特許第6346280号(P6346280)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6346280自動車のタイヤ空気圧監視システムにおける、ベイズ手法に基づく決定支援方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6346280
(24)【登録日】2018年6月1日
(45)【発行日】2018年6月20日
(54)【発明の名称】自動車のタイヤ空気圧監視システムにおける、ベイズ手法に基づく決定支援方法
(51)【国際特許分類】
   B60C 23/06 20060101AFI20180611BHJP
   G01M 17/02 20060101ALI20180611BHJP
【FI】
   B60C23/06 A
   G01M17/02
【請求項の数】9
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2016-530826(P2016-530826)
(86)(22)【出願日】2014年10月2日
(65)【公表番号】特表2017-501921(P2017-501921A)
(43)【公表日】2017年1月19日
(86)【国際出願番号】FR2014052501
(87)【国際公開番号】WO2015071559
(87)【国際公開日】20150521
【審査請求日】2017年9月13日
(31)【優先権主張番号】1361106
(32)【優先日】2013年11月14日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ピタ−ギル, ギジェルモ
(72)【発明者】
【氏名】サン−ループ, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ダヴィン−ヴァイダウラ, ジョアン
【審査官】 高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−210262(JP,A)
【文献】 特開2004−58998(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60C 23/06
G01M 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の車輪に取り付けられた少なくとも1つのタイヤの空気圧不良の出現を推定する方法であって、前記推定は、前記各車輪間の速度差の分析に基づく第1のアルゴリズムと、前記車輪の速度のスペクトル分析に基づく第2のアルゴリズムとによる、前記車輪の角速度の分析に由来し、前記第1及び第2のアルゴリズムのそれぞれは、各車輪に対して、空気圧不足確率値及び関連する信頼係数値を車輪速度範囲の関数として提供し、前記方法は、ベイズのアルゴリズムに基づく決定モジュールを用い、
− それぞれ、前記タイヤが空気圧不足の状態であるという認識と、前記タイヤが空気圧適正の状態であるという認識の下、前記車両の走行試験の間に各アルゴリズムから得られた、第1及び第2の、十分に大量のサンプリング値に基づいて、各アルゴリズム及び各車輪に関して、前記タイヤが空気圧不足である第1の状態及び前記タイヤが空気圧適正である第2の状態に相当する2つの既定の状態のそれぞれに対する、事前確率密度関数(C1、C2)を生成するステップと、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関して、前記生成された事前確率密度関数(C1、C2)に基づいて、リアルタイムで各アルゴリズムによって計測された現在の値の関数として、前記タイヤの空気圧不足状態及び前記タイヤの空気圧適正状態のそれぞれの事後確率値を計算するステップと、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関して、以前に計算された前記状態の前記事後確率値の間で実施された重みづけの関数として、状態の結果を決定するステップと、
− 空気圧不足警告信号のトリガーとなるように、各車輪及び各アルゴリズムに関して決定された前記状態の結果を組み合わせるステップを含むことを特徴とする、方法。
【請求項2】
前記事前確率密度関数の前記生成が、前記第1のアルゴリズムから得られた確率値及び関連する信頼係数値の各ペア、並びに、前記第2のアルゴリズムから得られた確率値及び関連する信頼係数値の各ペアのそれぞれの前記信頼係数値を統合し、所与の速度範囲に関する頑健な確率結果を決定するステップと、前記結果の前記空気圧不足状態または前記空気圧適正状態の要素の集合によって、前記2つのアルゴリズムのそれぞれに対して、2つの事前確率密度関数として決定された、前記頑健な確率結果を提示するステップとを含むことを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記頑健な確率結果の前記決定が、各アルゴリズムに関して、各車輪及び各アルゴリズムに関する全ての前記速度範囲を考慮に入れた頑健な確率結果を決定するために、各アルゴリズムから得られた前記確率値と、各車輪の全ての前記速度範囲にわたる、関連する信頼係数との積の最大値を選択するステップを含むことを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
