説明するために使用されない。そのように使用される用語は、適切な条件下では交換可能であり、よって、本明細書に記載される装置、方法、および/または製造物品の実施形態は、例えば、本明細書に例証されるまたは他の方法で記載されるものとは別の配向で操作可能である。
【0016】
「連結」、「連結される」、「連結する」、「連結すること」等の用語は、広範に理解されるべきであり、2つ以上の要素を機械的にまたは別の方法で接続することを指す。連結(機械的または別の方法に関わらず)は、任意の長さの時間、例えば、永久もしくは半永久、または瞬間のみ、であってよい。
【0017】
「連結」等の語の近くの「取り外し可能に」、「取り外し可能」等の語の欠如は、対象の該結合等が、取り外し可能であること、または取り外し可能でないことを意味するものではない。
【0018】
ここで定義されるように、2つ又はそれ以上の要素は、それらが同一の材料で構成されているとき、「一体」である。ここで定義されるように、2つ又はそれ以上の要素は、各々が異なる材料で構成されているとき、「非一体」である。
【0019】
1つの例では、ゴルフ・クラブ・ヘッドは、ストライクプレート、ロフト平面、および、ソールを備えることが可能である。ストライクプレートは、ストライクフェース、および、ストライクフェースの反対側のバックフェースを含む。ロフト平面は、ストライクフェースによって画定される。ソールは、ストライクプレートに連結されている。ソールは、外側ソール表面、外側ソール表面の反対側の内側ソール表面、ソール・フロント・セクション、および、ソール・リア・セクションを含む。また、ゴルフ・クラブ・ヘッドは、チューニング・エレメント、および、ポート構造部を含むことが可能である。ポート構造部は、バックフェースおよびソールによって画定されており、ポート構造部のポート周囲部の中にチューニング・エレメントを受け入れるように構成されている。ポート・リブ壁部は、ロフト平面に対して実質的に非直交であることが可能である。ストライクフェースは、ストライクフェース中心点を備えており、バックフェースは、ストライクフェース中心点の反対側のバックフェース中心点を備えている。ポート・リブ壁部は、バックフェースに沿って、バックフェース中心点の6mm以内に延在することが可能である。ポート構造部は、ポート・ベース、ポート・リブ壁部、および、ポート・トレンチを含むことが可能である。ポート・ベースは、バックフェースにあり、ポート周囲部によって限界を定められている。ポート・リブ壁部は、バックフェースから突出されており、ポート周囲部に沿って、ポート・ベースの上側セクションの境界を定めている。ポート・トレンチは、ソールの中へ延在する。ポート・トレンチは、トレンチ・フロント壁部、トレンチ・ボトム壁部、および、トレンチ・リア壁部を含むことが可能である。トレンチ・フロント壁部は、ストライクプレートのバックフェースにおいて、ポート・ベースの下側セクションによって画定されている。トレンチ・ボトム壁部は、ソール・フロント・セクションにあり、トレンチ・フロント壁部に連結されており、ポート周囲部に沿って、ポート・ベースの下側セクションの境界を定めている。トレンチ・リア壁部は、トレンチ・フロント壁部の反対側のトレンチ・ボトム壁部に連結されており、ソール・フロント・セクションとソール・リア・セクションとの間で、ソールをさらに分割している。ゴルフ・クラブ・ヘッドがグランド表面に対してアドレス位置にあるときに、トレンチ・ボトム壁部は、内側ソール表面に沿う、ソール・リア・セクションの任意の点よりもグランド平面に近い。トレンチ・ボトム壁部とトレンチ・リア壁部との間のトレンチ・ボトム・リア角は、トレンチ・ボトム壁部とトレンチ・フロント壁部との間のトレンチ・ボトム・フロント角よりも大きいことが可能である。チューニング・エレメントが、ポート・ベースに対して着座させられ、ポート・リブ壁部によって拘束されているとき、少なくともトレンチ・リア壁部の大部分が、チューニング・エレメントから切り離されていることが可能である。チューニング・エレメントは、枢動位置から固定位置へ、トレンチ・ボトム壁部に沿って枢動可能であり得る。固定位置においては、チューニング・エレメントのチューニング・エレメント・フロント・エンドが、ポート・ベースに接触することが可能であり、チューニング・エレメント・トップ・エンドが、ポート・リブ壁部によって拘束され得る。
【0020】
1つの例では、ゴルフ・クラブ・ヘッドを提供するための方法は、ストライクプレートを提供するステップ、および、ソールを提供するステップを含むことが可能である。ストライクプレートは、ストライクフェース、および、ストライクフェースの反対側のバックフェースを含む。ソールは、ストライクプレートに連結されており、外側ソール表面、外側ソール表面の反対側の内側ソール表面、ソール・フロント・セクション、および、ソール・リア・セクションを含む。方法はさらに、ポート構造部を提供するステップ、および、チューニング・エレメントをポート構造部に連結するステップを含むことが可能である。ポート構造部は、バックフェースおよびソールによって画定されており、ポート構造部のポート周囲部の中にチューニング・エレメントを受け入れるように構成されている。ポート構造部は、ポート・ベース、ポート・リブ壁部、および、ポート・トレンチを含むことが可能である。ポート・ベースは、バックフェースにあり、ポート周囲部によって限界を定められている。ポート・リブ壁部は、バックフェースから突出されており、ポート周囲部に沿って、ポート・ベースの上側セクションの境界を定めている。ポート・トレンチは、ソールの中へ延在する。ポート・トレンチは、トレンチ・フロント壁部、トレンチ・ボトム壁部、および、トレンチ・リア壁部を含むことが可能である。トレンチ・フロント壁部は、ストライクプレートのバックフェースにおいて、ポート・ベースの下側セクションによって画定されている。トレンチ・ボトム壁部は、ソール・フロント・セクションにあり、トレンチ・フロント壁部に連結されており、ポート周囲部に沿って、ポート・ベースの下側セクションの境界を定めている。トレンチ・リア壁部は、トレンチ・フロント壁部の反対側のトレンチ・ボトム壁部に連結されており、ソール・フロント・セクションとソール・リア・セクションとの間で、ソールをさらに分割している。トレンチ・リア壁部は、トレンチ・フロント壁部に対して非平行であることが可能である。ポート・リブ壁部は、ストライクフェースによって画定されるロフト平面に対して実質的に非直交であることが可能である。