各アルゴリズム及び各車輪に関する、前記タイヤの前記空気圧不足状態及び前記タイヤの前記空気圧適正状態の前記事後確率値の前記重みづけが、前記状態のそれぞれの前記決定におけるエラーのリスクに関連付けられた既定のコストを表す係数の関数として、前記タイヤの前記空気圧不足状態及び前記空気圧適正状態のそれぞれに関して得られた前記事後確率値のそれぞれを重みづけすることであることを特徴とする、請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
各アルゴリズム及び各車輪の前記状態の結果の前記決定が、前記重みづけの結果がエラーの前記リスクを最小限にする前記状態を選択することであることを特徴とする、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
各車輪及び各アルゴリズムに関して決定された、前記状態の結果を組み合わせる前記ステップが、エキスパートシステムによって実行され、前記エキスパートシステムの決定則が経験的手法の結果であることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記エキスパートシステムが、各アルゴリズムにそれぞれ提供された前記状態の結果に従って、空気圧不足の問題を有する車輪の数及び/または空気圧不足の問題を有する前記車輪の位置を考慮に入れることを特徴とする、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
各車輪及び各アルゴリズムに関して決定された前記状態の結果を組み合わせる前記ステップが、組み合わせマトリクスを用いて、空気圧不足の問題を有する前記車輪の数または空気圧不足の問題を有する前記車輪の位置を前記マトリクスの入力基準として、実行されることを特徴とする、請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
自動車の車輪に取り付けられたタイヤの空気圧を監視するためのシステムであって、各車輪間の速度差の分析に基づいて、少なくとも1つの前記タイヤにおける空気圧不良の出現を推定するための第1のアルゴリズムと、各車輪速度のスペクトル分析に基づいて、少なくとも1つの前記タイヤにおける空気圧不良の出現を推定するための第2のアルゴリズムとを有するタイプであり、前記第1及び第2のアルゴリズムはそれぞれ、各車輪に関して、車輪の速度範囲の関数として、空気圧不足の確率値及び関連する信頼係数値を提供し、前記システムは、ベイズのアルゴリズムに基づく決定モジュールを含むことによって特徴づけられ、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関して、それぞれ前記タイヤが空気圧不足の状態であるという認識と、前記タイヤが空気圧適正の状態であるという認識の下、前記車両の走行試験の間に各アルゴリズムから得られた、第1及び第2の十分に大量のサンプリング値に基づいて、前記タイヤが空気圧不足である第1の状態及び前記タイヤが空気圧適正である第2の状態に相当する2つの既定の状態のそれぞれに対する事前確率密度関数を生成することと、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関して、前記生成された事前確率密度関数に基づいて、リアルタイムで各アルゴリズムによって計測された現在の決定値の関数として、前記タイヤの空気圧不足状態及び前記タイヤの空気圧適正状態のそれぞれの事後確率値を計算することと、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関して、以前に計算された前記状態の前記事後確率値の間で実行された重みづけの関数として、状態の結果を決定することと、
− 空気圧不足警告信号のトリガーとなるように、各車輪及び各アルゴリズムに関して決定された前記状態の結果を組み合わせること、が可能であるシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の車輪に取り付けられたタイヤ空気圧の状態を診断する分野に関する。より具体的には、本発明はタイヤ空気圧の状態の間接的な検出につながる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤの空気圧不良状態、言い換えればタイヤの空気圧不足状態は、正常な圧力に比べてタイヤの圧力が低下していることによって特徴づけられ、空気圧不足の場合にはパンクの状態が含まれると理解される。しかし、タイヤの空気圧不良状態は、特定の運転条件下においては、車内で走行中の人員の安全を深刻な危険に曝す、タイヤの破裂の原因ともなり得る。破裂が発生しない場合であっても、空気圧不足には、車両の燃料消費の増大及びタイヤの摩耗率の増大という欠点がある。
【0003】
世界規模で採用されつつある規制によって、全ての新車の自動車が、漸次タイヤ空気圧監視システムまたはTPMSを装備するように要求されているのはこのためである。これらのシステムのほとんどは、タイヤ空気圧に関する情報をリアルタイムで当該自動車のエンジンコントロールユニットまたは特定の計算ユニットに伝送するため、各タイヤに搭載された圧力センサを使用している。これは、これら自体も例えば一時的にタイヤ空気圧に影響を与えがちである様々な動的現象のうちの、当該情報を処理し、考慮に入れるためである。当該システムは、空気圧不足の場合には、運転者に対して自動的に(例えばダッシュボード上の表示の形態で)警告メッセージを送るように設計されている。しかし、このタイプのシステムでは、相対的に高価な計測機器をタイヤに組み込むことが要求される。
【0004】
この第1のタイプのTPMSとは対照的に、第2のタイプのTPMS(間接的TPMSと称する)は、圧力センサを使用しないことによって特徴づけられており、所与の速度範囲に対する各タイヤの空気圧不足の確率の好適なアルゴリズムによる推定と共に、当該車両の各車輪の速度の調査を踏まえた、当該速度範囲内で費やした時間に応じた当該確率に関連する信頼係数にも、基づいている。確率は、所与の車輪が空気圧不足の状態になるパーセンテージとして、尤度を表す。この値は、幾つかのサンプル箇所にわたって、即時に計算される。信頼係数は、速度範囲の変更に必要な忘却係数を表す。
【0005】
この第2のタイプの監視システムは、例えば車輪のアンチロック監視センサによって推定または計測される車輪の回転速度値に基づいて、容易に実装され得るが、直接監視システムに比べると正確性は劣る。具体的には、圧力センサを用いないため、空気圧不足検出誤認警報の回数が増大しがちである。これは、アルゴリズムによって推定される確率が、走行時間、学習、及びあらゆる状況におけるそれらの信頼度に依存するからである。
【0006】
より正確には、間接的監視システムは、車輪の回転半径の分析または車輪の振動の分析のどちらかに基づく。車輪の半径の分析は、各車輪間の速度差の調査に基づくアルゴリズムに依存する、間接的監視システムによって実行される。これから引き出される効果は、タイヤの空気圧不足が回転半径の変化につながり、したがって角速度の変化につながるという事実に由来する。したがって、車輪間の速度差が増大するとすぐに、空気圧不足の問題が推論される。例えば、特許文献FR2927018は、車両の各車輪の空気圧状態を検出するための、車両の車輪の角速度の計測、計測された車輪の角速度の複数の比較基準の計算、及び計算された基準の分析を含む、こうした計算アルゴリズムを用いて、タイヤの空気圧状態を間接的に監視するシステムを開示する。複数の動的現象が各車輪の回転半径間の不均質な変化を生じさせがちであり、それによってタイヤの不良状態に関する誤認警報の頻度が増大する限りにおいて、各車輪間の計測された速度差の調査に基づくこれらの基準の有効性は、重要である。当該アルゴリズムはこうして、計測された各車輪の角速度の間の差異によって、車両に取り付けられた少なくとも1つのタイヤの空気圧不良状態が示される確率が高くなることを確保するように設計されている。しかし、このアルゴリズムの性能は、空気の抜けた車輪の数次第である。したがって、こうしたアルゴリズムは、車両の状況が(1つの車輪の空気が抜ける)パンクに相当する場合には上手く機能するが、(幾つかの車輪の空気がゆっくりと抜ける)ディフュージョン(diffusion)の場合には十分上手くは機能しない。
【0007】
一方、車輪の振動の分析は、特定のモードを監視するための車輪の速度のスペクトルによる調査に依存するアルゴリズムに基づいて、間接的監視システムに用いられる。これから引き出される効果は、車輪の角速度信号のスペクトル的特性(例えば様々な周波数帯におけるエネルギー分布)が、タイヤの空気圧に依存するという事実に由来する。したがって、監視されたモードがその特性を表すテンプレートから逸脱している場合、それによってシステムは、空気圧不足の問題を推論する。例えば、特許文献WO2012127139は、こうしたアルゴリズムを用いて、タイヤ空気圧の状態を間接的に検出するシステムを開示する。回転半径の分析に依存する前述のアルゴリズムとは対照的に、車輪の角速度信号のスペクトル調査を用いる本アルゴリズムは、(幾つかの車輪の空気がゆっくりと抜ける)ディフュージョンの場合に上手く機能するが、(1つの車輪の空気が抜ける)パンクの場合には十分上手くは機能しない。