【0021】
一実施形態では、ゴルフ・クラブ・ヘッドは、(1)ストライクプレートであって、ストライクプレートは、ストライクフェース、および、ストライクフェースの反対側のバックフェースを含む、ストライクプレートと、(2)ストライクプレートに連結されているソールであって、ソールは、外側ソール表面、外側ソール表面の反対側の内側ソール表面、ソール・フロント・セクション、および、ソール・リア・セクションを含む、ソールと、(3)バックフェースおよびソールによって画定されているポート構造部であって、ポート構造部は、ポート構造部のポート周囲部の中にチューニング・エレメントを受け入れるように構成されている、ポート構造部と、を含むことが可能である。ポート構造部は、ポート・ベース、ポート・リブ壁部、および、ポート・トレンチを含むことが可能である。ポート・ベースは、バックフェースにあり、ポート周囲部によって限界を定められている。ポート・リブ壁部は、バックフェースから突出されており、ポート周囲部に沿って、ポート・ベースの上側セクションの境界を定めている。ポート・トレンチは、ソールの中へ延在する。ポート・トレンチは、トレンチ・フロント壁部、トレンチ・ボトム壁部、および、トレンチ・リア壁部を含むことが可能である。トレンチ・フロント壁部は、ストライクプレートのバックフェースにおいて、ポート・ベースの下側セクションによって画定されている。トレンチ・ボトム壁部は、ソール・フロント・セクションにあり、トレンチ・フロント壁部に連結されており、ポート周囲部に沿って、ポート・ベースの下側セクションの境界を定めている。トレンチ・リア壁部は、トレンチ・フロント壁部の反対側のトレンチ・ボトム壁部に連結されており、ソール・フロント・セクションとソール・リア・セクションとの間で、ソールをさらに分割している。トレンチ・ボトム壁部は、トレンチ・リア壁部のトップ・エンドよりも外側ソール表面により近いことが可能である。
【0022】
他の例および実施形態が、本明細書でさらに開示されている。そのような例および実施形態は、図、特許請求の範囲、および/または本明細書の中に見出すことが可能である。
【0023】
図面を見てみると、
図1は、ポート構造部1300の中に固定されたチューニング・エレメント1500を含むクラブ・ヘッド1000の背面図を図示している。
図2は、
図1のラインII−IIに沿って、(チューニング・エレメント1500がポート構造部1300の中に挿入されていない)クラブ・ヘッド1000の断面図を図示している。さらに詳細には、
図7は、
図2の一部分をズームインした図を図示しており、クラブ・ヘッド1000のポート構造部1300に焦点を当てている。
図3は、チューニング・エレメント1500なしのゴルフ・クラブ・ヘッド1000の背面図を図示している。クラブ・ヘッド1000は、本実施形態では、アイアン・クラブ・ヘッドからなるが、他の例が存在する可能性もあり、他の例では、ポート構造部1300と同様のポート構造部が、本開示の範囲から逸脱することなく実装される。本例では、クラブ・ヘッド1000は、ストライクフェース2110およびバックフェース1120を互いに反対側に有するストライクプレート1100と、ストライクプレート1100に連結されているソール1200とを含む。本例では、ソール1200およびストライクプレート1100は、単一ピースの材料からなるが、他の実施形態が存在する可能性もあり、他の実施形態では、ストライクプレート1100が、ソール1200および/またはゴルフ・クラブ・ヘッド1000の本体部に締結される別々のピースの材料であることが可能である。
【0024】
ソール1200は、クラブ・ヘッド1000のボトムに面する外側ソール表面1210と、外側ソール表面1210の反対側の内側ソール表面2220とを含む。また、ソール1200は、ストライクプレート1100に向かうソール・フロント・セクション2230と、クラブ・ヘッド1000のリア・エンドに向かうソール・リア・セクション1240とを含む。本例では、ソール1200は、ポート構造部1300の一部を画定しており、ポート構造部1300は、また、ストライクフェース1100のバックフェース1120によっても画定されている。ソール1200は、1つまたは複数の材料を含むことが可能であり、スチール、炭素鋼、ステンレス鋼、および/もしくはスチール合金のような鉄材料、ならびに/または、チタン、タングステン、および/もしくはアルミニウムのような非鉄材料を含むことが可能である。いくつかの例では、ソール1200の材料は、おおよそ2.8g/cc(グラム毎立方センチメートル)からおおよそ18g/ccの密度を備えることが可能である。
【0025】