【0008】
こうして、間接的監視システムに用いられる2つの分析方法による各アルゴリズムの性能が、空気が抜けた車輪の数に依存することが判明した。
【0009】
特許文献US2007061100は、車輪の半径の分析及び車輪の振動の分析のそれぞれに基づいて上記の両方の分析方法を用いた、タイヤ空気圧監視システムについて記載する。2つの分析方法によるアルゴリズムの個々の欠点を補うため、その中では、各タイヤの空気圧状態の推定は、車輪の半径を分析する方法によるアルゴリズムの出力値、及び車輪の振動を分析する方法によるアルゴリズムの出力値の両方に基づいている。より正確には、各確率値が、出力値と名目値との差分を示し、累積確率分布関数であるように、車輪の半径を分析する方法によるアルゴリズムの出力値から得られた第1の空気圧不足確率値、及び、車輪の振動を分析する方法によるアルゴリズムの出力値から得られた第2の空気圧不足確率値が、各タイヤに関して計算される。このことから、各タイヤの空気圧状態の推定が、第1及び第2の空気圧不足確率値の積に基づいて計算される。しかし、2つの異なる分析方法によるアルゴリズムから得られる様々な確率値を組み合わせる当該方法は、最適ではない。
【発明の概要】
【0010】
本発明の一目的は、車輪速度を分析する上記の2つの方法によってアルゴリズムから得られたデータを組み合わせることと、2つのアルゴリズムの性能を考慮に入れて空気圧不足の場合の推定の頑健性を増大させることとを可能にする、自動車の車輪に取り付けられた少なくとも1つのタイヤの空気圧不良の出現をリアルタイムで推定する方法を提供することである。
【0011】
この目的のため、本発明は、自動車の車輪に取り付けられた少なくとも1つのタイヤの空気圧不良の出現を推定する方法に関する。前記推定は、各車輪間の速度差の分析に基づく第1のアルゴリズムと、車輪速度のスペクトル分析に基づく第2のアルゴリズムとによる、各車輪の角速度の分析に起因し、第1及び第2のアルゴリズムのそれぞれは、各車輪に関して、車輪速度範囲の関数として、空気圧不足確率値及び関連する信頼係数値を提供する。本発明によると、本発明には以下の各ステップを取り入れたベイズのアルゴリズムに基づく決定モジュールが用いられる。
− それぞれ、タイヤが空気圧不足の状態であるという認識と、タイヤが空気圧適正の状態であるという認識の下、車両の走行試験の間に各アルゴリズムから得られた、第1及び第2の十分に大量のサンプリング値に基づいて、各アルゴリズム及び各車輪に関して、タイヤが空気圧不足である第1の状態及び、タイヤが空気圧適正である第2の状態に相当する2つの既定の状態のそれぞれに対する事前確率密度関数を生成するステップと、
− 各アルゴリズム及び各車輪に対して、生成された事前確率密度関数に基づいて、各アルゴリズムによってリアルタイムで計測された現在の値の関数として、タイヤの空気圧不足状態とタイヤの空気圧適正状態のそれぞれの事後確率値を計算するステップと、
− 各アルゴリズム及び各車輪に対して、以前に計算された両状態の事後確率値の間で実行された重みづけの関数として、状態の結果を決定するするステップと、
− 各車輪及び各アルゴリズムに対して、空気圧不足警告信号のトリガーとなるように、決定された状態の結果を組み合わせるステップ。
【0012】
個別にまたは組み合わされて実施される、本発明による方法の他の有利な特性によると、
− 事前確率密度関数の生成は、第1のアルゴリズムから得られた確率値及び関連する信頼係数値の各ペア、並びに、第2のアルゴリズムから得られた確率値及び関連する信頼係数値の各ペアのそれぞれの信頼係数値を統合し、所与の速度範囲に対する頑健な確率結果を決定するステップと、2つのアルゴリズムのそれぞれに対して、上記結果の空気圧不足状態または空気圧適正状態の要素の集合による2つの事前確率密度関数として決定された、頑健な確率結果を提示するステップとを含み、
− 頑健な確率結果の決定は、各車輪及び各アルゴリズムに関して全速度範囲を考慮に入れて頑健な確率結果を決定するために、各アルゴリズムに関して、各車輪の全速度範囲にわたって、各アルゴリズムから得られた確率値と関連する信頼係数との積の最大値を選択するステップを好ましくは含み、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関するタイヤの空気圧不足状態及びタイヤの空気圧適正状態の事後確率値の重みづけの実施は、有利には、タイヤの空気圧不足状態及び空気圧適正状態のそれぞれから得られた前記事後確率値のそれぞれを、各状態のそれぞれを決定する際のエラーのリスクに関連付けられた既定のコストを表す係数の関数として重みづけすることであり、
− 各アルゴリズム及び各車輪の状態の結果の決定は、好ましくは、重みづけの結果によってエラーのリスクが最小化される状態を選択することであり、
− 好適な一実施形態によると、各車輪及び各アルゴリズムに関して決定された状態の結果を組み合わせるステップは、(その決定則が経験的手法の結果である)エキスパートシステムによって実施され、
− 好ましくは、当該エキスパートシステムは、各アルゴリズムのそれぞれに提供された状態の結果に従って、空気圧不足の問題を有する車輪の数及び/または空気圧不足の問題を有する車輪の位置を考慮に入れ、
− 変形として、各車輪及び各アルゴリズムに関して決定された状態の結果を組み合わせるステップは、組み合わせマトリクスを用いて、空気圧不足の問題を有する車輪の数及び/または空気圧不足の問題を有する車輪の位置をマトリクスの入力基準とすることにより、実行され得る。
【0013】
本発明はまた、各車輪の速度差の分析に基づいて、少なくとも1つのタイヤにおける空気圧不良の出現を推定するための第1のアルゴリズムと、車輪速度のスペクトル分析に基づいて、少なくとも1つのタイヤにおける空気圧不良の出現を推定するための第2のアルゴリズムとを有するタイプの、自動車の車輪に取り付けられたタイヤの空気圧を監視するためのシステムにも関する。当該第1及び第2のアルゴリズムはそれぞれ、各車輪に関して、車輪の速度範囲の関数として、空気圧不足の確率値及び関連する信頼係数値を提供し、前記システムは、ベイズのアルゴリズムに基づく決定モジュールを含むことによって特徴づけられ、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関して、それぞれ、タイヤが空気圧不足の状態であるという認識と、タイヤが空気圧適正の状態であるという認識の下、車両の走行試験の間に各アルゴリズムから得られた、第1及び第2の十分に大量のサンプリング値に基づいて、タイヤが空気圧不足である第1の状態及び、タイヤが空気圧適正である第2の状態に相当する2つの既定の状態のそれぞれに対する事前確率密度関数を生成することと、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関して、生成された事前確率密度関数に基づいて、リアルタイムで各アルゴリズムによって計測された現在の決定値の関数として、タイヤの空気圧不足状態及びタイヤの空気圧適正状態のそれぞれの事後確率値を計算することと、
− 各アルゴリズム及び各車輪に関して、以前に計算された状態の事後確率値の間で実行された重みづけの関数として、状態の結果を決定することと、
− 空気圧不足警告信号のトリガーとなるように、各車輪及び各アルゴリズムに関して決定された状態の結果を組み合わせること、が可能である。
【0014】
開示のために非限定的に示される後述の本発明の具体的実施形態の記載を読み、添付図面を参照することで、本発明の他の特徴及び利点が明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】いわゆる周波数領域アルゴリズムから得られた結果に基づいて生成された、タイヤの空気圧不足状態及び空気圧適正状態の事前確率密度関数の例を示す。
図2】2つのアルゴリズムから得られ、本発明に従いベイズ手法によって解釈された結果を組み合わせるための、エキスパートシステムの例示的実施形態を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
したがって、目的は、各タイヤ間の角速度の差を分析する方法(以下、時間領域アルゴリズムと称する)に従って、また、車輪速度をスペクトル的に分析する方法(以下、周波数領域アルゴリズム)に従って、それぞれ動作する2つの検出アルゴリズムによる検出結果として提供される、各タイヤに関する及び速度範囲ごとの確率値及び関連する信頼係数を考慮に入れて、タイヤのうちの1つが空気圧不足(パンクを含む)の状態かどうかを知るという問いに対して応答することによって、車両の車輪に取り付けられたタイヤのうちの少なくとも1つにおける圧力不良の存在を、頑健に特徴づけることである。
【0017】
本発明による決定モジュールの目的は、各システムの最善の結果を得るため、そして2つのアルゴリズムそれぞれの性能に影響する所与の空気圧不足状況と、運転フェーズとに関連する検出エラーを最小化するために、これら2つの時間領域及び周波数領域の各アルゴリズムから得られた検出結果を組み合わせることである。本発明によると、タイヤの空気圧不足状況の特徴づけを精緻化及び確認または否定するために、時間領域及び周波数領域の2つのアルゴリズムから得られた検出結果を考慮に入れながら、採られている方法は、当業者に知られているベイズ統計推定技術を用いるように設計されている。これを行うため、本発明の方法では、統計学的手法に基づくベイズ決定アルゴリズムを採り入れた決定モジュールが用いられる。
【0018】