ポート構造部1300は、ポート周囲部1390の中にチューニング・エレメント1500を受け入れて固定するように構成されている。チューニング・エレメント1500は、本例では、ウェイトを含み、ウェイトは、ストライクプレート1100を強化するように構成されており、望まれない衝撃振動を最小化し、および/または、組み立ての間にゴルフ・クラブ・スイングウェイトを確立または調節することが可能である。チューニング・エレメント1500は、おおよそ1グラムからおおよそ40グラムの質量、および、おおよそ1g/ccからおおよそ9g/ccの密度を有することが可能である。チューニング・エレメント1500の密度は、本実施形態では、ソール1200の中の1つまたは複数の材料の密度よりも小さい。しかし、他の実施形態が存在する可能性もあり、他の実施形態では、チューニング・エレメント1500の密度は、望まれる場合には、ソール1200の中の1つまたは複数の材料の密度以上であることが可能である。
【0026】
本実施形態では、ポート構造部1300は、ストライクプレート1100のバックフェース1120においてポート・ベース2320を含み、ポート・ベース2320は、ポート周囲部1390によって限界を定められ、また、チューニング・エレメント1500がポート構造部1300によって固定されるときに、チューニング・エレメント1500のチューニング・エレメント・フロント・エンド2530を受け入れるように構成されている。本例では、ポート・ベース2320は、バックフェース1120の一部からなるが、他の実施形態が存在する可能性もあり、他の実施形態では、ポート・ベース2320およびバックフェース1120が、別々のピースであることが可能であり、それらは、溶接、ろう付け、接着、および/または、他の機械的なもしくは化学的な締結具などを介して一緒に連結される。
【0027】
また、ポート構造部1300は、ポート・リブ壁部1310およびポート・トレンチ2330を含み、ポート・トレンチ2330は、ポート周囲部1390の周りでポート・ベース2320の境界を定めている。ポート・リブ壁部1310は、バックフェース1120から突出しており、ポート周囲部1390に沿って、ポート・ベース2320の上側セクションの境界を定めている。本例では、ポート・リブ壁部1310が、ストライクプレート1100と一体であり、ストライクプレート1100と単一のピースを構成しているが、他の例が存在する可能性もあり、他の例では、ポート・リブ壁部1310が別々のピースであることが可能であり、それらは、溶接、ろう付け、接着、および/または、他の機械的なもしくは化学的な締結具などを介して、バックフェース1120に連結される。
【0028】
ポート構造部1300は、ポート・トレンチ2330をさらに含み、ポート・トレンチ2330は、外側ソール表面1210に向かってソール1200の中へ延在するように構成されており、チューニング・エレメント1500が、ポート構造部1300によって、クラブ・ヘッド1000のボトム・エンドのより近くに位置付けおよび固定され得るようになっている。ポート・トレンチ2330は、トレンチ・ボトム壁部2331を含み、トレンチ・ボトム壁部2331は、ポート周囲部1390に沿って、ポート・ベース2320の下側セクションの境界を定めており、トレンチ・ボトム壁部2331は、ストライクプレート1100のバックフェース1120に隣接して、ソール・フロント・セクション2230に位置付けされている。また、ポート・トレンチ2330は、トレンチ・フロント壁部2332およびトレンチ・リア壁部2333を含み、トレンチ・フロント壁部2332およびトレンチ・リア壁部2333は、それぞれ、トレンチ・ボトム壁部2331の反対側にある。本例では、トレンチ・フロント壁部2332は、ポート・ベース2320の下側セクションによって画定されており、ポート・ベース2320は、上記に説明されているように、ストライクプレート1100のバックフェース1120の一部であることが可能である。トレンチ・リア壁部2333は、トレンチ・フロント壁部2332の反対側に、ポート・ベース2320から離れて位置付けされており、トレンチ・リア壁部2333は、ソール・フロント・セクション2230とソール・リア・セクション1240との間でソール1200をさらに分割することが可能である。
【0029】
図2に見ることができるように、トレンチ・フロント壁部2332およびトレンチ・リア壁部2333は、トレンチ・ボトム壁部2331に対して角度が付けられており、クラブ・ヘッド1000のトップ・エンドに向けてトレンチ・ボトム壁部2331から延在している。したがって、トレンチ・ボトム壁部2331は、トレンチ・リア壁部2333およびトレンチ・フロント壁部2332のトップ・エンドよりも、外側ソール表面1210により近い。
【0030】
ソール1200は、ソール・フロント・セクション2230のソール・トレンチ厚さ2231を備えており、ソール・トレンチ厚さ2231は、外側ソール表面1210とトレンチ・ボトム壁部2331との間で測定される。いくつかの例では、ソール・トレンチ厚さ2231は、おおよそ1.0mm(ミリメートル)からおおよそ5.1mmであることが可能である。また、ソール1200は、ソール・リア・セクション1240においてソール最大厚さ2241を備えており、ソール最大厚さ2241は、外側ソール表面1210と内側ソール表面2220との間で測定される。同じ例または他の例では、ソール最大厚さ2241は、おおよそ2.5mmからおおよそ11mmであることが可能である。また、ソール最大厚さ2241がソール・トレンチ厚さ2231よりも少なくともおおよそ125%大きいことが可能な例も存在する可能性がある。
【0031】