こうしてベイズ決定アルゴリズムによって実施される第1のステップは、時間領域及び周波数領域の各アルゴリズム、並びに各車輪に関して、各アルゴリズムから得られた、及び状態を把握した(即ち、タイヤが空気圧不足状態にあること、及びタイヤが空気圧適正状態にあることを把握した)自動車の以前の走行試験によって得られた検出値の十分に大量のサンプリングを蓄える収集データベースに基づいて、それぞれ、タイヤの空気圧不足状態及びタイヤの空気圧適正状態に関する2つの事前確率密度関数を生成することである。言い換えれば、ベイズ理論によると、当該ステップは、車両の走行試験の間に得られた、周波数領域及び時間領域それぞれのアルゴリズムの出力結果から得られた統計的データから、前記事前確率密度関数を表すことで、両状態の事前確率ヒストグラムの構造に基づいて、タイヤの空気圧に関する2つのあり得る状態、即ち空気圧不足状態と空気圧適正状態との間を区別することを意図する。
【0019】
導入部で説明したように、2つのアルゴリズムのそれぞれによって、車両の各車輪に関して、空気圧不足確率値P及び、関連する信頼係数値Tを含む検出信号がアウトプットとして提供され、それらは速度範囲の関数として提供される。2つのアルゴリズムのそれぞれによって推定された確率値Pは、当該車輪が空気圧不足状態にあるパーセンテージとして、尤度を表す。この確率値Pは、車輪ごとに、また速度範囲の係数として、2つのアルゴリズムのそれぞれによって、幾つかのサンプリング期間にわたって即座に計算される。信頼係数値Tは、速度範囲の変更に必要な忘却係数を表す。具体的には、確率値Pには、各速度範囲で見られた空気圧不足状態にある尤度の、最新値の記憶が含まれる。車両の速度が速度範囲の全てまたは幾つかを超過する場合、確率値は、超過された速度範囲のそれぞれで見られる最新値を保つ。次いで、車両の現在速度に対応する速度範囲は、高度の信頼係数を有する。反対に、所与の速度範囲及び所与の車輪に関する確率値の最終の更新から時間が経てば経つほど、当該確率値に関連づけられた信頼係数値は低いものになる。こうして、P×T(確率×信頼係数)の積が採られ、確率値を考慮するが、この値のあり得るかもしれない陳腐化をも考慮した、頑健な確率結果が得られる。
【0020】
したがって、この頑健な確率結果は、ベイズの定理による、各アルゴリズム及び各車輪の事前状態の確率ヒストグラムの構築のための事前確率として用いられるであろう。好ましくは、各車輪及び各アルゴリズムに関する全速度範囲を考慮に入れて、頑健な確率結果を決定することにつながる、P×Tの積の最高値を表す速度範囲が選択される。
【0021】
図1は、空気圧不足状態及び空気圧適正状態のそれぞれの2つのヒストグラムとして、特定の期間にわたって得られたP×Tの積の最大値の関数として、周波数領域アルゴリズムから得られた検出結果の提示に起因する、事前ベイズ状態の2つの確率ヒストグラムの例を示す。これらのヒストグラムは、事前確率密度を構成するために正規化される。図1の例においては、横座標上の値は、周波数領域アルゴリズムから得られた検出結果の空気圧不足状態または空気圧適正状態の要素の集合の関数として、頑健な確率P×Tを表す。
【0022】
したがって、図1では、曲線部C1は、当該タイヤが空気圧不足状態にあることを事前に把握した状態で周波数領域アルゴリズムから得られた頑健な確率値P×Tに対応する、以前の走行試験によって得られた事前確率密度関数を表す。
【0023】
一方、曲線部C2は、当該タイヤが空気圧適正状態(即ち空気で良く満たされた状態)にあることを事前に把握した状態で周波数領域アルゴリズムから得られた頑健な確率値P×Tに対応する、以前の走行試験によって事前に得られた確率密度関数を表す。
【0024】
ベイズ決定アルゴリズムは、続いて、こうしてリアルタイムで各アルゴリズムによって計測された現在の検出値の関数として生成された事前確率密度関数に基づいて、各アルゴリズム及び各車輪に関する可能な状態の事後確率を計算するステップを実行する。より正確には、次いでベイズの定理によって、各車輪及び各アルゴリズムに関して、リアルタイムの周波数領域/時間領域アルゴリズムによって測定された値P×Tを有し、空気圧不足状態にあるタイヤを有する事後確率、及び、リアルタイムの周波数領域/時間領域アルゴリズムによって測定された値P×Tを有し、空気圧適正状態にあるタイヤを有する事後確率を知ることが可能になる。
【0025】
これを行うため、自動車が空気圧不足状態にあるタイヤを有する、及び空気圧適正状態にあるタイヤを有する、それぞれの一般確率を出すように、例えばタイヤ製造業者などによって所与の自動車プールに対して実施される統計的調査から得られる、一般確率データが使用される。こうした調査の助力によって、一般的に、自動車が空気圧不足のタイヤを有する一般確率がP(空気圧不足)に等しい一方、自動車が十分に膨らまされたタイヤを有する一般確率がP(適正)に等しいことが知られている。例えば、P(空気圧不足)は0.7に等しく、P(適正)は0.3に等しい。これらの一般確率値は、以下で詳細に記載されるグローバル関数の調整変数であり、可能な状態の事後確率の計算に結び付く。これらは、最善の最終結果を得るために修正され得る。さらに、各状態の確率の合計は1に等しくなければならない。即ち、
P(空気圧不足)+P(適正)=1
【0026】
次いで、可能な状態の事後確率を計算するため、以下の等式が用いられる。
【0027】
例示として、周波数領域アルゴリズムに関して生成された図1の事前確率密度関数によると、(確率値と、周波数領域アルゴリズムによって計測される関連する信頼係数値との積P×Tによって与えられる)0.2に等しい現在の頑健な確率値Xに関して、以下が得られる。
P(空気圧不足/PT)=0.04であり、
P(適正/PT)=0.23である。
【0028】
例えば、所与の自動車プールにおいて、十分に膨らまされたタイヤを有する一般確率値P(適正)が0.3に等しく、空気圧不足のタイヤを有する一般確率値P(空気圧不足)が0.7に等しいとき、頑健な確率値P×Tに関して、空気圧不足の状態及び空気圧適正の状態にある事後確率の計算結果は、所与の例によれば0.2に等しく、
P(空気圧不足/0.2)=0.2887であり、
P(適正/0.2)=0.7113である。
【0029】
したがって、ベイズ確率のこの結果によって、空気圧適正状態にある確率が空気圧不足状態にある確率よりも高い状態では、周波数領域のアルゴリズムから得られた検出結果によると、問題の車輪には空気圧不足の問題はないと結論付けられ得る。
【0030】
それにもかかわらず、ベイズ決定アルゴリズムによって、リスク計算を実行することに内在する、より正確には、こうしてエラーであると決定される各状態のリスクに関連するコスト評価に基づく、追加のステップが実行される。言い換えれば、当該計算の狙いは、各状態の決定に際して間違えられるリスクに関連付けられたコストを評価することによって以前計算された、事後確率値を重みづけすることである。具体的には、決定された(それぞれ空気圧不足と空気圧適正の)各状態には、リスクが関連付けられている。リスクとは即ち、問題のタイヤが、実際には空気圧適正の状態にある一方で空気圧不足の状態であると決定されるリスク(誤認警報に相当する)及び、問題のタイヤが、実際には空気圧不足の状態である一方で空気圧適正の状態であると決定されるリスク(不検出に相当する)である。
【0031】
これらの誤認警報及び不検出のリスクのそれぞれには、問題のリスクに関連付けられた結果の重大性を表す既定の重みづけ係数として、それぞれCOSTfalse_alarm及びCOSTnondetectionという、コストが割り当てられ得る。次いで決定アルゴリズムによって、以下のようにそれぞれ誤認警報のコスト及び不検出のコストに関連付けられた、リスクの2つの計算が実行される。
R(空気圧不足/0.2)=P(適正/0.2)*COSTfalse_alarm
R(適正/0.2)=P(空気圧不足/0.2)*COSTnondetection
【0032】
例示として、0.4に等しい重みづけ係数COSTfalse_alarmが採られ、0.6に等しい重みづけ係数COSTnondetectionが採られる。したがって、上記の例に戻ると、値P×Tが周波数領域アルゴリズムから得られた0.2に等しいとき、以下が得られる。
R(空気圧不足/0.2)=0.2845
R(適正/0.2)=0.1732
【0033】
次いで、問題の車輪に関する最善の決定とは、エラーのリスクが最低を示すものであると考えられる。そのために、エラーのリスクを最小化する状態を選択するように、即ち問題の例が空気圧適正の状態になるように、リスク計算に対して関数MIN(R(適正/0.2),R(空気圧不足/0.2))が適用される。
【0034】
誤った決定に関連付けられる当該リスク計算は、リスクの最小化によって、最も問題が小さい状態の確率とコストの組み合わせを選択することが可能になる限りにおいて、空気圧不足の状態P(空気圧不足/X)と空気圧適正の状態P(適正/X)の計算された事後確率値が等しい場合に特に有利である。
【0035】
周波数領域アルゴリズムと時間領域アルゴリズムそれぞれの結果は、空気圧不足状態及び空気圧適正状態の事後確率の計算を含む上記の手法で扱われ、次いでエラーのリスクに関連付けられたコストに従って、これらの値の重みづけをされる。次いで、ベイズ決定アルゴリズムによって、各車輪並びに各時間領域及び周波数領域アルゴリズムにとって、エラーのリスクが最低である事後確率値に由来する、状態の結果(空気圧不足または空気圧適正)が提供される。
【0036】
本発明の方法は、次いで、序章に記載したような時間領域及び周波数領域の2つのアルゴリズムのそれぞれに関連付けられる内在的なエラーを最小化するため、ベイズ決定アルゴリズムによって、2つのアルゴリズムのそれぞれ及び車輪のそれぞれに関して、こうして得られた状態の結果の組み合わせの実行を提供する。