図7に見られるように、ポート・トレンチ2330は、ポート・トレンチ高さ2335およびポート・トレンチ幅2336も含む。ポート・トレンチ高さ2335は、トレンチ・ボトム壁部2331の最下点とトレンチ・リア壁部2333のトップ・エンドとの間で測定され得、一方、ポート・トレンチ幅2336は、トレンチ・フロント壁部2332とトレンチ・リア壁部2333のトップ・エンドとの間で測定され得る。本例では、ポート・トレンチ高さ2335は、おおよそ0.75mmからおおよそ6.0mmであることが可能である。加えて、ポート・トレンチ幅2336は、おおよそ5.0mmからおおよそ18mmのものであることが可能である。同じ例または他の例では、ポート・トレンチ2330の体積は、おおよそ0.5cc(立方センチメートル)からおおよそ8ccのものであることが可能である。
【0032】
ソール・トレンチ厚さ2231、ソール最大厚さ2241、ポート・トレンチ高さ2335、ポート・トレンチ幅2336、および/または、ポート構造部1300の異なる特徴に関する他の測定値は、垂直方向の中心面1950(
図1)に沿って測定され得、垂直方向の中心面1950は、ラインII−IIからなり、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000は、
図2の視点のために、ラインII−IIに沿って断面化されている。垂直方向の中心面1950は、グランド平面1910およびロフト平面2930に対して直交しており、ストライクフェース2110のストライクフェース中心点2111を通って延在しており、ポート構造部1300のポート・トレンチ2330を通って延在している。
【0033】
いくつかの実施形態では、クラブ・ヘッド1000がグランド表面1910に対してアドレス位置にあるときに、トレンチ・ボトム壁部2331は、内側ソール表面2220に沿う、ソール・リア・セクション1240の任意の他の点よりもグランド平面1910に近い。そのような例では、アドレス位置は、
図1〜
図5に示されているようなものであることが可能であり、クラブ・ヘッド1000のホーゼル軸1920は、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000の背面図(
図1)に関して、グランド平面1910と60度の角度であることが可能であり、ホーゼル軸1920は、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000の側面図(
図2)に関して、グランド表面1910に対して実質的に直交することが可能である。
【0034】
ポート構造部1300に関して上記に説明され、そのポート・トレンチ2330を有する構成は、クラブ・ヘッド1000に関していくつかの性能改善を可能にすることができ、それは、チューニング・エレメント1500が外側ソール表面1210および/もしくはグランド平面1910のより近くに位置付けされることを可能にすることなどによって、ならびに/または、いくらかのソール質量(それは、そうでなければ、ポート・トレンチ2330を充填することとなる)が、より良好な性能のために、クラブ・ヘッド1000の全体を通して再分配されることを可能にすることなどによって行われる。たとえば、ポート・トレンチ2330は、ソール・フロント・セクション2230において、ストライクプレート1100のバックフェース1120に隣接して位置付けされているので、ポート・トレンチ2330から再分配されたソール質量は、そうでなければ、クラブ・ヘッド1000のヘッド重心2710をストライクフェース2110に向けてシフトさせる傾向があったであろう。したがって、ポート・トレンチ2330から除去または再分配されるソール質量は、増加したダイナミック・ロフト角および発射角のために、ストライクフェース2110に対してさらに後方へヘッド重心2710を位置付けすることが可能である。
【0035】
同じ例または他の例では、
図5に見られるように、チューニング・エレメント1500がポート・トレンチ2330の中に少なくとも部分的に位置付けされることを可能にすることによって、チューニング・エレメント1500の重心2570は、ポート・トレンチ2330が、そうでなく、ソール1200からの質量で充填されたままであった場合よりも、外側ソール表面1210に近く位置付けされ得る。そして、そのようなチューニング・エレメント1500のより低い設置は、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000がアドレス位置にあるときに、ヘッド重心2710が、より低下させられ、および、グランド平面1910により近くになることを引き起こし、それによって、ストライクフェース2110とボール2800との間のインパクト時のギヤ効果2810を増加させ、ボール2800のバックスピンを減少させ、ゴルフ・ショット距離を増加させる。
【0036】
そのうえ、チューニング・エレメント1500がトレンチ2330によって支持されているので、追加的なボトム・サポート・リブ壁部が、チューニング・エレメント・ボトム・エンド2510を支持するために必要とされず、それによって、質量を節減し、その質量は、ポート・トレンチ2330から排除されるソール1200からの質量とともに、増加した慣性モーメントおよびゴルフ・ショットに対する許容性(forgiveness)のために、クラブ・ヘッド1000のヒール・エンドまたはトウ・エンドに向けて再分配され得、ゴルフ・ボール2800は、中心を外れた様式でストライクフェース2110に接触する。いくつかの例では、ポート・トレンチ2330の体積から排除されるソール1200の質量に起因して、および/または、上記に説明されているようなボトム・サポート・リブ壁部の排除に起因して、ポート構造部1300の実装形態は、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000にわたる再分配に関して、おおよそ1グラムからおおよそ15グラムの質量を解放し、性能を改善することが可能である。
【0037】