【0037】
一実施形態によると、当該組み合わせるステップは、その決定則が経験的手法の結果である、即ち、準システム化された一般的考察に基づいている、エキスパートシステムによって実行され得る。図2は、状態の結果の組み合わせに関して実施され得る、エキスパートシステムの一例を概略的に示す表である。表内の表記に示されているのは、以下のとおりである。
i:車輪の参照番号[1〜4]、
*:車輪の総数、
〜:可能な値全て、
条件は以下のとおり。
周波数番号: 周波数領域アルゴリズムに関して決定された状態の結果による、空気圧不足の問題を有する車輪の数、
時間番号: 時間領域アルゴリズムに関して決定された状態の結果による、空気圧不足の問題を有する車輪の数、
時間(i): 時間領域アルゴリズムによる、記号iの車輪の空気圧不足の問題(可能な値の例:真または偽)、
周波数(i):周波数領域アルゴリズムによる、記号iの車輪の空気圧不足の問題(可能な値の例:真または偽)
【0038】
したがって本例では、時間領域及び周波数領域のアルゴリズムのそれぞれに関してあらかじめ定められた状態の結果からの帰結として、空気圧不足の問題を有する車輪の数及び/または、空気圧不足の問題を有する車輪の位置(記号iで示される)に関する状態を考慮に入れた決定則が、エキスパートシステムによって適用される。本例において、表の行の順序に従う限り、当該決定則が適用される必要がある。したがって、本例によると、周波数領域アルゴリズムの結果、空気圧不足の問題を有する車輪が4として示され、時間領域アルゴリズムの結果、空気圧不足の問題を有する車輪が0として示された場合、決定モジュールの出力信号の状態は、他の条件に関わらず、全ての車輪にとって適正であるとして設定される。もし1行目のこの解釈が行われない場合、表の2行目に従って、表内の他の条件が取る値に関わらず、決定モジュールの出力信号の状態を当該車輪について空気圧不足として設定するためには、時間領域アルゴリズムによって検出された車輪iの空気圧不足の問題が存在すれば十分である。もし2行目のこの解釈が行われない場合、表の3行目に従って、表内の他の条件が取る値に関わらず、決定モジュールの出力信号の状態を当該車輪について空気圧不足として設定するためには、周波数領域アルゴリズムによる車輪iの空気圧不足の問題が存在し、同時に、時間領域アルゴリズムによって空気圧不足の問題があると検出される車輪が存在しなければ、十分である。最後に、もし3行目のこの解釈が行われない場合、表の最終行に従って、(上の各行のいずれの解釈にも合致しない限り)表内の条件が取る値に関わらず、決定モジュールの出力信号の状態は、全ての車輪について適正と設定される。
【0039】
別の一実施形態によると、各車輪及び各アルゴリズムに関して決定された状態の結果の組み合わせは、組み合わせマトリクスを用いて、空気圧不足の問題を有する車輪の数または空気圧不足の問題を有する車輪の位置をマトリクスの入力基準として、実行され得る。
【0040】
決定モジュールの出力信号の状態が空気圧不足に変更されることは、車両の少なくとも1つの車輪の空気圧不足の問題について車両の運転手に警告することを意図した空気圧不足警告信号の、トリガーとなる。
【0041】
好ましくは、動的または即時的過ぎかねない組み合わせから得られる検出結果を遅らせるために、決定モジュールの出力に対してカウンターが追加される。当該カウンターは、要件に合った検出速度に適合できるように、空気圧不足の問題が検出されるまたは検出されない度ごとに、出力信号によって採られる状態の関数として、数を足したり引いたりするように設計されている。カウンターはこうして、上記のように、データの組み合わせによって提示される空気圧不足の信号が、一定程度持続して初めて、警告信号のトリガーとすることを可能にしている。決定システムに安定性を提供するため、こうした遅延によって、劣悪な道路の存在(起こり得る短期的な摂動)、上流における時間領域アルゴリズム及び周波数領域アルゴリズムの不正確な解釈及び他の一時的な障害、並びに、警報の早発的な生成に関連付けられる欠点のような、起こり得る欠点を克服することが可能になる。
【0042】
例えば、1バイトの値(0〜255)で飽和するカウンターが用いられる。例えば、組み合わせマトリクスによって提供される決定結果から空気圧不足の信号が来る都度、255であり得る初期値から固定または可変のステップでカウントダウンすること、及び空気圧適正の信号ごとに同様に値を増大させることが可能である。(例えば0に等しい)最小の警告閾値に到達するとすぐに、空気圧不足の信号が十分に持続していると結論付けられ得、警告信号がトリガーされる。警告信号がトリガーされると、カウンターは警告閾値でロックされ、カウンターを初期値に戻すため、自動または手動による再初期化の要求が送信される。
図1
図2