いくつかの実施形態では、上記に説明されているポート構造部1300の実装形態は、ソール1200のソール深さ2250(
図2)が縮小されることを可能にすることもできる。たとえば、ポート構造部1300は、質量の再位置決めを可能にし、質量は、そうでなければ、ソール・リア・セクション1240の後方に向けて、ストライクプレート1100とソール1200との間の移行部の近位に位置付けされることとなる。したがって、ポート構造部1300の構成は、クラブ・ヘッド1000の後方に向けて再分配され得る自由裁量的な(discretionary)質量を解放する。このように質量を再位置決めする能力は、ヘッド重心2710を調節することに対して大きい効果を有することが可能である。通常は、ポート・トレンチ2330の中におよび/またはストライクフェース2110の近くに位置付けされることとなる質量、ならびに、ヘッド重心2710を前方へ引き出すこととなる質量は、その代わりに、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000の後方に向けて再位置決めされ、ヘッド重心2710を後ろへ引き出すことが可能である。したがって、ヘッド重心2710に関して同様のまたは改善した場所を依然として示しながら、ソール深さ2250が、ポート構造部1300および/またはポート・トレンチ2330が欠如している対応するより幅広のソールのものよりも縮小されるように、ソール1200は構成され得る。
【0038】
本例では、ソール深さ2250は、垂直方向の中心面1950(
図1;
図2の断面を画定している)に沿って測定され得、アドレス位置にあるクラブ・ヘッド1000は、
図2の側面図に関して、グランド表面1910に対して実質的に直交するホーゼル軸1920を有している。そのような構成では、ソール深さ2250は、クラブ・ヘッド1000のフロント・エッジからソール1200のリア・エンドへ、垂直方向の中心面1950に沿って、グランド表面1910に対して平行に測定され得る。また、ソール深さ2250が、上記に説明されているように測定され得るが、その代わりに、垂直方向の中心面1950に対して平行な垂直方向の平面に沿って測定され得る例が存在する可能性があり、そのような垂直方向の平面は、ポート構造部1300のポート・トレンチ2330を通って、クラブ・ヘッド1000のフロント・エッジからソール1200のリア・エンドへの間の最も幅の広い距離に沿って、延在することが可能である。ソール深さ2250は、本例では、おおよそ23mmであることが可能であり、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000の本体部は、7番アイアンのものであることが可能である。しかし、同じ例または他の例では、ソール深さ2250は、おおよそ16mmからおおよそ33mmであることが可能である。
【0039】
また、いくつかの実施形態では、ストライクプレート1100の厚さは、それが測定される場所に応じて変動することが可能であり、そのような変動は、より良好な強度および/またはインパクト音の考慮事項のために必要とされるときに、ストライクフェース2110の特定の部分の強化を可能にすることができる。本例では、ストライクプレート1100は、ポート・リブ壁部1310の下方において、ストライクフェース2110とポート・ベース2320との間で、ストライクプレート厚さ2160を備えており、また、ポート・リブ壁部1310の上方において、ストライクフェース2110とバックフェース1120との間で、ストライクプレート厚さ2170をさらに備えている。本実装形態では、ストライクプレート厚さ2160は、おおよそ2.9mmであり、一方、ストライクプレート厚さ2170は、おおよそ1.9mmであるが、他の例が存在する可能性もあり、他の例では、ストライクプレート厚さ2160および/またはストライクプレート厚さ2170は、おおよそ5.7mmからおおよそ1.1mmのものであることが可能である。
図2に見られるように、本実装形態では、ストライクプレート厚さ2160は、ストライクプレート厚さ2170よりも大きい。ストライクプレート厚さ2160のそのような余剰の厚さは、ゴルフ・インパクトの間にピーク応力を受けるストライクプレート1100の領域を強化するように構成され得、それは、硬度(consistency)および耐久性を改善するのを助けることが可能である。しかし、他の例が存在する可能性もあり、他の例では、ストライクプレート1100のストライクプレート厚さ2160および2170は、互いに実質的に等しいことが可能であり、または、ストライクプレート厚さ2170が、ストライクプレート厚さ2160よりも大きいことが可能である。
【0040】
ポート構造部1300の構成は、ゴルフ・ボールをインパクトするときにストライクプレート1100によって経験されるインパクト撓みの量を低減させることが可能である。たとえば、ポート構造部1300は、チューニング・エレメント1500がソール1200の上でより低い高さに位置決めされることを可能にし、したがって、ポート・リブ壁部1310が、より良好な構造的支持のために、バックフェース1120のヒール部分およびトウ部分に向かって、ソール1200と連結することを可能にする。そのうえ、また、ポート・リブ壁部1310は、衝撃応力に対して改善した抵抗のために、下記に説明されているように角度が付けられ得る。そのような性質に起因して、ストライクプレート1100の全体厚さは、性能または構造的一体性に影響を与えることなく、低減されることとなる。
【0041】
図2に見ることができるように、クラブ・ヘッド1000は、ロフト直交軸線2931を含み、ロフト直交軸線2931は、ロフト平面2930に対して直交しており、ポート・リブ壁部1310とバックフェース1120との間の接合部で交差している。本例では、ポート・リブ壁部1310は、ストライクフェース2110のロフト平面2930に対して非直交である。とりわけ、ポート・リブ壁部1310とロフト直交軸線2931との間のポート・リブ角2311は、本例では、おおよそ25度であるが、同じ例または他の例では、おおよそ10度からおおよそ40度であることが可能である。ロフト平面2930に対して非直交にポート・リブ壁部1310に角度を付けることは、ポート・リブ壁部1310が、ストライクフェース2110における衝撃応力をより良好に吸収または消散すること、および/または、ボール2800とのインパクトにおけるクラブ・ヘッドの方向に関してストライクプレート1100をより良好に強化することを可能にすることができ、それによって、耐久性または強度の考慮事項を損なうことなく、ストライクプレート厚さ2160および/または2170をさらに縮小することを可能にする。いくつかの実施形態では、ポート・リブ壁部1310は、ストライクフェース2110のターゲット・インパクト領域の実質的に反対側に、バックフェース1120に沿って延在することが可能である。たとえば、本例では、ポート・リブ壁部1310が、
図2の断面に見られるように垂直方向の中心面1950(
図1)と交差する場合に、ポート・リブ壁部1310は、ストライクフェース中心点2111の反対側のバックフェース1120の中心点の近位にある。いくつかの例では、ポート・リブ壁部1310は、バックフェース1120に沿って、バックフェース1120の中心点の6mm以内に延在することが可能である。
【0042】
いくつかの例では、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000がグランド平面1910の上方でアドレス位置にあるときに、ポート・リブ壁部1310は、グランド平面1910に対して実質的に平行であることが可能であり、および/または、グランド平面1910に対して平行である状態の±35度以内にあることが可能である。また、ゴルフ・ボール2800とのインパクトにおけるゴルフ・クラブ・ヘッド1000に関して、ポート・リブ壁部1310が、ターゲット・インパクト・ヘッド方向2010に対して角度が付けられている例が存在する可能性もある。たとえば、ターゲット・インパクト・ヘッド方向2010は、いくつかの例では、グランド平面1910に対して実質的に平行であることが可能であり、または、そうでなければ、ユーザーのゴルフ・スイングのダウンスイングまたはアップスイングの間に、ターゲット・ユーザーがゴルフ・ボール2800をインパクトすることが期待されるかどうかに基づいて、角度が付けられ得る。たとえば、ターゲット・インパクト・ヘッド方向2010は、グランド平面1910に対して、おおよそ−45度からおおよそゼロ度のダウンスイング方向角を備えることが可能であり、または、グランド平面1910に対して、おおよそゼロ度からおおよそ15度のアップスイング方向角を備えることが可能である。ポート・リブ壁部1310は、ターゲット・インパクト・ヘッド方向2010に対して実質的に平行に角度が付けられ得、および/または、ターゲット・インパクト・ヘッド方向2010に対して平行である状態の±45度以内にあることが可能である。
【0043】
図2、
図4、および
図5に見ることができるように、ポート構造部1300は、枢動メカニズムを含み、枢動メカニズムは、ポート・リブ壁部1310からの干渉なしに、ポート・トレンチ2330の中へのチューニング・エレメント1500の挿入を可能にするように設計されている。たとえば、
図2は、ポート・リブ壁部1310が、どのように、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000のリア・エンドに向けて、ポート・リブ壁部リア・エンド2312を含むかということ、および、トレンチ・リア壁部2333が、どのように、トレンチ・フロント壁部2332に対して非平行であり、その代わりに、ポート・トレンチ2330の中へのチューニング・エレメント・ボトム・エンド2510のアプローチを促進させるように角度が付けられているかということを示している。
図7に見られるように、ポート・トレンチ2330は、トレンチ・ボトム壁部2331とトレンチ・フロント壁部2332との間にボトム・フロント角2337を備えており、また、トレンチ・ボトム壁部2331とトレンチ・リア壁部2333との間にボトム・リア角2338を備えており、ボトム・リア角2338は、ボトム・フロント角2337よりも大きく、それによって、チューニング・エレメント1500がポート・トレンチ2330の中へ挿入されるときにポート・リブ壁部リア・エンド2312を通過することとなる角度付きのアプローチを可能にする。また、いくつかの例では、ポート・トレンチ2330のボトム・リア角2338は、トレンチ・リア壁部2333を挿入軸線2940に対して実質的に平行に設定することが可能であり、挿入軸線2940に沿って、チューニング・エレメント1500は、ポート・リブ壁部1310によって遮られずに、ポート・トレンチ2330の中へ挿入され得る。
図2は、チューニング・エレメント1500を示しており、チューニング・エレメント1500は、ゴルフ・クラブ・ヘッド1000から依然として切り離されているが、ポート構造部1300の中への挿入のために、挿入軸線2940に沿って並べられている。
【0044】
図4は、枢動位置において、ポート構造部1300に連結されているチューニング・エレメント1500を示しており、チューニング・エレメント・ボトム・エンド2510は、挿入軸線2940に沿って挿入された後に、トレンチ・ボトム壁部2331に到達している。
図4に示されている枢動位置は、チューニング・エレメント・トップ・エンド2520を含むチューニング・エレメント1500が、どのように、挿入軸線2940を介した挿入によって、ポート・リブ・リア・エンド2312を通過したかということを図示しており、チューニング・エレメント・トップ・エンド2520が、ポート・リブ壁部1310よりもソール1200により近くなっている。本例では、挿入軸線2940は、トレンチ・ボトム壁部2331から延在しており、ポート・リブ壁部1310またはトレンチ・リア壁部2333を横断することなく、リブ壁部1310を通り過ぎる。
【0045】
図5は、チューニング・エレメント1500を示しており、チューニング・エレメント1500は、トレンチ・ボトム壁部2331に沿って、ポート構造部1300に対して枢動された後に、固定位置で、ポート構造部1300に連結されており、チューニング・エレメント・フロント・エンド2530が、ポート・ベース2320と接触するようになっており、また、チューニング・エレメント・トップ・エンド2520が、ポート・リブ壁部1310によって拘束されるようになっている。
図5に見ることができるように、上記に説明されている枢動メカニズムに起因して、チューニング・エレメント1500が、固定位置で、ポート構造部1300に連結されているときには、トレンチ・リア壁部2333のトップ・エンドを含む、トレンチ・リア壁部2333の大部分は、チューニング・エレメント2500から切り離されているままであり、一方、チューニング・エレメント2500はポート構造部1300の中に固定されている。
【0046】
図6は、方法6000のためのフローチャートを図示しており、方法6000は、本開示によるゴルフ・クラブ・ヘッドを提供し、形成し、および/または製造するために使用することが可能である。いくつかの例では、ゴルフ・クラブ・ヘッドは、上記に提示されているゴルフ・クラブ・ヘッド1000(
図1〜
図5)と同様であることが可能である。
【0047】
方法6000は、ゴルフ・クラブ・ヘッドのストライクプレートを提供するためのブロック6100を含む。いくつかの例では、ストライクプレートは、ストライクプレート1100(
図1〜
図5)と同様であることが可能である。ストライクプレートは、ストライクフェース中心点2111(
図2)と同様のストライクフェース中心点を含むことが可能である。いくつかの例では、ストライクフェース中心点は、ストライクフェースのトップ・エンドとボトム・エンドとの間の中間点において、および/または、ストライクフェースのトウ・エンドとヒール・エンドとの間の中間点において、ストライクフェースの幾何学的な中心点に位置付けされ得る。同じ例または他の例では、ストライクフェース中心点は、全米ゴルフ協会(USGA)などのようなゴルフ管理機関の定義にしたがって位置付けされ得る。たとえば、ストライクフェース中心点は、ゴルフ・クラブ・ヘッドのフレキシビリティを測定するためのUSGAの手順のセクション6.1にしたがって決定することが可能である(USGA−TPX3004,Rev.1.0.0,May1,2008)(http://www.usga.org/equipment/testing/protocols/Procedure−For−Measuring−The−Flexibility−Of−A−Golf−Club−Head/)。
【0048】
方法6000のブロック6200は、ゴルフ・クラブ・ヘッドのソールを提供することを含む。いくつかの例では、ソールは、ソール1200(
図1〜
図5)と同様であることが可能である。ソールおよびストライクプレートは、単一のピースの材料を含み得、したがって、一緒に形成されるときに、本質的に連結され得る。他の例では、ソールおよびストライクプレートは、別々のピースを含むことが可能であり、それらは、次いで、ブロック6200において一緒に連結される。
【0049】
また、方法6300は、ブロック6100のストライクフェースのバックフェースによって、および、ブロック6200のソールによって画定されるポート構造部を提供するための6300を含む。いくつかの例では、ポート構造部は、ポート構造部1300(
図1〜
図5)と同様であることが可能であり、また、ポート・ベース2320(
図2、
図4、
図5)、ポート・リブ壁部1310(
図2、
図4、
図5)、および/もしくはポート・トレンチ2330(
図2、
図4、
図5)などのような、または、それらと同様の特徴を含むことが可能である。
【0050】
また、方法6000は、チューニング・エレメントをポート構造部に連結させるためのブロック6400を含むことが可能である。いくつかの例では、チューニング・エレメントは、チューニング・エレメント1500(
図1〜
図5)と同様であることが可能である。同じ例または他の例では、チューニング・エレメントは、チューニング・エレメント1500(
図1〜
図5)をポート構造部1300(
図1〜
図5)に連結させることに関して上記に説明されているように、ブロック6300のポートに連結され得る。たとえば、チューニング・エレメントは、ポート構造部の任意のポート・リブ壁部によって遮られずに、ポート構造部のポート・トレンチにおける枢動位置へ、挿入軸線に沿って挿入され得る。次いで、チューニング・エレメントは、ポート構造部における固定位置へ、ポート・トレンチに沿って枢動させられ得る。いくつかの実施形態では、枢動位置は、
図4に関して上記に説明されているものと同様であることが可能である。同じ実施形態または他の実施形態では、枢動位置は、
図5に関して上記に説明されているものと同様であることが可能である。チューニング・エレメントは、チューニング・エレメントとポート構造部のポート・リブ壁部および/もしくはポート・トレンチとの間の摩擦力および/もしくは接着剤などのような、ならびに/または、チューニング・エレメントをポート構造部の1つもしくは複数の特徴部に取り付ける機械的な締結具などのような、1つまたは複数のメカニズムを介して、固定位置に維持され得る。同じ例または他の例では、チューニング・エレメントは、ポート構造部における固定位置から除去可能であり得、および/または、1つまたは複数の他のチューニング・エレメントと取り換え可能であり得る。
【0051】
いくつかの例では、方法6000の異なるブロックの1つまたは複数は、単一のブロックへと組み合わせることが可能であり、もしくは同時に行うことが可能であり、および/または、そのようなブロックのシーケンスを変化させることが可能である。たとえば、ブロック6100、6200、および/または6300は、いくつかの実施形態では、組み合わせるか、または同時に行うことが可能である。同じ例または他の例では、方法6000のブロックのいくつかは、いくつかのサブブロックへとさらに分割され得る。たとえば、ブロック6400は、チューニング・エレメントをポート構造部によって枢動位置へ挿入するためのサブブロック、および、チューニング・エレメントをポート構造部によって固定位置へ枢動させるための別のサブブロックへとさらに分割され得る。また、方法6000がさらなるブロックまたは異なるブロックを含むことが可能である例が存在する可能性もある。例として、方法6000は、ゴルフ・クラブシャフトをゴルフ・クラブ・ヘッドに提供または連結するための別のブロックを含むことが可能である。加えて、方法6000が上記に説明されているブロックの一部だけを含むことが可能である例が存在する可能性もある。たとえば、ブロック6400は、チューニング・エレメントが必要とされないかもしくは望まれない状況、または、チューニング・エレメントをポート構造部に連結するかどうかの決定がプレイヤーもしくはエンド・ユーザーに委ねられている状況などのような、いくつかの実装形態では、随意的であることが可能である。他の変形例は、本開示の範囲から逸脱することなく、方法6000のために実装され得る。
【0052】
ポート構造部を備えるゴルフ・クラブ・ヘッド、チューニング・エレメント、および関連の方法が、特定の実施形態を参照して、本明細書で説明されてきたが、本開示の趣旨はたは範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことが可能である。たとえば、上記の例は、アイアン・タイプのゴルフ・クラブに関連して説明されているかもしれないが、本明細書で説明されている製造の装置、方法、および製品は、フェアウェイ・ウッド・タイプのゴルフ・クラブ、ハイブリッド・タイプのゴルフ・クラブ、ドライバー・タイプのゴルフ・クラブ、ウェッジ・タイプのゴルフ・クラブ、またはパター・タイプのゴルフ・クラブなどのような、他のタイプのゴルフ・クラブにも適用可能であり得る。代替的に、本明細書で説明されている製造の装置、方法、および製品は、ホッケー・スティック、テニス・ラケット、釣り竿、スキー・ポールなどのような、他のタイプのスポーツ器具にも適用可能であり得る。
【0053】
かかる変更および他の追加の実施例は、前述の説明において述べられた。様々な図面の特徴のうちの1つ以上を有する、異なる実施形態の他の順列が、同様に企図される。したがって、本明細書の明細書、請求項、および図面は、本開示の範囲の例示を意図し、制限することを意図するものではない。本出願の範囲は、添付の請求項により必要とされる程度にのみ限定され得る。
【0054】
本明細書に記載の、ポート構造部およびチューニング・エレメントを備えるゴルフ・クラブ・ヘッド、ならびに関連の方法は、様々な実施形態で実施され得、特定のこれらの実施形態の、前述の記述は、必ずしもすべての可能な実施形態の完全な説明を表すものではない。むしろ、図面の詳細な説明および図面自体は、少なくとも1つの好適な実施形態を開示し、代替の実施形態を開示し得る。
【0055】
任意の特定の請求項で請求される全ての要素は、その特定の請求項で請求される実施形態に必須である。結果的に、1つ以上の請求される要素の置換は、修正ではなく再構成を引き起こす。さらに、利益、他の利点、および問題への解決策は、具体的実施形態に関して記載されてきた。利益、利点、問題への解決策、および、任意の利益、利点、または解決策を、生じさせるまたはより明確にする、任意の要素または要素(複数)は、かかる利益、利点、解決策、または要素がかかる請求項において明示的に述べられない限り、請求項のいずれかまたはすべての、決定的、必要、または必須の特性または要素として解釈されるべきではない。
【0056】
ゴルフのルールが時折変更し得る(例えば、米国ゴルフ協会(USGA)、Royal and Ancient Golf Club of St.Andrews(R&A)等の、ゴルフ標準組織および/または管理組織によって、新しい規定が採用され得るまたは古いルールが削除または修正され得る)ため、本明細書に記載の装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ用品は、任意の特定の時間に、ルールに準拠するまたは準拠しないことがある。したがって、本明細書に記載する装置、方法、および製造物品に関連するゴルフ用品は、準拠または非準拠ゴルフ用品として、広告、売り出し、および/または販売され得る。本明細書に記載の装置、方法、および製造物品は、この点において限定されない。
【0057】
さらに、本明細書に開示の実施形態および限定は、実施形態および/または限定が、(1)請求項において明示的に請求されない、および(2)均等論下で、請求項において明示の要素および/または限定に同等であるまたは潜在的に同等である場合、均等論下で、公にささげられない。